JPH1143701A - 金属射出成形用バインダーおよびこれを用いた成形法 - Google Patents

金属射出成形用バインダーおよびこれを用いた成形法

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JPH1143701A
JPH1143701A JP18156797A JP18156797A JPH1143701A JP H1143701 A JPH1143701 A JP H1143701A JP 18156797 A JP18156797 A JP 18156797A JP 18156797 A JP18156797 A JP 18156797A JP H1143701 A JPH1143701 A JP H1143701A
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JP
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water
binder
green body
injection molding
metal
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JP18156797A
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Katsunori Suzuki
克典 鈴木
Toshiharu Fukushima
敏晴 福島
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Yamaha Corp
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Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属粉末とバインダーとを混練し、これを射
出成形してグリーン体とし、このグリーン体を脱脂し、
ついで焼結する金属射出成形法において、グリーン体の
脱脂が短時間で行え、射出成形温度を低温とし、しかも
グリーン体にクラックや割れが生じにくく、大型のグリ
ーン体を成形できるようにする。 【解決手段】 ゼラチン、にかわ、カゼインなどの水に
溶解してゾルーゲル可逆反応を示すタンパク質系物質
と、硫酸アルミニウムなどの多価金属塩とを水に溶解し
たバインダーを用いる。ポリエチレングリコールなどの
水溶性ポリマーを更に添加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属粉末から金
属製部品などを製造する金属射出成形法およびこれに用
いられるバインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】金属射出成形法は、金属微粉末とバイン
ダーとを混練し、この混練物を射出成形機によって射出
成形し、所望の立体形状を有するグリーン体とする。つ
いで、このグリーン体を加熱し、バインダーの一部を分
解、除去して脱脂を行い、ついでこれを高温で加熱し、
焼結して金属部品等を得るものである。
【0003】このような金属射出成形法において使用さ
れるバインダーとしては、アクリル系樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体な
どの熱可塑性樹脂とワックスとの混合物が主に使用され
ている。すなわち、ワックスと熱可塑性樹脂との混合物
を加熱、溶解しておき、これに加熱した金属粉末を徐々
に添加し、温度約150〜200℃で混練する方法がと
られている。
【0004】しかしながら、このようなバインダーを使
用するものでは、グリーン体を脱脂する際の脱脂温度が
高く、かつ脱脂時間が極めて長い欠点があり、全製造工
程時間の大部分がこの脱脂工程に費やされる不都合があ
る。このような不都合を解決するバインダーとして、寒
天などの天然多糖類の水溶液を使用し、これのゾルーゲ
ル可逆反応を利用するものが提案されている(特開平6
−313064号公報参照)。このバインダーでは、バ
インダー中の約80%以上が水であるため、脱脂は先の
ものに比べて極めて容易になると言う利点がある。
【0005】しかし、この天然多糖類水溶液のバインダ
ーにあっては、射出成形をゾル状態の流動性のある状態
で行わねばならないために射出成形温度が92〜98℃
と水の沸点に近い、高温で行わねばならず、しかも水の
沸点を避けるために射出温度を精度よく調節する必要が
ある。また、寒天等のゲルは、脆く、柔軟性に欠くため
に、グリーン体にクラックや割れなどが入りやすく、取
扱いが面倒であるなどの不都合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、グリーン体の脱脂が容易であり、射出成形温
度を低温とすることができ、しかもグリーン体にクラッ
ク等が入りにくく、大型のグリーン体を成形することが
できる金属射出成形用バインダーを得ることにある。ま
た、このバインダーを用いた金属射出成形法を得ること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、水に溶解
してゾルーゲル可逆反応を示すタンパク質系物質と多価
金属塩とを水に溶解したバインダー、もしくはこれに水
溶性ポリマーを加えたバインダーおよびこのバインダー
を用いた成形法によって解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のバインダーに用いられる水に溶解してゾルーゲ
ル可逆反応を示すタンパク質系物質としては、粒径0.
1〜1mm程度の粉末状のゼラチン、にかわ、カゼイ
ン、フィブロイン、セリシンなどが挙げられるが、なか
でもゼラチンが好適である。このタンパク質系物質は、
温水に可溶であり、その水溶液は温度の上昇および降下
に伴ってゲル状態からゾル状態に、ゾル状態からゲル状
態に可逆的に相変化するものである。また、ゼラチンに
はそのゼリー強度が250ブルーム(JISK650
3)以上のものが好ましい。
【0009】また、多価金属塩としては、アルミニウ
ム、銅、チタンなどの2価以上のイオン価を持つ金属の
塩化物や硫酸塩などが用いられ、具体的にはAl2 (S
4 3 、Cu(SO4 )、Ti2 (SO43 、Ti
OSO4 、Ti(SO42 、MgCl2 、AlCl3
などの一種または2種以上が用いられる。 この多価金
属塩は、タンパク質系物質の分子内のカルボン酸残基
(−COOH)とイオン結合を行うことによりタンパク
質系物質を疑似的に架橋するものであり、これにより、
タンパク質系物質のゲルの強度が高められる。
【0010】水溶性ポリマーとしては、ポリエチレング
リコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PV
A)、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアセタール系樹脂、
ポリ(メタ)アクリル酸エステル系樹脂などが1種また
は2種以上混合して用いられる。この水溶性ポリマー
は、グリーン体の機械的強度を付加的に高めるものであ
る。本発明のバインダーは、水100部(重量部、以下
同様)に対してタンパク質系物質10〜35部、好まし
くは20〜25部と、多価金属5〜15部とを溶解した
ものあるいはこれに更に水溶性ポリマー5〜20部を溶
解したものであり、これに防腐剤としてのギ酸、安息香
酸、安息香酸ナトリウム、射出成形時の滑剤としてのス
テアリン酸、エルカ酸、高級脂肪酸の金属石ケン分散
剤、界面活性剤などを必要に応じて添加することができ
る。
【0011】上記バインダーの組成において、タンパク
質系物質が10部未満では金属粉末を結合する効果が得
られず、35部を越えるとゾル状態での粘度が高くなり
すぎて、混練が困難となる。また、多価金属塩が5部未
満ではゲルの強度を高める効果が不十分であり、15部
を越えると、ゾルの粘度が高くなりすぎる。また、水溶
性ポリマーが5部未満では、添加効果が得られず、20
部を越えると脱脂時間が長くなり、不都合となる。
【0012】このようなバインダーは、例えば80〜9
0℃に加温した温水にゼラチンなどのタンパク質系物
質、多価金属塩および必要に応じて水溶性ポリマーを加
え、よく撹拌、混合して溶解することによって調製する
ことができる。また、場合によっては、温水にタンパク
質系物質および水溶性ポリマーを溶解して一次バインダ
ーとし、この一次バインダーに金属粉末を加えて混練す
る際に、多価金属塩もしくはこれの水溶液を加えてバイ
ンダーとすることもできる。
【0013】次に、このバインダーを用いた金属射出成
形法について説明する。原料となる金属粉末には、ガス
アトマイズ法、水アトマイズ法、高圧水アトマイズ法な
どによって得られた鉄、ステンレス鋼などの鋼、タング
ステン、チタン、ニッケルなどの粒径100μm以下、
好ましくは20μm以下の球状、真球状の微粉末が用い
られる。この金属粉末に対して上記バインダーを40〜
60体積%の割合で加え、混練する。混練温度は、70
〜80℃とされ、バインダーがゾル状態を示す温度で行
われる。この際、金属粉末を数回に分けて加えることが
好ましい。また、上述のように、一次バインダーと金属
粉末とを混練しながら、多価金属塩もしくはこれの水溶
液を追加添加して混練することもでき、これによれば、
多価金属塩を添加するまでは混練物の粘度が低いので、
混練が容易となる。
【0014】混練後、これを造粒してペレット状とした
のち、射出成形して、所望形状のグリーン体とする。射
出成形温度は、バインダーがゾル状態を保つ70〜90
℃とされる。射出成形後のグリーン体は常温まで冷さ
れ、バインダーがゲル状態となって、その形状が保持さ
れる。ついで、得られたグリーン体を脱脂し、バインダ
ー由来の水およびタンパク質系物質、水溶性ポリマーの
一部を除去する。この除去の際、水のみを除去して焼結
へ移行することもできる。
【0015】この脱脂には、種々の方法があるが、グリ
ーン体を加熱し、常温より徐々に高めて100〜150
℃で水を除去し、さらに200〜400℃に加熱して、
タンパク質系物質、水溶性ポリマーの一部を熱分解して
除去する方法や、グリーン体を凍結乾燥し、バインダー
がゲル状態を保ったまま、大部分の水を除去し、ついで
加熱してタンパク質系物質、水溶性ポリマーの一部を除
去する方法などが好ましく、特に後者の方法によれば、
グリーン体の割れ、クラックを防止できる点で望まし
い。また、この脱脂を真空または不活性ガス雰囲気下で
行い、金属粉末の酸化を防止することが望ましい。この
脱脂によって、グリーン体の含水率は5〜25重量%と
なる。
【0016】ついで、この脱脂後のグリーン体を加熱炉
にて加熱して焼結して、所望形状の金属製品とする。加
熱は、真空または不活性ガス雰囲気下で温度1300〜
1500℃程度にまで昇温して行われる。
【0017】このようなバインダーおよびこのバインダ
ーを用いた金属射出成形法にあっては、ゼラチンなどの
タンパク質系物質の水溶液を主体としているので、脱脂
時間が極めて短時間で済む。また、タンパク質系物質の
水溶液のゾル化温度が低く、これにより射出成形温度を
70〜80℃の比較的低温にすることができ、そのよう
な低温成形により成形金型の寿命も延びる。また、多価
金属塩の併用により、タンパク質系物質が疑似架橋構造
をとるので、得られるグリーン体は良好な弾性、可撓
性、強度、保形性を有し、クラックや割れが生じること
がなく、大型のグリーン体を成形でき、さらには一旦成
形したグリーン体を再度加工して変形させてから脱脂す
ることなども可能となる。
【0018】以下、具体例を示し、本発明の作用、効果
を明確にする。なお、本発明は以下の具体例に限定され
るものではない。 (具体例) −バインダーの調整− ゼラチン20部、硫酸アルミニウム5部を90℃の温水
100部に溶解してバインダーAとした。寒天20部を
90℃の温水100部に溶解してバインダーBとした。
【0019】−金属射出成形− ガスアトマイズ法によって得られた粒径10〜20μm
の球状のステンレス鋼粉末を予め約90〜100℃に加
温し、これの100容量部を80℃に保温した上記バイ
ンダーA、B100容量部に3回に分けて添加し、混練
したのちペレット化し、これを射出温度70℃または9
0℃(バインダーBについて)、金型温度20℃で射出
成形し、厚さ10mm、幅15mm、長さ100mmの
短冊状のグリーン体を得た。このグリーン体の常温(2
5℃)でのJIS−K−6911に準じた曲げ強さを測
定した。但し、支持間隔は50mmとし、加圧速度1.
0mm/分とし、加圧片先端Rは10mmとし、曲げ強
さはグリーン体の破壊にいたるまでの加圧片の押し下げ
量(mm)によって表した。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】ついで、このグリーン体を凍結乾燥装置に
いれ、温度−10〜−15℃、圧力10-2トール、時間
60分の条件で凍結乾燥し、含水率約10wt%まで水
を除去し、ついで圧力10-3トールで常温から昇温速度
1〜2℃/時間で300℃まで加熱して脱脂し、引きつ
づいて昇温速度7〜8℃/時間で1350℃まで昇温
し、この温度を2時間保持する焼結条件により焼結し
て、ステンレス鋼製板状部材を製造した。このステンレ
ス鋼製板状部材の相対密度を測定し、表1に示した。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の金属射
出成形用バインダーにあっては、脱脂工程が短縮され、
射出成形温度が低くなり、しかも得られるグリーン体の
強度が高く、保形性に富み、大型のグリーン体を成形す
ることができるなどの優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に溶解してゾルーゲル可逆反応を示す
    タンパク質系物質と、多価金属塩と、水とからなる金属
    射出成形用バインダー。
  2. 【請求項2】 水に溶解してゾルーゲル可逆反応を示す
    タンパク質系物質と、多価金属塩と、水溶性ポリマー
    と、水とからなる金属射出成形用バインダー。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の金属射
    出成形用バインダーと金属粉末とを混練し、この混練物
    を射出成形してグリーン体とし、このグリーン体から少
    なくとも水を除去したのち、焼結する金属射出成形法。
JP18156797A 1997-05-30 1997-07-07 金属射出成形用バインダーおよびこれを用いた成形法 Withdrawn JPH1143701A (ja)

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JP9-142825 1997-05-30
JP14282597 1997-05-30
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003073707A (ja) * 2001-08-29 2003-03-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 水溶性バインダーを用いた金属射出成形法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003073707A (ja) * 2001-08-29 2003-03-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 水溶性バインダーを用いた金属射出成形法

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Effective date: 20040907