JPH1143863A - 液体柔軟仕上げ剤組成物 - Google Patents

液体柔軟仕上げ剤組成物

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JPH1143863A
JPH1143863A JP9195991A JP19599197A JPH1143863A JP H1143863 A JPH1143863 A JP H1143863A JP 9195991 A JP9195991 A JP 9195991A JP 19599197 A JP19599197 A JP 19599197A JP H1143863 A JPH1143863 A JP H1143863A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間経過後においても色調及び匂いに変化
のない液体柔軟仕上げ剤組成物を得る。 【解決手段】 分子中に炭素数11〜36の直鎖もしく
は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基と、エステル結
合、酸アミド結合又はエーテル結合を含む、直鎖又は側
鎖を有することもある長鎖結合基を1又は2有する第3
級アミン化合物、それらの無機酸又は炭素数1〜6の有
機酸の塩及びそれらの4級化物、から選ばれる少なくと
も1種以上の化合物と、特定の化合物を含有しており、
組成物のpHが1.3〜5.5で、20℃の粘度が2〜
300mPa・sである液体柔軟仕上げ剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟仕上げ剤組成
物に関し、詳しくは特に合成繊維に対して、優れた柔軟
性及び弾力性(ふっくら感)を付与し、長期保存した場
合でも色調及び匂いの変化がない液体柔軟仕上げ剤組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、家庭用柔軟剤として市販されてい
る製品は、殆どが1分子中に1〜2個の長鎖アルキル基
を有する第4級アンモニウム塩を主成分としたものであ
る。これは第4級アンモニウム塩が、少量で各種繊維に
対して良好な柔軟性付与効果を示すからである。しか
し、第4級アンモニウム塩は、木綿類に対しては優れた
柔軟性の付与効果を発揮するが、アクリル系、ポリエス
テル系、ポリアミド系などの合成繊維に対しては効果が
十分とは言い難い。
【0003】また、最近では環境問題の点から分子中に
エステル基を含有するような、生分解性に優れた柔軟成
分も開発されている。この柔軟成分は、エステル基の加
水分解を抑制するため、柔軟剤のpHを酸性側に調整し
ている。ところが、柔軟剤には製品自体を着色するため
染料が配合されており、pHを低くすることにより、こ
の染料が保存中に褪色又は変色して柔軟剤の色調を変化
させるという問題をかかえている。
【0004】このような液体柔軟仕上げ剤は、通常、プ
ラスチックボトルに充填されて店頭に並べられるが、最
近では環境に対する配慮から、親容器となるプラスチッ
クボトルに詰め替えることを前提とした、親容器に比べ
ると大幅にプラスチック量を減少させ、かつ親容器の製
品よりも安価な詰め替え用の袋状の容器が使用されるよ
うになっている。そして、この袋状の容器の中身を繰り
返しプラスチックボトに充填することにより、ゴミを減
量化している。
【0005】しかし、このような袋状の容器を中身を繰
り返し親容器に充填していると、容器内に残存する柔軟
仕上げ剤の影響で、新たに充填した柔軟仕上げ剤の色調
及び匂いが変化しやすくなるという問題がある。このよ
うな問題は容器を廃棄して新しいものに買い換えれば解
決するものの、それではゴミの減量化という当初の目的
を達成できないし、繰り返し水洗することは煩雑であ
り、水資源の無駄遣いでもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決し、合成繊維に対して優れた柔軟性付与効果を有し
ており、長期保存中においても色調及び匂いに変化がな
い、液体柔軟仕上げ剤組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは柔軟仕上げ
剤組成物における染料の色調及び匂いの変化を抑制すべ
く鋭意検討した結果、特定の第3級アミン化合物と共
に、下記式(I)で示される特定の化合物を配合すること
により、上記課題が解決できることを見い出し、本発明
を完成した。即ち本発明は、下記の(a)成分を組成物
中において3〜25重量%含有し、(b)成分を組成物
中において0.1〜5重量%含有しており、組成物のp
Hが1.3〜5.5で、かつブルックフィールド型粘度
計による20℃における粘度が2〜300mPa・sである
ことを特徴とする液体柔軟仕上げ剤組成物を提供するも
のである。
【0008】(a)成分:分子中に炭素数11〜36の
直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基と、
エステル結合、酸アミド結合又はエーテル結合を含む、
直鎖又は側鎖を有することもある長鎖結合基を1又は2
有する第3級アミン化合物、それらの無機酸又は炭素数
1〜6の有機酸の塩及びそれらの4級化物、から選ばれ
る少なくとも1種以上の化合物。
【0009】(b)成分:下記式(I)で示される化合
物。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、nは1〜3の数を示す)。
【0012】なお、本発明において「色調」又は「匂
い」というときは、染料及び香料成分を含まない液体柔
軟仕上げ剤組成物本来の色調又は匂いを意味すると同時
に、液体柔軟仕上げ剤組成物に染料及び香料を配合した
場合の色調及び匂いをも意味するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】(a)成分である第3級アミン化
合物における長鎖結合基としては、分子中に炭素数11
〜23の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニ
ル基を有しているものが好ましく、少なくとも1個のエ
ステル結合を有しているものが好ましい。また、無機酸
の塩としては塩酸塩であることが好ましく、炭素数1〜
6の有有機酸の塩としては、グリコール酸、乳酸が好ま
しい。さらに、長鎖結合基以外の結合基としてはメチル
基が好ましい。
【0014】第3級アミン化合物の長鎖結合基を構成す
る直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基部
分は、ステアリン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和高級脂肪
酸のほか、牛脂、豚脂、パーム油、パーム核油、オリー
ブ油等の天然油脂を分解、精製して得られる脂肪酸から
由来するものである。これらの中でも特に、オレイン
酸、ステアリン酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸、パー
ム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、硬化パーム核油脂肪酸
が好適である。なお、不飽和高級脂肪酸としては、立体
異性体がシス体又はトランス体であっても、両者の混合
物であってもよいが、特にシス体/トランス体の比率が
25/75〜100/0(重量比)であることが好まし
い。
【0015】第3級アミン化合物の長鎖結合基がエーテ
ル結合を含む場合には、牛脂、豚脂、パーム油、オリー
ブ油を還元して得られるアルコール由来のほか、それら
からゲルベ反応によって得られる合成アルコールも使用
できる。
【0016】このような第3級アミンの例としては、下
記一般式(II)〜(V)に示すものを挙げることができる。
【0017】
【化4】
【0018】[式中;R1、R2、R4、R5、R7、R8
同一又は異なった炭素数11〜23の直鎖アルキル基又
は直鎖アルケニル基を示し、R3、R6、R9、R10 は同
一又は異なった炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキ
シアルキル基を示し、R11 は炭素数14〜36の分岐
アルキル基を示し、m、nは同一又は異なった1〜3の
数を示す]。
【0019】(a)成分としては、第3級アミン化合物
又はその無機酸もしくは炭素数1〜6の有機酸の塩と、
それらの4級化物の混合物であることが好ましく、その
混合割合は、優れた柔軟性付与効果を付与するために
は、重量比で0.01/99.99〜40/60である
ことが好ましい。
【0020】(b)成分としては、式(I)中のnが1又
は2であることが好ましく、特に1であることが好まし
い。
【0021】液体柔軟仕上げ剤組成物中における(a)
成分の含有量は、衣類への柔軟性付与効果が高く、低粘
度で使いやすい組成物を得るためには、3〜25重量%
であり、好ましくは3.5〜25重量%であり、特に好
ましくは12〜25重量%である。
【0022】液体柔軟仕上げ剤組成物中における(b)
成分の含有量は、匂い及び色調の安定性を保持し、経済
性を考慮すると、0.1〜5重量%であり、好ましくは
0.1〜4重量%であり、特に好ましくは0.1〜2重
量%である。
【0023】液体柔軟仕上げ剤組成物のpHは、組成物
の色調及び匂いの安定性を保持し、さらに(a)成分の
安定性を保持するためには、1.5〜5.5であり、好
ましくは1.5〜5.0であり、特に好ましくは1.5
〜4.7である。
【0024】液体柔軟仕上げ剤組成物の粘度は、使いや
すさと衣類への適度な浸透性を確保するためには、ブル
ックフィールド型粘度計による20℃の粘度が2〜30
0mPa・sであり、好ましくは4〜260mPa・sであり、特
に好ましくは4〜200mPa・sである。このように組成
物の粘度を調整する方法として、組成物に無機塩又は炭
素数2〜7の有機塩を添加する方法、具体的には塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネ
シウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグ
ネシウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸マグネ
シウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、グリコー
ル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、グリ
コール酸カリウム、乳酸ナトリウム等を約1〜5000
ppm添加する方法を挙げることができる。
【0025】液体柔軟仕上げ剤組成物には、本発明の目
的を達成する上で、さらに(C)成分としてエタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール及び
2−フェニルエタノールから選ばれる1種以上を含有さ
せることができる。これらの中でもエタノール、イソプ
ロパノール、エチレングリコール、グリセリンが好まし
い。この(c)成分の含有量は、0.01〜15重量%
であることが好ましい。
【0026】液体柔軟仕上げ剤組成物には、組成物を着
色するため及び組成物に芳香を付すため、さらに(d)
成分として水溶性染料又は香料を含有させることができ
る。この染料としては、染料便覧(有機合成化学協会
編,昭和45年7月20日発行,丸善株式会社)に記載の
水溶性染料(20℃における溶解度が0.01g/リッ
トル以上)を挙げることができ、その中でも好ましくは
酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応性染料及び媒染
・酸性媒染染料から選ばれる1種以上を挙げることがで
きる。染料の含有割合は、0.1〜100ppmであるこ
とが好ましい。また香料としては、シッフ塩基、テルペ
ン類、アセタール類、アミノ酸類、ニトロ基類、ニトリ
ル基類、アルデヒド基類、アルコール類、エーテル類、
オキシド類、ラクトン類、ケトン類、エステル類、フェ
ノール類及び天然/塩基類等から選ばれる1種以上を挙
げることができる。香料の含有割合は、0.05〜1重
量%であることが好ましい。
【0027】液体柔軟仕上げ剤組成物には、さらにその
他の成分として、柔軟剤に配合される公知の脂肪酸、脂
肪酸と多価アルコールとのエステル化物、長鎖アルコー
ルのアルキレンオキシド付加物、シリコーン等の添加物
を含有させることができる。
【0028】
【実施例】以下において実施例により本発明をさらに詳
しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0029】実施例1〜18及び比較例1〜4 表1〜表4に示す(a)〜(d)成分と、表5に示した
その他の成分及び水を用いて、表6及び7に示す液体柔
軟仕上げ剤組成物を製造した。表中の数値は重量%表示
である。組成物のpHは、塩酸又は水酸化ナトリウムを
用いて調整した。粘度は塩化カルシウムを用いて調整
し、下記の方法により測定した。これらの組成物を用
い、下記の方法により、色調及び匂いについての製品保
存試験をした。結果を表6及び7に示す。
【0030】<粘度測定法>表6、表7に示す各液体柔
軟仕上げ剤組成物200gを内径55mm、高さ110mm
の円筒形ガラスビーカーに入れ、ラップでシールし、恒
温水槽にて20℃に設定保持した。組成物の温度が20
℃になってから1時間後、東京計器(株)製BM型粘度計
に取り付け、ローターを試料に15分間漬けたのち、6
0rpmで3分間回転させ、停止させたときの指示値を読
みとり、下記式から粘度を求めた。なお、ローターは粘
度計の指示値が20〜90に入るものを選んだ。 粘度(mPa・s)=粘度計の指示値×各ローター60rpmに
おける換算乗数 <製品保存試験>表6及び7の各液体柔軟仕上げ剤組成
物800mlを容量900mlのキャップ付きの不透明なプ
ラスチックボトルに入れ、1日2回キャップを開けて2
0mlを排出し、キャップを閉じる操作(1回目と2回目
の間隔は1時間とした)を、中身がなくなるまで毎日繰
り返した。その後、中身がなくなったら再び同じ組成物
800mlを入れるまでの操作を1サイクルとし、これを
150サイクル繰り返したのち、プラスチックボトル内
の液体柔軟仕上げ剤組成物の色調及び匂いを、新しく調
製した同じ液体柔軟仕上げ剤組成物と下記の基準で比較
した。この試験は25℃にて行った。 × 著しい変色又は褪色が認められる/著しい匂いの変
化が認められる △ やや変色又は褪色が認められる/かなりの匂いの変
化が認められる ○ 若干の変色又は退色が認められる/若干の匂いの変
化が認められる ◎ 色及び匂いの変化なし
【0031】
【表1】
【0032】a−1:特開平1−16278号 a−2:特開平5−230001号 a−3:US4137180号 a−4:EP721936号 a−5:特開平8−120570号 a−6:特開平5−230001号 a−7:特開平5−230001号 a−8:US4137180号
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
【表7】
【0039】表6及び7から明らかなとおり、通常の使
用状態よりも過酷な条件下における試験にもかかわら
ず、本発明品はいずれも色調及び匂いの変化が全くない
か、殆ど認められなかった。特に、(a)及び(b)成
分のみの実施例1、2、8及び9と、(a)成分のみの
比較例1との比較により、本発明における(b)成分の
有効性が顕著に発現していることが確認された。また、
実施例1〜19の各組成物を用いて、アクリル系、ポリ
エステル系、ポリアミド系合成繊維製の衣類を洗濯した
ところ、いずれの衣類も柔らかく、ふっくらとした弾力
感のある仕上がりであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の柔軟仕上げ剤組成物は、合成繊
維に対する染着性がなく、保存安定性も高い。よって、
単に長期間保存した場合は勿論のこと、容器内の柔軟仕
上げ剤組成物を入れ替えながら長期間使用した場合で
も、組成物の色調及び匂いに変化が生じることがない。
また、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系など
の合成繊維製の衣類に対しても優れた柔軟仕上げ効果を
有している。従って、本発明の柔軟仕上げ剤組成物を詰
め替え用の袋状の容器に充填し、販売した場合、需要者
が従来よりも長い期間にわたって同一のプラスチックボ
トルを繰り返し使用できるようになる。このため、ゴミ
の減量化にも貢献することができ、より安価な製品を購
入し続けることで需要者の得る利益も大きい。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)成分を組成物中において3
    〜25重量%含有し、(b)成分を組成物中において
    0.1〜5重量%含有しており、組成物のpHが1.3
    〜5.5で、かつブルックフィールド型粘度計による2
    0℃における粘度が2〜300mPa・sであることを特徴
    とする液体柔軟仕上げ剤組成物。 (a)成分:分子中に炭素数11〜36の直鎖もしくは
    分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基と、エステル結
    合、酸アミド結合又はエーテル結合を含む、直鎖又は側
    鎖を有することもある長鎖結合基を1又は2有する第3
    級アミン化合物、それらの無機酸又は炭素数1〜6の有
    機酸の塩及びそれらの4級化物、から選ばれる少なくと
    も1種以上の化合物。 (b)成分:下記式(I)で示される化合物。 【化1】 (式中、nは1〜3の数を示す)
  2. 【請求項2】 (a)成分の第3級アミン化合物が、下
    記の一般式(II)、(III)、(IV)又は(V)で表されるものであ
    る請求項1記載の液体柔軟仕上げ剤組成物。 【化2】 [式中;R1、R2、R4、R5、R7、R8は同一又は異な
    った炭素数11〜23の直鎖アルキル基又は直鎖アルケ
    ニル基を示し、R3、R6、R9、R10 は同一又は異なっ
    た炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基
    を示し、R11 は炭素数14〜36の分岐アルキル基を
    示し、m、nは同一又は異なった1〜3の数を示す]。
  3. 【請求項3】 さらに(C)成分としてエタノール、イ
    ソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリ
    コール、グリセリン、ペンタエリスリトール及び2−フ
    ェニルエタノールから選ばれる1種以上を含有する請求
    項1記載の液体柔軟仕上げ剤組成物。
  4. 【請求項4】 さらに(d)成分として水溶性染料又は
    香料を含有する請求項1記載の液体柔軟仕上げ剤組成
    物。
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