JPH1150212A - 軽合金鋳物の熱処理方法 - Google Patents
軽合金鋳物の熱処理方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract
理時の残留応力を低減する。 【解決手段】冷媒の膜沸騰状態を、従来に比べて長い時
間tだけ持続させることにより、核沸騰開始温度をワー
クの材料としての耐力が熱応力を越える温度まで低下さ
せ、ワークの冷却速度を遅くする。また、焼き入れ時の
冷却速度をコントロールすることにより、冷媒の膜沸騰
状態を材料の耐力が熱応力を越える温度まで持続させる
と共に、ワークの臨界冷却速度以上で冷却する。
Description
理方法に関し、例えば、アルミニウム合金製シリンダヘ
ッドの熱処理方法に関するものである。
きく向上させるためにJIS規格の熱処理であるT6処
理が一般的に採用されている。このT6処理は軽合金鋳
物(以下、ワーク)を500℃前後で加熱し、この温度
で数時間保持した後、常温の水又は温水中で焼き入れ
し、その後180℃程度で数時間保持する処理である。
にワークに残留応力が発生するため、過酷な使用環境下
ではワークに疲労亀裂が発生するという問題がある。
て、ワークの各部位に温度差が発生するからである。例
えば、焼き入れ中において、ワークの外部は冷却温度が
速く、内部は遅くなるため、外部と内部に温度差が発生
する。この温度差により発生する熱応力がワークの材料
としての耐力を越えることで残留応力が発生する。特
に、鋳物ではワーク形状が複雑であるため温度のばらつ
きが生じやすく残留応力も高くなる。
減するために種々の方法が提案されている。
法(特願平2−62247号) ワーク形状や冷媒の循環を改善して、ワークへいの冷
媒の供給を促進させる方法(特開平4−136141号
公報) 焼き入れ時の冷媒温度を上げる方法(住友軽金属技報
Vol.31 No.2,1990(P28-44)) 焼き戻し温度を上げる方法(Aluminum,Vol.13,ASM(19
67),355) 熱処理後にワークに振動を加える方法(日本機械学会
論文集52巻477号(昭61-5))
の技術においても、残留応力を十分に低減することがで
きず、また、低減できても材料強度が低下するという不
都合が生じる。
案されたもので、その目的は、軽合金鋳物の材料強度を
損なうことなく、熱処理時の残留応力を低減することが
できる軽合金鋳物の熱処理方法を提供することである。
目的を達成するために、この発明に係わる軽合金鋳物の
熱処理方法は、以下の特徴を有する。即ち、軽合金鋳物
を所定の焼き入れ温度まで加熱した後、冷媒により冷却
する軽合金鋳物の熱処理方法において、前記冷媒の膜沸
騰状態を、少なくとも鋳物の耐力が熱応力以上となる温
度まで持続させる。
いて、添付の図面を参照して詳細に説明する。
時において、3段階に変化する冷媒の状態を示す図であ
る。図2は、従来技術に基づく冷媒の状態に応じたワー
クの冷却速度を示す図である。図3は、本発明に係わる
実施形態の焼き入れ時の冷却速度を示す図である。図4
は、従来技術と本実施形態での核沸騰開始温度における
耐力と熱応力の関係を比較して示す図である。
金鋳物等からなるワークMの焼き入れは、3段階の冷却
過程を経て行われる。即ち、第1段階は膜沸騰段階(図
1(a)参照)、第2段階は核沸騰段階(図1(b)参
照)、第3段階は対流段階(図1(c)参照)である。
膜沸騰段階では、冷媒の蒸気膜B1がワークMの周囲を
覆い、ワークMは冷却速度が遅いため均一に冷却され
る。核沸騰段階になると、冷媒の蒸気膜が破壊されて独
立した蒸気泡B2となり、ワークMは急激に冷却され
て、ワークの各部位(例えば、外部と内部)で温度差が
発生する。この核沸騰段階での冷却によりワークMに発
生する熱応力が、ワークMの材料としての耐力よりも高
い場合、ワークに塑性変形が起きて残留応力が発生す
る。
図3に示すように、冷媒の膜沸騰状態を、従来に比べて
長い時間tだけ持続させることにより、核沸騰開始温度
をワークの材料としての耐力が熱応力を越える温度まで
低下させ、ワークの冷却速度を遅くするものである。
なるが、例えば、アルミニウム合金鋳物では約300℃
であり、少なくともその温度まで、或いはその温度以下
まで膜沸騰状態を持続させることにより、図4に示すよ
うに、材料の耐力が熱応力以上になってから核沸騰を開
始させることができるため、ワークの残留応力を大幅に
低減することができる。
速度をコントロールすることにより、冷媒の膜沸騰状態
を材料の耐力が熱応力を越える温度まで持続させると共
に、ワークの臨界冷却速度以上で冷却する。臨界冷却速
度とは、焼き入れ時において、ワークの材料強度を保証
するための最低限度の冷却速度を表しており、その臨界
冷却速度以下で冷却するとワークの材料強度が低下する
ことになる。
ば、JIS規格に基づくAC4D材では数℃/s程度で
あり、この速度以上で冷却することにより、材料強度を
損なうことなく、残留応力を大幅に低減することができ
る。
沸騰状態を持続させ、核沸騰開始温度を低下させるため
には、冷媒を沸騰状態にすることが有効である。ところ
が、冷媒を沸騰状態とすると、冷却速度が遅くなるた
め、材質によっては臨界冷却速度以下となり、材料強度
の低下を引き起こす。冷却速度が遅くなるのは、冷却速
度の遅い膜沸騰状態を長時間維持させるためである。
に、ワークを冷媒中に投入した後に冷媒が沸騰状態とな
るように、冷媒量とその初期温度をコントロールし、焼
き入れ初期の冷却速度を速くして臨界冷却速度以上を維
持している。また、冷媒をワーク自身の熱で沸騰させて
もよい。この場合、冷媒量とその初期温度は、ワークが
冷媒に与える熱量Q(kcal)、冷媒の初期温度をT0
(℃)、沸点をT1(℃)、冷媒量をW(kg)、比熱をC
(kcal/kg・℃)とすると、下記の式を満足することが望
ましい。即ち、 Q=(T1−T0)×C×W [熱処理方法2]また、冷媒の膜沸騰状態での冷却速度
を速めるために、ナトリウムイオンを含む水溶液、例え
ば、塩化ナトリウム(NaCl)水溶液や炭酸ナトリウム(Na2
Co3)水溶液等の高冷却性を有する冷媒を用い、この冷媒
を沸騰させて冷却を行ってもよい。この場合でも、図6
に示すように、冷媒の膜沸騰状態での冷却速度が速くな
るために、臨界冷却速度以上を維持することができる。
階での冷却速度を速くするために、本実施形態では、図
7(b)に示すように、焼き入れの初期段階では膜沸騰
状態での冷却速度が速い温水(沸騰前の状態)でワーク
Mを冷却し、引き続き沸騰水で冷却する。温水の温度
は、約60℃〜90℃が望ましい。その理由は、温度が
60℃より低温であると膜沸騰状態が短時間で終了し、
90℃より高温であると膜沸騰状態での冷却速度が遅く
なるからである。また、沸騰水は、その温度が沸点〜沸
点−5℃の温度となっていることが望ましい。この場合
でも、図7(a)に示すように、冷媒の膜沸騰状態での
冷却速度が速くなるために、臨界冷却速度以上を維持す
ることができる。
限値を拡大するために、ワークとしてアルミニウム合金
鋳物を用いた場合の銅含有量を約1重量%〜5重量%と
している。これは、図8、図9に示すように、銅含有量
が1重量%より少ないと焼き入れ時の感受性が敏感にな
り、相対的にワークの冷却速度が臨界冷却速度を下回
り、材料強度が低下してしまうからである。
な形状のワークでは、局部的に薄肉部や突起部があり、
これらの部位は他の部位に比べて冷却が速くなるため、
膜沸騰状態が持続しにくく残留応力が発生しやくなる。
このような、膜沸騰状態が持続しにくい薄肉部や突起部
等でも、冷媒の膜沸騰を強制的に持続させ、残留応力を
大幅に低減することができる。
焼き入れ中において、冷媒中のワークの下部から蒸気を
吹き付けることにより、その蒸気によってワークの周囲
に蒸気膜B1を生成することができる。
沸騰状態を持続させることができる。
持続させる方法として、図11(b)に示すように、冷
媒中に少なくと2つのワークを隣接させた状態で配置し
て、焼き入れ時にワーク同士の対向する部分に発生する
蒸気膜を共通化させることにより、その互いの蒸気によ
ってワークの周囲の連続気泡(蒸気膜)を維持すること
ができる。
冷媒中に入れる場合には、ワークの熱量は蒸気膜B1の
生成に供される以外に、蒸気膜の周囲の冷媒の加熱に供
される。これに対して、図11(b)に示すように、少
なくとも2つのワークM1、M2を隣接させた場合に
は、隣り合うワーク間では、ワークの熱量が主に蒸気膜
の生成に供されるため、ワーク周囲の蒸気膜B1が維持
しやすくなる。この場合、多数のワークを隣接して配置
させた方が望ましく、また、ワーク外周に隣接させて、
加熱したダミー用ワークを配置してもよい。
沸騰開始温度との関係を示す図である。図13は、試験
1の条件におけるワークの厚肉部と薄肉部の冷却速度を
示す図である。図14は、試験1の条件により焼き入れ
処理したワークの残留応力と硬さの結果を示す図であ
る。
るもので、厚肉部m1と薄肉部m2を有するアルミニウ
ム合金製の試験用鋳物S1を535℃になるまで加熱
し、この温度で4時間保持した後、冷媒として99℃の
沸騰水で焼き入れ処理を施した(溶体化処理)。この溶
体化処理での核沸騰開始温度は290℃であった。即
ち、沸騰状態或いはその近傍温度の水では、鋳物のほと
んどの熱量が水の蒸発潜熱に供されるため、水の膜沸騰
状態が長時間持続し、核沸騰開始温度が低下するのであ
る。ここで、材料の耐力が熱応力を越える温度まで、核
沸騰開始温度を低下させるためには、図12に示すよう
に、冷媒温度を沸点〜沸点−5℃程度に設定することが
望ましい。
80℃になるまで加熱し、この温度で6時間保持した
後、空冷したところ(人工時効処理)、図13、図14
に示すように、鋳物の残留応力は±2kgf/mm平方
以下であり、ほとんど発生していないという結果が得ら
れた。
S1を75℃の温水で焼き入れした場合には、核沸騰開
始温度が約400℃であり、未沸騰水では鋳物の熱量が
水の蒸発潜熱以外に水の温度上昇に供されるため、冷媒
の膜沸騰状態が持続しにくいことがわかる。また、比較
例の鋳物S1は、約8kgf/mm平方の高レベルの残
留応力が発生しており、試験1と比較例との比較からも
熱処理方法1の効果は明らかである。
る試験用鋳物の形状を示す図である。
熱処理方法1に関するもので、鋳物内部に中空部m3と
その内外を連通する連通孔m4を有する試験用鋳物S2
を用いて、試験1の条件で熱処理を施した。この試験2
の条件においても残留応力はほとんど発生しなかった。
鋳物を中空部m3と連通孔m4を有する形状としても、
試験1と同様の理由により核沸騰開始温度が低下するだ
けでなく、冷媒の廻りが遅い中空部m3と冷媒の廻りが
速い外側部分との間においても、冷媒温度が変わらない
ため、中空部m3と外側部分とで温度差が生じにくいと
いう結果が得られた。
いた場合には、中空部m3での冷媒温度が上昇するた
め、中空部m3と外側部分とで温度差が生じやすい。
る冷媒温度変化と鋳物の冷却速度を示す図である。
もので、試験用鋳物として重量17kgのJIS規格ア
ルミニウム合金鋳物AC4Cを525℃になるまで加熱
し、この温度で4時間保持して溶体化処理を施した後、
冷媒として容積100リットル、初期温度85℃の温水
で焼き入れ処理を施した。図16に示すように、冷媒温
度は、焼き入れ開始8秒後に99℃まで上昇し、焼き入
れ終了まで一定であった。
℃になるまで加熱し、この温度で6時間保持した後、空
冷したところ(人工時効処理)、鋳物の残留応力は±2
kgf/mm平方以下であり、かたさもビッカースかた
さHv108と良好な結果が得られた。
を同じ容積100リットルの沸騰水中で焼き入れし、そ
の後同一条件で人工時効処理を施した場合、残留応力は
ほとんど発生しなかったが、かたさはビッカースかたさ
Hv100で悪化した結果が得られた。
法2に関するもので、試験用鋳物としてJIS規格アル
ミニウム合金鋳物AC4Cを525℃になるまで加熱
し、この温度で4時間保持して溶体化処理を施した後、
冷媒として沸騰した濃度10%の塩化ナトリウム水溶液
で焼き入れ処理を施した。
℃になるまで加熱し、この温度で6時間保持した後、空
冷したところ(人工時効処理)、図6に示すように、膜
沸騰状態での冷却速度が速くなり、試験用鋳物を臨界冷
却速度以上で冷却させることができ、鋳物の残留応力は
±2kgf/mm平方以下であり、かたさもビッカース
かたさHv110と良好な結果が得られた。
を沸騰水中で焼き入れし、その後同一条件で人工時効処
理を施した場合、残留応力はほとんど発生しなかった
が、かたさはビッカースかたさHv100で悪化した結
果が得られた。
法3に関するもので、試験用鋳物としてJIS規格アル
ミニウム合金鋳物AC4Cを525℃になるまで加熱
し、この温度で4時間保持して溶体化処理を施した後、
冷媒として、先ず75℃の温水で10秒間焼き入れし、
引き続き沸騰水中で焼き入れ処理を施した。
るまで加熱し、この温度で6時間保持した後、空冷した
ところ(人工時効処理)、図7に示すように、膜沸騰状
態での冷却速度が速くなり、試験用鋳物を臨界冷却速度
以上で冷却させることができ、鋳物の残留応力はほとん
ど発生せず、かたさもビッカースかたさHv110と良
好な結果が得られた。
を終始沸騰水中で焼き入れし、その後同一条件で人工時
効処理を施した場合、残留応力はほとんど発生しなかっ
たが、かたさはビッカースかたさHv100で悪化した
結果が得られた。
法4に関するもので、試験用鋳物として1.3重量%の
銅を含有させたJIS規格アルミニウム合金鋳物AC4
Dを535℃になるまで加熱し、この温度で4時間保持
して溶体化処理を施した後、冷媒として20℃の温水で
焼き入れ処理を施した。
℃になるまで加熱し、この温度で6時間保持した後、空
冷したところ(人工時効処理)、かたさがビッカースか
たさHv137と良好な結果が得られた。
鋳物AC4Dをベースとして銅Cuを添加しないものを
20℃の温水中で焼き入れし、その後同一条件で人工時
効処理を施した場合、かたさはビッカースかたさHv1
10であったが、沸騰水中で焼き入れした場合には、図
9に示すように、かたさがビッカースかたさHv98で
悪化した結果が得られた。
水中での焼き入れ処理では残留応力はほとんど発生しな
かったが、比較例での常温水中の焼き入れ処理では約1
0kgf/mm平方の残留応力が発生した。
を示す図である。図17(b)は、試験7の条件により
焼き入れ処理した試験用鋳物の残留応力と硬さの結果を
示す図である。図17(c)は、試験7の条件における
試験用鋳物の突起部とその他の部位の冷却速度を示す図
である。図17(d)は、試験7と比較例の各試験用鋳
物の残留応力の測定結果を示す図である。
るもので、試験用鋳物S3として突起部m5とそれ以外
の部位m6を有するJIS規格アルミニウム合金鋳物A
C4Dを535℃になるまで加熱し、この温度で4時間
保持して溶体化処理を施した後、冷媒中の試験用鋳物S
3の下部から温度140℃の蒸気を約3kg/分の量で
吹き付けながら、冷媒として沸騰水中で焼き入れ処理を
施した。
突起部m5も他の部位m6も略同じであり、上記焼き入
れ後、この試験用鋳物を180℃になるまで加熱し、こ
の温度で6時間保持した後、空冷したところ(人工時効
処理)、図17(b)に示すように、突起部m5も他の
部位m6も残留応力はほとんど発生しなかった。
S3を蒸気を吹き付けずに沸騰水中で焼き入れし、その
後同一条件で人工時効処理を施した場合、図17(d)
に示すように、突起部m5の膜沸騰状態は他の部位m6
より速く終了し、残留応力も約5kgf/mm平方であ
った。
図である。
るもので、試験7と同じ試験用鋳物S3として突起部m
5とそれ以外の部位m6を有するJIS規格アルミニウ
ム合金鋳物AC4Dを535℃になるまで加熱し、この
温度で4時間保持して溶体化処理を施した後、図18に
示すように、16個の試験用鋳物S3を約5mm間隔で
冷媒中で隣接して配置させると共に、その周囲に加熱し
たダミー用部材Dを配置し、沸騰水中で焼き入れ処理を
施した。
突起部m5も他の部位m6も略同じであり、上記焼き入
れ後、この試験用鋳物S3を180℃になるまで加熱
し、この温度で6時間保持した後、空冷したところ(人
工時効処理)、突起部m5も他の部位m6も残留応力は
ほとんど発生しなかった。
S3を単体で沸騰水中で焼き入れし、その後同一条件で
人工時効処理を施した場合、突起部m5の膜沸騰状態は
他の部位m6より速く終了し、残留応力も約5kgf/
mm平方であった。
よれば、材料強度を損なうことなく、熱処理時の残留応
力を低減することができる。
で上記実施の形態を修正又は変形したものに適用可能で
ある。
媒の膜沸騰状態を、少なくとも鋳物の耐力が熱応力以上
となる温度まで持続させることにより、材料強度を損な
うことなく、熱処理時の残留応力を低減することができ
る。
状態を示す図である。
冷却速度を示す図である。
度を示す図である。
ける耐力と熱応力の関係を比較して示す図である。
速度を示す図である。
速度を示す図である。
クの冷却速度を示す図、(b)は熱処理方法3を説明す
る図である。
速度を示す図である。
のワークの材料強度を示す図である。
単体での熱処理方法を説明する図、(b)は熱処理方法
6を説明する図である。
示す図である。
部の冷却速度を示す図である。
の残留応力と硬さの結果を示す図である。
す図である。
冷却速度を示す図である。
は、試験7の条件により焼き入れ処理した試験用鋳物の
残留応力と硬さの結果を示す図、(c)は、試験7の条
件における試験用鋳物の突起部とその他の部位の冷却速
度を示す図、(d)は、試験7と比較例の各試験用鋳物
の残留応力の測定結果を示す図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 軽合金鋳物を所定の焼き入れ温度まで加
熱した後、冷媒により冷却する軽合金鋳物の熱処理方法
において、 前記冷媒の膜沸騰状態を、少なくとも鋳物の耐力が熱応
力以上となる温度まで持続させることを特徴とする軽合
金鋳物の熱処理方法。 - 【請求項2】 更に、前記鋳物を該鋳物の臨界冷却速度
以上で冷却することを特徴とする請求項1に記載の軽合
金鋳物の熱処理方法。 - 【請求項3】 前記冷媒は前記鋳物自身の熱により未沸
騰状態から沸騰状態になるように、該冷媒の初期温度及
び量が設定されることを特徴とする請求項2に記載の軽
合金鋳物の熱処理方法。 - 【請求項4】 前記鋳物は、沸騰前の冷媒で冷却した
後、沸騰水で冷却することを特徴とする請求項3に記載
の軽合金鋳物の熱処理方法。 - 【請求項5】 前記沸騰水は、その温度が沸点から沸点
−5℃の間に設定されていることを特徴とする請求項4
に記載の軽合金鋳物の熱処理方法。 - 【請求項6】 前記冷媒は、約60℃〜90℃の温水で
あることを特徴とする請求項2に記載の軽合金鋳物の熱
処理方法。 - 【請求項7】 前記冷媒は、ナトリウムイオンを含む水
溶液であることを特徴とする請求項1に記載の軽合金鋳
物の熱処理方法。 - 【請求項8】 前記冷媒は、高い冷却性能を有する塩化
ナトリウム水溶液又は炭酸ナトリウム水溶液であること
を特徴とする請求項7に記載の軽合金鋳物の熱処理方
法。 - 【請求項9】 前記冷媒中の鋳物の下部から蒸気を供給
することを特徴とする請求項1に記載の軽合金鋳物の熱
処理方法。 - 【請求項10】 前記冷媒中において、少なくと2つの
鋳物を隣接させることを特徴とする請求項1に記載の軽
合金鋳物の熱処理方法。 - 【請求項11】 前記鋳物はアルミニウム合金製鋳物で
あって、銅含有量が約1重量%〜5重量%であることを
特徴とする請求項2又は請求項5に記載の軽合金鋳物の
熱処理方法。
Priority Applications (5)
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1150212A true JPH1150212A (ja) | 1999-02-23 |
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Family Applications (1)
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