JPH1144748A - 同一時刻複数個のサンプル値によるdoa算出装置 - Google Patents

同一時刻複数個のサンプル値によるdoa算出装置

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JPH1144748A
JPH1144748A JP21717097A JP21717097A JPH1144748A JP H1144748 A JPH1144748 A JP H1144748A JP 21717097 A JP21717097 A JP 21717097A JP 21717097 A JP21717097 A JP 21717097A JP H1144748 A JPH1144748 A JP H1144748A
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JP
Japan
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data
doa
fft
complex
array
Prior art date
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Application number
JP21717097A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Nakajima
喜明 中島
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配列アンテナを含むN系統の受信系によるレ
ーダ受信信号の方位角算出における効率的精度改善。 【解決手段】 N個の配列アンテナ1A〜1Nと、受信機2A
〜2Nと、A/D コンバータ3A1,3A2 〜3N1,3N2 によって構
成されるN系統の受信系は、直交するI,Q 成分のディジ
タルデータをP/S 変換回路4でシリアルデータとして送
出しS/P 変換回路5で元のパラレルデータに復元する。
十分遠方の目標からの到来波は平行波であるのでN個の
受信系で同じタイミングで受信した場合は、アンテナ数
だけの数の配列位置に比例した位相データが得られる。
この位相データをデータ点数処理回路でI,Q 成分の符号
反転データの追加配列により4倍化しFFT 回路7でFFT
処理して目標方位を算出することにより受信系の数を抑
圧して目標方位算出精度を改善し、これを表示回路8に
表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同一時刻複数個の
サンプル値によるDOA算出装置に関し、特に受信信号
による方位角算出において、同一のアンテナ配列面もし
くは、配列軸上に配列した複数個のアンテナ系で捕捉し
た受信信号のそれぞれを、所定のレンジビンに於いて一
斉にA/D変換したデータ列のフーリェ変換(FFT又
はDFT)に基づいて目標の到来方向を算出する同一時
刻複数個のサンプル値によるDOA算出装置に関する。
本発明は、同一のアンテナ配列面もしくは配列軸上に複
数個のアンテナ系を配設して得られる受信信号を所定の
レンジビンに於いて、一斉にA/D変換して複素数のデ
ータ列A1,A2,A3,……,AN を作成し、これのフーリ
ェ変換の結果に基づいて、目標の到来方向(DOA,Di
rection of Arrival) を計算するレーダ装置を対象とし
ている。
【0002】
【従来の技術】目標の到来方向を求める従来のレーダ装
置としては、複数個のアレイアンテナから得られる受信
波をRF部で位相合成することにより受波指向性パター
ンを形成して目標方位を決定している。
【0003】このようなレーダ装置は、複数個のアレイ
アンテナからの受信信号を、受信アンテナの次に配置す
る電力合成器で合成し、1チャンネルの受信回路で増
幅、周波数変調等を行う構成を採るのに対して、本発明
のレーダ装置は、複数チャンネルでそれぞれ並行して受
信し、同一のタイミングで一斉にA/D変換することで
複数個の受信データを作成している点が異なっている。
【0004】ところで、多目標の正確なDOAを計算す
るため、同一のアンテナ配列軸上に複数個のアンテナ系
を配設し、所定のレンジビンで(タイミングで)一斉に
A/D変換して複数個の受信データ配列A1,A2,A3,…
…,AN を得て、このデータを信号処理する比較的高級
な手法としてESPRIT(Estimation of Signal Parameters
Via Rotational Invariance Techniques)法、MUSIC(Mu
ltiple Signal Classification) 法と言われるものがあ
る。
【0005】これらの手法は多目標のDOA算定に対
し、1個の目標からの到来波をm個の受信系で受信する
には、インタフェロメータ(interferometer、干渉計)
の計算式、又はマルチビームの計算方法として知られる
ように、アレイ素子の配置場所に比例した位相項を与え
ながら受信信号を加算することにより計算されるものが
知られている。これをd個の目標からの到来波を対象と
して拡大展開していくことを考えると、縦方向にm、横
方向にdのサイズのマトリックスができる。このマトリ
ックスの固有値ベクトル(Eigen ベクトル)、固有値(E
igen value) を、誤差を最小とする最小二乗法を利用し
て解くことにより、多目標の正確なDOAを計算する方
法がESPRIT法やMUSIC 法と言われるものであり、ESPRIT
法はMUSIC法と同様に演算量が少なくてすむように改善
されている。
【0006】一方、目標捕捉のための受信ビームを形成
すべく、複数個のアレイアンテナ素子から受信される受
信波をRF段の電力合成器で1チャンネルで合成する手
法は、各種アレイアンテナ、又はフェーズドアレイアン
テナで構成されるレーダ装置等で広く利用されている。
従来の技術の一例として、n個のアレイアンテナから得
られる受信波を、RF段で合成することにより、受信ビ
ームを形成する内容について、次に説明する。
【0007】図2は、ビーム幅尖鋭化の処理内容の説明
図である。図2において、アンテナ配列面101に配列
したn個のアンテナ1〜nによって取得する遠距離目標
の平行到来波S1〜Snの受信信号の合成によって得ら
れる合成電界Eは、次の数式1で示される。
【0008】
【数1】
【0009】数式1において、Kは比例定数、Dはアン
テナ素子の放射電界強度の指向性係数、k=2π/λ、
1,r2,r3,……,rn は平行到来波S1〜Snの各ア
レイアンテナまでの伝搬長を表す。電界強度に関して
は、目標が遠距離であることからr1 =r2 =r3 =…
…=rn =rと近似させることができる。一方、位相の
項は、波長に対して無視できないので、以下のように計
算する(数式2,同3)。
【0010】
【数2】r2 =r1 −dsin θ 従って −kr2 =kr1 −kdsin θ=−kr1 +ψ
【0011】
【数3】r3 =r1 −2dsin θ 従って −kr3 =kr1 −2kdsin θ=−kr1 +2ψ
【0012】r4 以後についても同様に表現することが
できる。そして数式4が得られる。
【0013】
【数4】rn =r1 −(n−1)dsin θ 従って −krn =kr1 −(n−1)kdsin θ=−kr1
(n−1)ψ ここで、 ψ=kdsin θ
【0014】これらの数式を数式1に代入すると、次の
数式5が得られる。
【0015】
【数5】
【0016】数式5の括弧の中を、次の数式6のように
Rと置く。
【0017】
【数6】
【0018】また、t×Rを計算すると、次の数式7が
得られる。
【0019】
【数7】tR=t+t2 +t3 ……tn
【0020】数式6から数式7を減じてRを計算する
と、次の数式8となる。
【0021】
【数8】
【0022】従って、数式8から次の数式9が求められ
る。
【0023】
【数9】
【0024】今、数式9の右辺の{sin(nψ/2)}/
{sin(ψ/2)}の項の分子だけを、アレイ素子の配列
間隔dをλ/2として計算すると、次の数式10で示さ
れる。
【0025】
【数10】sin(nψ/2)=sin(0.5 nkd sinθ)=
sin{0.5 n(2π/λ)d sinθ}=sin (0.5nπ s
inθ)
【0026】アレイのアンテナ配列数nが例えば32での
場合について、数値を計算してみる。数式10の最後の
項のsin (0.5nπ sinθ)の sinθ=θと近似できる場
合には、数式10はsin(16πθ)となる。またsin(π
θ)の関数が0からπの範囲でゼロの値を取る回数に比
べて、sin(16πθ)の関数が0からπの範囲でゼロとな
る回数は、16倍だけ多くなる。従って、このアンテナビ
ームのメインローブの谷から谷の範囲は11.25 度とな
り、このアンテナのメインローブの3[dB]低下での
ビーム幅は11.25 度よりも僅かに小さいことになる。
又、当然のことながら、メインローブの谷から谷の長さ
はnの値に反比例することになる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上述したMUSIC 又はES
PRITの方法でDOAを計算する場合に、一般に使用され
ている受信チャンネル数が10以下の場合には、アンテナ
装置の製作上の難点は無いが、固有値ベクトル、固有値
を求める複雑なマトリックス演算に基づく繁雑な演算処
理にもかかわらず取得データの限界からDOAの算出精
度には限界がある。
【0028】又、4倍又は補間処理による8倍化の処理
を用いずに、所定のDOA精度を得ようとすると、例え
ば図8の場合では64個の受信チャンネルが必要となり、
製作コストの面で、高価になり、実現性に乏しい。
【0029】一方、RF段で複数個のアレイアンテナか
らの受信波を位相合成してビーム形成を行い目標方位を
決定することは一般的に行われているが、同一時刻に1
個の受信データしか得ることができないため、N個の受
信データを得る為の測定期間が、Nサンプル周期の時間
がかかり、S/Nの改善、クラッタ除去に関しては不利
となるという問題がある。
【0030】本発明の目的は、上述した問題点を解決
し、少ない受信チャンネル数で一斉に得られる受信デー
タに基づいてFFT計算点数を4倍(隣接する2データ
の平均値を新たなデータとする場合は8倍)にし、この
データ数の増加したデータをフーリェ変換して放射パタ
ーンを角度軸上に作成することにより、増大データ点数
に対応した高精度なDOAを得ることが出来る同一時刻
複数個のサンプル値によるDOA算出装置を提供するこ
とにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明は次の手段構成を有する。即ち、同一時刻
複数個のサンプル値によるDOA算出装置に関する本発
明の第1の構成は、受信アンテナ、受信器、A/D変換
器を少なくとも含み、アンテナ面に等間隔に配列した受
信系としての複数のN個の受信チャンネルC1,C2,C3,
……,CN を前記受信アンテナの開口端からC1,C2,C
3,……,CN の順に並べ、N個の前記A/D変換器に対
する共通のA/D変換のタイミングで一斉に各受信チャ
ンネルの実数、虚数のI,Q信号をA/D変換しアンテ
ナ配列順に取得するN個の複素数の配列データをA1,A
2,A3,……,AN とするとき、このN個のデータのフー
リェ変換値を方位角を横軸として表現して得られるアン
テナ面全体の放射パターンのピークを示す方位角に基づ
いて目標の到来方向であるDOA(Direction Of Arriv
al)を算出する手段を有する。
【0032】また、本発明の第2の構成は、前記第1の
構成において、フーリェ変換すべき複素数の配列データ
の含む実数のデータ配列をB1,B2,B3,……,BN
し、整数MをM=N/2とする時、BM+k =±BM-k(k
=1,2,……,M)の関係がある場合、このBM+k
M-k の2つの実数を、横軸を実軸、縦軸を虚軸とする
複素面上にプロットすると、この2数は実軸上にプロッ
トされ、且つ位相だけが180度だけ異なっているとい
う関係から、前記B1,B2,B3,……,BN のフーリェ変
換(FFT)または離散フーリエ変換(DFT)により
得られるN個のデータの実数部又は虚数部のいずれかが
零となる点に着目し、前記複素数の配列データのA1,A
2,A3,……,AN に対し、整数MをM=N/2とする
時、複素数AM+k と複素数AM-k はk=1,2,……,
Mについて位相が180度異なっているという関係があ
る場合には、FFT又はDFTを施すことにより、実数
部又は虚数部だけのFFT又はDFT結果が得られ、前
記位相の180度異なる態様に対応して実効的に4倍化
されたデータ列のFFT又はDFT結果より前記DOA
を精度良く算出出来る構成を有する。
【0033】また、本発明の第3の構成は、前記第1の
構成において、データ数を増やしながら前記整数MをM
=N/2とし、複素数AM+k と複素数AM-k はk=1,
2,……,Mについて位相が180度異なるものとすべ
く、前記複素数の配列データA1,A2,A3,……,AN
らデータ数が2Nの配列データを作成するために複素数
m の実数部(又は虚数部)の符号を反転した複素数を
新たに xm とし、配列データA1,A2,A3,……,AN
に配列データ xN, xN-1 ,………,x2,x1 を付
加して、データ数2Nの配列データA1,A2,A3,……,
N, xN,xN-1 ,……,x2, x1 を作成し、次に
データ数4Nのデータ列を作成するために複素数Am
虚数部(又は実数部)の符号を反転した複素数を新たに
m xとし、複素数 xm の虚数部(又は実数部)の符号
を反転した複素数を新たにxm xとして、配列データ
1,A2,A3,……,AN, xN, xN-1 ,……,x2,x
1 に配列データ x1 x,x2 x,x3 x,……,xN x,A
N x,AN-1 x,………,A2 x,A1 xを付加してデータ数4
Nの配列データ列A1,A2,A3,………,AN,xN, x
N-1,……,x2, x1, x1 x,x2 x,x3 x,………,x
N x,AN x,AN-1 x,……,A2 x,A1 x を作成すること
により、任意の複素数は実数成分の符号と虚数成分の符
号をそれぞれ反転して、位相を180度変化させ、FF
T又はDFT出力を実数成分もしくは虚数成分の片方の
成分のみに集めることが出来るとともに、実数データに
その位相を反転したデータを付加してFFT又はDFT
した時にFFT又はDFT出力波形に現れる対象の位置
に現れる不要なパターン波形を除去することを可能にす
る構成を有する。
【0034】また、本発明の第4の構成は、前記第1の
構成において、4N個の配列データA1,A2,A3,……,
N, xN, xN-1 ,……,x2, x1, x1 x,x2 x,x
3 x,……,xN x,AN x,AN-1 x,……,A2 x,A1 x
作成された段階で、この4N個のデータの隣接する2個
のデータBM,BM+1 の間に内挿によりデータ数を増や
し、FFT又はDFT演算によりDOAを算出すること
も可能とした構成を有する。
【0035】また、本発明の第5の構成は、前記第1の
構成において、フーリェ変換は積分区間が−∞から+∞
までの範囲であるのに対して、前記FFT又はDFTで
は、有限のデータ数の演算となり、これにより隣接する
素子アンテナの間隔を一定としたとき、目標の到来方向
によっては、アンテナ面をフーリェ変換して得られるア
ンテナ指向特性を有するDOAを示す指向性ビームの左
右分離が生じる場合に、窓関数による重み付けを、4倍
化されたデータに対して行う重み付けもしくは、使用周
波数を所定の範囲以下で変更することにより回避する構
成を有する。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明は、同一のアンテナ配列面
もしくは配列軸に配列した複数のアンテナで捕捉すべき
レーダ装置による多目標の正確なDOAを算出するた
め、複数のアンテナの受信入力を所定のレンジビンで一
斉にA/D変換して、受信アンテナ、受信器、A/Dコ
ンバータ等で構成されるN個の受信系の受信データ配列
1,A2,A3,……,AN から高速フーリェ変換(FE
T)の結果に基づきDOAを求めるレーダ装置における
到来目標の方位角算出装置を対象としている。
【0037】このようなレーダ装置に類似するものとし
て、アレイアンテナの含む複数のアンテナで捕捉した受
信波を位相合成して受信ビームを形成し、目標方位を決
定するものもある。前者のレーダ装置は複数の受信系を
備え、後者のレーダ装置は、受信アンテナの出力を合成
したものを処理する1チャンネルの受信系を備えている
違いはあるものの、いずれもN個のアンテナで得られる
受信入力のA/D変換した配列データA1,A2,A3,…
…,AN を利用してDOAを求める点については共通し
た目的を有する。
【0038】この配列データのそれぞれは、アンテナ開
口面における電流分布を表現するデータであり、このフ
ーリェ変換に基づいてアレイアンテナの放射パターンも
しくは受信パターンが得られ、その指向中心から目標の
到来方位が決定される。本発明では、後述して詳述する
ように、受信パターンそれ自体の利用に代えて、フーリ
ェ変換の結果の示す最大値を以て受信パターンの指向中
心を把握する手法を採っている。
【0039】DOAを精度よく求める手法として、目標
ごとに前述したESPRIT法やMUSIC 法が利用される場合も
あるが、通常これらの手法で対象とする受信チャンネル
数が10以下の場合には、アンテナ装置の製作上の問題
はないが、演算量が著しく増大する。この問題を回避し
て算出精度の改善を確保するため、受信チャンネル数を
増大することは即構成規模の増大(コスト増大)につな
がることとなる。
【0040】本発明においては、受信チャンネル数を増
大させることなく、方位角算出に供する配列データ数を
増大させることでDOA算出精度の著しい改善を確保し
ている。この場合、配列データ数の増大は、N個の受信
系で取得され、アンテナ開口面の電流分布を表現するデ
ータとしての配列データA1,A2,A3,……,AN のそれ
ぞれが互いに直交するI,Q成分としてのN個の複素数
形式のデータであることに着目し、これらの配列データ
の実数部(I成分)の極性反転(−1を乗算)したも
の、虚数部(Q成分)の極性反転したもの、実数部及び
虚数部(I,Q成分)の極性を反転したもののそれぞれ
を、適宜複素平面上における軸対称性を考慮して生成し
た3N個の配列データを加えてデータ4倍像を基本的に
行って算出精度の改善を確保している。
【0041】さらに、このような4倍増化配列データか
らさらにデータサンプル数のみ増大せしめるため、隣接
する2データの間に、隣接する2データの算術平均値を
配置しデータサンプル数のみを増大し、これにより受信
系のチャンネル数増大を招くことなく、DOA算出精度
を著しく向上させることをその基本的特徴としている。
【0042】尚、DOA算出のために、入力データには
FFTが施されるが、基本的には無限大の領域(0〜
∞)を対象とするFFT手法だが、現実的には有限の処
理区間で処理され、このことはFFT結果の波形(DO
Aを提供するアンテナパターン)が指向中心で左右2つ
に分離する、いわゆるビーム・スプリット(beam split)
を生ずる場合が何%かの確率で生起する。これを回避す
べく、本発明ではビームスプリットを生ずる場合には、
予め設定する程度、後述する実施例にあっては3%の使
用周波数もしくは有限の処理区間である影響を少なくす
るため、FFT入力データに対して、ウインドー処理を
施すことを行っている。
【0043】上述した内容を具体化する手法として、本
発明では以下に述べる処理を行っている。N個の配列デ
ータA1,A2,A3,……,AN から各データの実数部又は
虚数部成分の符号を反転して作成されるN個のデータ x
N, xN-1,………,x2,x1 を作成する処理、つま
りA1,A2,A3,……,AN 中の任意のデータをAm=am
+jbm(m=1,2,……,N)とするとき、xm =am −jbm (m=1,2,……,N)
又は、xm =−am +jbm (m=1,2,……,N) で表される xN, xN-1,……,x2, x1 を作成す
る。N個の配列データA1,A2,A3,……,AN に、更に
前述したN個の配列データxN, xN-1,……,x2, x
1 を付加し、2N個のデータ列A1,A2,A3,……,A
N, xN, xN-1,………,x2, x1 を作成する。
【0044】上述した2N個の配列データA1,A2,A3,
……,AN, xN, xN-1,………,x2, x1 から、
これら2N個の配列データのそれぞれの虚数部又は実数
部成分(2倍化したときに虚数部の符号を反転した時
は、この4倍化の所で、実数部の符号を反転し、2倍化
したときに実数部の符号を反転した時は、この4倍化の
段階で虚数部の符号を反転するものとする。)の符号を
反転して作成される2N個の配列データ x1 x,x2 x,x
3 x,……,xN x, AN x, AN-1 x,………,A2 x,A1 x
を作成する、つまり、配列データA1,A2,A3,……,A
N, xN, xN-1,……, x2, x1 の中の任意のデー
タをBm =cm +jdm (m=1,2,……2N)と記
述するとき次の関係、 Bm x=−cm +jdm (m=1,2,……,2N) 又
は Bm x=cm −jdm (m=1,2,……,2N) で表される x1 x,x2 x,x3 x,……,xN x, AN x, A
N-1 x,……,A2 x,A1 xを作成する。
【0045】かくして、2N個の配列データA1,A2,A
3,……,AN, xN, xN-1,………,x2, x1 に、2
N個の配列データ x1 x,x2 x, ……,xN x, AN x, A
N-1 x,………,A2 x,A1 xを付加して4N個の配列デー
タA1,A2,A3,………,AN,xN, xN-1,……,x2,
x1, x1 x,x2 x, ………,xN x, AN x, AN-1 x,…
…,A2 x,A1 x を作成する。
【0046】こうして作成された4N個の配列データ
を、ハードウェアのFFT回路又はDFT回路又はソフ
トウェアのFFTサブルーチン又はDFTサブルーチン
を用いてフーリェ変換し、このフーリェ変換の演算で得
られる実数部、虚数部データ列を所定の角度範囲を横軸
とする座標にプロットして、プロットされたグラフのピ
ーク位置からDOAを算出する。
【0047】また、4N個の配列データA1,A2,A3,…
…,AN, xN, xN-1,……,x2,x1, x1 x,x2 x,
x3 x,……,xN x, AN x, AN-1 x,……,A2 x,A1 x
をそのままフーリェ変換する代わりに、この4N個の
データの隣接する2個のデータを仮にBM,BM+1 とする
と、この2個のデータの間に内挿計算(例えば、(BM
+BM+1)/2をこの2個のデータの中間に挿入する)で
データ数を8倍に増やし、作成された8N個の配列デー
タをFFT回路又はDFT回路又はFFTサブルーチン
又はDFTサブルーチンを用いてフーリェ変換し、この
フーリェ変換の演算で得られる実数部、虚数部データ列
を所定の角度範囲を横軸とする座標にプロットして、プ
ロットされたグラフのピーク位置からDOAを算出す
る。
【0048】尚、フーリェ変換の積分区間は、−∞から
+∞までの範囲であるのに対し、前述のFFTまたはD
FTでは、有限個のデータ数の演算となることが原因の
アンテナパターンの指向中心におけるビームの左右分離
(隣接する素子アンテナの間隔を一定とした時)目標の
到来方向によっては生起する。本発明ではこのビームの
左右分離を、使用周波数のシフトもしくは、FFT又は
DFTの入力データに対して、窓関数による振幅重み付
けにより回避している。
【0049】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して詳細に
説明する。図1は、本発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。図1に示す実施例はアレイアンテナを構
成するN個のアンテナ1A,1B,1C,……,1N
と、I,Q成分を出力するN個の受信機2A,2B,2
C,……,2Nと、受信機2A〜2Nの出力するI,Q
成分を同一のレンジビンで(同一のタイミングで)ディ
ジタル化する受信機ごとに1対のA/Dコンバータ3A
1・3A2,3B1・3B2,3C1・3C2,……,
3N1・3N2と、各A/Dコンバータの出力データを
ラッチし、これにP(パラレル)/S(シリアル)変換
を施して送出するP/S変換回路4と、P/S変換回路
4の出力を伝送路401を介して受けてラッチし、これ
らにS(シリアル)/P(パラレル)変換を施すS/P
変換回路5と、S/P変換回路5の出力に対して複素数
の実数部と虚数部の極性反転によるデータ点数拡大処理
を施して出力するデータ点数処理回路6と、データ点数
処理回路6の出力に対してFFT処理を施し、更に図9
に示すように横軸0の位置を中央に移す処理を施してD
OAを求めるFFT回路7と、FFT回路7の出力を所
定の表示形式で表示する表示回路8とを備え、これら構
成のうち、データ点数処理回路6が主として測定配列デ
ータ4倍化又は、それ以上の配列データ点数を増加する
手段を構成し、またFFT回路7が主として方位角を算
出する手段を構成する。
【0050】これらの構成のうち、アンテナ1A〜1
N、受信機2A〜2N、A/Dコンバータ3A1・3A
2〜3N1・3N2及びP/S変換回路4は、アンテナ
ペデスタルを含むアンテナ近傍に、またS/P変換回路
5、データ点数処理回路6、FFT回路7及び表示回路
8はケーブルによる伝送路401を介して、アンテナと
離隔した処理センターにそれぞれ配置される。
【0051】次に、本実施例の動作について説明する。
アンテナ1A〜1Nで捕捉した目標から反射した到来波
は、それぞれ受信機2A〜2Nで受信処理されてN組の
I,Q信号として出力される。各受信機の出力するI,
Q信号は、A/Dコンバータ3A1・3A2〜3N1・
3N2で同一タイミングでディジタル化され、P/S変
換回路4でシリアルデータとして伝送路401に送出さ
れる。
【0052】P/S変換回路4でラッチされる1チャン
ネル分ずつの信号は、所定のレンジでのI,Q信号のサ
ンプル値であり、受信チャンネルの数だけのデータが集
められているが、このデータをパラレルのままで転送す
ることは伝送ライン数の点で難しいので、シリアルデー
タに変換した後、S/P変換回路5に転送する。
【0053】S/P変換回路5は、入力したシリアルデ
ータをパラレルデータに変換し、データ点数処理回路6
に送出する。同6は、入力した複素数データの実数部と
虚数部の極性反転を利用する配列データの増大に基づく
データ点数の拡大を行う。
【0054】本実施例にあってのデータ点数の拡大は、
N個の複素数データとして成るA1,A2,A3,……,AN
と、これらデータの実数部の符号を反転して逆順に配列
した第2の測定配列データ xN, xN-1, xN-2,…
…,x1 と、これらデータの虚数部の符号を反転して逆
順に配列した第3の測定配列データ x1 x,x2 x,
x3 x,……,xN x及び第1の測定配列データA1 〜AN
の虚数部の符号を反転して配列した第4の測定配列デ
ータAN x, AN-1 x, AN-2 x,……,A1 x とを含む4倍
増の配列データと、これにより、複素平面上で互いに軸
対称な4つの測定配列データによる高精度の方位算出を
行っている。
【0055】FFT回路7は、こうして4倍増した配列
データに対してフーリェ変換を施し、変換結果から4倍
増した配列データによるDOA算出結果を出力する。F
FT回路7におけるFFT回路で、データ点数処理回路
6から送られた4N個の測定配列データをフーリェ変換
する。このフーリェ変換により計算されるアンテナパタ
ーンは、横軸の中央をアンテナボアサイト方向(角度0
度)とする角度軸(横軸)に描かれるが、表1に示され
るように、アンテナパターンの計算範囲(横軸)は素子
間隔により変わる。
【0056】
【表1】
【0057】表1に示すように、アンテナの素子間隔d
によって方位角の横軸のスケール、即ちパターン位置を
示す角度軸の範囲が変わるのは、θをDOA角とすると
き、後述する数式11からθの取り得る値の範囲の幅
は、Nを計算ポイント数とし、sin θ=1と置く時、
(2π/λ)×d [d=λ×k(kは実数、λkは素
子間隔)]となり、従って、この値を計算ポイント数4
Nで割った値の逆数が、フーリェ変換後の横軸の最大値
となることによる。
【0058】数式11のθの値が0の場合は、角度軸の
0の位置にアンテナパターンのピーク位置がくる。ま
た、数式11のθの値に比例して、上述したピークの位
置は角度軸上(X軸上)を移動する。この移動したピー
ク位置の横軸メモリを読めばDOAを知ることができ
る。
【0059】本実施例では、上述したアンテナパターン
のピーク位置の横軸メモリを読み取る方法に代え、ピー
ク位置が角度軸の中央の位置から左又は右に何ポイント
の位置であるかを自動(プログラム)で算出し、続い
て、表1からDOAを自動で算定している。
【0060】一般のN個の実数データ列に対して、対称
性を保ちながら、全く同一のN個のデータを始めのN個
のデータのあとに並べて2N個のデータ列を作成し、こ
れをFFT変換してプロットした場合、所望のビームの
他に、これと横軸の中心に関して対称の位置に同一形状
のビームが作られてしまう。本発明では、この対称の位
置に作成される不要のビームは以下の理由で完全にクリ
アーされる。
【0061】即ち、4N個の配列データA1,A2,A3,…
…,AN, xN, xN-1,……,x2,x1, x1 x,x2 x,
………,xN x, AN x, AN-1 x,……,A2 x,A1 xを始
めの方からN個ずつ4ブロックのデータ列に分割してで
きる4ブロックの配列データをそれぞれ第1のデータ、
第2のデータ、第3のデータ、第4のデータと呼ぶこと
とする。
【0062】FFTのアルゴリズムでは、前後二つのデ
ータブロックに分割して、それぞれのブロックにおいて
更に同一のアルゴリズムで細かい計算をしてそれらの計
算結果を加算していく部分があるので、第1のデータと
第2のデータの連結したデータ(この2ブロックのデー
タは互いに左右対称の関係にある)から構成されるデー
タのFFT結果と第3のデータと第4のデータを連結し
たデータ(この2ブロックのデータも互いに左右対称の
関係にある)のFFT結果を加算して、全体の4N個の
FFT結果が出来上がることになる。
【0063】ところが、第1と第2のブロックのデータ
をFFTして得られる不要パターンの部分の極性と、第
3と第4のブロックを連結したデータをFFTして得ら
れる不要パターンの部分の極性とは逆であるので、全体
の4N個のFFT結果が出力される段階では不要パター
ンは無くなり、所望の部分のパターンのみが残ることと
なる。
【0064】また、各データは、4倍にコピーされる段
階で、2倍化の段階で実数部の極性が反転され、4倍化
の段階では虚数部の極性が反転されているが(2倍化の
段階で、虚数部の極性を逆にし、4倍化の段階で実数部
の極性を逆にしても最終的なFFT出力をプロットした
パターンは同じになった)、これにより、各データの位
相は180度移行したことになり、FFT出力は実数部
又は虚数部のみに集められることとなって、演算量を著
しく抑圧している。
【0065】尚、上述した偶関数に対するフーリェ変換
や、その他関係するフーリェ変換の内容については、例
えば「高速フーリェ変換」(科学技術出版社、宮川
洋、今井 秀樹訳)等に詳述されている。
【0066】ところで、フーリェ変換出力を角度軸上に
表示する方法には、同一グラフにI,Q成分のデータを
重ね書きする場合と、I,Q成分を別々にプロットする
場合と、I,Q成分の絶対値をプロットする場合と、
I,Q成分の絶対値をdB単位に変換して表示する場合
等が考えられるが、本実施例では、I,Q成分を同一の
グラフに重ね書きする方法を採用した。
【0067】目標の形状、受信レベルの強弱を広いダイ
ナミックレンジでみたい場合はdB単位で表示する。表
示回路8における画面表示では、上述した内の所定の複
数の表示形式でCRT画面に表示され、DOAの値も数
値で示される。FFTプログラムでフーリェ変換する場
合、FFT出力波形は、横軸の右端が(例えば周波数軸
に変換した場合は)最大計算周波数(=時間軸の計算ス
テップの逆数)となり、横軸の左端が最小値ゼロになる
が、この場合は横軸中央をDOA=0[度]としたい
為、N個のデータを全体的に右または左にN/2回だけ
シフトさせる必要がある。
【0068】次に、DOAの計算方法例について説明す
る。今、計算パラメータを次のように設定する。 θ:到来波の方向 N:Nチャンネルの受信器を並べて並列に受信させ、同
時にM個の測定データを得る場合のチャンネル数 λ:使用する電波の波長 d:素子間隔(λの整数倍)
【0069】また、i番目の受信チャンネルの受信信号
を次の数式11で近似する。
【0070】
【数11】
【0071】ここで、iは1からNの値を取り、数式1
1から、N個の受信系で測定して得られるデータを数式
11で推定した。このデータ配列が、A1,A2,A3,……
…,AN である。第1の測定配列データA1,A2,A3,…
…,AN から第2,第3及び第4の測定配列データを含
む4N個のA1,A2,A3,……,AN, xN, xN-1,…
…,x2x1, x1 x,x2 x,x3 x,……,xN x, AN
x, AN-1 x, ……,A2 x,A1 xを作成し、これにFFT
を施して、その結果得られる実数部、虚数部のデータを
角度軸にプロットし、そのピーク位置からDOAを読み
取る。
【0072】次に、計算結果例について説明する。 (1) DOA=6度、配列素子間隔=1.5 ×λ[m]、
受信チャンネルの数=32の場合 数式11から観測データを作成する際、θ=6×π/18
0 と設定して、32個の受信データを作成した。実施例に
示す方法により、4倍のデータ数(128 計算ポイント)
に変換してFFTを施し、−20度から+20度の横軸上
に、FFT出力の実数部(虚数部は零)をプロットする
と、図3のようになる。図3から、DOAは約6度と読
み取れ、この方法でDOAが計算可能であることを示し
ている。
【0073】(2) DOA=6度、配列素子間隔=1.5
×λ[m]、受信チャンネルの数=32の場合 数式11から観測データを作成する際、θ=6×π/18
0 と設定して、32個の受信データを作成した。ここで
は、虚数部や実数部の符号を反転することなくデータ数
を4倍にした場合の128 個のデータをFFT変換し、−
20度から+20度の横軸上に、FFT出力の実数部と
虚数部をプロットすると図4のようになる。これから2
倍する時は虚数部の符号を反転し、4倍する時は実数部
の符号を反転する方がいい結果が出ることが明らかにな
った。
【0074】(3) DOA=0.4 度、配列素子間隔=1.
5 ×λ[m]、受信チャンネルの数=32の場合 数式11から観測データを作成する際、θ=0.4 ×π/
180 と設定して、32個の受信データを作成した。実施例
に示す方法により、4倍のデータ数(128 計算ポイン
ト)に変換してFFTを施し、−20度から+20度の横軸
上に、FFT出力の実数部をプロットすると図5のよう
になった。この場合、横軸の計算範囲を狭めないとDO
Aが明らかでないことがわかる。
【0075】(4) DOA=0.4 度、配列素子間隔=6.
0 ×λ[m]、受信チャンネルの数=32の場合 数式11から観測データを作成する際、θ=0.4 ×π/
180 と設定して、32個の受信データを作成した。実施例
に示す方法により、4倍のデータ数(128 計算ポイン
ト)に変換して、FFTを施し、−5度から+5度の横
軸上に、FFT出力の実数部をプロットすると図6のよ
うになった。これからDOAは約0.4 度と読み取れ、ア
ンテナ間隔を広げると、横軸の範囲が狭めることがわか
る。
【0076】(5) DOA=−1.2 度、配列素子間隔=
6.0 ×λ[m]、受信チャンネルの数= 32 の場合 数式11から観測データを作成する際、θ=−1.2 ×π
/180 と設定して、32個の受信データを作成した。実施
例に示す方法により、4倍のデータ数(128 計算ポイン
ト)に変換してFFTを施し、−5度から+5度の横軸
上に、FFT出力の実数部をプロットすると図7のよう
になった。これからDOAは約−1.2 度と読み取れ、こ
の方法でDOAがマイナスの方向の場合でも計算される
ことが分かる。
【0077】(6) DOA=0.5 度、配列素子間隔=6.
0 ×λ[m]、受信チャンネルの数=16の場合 数式11から観測データを作成する際、θ=0.5 ×π/
180 と設定して、16個の受信データを作成した。実施例
に示す方法により、4倍のデータ数(64計算ポイント)
に変換してFFTを施し、−5度から+5度の横軸上
に、FFT出力の実数部をプロットすると図8のように
なった。図8からDOAは約0.5 度と読み取れ、16個の
受信機を並列に運用する場合でも0.2 度から0.1 度程度
の精度でDOAが計算可能であることになる。
【0078】例えば16の受信系をパラレル運転して64デ
ータが変換生成される場合、図8から10/64度のステッ
プでDOAが計算され、一般にはFFT計算点数に関わ
りなく、表1のように素子間隔(=d[単位λ])と計
算角度範囲(=X[単位度]=横軸の長さ)の関係はd
×X=60[λ度]となり、dを大きく取るほど、DOA
の方向が精密に計算された。
【0079】しかしながら、有限区間のFFTを行う為
に、ある特定の部分では、パターンの山が二つに別れて
しまう事があった。これを解決する為には、使用周波数
を約3パーセント前後ずらすだけで、一つの山になっ
た。これと等価な方法として、素子間隔dを3パーセン
ト程度ずらしても同様の効果が得られた。
【0080】また経験から、二つの山に別れた場合、二
つの山の振幅値で重みつけされた平均の位置(二つの山
が同程度の振幅ならば、単なる山と山の中間の位置)か
らDOAを計算することもできた。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、アンテナ
配列面もしくはアンテナ配列軸上に配列したN個のアン
テナによるN個の受信信号のI,Q成分を含むディジタ
ル化信号としての測定データの複素平面上での軸対称な
4Nもしくは8N個のデータを対象とする高速フーリェ
変換の結果に基づいて目標の到来方位を算出することに
より、到来方位を算出するためのデータを4もしくは8
倍化し、これにより受信系の数を増大することなく、4
もしくは8倍の高精度で到来方位を計算することができ
る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】アンテナ配列軸上の等間隔配列アンテナによる
受信ビーム幅尖鋭化の処理内容の説明図である。
【図3】本発明の一実施例におけるDOA計算結果の第
1例を示す図である。
【図4】配列データを単純に4倍増した場合のDOA計
算結果例を示す図である。
【図5】本発明の一実施例におけるDOA計算結果の第
2例を示す図である。
【図6】本発明の一実施例におけるDOA計算結果の第
3例を示す図である。
【図7】本発明の一実施例におけるDOA計算結果の第
4例を示す図である。
【図8】本発明の一実施例におけるDOA計算結果の第
5例を示す図である。
【図9】本発明の一実施例におけるFFT変換処理の説
明図である。
【符号の説明】
1A〜1N アンテナ 2A〜2N 受信機 3A1,3A2〜3N1,3N2 A/Dコンバータ 4 P/S変換回路 5 S/P変換回路 6 データ点数処理回路 7 FFT回路 8 表示回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信アンテナ、受信器、A/D変換器を
    少なくとも含み、アンテナ面に等間隔に配列した受信系
    としての複数のN個の受信チャンネルC1,C2,C3,…
    …,CN を前記受信アンテナの開口端からC1,C2,C3,
    ……,CN の順に並べ、N個の前記A/D変換器に対す
    る共通のA/D変換のタイミングで一斉に各受信チャン
    ネルの実数、虚数のI,Q信号をA/D変換しアンテナ
    配列順に取得するN個の複素数の配列データをA1,A2,
    3,……,AN とするとき、このN個のデータのフーリ
    ェ変換値を方位角を横軸として表現して得られるアンテ
    ナ面全体の放射パターンのピークを示す方位角に基づい
    て目標の到来方向であるDOA(Direction Of Arriva
    l)を算出する手段を有することを特徴とする同一時刻
    複数個のサンプル値によるDOA算出装置。
  2. 【請求項2】 フーリェ変換すべき複素数の配列データ
    の含む実数のデータ配列をB1,B2,B3,……,BN
    し、整数MをM=N/2とする時、BM+k =±BM-k(k
    =1,2,……,M)の関係がある場合、このBM+k
    M-k の2つの実数を、横軸を実軸、縦軸を虚軸とする
    複素面上にプロットすると、この2数は実軸上にプロッ
    トされ、且つ位相だけが180度だけ異なっているとい
    う関係から、前記B1,B2,B3,……,BN のフーリェ変
    換(FFT)または離散フーリエ変換(DFT)により
    得られるN個のデータの実数部又は虚数部のいずれかが
    零となる点に着目し、前記複素数の配列データのA1,A
    2,A3,……,AN に対し、整数MをM=N/2とする
    時、複素数AM+k と複素数AM-k はk=1,2,……,
    Mについて位相が180度異なっているという関係があ
    る場合には、FFT又はDFTを施すことにより、実数
    部又は虚数部だけのFFT又はDFT結果が得られ、前
    記位相の180度異なる態様に対応して実効的に4倍化
    されたデータ列のFFT又はDFT結果より前記DOA
    を精度良く算出出来る構成を有することを特徴とする請
    求項1記載の同一時刻複数個のサンプル値によるDOA
    算出装置。
  3. 【請求項3】 データ数を増やしながら前記整数MをM
    =N/2とし、複素数AM+k と複素数AM-k はk=1,
    2,……,Mについて位相が180度異なるものとすべ
    く、前記複素数の配列データA1,A2,A3,……,AN
    らデータ数が2Nの配列データを作成するために複素数
    m の実数部(又は虚数部)の符号を反転した複素数を
    新たに xm とし、配列データA1,A2,A3,……,AN
    に配列データ xN, xN-1 ,……,x2, x1 を付加
    して、データ数2Nの配列データA1,A2,A3,……,A
    N, xN, xN-1 ,……,x2, x1 を作成し、次にデ
    ータ数4Nのデータ列を作成するために複素数Am の虚
    数部(又は実数部)の符号を反転した複素数を新たにA
    m xとし、複素数 xm の虚数部(又は実数部)の符号を
    反転した複素数を新たに xm xとして、配列データA1,
    2,A3,………,AN, xN, xN-1 ,……,x2, x
    1 に配列データ x1 x,x2 x,x3 x,……,xN x
    N x,AN-1 x,……,A2 x,A1 xを付加してデータ数4
    Nの配列データ列A1,A2,A3,……,AN, xN, x
    N-1,……,x2, x1, x1 x,x2 x,x3 x,……,
    xN x,AN x,AN-1 x,……,A2 x,A1 x を作成する
    ことにより、任意の複素数は実数成分の符号と虚数成分
    の符号をそれぞれ反転して、位相を180度変化させ、
    FFT又はDFT出力を実数成分もしくは虚数成分の片
    方の成分のみに集めることが出来るとともに、実数デー
    タにその位相を反転したデータを付加してFFT又はD
    FTした時にFFT又はDFT出力波形に現れる対象の
    位置に現れる不要なパターン波形を除去することを可能
    にする構成を有することを特徴とする請求項1記載の同
    一時刻複数個のサンプル値によるDOA算出装置。
  4. 【請求項4】 4N個の配列データA1,A2,A3,……,
    N, xN, xN-1,……,x2, x1, x1 x,x2 x,x
    3 x,……,xN x,AN x,AN-1 x,……,A2 x,A1 xが作
    成された段階で、この4N個のデータの隣接する2個の
    データBM ,BM+1 の間に内挿によりデータ数を増や
    し、FFT又はDFT演算によりDOAを算出すること
    も可能とした構成を有することを特徴とする請求項1記
    載の同一時刻複数個のサンプル値によるDOA算出装
    置。
  5. 【請求項5】 フーリェ変換は積分区間が−∞から+∞
    までの範囲であるのに対して、前記FFT又はDFTで
    は、有限のデータ数の演算となり、これにより隣接する
    素子アンテナの間隔を一定としたとき、目標の到来方向
    によっては、アンテナ面をフーリェ変換して得られるア
    ンテナ指向特性を有するDOAを示す指向性ビームの左
    右分離が生じる場合に、窓関数による重み付けを、4倍
    化されたデータに対して行う重み付けもしくは、使用周
    波数を所定の範囲以下で変更することにより回避する構
    成を有することを特徴とする請求項1記載の同一時刻複
    数個のサンプル値によるDOA算出装置。
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Cited By (4)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004280382A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Natl Inst For Land & Infrastructure Management Mlit 電波方向探知装置を利用した走行支援システム
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