JPH1148025A - 突き加工工具 - Google Patents

突き加工工具

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JPH1148025A
JPH1148025A JP21100897A JP21100897A JPH1148025A JP H1148025 A JPH1148025 A JP H1148025A JP 21100897 A JP21100897 A JP 21100897A JP 21100897 A JP21100897 A JP 21100897A JP H1148025 A JPH1148025 A JP H1148025A
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JP
Japan
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tool
tool body
cutting
tip
chip
Prior art date
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Withdrawn
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JP21100897A
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English (en)
Inventor
Kikuyuki Yano
喜久幸 矢野
Kenichi Iwata
健一 岩田
Kiyoaki Shibata
清秋 柴田
Naofumi Yamashita
直文 山下
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Mitsubishi Materials Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工面精度を損なうことなく高能率で安定し
た加工が可能な突き加工工具を提供する。 【解決手段】 工具本体1の先端部外周に、円板状のチ
ップ6を、その円形面7をすくい面として工具本体1の
先端側に向けるとともに、この円形面7の周縁に形成さ
れた切刃9の一部を工具本体1の外周側に突出させて取
り付けて成り、工具本体1を被削材Wの壁面Sに沿って
先端側に送り出すことにより、切刃9によってこの壁面
Sを切削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば金型の縦壁
面(立面)を加工するのに用いられる突き加工工具に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金型等を切削加工する場合におい
て、特に大型の金型等の深い穴や壁面等の立面加工をす
る工具としては、ソリッドエンドミルを用いることが多
かったが、かかるソリッドエンドミルで切削加工する場
合、加工すべき立面の上下方向距離が長くなると、工作
機械のスピンドル(主軸)に保持されるソリッドエンド
ミルの保持部から切刃先端までの距離、すなわち突き出
し量も大きくなり、この状態で横送りしつつ立面を切削
して仕上げ加工等が行なわれるため、ビビリ振動を生じ
易く、加工面の面精度が悪化するという欠点があった。
また、横送りの際の切削抵抗により、ソリッドエンドミ
ルに撓みが生じて加工面が傾斜するといった欠点もあ
り、このように切削状態が不安定となるため、無人化に
よる立面加工ができず、切削状態を常時作業員が監視し
て加工の修正等を随時行なう必要があった。
【0003】そこで、このような問題点を解消するため
に、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、複
数の多角形平板状のチップを、その切刃が工具本体の内
周側から外周側に延びるように、かつこの切刃のコーナ
部が工具本体の外周に突出するように、そのすくい面を
工具回転方向側に向けて取り付けた突き加工工具を用い
て、この突き加工工具の工具本体を上記軸線方向に移動
させつつ、上記切刃によって被削材を切削して、この被
削材に壁面、すなわち上記立面を形成し、このような突
き加工を上記壁面に沿って順次繰り返すことにより、あ
る程度の幅を持った壁面を被削材に形成することが試み
られている。しかるに、このような突き加工工具によれ
ば、上述のような金型等の立面加工を工具本体の縦送り
による切削で行えるから、エンドミルによる横送りの切
削に比べ、突き出し量が大きくなってもビビリ振動が生
じ難く、また横送りの際の撓みも生じることが少ないと
いう利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
突き加工工具では、工具本体が軸線回りに回転しながら
該軸線方向に送り出されて加工を行うことから、工具本
体の軸線方向への送り量を大きくすると、切刃の1刃当
たりの送り量も大きくなって加工面の精度が損なわれる
おそれがある。一方、このように1刃当たりの送り量が
大きくなるのを防ぐために、工具本体の回転数を増大さ
せようとすると、切削速度も増大して切刃に損傷が生じ
るとともに、工具本体に振動が生じて切削が不安定とな
るおそれがあるので、上記構成の突き加工工具では結果
的に送り量を大きくすることが困難であり、加工効率を
向上させるにも自ずと限界があった。また、このように
チップのすくい面が工具回転方向を向いた突き加工工具
では、工具に作用する切削抵抗のうちの主分力が、工具
本体や工作機械のスピンドルをその軸線に垂直な方向に
曲げようとする曲げ分力として作用するため、切削の安
定性が一層損なわれるという問題もある。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、加工面精度を損なうことなく高能率で安定し
た加工が可能な突き加工工具を提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明は、工具本体の先端
部外周に、円板状のチップを、その円形面をすくい面と
して上記工具本体の先端側に向けるとともに、この円形
面の周縁に形成された切刃の一部を上記工具本体の外周
側に突出させて取り付けて成り、上記工具本体を被削材
の壁面に沿って先端側に送り出すことにより、上記切刃
によって上記壁面を切削することを特徴とする。
【0007】しかるに、このように構成された突き加工
工具では、円板状のチップがそのすくい面を工具本体の
先端側に向けて取り付けられており、この工具本体が先
端側に送り出されることにより、上記チップのすくい面
周縁の切刃によって被削材の壁面が切削されるので、加
工時の工具本体の回転に関わりなく、所望の加工面精度
を得ることができる。従って、工具本体の送り量が回転
によって制限されたり、工具本体の回転によって振動が
生じたりするのを防ぐことができ、切削の安定性を維持
しつつも送り量を増大させて加工の高能率化を図ること
ができるとともに、切削速度自体は工具本体の回転によ
る切削の場合に比べて小さくなり、しかもチップが円板
状であって切刃強度が高いので、切刃の欠損等の損傷も
防ぐことができる。また、このように工具本体を先端側
に送り出して切削を行う場合には、切削抵抗のうちの主
分力が、工具本体や工作機械のスピンドルの軸線に沿っ
たスラスト分力として作用することになり、曲げ分力を
抑えることができるので、より安定した切削を促すこと
が可能となる。
【0008】ここで、上記構成の突き加工工具では、工
具本体の回転に関わりなく切削を行うことができるの
で、例えば工具本体を回転させることなく先端側に送り
出すだけで切削を行うことも可能であり、この場合に
は、工具本体には少なくとも一つのチップが装着されて
いればよいのであるが、上記工具本体の先端部外周に、
周方向に複数のチップを取り付ければ、工具本体を軸線
回りに回転しつつ先端側に送り出して切削を行うことも
可能となり、これにより、各チップに形成された切刃の
上記一部を均等に切削に使用することができて、チップ
の摩耗の均一化を図ることができる。また、このように
工具本体を回転させながら切削を行うことにより、チッ
プの取付角度が同じならば、回転させない場合に比べて
実際の切刃角度が鋭くなって切れ味が向上するという効
果も得られる。
【0009】一方、このように上記工具本体を周方向に
回転しつつ先端側に送り出して切削を行う場合には、上
記チップの円形面が工具本体の先端側に向けられるとと
もに、工具本体の回転方向にも向けられるように、該チ
ップを傾斜させて取り付けることにより、この工具本体
の送りと回転に伴って切刃の刃先が描く螺旋状の軌跡に
対して、切刃を垂直に近い配置とすることができる。従
って、これにより切刃による切削形態は、工具本体を回
転させずに切削を行った場合と近い切削形態となるの
で、工具本体を回転させているにも関わらず、上述した
本発明による作用効果を確実に奏功することが可能とな
るとともに、チップ摩耗の均一化といった工具本体を回
転させた場合の効果も同時に得ることができる。また、
上記チップを、上記工具本体の先端部外周に形成された
チップ取付座に着脱自在に装着されるスローアウェイチ
ップとして、このチップの周面に、該周面を接線方向に
切り欠くように複数の平坦面を形成する一方、上記チッ
プ取付座にはこの平坦面が当接可能な壁部を形成してお
けば、上記平坦面をチップ取付座の上記壁部に当接させ
ることによって、所定の切刃部分を工具本体の外周側に
突出させた状態で容易にチップを位置決めすることがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の一実
施形態を示すものである。本実施形態では、略円筒状の
工具本体1の中央部に、その軸線Oに沿って当該工具本
体1を工作機械のスピンドル(図示略)に取り付けるた
めの取付穴2が形成されるとともに、この取付穴2に連
通するように工具本体1の後端面にはキー溝3が形成さ
れている。そして、当該工具本体1は、上記取付穴2に
上記スピンドルの先端部を嵌挿させるとともに、スピン
ドル先端に形成されたキーを上記キー溝3に嵌合させた
状態で、セットボルト4を工具本体1の先端側から上記
取付穴2を通してスピンドルにねじ込むことにより、上
記スピンドルの先端に取り付けられ、このスピンドルの
出没に伴い上記軸線O方向に進退可能とされる。
【0011】また、この工具本体1の先端部外周には、
該工具本体1の周方向に等間隔に複数(本実施形態では
6つ)のチップ取付座5…が形成されており、これらの
チップ取付座5…にチップ6が装着されている。ここ
で、これらのチップ6…は、いずれも超硬合金等の硬質
材料から同形同大に形成された略円板状のものであり、
その一方の円形面7がすくい面とされるとともに周面8
が逃げ面とされ、この円形面7と周面8との交差稜線部
に円周状をなす切刃9が形成されている。なお、本実施
形態のチップ6は、逃げ面とされる上記周面8に逃げ角
が付されたポジティブチップであり、従って当該チップ
6は厳密には、すくい面とされる上記円形面7側に向け
て拡径する略円錐台状に形成されることとなる。
【0012】さらに、このように略円錐台状をなすこの
チップ6の周面8には、該周面8を切り欠くようにして
複数(本実施形態では6つ)の平坦面10…がチップ6
の周方向に等間隔に形成されている。ここで、これらの
平坦面10…は、チップ6がなす上記円錐台の中心軸X
に直交する断面において、上記周面8がなす円の接線方
向に平行となるように、かつこの円錐台の中心軸Xを含
む断面においては、逃げ面としての周面8に与えられる
逃げ角よりも切刃9に対して大きな逃げ角で傾斜するよ
うに、互いに同形同大に形成されている。また、このチ
ップ6の中央部には、当該チップ6をその厚さ方向に貫
通するようにチップ取付穴11が形成されている。
【0013】一方、このチップ6が取り付けられる上記
チップ取付座5は、工具本体1の先端面から後端側に一
段凹む底面5Aと、この底面5Aから工具本体1の先端
側に屹立する一対の壁部5B,5Bとから画成されてお
り、これらの壁部5B,5Bは工具本体1の外周面に開
放されていて、これにより該チップ取付座5は工具本体
1の先端面および外周面に開口するように形成される。
ここで、上記底面5Aは、本実施形態では工具本体1の
軸線Oに直交する方向に配設されるとともに、その中央
部には図示されないネジ穴が該底面5Aに垂直に形成さ
れ、また上記壁部5B,5Bは、工具本体1の軸線Oお
よび上記ネジ穴の中心軸を含む面について対称となるよ
うに互いに対向し、かつ工具本体1の外周側に向かうに
従い両壁部5B,5B間の間隔が漸次大きくなるように
配設されている。そして、上記チップ6がチップ取付座
5の底面5Aに着座された状態で、チップ6の周面8に
形成された上記平坦面10…のうち、周方向に一つおき
に位置する任意の一対の平坦面10,10が、これらチ
ップ取付座5の一対の壁部5B,5Bにそれぞれ当接可
能とされている。なお、工具本体1の内周側において、
これらの壁部5B,5Bの間には、上記取付穴2に開口
する凹溝12が形成されている。
【0014】しかるに、このように形成されたチップ取
付座5に、上記チップ6は、そのすくい面とされる上記
円形面7を工具本体1の先端側に向けて上述のようにチ
ップ取付座5の底面5Aに着座されるとともに、上記一
対の平坦面10,10を壁部5B,5Bに当接させて位
置決めされ、さらに上記チップ取付穴11に挿通された
クランプネジ13を、チップ取付座5の底面5Aに形成
された上記ネジ穴にねじ込むことにより、このチップ取
付座5に着脱自在に取り付けられる。さらに、こうして
チップ取付座5…に取り付けられた状態で本実施形態の
各チップ6…は、それぞれの上記円形面7…が図1に示
すように工具本体1の先端面よりも突出して軸線Oに直
交する一の平面上に位置するとともに、各チップ6…の
上記中心軸X…が、工具本体1の軸線Oから等間隔、か
つ工具本体1の周方向にも互いに等間隔に配置され、し
かもそれぞれの切刃9…の一部が、図2に示すように工
具本体1の外周面よりも外周側に突出し、かつ軸線Oを
中心とする一の円に内接するようになされている。
【0015】このように構成された突き加工工具は、上
記工具本体1が、その軸線Oを工作機械のスピンドルの
軸線に同軸として、上述のようにこのスピンドルの先端
に取り付けられ、図3に示すようにこの軸線Oを被削材
Wの壁面Sに平行とし、この壁面Sに沿って軸線O方向
先端側に向かう送り方向Fに送り出され、チップ6の切
刃9の工具本体1の外周側に突出する部分により、上記
壁面Sを送り方向Fに沿って切削して行く。従って、工
具本体1の回転に関わらず、上記送り方向Fへの送りに
よって壁面Sの切削が行われるので、従来の突き加工工
具のように、所定の加工面精度を得るためには工具本体
の回転によって送り量が制限されたり、あるいは工具本
体の回転により却ってビビリ振動が発生して切削が不安
定となったりすることがない。また、このように工具本
体1の送り量が制限を受けることがないので、切削条件
を比較的自由に設定することができ、後述するように切
削速度が小さくなることによるビビリ振動の発生なども
回避することができる。
【0016】このため、上記構成の突き加工工具によれ
ば、工具本体1の送り方向Fへの送り量を大きくして
も、所望の加工面精度を得ることができるとともに、振
動を確実に防いで安定した切削を促すことができ、工作
機械の送り能力を限界まで利用した高能率加工を図るこ
とが可能となる。ちなみに、実験によれば、本実施形態
の突き加工工具を壁面Sの仕上げ加工に使用した場合、
上述した従来の突き加工工具と等しい切り込みDおよび
切削幅P(図3参照)で、工作機械の最大送り量での切
削が可能であり、また本実施形態の突き加工工具を壁面
Sの荒加工に使用した場合には、従来の突き加工工具と
切り込みDを等しく、切削幅Pを小さくすることによ
り、同じく工作機械の最大送り量での切削が可能である
とともに、仕上げ加工と同等の加工面精度を得ることが
でき、すなわち荒加工1工程で所望の加工面を得ること
が可能となった。
【0017】また、このように工具本体1の軸線O方向
先端側(送り方向F)への送りによって被削材Wを切削
する場合には、従来のように工具本体の回転によって切
削する場合に比べ、上述のように送り量を大きくして高
能率加工を図っても、切削速度自体は小さく抑えること
ができる。しかも、上記構成の突き加工工具では、チッ
プ6…が上述のように円板状であって、その円形面7が
すくい面とされており、このため切刃9に鋭い角部が形
成されることがないので、切刃9自体の強度向上も図ら
れる。従って、上記構成の突き加工工具によれば、この
ように高能率加工のために送り量を増大させても、切刃
9に欠損等の損傷が生じたりするのを防ぐことができ
て、チップ6の寿命の延長を図ることができ、逆にチッ
プ6の寿命を同じとするならば、CBN等の高価な材料
を使用せずとも、ハイス(高速度工具鋼)等の低廉な材
料でチップ6を製造することができ、チップコストの低
減を図ることができる。
【0018】さらに、こうして工具本体1を先端側に送
り出して切削を行う場合には、加工時に作用する切削抵
抗のうちの主分力は、工具本体1の送り方向Fに沿って
作用するため、工具本体1の軸線Oおよびスピンドルの
軸線に沿ったスラスト分力となり、上記従来の突き加工
工具のようにこの主分力が曲げ分力として作用するのを
抑えることができる。ちなみに、やはり実験によれば、
従来の突き加工工具では、加工時に作用する切削抵抗の
うちスラスト分力と曲げ分力との比が0.1程度で、曲
げ分力が圧倒的に大きかったのに対し、本実施形態では
この比が1.0程度であって、曲げ分力とスラスト分力
とがほぼ同等であった。しかるに、上記工具本体1およ
び工作機械のスピンドルにおいては、スラスト方向(軸
線O方向)における剛性が最も高いので、上記構成の突
き加工工具によれば、このように剛性の高い方向に多く
の切削抵抗を受けることにより、一層安定した切削を図
ることができ、更なる加工の高能率化を促すことが可能
となる。
【0019】ところで、上記構成の突き加工工具では、
上述のように工具本体1の回転に関わりなく被削材Wの
壁面Sを切削できることから、例えば工具本体1を回転
させることなく軸線O方向先端側の送り方向Fへの送り
だけで切削を行うことも可能である。ところが、そのよ
うな場合には、工具本体1の先端部外周に取り付けられ
た複数のチップ6…のうち切削に使用されるのは1つの
チップ6の切刃9の一部だけとなり、この部分の切刃9
に摩耗が生じたりすると、工具本体1を所定角度回転さ
せて、他のチップ6の摩耗のない切刃9により切削を行
うことになるのであるが、こうして切刃9をチップ6ご
とに個別に切削に使用すると、各チップ6…間で切刃9
の摩耗の度合いにばらつきが生じることが避けられな
い。従って、このようなばらつきが生じるのを防ぐため
には、図3に破線で示すように工具本体1をある程度の
回転数で軸線O回りに回転させつつ、軸線O方向(送り
方向F)に送り出して切削を行うようにすることも可能
である。
【0020】しかるに、こうして工具本体1を回転させ
ながら送り出して切削を行うことにより、工具本体1に
取り付けられた複数のチップ6…の切刃9…の外周側に
突出した一部が、工具本体1の周方向に亙って満遍なく
均等に切削に使用されるので、切刃9の摩耗の均一化を
図り、切刃9の摩耗のばらつきによって特定のチップ6
の寿命が極端に短縮されるような事態を防止することが
できる。また、このように工具本体1を回転させながら
軸線O方向に送り出して切削を行うことにより、被削材
Wは、切刃9が送り方向Fに前進することによって切削
されるとともに、該切刃9が周方向に回転移動すること
によっても切削されることとなり、被削材Wに対する切
刃9の実質的な切刃角度が鋭くなるので、チップ6の取
付角度が同じであるなら切刃9の切れ味の向上を図るこ
とができ、切削抵抗を低減させて一層安定した切削を行
うことができるとともに、加工面精度の向上を促すこと
が可能となる。
【0021】また、こうして複数のチップ6…が取り付
けられることにより、個々のチップ6の切削に使用され
る切刃9部分を、必要な範囲で短くすることができるの
で、本実施形態によれば、切削に使用される切刃部分が
長くなり過ぎて抵抗が増大し、切削が不安定となるよう
な事態も防止することができる。さらに、チップ6が円
板状であるので、全てのチップ6の上記切刃9部分に摩
耗が生じた場合でも、上述のようにクランプネジ13を
僅かに緩めてチップ6を上記中心軸X回りに回動させる
だけで、その加工に供される切刃9部分を摩耗のない部
分に変えることができ、簡単かつ短時間で新たな切刃9
部分を工具本体1の外周側に位置させることができ、作
業性が良いという利点も得られる。
【0022】しかも、本実施形態では、このチップ6の
周面8に、上記軸線Oに直交する断面においてこの周面
8がなす円を接線方向に切り欠くように複数の平坦面1
0…が形成される一方、上記チップ取付座5にはこの平
坦面10が当接可能な壁部5Bが形成されており、この
ように平坦面10を壁部5Bに当接させることによって
チップ6は、その中心軸X回りの回動が拘束された状態
でチップ取付座5に位置決めされるので、円板状のチッ
プ6を採用しているにも拘わらず、加工時の負荷等によ
ってチップ6が回転してしまうような事態を防止でき
る。また、その一方で、上述のように切刃9に摩耗等が
生じた際に新たな切刃9部分を切削に供する場合には、
クランプネジ13を緩めた後にチップ6を所定の角度
(本実施形態では60°)で回転させて位置決めするこ
とができ、この新たな切刃9部分を正確に工具本体1の
外周側に位置させることが可能となる。
【0023】これに加えて、本実施形態では、チップ取
付座5に一対の上記壁部5B,5Bが、工具本体1の内
周側に向かうに従い互いの間隔が狭まるように形成され
ている一方、チップ6は、その平坦面10…のうち周方
向に一つおきに位置する任意の一対の平坦面10,10
が上記壁部5B,5Bにそれぞれ当接可能とされてい
る。従って、例えば互いに隣り合う平坦面10,10同
士が壁部5B,5Bに当接する場合などに比べ、チップ
6の回動を拘束する壁面5B,5Bがより鋭角に交差す
る方向に配置されることとなって、一層確実にチップ6
を位置決めして固定することが可能となる。しかも、こ
れらの壁部5B,5Bの間には凹溝12が形成されてい
て、両壁部5B,5B自体が交差してはいないので、チ
ップ6の平坦面10と周面8との交差稜線部分や平坦面
10…同士の交差稜線部分がチップ取付座5に干渉する
ことがなく、さらに確実にチップ6を位置決めしてその
回動を拘束することができる。
【0024】一方、上記実施形態では、工具本体1の先
端部外周に取り付けられる上記チップ6…を、そのすく
い面とされる円形面7が工具本体1の軸線Oに直交する
一の平面上に位置するように配置しているが、この円形
面7が工具本体1の先端側の送り方向Fを向いているな
らば、これらのチップ6…を工具本体1に対して傾けて
取り付けるようにしてもよい。特に、上述のように工具
本体1をその軸線O回りに回転しつつ軸線O方向先端側
に送り出して切削を行う場合には、チップ6の外周側に
突出させられた切刃9の刃先は、上記軸線O回りに工具
本体1の回転方向に捩れる螺旋状の軌跡を描くこととな
るが、このような場合に上記円形面7が工具本体1の回
転方向をも向くようにチップ6を傾斜して取り付けれ
ば、切刃9は上記螺旋状の軌跡に対して垂直に近い配置
となるので、上記実施形態のようにチップ6…を傾斜さ
せない場合に比べ、該実施形態の工具本体1が回転され
ずに被削材Wの壁面Sを切削する場合に近い切削形態と
なり、従って、工具本体1を回転させているにも関わら
ず、この回転に制限されずに送り量を大きくできるとい
った本発明による上述の作用効果を確実に奏することが
可能となるとともに、切刃9の摩耗の均一化といった工
具本体1を回転させた場合の効果も同時に得ることがで
きる。
【0025】勿論、このような場合に、工具本体1の送
り量と回転数および軸線Oから上記切刃9の刃先までの
径とから上記螺旋状の軌跡の捩れ角を計算し、この軌跡
に対して上記切刃9が直交するようにチップ6の傾きを
設定することも可能である。また、こうしてチップ6…
を傾けた場合には、工具本体1の周方向に隣接するチッ
プ6,6同士の間隔を小さくすることができるので、工
具本体1の装着可能なチップ6…の数を増加させること
ができ、これにより個々のチップ6に作用する負荷を低
減させて、その寿命の延長を図ることができるという利
点も得られる。なお、このように工具本体1を回転させ
る場合にチップ6をその円形面7が回転方向をも向くよ
うに傾斜させる以外に、工具本体1を回転させるか否か
に関わらず、例えばチップ6を、その円形面7が工具本
体1の内周側をも向くように傾けたり、あるいは逆に円
形面7が外周側をも向くように傾けたりすることも可能
である。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、工具本体の回転に関わ
りなく、工具本体を先端側に送り出すことによって被削
材の壁面を所定の加工面精度に切削することができるの
で、このような工具本体の回転によって送り量が制限さ
れたり、振動が生じたりするのを防いで、安定した切削
を図りつつ送り量を増大させて高能率加工を行うことが
できる。また、切削速度自体は低減されるとともに、チ
ップが円板状であるので切刃強度が高く、従って切刃の
損傷を防いで工具寿命の延長を図ったり、コストを低減
したりすることができ、さらには切削時に作用する曲げ
分力を低減することができるので、一層安定した切削を
促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す一部破断側面図で
ある。
【図2】 図1に示す実施形態の軸線O方向先端視の正
面図である。
【図3】 図1に示す実施形態により被削材Wの壁面S
を加工する場合を示す図である。
【符号の説明】
1 工具本体 5 チップ取付座 5B チップ取付座の壁部 6 スローアウェイチップ(チップ) 7 スローアウェイチップ6の円形面(すくい面) 8 スローアウェイチップ6の周面(逃げ面) 9 切刃 10 平坦面 12 凹溝 O 工具本体1の軸線 X スローアウェイチップ6の中心軸 F 工具本体1の送り方向 W 被削材 S 被削材Wの壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 健一 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内 (72)発明者 柴田 清秋 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528 番地 三菱マテリアル株式会社岐阜製作所 内 (72)発明者 山下 直文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体の先端部外周に、円板状のチッ
    プが、その円形面をすくい面として上記工具本体の先端
    側に向けるとともに、この円形面の周縁に形成された切
    刃の一部を上記工具本体の外周側に突出させて取り付け
    られて成り、上記工具本体が被削材の壁面に沿って先端
    側に送り出されることにより、上記切刃によって上記壁
    面を切削することを特徴とする突き加工工具。
  2. 【請求項2】 上記工具本体の先端部外周には、周方向
    に複数の上記チップが取り付けられていることを特徴と
    する請求項1に記載の突き加工工具。
  3. 【請求項3】 上記工具本体は、周方向に回転されつつ
    先端側に送り出されるとともに、上記チップは、上記円
    形面が上記工具本体の回転方向にも向けられるように、
    傾斜して取り付けられていることを特徴とする請求項2
    に記載の突き加工工具。
  4. 【請求項4】 上記チップは、上記工具本体の先端部外
    周に形成されたチップ取付座に着脱自在に装着されるス
    ローアウェイチップであって、このチップの周面には、
    該周面を接線方向に切り欠くように複数の平坦面が形成
    される一方、上記チップ取付座にはこの平坦面が当接可
    能な壁部が形成されていることを特徴とする請求項1な
    いし請求項3のいずれかに記載の突き加工工具。
JP21100897A 1997-08-05 1997-08-05 突き加工工具 Withdrawn JPH1148025A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112935400A (zh) * 2021-04-02 2021-06-11 潞城市潞发锯业有限公司 一种可重复使用的硬质合金圆锯片
WO2021171574A1 (ja) * 2020-02-28 2021-09-02 国立大学法人東海国立大学機構 加工方法、加工装置および加工プログラム

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