JPH1147698A - 球体寸法測定方法 - Google Patents

球体寸法測定方法

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Publication number
JPH1147698A
JPH1147698A JP9222998A JP22299897A JPH1147698A JP H1147698 A JPH1147698 A JP H1147698A JP 9222998 A JP9222998 A JP 9222998A JP 22299897 A JP22299897 A JP 22299897A JP H1147698 A JPH1147698 A JP H1147698A
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JP
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diameter
steel ball
sphere
difference
steel
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JP9222998A
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English (en)
Inventor
Chuichi Sato
忠一 佐藤
Hajime Yabe
肇 矢部
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い信頼性を有する球体の代表直径寸法、直
径不同、径相互差を効率良く算出することができるとと
もに、球体間の径相互差の差を可能な限り小さくした球
体の組合せを選別することが可能になる球体寸法測定方
法を提供する。 【解決手段】 球体寸法測定方法では、スキュー機構2
により鋼球1を連続的にスキュー運動させて一対の測定
子9による鋼球1の直径寸法の測定位置がほぼ全面に渡
るように制御し、該制御により得られる各測定位置毎に
鋼球1の直径寸法を測定し、該各測定位置毎の測定値に
基づき鋼球1の代表直径寸法および直径不同を算出し、
各鋼球1に対してそれぞれ算出された直径不同を該鋼球
1を良品、不良品の各グループに選別するためのグルー
プ選別に用い、良品のグループに選別された各鋼球1の
代表直径寸法を径区分するための径相互差の算出に用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の球体を選別
可能な球体寸法を得るための球体寸法測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、転がり軸受け等の鋼球製造工程
では、鋼球研磨盤いわゆるラップ盤による鋼球の研磨が
行われている。ラップ盤は、固定盤と、それに所定の加
工力で押し付けられながら回転する回転盤とを有し、回
転盤の固定盤対向面には、鋼球を受け入れる複数の溝が
同心円上に形成されている。同様に、固定盤の回転盤対
向面には、鋼球を受け入れる複数の溝が同心円上に形成
され、各溝は対応する回転盤の溝に対向するように配置
されている。
【0003】ラップ盤には、鋼球供給装置などの外部装
置から1ロット単位例えば数万個の単位で鋼球が供給さ
れ、この供給されたロット単位で鋼球はほぼ一定の間隔
で回転盤の溝とそれに対向する固定盤の溝とで回転盤と
固定盤との間に保持される。各鋼球は、回転盤の回転に
より回転盤から所定の圧力を受けながら固定盤の溝に沿
って移動され、この移動によって鋼球には研磨加工が施
される。
【0004】このラップ盤による鋼球の研磨に先立ち、
1ロット単位毎に所定数の鋼球を抜き出し、抜き出した
各鋼球の代表直径寸法、直径不同および径相互差の各評
価寸法をそれぞれ算出し、算出した各評価寸法に基づき
各ロット単位毎にその鋼球の良品、不良品を選別するた
めの鋼球選別が行われている。この鋼球選別において良
品として選別されたロット単位の鋼球は上記ラップ盤に
供給されて研磨される。
【0005】ラップ盤による研磨後、各ロットはその単
位毎に転がり軸受を構成するための内輪および外輪から
なる各組に割り振られる。具体的には、各ロットから抜
き出して算出された各鋼球の代表直径寸法、直径不同お
よび径相互差の各評価寸法と各組の内輪および外輪の軌
道溝径とに基づき、各ロットの鋼球と内輪および外輪か
らなる各組とがペアリングされ、1つのペアリングにお
いて1つのロットから軸受単位毎に必要な数の鋼球がラ
ンダムに選択されて組み込まれる。
【0006】次に、上述の鋼球選別における各鋼球の代
表直径寸法、直径不同および径相互差の各評価寸法の算
出方法について図を参照しながら説明する。図6は従来
の各鋼球の直径寸法の測定方法を説明するための図であ
る。
【0007】上述の鋼球選別においては、まず、1つの
ロットにおいて所定数の鋼球が抜き出され、抜き出され
た各鋼球の直径寸法が測定される。この直径寸法の測定
では、図6に示すように、定盤61とその鉛直方向上方
に保持されている測定子62との間に抜き出された鋼球
1を置く。測定子62は鋼球1との接触により初期位置
から微小に移動され、この測定子62の微小移動量は微
小測定器63で検出される。微小測定器63は、測定子
62の測定開始前に設定された初期位置とその微小移動
量とに基づき鋼球1の直径寸法を算出する。次いで、測
定位置を変えるために、鋼球1が定盤61と測定子62
との間で移動(回転)され、この移動により測定子62
は鋼球1と接触しながら微小量分移動され、この測定子
62の初期位置とその微小移動量により鋼球1の直径寸
法が算出される。このように、複数の測定位置において
鋼球1の直径寸法の測定を行うように鋼球1を定盤61
と測定子62との間で移動(回転)することによって、
鋼球1の直径寸法に対する複数回の測定が行われ、この
形態の測定が抜き出された鋼球1の全てに対し行われる
ことになる。
【0008】このようにして各ロット毎に抜き出されて
測定された各鋼球1の各直径寸法は、その鋼球1が属す
るロットを代表する鋼球の代表直径寸法、直径不同、径
相互差の算出に用いられる。鋼球の代表直径寸法は、抜
き出された各鋼球の各直径寸法を平均化した値からな
る。直径不同の算出では、抜き出された各鋼球毎に、各
直径寸法の最大値と最小値とを求め、この最大値と最小
値との差を算出し、各鋼球毎に算出された前記差を平均
化し、その平均値を直径不同とし、この直径不同は1つ
のロットの鋼球を代表する真球度を表すことになる。径
相互差の算出では、算出された各鋼球の代表直径寸法の
最大値と最小値とを求め、この最大値と最小値との差を
算出し、該差を径相互差とし、この径相互差は1つのロ
ットに含まれる鋼球間の平均直径の差を表すことにな
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に、各ロット毎に抜き出した鋼球の直径寸法の測定にお
いては、複数の測定位置において鋼球の直径寸法の測定
を行うように鋼球を定盤と測定子との間で移動(回転)
するが、この鋼球の移動が制御されていないので、各測
定位置における測定値に対する重み付けがランダムにな
る。
【0010】また、各ロット毎に抜き出されて測定され
た各鋼球の各直径寸法を、その鋼球が属するロットを代
表する鋼球の代表直径寸法、直径不同、径相互差の算出
に用いるので、1つのロットに含まれる全ての鋼球の寸
法に関する精度が統計量により決められることになり、
1つのロットにおける鋼球の全てが均一な精度に保持さ
れているとは限らない。よって、例えば、1つの軸受に
組み込まれる各鋼球間においてその直径不同は良好な精
度範囲に保持されているが、その径相互差が大きい場合
があり、この場合、これらの鋼球が組み込まれた軸受の
回転精度に悪影響が及ぼされることになる。
【0011】このように、各ロット毎に抜き出されて測
定された各鋼球の各直径寸法に基づき算出された鋼球の
直径不同、径相互差を用いた鋼球選別では、この算出さ
れた鋼球の直径不同、径相互差に対する信頼性をさらに
高めることが難しく、より均一な精度範囲に保持されて
いる鋼球の組を選別することが難しい。その結果、より
高い回転精度の要求に応じた軸受を得ることはできな
い。
【0012】本発明の目的は、高い信頼性を有する球体
の代表直径寸法、直径不同、径相互差を効率良く算出す
ることができるとともに、球体間の径相互差の差を可能
な限り小さくした球体の組合せを選別することが可能に
なる球体寸法測定方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
複数の球体を選別可能な球体寸法を得るための球体寸法
測定方法において、前記球体を連続的にスキュー運動さ
せて該球体の直径測定位置がほぼ全面に渡るように制御
可能な機構により該直径測定位置を制御し、該制御によ
り得られる各直径測定位置毎に前記球体の直径寸法を測
定し、該各直径測定位置毎の測定値に基づき前記球体の
代表直径寸法および直径不同を算出し、前記複数の球体
の全てに対して前記代表直径寸法および前記直径不同を
算出した後に、該複数の球体に対してそれぞれ算出され
た直径不同を該複数の球体を良品、不良品の各グループ
に選別するためのグループ選別に用いると共に、前記良
品のグループに選別された各球体の代表直径寸法を前記
良品のグループに選別された各球体を径区分するための
径相互差の算出に用いることを特徴とする。
【0014】請求項1記載の球体寸法測定方法では、球
体を連続的にスキュー運動させて該球体の直径測定位置
がほぼ全面に渡るように制御可能な機構により該直径測
定位置を制御し、該制御により得られる各直径測定位置
毎に球体の直径寸法を測定し、該各直径測定位置毎の測
定値に基づき球体の代表直径寸法および直径不同を算出
し、複数の球体の全てに対して代表直径寸法および直径
不同を算出した後に、該複数の球体に対してそれぞれ算
出された直径不同を該複数の球体を良品、不良品の各グ
ループに選別するためのグループ選別に用いると共に、
良品のグループに選別された各球体の代表直径寸法を良
品のグループに選別された各球体を径区分するための径
相互差の算出に用いるので、高い信頼性を有する球体の
代表直径寸法、直径不同、径相互差を効率良く算出する
ことができるとともに、球体間の径相互差の差を可能な
限り小さくした球体の組合せを選別することが可能にな
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図を参照しながら説明する。
【0016】(実施の第1形態)図1(a)は本発明に
係る球体寸法測定方法の実施の第1形態を実施するため
の装置の主要部構成を示す図であり、本図(b)は図
(a)中の矢印Aが示す方向からの矢視図である。図2
(a)は本発明の実施の第1形態におけるコントロール
ローラのローラ部分と鋼球との接触点に対して45度の
間隔で鋼球が逐次回転する状態を示す図であり、本図
(b)は測定子による鋼球上の測定位置の軌跡を示す図
である。図3は本発明の実施の第1形態において測定さ
れた鋼球の直径寸法の測定値を示す波形図である。
【0017】複数の鋼球(球体)を選別可能な球体寸法
を得るための装置は、図1(a),(b)に示すよう
に、鋼球1を連続的にスキュー運動させて該鋼球1の直
径寸法の測定位置がほぼ全面に渡るように制御可能なス
キュー機構2と、一方と他方とが鋼球1を挟み込むよう
に配置され、スキュー機構2を制御することにより得ら
れる各直径測定位置毎に鋼球1の直径寸法を測定するた
めの接触型の一対の測定子9とを備える。
【0018】スキュー機構2には、鋼球1が定配手段
(図示せず)により供給される。スキュー機構2は、駆
動モータ(図示せず)の駆動力が伝達される駆動軸3に
よりその周りに回転されるドライブローラ4と、アーム
5の支軸5aにその周りに回転可能に支持されてるコン
トロールローラ6と、アーム7の支軸7aにその周りに
回転可能に支持されているたサポートローラ8とを有す
る。コントロールローラ6とサポートローラ8とは、そ
れぞれの支軸5a,7aが駆動軸3に平行になるように
配置されていると共に、ドライブローラ4と互いに共働
して鋼球1をその中心の位置が所定位置Os から移動し
ないように保持する。この所定位置Os は、図1(a)
に示すように、ドライブローラ4の駆動軸3の中心とコ
ントロールローラ6の支軸5aの中心とを結ぶ直線l1
から離隔した位置にある。
【0019】上述のドライブローラ4、コントロールロ
ーラ6、サポートローラ8の各ローラにより鋼球1が保
持されているときには、各ローラ4,6,8は鋼球1の
表面に接触し、ドライブローラ4の回転が鋼球1に伝達
されて鋼球1はその中心を所定位置Os に保持しながら
自転する。その鋼球1の自転に連動してコントロールロ
ーラ6およびサポートローラ8は、それぞれの支軸5
a,7aの周りに回転される。コントロールローラ6
は、図1(b)に示すように、互いに間隔をおいて対向
する傘型の一対のローラ部分6aからなり、各ローラ部
分6aには、鋼球1の表面に接触する作用面6bがそれ
ぞれ形成されている。各ローラ部分6aの作用面6b
は、図2(a)に示すように、コントロールローラ6と
鋼球1との相対回転中に該鋼球1との接触点が正弦波に
沿って連続的に変化するように形成された曲面からな
る。具体的には、鋼球1の中心が位置する所定位置Os
とコントロールローラ6の支軸5aとを含む平面におい
て鋼球1の作用面6bとの接触点を通る接線を母線10
とし、該母線10が支軸5aと成す角度をβとすると、
コントロールローラ6と鋼球1との相対回転に伴い角度
βが逐次正弦波状に変化するような母線10により各作
用面6bが規定され、ローラ部分6aの一方と他方とは
それぞれの作用面6bが互いに支軸5aに対し180度
ずれるように配置されている。上記角度βの変化範囲
は、0から180度までの正弦波を1サイクルとする
と、コントロールローラ6の1回転当り各作用面6b上
において鋼球1との接触点がN(偶数)サイクル分(図
2(a)の例ではN=2)の正弦波を描くように設定さ
れている。
【0020】このコントロールローラ6と鋼球1との相
対回転中には、図2(a)に示すように、鋼球1と各作
用面6bとの接触点(すなわち母線10が支軸5aと成
す角度β)が正弦波状に逐次変化するので、鋼球1はそ
の中心を所定位置Os に保持しながら自転軸の傾き逐次
変化させて自転するすなわちスキュー運動する。本図2
(a)では、図中の(i) 〜 (viii) の順で、コントロー
ルローラ6のローラ部分6bと鋼球1との接触点に対し
て45度の間隔で鋼球1が逐次回転する状態を示してい
る。
【0021】この鋼球1のスキュー運動により各測定子
9による鋼球1の直径寸法に対する測定位置は逐次変化
し、この測定位置は鋼球1のほぼ全面に渡ることにな
る。例えば、コントロールローラ6の各ローラ部分6a
の作用面6b上の任意の点での直径をDr とし、鋼球1
の直径をDとし、直径Dr を次の(1)式により設定す
ると、図2(b)に示すように、測定子9による鋼球1
上の測定位置の軌跡は、測定子9と鋼球1との接触点
は、極Z0 を有する複数の経線状に描かれることにな
り、この測定位置の軌跡を表す経線数は(1)式中のΔ
dにより決定されることになる。例えば、上記Δdを小
さくするほど経線数を増すことができ、上記Δdを小さ
くするためにはコントロールローラ6の形状を上記角度
βの変動幅が小さくなるに設定する。ここで、本実施の
形態では、測定子9の一方と他方とはそれぞれの先端を
結ぶ直線l2 が所定位置Os を通りかつドライブローラ
4の駆動軸3の中心とコントロールローラ6の支軸5a
の中心とを結ぶ直線l1 に交差するように配置されてい
る(図1(b)を参照)。
【0022】 Dr =N×D+Δd …(1) なお、鋼球1を連続的にスキュー運動させて該鋼球1の
測定位置がほぼ全面に渡るように制御可能なスキュー機
構2の原理は、特公昭42−17608号公報に記載さ
れているものである。
【0023】鋼球1の直径寸法に対する測定期間Tは、
スキュー運動により図2(b)のように所定の間隔で鋼
の測定を終了する期間に等しく、コントロールローラ6
の1回転中に得られる鋼球1上の測定位置において各測
定子9により鋼球1の直径寸法の測定が行われることに
なる。各測定子9は鋼球1との接触により初期位置から
鋼球の測定位置における直径の大きさに従って、直径方
向に微小に移動される。この測定子9の微小変位量は、
電圧値の変化として図1(a)に示すように、変位測定
器11で検出される。変位測定器11は、各測定子9の
測定開始前に設定された初期位置とその微小変位量とに
基づき鋼球1の直径寸法に対する測定値を算出する。こ
の算出された測定値は鋼球1のスキュー運動に連動して
連続的に変化した各測定位置における値であり、各測定
位置における測定値は、例えば図3に示すように、時間
tの関数で表される波形として逐次コンピュータ12に
入力される。コンピュータ12は、変位測定器11から
入力される測定値を保持し、各測定値(上記測定期間T
中の測定値)の入力が終了するとすなわち測定が終了す
ると、各測定値に基づき鋼球1の代表直径寸法および直
径不同を算出する。
【0024】ここで、鋼球1の代表直径寸法Do は、各
測定値の中の最大値Dmax と最小値Dmin とを求め、こ
れらを平均化することによって算出している。すなわ
ち、次の(2)式により算出される。
【0025】 Do =(Dmax +Dmin )/2 …(2) 直径不同ΔDは、上記最大値Dmax と最小値Dmin との
差であり、次の(3)式により算出される。
【0026】 ΔD=Dmax −Dmin …(3) 算出された鋼球1の代表直径寸法Do および直径不同Δ
Dは、今回測定された鋼球1に対応するようにコンピュ
ータ12に保持される。
【0027】このように1つの鋼球1に対する測定が終
了すると、測定が終了した鋼球1はスキュー機構2から
排出手段(図示せず)により排出されて次の鋼球1が上
記定配手段によりスキュー機構2に供給される。次の鋼
球1はドライブローラ4、コントロールローラ6、サポ
ートローラ8の各ローラにより保持され、ドライブロー
ラ4の駆動によりスキュー運動を開始する。この鋼球1
のスキュー運動中に各測定子9による鋼球1の直径寸法
の測定が行われ、鋼球1の直径寸法に対する測定値が逐
次コンピュータ12に入力される。コンピュータ12
は、上記測定期間中の全ての測定値に基づき鋼球1の代
表直径寸法Do および直径不同ΔDを算出する。次い
で、さらに次の鋼球1の直径寸法の測定というように、
1つのグループに属する鋼球1の全てに対してその直径
寸法の測定が実行される。
【0028】このようにして各鋼球1毎に得られた代表
直径寸法Do および直径不同ΔDは、コンピュータ12
に保持されると共に、該鋼球1の選別に用いられる。こ
の選別では、直径不同の許容範囲を示す規格基準を参照
して算出された各鋼球1の直径不同ΔDが上記許容範囲
内にあるか否かを判定し、該判定結果に応じて各鋼球1
を良品または不良品に分け、良品として分けられた各鋼
球1間の径相互差を算出する。この径相互差は、各鋼球
1の代表直径寸法間におけるその最大値と最小値とを求
め、この最大値と最小値との差とする。この径相互差を
用いて各鋼球1は径区分され、同じ径区分に属する各鋼
球が1つのロットとしてラップ加工工程に送られる。ラ
ップ加工後、そのロットの鋼球1と内輪および外輪から
なる各組とがそれぞれの寸法精度に応じてペアリングさ
れ、1つのペアリングにおいて1つのロットから軸受単
位毎に必要な数の鋼球がランダムに選択されて組み込ま
れる。
【0029】以上より、本実施の形態では、スキュー機
構2により鋼球1の直径寸法に対する測定位置を制御
し、各測定位置毎に鋼球1の直径寸法を測定し、該各測
定位置毎の測定値に基づき鋼球の代表直径寸法および直
径不同を算出し、各鋼球1の全てに対して代表直径寸法
および直径不同を算出した後に、各鋼球1に対してそれ
ぞれ算出された直径不同を該鋼球1を良品、不良品の各
グループに選別するためのグループ選別に用いると共
に、良品のグループに選別された各鋼球1の代表直径寸
法を良品のグループに選別された各鋼球1を径区分する
ための径相互差の算出に用いるので、高い信頼性を有す
る鋼球1の代表直径寸法、直径不同、径相互差を効率良
く算出することができるとともに、ラップ加工が施され
る1つのロットとして各鋼球1が均一な精度範囲に保持
されたロットを得ることができる。よって、ラップ加工
後の1つのロットから1つの軸受に組み込まれる必要数
の鋼球からなる鋼球セットを選択する際に、各鋼球1間
の直径不同が良好な精度範囲に保持されかつ鋼球1間の
径相互差の差を可能な限り小さくした鋼球セットを容易
に得られ、このような鋼球セットを軸受に組み込むこと
により、回転精度が飛躍的に向上した軸受を得ることが
可能になる。
【0030】なお、本実施の形態では、鋼球1の直径寸
法の測定に接触型の測定子9を用いているが、これに代
えて、非接触型の測定子を用いることも可能である。
【0031】また、鋼球1の代表直径寸法Do は、各測
定値の中の最大値Dmax と最小値Dmin とを求め、これ
らを平均化することによって算出しているが、各測定位
置における測定値が時間tの関数で表される波形(図3
に示す)として得られるから、測定値を鋼球1の直径寸
法に対する測定開始時間0から測定終了時間Tまでの期
間(コントロールローラ6が1回転する期間)で積分
し、その積分値を期間(T−0)で除算することによっ
て鋼球1の代表直径寸法Do を算出する方法を用いるこ
とも可能であり、この方法は、上述の最大値Dmax と最
小値Dmin との平均をとる方法に比してより信頼性の高
い鋼球1の代表直径寸法Do を得ることができる。
【0032】(実施の第2形態)次に、本発明の実施の
第2形態について図4を参照しながら説明する。図4
(a)は本発明に係る球体寸法測定方法の実施の第2形
態を実施するための装置の主要部構成を示す図であり、
本図(b)は本発明に係る球体寸法測定方法の実施の第
2形態における測定子9による鋼球1上の測定位置の軌
跡を示す図である。
【0033】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、各測定子9の配置位置が相違する点で異なる。な
お、実施の第1形態と同一の部材には同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0034】具体的には、図4(a)に示すように、測
定子9の一方の鋼球1に対する接触点Cs1はドライブロ
ーラ4の駆動軸3の中心とコントロールローラ6の支軸
5aの中心とを結ぶ直線l1 からそれに直交する方向に
距離x分離れた位置に配置され、測定子9の他方の鋼球
1に対する接触点Cs2は所定位置Os に対し点対称とな
るように配置されている。このように測定子9を配置し
たことにより、測定子9による鋼球1上の測定位置の軌
跡は図4(b)に示すようになる。
【0035】(実施の第3形態)次に、本発明の実施の
第3形態について図5を参照しながら説明する。図5
(a)は本発明に係る球体寸法測定方法の実施の第3形
態を実施するための装置の主要部構成を示す図であり、
本図(b)は図(a)中の矢印Bが示す方向からの矢視
図である。なお、実施の第1形態と同一の部材には同一
の符号を付し、その説明を省略する。
【0036】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、他の構成のスキュー機構を設けた点で異なる。
【0037】具体的には、本実施の形態では、図5
(a),(b)に示すように、鋼球1を連続的にスキュ
ー運動させて一対の測定子9による鋼球1の直径寸法の
測定位置がほぼ全面に渡るように制御可能なスキュー機
構14が設けられている。
【0038】スキュー機構14は、駆動軸3によりその
周りに回転されるドライブローラ4と、回転軸16によ
りその周りに回転される載頭円錐形状の1対のコントロ
ールローラ15と、サポートローラ8とを有する。各コ
ントロールローラ15は、互いに平行になるように配置
されていると共に、それぞれの回転軸16により互いに
位相差をもって不等速回転される。各コントロールロー
ラ15の回転速度は、周期的に増減速し、ある時点でコ
ントロールローラ15の一方の回転速度は速く、他方は
遅く、またはその逆、さらに両者一致するなどの所定の
位相差をもって増減速が行われる。各コントロールロー
ラ15およびサポートローラ8は、ドライブローラ4と
互いに共働して鋼球1をその中心の位置が所定位置Os
から移動しないように保持する。この所定位置Os は、
図5(a)に示すように、ドライブローラ4の駆動軸3
の中心とコントロールローラ15の回転軸16とを結ぶ
直線l3 上の位置にある。
【0039】上述のドライブローラ4、コントロールロ
ーラ15、サポートローラ8の各ローラにより鋼球1が
保持されているときには、各ローラ4,15,8は鋼球
1の表面に接触し、ドライブローラ4の回転が鋼球1に
伝達されて鋼球1はその中心を所定位置Os に保持しな
がら自転するとともに、その自転軸はコントロールロー
ラ15により周期的に傾むけられる。すなわち鋼球1は
スキュー運動する。よって、このスキュー機構14にお
いて各コントロールローラ15の回転速度の増減速の周
期的を調整することにより、測定子9による鋼球1上の
測定位置の軌跡を上述の実施の第1形態(図2(b)に
示す軌跡)と同じにすることができる。
【0040】なお、このスキュー機構の構成は特開昭5
6−58643号公報(出願人は本出願人に同じ)に記
載された構成に同じである。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の球
体寸法測定方法によれば、球体を連続的にスキュー運動
させて該球体の直径測定位置がほぼ全面に渡るように制
御可能な機構により該直径測定位置を制御し、該制御に
より得られる各直径測定位置毎に球体の直径寸法を測定
し、該各直径測定位置毎の測定値に基づき球体の代表直
径寸法および直径不同を算出し、複数の球体の全てに対
して代表直径寸法および直径不同を算出した後に、該複
数の球体に対してそれぞれ算出された直径不同を該複数
の球体を良品、不良品の各グループに選別するためのグ
ループ選別に用いると共に、良品のグループに選別され
た各球体の代表直径寸法を良品のグループに選別された
各球体を径区分するための径相互差の算出に用いるの
で、高い信頼性を有する球体の代表直径寸法、直径不
同、径相互差を効率良く算出することができるととも
に、球体間の径相互差の差を可能な限り小さくした球体
の組合せを選別することが可能になり、ひいては、1つ
のロットから1つの軸受に組み込まれる必要数の鋼球か
らなる鋼球セットを選択する際に、各鋼球1間の直径不
同が良好な精度範囲に保持されかつ鋼球1間の径相互差
の差を可能な限り小さくした鋼球セットを容易に得ら
れ、このような鋼球セットを軸受に組み込むことによ
り、回転精度が飛躍的に向上した軸受を得ることが可能
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る球体寸法測定方法の実施
の第1形態を実施するための装置の主要部構成を示す図
であり、(b)は図(a)中の矢印Aが示す方向からの
矢視図である。
【図2】(a)は本発明の実施の第1形態におけるコン
トロールローラのローラ部分と鋼球との接触点に対して
45度の間隔で鋼球が逐次回転する状態を示す図であ
り、(b)は測定子による鋼球上の測定位置の軌跡を示
す図である。
【図3】本発明の実施の第1形態において測定された鋼
球の直径寸法の測定値を示す波形図である。
【図4】(a)は本発明に係る球体寸法測定方法の実施
の第2形態を実施するための装置の主要部構成を示す図
であり、(b)は本発明に係る球体寸法測定方法の実施
の第2形態における測定子9による鋼球1上の測定位置
の軌跡を示す図である。
【図5】(a)は本発明に係る球体寸法測定方法の実施
の第3形態を実施するための装置の主要部構成を示す図
であり、(b)は図(a)中の矢印Bが示す方向からの
矢視図である。
【図6】従来の各鋼球の直径寸法の測定方法を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1 鋼球(球体) 2,14 スキュー機構 3 駆動軸 4 ドライブローラ 6,15 コントロールローラ 6a ローラ部分 6b 作用面 8 サポートローラ 9 測定子 11 変位測定器 12 コンピュータ 16 回転軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の球体を選別可能な球体寸法を得る
    ための球体寸法測定方法において、前記球体を連続的に
    スキュー運動させて該球体の直径測定位置がほぼ全面に
    渡るように制御可能な機構により該直径測定位置を制御
    し、該制御により得られる各直径測定位置毎に前記球体
    の直径寸法を測定し、該各直径測定位置毎の測定値に基
    づき前記球体の代表直径寸法および直径不同を算出し、
    前記複数の球体の全てに対して前記代表直径寸法および
    前記直径不同を算出した後に、該複数の球体に対してそ
    れぞれ算出された直径不同を該複数の球体を良品、不良
    品の各グループに選別するためのグループ選別に用いる
    と共に、前記良品のグループに選別された各球体の代表
    直径寸法を前記良品のグループに選別された各球体を径
    区分するための径相互差の算出に用いることを特徴とす
    る球体寸法測定方法。
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