JPH1146108A - 内蔵アンテナ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実装条件の厳しいプリント基板に対する実装
効率の向上、アンテナ特性の劣化防止、及び生産性向上
が図れる内蔵アンテナ構造を提供する。 【解決手段】 プリント基板４を内蔵した筐体１の内面
１ａに、アンテナエレメント２を箔状に付着形成する。
筐体１の内面１ａに突起部分３を設け、この突起部分３
にアンテナエレメント２の延長端子部２ａを形成する。
突起部分３をプリント基板４のスルホール５に挿入する
ことにより、アンテナエレメント２の延長端子部２ａを
プリント基板４上の給電点６に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機等の無
線装置において、その筐体に内蔵される内蔵アンテナの
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３と図４に、携帯電話機における従来
の受信専用内蔵アンテナ構造をそれぞれ示す。図３の従
来の内蔵アンテナ構造は、筐体５１に内蔵されたプリン
ト基板５２上に、金属板等による逆Ｆ型の内蔵アンテナ
５３を取り付けたもので、その取り付けに当たり、内蔵
アンテナ５３の一端部５３ａは、プリント基板５２上の
給電点５４に接触させて手付けによる半田５５で固定
し、他端部５３ｂは、スペーサ５６を介して両面テープ
５７にてプリント基板５２に接着していた。

【０００３】図４の従来の内蔵アンテナ構造は、筐体５
１の内面に金属板等によるアンテナエレメント５８を貼
り付け、またプリント基板５２上には、金属の板バネに
よる端子５９の基端部を給電点５４に接触させて半田５
５で固定したもので、端子５９の先端部をアンテナエレ
メント５８と接触させることにより、端子５９を高周波
信号伝送路としてアンテナエレメント５８を給電点５４
と接続していた。なお、図３及び図４において６０は、
筐体５１の外部に突き出す送受信共用のホイップアンテ
ナである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の構造によると次のような問題点があった。 プリント基板５２に対し、図３の構造では逆Ｆ型の
内蔵アンテナ５３、図４の構造では、金属の板バネであ
る端子５９をそれぞれ半田付けするためのランドが必要
であり、また図３の構造では、内蔵アンテナ５３を逆Ｆ
型とする厚み及びスペーサ５６の厚みと面積、図４の構
造では、端子５９の高さをそれぞれ確保しなければなら
ず、更に、図３の構造では、逆Ｆ型の内蔵アンテナ５３
の重量とスペーサ５６の重量と半田５５の重量、図４の
構造では、端子５９の重量と半田５５の重量がプリント
基板５２にかかるため、実装上において難点が多かっ
た。

【０００５】 図３の構造及び図４の構造のいずれの
場合も、実装条件の厳しいプリント基板５２上において
手付けによる半田５５を必要としているため、製造時
に、プリント基板５２上の他の部品に半田が流れてしま
い、ショート等の不具合が生じていた。

【０００６】 図３の構造の場合、内蔵アンテナ５３
が、その近辺に実装されている部品やプリント基板５２
等の影響を受けることにより、アンテナのインピーダン
スがずれたり、アンテナ利得及び受信感度の劣化を招く
ため、内蔵アンテナ５３の制約が多く、より効率的なア
ンテナの選択が不可能になり、装置の小型化・軽量化の
妨げとなっていた。

【０００７】 図３の構造では、内蔵アンテナ５３の
一端部の半田付けと他端部の両面テープ５７による接
着、図４の構造では、端子５９の半田付けの工程が必要
であるため、生産性が悪かった。

【０００８】本発明の目的は、従来の上述のような問題
点に鑑み、実装条件の厳しいプリント基板に対する実装
効率の向上、アンテナ特性の劣化防止、及び生産性向上
が図れる内蔵アンテナ構造を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の内蔵アンテナ構
造は、プリント基板を内蔵した筐体の内面に、アンテナ
エレメントを箔状に付着形成し、該アンテナエレメント
の延長端子部をプリント基板上の給電点に接触させたこ
とを特徴とする。

【００１０】このような構造によると、プリント基板上
での半田付け、及びアンテナエレメントをプリント基板
上の給電点と接続するための部品が不要である。

【００１１】筐体の内面に突起部分を設け、この突起部
分にアンテナエレメントの延長端子部を形成すると、ア
ンテナエレメントの延長端子部を容易に形成でき、また
突起部分をプリント基板のスルホールに挿入することに
より、アンテナエレメントの延長端子部をプリント基板
上の給電点に接触させれば、給電点との接続を容易且つ
確実に行え、更に突起部分の先端を尖らせれば、スルホ
ールへの挿入が容易になる。

【００１２】アンテナエレメントは、筐体の内面にアル
ミ蒸着又は導電性材料を塗布することにより形成でき
る。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳述する。

【００１４】図１及び図２において、筐体１の内面１ａ
に、アンテナエレメント２が、アルミ蒸着又は導電性材
料を塗布することにより箔状に付着形成されている。筐
体１の内面１ａには、先端が尖ったピン状の２本の突起
部分３が、筐体１と一体に直角に突設されている。アル
ミ蒸着又は導電性材料の塗布は、筐体１の内面１ａから
これら突起部分３の表面にも連続して行われて、アンテ
ナエレメント２の延長端子部２ａとなっている。

【００１５】一方、筐体１に内蔵されたプリント基板４
には、２本の突起部分３をそれぞれ挿入できる２個のス
ルホール５が設けられている。各スルホール５の開口縁
には、導電性材料による給電点６が形成されている。

【００１６】アンテナエレメント２の延長端子部２ａ
は、２本の突起部分３がスルホール５にそれぞれ挿入さ
れているため、給電点６と接触し、アンテナエレメント
２とプリント基板４との間で高周波信号を伝送する。

【００１７】なお、アンテナエレメント２は、アルミ蒸
着や導電性材料の塗布以外の方法でも形成できる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果がある。 従来のように、プリント基板に対して、逆Ｆ型の内
蔵アンテナ又は金属の板バネである端子を半田付けする
ランドや、スペーサを接着するための面積等が不要にな
るため、プリント基板上の実装効率が向上する。

【００１９】 実装条件の厳しいプリント基板上にお
いて手付けによる半田が不要になるため、プリント基板
上の他の部品に半田が流れてショート等の不具合が生じ
ることがなくなる。

【００２０】 筐体の内面に、蒸着又は塗布によりア
ンテナエレメントを箔状に形成すると、高周波信号の伝
送路となる延長端子部も同時に形成できるため、工数及
び部品点数が少なく、従来に比べコストを低減できると
ともに、小型化できる。

【００２１】 アンテナエレメントの延長端子部は、
アンテナエレメントと一体で、筐体の内面の突起部分上
に形成したものであり、この突起部分を、プリント基板
のスルホールに挿入することにより、延長端子部をプリ
ント基板上の給電点と接触させるので、給電点との接続
を容易且つ確実に行えるため、従来に比べアンテナ特性
が良くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による内蔵アンテナ構造の一例の断面図
である。

【図２】同上における筐体の内側から見た平面図であ
る。

【図３】従来例の断面図である。

【図４】他の従来例の断面図である。

【符号の説明】

１ 筐体 １ａ 内面 ２ アンテナエレメント ２ａ 延長端子部 ３ 突起部分 ４ プリント基板 ５ スルホール ６ 給電点

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント基板を内蔵した筐体の内面に、ア
   ンテナエレメントを箔状に付着形成し、該アンテナエレ
   メントの延長端子部を前記プリント基板上の給電点に接
   触させたことを特徴とする内蔵アンテナ構造。
2. 【請求項２】筐体の内面に突起部分を設け、この突起部
   分にアンテナエレメントの延長端子部を形成したことを
   特徴とする請求項１記載の内蔵アンテナ構造。
3. 【請求項３】突起部分をプリント基板のスルホールに挿
   入することにより、アンテナエレメントの延長端子部を
   プリント基板上の給電点に接触させたことを特徴とする
   請求項２記載の内蔵アンテナ構造。
4. 【請求項４】突起部分の先端を尖らせたことを特徴とす
   る請求項３記載の内蔵アンテナ構造。
5. 【請求項５】アンテナエレメントをアルミ蒸着により形
   成したことを特徴とする請求項１、２、３又は４記載の
   内蔵アンテナ構造。
6. 【請求項６】アンテナエレメントを導電性材料を塗布す
   ることにより形成したことを特徴とする請求項１、２、
   ３又は４記載の内蔵アンテナ構造。