JPH1147476A - ミシンの送り量調節装置 - Google Patents

ミシンの送り量調節装置

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Publication number
JPH1147476A
JPH1147476A JP22421597A JP22421597A JPH1147476A JP H1147476 A JPH1147476 A JP H1147476A JP 22421597 A JP22421597 A JP 22421597A JP 22421597 A JP22421597 A JP 22421597A JP H1147476 A JPH1147476 A JP H1147476A
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JP
Japan
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feed
adjuster
square piece
adjusting device
sewing machine
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Application number
JP22421597A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Nagasaka
信介 長坂
Hidetaka Inagaki
秀高 稲垣
Katsuya Watarai
克也 渡会
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のミシンの送り量調節装置では、調節器
本体の係合溝に係合する角駒がガタつくため、送り駆動
機構により送り歯の安定した送り作動を実現できないこ
と、角駒と調節器本体の耐久性が低いこと、角駒のガタ
つきによる騒音が発生すること、等の問題がある。 【解決手段】 第1弾性付勢部材40により角駒51を
揺動リンク31を介してが下方へ付勢し、係合溝53の
1対のガイド面53aのうちの下側のガイド面53aに
当接させ、第2弾性付勢部材67にり調節器本体52を
回動付勢し、係合ピン61をカム孔63の1対のカム面
63aのうちの内周側のカム面63aに当接させ、第2
弾性付勢部材67による回動付勢モーメントが、第1弾
性付勢部材55により調節器本体52に作用する回動付
勢モーメントよりも常に大きくなるように構成すること
で、角駒51のガタつきと係合ピン61のガタつきとを
確実に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はミシンの送り量調
節装置に関し、特に、角駒を調節器本体の係合溝の1対
のガイド面の一方のみへ弾性付勢する第1弾性付勢部材
と、係合ピンを回動部材のカムの1対のカム面の一方の
みへ当接させるように調節器本体を回動付勢する第2弾
性付勢部材を設けたものに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来のミシンには、縫製対象の布を送
る送り歯と、送り歯を送り駆動する送り駆動機構と、送
り歯を上下に駆動する上下駆動機構と、送り歯の送り量
を調節する送り量調節装置が設けられている。一般的な
送り量調節装置は、送り駆動機構の揺動リンクに送り調
節器を設け、送り調節器により揺動リンクの有効揺動成
分を変化させ、送り歯の前後送り量を調節する。送り調
節器は、揺動リンクに回動自在に連結された角駒と、角
駒が摺動自在に係合する係合溝を有し機枠に回動可能に
枢着された調節器本体とを有し、回動操作機構により調
節器本体の回動姿勢を変化させると、揺動リンクの角駒
の往復作動する方向が変化して、揺動リンクの有効揺動
成分が変化する。
【0003】回動操作機構は、調節器本体の先端部に設
けられた係合ピンと、この係合ピンが摺動自在に係合す
るカムを有する回動部材と、軸部材を介して回動部材を
回動させる回動操作部材を有し、回動操作部材を回動操
作し回動部材を回動させると、カムへの係合ピンの係合
位置が変化し調節器本体が回動する。ところで、一般的
な送り量調節装置では、調節器本体の係合溝に係合する
角駒がガタつき易く、そのガタつきを防止する為には、
係合溝の1対のガイド面に角駒の両側面を確実に接触さ
せるように、角駒と調節器本体の係合溝を高精度に加工
し製作すればよいが、それらの製作コストが非常に高価
になる。
【0004】特公昭60−1037号公報の送り量調節
装置においては、角駒の先端部分にテーパ状の1対の滑
り面を形成するとともに、調節器本体の係合溝に1対の
滑り面と平行な1対の滑り受け面を形成し、皿バネによ
り角駒を調節器本体の底面側へ弾性付勢し、1対の滑り
面と滑り受け面を当接させることで、角駒のガタつきを
防止するように構成してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 一般的な送り量調節
装置では、調節器本体の係合溝に係合する角駒がガタつ
くため、送り駆動機構により送り歯の安定した送り作動
を実現できないこと、角駒と調節器本体の耐久性が低い
こと、角駒のガタつきによる騒音が発生すること、等の
問題がある。
【0006】特公昭60−1037号公報の送り量調節
装置では、1対の滑り面と滑り受け面の接触面積が小さ
く、しかも皿バネで角駒が調節器本体の係合溝の底面側
へ弾性付勢されているため、角駒と調節器本体との間に
大きな摩擦力が作用する。それ故、角駒の摺動性が非常
に悪くなり、角駒と調節器本体が摩耗し易くその耐久性
が低下し、更には角駒が係合溝に噛み込んで動かなくな
る虞もある。
【0007】また、従来の送り量調節装置では、作業者
が回動操作部材を回動操作し、送り歯の送り量を調節で
きるようになっているが、回動部材のカムに係合する係
合ピンにもガタつきが生じ易く、送り歯の送り量を高精
度に調節できなくなるし、前記同様、送り駆動機構によ
り送り歯の安定した送り作動を実現できず、角駒のガタ
つきによる騒音が発生するという問題がある。
【0008】本発明の目的は、ミシンの送り量調節装置
において、調節器本体の係合溝に摺動自在に係合する角
駒のガタつきを防止すること、回動部材のカムに摺動自
在に係合する係合ピンのガタつきを防止すること、送り
駆動機構により送り歯の安定した送り作動を実現するこ
と、送り歯の送り量を高精度に調節できるようにするこ
と、耐久性を向上させること、等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】 請求項1のミシンの送
り量調節装置は、ミシンの送り歯を送り駆動する送り駆
動機構の揺動リンクに連結された角駒とこの角駒が摺動
自在に係合する係合溝を有し機枠に回動可能に枢着され
た調節器本体とを含む送り調節器と、調節器本体を回動
操作する回動操作機構とを備え、調節器本体の回動姿勢
を変化させることにより送り歯の送り量を調節可能な送
り量調節装置において、前記係合溝の1対のガイド面の
一方のみへ、角駒を弾性付勢する第1弾性付勢部材を設
けたものである。
【0010】送り駆動機構により揺動リンクが揺動して
送り歯が送り作動し、揺動リンクの有効揺動成分により
送り歯の送り量が決まる。揺動リンクの揺動時、係合溝
に係合している角駒は往復作動するが、回動操作機構に
より調節器本体を回動操作しその回動姿勢を変化させる
と、角駒の移動方向が変化し、揺動リンクの有効揺動成
分即ち送り歯の送り量が変化する。第1弾性付勢部材に
より、角駒は係合溝の1対のガイド面の一方のみへ付勢
され当接するため、角駒はガタつかずに往復作動し、送
り駆動機構により送り歯の安定した送り作動が実現す
る。
【0011】請求項2のミシンの送り量調節装置は、請
求項1の発明において、前記回動操作機構は、調節器本
体の先端部に設けられた係合ピンと、この係合ピンが摺
動自在に係合するカムを有する回動部材と、軸部材を介
して回動部材を回動させる回動操作部材を備え、前記調
節器本体を回動付勢し係合ピンをカムの1対のカム面の
一方のみに当接させる第2弾性付勢部材を設けたもので
ある。
【0012】回動操作部材を回動操作し回動部材を回動
させると、カムへの係合ピンの係合位置が変化して調節
器本体が回動する。第2弾性付勢部材により、調節器本
体が回動付勢され、調節器本体の先端部に設けられた係
合ピンが、カムの1対のカム面の一方のみに当接するた
め、係合ピンはガタつかずにカムに係合しする。それ
故、回動操作部材を回動操作することで送り歯の送り量
を高精度に調節できるようになるし、ミシンの作動中調
節器本体がガタつかなくなるため、送り駆動機構により
送り歯の安定した送り作動が一層確実に実現する。その
他請求項1と同様の作用を奏する。
【0013】請求項3のミシンの送り量調節装置は、請
求項2の発明において、前記第2弾性付勢部材による回
動付勢モーメントが、第1弾性付勢部材により調節器本
体に作用する回動付勢モーメントよりも常に大きくなる
ように構成したことを特徴とするものである。角駒が往
復作動するため調節器本体に作用する第1弾性付勢部材
による回動付勢モーメントは変化するが、係合ピンはカ
ムの1対のカム面の一方のみに常に当接する。その他請
求項2と同様の作用を奏する。
【0014】請求項4のミシンの送り量調節装置は、請
求項3の発明において、前記第1弾性付勢部材は揺動リ
ンクを介して角駒を弾性付勢することを特徴とするもの
である。それ故、第1弾性付勢部材をスペース的に有利
な位置に設けることが可能になる。その他請求項3と同
様の作用を奏する。
【0015】請求項5のミシンの送り量調節装置は、請
求項1〜4の何れか1項の発明において、前記角駒と調
節器本体は合成樹脂材料で構成されたことを特徴とする
ものである。それ故、角駒と調節器本体の製作コストを
低減できる。その他請求項1〜4の何れか1項と同様の
作用を奏する。
【0016】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、主に布
の縁を縫製する為のオーバーロックミシンに本発明を適
用した場合の一例である。但し、このオーバーロックミ
シンを操作する操作者を基準とし、手前側を前方、左右
方向を左右方向として説明する。
【0017】図1〜図6に示すように、オーバーロック
ロックミシンM(以下、ミシンという)は、左端部分が
片持ち状のフリーベッド部2(通称フリーアーム)に構
成されたベッド部1と、ベッド部1の右部に立設された
脚柱部3と、脚柱部3の上部から左方へ伸びるアーム部
4を有する。
【0018】ベッド部1には、下ルーパ及び上ルーパ
(図示略)と、送り歯(主送り歯5と差動送り歯6)
と、縫製対象の布(以下、加工布という)の端部を縫製
直前に切断する固定刃7及び可動刃8等が設けられてい
る。フリーベッド部2の上面部には、前後方向に細長い
長孔(図示略)が形成された針板9が設けられ、送り歯
5,6はこの長孔から突出可能に配設されている。尚、
固定刃7は針板9の下面側に前後方向向き且つ鉛直向き
に位置する機枠の板状フレーム10の右側面に固定さ
れ、可動刃8は固定刃7の右面に当接して針板9より上
側へ突出した状態で上下動可能に配設されている。
【0019】フリーベッド部2の前面側にはダイヤル部
材39の一部分が突出し、このダイヤル部材39を回動
操作し、主送り歯5に対する差動送り歯6の差動送り量
を調節できるようになっている。ベッド部1の後部上面
には4本の糸立11と糸案内部材12が立設され、脚柱
部3とアーム部4の前面部には4つの糸調子器13が設
けられ、その上端には糸案内具14が設けられ、糸立1
1に装着された4つの糸駒から延びる4本の糸は、糸案
内部材12に案内され、糸案内具14と4つの糸調子器
13を経て、1対の縫針15と下ルーパと上ルーパに夫
々供給される。
【0020】ベッド部1と脚柱部3の右側面部には、主
送り歯5と差動送り歯6の前後送り量を調節できる送り
量調節ツマミ65と、駆動軸25の右端部に直結された
回動操作部材28と、給電側のコネクタ(図示略)を着
脱可能な電気コネクタ16と、電源スイッチ17等が設
けられている。
【0021】アーム部4には、下端に1対の縫針15を
装着した針棒18と、加工布を押える為の押え足19
と、押え足19を下降位置と上昇位置とに切換える切換
えレバー19aと、天秤(図示略)等が設けられ、切換
えレバー19aにより押え足19を下降位置に切換える
と、押え足19で加工布が針板9上に押さえられ、この
状態で送り歯5,6が送り作動すると、これら送り歯
5,6と押え足19とで加工布が挟持され布送り方向
(前後方向)へ送られる。
【0022】図4〜図6に示すように、ミシンMの内部
には、送り歯5,6を前後へ送り駆動する前後送り駆動
機構20と、送り歯5,6の前後送り量を調節可能な送
り量調節装置21と、送り歯5,6及び可動刃8を上下
に駆動する上下駆動機構22と、これらの機構に共通の
ミシンモータ24及びミシンモータ24で一定方向へ回
転駆動される駆動軸25等が設けらている。尚、図示し
ていないが、ミシンMの内部には、ルーパを駆動するル
ーパ駆動機構と、針棒18と天秤を駆動する針棒駆動機
構も設けられている。
【0023】前後送り駆動機構20と上下駆動機構22
について簡単に説明する。前後送り駆動機構20は、駆
動軸25と、駆動軸25に固着された水平送りカム30
と、水平送りカム30に上下方向略中段部が引張りコイ
ルバネ31aにより圧接された揺動リンク31と、枢支
軸32に揺動自在に支持されレバー部33aが揺動リン
ク31の下端部に回動自在に連結された送り腕33を有
し、駆動軸25が回転駆動されると、水平送りカム30
により揺動リンク31が揺動し送り腕33が揺動して、
送り歯5,6が前後に送り作動する。
【0024】前後送り駆動機構20には、主送り歯5の
前後送り量に対する差動送り歯6の差動送り量を無段階
に調節できる差動送り機構35が設けられ、この差動送
り機構35は、差動送り歯6を主送り歯5に前後方向へ
所定ストローク相対移動自在に支持するスライド機構3
6と、主送り歯5に対する差動送り歯6の送り量の比を
無段階的に切換え可能な差動送り連結機構37を有し、
前記ダイヤル部材39を回動操作することで、切換え機
構38を介して差動送り連結機構37を作動させ、主送
り歯5に対する差動送り歯6の送り量の比を切換えるこ
とができる。
【0025】上下駆動機構22は、駆動軸25と、駆動
軸25に固着された上下駆動用カム40と、上下駆動用
カム40に係合する揺動部材41と、揺動部材41の下
端部が固着された枢支軸32と、枢支軸32の左端部に
固着され前方へ延びる揺動リンク部材42と、揺動リン
ク部材42の前端部にピン部材43を介して回動可能に
連結された縦向きの可動刃支持腕44と、可動刃支持腕
44に作動的に連結された揺動伝達部材45等を有す
る。可動刃支持腕44は前記板状フレーム10にその右
側において昇降自在にガイドされ、可動刃支持腕44の
上端部に可動刃8の下端部が固着されている。
【0026】揺動伝達部材45は、板状フレーム10の
左面部にその一端部に設けられた枢支軸45aにより枢
支されている。揺動伝達部材45の他端部が可動刃支持
腕44の上端部に作動的に連結され、途中部には軸状の
伝達部46が設けられ、差動送り歯6の前端部が引張り
コイルバネ47で下方へ付勢されて伝達部46に常時圧
接している。揺動部材41は上下駆動用カム40に係合
し相対向する第1,第2従動部49a,49bからなる
二股カム従動部49を有し、上下駆動用カム40により
第1従動部49aが押動され、揺動部材41が後方へ揺
動すると送り歯5,6と可動刃8が上昇駆動され、第2
従動部49bが押動され、揺動部材41が前方へ揺動す
ると送り歯5,6と可動刃8が下降駆動される。
【0027】送り量調節装置21について図6、図7を
参照して説明する。送り量調節装置21は、送り駆動機
構20の揺動リンク31の上端部に連結された角駒51
とこの角駒51が摺動自在に係合する係合溝53を有し
機枠に回動可能に枢着された調節器本体52とを含む送
り調節器50と、調節器本体52を回動操作する回動操
作機構60を有し、回動操作機構60により調節器本体
52の回動姿勢を変化させ、送り歯5,6の送り量を調
節可能に構成してある。角駒51と調節器本体52は合
成樹脂材料で構成されている。
【0028】角駒51は左右方向向きのピン31bによ
り揺動リンク31の上端部に回動可能に連結され、調節
器本体52は左右方向向きの枢支軸52aにより機枠に
枢支されている。前記揺動リンク31の長さ方向途中部
は、引張りコイルバネである第1弾性付勢部材55によ
り送り腕33に連結され、この第1弾性付勢部材55に
より、揺動リンク31を介して角駒51が下方へ付勢さ
れている。調節器本体52の前後に長い係合溝53の上
下の側壁は、角駒51の上下両面をガイドする1対のガ
イド面53aに形成され、第1弾性付勢部材55の付勢
力により下方へ付勢されている角駒51は、1対のガイ
ド面53aのうちの下側のガイド面53aに常に当接し
た状態になる。調節器本体52の枢支軸52aは係合溝
53の長さ方向中央部に位置し、揺動リンク31が揺動
すると、角駒51は枢支軸52aを略中心として前後に
往復作動する。
【0029】回動操作機構60は、調節器本体52の先
端部に設けられた係合ピン61と、この係合ピン61が
摺動自在に係合するカム孔63を有する回動部材62
と、軸部材64を介して回動部材62を回動させる回動
操作部材65を有する。係合ピン61は、調節器本体5
2の先端部のボス部52bに内嵌固着されて右方へ延び
てカム孔63に係合している。調節器本体52のボス部
52bは、その上側の機枠に引張りコイルバネである第
2弾性付勢部材67により連結され、この第2弾性付勢
部材67によって、調節器本体52が図6において時計
回りに回動付勢されている。
【0030】軸部材64は機枠に回動自在に支持され、
その左端部に回動部材62が固着され、右端部に回動操
作部材65が固着されている。尚、軸部材64の途中部
には摺接板66が接しており、この摺接板66により軸
部材64に適度な回動負荷を与えている。係合孔63は
軸部材64に対して図6において反時計回り側へ大径化
する形状であり、その内周面には係合ピン61をガイド
する1対のカム面63aが形成され、第2弾性付勢部材
67により調節器本体52を介して回動付勢された係合
ピン61は、1対のカム面63aのうちの内周側のカム
面63aに当接した状態になる。
【0031】第2弾性付勢部材67による回動付勢モー
メントは、第1弾性付勢部材55により調節器本体52
に作用する回動付勢モーメントよりも常に大きくなるよ
うに構成され、角駒51が往復作動する際調節器本体5
2に作用する第1弾性付勢部材55による回動付勢モー
メントは変化するが、角駒51が1対のガイド面53a
のうちの下側ガイド面53aに常に当接する。送り量調
節ツマミ65を回動操作すると、軸部材64を介して回
動部材62が回転し、カム孔64に係合する係合ピン6
1の位置が変化し、調節部材40が回転しその回動姿勢
が変化する。
【0032】この送り量調節装置21によれば、調節器
本体52の係合溝53の1対のガイド面53aの下側の
みへ、角駒51を揺動リンク31を介して弾性付勢する
第1弾性付勢部材55を設けたので、角駒51を下側の
ガイド面53aに確実に当接させ、角駒51のガタつき
を確実に防止できる。その結果、送り駆動機構20によ
り送り歯5,6の安定した送り作動を実現することがで
き、しかも、送り調節器50の調節器本体52と角駒5
1の耐久性を向上させることができる。第1弾性付勢部
材55は揺動リンク31を介して角駒51を弾性付勢す
るので、第1弾性付勢部材55をスペース的に有利な位
置に設けることが可能になる。
【0033】調節器本体52を回動付勢し係合ピン61
をカム孔63の1対のカム面63aの内周側のみに当接
させる第2弾性付勢部材67を設けたので、係合ピン6
1のガタつきを防止できる。その結果、回動操作機構6
0の回動操作部材65を回動操作することで、送り歯
5,6の送り量を高精度に調節できるようになるし、ミ
シンMの作動中調節器本体52がガタつかないため、送
り駆動機構20により送り歯5,6の一層安定した送り
作動を実現することができる。
【0034】更に、角駒51は往復作動するため調節器
本体52に作用する第1弾性付勢部材55による回動付
勢モーメントは変化するが、第2弾性付勢部材67によ
る回動付勢モーメントが、第1弾性付勢部材により調節
器本体52に作用する回動付勢モーメントよりも常に大
きくなるように構成したので、係合ピン61を内周側の
カム面63aのみに常に当接させることができる。しか
も、角駒51と調節器本体52を合成樹脂材料で構成す
るので、角駒51と調節器本体52の製作コストを格段
に低減できる。
【0035】次に、前記実施形態を部分的に変更した変
形例について説明する。 1〕図8に示すように、揺動リンク31と角駒51を連
結するピン31bを、第1弾性付勢部材55Aによりそ
の下側の機枠に連結し、角駒51を下方へ弾性付勢し1
対のガイド面53aのうちの下側のガイド面53aのみ
に当接させ、また、係合ピン61を第2弾性付勢部材6
7Aによりその下側の機枠に連結するように構成しても
よい。 2〕図示していないが、揺動リンク31と角駒51を連
結するピン31bを、第1弾性付勢部材55Aによりそ
の上側の機枠に連結し、調節器本体52を回動付勢し、
角駒51を上側のガイド面53aのみに当接させてもよ
い。
【0036】3〕このように、第1弾性付勢部材におい
ては、係合溝53の1対のガイド面53aの一方のみへ
弾性付勢するように設け、弾性2弾性付勢部材において
は、調節器本体52を回動付勢し係合ピン61をカム孔
63の1対のカム面63aの一方のみに当接させるよう
に設ければよい。但し、第2弾性付勢部材による回動付
勢モーメントが、第1弾性付勢部材により調節器本体に
作用する回動付勢モーメントよりも常に大きくなるよう
にする。
【0037】4〕調節器本体52を回動操作する回動操
作機構においては、調節器本体52をを回転駆動するア
クチュエータを設け、簡単なボタン操作等により自動的
に調節器本体52を回動操作するように構成してもよ
い。 5〕第2弾性付勢部材においては、コイルバネの代わり
に捩じりバネを適用することが可能である。
【0038】6〕前記角駒51と調節器本体52を合成
樹脂材料で構成する他に、ステンレス等の金属材料で構
成してもよい。 7〕前記実施形態では、オーバーロックミシンに本発明
を適用したが、それ以外のミシンにも本発明を勿論適用
することができる。
【0039】8〕前記実施形態では揺動リンクの先端部
側に送り調節器50を設けたが、水平送りカム30との
圧接部と送り腕33との間に送り調節器50を設けても
よい。 9〕オーバーロックミシンの糸本数は何本であってもよ
い。 10〕前記実施形態では1対のガイド面53aと、1対
のカム面63aを設けたが、角駒51が当接する一方の
ガイド面53aと、係合ピン61が当接する一方のカム
面63aだけを設けてもよい。
【0040】
【発明の効果】 請求項1のミシンの送り量調節装置に
よれば、調節器本体の係合溝の1対のガイド面の一方の
みへ、角駒を弾性付勢する第1弾性付勢部材を設けたの
で、角駒を前記一方のガイド面に確実に当接させ、角駒
のガタつきを確実に防止できる。その結果、送り駆動機
構により送り歯の安定した送り作動を実現することがで
き、しかも、送り調節器の調節器本体と角駒の耐久性を
向上させることができる。
【0041】請求項2のミシンの送り量調節装置によれ
ば、請求項1と同様の効果を奏するが、調節器本体を回
動付勢し係合ピンをカムの1対のカム面の一方のみに当
接させる第2弾性付勢部材を設けたので、係合ピンのガ
タつきを防止できる。その結果、回動操作部材を回動操
作することで、送り歯の送り量を高精度に調節できるよ
うになるし、ミシンの作動中調節器本体もガタつかない
ため、送り駆動機構により送り歯の一層安定した送り作
動を実現できる。
【0042】請求項3のミシンの送り量調節装置によれ
ば、請求項2と同様の効果を奏するが、前記第2弾性付
勢部材による回動付勢モーメントが、第2弾性付勢部材
により調節器本体に作用する回動付勢モーメントよりも
常に大きくなるように構成したので、揺動リンクが揺動
すると角駒が往復作動し、調節器本体に作用する第1弾
性付勢部材による回動付勢モーメントは変化するが、係
合ピンをカムの1対のカム面の一方のみに常に当接させ
ることができる。
【0043】請求項4のミシンの送り量調節装置によれ
ば、請求項3と同様の効果を奏するが、前記第1弾性付
勢部材は揺動リンクを介して角駒を弾性付勢するので、
第1弾性付勢部材をスペース的に有効な位置に設けるこ
とが可能になる。
【0044】請求項5のミシンの送り量調節装置によれ
ば、請求項1〜4と同様の効果を奏するが、前記角駒と
調節器本体を合成樹脂材料で構成するので、角駒と調節
器本体の製作コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るオーバーロックミシ
ンの斜視図である。
【図2】オーバーロックミシンの正面図である。
【図3】オーバーロックミシンの左側面図である。
【図4】オーバーロックミシン内部の左側面図である。
【図5】オーバーロックミシン内部の正面図である。
【図6】オーバーロックミシン内部の拡大右側面図であ
る。
【図7】オーバーロックミシン内部の拡大正面図であ
る。
【図8】変形例に係る送り量調節装置の要部側面図であ
る。
【符号の説明】
M オーバーロックミシン 5 主送り歯 6 差動送り歯 20 送り駆動機構 21 送り量調節装置 31 揺動リンク 51 角駒 50 送り調節器 52 調節器本体 53 係合溝 53a ガイド面 55,55A 第1弾性付勢部 60 回動操作機構 61 係合ピン 63 カム孔 62 回動部材 64 軸部材 65 回動操作部材 67,67A 第2弾性付勢部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンの送り歯を送り駆動する送り駆動
    機構の揺動リンクに連結された角駒とこの角駒が摺動自
    在に係合する係合溝を有し機枠に回動可能に枢着された
    調節器本体とを含む送り調節器と、調節器本体を回動操
    作する回動操作機構とを備え、調節器本体の回動姿勢を
    変化させることにより送り歯の送り量を調節可能な送り
    量調節装置において、 前記係合溝の1対のガイド面の一方のみへ、角駒を弾性
    付勢する第1弾性付勢部材を設けたことを特徴とするミ
    シンの送り量調節装置。
  2. 【請求項2】 前記回動操作機構は、調節器本体の先端
    部に設けられた係合ピンと、この係合ピンが摺動自在に
    係合するカムを有する回動部材と、軸部材を介して回動
    部材を回動させる回動操作部材を備え、 前記調節器本体を回動付勢し係合ピンをカムの1対のカ
    ム面の一方のみに当接させる第2弾性付勢部材を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のミシンの送り量調節
    装置。
  3. 【請求項3】 前記第2弾性付勢部材による回動付勢モ
    ーメントが、第1弾性付勢部材により調節器本体に作用
    する回動付勢モーメントよりも常に大きくなるように構
    成したことを特徴とする請求項2に記載のミシンの送り
    量調節装置。
  4. 【請求項4】 前記第1弾性付勢部材は揺動リンクを介
    して角駒を弾性付勢することを特徴とする請求項3に記
    載のミシンの送り量調節装置。
  5. 【請求項5】 前記角駒と調節器本体は合成樹脂材料で
    構成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項
    に記載のミシンの送り量調節装置。
JP22421597A 1997-08-05 1997-08-05 ミシンの送り量調節装置 Pending JPH1147476A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200468814Y1 (ko) * 2008-03-07 2013-09-03 주식회사 썬스타 재봉기의 땀폭 조절 장치

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