JPH1147892A - 連続鋳造圧延装置 - Google Patents
連続鋳造圧延装置Info
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- JPH1147892A JPH1147892A JP20355297A JP20355297A JPH1147892A JP H1147892 A JPH1147892 A JP H1147892A JP 20355297 A JP20355297 A JP 20355297A JP 20355297 A JP20355297 A JP 20355297A JP H1147892 A JPH1147892 A JP H1147892A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】溶湯中の不純物を容易に且つ確実に除去するこ
とができる連続鋳造圧延装置を提供する。 【解決手段】本発明は、溶湯22が流れる樋14の底面
に凹部30を形成し、溶湯22に含まれるTiB2 を凹
部30に沈降させて除去する。これにより、TiB2 は
鋳造圧延手段に供給されないので、筋のない表面品質の
高い鋳造板36を得ることができる。この結果、本発明
は、高品質の感光性平版印刷版を製造することができ
る。
とができる連続鋳造圧延装置を提供する。 【解決手段】本発明は、溶湯22が流れる樋14の底面
に凹部30を形成し、溶湯22に含まれるTiB2 を凹
部30に沈降させて除去する。これにより、TiB2 は
鋳造圧延手段に供給されないので、筋のない表面品質の
高い鋳造板36を得ることができる。この結果、本発明
は、高品質の感光性平版印刷版を製造することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造圧延装置
に係り、特にアルミニウム合金を溶解した溶湯を鋳造圧
延して鋳造板を形成する連続鋳造圧延装置に関する。
に係り、特にアルミニウム合金を溶解した溶湯を鋳造圧
延して鋳造板を形成する連続鋳造圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造圧延装置は、感光性平版印刷版
の平版印刷版用支持体の製造に用いられており、特開平
8─49034号公報や特開平8─73974号公報に
開示されるように、アルミニウム合金の溶湯を溶湯供給
ノズルから一対の回転ロール間に供給して、一対の回転
ロールの回転によって前記溶湯を鋳造圧延して鋳造板を
形成する。
の平版印刷版用支持体の製造に用いられており、特開平
8─49034号公報や特開平8─73974号公報に
開示されるように、アルミニウム合金の溶湯を溶湯供給
ノズルから一対の回転ロール間に供給して、一対の回転
ロールの回転によって前記溶湯を鋳造圧延して鋳造板を
形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8─49034号公報や特開平8─73974号公報の
連続鋳造圧延装置では、アルミニウム合金の溶湯に含ま
れるチタンとホウ素とが反応してTiB2 (不純物)が
生成し、このTiB2 の粒子によって鋳造板の表面に筋
が断続的に発生するという問題がある。鋳造板の良否は
感光性平版印刷版を製造する上で重要な要件であり、特
に、陽極酸化処理を用いる電気化学的粗面化などにおい
てはこの筋が顕著に表面化するため、筋の発生を防止す
る必要がある。
8─49034号公報や特開平8─73974号公報の
連続鋳造圧延装置では、アルミニウム合金の溶湯に含ま
れるチタンとホウ素とが反応してTiB2 (不純物)が
生成し、このTiB2 の粒子によって鋳造板の表面に筋
が断続的に発生するという問題がある。鋳造板の良否は
感光性平版印刷版を製造する上で重要な要件であり、特
に、陽極酸化処理を用いる電気化学的粗面化などにおい
てはこの筋が顕著に表面化するため、筋の発生を防止す
る必要がある。
【0004】これに対して、特開昭60─230944
号公報や特願平8─207222の装置では、溶湯をセ
ラミックチューブフィルターに通過させてTiB2 の粒
子を除去しているが、長時間運転を行うとセラミックチ
ューブフィルタの隙間を粗大なTiB2 の粒子がすり抜
ける確率が増加するため、根本的な解決にはならない。
号公報や特願平8─207222の装置では、溶湯をセ
ラミックチューブフィルターに通過させてTiB2 の粒
子を除去しているが、長時間運転を行うとセラミックチ
ューブフィルタの隙間を粗大なTiB2 の粒子がすり抜
ける確率が増加するため、根本的な解決にはならない。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、溶湯中の不純物を容易に且つ確実に除去する
ことができる連続鋳造圧延装置を提供することを目的と
する。
たもので、溶湯中の不純物を容易に且つ確実に除去する
ことができる連続鋳造圧延装置を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
するために、溶湯を溶湯供給ノズルから鋳造圧延手段に
供給し、前記鋳造圧延手段にて前記溶湯を鋳造圧延して
鋳造板を形成する連続鋳造圧延装置において、前記溶湯
が前記溶湯供給ノズルまで流れる流路の底面に凹部を形
成して、前記溶湯に含まれる不純物を前記凹部に沈降さ
せることを特徴とする。
するために、溶湯を溶湯供給ノズルから鋳造圧延手段に
供給し、前記鋳造圧延手段にて前記溶湯を鋳造圧延して
鋳造板を形成する連続鋳造圧延装置において、前記溶湯
が前記溶湯供給ノズルまで流れる流路の底面に凹部を形
成して、前記溶湯に含まれる不純物を前記凹部に沈降さ
せることを特徴とする。
【0007】本発明によれば、溶湯が流路に沿って溶湯
供給ノズルまで流れる際に、溶湯に含まれる不純物が凹
部に沈降し、除去される。これにより、本発明は溶湯中
の不純物を容易に且つ確実に除去することができる。ま
た、本発明では、不純物が鋳造圧延手段に供給されない
ため、鋳造板に不純物による筋が発生しないので、表面
品質の高い感光性平版印刷版を製造することができる。
供給ノズルまで流れる際に、溶湯に含まれる不純物が凹
部に沈降し、除去される。これにより、本発明は溶湯中
の不純物を容易に且つ確実に除去することができる。ま
た、本発明では、不純物が鋳造圧延手段に供給されない
ため、鋳造板に不純物による筋が発生しないので、表面
品質の高い感光性平版印刷版を製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って、本発明に
係る連続鋳造圧延装置の好ましい実施の形態について詳
説する。図1は、本実施の形態の連続鋳造圧延装置の全
体構成を示す説明図である。同図に示すように、連続鋳
造圧延装置10は、主として溶解保持炉12、樋14、
溶湯供給ノズル16、一対の回転ローラ18、18、及
びコイラー20を備えている。
係る連続鋳造圧延装置の好ましい実施の形態について詳
説する。図1は、本実施の形態の連続鋳造圧延装置の全
体構成を示す説明図である。同図に示すように、連続鋳
造圧延装置10は、主として溶解保持炉12、樋14、
溶湯供給ノズル16、一対の回転ローラ18、18、及
びコイラー20を備えている。
【0009】溶解保持炉12には、アルミニウム合金の
インゴットが溶解された溶湯22が溜められる。溶解保
持炉12は溶解保持炉傾動機24を備えており、溶解保
持炉傾動機24の電動モーター駆動によって傾動され、
溶解保持炉12内に溜められた溶湯22が樋14に注入
される。溶湯22が注入される樋14の底面には、後述
する凹部30が形成されている。また、樋14には樋1
4内の液位を検出するレベル計32が設けられ、このレ
ベル計32は、制御装置34を介して溶解保持炉傾動機
24に接続されている。制御装置34は、レベル計32
の検出液位に基づいて溶解保持炉傾動機24を制御して
樋14内の液位を調整する。
インゴットが溶解された溶湯22が溜められる。溶解保
持炉12は溶解保持炉傾動機24を備えており、溶解保
持炉傾動機24の電動モーター駆動によって傾動され、
溶解保持炉12内に溜められた溶湯22が樋14に注入
される。溶湯22が注入される樋14の底面には、後述
する凹部30が形成されている。また、樋14には樋1
4内の液位を検出するレベル計32が設けられ、このレ
ベル計32は、制御装置34を介して溶解保持炉傾動機
24に接続されている。制御装置34は、レベル計32
の検出液位に基づいて溶解保持炉傾動機24を制御して
樋14内の液位を調整する。
【0010】溶湯供給ノズル16は、前記樋14の図中
右端に設けられ、樋14内の溶湯22を図中右方向に吐
出する。一対の回転ローラ18、18は、溶湯供給ノズ
ル16の先端部を挟んで図中上下方向に配設され、溶湯
供給ノズル16から吐出された溶湯22をその回転によ
って鋳造圧延して鋳造板36を形成すると共に、形成さ
れた鋳造板36を挟持して搬送する。コイラー20は、
一対の回転ローラ18、18によって搬送される鋳造板
36を、切断機38によって一定の長さに切断された後
に巻き取る。
右端に設けられ、樋14内の溶湯22を図中右方向に吐
出する。一対の回転ローラ18、18は、溶湯供給ノズ
ル16の先端部を挟んで図中上下方向に配設され、溶湯
供給ノズル16から吐出された溶湯22をその回転によ
って鋳造圧延して鋳造板36を形成すると共に、形成さ
れた鋳造板36を挟持して搬送する。コイラー20は、
一対の回転ローラ18、18によって搬送される鋳造板
36を、切断機38によって一定の長さに切断された後
に巻き取る。
【0011】図2は、図1に示された凹部30を形成す
る樋14の一部を示す拡大斜視図である。同図に示すよ
うに、凹部30は第1の耐火部材42と第2の耐火部材
44とが組み合わされて形成される。図3は図2に示さ
れた樋14の一部の正面図であり、図4は図3の4─4
断面図である。第1の耐火部材42と第2の耐火部材4
4とは凹状に形成され、ねじ孔46、46、46が各々
の対向する位置に形成される。各ねじ孔46、46、4
6にはボルト47、47、47が螺合され、第1の耐火
部材42と第2の耐火部材44とが締結される。第1の
耐火部材42には図4中左端面が閉塞された溝43が形
成され、第2の耐火部材44には図4中右端面が閉塞さ
れた溝45が形成される。溝43と溝45とは合わさっ
て凹部30が形成される。
る樋14の一部を示す拡大斜視図である。同図に示すよ
うに、凹部30は第1の耐火部材42と第2の耐火部材
44とが組み合わされて形成される。図3は図2に示さ
れた樋14の一部の正面図であり、図4は図3の4─4
断面図である。第1の耐火部材42と第2の耐火部材4
4とは凹状に形成され、ねじ孔46、46、46が各々
の対向する位置に形成される。各ねじ孔46、46、4
6にはボルト47、47、47が螺合され、第1の耐火
部材42と第2の耐火部材44とが締結される。第1の
耐火部材42には図4中左端面が閉塞された溝43が形
成され、第2の耐火部材44には図4中右端面が閉塞さ
れた溝45が形成される。溝43と溝45とは合わさっ
て凹部30が形成される。
【0012】図5は、冷間圧延機50の構成を示す説明
図である。冷間圧延機50は、供給ローラ52と巻取ロ
ーラ54との間に設けられ、鋳造板36を挟んで設けら
れた一対の小径ローラ56、56と、一対の小径ローラ
56、56に転接された大径ローラ58とから構成され
る。供給ローラ52から巻取ローラ54まで搬送される
鋳造板36は、一対の小径ローラ56、56の回転によ
って冷間圧延が行われる。
図である。冷間圧延機50は、供給ローラ52と巻取ロ
ーラ54との間に設けられ、鋳造板36を挟んで設けら
れた一対の小径ローラ56、56と、一対の小径ローラ
56、56に転接された大径ローラ58とから構成され
る。供給ローラ52から巻取ローラ54まで搬送される
鋳造板36は、一対の小径ローラ56、56の回転によ
って冷間圧延が行われる。
【0013】図6は、連続焼鈍装置60の構成を示す説
明図である。連続焼鈍装置60は、供給ローラ62と巻
取ローラ64との間に設けられ、供給ローラ62から巻
取ローラ64まで搬送される鋳造板36は、連続焼鈍装
置60を通過する際に熱処理が行われる。図7は、バッ
チ焼鈍装置70の構成を示す説明図である。バッチ焼鈍
装置70は、支持板72とその図中上面に設けられた一
対のストッパー74、74とを備えている。図1のコイ
ラー20に巻き取られた鋳造板36は、支持板72に載
置されて熱処理が行われる。
明図である。連続焼鈍装置60は、供給ローラ62と巻
取ローラ64との間に設けられ、供給ローラ62から巻
取ローラ64まで搬送される鋳造板36は、連続焼鈍装
置60を通過する際に熱処理が行われる。図7は、バッ
チ焼鈍装置70の構成を示す説明図である。バッチ焼鈍
装置70は、支持板72とその図中上面に設けられた一
対のストッパー74、74とを備えている。図1のコイ
ラー20に巻き取られた鋳造板36は、支持板72に載
置されて熱処理が行われる。
【0014】図8は、矯正装置80の構成を示す説明図
である。矯正装置80は、供給ローラ82と巻取ローラ
84との間に設けられ、複数の矯正ローラ86、86…
が鋳造板36の搬送径路に沿って設けられる。供給ロー
ラ62から巻取ローラ64まで搬送される鋳造板36
は、複数の矯正ローラ86、86…の回転によってその
巻き癖が矯正される。
である。矯正装置80は、供給ローラ82と巻取ローラ
84との間に設けられ、複数の矯正ローラ86、86…
が鋳造板36の搬送径路に沿って設けられる。供給ロー
ラ62から巻取ローラ64まで搬送される鋳造板36
は、複数の矯正ローラ86、86…の回転によってその
巻き癖が矯正される。
【0015】次に、上記の如く構成された連続鋳造圧延
装置の作用について説明する。図1の溶解保持炉12
は、アルミニウム合金のインゴットが溶解された溶湯2
2を保持する。レベル計32は樋14内の液位を検出
し、制御装置34は該検出液位に基づいて溶解保持炉傾
動機24を制御して溶解保持炉12を電動モーター駆動
によって傾動して、溶解保持炉12内の溶湯22を樋1
4に注入する。
装置の作用について説明する。図1の溶解保持炉12
は、アルミニウム合金のインゴットが溶解された溶湯2
2を保持する。レベル計32は樋14内の液位を検出
し、制御装置34は該検出液位に基づいて溶解保持炉傾
動機24を制御して溶解保持炉12を電動モーター駆動
によって傾動して、溶解保持炉12内の溶湯22を樋1
4に注入する。
【0016】樋14内に注入された溶湯22は図中右方
向に流れて、溶湯供給ノズル16から一対の回転ローラ
18、18間に吐出される。この時、溶湯22に含まれ
るTiB2 はAlの比重2.7に対して、その比重が
4.5と大きいため凹部30に沈降してAlから分離除
去される。従って、TiB2 は溶湯供給ノズル16から
一対の回転ローラ18、18間に吐出されない。
向に流れて、溶湯供給ノズル16から一対の回転ローラ
18、18間に吐出される。この時、溶湯22に含まれ
るTiB2 はAlの比重2.7に対して、その比重が
4.5と大きいため凹部30に沈降してAlから分離除
去される。従って、TiB2 は溶湯供給ノズル16から
一対の回転ローラ18、18間に吐出されない。
【0017】一対の回転ローラ18、18は、溶湯供給
ノズル16から吐出された溶湯をその回転によって鋳造
圧延して鋳造板36を形成する。この時、筋発生の原因
となるTiB2 が前記凹部30に沈降除去されているた
め、筋のない表面品質の高い鋳造板36を得ることがで
きる。回転する一対の回転ローラ18、18は鋳造板3
6を挟持搬送して、鋳造板36は切断機38によって一
定の長さに切断された後コイラー20に巻き取られる。
ノズル16から吐出された溶湯をその回転によって鋳造
圧延して鋳造板36を形成する。この時、筋発生の原因
となるTiB2 が前記凹部30に沈降除去されているた
め、筋のない表面品質の高い鋳造板36を得ることがで
きる。回転する一対の回転ローラ18、18は鋳造板3
6を挟持搬送して、鋳造板36は切断機38によって一
定の長さに切断された後コイラー20に巻き取られる。
【0018】次に、コイラー20に巻き取られた鋳造板
36に対して、図5に示す冷間圧延機50によって冷間
圧延を行い、図6に示す連続焼鈍装置60又は図7に示
すバッチ焼鈍装置70によって熱処理を行う。冷間圧延
と熱処理は、鋳造板36の組織の均一化と平坦化のため
に行われ、必要に応じて何れか一方のみを行ってもよ
い。冷間圧延と熱処理を両方行う場合には0.5〜3m
m厚に鋳造圧延された鋳造板36を0.1〜0.5mm
厚に仕上げる。熱処理を行わない場合には、冷間圧延の
みで0.1〜0.5mm厚に仕上げる。熱処理に連続焼
鈍装置60を使用する場合には400〜600°で1〜
600秒行い、バッチ焼鈍装置70を使用する場合には
300〜600°で1〜12時間行う。
36に対して、図5に示す冷間圧延機50によって冷間
圧延を行い、図6に示す連続焼鈍装置60又は図7に示
すバッチ焼鈍装置70によって熱処理を行う。冷間圧延
と熱処理は、鋳造板36の組織の均一化と平坦化のため
に行われ、必要に応じて何れか一方のみを行ってもよ
い。冷間圧延と熱処理を両方行う場合には0.5〜3m
m厚に鋳造圧延された鋳造板36を0.1〜0.5mm
厚に仕上げる。熱処理を行わない場合には、冷間圧延の
みで0.1〜0.5mm厚に仕上げる。熱処理に連続焼
鈍装置60を使用する場合には400〜600°で1〜
600秒行い、バッチ焼鈍装置70を使用する場合には
300〜600°で1〜12時間行う。
【0019】次いで、図8に示す矯正装置56で鋳造板
36の巻き癖を矯正する。その後、鋳造板36の表面を
機械的、或いは電気的、或いは化学的、或いは電気化学
的に粗面化して、平版印刷版用支持体に仕上げる。この
平版印刷版用支持体に感光性塗膜を設け、画像露光し、
現像して製版し、感光性平版印刷版が完成する。この感
光性平版印刷版は、鋳造板36の表面品質の向上に伴
い、高品質に製造することができる。
36の巻き癖を矯正する。その後、鋳造板36の表面を
機械的、或いは電気的、或いは化学的、或いは電気化学
的に粗面化して、平版印刷版用支持体に仕上げる。この
平版印刷版用支持体に感光性塗膜を設け、画像露光し、
現像して製版し、感光性平版印刷版が完成する。この感
光性平版印刷版は、鋳造板36の表面品質の向上に伴
い、高品質に製造することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。図1に示す連続鋳造圧延装置10を用いて、次の
ように鋳造板36を連続鋳造圧延した。まず、溶解保持
炉12でFe:0.30重量%(以下同様)、Si:
0.05%、Cu:0.01%、残りAlと不可避不純
物となるように溶湯22を調整し、775℃に維持し
た。溶解保持炉12を傾けて、樋14に溶湯22を注
ぎ、溶湯供給ノズル16から一対の回転ローラ18、1
8間に吐出させ、回転ローラ18、18間で凝固・冷却
しながら厚さ7.0mmの鋳造板36を連続鋳造圧延し
た。
する。図1に示す連続鋳造圧延装置10を用いて、次の
ように鋳造板36を連続鋳造圧延した。まず、溶解保持
炉12でFe:0.30重量%(以下同様)、Si:
0.05%、Cu:0.01%、残りAlと不可避不純
物となるように溶湯22を調整し、775℃に維持し
た。溶解保持炉12を傾けて、樋14に溶湯22を注
ぎ、溶湯供給ノズル16から一対の回転ローラ18、1
8間に吐出させ、回転ローラ18、18間で凝固・冷却
しながら厚さ7.0mmの鋳造板36を連続鋳造圧延し
た。
【0021】この際、Al−Ti(5%)−B(1%)
の合金ワイヤ23を結晶微細化剤として樋14の溶湯2
2に供給し、溶湯22中のTi濃度が0.01%になる
ように供給速度を設定して溶解させた。図9は、凹部3
0の形状を種々変化させた際の鋳造板36の表面品質を
比較した実験結果を示す図である。実施例の装置の概略
寸法は以下の通りである。
の合金ワイヤ23を結晶微細化剤として樋14の溶湯2
2に供給し、溶湯22中のTi濃度が0.01%になる
ように供給速度を設定して溶解させた。図9は、凹部3
0の形状を種々変化させた際の鋳造板36の表面品質を
比較した実験結果を示す図である。実施例の装置の概略
寸法は以下の通りである。
【0022】 流路の深さ:30mm 凹部の深さ:60mm、150mm 凹部の開口部長さ:30mm、300mm また、流路の深さが30mmの比較例3つに対しても実
施例と同様に処理を行った。比較例─1には凹部が形成
されていないものを使用し、比較例─2には凹部の深さ
と開口部長さとがそれぞれ30mmのものを使用し、比
較例─3には凹部の深さが60mm、開口部長さが24
mmのものを使用した。
施例と同様に処理を行った。比較例─1には凹部が形成
されていないものを使用し、比較例─2には凹部の深さ
と開口部長さとがそれぞれ30mmのものを使用し、比
較例─3には凹部の深さが60mm、開口部長さが24
mmのものを使用した。
【0023】鋳造中は樋14の溶湯面レベルをレベル計
32で測定し、制御装置34を介して溶解保持炉12の
溶解保持炉傾動機24を制御し、溶湯の供給量を一定に
した。このように作製したサンプルをコイラー20で巻
き取り、切断機38で適宜カットしてサンプルウエブと
した。次いで、各サンプルウエブを図5に示す冷間圧延
機50で1.5mm厚まで冷間圧延し、図7に示すバッ
チ式焼鈍装置70によって480℃で10時間焼鈍し熱
処理を行なった。そして、再度各鋳造板36を図5に示
す冷間圧延機50で冷間圧延して0.24mm厚に仕上
げた。このようにして仕上げたサンプルをAl−Ti
(5%)−B(1%)合金の投入方法毎に分類し、アル
ミウム板表面のTiの分布状況を確認して本発明の実施
例、及び比較例─1、2、3のアルミウム板とした。
32で測定し、制御装置34を介して溶解保持炉12の
溶解保持炉傾動機24を制御し、溶湯の供給量を一定に
した。このように作製したサンプルをコイラー20で巻
き取り、切断機38で適宜カットしてサンプルウエブと
した。次いで、各サンプルウエブを図5に示す冷間圧延
機50で1.5mm厚まで冷間圧延し、図7に示すバッ
チ式焼鈍装置70によって480℃で10時間焼鈍し熱
処理を行なった。そして、再度各鋳造板36を図5に示
す冷間圧延機50で冷間圧延して0.24mm厚に仕上
げた。このようにして仕上げたサンプルをAl−Ti
(5%)−B(1%)合金の投入方法毎に分類し、アル
ミウム板表面のTiの分布状況を確認して本発明の実施
例、及び比較例─1、2、3のアルミウム板とした。
【0024】次に、Ti起因の筋のレベルを確認するた
め、各鋳造板36をアルミン酸ソーダ(Al3+10%;
NaOH30%)液を用いて60℃で30秒間のアルカ
リエッチング処理を行って電気科学的に粗面化した。そ
の状態で各鋳造板36に筋が発生しているか否かを評価
した。この結果、実施例では筋が認められず(○)、凹
部が形成されていない比較例─1では筋が明らかに認め
られ(×)、凹部の深さと開口部長さとが等しい比較例
─2と凹部の深さ60mm開口部長さ24mmの比較例
─3とでは筋がやや認められた(△)。また、比較例─
1〜3の各鋳造板36に対してEPMA(電子プローブ
マイクロアナライザ、日本電子製JXA─8800M)
で面分析を行うと、発生した筋にはTiB2 が偏析して
いることが確認された。更に、前述の鋳造作業が終了し
た後、樋14及び凹部30から溶湯22を排出すると、
凹部30に溶湯22の残骸と見られる不純物が存在し、
その不純物を分析するとTiB2 が高濃度で検出され、
粗大なTiB2 粒子が凹部に沈降していることを確認し
た。
め、各鋳造板36をアルミン酸ソーダ(Al3+10%;
NaOH30%)液を用いて60℃で30秒間のアルカ
リエッチング処理を行って電気科学的に粗面化した。そ
の状態で各鋳造板36に筋が発生しているか否かを評価
した。この結果、実施例では筋が認められず(○)、凹
部が形成されていない比較例─1では筋が明らかに認め
られ(×)、凹部の深さと開口部長さとが等しい比較例
─2と凹部の深さ60mm開口部長さ24mmの比較例
─3とでは筋がやや認められた(△)。また、比較例─
1〜3の各鋳造板36に対してEPMA(電子プローブ
マイクロアナライザ、日本電子製JXA─8800M)
で面分析を行うと、発生した筋にはTiB2 が偏析して
いることが確認された。更に、前述の鋳造作業が終了し
た後、樋14及び凹部30から溶湯22を排出すると、
凹部30に溶湯22の残骸と見られる不純物が存在し、
その不純物を分析するとTiB2 が高濃度で検出され、
粗大なTiB2 粒子が凹部に沈降していることを確認し
た。
【0025】また比較例─2では凹部の深さが浅いため
TiB2 (不純物)の再浮上がおこり筋が発生した。比
較例─3では凹部の開口部長さが短いためTiB2 (不
純物)を十分に沈降させることができず筋が発生した。
凹部の深さの臨界点については、深さが5倍を超える場
合は、装置が大きくなりすぎ鋳造終了後の溶湯の除去が
むずかしいので、5倍を超えるのは、現実的ではない。
TiB2 (不純物)の再浮上がおこり筋が発生した。比
較例─3では凹部の開口部長さが短いためTiB2 (不
純物)を十分に沈降させることができず筋が発生した。
凹部の深さの臨界点については、深さが5倍を超える場
合は、装置が大きくなりすぎ鋳造終了後の溶湯の除去が
むずかしいので、5倍を超えるのは、現実的ではない。
【0026】凹部の開口部長さの臨界点については、開
口部長さが10倍を超えると装置が大きくなりすぎ鋳造
終了後の凹部(へこみ)に残る溶湯(アルミ)のロス分
が多くなるため現実的ではない。この結果から、各凹部
30には、溶湯22に含まれるTiB2 粒子が沈降し、
実施例の形状の凹部30は比較例2、3の形状の凹部3
0よりもTiB2 粒子が沈降し易いことがわかる。
口部長さが10倍を超えると装置が大きくなりすぎ鋳造
終了後の凹部(へこみ)に残る溶湯(アルミ)のロス分
が多くなるため現実的ではない。この結果から、各凹部
30には、溶湯22に含まれるTiB2 粒子が沈降し、
実施例の形状の凹部30は比較例2、3の形状の凹部3
0よりもTiB2 粒子が沈降し易いことがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の連続鋳造
圧延装置によれば、流路の底面に凹部を形成して溶湯に
含まれる不純物を前記凹部に沈降させて除去ようにした
ので、溶湯中の不純物を容易に且つ確実に除去すること
ができる。
圧延装置によれば、流路の底面に凹部を形成して溶湯に
含まれる不純物を前記凹部に沈降させて除去ようにした
ので、溶湯中の不純物を容易に且つ確実に除去すること
ができる。
【図1】本実施の形態の連続鋳造圧延装置の全体構成を
示す説明図
示す説明図
【図2】図1に示された凹部を形成する樋の一部を示す
拡大斜視図
拡大斜視図
【図3】図2に示された樋の一部の正面図
【図4】図3の4─4線に沿う断面図
【図5】冷間圧延機の説明図
【図6】連続焼鈍装置の説明図
【図7】バッチ焼鈍装置の説明図
【図8】矯正装置の説明図
【図9】凹部の形状を変えた際の鋳造板の表面品質を比
較した実験結果を示す図
較した実験結果を示す図
10…連続鋳造圧延装置 12…溶解保持炉 14…樋 16…溶湯供給ノズル 18…回転ローラ 22…溶湯 30…凹部 36…鋳造板
Claims (2)
- 【請求項1】溶湯を溶湯供給ノズルから鋳造圧延手段に
供給し、前記鋳造圧延手段にて前記溶湯を鋳造圧延して
鋳造板を形成する連続鋳造圧延装置において、 前記溶湯が前記溶湯供給ノズルまで流れる流路の底面に
凹部を形成して、前記溶湯に含まれる不純物を前記凹部
に沈降させることを特徴とする連続鋳造圧延装置。 - 【請求項2】前記凹部の深さは前記流路の深さの2〜5
倍で、前記凹部の流れ方向の開口部長さは前記流路の深
さの1〜10倍であることを特徴とする請求項1記載の
連続鋳造圧延装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20355297A JPH1147892A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 連続鋳造圧延装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20355297A JPH1147892A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 連続鋳造圧延装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1147892A true JPH1147892A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16476035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20355297A Pending JPH1147892A (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | 連続鋳造圧延装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1147892A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007069601A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-03-22 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版 |
JP2010125498A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用アルミニウム合金板の製造装置 |
US8048364B2 (en) | 2007-06-29 | 2011-11-01 | Fujifilm Corporation | Method and apparatus for manufacturing aluminum alloy strip for lithographic printing plates |
US8338073B2 (en) | 2005-07-14 | 2012-12-25 | Fujifilm Corporation | Lithographic printing plate support, method of manufacturing the same, and presensitized plate |
-
1997
- 1997-07-29 JP JP20355297A patent/JPH1147892A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8338073B2 (en) | 2005-07-14 | 2012-12-25 | Fujifilm Corporation | Lithographic printing plate support, method of manufacturing the same, and presensitized plate |
JP2007069601A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-03-22 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用支持体および平版印刷版原版 |
US8048364B2 (en) | 2007-06-29 | 2011-11-01 | Fujifilm Corporation | Method and apparatus for manufacturing aluminum alloy strip for lithographic printing plates |
US8366842B2 (en) | 2007-06-29 | 2013-02-05 | Fujifilm Corporation | Method and apparatus for manufacturing aluminum alloy strip for lithographic printing plates |
JP2010125498A (ja) * | 2008-11-28 | 2010-06-10 | Fujifilm Corp | 平版印刷版用アルミニウム合金板の製造装置 |
CN101745613A (zh) * | 2008-11-28 | 2010-06-23 | 富士胶片株式会社 | 平版印刷版用铝合金板的制造装置 |
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