JPH1067544A - ガラスの表面処理方法 - Google Patents

ガラスの表面処理方法

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JPH1067544A
JPH1067544A JP24125996A JP24125996A JPH1067544A JP H1067544 A JPH1067544 A JP H1067544A JP 24125996 A JP24125996 A JP 24125996A JP 24125996 A JP24125996 A JP 24125996A JP H1067544 A JPH1067544 A JP H1067544A
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glass
surface layer
oxide
ions
ion exchange
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Satoru Nishiyama
哲 西山
Hiroshi Morino
弘 森野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石英ガラスよりも安価なガラスであっても、
その加傷強度を、照射イオンによる損傷を小さく抑えつ
つ、かつ低コストで、石英ガラス並みに高めることがで
きる表面処理方法を提供する。 【解決手段】 まず、処理対象のガラスに対して、物理
的強化法または化学的強化法によって、当該ガラスの表
層部に圧縮応力を発生させて当該表層部を強化する処理
を施す(第1の工程)。次いで、この処理を施したガラ
ス8に対して、イオン源4から引き出した100eV〜
2keVのエネルギーを有する窒素イオン6を1×10
15個/cm2 〜5×1018個/cm2 照射する(第2の
工程)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば時計のカ
バーガラス、眼鏡のレンズ等に利用されるガラスの加傷
強度を高める表面処理方法に関し、より具体的には、安
価なガラスの加傷強度を、低コストで、高価な石英ガラ
ス並みに高める方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスの表面を強化して、その表面に傷
が付きにくくする(即ち加傷強度を高める)方法が提案
されている。
【0003】例えば、特開平1−246159号公報に
は、シリコンと酸素との化学結合を有するガラスに窒素
イオンを照射して、シリコン−窒素結合を形成させるこ
とによって、ガラスの表面を強化する方法が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記強化方
法には、次のような問題がある。
【0005】即ち、実用において傷が付かない程度にガ
ラスの表面を強化するためには、強化層の厚さを大きく
する必要がある。そのためには、イオンが注入される層
の厚さを大きくする必要があり、そのためには照射イオ
ンのエネルギー(加速による運動エネルギー。以下同
じ)を大きくする必要がある。例えば、照射イオンのエ
ネルギーを40keVにした場合でも、石英ガラスの主
成分である酸化シリコンは、50nm程度の厚さしか強
化されない。
【0006】しかしながら、照射イオンのエネルギーを
大きくすると、照射対象のガラスに与える熱的な損傷が
大きくなって当該ガラスに変形が生じたり、照射イオン
によるスパッタ作用が大きくなって表面荒れが生じて当
該ガラスに透明度の悪化が生じたりする。
【0007】また、照射イオンのエネルギーを大きくす
るためには、イオン源を高エネルギー型にすると共に、
それ用の電源も高電圧出力型にする必要があるので、イ
オン源およびそれ用の電源のコストが嵩む。
【0008】また、上記従来の強化方法では、全てのガ
ラスの加傷強度が実用上十分な程に向上するのではな
い。石英ガラスのように本来硬度の高いものに上記強化
方法を適用すれば加傷強度は実用上十分な程に向上する
けれども、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガ
ラスのような硬度の低いガラスに上記強化方法を適用し
ても、実用上十分な程の加傷強度は得られない。これ
は、上記強化方法では上述したように強化層の厚さを大
きくすることが難しく、硬度の低いガラスのごく表面の
みを強化しても、母材そのものの硬度が低いため、処理
されたガラス全体の硬度はあまり上昇しないからであ
る。
【0009】石英ガラスは、元来、強化処理を施さなく
ても実用上十分な程の硬度を有している。しかし、石英
ガラスは、高価であるという点に問題がある。このた
め、石英ガラスよりも安価なガラス、即ち上述したソー
ダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス等で、石英
ガラス並みの加傷強度が得られれば工業的に普及すると
考えられるが、このような安価のガラスで石英ガラス並
みの加傷強度を得ることは、上記強化方法でも困難であ
り、それを実現する方法はまだ提案されていない。
【0010】そこでこの発明は、石英ガラスよりも安価
なガラスであっても、その加傷強度を、照射イオンによ
る損傷を小さく抑えつつ、かつ低コストで、石英ガラス
並みに高めることができる表面処理方法を提供すること
を主たる目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の表面処理方法
は、ガラスに対して、その表層部に圧縮応力を発生させ
て当該表層部を強化する処理を施す第1の工程と、この
第1の工程を経たガラスに対して、真空中において、1
00eV〜2keVのエネルギーを有する窒素イオンを
1×1015個/cm2 〜5×1018個/cm2 照射する
第2の工程とを備えることを特徴とする。
【0012】上記方法によれば、第1の工程によって、
ガラスの表層部の硬度を高めることができ、更に第2の
工程によって、当該ガラスのごく表層部を著しく強化す
ることができる。この両工程を組み合わせることによっ
て、石英ガラスよりも安価なガラスであっても、例えば
ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスまたは鉛ガラスで
あっても、その加傷強度を石英ガラス並みに高めること
ができる。どちらの工程が欠けても、実用上十分な程の
加傷強度を得ることはできない。
【0013】しかも、両工程を組み合わせても、処理に
要するコストを低く抑える、具体的にはソーダ石灰ガラ
ス、ホウケイ酸ガラスまたは鉛ガラスを用いた場合に、
トータルのコストを石英ガラス以下のコストに抑えるこ
とができるので、工業的価値も高い。
【0014】その場合、上記第2の工程に要するコスト
を下げる等のために、イオンの照射条件を上記の範囲内
に限定するのが有効である。例えば、照射窒素イオンの
エネルギーは2keV以下とする。このエネルギーで
は、前述したように、イオン照射によって硬化される厚
さは薄くなるけれども、ガラスの表層部を第1の工程に
よって予め強化しているので、ごく表層部の硬化によっ
ても加傷強度は十分に高まる。このように、第2の工程
に要するコストを低く抑えるためには、ガラスの表層部
を予め第1の工程によってある程度の厚さまで強化して
おくことが有効である。
【0015】しかも、第2の工程における窒素イオンの
エネルギーおよび照射量を上記範囲内とすることによっ
て、ガラスの熱的な変形やスパッタリングによる荒れを
小さく抑えて、照射イオンによってガラスに与える損傷
を小さく抑えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】処理対象となるガラスの種類に限
定はないけれども、当該ガラスには、二酸化ケイ素、
酸化ナトリウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウ
ムを主成分とする(更に酸化アルミニウム等が含まれて
いても良い)ソーダ石灰ガラス、二酸化ケイ素、酸化
ナトリウムおよび酸化ホウ素を主成分とする(更に酸化
アルミニウム等が含まれていても良い)ホウケイ酸ガラ
ス、または二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化鉛お
よび酸化カルシウムを主成分とする(更に酸化アルミニ
ウム等が含まれていても良い)鉛ガラスを用いるのが好
ましい。これらは、硬度の高い石英ガラスに比べて安価
であるため、そのようなガラスの加傷強度を、上記第1
および第2の工程によって低コストで高めることによっ
て、処理品のコストを石英ガラス以下に下げることがで
き、工業的な効果は大きい。例えば、時計のカバーガラ
ス、眼鏡のレンズ等によく使われるものは、ソーダ石灰
ガラスのような、石英ガラスに比べて安価で硬度の低い
ガラスである。この発明は、このような安価なガラスの
加傷強度を、石英ガラス以下のコストで、石英ガラス並
みに高めることができるのである。
【0017】この発明を構成する第1の工程は、上記の
ようなガラスの表層部を、物理的強化法および/または
化学的強化法によって強化する、具体的には、当該ガラ
スの表層部に圧縮応力を発生させて当該表層部を強化す
るものである。
【0018】物理的強化法は、ガラスを軟化点近くまで
加熱した後に、空気を吹き付けたり冷媒中に浸漬するこ
とによって急冷し、ガラス内部と表面の冷却時の収縮の
差から、表層部に圧縮応力を発生させる方法であり、こ
れは熱処理法とも呼ばれる。このとき発生する圧縮応力
によって、ガラスの表層部が硬化されて加傷性が高ま
る。
【0019】化学的強化法は、ガラスに様々な化学的処
理を施して表層部組成を変化させることによって、表層
部に圧縮応力を発生させて表面を強化する方法であり、
これには、低温型イオン交換法、高温型イオン交換
法、脱アルカリ法、および表面結晶化法がある。
【0020】低温型イオン交換法は、ガラスの徐冷点よ
り低い温度領域で、表層部のアルカリイオンを、それよ
りもイオン半径の大きな一価イオンと交換する方法であ
る。
【0021】高温型イオン交換法は、ガラス表層部のア
ルカリイオンを、よりイオン半径の小さなアルカリイオ
ンと徐冷点以上の温度領域で交換する方法である。
【0022】脱アルカリ法は、ガラスを、亜硫酸ガスと
水分を含んだ高湿度雰囲気中で白金触媒を用いて処理す
ることによって、ガラス表層部からナトリウムイオン
(Na + )を抜け出させ、表層部をシリカ(SiO2
に富んだ成分にすることによって、冷却時に圧縮応力を
発生させる方法である。
【0023】表面結晶化法は、熱処理によって、ガラス
表層部に、低膨張係数を有する微結晶を析出させる方法
である。
【0024】上記物理的強化法または化学的強化法は、
単独で用いても良いし、幾つかを互いに組み合わせて用
いても良い。
【0025】前述した時計のカバーガラスあるいは眼鏡
のレンズ用ガラス等は薄物であり、これらには、変形が
許されないので、物理的強化法を適用するのは難しい。
これらには、低温で処理する化学的強化法を用いるのが
有効である。
【0026】化学的強化法のなかでも、低温型イオン交
換法は、低い温度領域で強化を行うことができるので、
ガラスの変形が少ない状態でその加傷強度を高めること
ができるという利点を有している。従って、上記薄物の
ように熱変形の許されないガラス製品に対しては、この
低温型イオン交換法を用いるのが好ましい。
【0027】また、ソーダ石灰ガラスに対しては、高温
型イオン交換法や脱アルカリ法を適用しても、表層部の
強化効果はあまり得られない。これは、簡単に言うと、
高温型イオン交換法や脱アルカリ法が効果を発揮する際
のガラス成分は限定されており、また表層部の強化を高
めようとすると、ソーダ石灰ガラス等は強化処理中に溶
融塩によって表面が侵食され過ぎ、透明性を損ないやす
いからである。従ってソーダ石灰ガラスに対しては、上
述した熱変形の観点の他にこの加傷強度を高める効果の
観点からも、低温型イオン交換法を用いるのが好まし
い。
【0028】この発明を構成する第2の工程は、上記第
1の工程を経たガラスに真空中で窒素イオンを照射する
ものである。
【0029】この第2の工程には、例えば図1に示すよ
うな装置を用いる。即ち、真空容器2内に設けられたホ
ルダ10上に、処理対象となるガラス8を一つまたは複
数個設置し、真空容器2内を例えば5×10-6Torr
以下の圧力に保持し、その状態で、ホルダ10の上方に
設けているイオン源4から窒素イオン6を所定の加速エ
ネルギーで引き出してそれを各ガラス8に照射する。
【0030】イオン源4には、プラズマ閉じ込めに多極
磁場(より具体的にはカスプ磁場)を用いたバケット型
イオン源を用いるのが好ましい。バケット型イオン源
は、大面積で均一性の高いイオンビームを引き出すこと
ができるので、大面積処理が可能であり、これを用いれ
ば、処理コストを低減させる効果が大きい。
【0031】ガラス8に照射する窒素イオン6のエネル
ギーは、100eV〜2keVの範囲内とする。2ke
Vを超えると、イオン源4およびそれ用の電源の絶縁構
造等が大がかりになってそれらのコストが、ひいてはガ
ラス8の処理に要するコストが割高になるため好ましく
ない。また、表面強化時のガラス8の窒素イオン照射に
よる熱的な変形および窒素イオン照射に伴うスパッタリ
ングによる表面荒れを抑えるためにも、窒素イオン6の
エネルギーは2keV以下にするのが好ましい。一方、
窒素イオン6のエネルギーが100eVより小さいと、
ガラス8の表面強化の効果が小さ過ぎるので好ましくな
い。
【0032】ガラス8に照射する窒素イオン6の照射量
は、1×1015個/cm2 〜5×1018個/cm2 の範
囲内とする。5×1018個/cm2 を超えると、イオン
照射に要する時間が長くなって、ガラス8の処理量(処
理数)、即ちスループットが低下するので、処理コスト
が高くなると共に、ガラス8に対する熱的な損傷が過大
になるので好ましくない。一方、照射量が1×1015
/cm2 より少ないと、ガラス8の表面強化の効果が小
さ過ぎるので好ましくない。
【0033】ガラス8に照射するイオンを窒素イオン6
にすると、その原料となるガス(即ちイオン源4に供給
する原料ガス)が安価な窒素ガスで済むので、処理コス
トを安くすることができる。また、照射されたイオン
は、ガラス8の表層部に注入されて表層部に応力を発生
させて表層部を強化する作用を奏するけれども、窒素イ
オン6の場合は更に、ガラス8の表層部を窒化させる作
用によって当該表層部をより一層強化させる作用を奏す
る。例えば、表層部の酸化シリコン(SiOx )が窒化
シリコン(SiNx )等に変わることによって、表層部
の硬度は一層向上する。
【0034】また、図1に示す例のように、ガラス8の
上方から窒素イオン6を照射するようにすれば、処理対
象のガラス8をホルダ10に固定せずに載せるだけでイ
オン照射を行うことができるので、固定のための治具が
不要な分だけガラス8の処理量(処理数)を増やすこと
ができ、スループットが向上する。
【0035】なお、イオン照射の際のガラス8の熱的変
形を更に抑制するために、ホルダ10に冷却水等の冷媒
を供給してそれによってガラス8を冷却するようにして
も良い。
【0036】
【実施例】
〈実施例〉ソーダ石灰ガラスを400〜500℃の間で
KNO3 溶融塩中に10〜20時間浸漬して強化した
(低温型イオン交換法)。その後、当該ガラスに窒素イ
オンを1keVの加速エネルギーにて1×1017個/c
2 照射した。処理後のガラスの加傷強度をスチールウ
ール試験(#8000のスチールウールを荷重500g
にて200回往復摺動させ、耐擦傷性を測定)によって
測定したところ、このガラスには傷が付かなかった。
【0037】〈比較例1〉ソーダ石灰ガラスを400〜
500℃の間でKNO3 溶融塩中に10〜20時間浸漬
して強化した(低温型イオン交換法)だけで、イオン照
射は行わなかった。その後、実施例と同じ方法で加傷強
度を測定したが、ガラス表面には傷が付いた。
【0038】〈比較例2〉ソーダ石灰ガラスを実施例の
ような化学的強化法を施さないまま、窒素イオンを40
keVのエネルギーにて1×1016個/cm2 照射し
た。その後、実施例と同じ方法で加傷強度を測定した
が、ガラスの表面には傷が付いた。
【0039】〈比較例3〉ソーダ石灰ガラスを400〜
500℃の間でKNO3 溶融塩中に10〜20時間浸漬
して強化した(低温型イオン交換法)。その後、当該ガ
ラスに窒素イオンを40keVの加速エネルギーにて1
×1016個/cm2 照射した。その後、実施例と同じ方
法で加傷強度を測定したが、ガラスの表面には傷が付か
なかった。しかし、イオン源とその電源に要するコスト
は実施例のものの2倍以上になるため、強化されたガラ
スのコストは石英ガラスのコストを超えるものとなっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、上記第
1および第2の工程を組み合わせることによって、石英
ガラスよりも安価なガラスであっても、その加傷強度を
石英ガラス並みに高めることができる。しかも、上記第
1の工程は処理コストが安く、また第2の工程も、原料
ガスの安い窒素イオンを用い、かつそのエネルギーおよ
び照射量を上記範囲内にすることによって、イオン照射
に要するイオン源やそれ用の電源等のコストを低く抑え
ることができるので、上記のように加傷強度を高める処
理を低コストで行うことができる。更に、第2の工程に
おける窒素イオンのエネルギーおよび照射量を上記範囲
内とすることによって、照射イオンによってガラスに与
える損傷を小さく抑えることができる。これらの結果、
高価な石英ガラスを用いなくても、加傷性に優れた、し
かも透明度劣化等の少ない良質のガラス製品を、安価に
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る表面処理方法を構成する第2の
工程を実施する装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
2 真空容器 4 イオン源 6 窒素イオン 8 ガラス 10 ホルダ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスに対して、その表層部に圧縮応力
    を発生させて当該表層部を強化する処理を施す第1の工
    程と、この第1の工程を経たガラスに対して、真空中に
    おいて、100eV〜2keVのエネルギーを有する窒
    素イオンを1×1015個/cm2 〜5×1018個/cm
    2 照射する第2の工程とを備えることを特徴とするガラ
    スの表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程を、ガラスを軟化点近く
    まで加熱した後に急冷する熱処理法、ガラス表層部のア
    ルカリイオンを他のイオンと交換するイオン交換法、ガ
    ラス表層部からナトリウムイオンを抜け出させる脱アル
    カリ法、および、熱処理によってガラス表層部に低膨張
    係数を有する微結晶を析出させる表面結晶化法の少なく
    とも一つを用いて行う請求項1記載のガラスの表面処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記ガラスが、二酸化ケイ素、酸化ナト
    リウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムを主成
    分とするソーダ石灰ガラス、二酸化ケイ素、酸化ナトリ
    ウムおよび酸化ホウ素を主成分とするホウケイ酸ガラ
    ス、または、二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、酸化鉛お
    よび酸化カルシウムを主成分とする鉛ガラスである請求
    項1または2記載のガラスの表面処理方法。
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