JPH1140764A - 半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体記憶装置及びその製造方法

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JPH1140764A
JPH1140764A JP9190336A JP19033697A JPH1140764A JP H1140764 A JPH1140764 A JP H1140764A JP 9190336 A JP9190336 A JP 9190336A JP 19033697 A JP19033697 A JP 19033697A JP H1140764 A JPH1140764 A JP H1140764A
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substrate
semiconductor
impurity concentration
memory device
concentration
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JP9190336A
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Kiyoshi Takeuchi
潔 竹内
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 しきい値ばらつきを小さくすること。 【解決手段】 半導体基板4の不純物濃度を、実曲線J
1に示すように半導体基板4の表面付近において半導体
基板4の深い部分よりも低くなるよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体記憶装置及び
その製造方法に関し、特に半導体としてMISFET
(Metal Insulator Semicond
uctor Field Effect Transi
stor)を使用した半導体記憶装置及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイナミック・ランダム・アクセス・メ
モリ(以下、DRAM(ランダム・アクセス・メモリ)
ともいう。)は、記憶セルの構成が単純で微細化しやす
いため、大容量メモリとして広く用いられる。
【0003】図10は従来の半導体記憶装置の一例の回
路図である。このDRAMはMISFET1個とコンデ
ンサ1個とから成る、通称1T1C型のDRAM記憶セ
ルである。
【0004】このDRAM記憶セルは、セル・トランジ
スタ101とコンデンサ102とが直列に接続され、ト
ランジスタ101のコンデンサ102と接続されない側
のソース・ドレイン端子がビット線103に、トランジ
スタ101のゲート電極がワード線104に接続され
る。
【0005】記憶セルは同図の縦横方向に多数、周期的
に配列され、ビット線103は縦方向に並ぶ複数の記憶
セルに共通に、ワード線104は横方向に並ぶ複数の記
憶セルに共通に接続される。
【0006】コンデンサ102の電圧VCAP が基準電圧
(普通は電源電圧の1/2)より大か小かで1と0の情
報を記憶する。プレート電圧VPLと基板電圧VSUB は通
常全記憶セルに対し同一かつ一定である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、DRAMを適
切に動作させるためには、セルに用いるMISFET1
01のしきい値VTHが、高すぎず低すぎないある範囲に
収める必要がある。所望の時間(リフレッシュ間隔)の
間コンデンサ102に蓄えられた電荷量の放電による喪
失量が十分小さいように、しきい値VTHはある下限値よ
り小さくなってはならない。
【0008】一方、1を書き込む際コンデンサに十分高
い電圧が印加できるように、しきい値VTHはある上限値
より大きくなってはならない。なぜなら、コンデンサ1
02に高電圧を書き込む際、たかだかワード線電圧Vwl
からしきい値VTHを差し引いた値までしかコンデンサ電
圧VCAP を高められないからである(VCAP =VWL−V
THとなったとき、MISFET101は非導通とな
る)。
【0009】DRAMの微細化の進展に伴い、MISF
ETのゲート絶縁膜が薄くなり、ゲート絶縁膜を破壊さ
せないようにワード線電圧VWLは低下させざるを得ず、
しきい値VTHの上限値は小さくなる。一方、しきい値V
THの下限値は微細化によって減少することはない。この
結果、許されるしきい値VTHの範囲は微細化によって狭
まってきている。しきい値VTHは温度変化や特性ばらつ
きによって変動する。この変動量が上記許容範囲に収ま
らないなければ、DRAMは誤動作を起こす。
【0010】以上のことから、より大規模なDRAMを
実現するために、MISFETの特性ばらつき、特にし
きい値VTHばらつきを小さくすることが必要となる。し
きい値VTHばらつきのうち、製造プロセスの場所的不均
一により発生するものは、プロセスの均一性を向上する
ことで改善できる。しかし、それ以外に、トランジスタ
のチャネルとなる基板内に導入された、不純物のミクロ
なゆらぎにより生ずるしきい値VTHばらつきが存在す
る。
【0011】すなわち、微細なMISFETのチャネル
領域(厳密にはチャネル下の空乏層領域)に存在する不
純物の数は、幅と長さが0.1μmのMISFETを想
定すると、例えば平均して300個に過ぎない。1個1
個の不純物の配置はイオン注入や拡散により導入されて
いるためランダムであり、その平均的濃度が確定してい
るだけである。このため個々のMISFET内の不純物
数は、320個であったり、280個であったりし得
る。このような不純物配置のランダムさによるしきい値
VTHばらつきは、プロセスの改善を十分行っても取り除
くことはできず、MISFETの微細化にともなって大
きくなる。
【0012】上記不純物ゆらぎによるしきい値VTHばら
つきの影響は、特に大規模DRAMにおけるメモリ・セ
ル・トランジスタにおいて深刻である。DRAMセル・
トランジスタにおいては、チャネル長、チャネル幅とも
にぎりぎりまで(加工可能な最小寸法まで)微細化する
必要がある。また、電荷保持のためにしきい値VTHを比
較的高く(典型的には1V程度)設定することから、基
板不純物濃度を高める必要がある。
【0013】これら2点は、後に示す数1と数2によ
り、ともに不純物ゆらぎを増大させる要因である。加え
てDRAMにおいては極めて多数の記憶セル間でしきい
値VTHが均一であることが要求される。許容されるしき
い値の平均からのずれをD、しきい値の標準偏差をΔV
THとしたとき、1個のトランジスタについてしきい値V
THが許容範囲に入る確率を十分高めるには概ねΔVTH<
Dであればよい。
【0014】しかし、例えば256M個のトランジスタ
すべてが許容範囲に入る確率を十分高めるには、概ねΔ
VTH<D/6が必要となり、ばらつきを厳しく抑える必
要がある。従って、しきい値ばらつきを小さくすること
が困難であった。
【0015】又、この種の技術が特開昭59−1526
60号公報、特開昭62−213273号公報、特開昭
62−224066号公報、特開昭63−239861
号公報及び特開平1−160047号公報等に開示され
ているが、しきい値ばらつきを小さくすることに関して
は開示されていない。
【0016】そこで本発明の目的は、しきい値ばらつき
を小さくすることができる半導体記憶装置及びその製造
方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、容量素子と絶縁ゲート型電界効果トランジ
スタとにより記憶セルが構成される半導体記憶装置であ
って、その半導体記憶装置を前記絶縁ゲート型電界効果
トランジスタのチャネル領域における基板不純物濃度の
深さ方向分布が、基板表面において、反転層直下に形成
される空乏層の下端においてよりも低くなるよう構成し
たことを特徴とする。
【0018】本発明による他の発明は、半導体記憶装置
の製造方法であって、その製造方法を素子分離絶縁膜を
形成する第1の工程と、その後半導体基板上に選択的に
所定の不純物濃度の半導体をエピタキシャル成長させる
第2の工程を少なくとも1回有するよう構成したことを
特徴とする。
【0019】本発明によれば、基板不純物濃度の深さ方
向分布が、基板表面において、反転層直下に形成される
空乏層の下端においてよりも低くなるよう構成すること
により、しきい値ばらつきを小さくすることができる。
【0020】本発明による他の発明によれば、素子分離
絶縁膜を形成する第1の工程と、その後半導体基板上に
選択的に所定の不純物濃度の半導体をエピタキシャル成
長させる第2の工程を少なくとも1回行うことにより、
しきい値ばらつきを小さくすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、以後の説明にて必要な空乏
層、反転層、フラットバンド電圧等について簡単に説明
する。図14〜16は半導体基板の深さとエネルギとの
関係を示す特性図(バンド図)である。
【0022】図14〜16において、横方向は深さ、縦
方向はエネルギを示す。又、EC以上は可動電子、EV
以下は可動正孔が存在し得る領域で、前者を伝導体、後
者を荷電子帯と称する。
【0023】帯=バンドとは、電子や正孔が存在できる
エネルギの範囲をいう。ECとEVとの間はどちらも存
在しないバンドギャップ(禁制帯)と称する。
【0024】ゲートの電圧に応じて半導体内の電位が曲
がるため、バンドもつられて曲がることになる。ある電
圧をゲートに掛けると、図16に示すようにバンドが平
らな(フラットバンド)状態となる。このとき、ゲード
にかける電圧をフラットバンド電圧と称し、これはゲー
トと半導体の材料により決定される。
【0025】p型基板(nチャネルMISFETに対
応)のバンドを曲げていくと、まず図14に示すように
バンドの曲がりがある領域で基板の正孔が表面から追い
出される。この領域を空乏層と称する。
【0026】さらに、バンドを曲げて、ECが基板表面
でフェルミレベルEFに接近すると、表面に急激に多数
の電子が発生する。これを反転と称し、表面の電子の層
を反転層と称する。
【0027】一旦反転が起きると、ゲート電圧をさらに
かけても空乏層の幅はほぼ一定となる。この状態の空乏
層の幅を本発明ではWDEP と称する。
【0028】なお、反転層の厚さは非常に薄く、事実上
厚さはないとみなしている。すなわち、WDEP は基板表
面から空乏層端までを表している。
【0029】ΨS は図15に示すように、反転時におけ
る空乏層の端と端での電位差を表すが、「反転時」の定
義はあいまいである。これは電子の発生量はゲート電圧
の連続関数(ECがEFに近づくにつれて指数関数的に
増える)であるためである。
【0030】基板の深いところでのEF・EV間の電位
差と基板の表面でのEC・EF間の電位差とが等しくな
ったところと定義するのがよく用いられる「反転」の定
義であるが、逆にΨS によって反転が定義されると見る
こともできる。とにかく、反転は基板表面のECがEF
に接近すると発生する。
【0031】なお、WDEP はソースと基板との間の電圧
で変化する。
【0032】次に、本発明の根拠となる数式等について
説明する。本発明は、チャネル領域における基板不純物
濃度とその深さ分布が、不純物のミクロなゆらぎによる
しきい値ばらつきにいかなる影響を与えるかという知見
を応用したものである。
【0033】図13はセル・トランジスタ(MISFE
T)の基本構成を示す断面図である。セル・トランジス
タは、ゲート1と、ゲート絶縁膜2と、ソース・ドレイ
ン拡散層3と、空乏層32と、反転層31と、これら反
転層31、ソース・ドレイン拡散層3、空乏層32とが
形成される基板5とからなる。
【0034】即ち、反転層(チャネル領域)31とは、
図13においてゲート電極1直下であって、両側のソー
ス・ドレイン拡散層3で挟まれた半導体領域を表す。
【0035】WDEP は前述したように基板5の表面から
空乏層32の端部までの深さを表している。
【0036】理論的および実験的検討により、上記しき
い値ばらつきが以下の2式によって記述されることを発
見した。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】 ここで、ΔVTHはしきい値の標準偏差、qは電荷素量、
COXはゲート絶縁膜容量(単位面積あたり)、WDEP は
MISFETが反転したときの反転層下の空乏層の深
さ、Kは一辺WDEP の正方形を単位としたチャネルの面
積、NSUS (x)はチャネル領域における基板不純物濃
度(深さの関数)、xは基板表面を原点とした深さ方向
の位置座標、である。
【0039】特に、基板濃度が深さ方向に一定の場合を
考えると NEFF =NSUB であり、また数1よりしきい値ばらつきの標準偏差は基
板濃度が大きいほど増す。NEEF はしきい値ばらつきに
関して実効的な基板濃度を与え、以後これを実効基板濃
度と呼ぶ。NEEF はしきい値ばらつきの指標であり、こ
れが大きいほどしきい値ばらつきが増加する。なお、数
1、数2におけるWDEP は、公知の以下の2式を連立す
ることにより決定される。
【0040】
【数3】
【0041】
【数4】 ここで、E(x)は半導体中の深さ方向の電界、εS は
半導体基板の誘電率、ΨS は反転時のバンドの曲がり
(シリコンの場合約1V)、VBSはソースを基準とした基
板の電位(基板バイアス)である。
【0042】ある微小領域内の不純物の平均数をn(n
は正の整数)とすると、同領域内の不純物数は2項分布
に従い、その標準偏差はnの平方根で与えられ、nが大
きいほど大きい。
【0043】一方、ある数の不純物ゆらぎがもたらすし
きい値のずれは、微小領域の基板表面からの距離に依存
する。基板表面から離れるほど(xが大なほど)不純物
数ゆらぎのしきい値への影響は小さくなり、x=WDEP
に至ると影響がなくなる。
【0044】数1、数2はこれらの現象を定量的に表す
ものである。数1、数2より一般に不純物濃度を減らす
ほどばらつきは小さくなる。また、基板表面に近い不純
物を減らすほうが、深い部分の不純物を減らすよりも、
ばらつきを小さくする効果が大きい。
【0045】このような不純物濃度やその深さ分布を変
えることによるばらつき低減の効果は、実効基板濃度が
どれだけ小さくなるかによって定量的に記述できる。
【0046】本発明の本質は、望ましいMISFET特
性を維持しつつ、実効基板濃度を下げることによりしき
い値ばらつきを減少させることにある。ここでDRAM
セル・トランジスタにおいて維持すべき重要なMISF
ET特性は、短チャネル効果の抑制と十分高いVTHの確
保である。
【0047】短チャネル効果とは、ソースとドレインか
ら横方向に伸びた空乏層が互いに重なり合うために、ソ
ース・ドレイン間の電流遮断が不十分となったり、チャ
ネル長のわずかな変動によって特性が大きく変動する現
象であって、集積回路の安定した製造を可能にするため
には十分抑制されなければならない。
【0048】MISFETの基板表面に低不純物濃度層
を設けると、数2より効果的に実効基板濃度を下げるこ
とができる一方、低不純物濃度層より深い部分の濃度が
高く保たれることによりソース・ドレインからの空乏層
の伸びが抑えられ、短チャネル効果の劣化は防止され
る。
【0049】ただし単に基板表面濃度を下げただけでは
VTHが低下する。すでに述べたように、電荷を十分長時
間保持できるように、VTHはある程度高くする必要があ
る。
【0050】VTH低下を防ぐ第1の方法は、前述したよ
うに低不純物濃度層の直下で不純物濃度を高めることで
ある。深い部分での濃度増加は、数2より実効基板濃度
をあまり増加させないから、VTHばらつきを抑えながら
VTHを所望の値まで高められる。
【0051】VTH低下を防ぐ第2の方法は、ゲート電極
の仕事関数を調節してVTHを高めることである。VTH低
下を防ぐ第1の方法には、基板効果を増加させるという
望ましくない副作用がある。これを防ぐには、濃度分布
が表面から順に低濃度、高濃度、低濃度、となるように
する。これにより、基板逆バイアスが増加したとき空乏
層が深い低濃度部分に広がるようになり、基板効果が抑
えられる。なお、短チャネル効果の劣化を許容すれば、
単純に基板濃度を低下させ、VTH低下を防ぐ第2の方法
と組み合わせることが有効となる。
【0052】次に、本発明の理解を容易とするため、図
10の従来の半導体記憶装置の一例の動作について念の
為説明しておく。
【0053】このDRAMセルは、1個のコンデンサ1
02と1個のMISFET(セル・トランジスタ)10
1とからなり、コンデンサの電圧VCAP の高低を1と0
に対応させることで情報を記憶する。
【0054】MISFETとしてはnチャネル型素子を
用いることが一般的なので、以後特に断らない限り、電
圧の極性はセル・トランジスタ101がnチャネル型素
子である場合について説明する。セル・トランジスタと
してpチャネル型素子を用いても良いが、その場合は以
後の記述で電圧の正負を適宜読み替えれば良く、この読
み替えは当該分野の通常の知識を有する者にとっては容
易である。
【0055】情報の書き込みは、ビット線電圧VBLを所
定の値(例えば、書き込む情報が0なら0V、1なら
2.5V)とし、ワード線電圧VWLを高電位(例えば
3.5V)としてMISFETを導通させることで行
う。読み出しはビット線103を浮遊状態とした後、V
WLを高電位としてMISFET101を導通させ、コン
デンサ102から流出した電荷量に応じて起こるVBLの
微小変動をビット線103に接続されたセンスアンプで
増幅することで行う。増幅された電圧は直ちにVBLに印
加され、結果としてコンデンサ102には読み出された
データに応じた電圧が書き戻される(リフレッシュ)。
コンデンサ102からはリークにより電荷が徐々に失わ
れるが、定期的に読みだしを行うことで書き戻しが行わ
れ、情報が保持される。
【0056】図10の回路の実際の構造として4Mビッ
ト以上のDRAMでは、大きく分けてコンデンサを基板
の上方に形成する構造と、基板の内部に埋め込むように
形成する構造とが用いられる。典型的な記憶セルの構造
例を図11と図12に示す。
【0057】図11においては、コンデンサ102は容
量電極12A、容量絶縁膜13A、プレート電極14A
によって、基板上方に形成されている。図12において
は、コンデンサ102は容量電極12B、容量絶縁膜1
3B、埋め込みプレート電極14によって、基板に埋設
されるように形成されている。
【0058】なお、図11,12において、1はゲート
電極、2はゲート絶縁膜、3はソース・ドレイン拡散
膜、4は半導体基板、5は素子分離絶縁体、6は素子分
離絶縁体の境界、11はビット線、12は容量電極、1
3は容量絶縁膜、14はプレート電極、21はビット線
接続部、22は容量接続部を示す。
【0059】いずれの場合であっても、そこに用いられ
るMISFETは図13に示す基本構造を有する。本発
明の特徴はこのMISFETの構造にあって、それが属
する記憶セルの構造は図11あるいは図12に限らず、
いかなる構造であっても構わない。本発明におけるMI
SFETの構造上の特徴は、図13の一点鎖線Hに沿っ
た不純物分布とゲートの材料とにある。
【0060】なお、同図において図11及び図12と同
様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省
略する。又、31は反転層、32は空乏層、WDEP は基
板4の表面から空乏層32の端部までの距離である。
【0061】ここで、以下の記述に必要となる事項につ
いて追加の説明を行う。しきい値電圧VTH数3、数4と
組み合わせて
【0062】
【数5】 で決定される。ここで,VFBはフラットバンド電圧であ
る。数3,4,5より、VTHは基板・ソース間バイアス
VBSの関数である。VBSと図10におけるVSUBとは一
般に同一ではない。DRAM動作時には、セル・トラン
ジスタの2つのソース・ドレイン拡散層3の電位はどち
らも所定の低電位(VLO)から高電位(VHI)との間で
変化する(通常はVLOをゼロ電位と定義することが一般
的であり、本明細書ではVLOをゼロ電位と呼ぶ)。
【0063】上記2つの拡散層のうちいずれがソースで
あるかは固定的ではなく、両者の電位の相対的高低によ
り決まり、nチャネル型素子であれば電位が低いほうが
ソースとなる。例えば、図10においてVBLを高電位と
してVCAP を高電位に充電しつつあるとき、VCAP 側が
ソースである。
【0064】このとき基板・ソース間バイアスVBSはV
SUB −VCAP に等しい。このようにソースの電位が固定
されていないため、動作中のセル・トランジスタのVTH
は変動する。VTHが最も低くなるのは、ソース・ドレイ
ン拡散層3の両方がゼロ電位の状態(このときVBS=V
SUB )であって、本明細書ではこの状態を基準状態と呼
ぶ。
【0065】なお、DRAMのセル・トランジスタにお
いては、使用時に負の(例えば−1V)の基板電圧VSU
B を印加することが多く、VSUB としては所定のバイア
スが印加されているものとする。一般の動作時には、上
記基準状態よりも大きな負の基板バイアス(最大の場合
VBS=VSUB −VHI)が内部的に印加される。通常、設
計上のしきい値は上記基準状態において定義されるの
で、以後特に断らない場合、しきい値とは基準状態での
値を指すものとする。
【0066】図1は、本発明による第1の実施形態を説
明するための不純物濃度対深さ特性図である。同図にお
いて実曲線J1は、本発明による、図13の一点鎖線H
に沿った不純物分布を模式的に示すものである。仮に図
1の破線で示す一様な不純物分布J2により、ゲート絶
縁膜厚さとゲートの材質が同一として、所望のしきい値
が実現されていると仮定する。
【0067】このとき、実線J1ような分布によって
も、所望のしきい値を得ることができる。ここでW1は
基準状態において反転層31を形成したときのチャネル
下の空乏層32幅(VBS=VSUB として数3,4より決
定されるWDEP に等しい)であり、表面から深さW1の
範囲において、基板表面においては実線の分布J1が破
線J2を下回り、深い部分では逆に実線J1が破線J2
を上回る分布としている。
【0068】表面近傍での濃度が低い結果、しきい値ば
らつきは破線J2の分布の場合よりも減少する。しか
し、深さW1の範囲内の深い部分での濃度が高いため、
しきい値は破線J2の場合と同じに設定される。さらに
この深い部分での濃度が高いため、ソース・ドレインか
らの空乏層32の横方向の広がりが抑えられ、短チャネ
ル効果は破線J2の場合よりも改善される。
【0069】このように基準状態における基板表面の空
乏層幅W1の範囲において、不純物濃度が表面側で低
く、内部側で高い分布とすることで、短チャネル効果を
劣化させず、しきい値を変化させず、しきい値ばらつき
のみを低減することができる。
【0070】図2は、本発明による第2の実施形態を説
明するための不純物濃度対深さ特性図である。図2にお
いて実線J3の曲線は、本発明による、図13の一点鎖
線Hに沿った不純物分布を模式的に示すものである。仮
に図2の破線J2で示す一様な不純物分布により、ゲー
ト絶縁膜厚さとゲートの材質が同一として、所望のしき
い値が実現されていると仮定する。
【0071】表面近傍での濃度が低い結果、しきい値ば
らつきは破線J2の分布の場合よりも減少する。さらに
深い部分での濃度が高いため、ソース・ドレインからの
空乏層の横方向の広がりが抑えられ、短チャネル効果は
破線J2の場合と同等に抑えられる。
【0072】しかし表面不純物濃度を下げた結果とし
て、しきい値は所望の値よりも下がってしまう。この場
合は、ゲート電極の材料を変更することでしきい値を高
め、所望のしきい値を得るようにする。これは数5にお
いてVFBを変化させることに相当する。VFBは概ね、n
チャネルMISFETについてはゲート材料の仕事関数
から半導体基板の仕事関数を差し引いたもの、pチャネ
ルMISFETではそれに半導体基板の禁制帯幅を加算
した値となる。
【0073】仕事関数は種々の材料について詳しく調べ
られており、その結果は例えば、S.M.Sze著 ”
Physics of Semiconductor
Devices,2nd edition 1981
“ John Wiley and sons, Ne
w York刊の250頁に記載されている。
【0074】通常nチャネル型のDRAMセル・トラン
ジスタにおいては、n型ポリシリコンをゲート材料とし
て用いている(n型ポリシリコンに金属など低抵抗層を
積層する場合もある)。これをp型ポリシリコンに変更
することで、約1Vしきい値を高めることが可能であ
る。また、タングステンなど多くの金属材料に変更する
ことで、約0.5Vしきい値を高めることが可能であ
る。pチャネル型のDRAMセル・トランジスタにおい
ても、ゲート材料をp型ポリシリコンからn型ポリシリ
コンやタングステンなどの金属に変更することで、同様
の効果を得ることができる。
【0075】ゲート材料に応じて不純物分布を調整すれ
ば、しきい値を詳細に制御することができる。本実施形
態においてはしきい値は不純物分布とゲート材料の2要
素によって制御されることから、基板内部側の不純物濃
度が表面に比べて高くなる位置がW1より浅いことは、
しきい値制御の観点から必ずしも必要ではない。
【0076】しかし、短チャネル効果を十分抑制するた
めには、第1の実施形態と同様、基準状態における基板
表面の空乏層幅W1の範囲内において、不純物濃度が表
面側で低く、内部側で高い分布とするほうが望ましい。
【0077】このように、不純物濃度が表面側で低く、
内部側で高い分布とし、かつゲートとしてしきい値を高
める方向の材料を用いることで、短チャネル効果を劣化
させず、しきい値を変化させず、しきい値ばらつきのみ
を低減することができる。
【0078】図3は、第1の実施形態にさらに改良を加
えた第3の実施形態を説明するための不純物濃度対深さ
特性図である。第1の実施形態においては、基板表面付
近で不純物濃度を下げたことにより生ずるしきい値の低
下を、基板内部での不純物濃度を高めることで補償して
いた。
【0079】この場合、トランジスタの基板効果が増加
するという望ましくない効果が生ずる。すでに述べたよ
うに、DRAMセル・トランジスタにおいては動作時に
内部的基板バイアスが印加される。特にコンデンサに高
レベルVHIを書き込もうとすると、最大で|VBS|=|
VSUB −VHI|の基板逆バイアスが印加される(VSUB
<0)。
【0080】基板効果が大きくなると、この時点でのし
きい値VTHが高まる。VCAP はたかだかVBL=VTHまで
しか上がらないから、VTHが大きくなるとコンデンサに
十分高い電圧を書き込めなくなる。この問題を解決する
には、図3のように、不純物濃度を表面から深さW2の
範囲で極大を持つように設定すればよい。
【0081】ここでW2とは、内部的な基板バイアスが
最大となったときの空乏層32の幅であって、W2>W
1である。最表面の低濃度領域から隣接する高濃度領域
に至る濃度分布の設定方法は、第1の実施形態と同様で
ある。
【0082】図3と同様の不純物分布を第2の実施形態
に適用することも、基板効果をさらに減少できることか
ら、望ましいことである。これが本発明による第4の実
施形態である。
【0083】すなわち不純物濃度を表面から深さW2の
範囲で極大を持つように設定する。ここでW2とは、内
部的な基板バイアスが最大となったときの空乏層の幅で
あって、W2>W1である。最表面の低濃度領域から隣
接する高濃度領域に至る濃度分布の設定方法、ゲート材
料の設定方法は、第2の実施形態と同様である。
【0084】本発明による第5の実施の形態は、第2の
実施形態において用いたゲート材料の変更を単独で用い
るものである。
【0085】すなわち、基板不純物濃度の深さ方向分布
については、一様または表面側で高いが、その濃度を全
体的に低下させることにより、しきい値ばらつきを抑制
する。これによりしきい値が低下するが、これを第2の
実施形態と同様に、ゲート材料を変更することにより補
正する。
【0086】本方法によっては、基板濃度が全体的に下
がり、ソース・ドレインからの空乏層の伸びが増すた
め、トランジスタの短チャネル効果の劣化が起こる。こ
のためトランジスタの寸法を若干大きくする必要があ
る。
【0087】次に、すでに述べた第1から第5の実施形
態について、いかにして上述した効果が得られるかをさ
らに詳細に説明する。具体的な結果を示すため、不純物
分布として図4に示す階段分布を仮定して計算を行う。
【0088】すなわち、不純物濃度が基板表面で小さ
く、深いところで大きくなる分布を、x=0からdまで
はN(x)=N1、x>dでN(x)=N2である階段
状分布で近似する。
【0089】図5に、図4の分布を仮定して、数2〜5
により計算したしきい値電圧と実効基板濃度との関係を
示す。ただし、N1とN2とを固定し、濃度が変化する
境界の深さdをパラメータとして変化させ、ゲート材料
がn型ポリシリコンのnチャネル型トランジスタを想定
している。
【0090】N1=1×1016cm-2、ゲート酸化膜厚
(tox)は6nmとし、N2について1×1017cm
-2,1×1018cm-2,1×1019cm-2の3つの場合
について示した。
【0091】同図中の3本の実曲線P2〜P4は、左か
ら順にN2が上記濃度の場合と対応する。あるN1とN
2の組に対するこのような曲線は、dを変化させること
により実現可能な、しきい値と実効基板濃度の値の組み
合わせの軌跡を示す。
【0092】破線P1はd=0(すなわちN(x)=N
2で一定)とし、N2を連続的に変化させたときの結果
である(一様分布に対応)。この場合は実効基板濃度が
実際の基板濃度と一致するから、縦軸はN2に等しく、
しきい値はほぼN2の平方根に比例する。
【0093】各実線の上端、すなわち破線との交点では
d=0であり、ここを出発点としてdを増す(低濃度層
の厚さを増す)と、しきい値と実効基板濃度は共に実線
に沿って減少する。
【0094】ただしWDEP <dとなった時点で実効基板
濃度は一定(NEFF =N1)となり、曲線は水平な直線
となる。N1としてはゼロが理想であるが、現実には理
想状態の実現は困難なので、より現実的な1×1016cm
-2を仮定した。
【0095】図5を参照して、第1の実施形態による効
果を説明する。仮定しているゲート材料、ゲート酸化膜
厚においては、1×1018cm-2の一様基板濃度におい
てしきい値0.9Vが得られる。図5の点Aはこの状態
に対応する。
【0096】一様基板濃度であるから、実効基板濃度は
実際の基板濃度1×1018cm-2に等しい。これと同じ
しきい値電圧を得ながら、不純物の深さ方向分布のみを
変更して実効基板濃度を下げる方法を考える。
【0097】それには、例えば点Bの状態を実現すれば
良い。点Bは左から3本めの曲線P4上に位置すること
から、N2=1×1019cm-2とし、dを適当な値に設
定すれば実現可能であることが図5から読み取れる。
【0098】図5からdの具体的な値は直接読み取れな
いが、図5を描くために行った数2〜5の計算結果か
ら、d=18nmが適切であることが決定される。N2
が1×1019cm-2に限らず1×1018cm-2より大き
い値であれば、同様にしきい値が等しく、実効基板濃度
のみが低下した状態を実現するdを決定することが可能
である。
【0099】このような設計手順により実現される点B
のような状態においては、「基板不純物濃度の分布を除
いて全く同一構造を有し、同一しきい値を有する一様基
板濃度の素子と比べて実効基板濃度が低い」(言い換え
れば、点Bは破線より下に位置する)ということで特徴
づけられる。
【0100】実効基板濃度が低いことから、しきい値ば
らつきは抑えられる。なお、第3の実施形態について
も、深さW1の範囲に着目すれば第1の実施形態同様、
階段状の不純物分布で近似できるから、その効果、設計
の考え方は図5と同様である。
【0101】図6を参照して、第2の実施形態による効
果を説明する。示されている実曲線P2〜P4と破線P
1は図5と同じものである。図5の場合と同様な点Aを
出発点とする。
【0102】ここでN2=1×1018cm-2を変更せ
ず、基板表面に低濃度層を付加すると、点Bの状態を実
現することができる。これにより実効基板濃度は低下
し、しきい値ばらつきは抑えられるが、同時にしきい値
自体も下がってしまう。
【0103】そこでゲート電極の材料をすでに述べた方
針により変更することで、点Cの状態を実現する。ここ
で、点Bから点Cへの平行移動量は、ゲート材料の変更
に伴う仕事関数の変化に対応している。
【0104】ここでdの具体的な値を、仕事関数の変化
をちょうど打ち消すだけの大きさに設定することで、し
きい値を変化させず、実効基板濃度のみを低下させる不
純物分布を得ることが可能である。
【0105】例えば、仕事関数の変化を0.5Vとすれ
ば、d=25nmとすれば良いことは、図6を描くため
に行った数2〜5の計算により容易に決定できる。この
ような設計手順により実現される点Cのような状態は、
基板不純物分布に着目すれば点Bと同じであるから、
「基板不純物濃度の分布を除いて全く同一構造を有し、
同一しきい値を有する一様基板濃度の素子と比べて実効
基板濃度が低い」(言い換えれば、点Bは破線より下に
位置する)ということで特徴づけられる。
【0106】なお、第4の実施形態についても、深さW
1の範囲に着目すれば第2の実施形態同様、階段状の不
純物分布で近似できるから、その効果、設計の考え方は
図6と同様である。
【0107】図7を参照して、第5の実施形態による効
果を説明する。示されている実曲線P2〜P4と破線P
1は図5と同じものである。図5の場合と同様な点Aを
出発点とする。
【0108】ここで基板不純物濃度を一様に低下させる
と、破線上の点Bの状態を実現することができる。これ
により実効基板濃度(この場合は一様な基板濃度自体)
は低下し、しきい値ばらつきは抑えられるが、同時にし
きい値自体も下がってしまう。
【0109】そこでゲート電極の材料をすでに述べた方
針により変更することで、点Cの状態を実現する。ここ
で、点Bから点Cへの平行移動量は、ゲート材料の変更
に伴う仕事関数の変化に対応している。ここで点Bにお
ける基板濃度の具体的な値を、仕事関数の変化をちょう
ど打ち消すだけの大きさに設定することで、しきい値を
変化させず、実効基板濃度のみを低下させる不純物分布
を得ることが可能である。
【0110】例えば、仕事関数の変化を0.5Vとすれ
ば、基板濃度を1×1017cm-2とすればよいことは、
数2〜5の計算により容易に決定できる。
【0111】以上で述べたような不純物分布は、イオン
注入法により実現可能である。すなわち、基板表面の不
純物濃度を下げるためには、不純物を導入するためのイ
オン注入において、濃度のピーク位置が十分深い位置と
なるように注入エネルギを調節すればよい。
【0112】図3のような分布を実現するためには、濃
度のピーク位置を調整した1回のイオン注入により実現
可能である。図1,2のように、深い部分で一様な分布
を得るためには、ピーク深さの異なるイオン注入を複数
回、順次行うことにより実現可能である。
【0113】深さ方法の不純物分布をより精密に制御で
きる方法として、半導体のエピタキシャル成長を用いる
ことができる。イオン注入では、注入エネルギを高める
と不純物分布の裾の広がりが大きくなり、不純物の深さ
分布が必ずしも自由に設定できるわけではない。
【0114】一方、エピタキシャル成長技術を用いる
と、成長層の不純物濃度を原料ガスへの不純物混入量に
より制御可能であることから、イオン注入よりも深さ分
布をより自由に制御可能である。すなわち、異なる濃度
のエピタキシャル層を順次積層することにより、深さ方
向に任意の分布を持つ不純物分布を形成することができ
る。この性質により、本発明における不純物分布の深さ
分布の実現を容易にすることができる。
【0115】イオン注入法を用いた場合、図1〜3に示
したような、基板表面の低不純物濃度層の濃度を十分下
げることが、表面低濃度層の厚さが薄くなるほど難しく
なる。そこで、基板に不純物を導入したのち、その上に
不純物を含まない半導体層をエピタキシャル成長すれ
ば、表面付近での濃度を急峻に低下させることができ、
薄い低濃度層を精密に形成することが可能となる。
【0116】図8にエピタキシャル成長を利用して図3
の不純物分布を作成するための工程フローを示す。ま
ず、半導体基板4に素子分離絶縁膜5を形成したのち、
イオン注入により基板に高不純物濃度層31を設ける。
【0117】続いて、公知の気相化学成長(CVD)法
により、不純物を混入しない半導体層32を、半導体が
露出する面上にのみ選択的にエピタキシャル成長させ
る。
【0118】続いて、酸化によるゲート絶縁膜2形成、
ゲート電極1形成、ソース・ドレイン拡散層3形成を通
常のMISFETと同様にして行い、図8(C)の素子
構造を得る。
【0119】エピタキシャル層32と基板4との間では
不純物濃度を急峻に変化することから、図4に示したよ
うな階段状に近い(理想に近い)不純物分布が得られ
る。
【0120】この場合、エピタキシャル成長は素子分離
絶縁膜5を形成した後に行っていたが、図9に示すよう
に、素子分離絶縁膜5の形成前にエピタキシャル成長を
行ってもよい。
【0121】すなわち、まずイオン注入により基板4上
全面に高不純物濃度層31を設ける。続いて、公知の気
相化学成長(CVD)法により、不純物を混入しない半
導体層32を、半導体基板全面にエピタキシャル成長さ
せる。
【0122】続いて、素子分離絶縁膜5の形成、酸化に
よるゲート絶縁膜2形成、ゲート電極1形成、ソース・
ドレイン拡散層3形成を通常のMISFETと同様にし
て行い、図9(C)の素子構造を得る。
【0123】以上では図3の分布を実現する方法を述べ
たが、最初に行うイオン注入において、エネルギの異な
る注入を複数回、順次行うことにより図1、2の分布を
形成することも可能である。
【0124】また、深い高濃度部分31をイオン注入で
形成する方法を述べたが、この高濃度部分を適宜不純物
をドープしたガスを原料にしたエピタキシャル成長で形
成することも可能である。
【0125】すなわち、図8、9におけるエピタキシャ
ル成長工程において、まず高濃度層の成長、次に低濃度
層の成長の順で順次エピタキシャル成長を行う。イオン
注入工程は不要ならば省略する。この方法によれば、図
3の分布において、特に深い部分での濃度低下を、イオ
ン注入を用いる場合よりも急峻とし、基板効果低減効果
を高めることが可能である。
【0126】以上において、セル・トランジスタはバル
ク半導体基板に形成されているものとして説明した。し
かし、SOI基板を用いたセル・トランジスタにおいて
も、表面の半導体層の厚さが図1、2におけるW1より
厚い、いわゆる部分空乏型SOIにおいても同様の効果
が得られる。
【0127】
【発明の効果】本発明によれば、容量素子と絶縁ゲート
型電界効果トランジスタとにより記憶セルが構成される
半導体記憶装置であって、前記絶縁ゲート型電界効果ト
ランジスタのチャネル領域における基板不純物濃度の深
さ方向分布を、基板表面において、反転層直下に形成さ
れる空乏層の下端においてよりも低くなるよう構成した
ため、しきい値ばらつきを小さくすることができる。
【0128】本発明による他の発明によれば、半導体記
憶装置の製造方法であって、その製造方法を素子分離絶
縁膜を形成する第1の工程と、その後半導体基板上に選
択的に所定の不純物濃度の半導体をエピタキシャル成長
させる第2の工程を少なくとも1回有するよう構成した
ため、しきい値ばらつきを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施形態を説明するための
不純物濃度対深さ特性図である。
【図2】本発明による第2の実施形態を説明するための
不純物濃度対深さ特性図である。
【図3】第1の実施形態にさらに改良を加えた第3の実
施形態を説明するための不純物濃度対深さ特性図であ
る。
【図4】濃度の階段分布を仮定した不純物濃度対深さ特
性図である。
【図5】実効基板濃度対しきい値電圧の特性図である。
【図6】実効基板濃度対しきい値電圧の特性図である。
【図7】実効基板濃度対しきい値電圧の特性図である。
【図8】エピタキシャル成長を利用して不純物分布を作
成するための工程フローを示すDRAMの断面図であ
る。
【図9】エピタキシャル成長を利用して不純物分布を作
成するための工程フローを示すDRAMの断面図であ
る。
【図10】従来の半導体記憶装置のDRAMの一例の回
路図典型的な記憶セルの構造例である。
【図11】セル・トランジスタ(MISFET)の基本
構成を示す断面図である。
【図12】セル・トランジスタ(MISFET)の基本
構成を示す断面図である。
【図13】セル・トランジスタ(MISFET)の基本
構成を示す断面図である。
【図14】半導体基板の深さとエネルギとの関係を示す
特性図(バンド図)である。
【図15】半導体基板の深さとエネルギとの関係を示す
特性図(バンド図)である。
【図16】半導体基板の深さとエネルギとの関係を示す
特性図(バンド図)である。
【符号の説明】
1 ゲート 2 ゲート絶縁膜 3 ソース・ドレイン拡散層 4 基板 31 反転層 32 空乏層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量素子と絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタとにより記憶セルが構成される半導体記憶装置で
    あって、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャ
    ネル領域における基板不純物濃度の深さ方向分布が、基
    板表面において、反転層直下に形成される空乏層の下端
    においてよりも低いことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
    のチャネル領域における基板不純物濃度の深さ方向分布
    が、同一しきい値を与えかつ不純物濃度が深さ方向に一
    様な場合と比べ、実効基板濃度が小さくなるよう設定さ
    れることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
    のチャネル表面にエピタキシャル成長層を有し、前記エ
    ピタキシャル成長層の不純物濃度がその直下の半導体領
    域よりも低いことを特徴とする請求項1又は2記載の半
    導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
    のチャネル領域が、半導体基板上に形成された第1のエ
    ピタキシャル層と、その上に形成された第2のエピタキ
    シャル層とを有し、前記第1のエピタキシャル層の不純
    物濃度が、前記第2のエピタキシャル層および前記半導
    体基板の表面での不純物濃度と比べて高いことを特徴と
    する請求項1〜3いずれかに記載の半導体記憶装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
    はシリコン基板を用いたnチャネル型であって、そのゲ
    ート電極の材質がn+ シリコンと比べてしきい値を正方
    向に増加させる仕事関数を有することを特徴とする請求
    項1〜4いずれかに記載の半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
    はシリコン基板を用いたpチャネル型であって、そのゲ
    ート電極の材質がp+ シリコンと比べてしきい値を負方
    向に増加させる仕事関数を有することを特徴とする請求
    項1〜4いずれかに記載の半導体記憶装置。
  7. 【請求項7】 前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタ
    のチャネル領域における基板不純物濃度の深さ方向分布
    が、基板表面から反転層直下に形成される空乏層の下端
    までの範囲内で極大値をとることを特徴とする請求項1
    〜6いずれかに記載の半導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 容量素子と絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタとにより記憶セルが構成される半導体記憶装置で
    あって、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタはシリ
    コン基板を用いたnチャネル型であり、その材質がn+
    シリコンと比べてしきい値を正方向に増加させる仕事関
    数を有するゲート電極と、前記半導体基板全体の不純物
    濃度を低下させる手段とを含むことを特徴とする半導体
    記憶装置。
  9. 【請求項9】 容量素子と絶縁ゲート型電界効果トラン
    ジスタとにより記憶セルが構成される半導体記憶装置で
    あって、前記絶縁ゲート型電界効果トランジスタはシリ
    コン基板を用いたpチャネル型であり、その材質がp+
    シリコンと比べてしきい値を負方向に増加させる仕事関
    数を有するゲート電極と、前記半導体基板全体の不純物
    濃度を低下させる手段とを含むことを特徴とする半導体
    記憶装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれかに記載の半導体
    記憶装置の製造方法であって、 素子分離絶縁膜を形成する第1の工程と、その後半導体
    基板上に選択的に所定の不純物濃度の半導体をエピタキ
    シャル成長させる第2の工程を少なくとも1回有するこ
    とを特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9いずれかに記載の半導体
    記憶装置の製造方法であって、 半導体基板上全面に所定の不純物濃度の半導体をエピタ
    キシャル成長させる工程を少なくとも1回有することを
    特徴とする半導体記憶装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010014761A (ko) * 1999-04-19 2001-02-26 인터내셔널 비지네스 머신즈 코포레이션 디램 셀용 트랜스퍼 디바이스 제조방법과 디램 셀
JP2005045245A (ja) * 2003-07-18 2005-02-17 Interuniv Micro Electronica Centrum Vzw マルチゲート半導体デバイスおよびそれを形成するための方法
US8369152B2 (en) 2009-06-18 2013-02-05 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor memory device including charge accumulation layer

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