JPH1144364A - 水中ポンプにおけるオイル室内軸封装置摺動面の潤滑油保持装置 - Google Patents

水中ポンプにおけるオイル室内軸封装置摺動面の潤滑油保持装置

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JPH1144364A
JPH1144364A JP21594497A JP21594497A JPH1144364A JP H1144364 A JPH1144364 A JP H1144364A JP 21594497 A JP21594497 A JP 21594497A JP 21594497 A JP21594497 A JP 21594497A JP H1144364 A JPH1144364 A JP H1144364A
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lubricating oil
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水中ポンプにおけるオイル室内中央部から周壁
方向への潤滑油の散逸を防止すると共に潤滑油中への空
気の混入を生じさせることなく、軸封装置摺動面の有効
な潤滑と冷却作用が行われる潤滑油保持装置を提供す
る。 【構成】オイル室3内におけるダブル型軸封装置11の
外側を環状壁体10で囲繞し、環状壁体10の内周面に
ポンプ軸4の回転方向に向かって上り勾配の傾斜面を形
成するようガイドベーンGを定着させ、環状壁体10の
上端縁とモータ側ハウジング1hとが接近した間隙部分
をオイルの流出溝13aに形成し、環状壁体10の下端
縁とポンプ側ハウジング2hとの当接面に沿ってオイル
の流入溝13bを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、水中ポンプにおけるオイ
ル室内軸封装置摺動面の潤滑油保持装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来技術とその問題点】水中ポンプにおいてオイル室
内に封入する潤滑油量は、回転時における軸封装置の摺
動面の発熱やモータの発熱による膨張率を見込んで、一
般にオイル室全容積の80%程度としてオイル室内の上
方部に空気留りを保有させている。
【0003】しかしながら軸封装置の回転による遠心力
作用で、潤滑油はオイル室内周壁方向へ渦流状に押し付
けられて中央部に空気留りを生じ、肝心の軸封装置摺動
面を潤滑油が浸さなくなり、摺動面の潤滑と冷却機能が
損なわれることになる。
【0004】遠心力によって潤滑油が渦流状に散逸する
ことを防止するため、図5および6に示すよう、軸封装
置11′の外側を環状壁体10′で囲繞してその内周面
軸方向に沿って邪魔板10′pを垂直に縦設し、壁面の
要所にオイル流通用の丸孔13′を穿設するということ
が行われている。しかしシールリング押圧用コイルスプ
リング9′の回転により、潤滑油と空気留り15′の空
気とが垂直の邪魔板10′pに衝突し環状壁体10′内
で強制的に混合されて細かい気泡が発生し、油・気混合
状態となってフローティングシート5′とシールリング
6′との摺動面12′に介入するため潤滑効果は減殺さ
れる。また、環状壁体10′の壁面要所にオイル流通用
の丸孔13′を穿設させた構造であるため、オイル室
3′内における環状壁体10′の内側と外側との潤滑油
の流通作用が不円滑であり、これが前記油・気混合状態
と相まって摺動面12′の冷却効率を著しく低下させる
結果となっている。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、水中ポンプにおけるオ
イル室内中央部から周壁方向への潤滑油の散逸を防止す
ると共に潤滑油中への空気の混合を生じさせることな
く、軸封装置摺動面の有効な潤滑と冷却作用が行われる
潤滑油保持装置を提供することにある。
【0006】
【発明の構成】本発明に係る水中ポンプにおけるオイル
室内軸封装置摺動面の潤滑油保持装置では、モータ室と
ポンプ室との間に介在するオイル室内におけるダブル型
軸封装置の外側を環状壁体で囲繞し、環状壁体の内周面
にポンプ軸の回転方向に向かって上り勾配の傾斜面を形
成するようガイドベーンを定着させ、環状壁体の上縁部
を上部のフローティングシートとシールリングとの摺動
面よりも上方部においてモータ側ハウジングに接近させ
て要すれば内側方向へ突出するフランジを付設し、該フ
ランジの内周面から上面へ亘る環状間隙部をオイルの流
出溝に形成し、環状壁体の下縁部はポンプ側ハウジング
に当接させてその当接面に沿ってオイルの流入溝が形成
されるよう下縁部に切欠部を設けるのである。
【0007】
【作用】ポンプ運転時には、環状壁体内の潤滑油がガイ
ドベーンの傾斜面に沿って押し上げられると共に環状壁
体の外側におけるオイル室内の潤滑油が下部のオイル流
入溝から環状壁体内へ流入し、環状壁体内の潤滑油は下
部の摺動面および上部の摺動面を潤滑させると共に両摺
動面の発熱を吸収しつつ上部のオイル流出溝から環状壁
体外側のオイル室内へ移動する。
【0008】
【実施例】以下実施例の図面により説明をする。
【0009】1はモータ室、2はポンプ室、3は両室
2,3の間に介在するオイル室、4はモータ室1から導
出されオイル室3内を貫通してポンプ室2内へ導入され
るポンプ軸、5aはオイル室3内においてポンプ軸4と
遊合しモータ室側ハウジング1hに定着された上部フロ
ーティングシート、5bはオイル室3内においてポンプ
軸4と遊合しポンプ側ハウジング2hに定着された下部
フローティングシート、6aは上部フローティングシー
ト5aと摺接する上部シールリング、6bは下部フロー
ティングシート5bと摺接する下部シールリング、7a
は上部シールリング6aを背面から支承するベローズ、
7bは下部シールリング6bを背面から支承するベロー
ズ、8aは上部シールリング6aおよびベローズ7aの
外周に嵌着されて両者6a,7aを一体に結合させる上
部リテーナ、8bは下部シールリング6bおよびベロー
ズ7bの外周に嵌着されて両者6b,7bを一体に結合
させる下部リテーナ、9はポンプ軸4の回転方向と反対
方向に巻き上げられたコイルスプリングであって、上下
シールリング6a,6bの背向面間にそれぞれリテーナ
8a,8bを介して張設される。10はオイル室3内に
おいて上述の構成からなるダブル型軸封装置11の外側
を囲繞する環状壁体であり、その内周面には、ポンプ軸
4の回転方向に向かって上り勾配の傾斜面を形成するよ
うガイドベーンGが定着されている。そして環状壁体1
0の上端縁は上部のフローティングシート5aとシール
リング6aとの摺動面12aよりも上方部においてモー
タ側ハウジング1hに接近させて内側方向へ突出する空
気巻込み防止用フランジFを付設し、該フランジFの内
周面から上面へ亘る環状間隙部をオイルの流出溝13a
に形成し、環状壁体10の下縁部はポンプ側ハウジング
2hに当接させてその当接面に沿ってオイルの流入溝1
3bが形成されるよう下縁部に切欠部を刻設しておくの
であるが、該切欠部からなる流入溝13bは前記ガイド
ベーンGの下端部裏側に近い位置に刻設されていること
が望ましい。。
【0010】オイル室3内には潤滑油が封入されるが、
その封入量はオイル室3の全容積の80%程度とし、油
面14上には空気留り15が形成されている。そしてポ
ンプ運転時にはポンプ軸4の回転に伴い、上下シールリ
ング6a,6bの背向面間に張設されているコイルスプ
リング9も環状壁体10内で回転し、環状壁体10内の
潤滑油がガイドベーンGの傾斜面に沿って押し上げら
れ、環状壁体10の外側におけるオイル室3内の潤滑油
が下部のオイル流入溝13bから環状壁体10の内側へ
流入し、環状壁体10内側の潤滑油は下部の摺動面12
bおよび上部の摺動面12aを潤滑させると共に両摺動
面12a,12bに発生する摺動熱を吸収しつつ上部の
オイル流出溝13aから環状壁体10外側のオイル室3
内へ移送されるのであるが、下部のオイル流入溝13b
は環状壁体10の最下端部に刻設されており、上部のオ
イル流出溝13aは環状壁体10の最上端部に刻設され
ているため、上記潤滑油の循環作用は極めて円滑に行わ
れる。また、環状壁体10の内側面に従来のような垂直
状の邪魔板を有しないため、油・気混合を生ずることは
ないが、環状壁体10の上縁部に空気巻込み防止用のフ
ランジFを付設した場合には一層有効である。更にま
た、上部の流出溝13aは上部の摺動面12aよりも上
方部に位置することになるので、環状壁体10内側の潤
滑油が上記摺動面12aの潤滑と熱吸収作用を確実に果
たしたうえで環状壁体10外側のオイル室3内へ移動す
る。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、潤滑油と空気が垂直状
の邪魔板に衝突して混じり合う従来のものと異なり、気
泡を含まない潤滑油が軸封装置の摺動面に保持せられる
ため潤滑性に優れ、環状壁体内外の潤滑油の循環作用が
円滑に行われることと相まって吸熱冷却効果も大きいと
いう利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を施した水中ポンプのオイル室の縦
断側面図である。
【図2】本発明装置における環状壁体の斜視図である。
【図3】本発明装置における環状壁体の底面図である。
【図4】本発明装置における環状壁体の縦断側面図であ
る。
【図5】従来の水中ポンプにおけるオイル室の縦断側面
図である。
【図6】従来の水中ポンプのオイル室内に装着される環
状壁体の斜視図である。
【符号の説明】
1 モータ室 1h モータ側ハウジング 2 ポンプ室 2h ポンプ側ハウジング 3 オイル室 4 ポンプ軸 5a 上部のフローティングシート 6a 上部のシールリング 6b 下部のシールリング 10 環状壁体 11 ダブル型軸封装置 12a 上部の摺動面 13a オイル流出溝 13b オイル流入溝 F フランジ G ガイドベーン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータ室とポンプ室との間に介在するオイ
    ル室内におけるダブル型軸封装置の外側を環状壁体で囲
    繞し、環状壁体の内周面にポンプ軸の回転方向に向かっ
    て上り勾配の傾斜面を形成するようガイドベーンを定着
    させ、環状壁体の上縁部を上部のフローティングシート
    とシールリングとの摺動面よりも上方部においてモータ
    側ハウジングに接近させてその環状間隙部をオイルの流
    出溝に形成し、環状壁体の下縁部はポンプ側ハウジング
    に当接させてその当接面に沿ってオイルの流入溝が形成
    されるよう下縁部に切欠部を設けたことを特徴とする、
    水中ポンプにおけるオイル室内軸封装置摺動面の潤滑油
    保持装置。
  2. 【請求項2】モータ室とポンプ室との間に介在するオイ
    ル室内におけるダブル型軸封装置の外側を環状壁体で囲
    繞し、環状壁体の内周面にポンプ軸の回転方向に向かっ
    て上り勾配の傾斜面を形成するようガイドベーンを定着
    させ、環状壁体の上縁部を上部のフローティングシート
    とシールリングとの摺動面よりも上方部においてモータ
    側ハウジングに接近させて内側方向へ突出するフランジ
    を付設し、該フランジの内周面から上面へ亘る環状間隙
    部をオイルの流出溝に形成し、環状壁体の下縁部はポン
    プ側ハウジングに当接させてその当接面に沿ってオイル
    の流入溝が形成されるよう下縁部に切欠部を設けたこと
    を特徴とする、水中ポンプにおけるオイル室内軸封装置
    摺動面の潤滑油保持装置。
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