JPH1138052A - 高調波特性測定方法及び高調波特性測定装置 - Google Patents

高調波特性測定方法及び高調波特性測定装置

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JPH1138052A
JPH1138052A JP20540897A JP20540897A JPH1138052A JP H1138052 A JPH1138052 A JP H1138052A JP 20540897 A JP20540897 A JP 20540897A JP 20540897 A JP20540897 A JP 20540897A JP H1138052 A JPH1138052 A JP H1138052A
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政和 塚本
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康弘 不破
Soji Nishimura
荘治 西村
Yoshibumi Minowa
義文 蓑輪
Yasukazu Natsuda
育千 夏田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単相電流を注入して着目高調波についての3
相電力系統の高調波特性を測定する。 【解決手段】 3相電力系統1の2相間に、着目高調波
(周波数n・fs)を挟む系統基本波周波数fsの非整
数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・fs<fβ)の
単相電流を中間高調波の電流としてそれぞれ注入し、系
統1の各相の計測電流,計測電圧を周波数解析して前記
両中間高調波の電流の注入に基づく系統1の周波数f
α,fβそれぞれについての正相電流I1 ,正相電圧V
1 及び逆相電流I2 ,逆相電圧V2 を検出し、系統1の
周波数fα,fβそれぞれについての正相,単相アドミ
タンスY1 ,Y2 又は正相,逆相インピーダンスZ1
2 をY1 =I1 /V1 ,Y2 =I2 /V2 又はZ1
1 /I1 ,Z2 =V2 /I2として求め、周波数f
α,fβについてのアドミタンスY1 ,Y2 又はインピ
ーダンスZ1 ,Z2 から系統1の着目高調波についての
正相,逆相アドミタンス又は正相,逆相インピーダンス
を補間演算して求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3相電力系統の着
目高調波についての特性を測定する高調波特性測定方法
及び高調波特性測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電力の送,配電系統,すなわち3
相電力系統においては、フィルタ容量の適正化等により
高調波を低減することが重要である。
【0003】n次(n=1,2,…の整数)の高調波
(第n調波)は、系統基本波周波数fsの整数倍であ
り、代表的な第5調波の周波数は5・fsである。
【0004】この高調波の低減は、高調波レベル(電圧
レベル)を予測し、その周波数のフィルタ設備をコンデ
ンサ設備(スタコン)に付設等して行われる。
【0005】そして、高調波レベルを予測する場合、3
相電力系統の例えば前記フィルタ設備の接続点より下位
(負荷側)の高調波特性を把握してその等価回路(高調
波等価回路)を求める等することが重要である。
【0006】このとき、前記高調波等価回路は、ノート
ンの定理で表現した場合、アドミタンスと電流源との並
列回路とみなすことができ、そのうちのアドミタンスが
特性把握の上からは最も重要である。
【0007】そして、電気学会論文誌B,101巻8
号,p.451−458,(昭56−8)には、配電線
系統の第5調波についての高調波等価回路を求める際、
系統の基本波の電圧,電流を計測し、その結果から高調
波等価回路のアドミタンス,電流源の大きさ、位相等を
算出して推定することが記載されている。
【0008】しかし、前記論文誌に記載の測定方法で3
相電力系統の高調波特性を測定する場合、系統の基本波
電圧・電流値を計測し、その計測結果から前記第5調波
等の着目高調波のアドミタンス、高調波電流源の大き
さ、位相を間接的に推定するため、高調波特性を精度よ
く把握することができない。
【0009】そのため、3相電力系統の高調波特性を正
確に把握して適当なフィルタ設備を設ける等することが
できず、高調波レベルの良好な低減が行えない。
【0010】そこで、本出願人は特願平8−31019
2号の出願により、電力系統の高調波注入点に測定調波
(着目高調波)の上,下両側の基本波の非整数倍周波数
の電流それぞれを注入し、その注入点における注入周波
数の電圧及び注入点の上位,下位を流れる注入周波数の
電流の実測結果に基づき、系統の注入点より下位又は上
位につき、着目高調波の上,下両側それぞれの注入周波
数についての等価回路のアドミタンスを求め、それらの
補間処理により着目高調波についての等価回路のアドミ
タンスを決定してその高調波特性を測定することを既に
発明している。
【0011】この場合、注入周波数の電流が系統に本来
存在しない基本波周波数の非整数倍のいわゆる中間高調
波の電流であり、系統の既存の高調波の影響を受けるこ
となく、注入周波数の等価回路のアドミタンスを実測か
ら精度よく求めることができ、この結果を用いて着目高
調波についての高調波特性を精度よく把握し得る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記既出願の高調波特
性の測定を実施するにあたっては、測定対象のn次の着
目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波周波数f
sの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・fs<
fβ)の中間高調波の電流を電力系統に注入する必要が
ある。
【0013】そして、この2周波数fα,fβの電流と
して、3相電力系統の各相に電流を注入することが考え
られる。
【0014】しかし、この3相電流注入で高調波特性を
測定しようとすると、前記2周波数fα,fβの電流注
入装置として、3相容量の装置が必要になり、注入電流
量を少なくして測定することができない問題点がある。
【0015】本発明は、単相電流を注入して3相電力系
統の高調波特性を測定することを課題とする。また、そ
のための新規で小型の測定装置を提供することも課題と
する。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、請求項1記載の本発明の高調波特性測定方法にお
いては、3相電力系統の2相間に、測定対象のn次の着
目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波周波数f
sの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・fs<
fβ)の単相電流を中間高調波の電流としてそれぞれ注
入し、電力系統の各相の計測電流,計測電圧を周波数解
析して、両中間高調波の電流の注入に基づく電力系統の
2周波数fα,fβそれぞれについての正相電流I1
正相電圧V1 及び逆相電流I2 ,逆相電圧V2 を検出
し、電力系統の2周波数fα,fβそれぞれについての
正相,逆相アドミタンスY1 ,Y2 又は正相,逆相イン
ピーダンスZ1 ,Z2 をY1 =I1 /V1 ,Y2 =I2
/V2 又はZ1 =V1 /I1 ,Z2 =V2 /I2 として
求め、2周波数fα,fβについての両アドミタンスY
1 ,Y2 又は両インピーダンスZ1 ,Z2 から電力系統
の着目高調波についての正相,逆相アドミタンス又は正
相,逆相インピーダンスを補間演算して求める。
【0017】したがって、2周波数fα,fβの中間高
調波の電流として、3相電力系統の2相間に単相電流を
注入することにより、その系統の着目高調波についての
正相,逆相アドミタンス又は正相,逆相インピーダンス
が求まる。
【0018】そして、とくに配電系統のような非接地系
統にあっては零相成分を考慮する必要がなく、正相,逆
相成分によってその特性を把握することができる。
【0019】すなわち、このような非接地系統に単相電
流を注入すると、その注入点からみた系統のアドミタン
ス(インピーダンス)が、3相電流を注入した場合と同
様、その負荷によらず、ほぼ上位の系統トランス(バン
クトランス)のインピーダンス(トランスインピーダン
ス)によって定まり、系統の正相,逆相の電流,電圧の
関係が3相電流を注入した場合と同様になるため、単相
電流を注入して計測した正相電流I1 ,正相電圧V1
び逆相電流I2 ,逆相電圧V2 に基づき、3相電力系統
の2周波数fα,fβについての正相,逆相アドミタン
スY1 ,Y2 又はそれらの逆数をとる正相,逆相インピ
ーダンスZ1 ,Z2 が求まる。
【0020】そして、2周波数fα,fβについてのア
ドミタンスY1 ,Y2 又はインピーダンスZ1 ,Z2
らその中間の周波数の着目高調波についての正相,逆相
のアドミタンス又はインピーダンスが補間演算されて求
まり、着目高調波についての高調波特性が測定される。
【0021】このとき、周波数fα,fβの電流が電力
系統に存在しない周波数の電流であるため、アドミタン
スY1 ,Y2 又はインピーダンスZ1 ,Z2 が系統の高
調波の影響を受けることなく、精度よく求まり、この結
果、着目高調波についての正相,逆相のアドミタンス又
はインピーダンスが精度よく求まり、高調波特性の精度
の高い測定が行える。
【0022】そして、電力系統に単相電流を注入すれば
よいため、その電流注入量が3相電流を注入する場合の
1/√3(√3は3の平方根を示す)でよく、3相注入
の場合より極めて小容量の電流注入で測定が行える。
【0023】また、請求項2記載の本発明の高調波特性
測定方法においては、3相電力系統の2相間に、測定対
象のn次の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基
本波周波数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα
<n・fs<fβ)の単相電流を中間高調波の電流とし
てそれぞれ注入し、電力系統の各相の計測電流,計測電
圧を周波数解析して両中間高調波の電流の注入に基づく
電力系統の2周波数fα,fβそれぞれについての正相
電流I1 ,正相電圧V1 又は逆相電流I2 ,逆相電圧V
2 を検出し、電力系統の2周波数fα,fβそれぞれに
ついての正相アドミタンスY1 又は逆相アドミタンスY
2 或いは正相インピーダンスZ1 又は逆相インピーダン
スZ2 をY1 =I1 /V1 又はY2 =I2 /V2 或いは
1 =V1 /I1 又はZ2 =V2 /I2 として求め、2
周波数fα,fβについての正相アドミタンスY1 又は
逆相アドミタンスY2 或いは正相インピーダンスZ1
は逆相インピーダンスZ2 から電力系統の着目高調波に
ついての正相アドミタンス又は逆相アドミタンス或いは
正相インピーダンス又は逆相インピーダンスを補間演算
して求める。
【0024】したがって、この場合は着目高調波につい
ての正相又は逆相のアドミタンス或いは正相又は逆相の
インピーダンスが精度よく求まり、小容量の単相電流注
入で高調波特性の精度の高い測定が行える。
【0025】つぎに、請求項3記載の本発明の高調波特
性測定装置においては、3相電力系統の2相間に測定対
象のn次の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基
本波周波数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα
<n・fs<fβ)の単相電流を中間高調波の電流とし
て注入する単相出力の電流注入装置と、電力系統の各相
の電流を計測する変流器と、電力系統の各相の電圧を計
測する変圧器と、変流器及び変圧器の3相の計測信号を
周波数解析して両中間高調波の電流の注入に基づく電力
系統の2周波数fα,fβそれぞれについての正相電流
1 ,正相電圧V1 及び逆相電流I2 ,逆相電圧V2
検出する信号処理手段と、この信号処理手段の検出結果
に基づき電力系統の2周波数fα,fβそれぞれについ
ての正相,逆相アドミタンスY1 ,Y2 又は正相,逆相
インピーダンスZ1 ,Z2 をY1 =I1 /V1 ,Y2
2 /V2 又はZ1 =V1 /I1 ,Z2 =V2 /I2
演算から求め,2周波数fα,fβについての両アドミ
タンスY1,Y2 又は両インピーダンスZ1 ,Z2 から
電力系統の着目高調波についての正相,逆相アドミタン
ス又は正相,逆相インピーダンスを補間演算して求める
演算処理手段とを備える。
【0026】また、請求項4記載の本発明の高調波特性
測定方法においては、3相電力系統の2相間に測定対象
のn次の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本
波周波数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<
n・fs<fβ)の単相電流を中間高調波の電流として
注入する単相出力の電流注入装置と、電力系統の各相の
電流を計測する変流器と、電力系統の各相の電圧を計測
する変圧器と、変流器及び変圧器の3相の計測信号を周
波数解析して両中間高調波の電流の注入に基づく電力系
統の2周波数fα,fβそれぞれについての正相電流I
1 ,正相電圧V1 又は逆相電流I2 ,逆相電圧V2 を検
出する信号処理手段と、信号処理手段の検出結果に基づ
き電力系統の2周波数fα,fβそれぞれについての正
相アドミタンスY1 又は逆相アドミタンスY2 或いは正
相インピーダンスZ1 又は逆相インピーダンスZ2 をY
1 =I1 /V1 又はY2 =I2 /V2 或いはZ1 =V1
/I1 又はZ2 =V2 /I2 の演算から求め,2周波数
fα,fβについての正相アドミタンスY1 又は逆相ア
ドミタンスY2 或いは正相インピーダンスZ1 又は逆相
インピーダンスZ2 から電力系統の着目高調波について
の正相アドミタンス又は逆相アドミタンス或いは正相イ
ンピーダンス又は逆相インピーダンスを補間演算して求
める演算処理手段とを備える。
【0027】したがって、請求項3,4記載の高調波特
性測定装置は、請求項1,2記載の高調波特性測定方法
それぞれにより3相電力系統の着目高調波についての高
調波特性を測定することができ、その際、電流注入装置
の容量が3相電流注入の場合の1/√3に低減され、小
型化を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態について、
図1ないし図5を参照して説明する。まず、図1は測定
対象の3相電力系統1を示し、この電力系統1は例えば
非接地3相の配電系統である。
【0029】そして、電力系統1のコンデンサ設備(ス
タコン設備)を含む負荷側の高調波特性を測定する場
合、前記コンデンサ設備の接続点より上位の位置に後述
の2周波数fα,fβの単相電流の注入点Piが設けら
れる。
【0030】ところで、電力系統1には系統基本波周波
数fsの整数倍の周波数n・fs(nは1,2,…の整
数)のn次の高調波が存在し、これらの高調波に対し
て、注入点Piからみた図の右側の下位側(負荷側)は
下位側の等価回路2が接続された状態にあり、左側の上
位側(上流側)は例えば変電所のバンクトランスのトラ
ンスインピーダンス3,上位側線路インピーダンス4,
遮断器5を介して上位側の等価回路6が接続された状態
にある。
【0031】そして、等価回路2,6はノートンの定理
で表現したアドミタンス回路とすれば、それぞれアドミ
タンス7,8と電流源9,10との並列回路とみなすこ
とができる。
【0032】なお、インピーダンス3,4,アドミタン
ス7,8等はいずれも3相であり、注入点Piからみた
値に換算したものである。
【0033】また、とくに下位側の電流源9は実際に電
流源が存在するのではなく、負荷による電流歪み等で等
価的に形成されたものである。
【0034】さらに、インピーダンス3,4の値X3
4 は、電力系統1の線路特性等から予め把握されてお
り、既知である。
【0035】そして、第5調波(n=5)等の電力系統
1の所定の高調波を測定対象の着目高調波とし、この高
調波に対する下位側の等価回路2の時々刻々変化する回
路定数を求めてその高調波特性を測定する場合、注入点
Piに高調波特性測定装置11の注入・計測部12に設
けられた単相出力の電流注入装置13を接続する。
【0036】また、電力系統1の注入点Piの近傍に、
電力系統1の各相の電流(相電流)を計測する計器用の
3相変流器14及び電力系統1の各相の電圧(相電圧)
を計測する計器用の3相変圧器15を設ける。
【0037】このとき、単相出力のインバータ等からな
る電流注入装置13は、具体的には図2に示すように、
電力系統1の任意の2相,例えばa相,b相間に線間電
流として単相電流を注入する。
【0038】この注入電流は、測定時、着目高調波を挟
む系統基本波周波数fsの非整数倍の2周波数fα,f
β(fα<n・fs<fβ)に択一的に可変制御される
中間高調波の電流である。
【0039】そして、3相変流器14の各相の電流計測
信号及び3相変圧器15の各相の電圧計測信号は注入・
計測部12のA/D変換器16により各相の電流,電圧
の計測データに変換され、これらの計測データが次段の
信号処理装置17に供給され、この信号処理装置17は
FFT解析等のデジタル周波数解析により、各相の周波
数fα,fβの電流,電圧を検出する。
【0040】さらに、この検出出力が次段の演算処理装
置18に供給され、この処理装置18は着目高調波につ
いての正相,逆相アドミタンスを算出して着目高調波に
ついての電力系統1の特性を測定し、測定結果が記憶部
19に記憶保持されるとともに表示部20にモニタ表示
される。なお、演算処理装置18は電流注入装置13の
注入制御機能も備える。
【0041】つぎに、図1の具体的な測定方法について
説明する。まず、周波数fα,fβの電流に対して、電
力系統(実系統)の注入点Piからみたその下位側は、
これらの周波数成分が実系統に存在しないため、アドミ
タンスのみの等価回路とみなすことができる。
【0042】そして、この等価回路を図3に示す一般的
なΔ形の3相不平衡負荷(アドミタンス)Yab,Yb
c,Ycaとし、周波数fα,fβの電流注入に基づく
a,b,c各相の電流(線電流)をIa,Ib,Ic,
電圧(線電圧)をVa,Vb,Vcとする。
【0043】また、それらを対称成分に分解したときの
零相分をY0 ,I0 ,V0 ,正相分をY1 ,I1
1 ,逆相分をY2 ,I2 ,V2 とする。
【0044】このとき、線電圧Va,Vb,Vcはつぎ
の数1の式で表される。なお、式中のAはA=exp
(j・(2π/3))の定数である。
【0045】
【数1】
【0046】また、線電流Ia,Ib,Icはつぎの数
2の式で表される。
【0047】
【数2】
【0048】この数2の式中の線間電圧Vab,Vb
c,Vcaはつぎの数3の式で表される。
【0049】
【数3】
【0050】さらに、線電流Ia,Ib,Icを対称成
分に分解すると、配電系統のような非接地系統にあって
は零相分が0になることから、つぎの数4の式で表され
る。
【0051】
【数4】
【0052】この数4の式の零相,正相,逆相のアドミ
タンスY0 ,Y1 ,Y2 は、つぎの数5の式で表され
る。
【0053】
【数5】
【0054】そして、数4,数5の式に基づき、線電流
Ia,Ib,Icは、アドミタンスY0 ,Y1 ,Y2
用いた場合、つぎの数6の式で表される。
【0055】
【数6】
【0056】つぎに、前記数4の式から明らかなよう
に、図3の3相不平衡負荷については、対称成分で表さ
れた電流,電圧,アドミタンスの間につぎの数7の式の
関係がある。
【0057】
【数7】
【0058】そして、説明を簡単にするため、数7の右
辺のアドミタンス行列を、つぎの数8の式に示すよう
に、対角項をアドミタンスY11,Y22 ,非対角項をY
12,Y21とするアドミタンス行列とする。
【0059】
【数8】
【0060】この数8の式の各アドミタンスY11
12,Y21,Y22については、周波数fα,fβの正
相,逆相の電流をそれぞれ電力系統1の3相に注入して
測定する3相注入方式の測定であれば、正相電流I1
正相電圧V1 及び逆相電流I2 ,逆相電圧V2 に基づ
き、Y11=I1 /V1 ,Y21=I2 /V2 の演算からア
ドミタンスY11,Y21が求まり、Y12=I1 /V2 ,Y
22=I2 /V2 の演算からアドミタンスY12,Y22が求
まる。
【0061】そして、アドミタンスY11,Y12,Y21
22 が求まれば、数4,数7の式のアドミタンス
0 ,Y1 ,Y2 を決定することができる。
【0062】これは、図1の注入点Piからみた電力系
統1のアドミタンスがその上位側のアドミタンスと下位
側のアドミタンスとの並列アドミタンスになり、このと
き、上位側のトランスインピーダンス3が十分に小さい
ため、下位側のアドミタンスによらず、注入点Piから
みた電力系統1のアドミタンスが、ほぼトランスインピ
ーダンス3,すなわちバンクトランスのリアクタンス成
分(L成分)で定まり、正相電流I1 の注入によって正
相電圧V1 が発生し、逆相電流I2 の注入によって逆相
電圧V2 が発生するからである。
【0063】そして、周波数fα,fβの中間高調波の
電流につき、数4,数7の式のアドミタンスY0
1 ,Y2 を決定することができれば、着目高調波の周
波数n・fsが周波数fα,fβの中間の周波数である
ことから、最も簡単には、周波数fα,fβについての
アドミタンスY0 ,Y1 ,Y2 それぞれの平均値(中間
値)を着目高調波についての零相,正相,逆相のアドミ
タンスとして求めることができ高調波特性を測定するこ
とができる。
【0064】つぎに、注入点Piに電流注入装置13か
ら周波数fα,fβの単相電流を注入した場合、その注
入電流をIinjとすると、この電流Iinjは例えば
a相,b相間にのみ注入される。
【0065】このとき、電流注入装置13は、a相,b
相間に注入電流Iinjを注入し、残りのb相,c相間
及びc相,a相間の注入電流を0とする図4の(a)の
3相Δ結線の電流源とみなすことができる。
【0066】そして、このΔ結線の電流源はΔY変換に
より図4の(b)に示す電流Ia,Ib,IcのY結線
の3相電流源に変換することができ、Ia=Iinj,
Ib=−Iinj,Ic=0である。
【0067】さらに、単相注入電流Iinjを数4の式
に基づいて対称成分に分解すると、その零相電流Iin
0 ,正相電流Iinj1 ,逆相電流Iinj2 は、つ
ぎの数9の3式で表される。
【0068】
【数9】
【0069】この数9の3式からも明らかなように、電
力系統1に単相電流Iinjを注入した場合、図5の電
流ベクトルに示すように、正相電流I1 (=Iin
1 )と逆相電流I2 (=Iinj2 )とは、大きさが
等しく、位相差が60°〔=2×arg{1+j(1/
√3)}〕になる。
【0070】なお、図5のIinj(=Ia),−Ii
nj(=Ib)はa相の注入電流,その戻り電流である
b相の電流を示す。
【0071】そして、単相電流の注入に基づいて発生す
る正相電圧V1 と逆相電圧V2 との関係も、前記の正相
電流Iinj1 と逆相電流Iinj2 との関係とほぼ同
様になる。
【0072】これは、図1の注入点Piに単相電流を注
入したときにも、注入点Piからみた電力系統1のアド
ミタンスが、負荷側のアドミタンスによらず、ほぼ上位
側のバンクトランスのアドミタンスで定まるからであ
る。
【0073】ところで、単相電流を注入する場合には、
3相電流を注入する場合のように各相に個別に電流を注
入することができないため、数8の式のアドミタンスY
11,Y12,Y21,Y22を個別に求めることはできない。
【0074】一方、3相電力系統の電圧(系統電圧)と
電流(負荷側電流)との関係は、その負荷アドミタンス
を数8の式のアドミタンスY11,Y12,Y21,Y22とす
ると、一般に正相電流I1 ,逆相電流I2 についてのつ
ぎの数10の2式で表される。
【0075】
【数10】
【0076】そして、前記したように単相注入における
正相,逆相の関係が3相注入におけるそれらの関係と同
様になることから、単相注入における正相アドミタンス
1,逆相アドミタンスY2 を、つぎの数11の式の演
算から推定して計測できることが判明した。
【0077】
【数11】
【0078】これは、以下の理由に基づく。
【0079】まず、系統負荷の3相間の不平衡が大きけ
れば、数11の式のアドミタンスY 12,Y21が大きくな
り、この式の演算によるアドミタンスY1 ,Y2 の算出
誤差は大きくなる。
【0080】これは系統負荷が完全平衡状態であれば、
非対称成分が0となり、数11の式の演算でアドミタン
スY1 ,Y2 を誤差無く正確に算出できるが、そうでな
ければ、3相系統(3相回路)のアドミタンスY1 ,Y
2 が本来マトリクス量であるため、誤差を生じ、この誤
差は系統負荷の不平衡が大きくなる程増大するからであ
る。
【0081】しかし、配電系統等においては、抵抗成分
(R成分)とリアクタンス成分(L成分)とからなる一
般負荷が少々大きくても非対称成分(アドミタンスY
12 ,Y21)は対称成分(アドミタンスY11 ,Y22
に比して十分小さく、数11の式の演算からアドミタン
スY1 ,Y2 を算出して決定してもその算出誤差は小さ
い。
【0082】これは、配電系統の場合、アドミタンス7
にスタコンと呼ばれるコンデンサ設備が含まれ、この設
備の容量が一般負荷よりはるかに大きく、代表的なn=
5の第5調波に対するコンデンサ設備の容量は一般負荷
の約5倍であり、系統の負荷容量がほぼコンデンサ設備
で定まり、しかも、この設備は通常、5%以内の誤差で
平衡するように設定され、コンデンサ設備を含む負荷側
全体の不平衡が小さいからである。
【0083】したがって、電力系統1が配電系統等の場
合、周波数fα,fβの単相電流を電力系統1の例えば
a相,b相間に注入し、そのときの電力系統1の周波数
fα,fβの3相の電流,電圧の計測に基づき、数11
の式のY1 =I1 /V1 ,Y2 =I2 /V2 の演算を行
うことにより電力系統1の周波数fα,fβについての
正相アドミタンスY1 ,逆相アドミタンスY2 を3相注
入の場合と同程度の精度で計測することができる。
【0084】なお、単相電流をa相,b相間に注入する
代わりに、b相,c相間又はc相,a相間に注入しても
同様の結果が得られる。
【0085】また、配電系統より上位の系統では、一般
に配電系統より負荷の不平衡は小さいと考えられるた
め、単相電流の注入でより一層精度のよい計測が行え
る。
【0086】そして、今までの説明では、図3の3相不
平衡回路に基づき、数8の式の対角項のアドミタンスY
11,Y22がY11=Y22=3Y0 を満足し、アドミタンス
11とアドミタンスY22の大きさが等しいとした。
【0087】これは、正相アドミタンスと逆相アドミタ
ンスが等しいことを意味し、このことは厳密には成立し
ないが、正相アドミタンスと逆相アドミタンスとは、実
測によれば、その差が大きいと考えられるインバータ機
器であってもせいぜい3倍程度の差しかなく、両アドミ
タンスを等しいと考えても実用上は何ら問題はないから
である。
【0088】そのため、数8の式のアドミタンスの対称
成分マトリクスにおいて、非対角項が対角項に対して十
分小さく、アドミタンスY,Y2 の算出誤差は小さいと
することは、Y11≠Y22であっても不都合はない。
【0089】以上により、配電系統等の電力系統1に周
波数fα,fβの単相電流を注入してそれぞれの周波数
についてのアドミタンスY1 ,Y2 を計測する場合、そ
の電力系統1において、コンデンサ設備の容量(SC
容量)が小さく、かつ、重負荷で、しかも、その負
荷が不平衡であれば、アドミタンス計測の誤差を生ずる
ことになるが、これらの3つの条件を満足しないときに
は、3相注入の場合に比して損色のない精度で計測する
ことができることが判明した。
【0090】また、前記,,の条件を満足する電
力状態になるようなときは、通常、コンデンサ設備の容
量(SC容量)が増大可変され、アドミタンス計測の誤
差が少々大きくなっても拡大共振は起こらず、高調波特
性を測定する上で、実用上問題になることはない。
【0091】したがって、周波数fα,fβの単相電流
を電力系統1に注入して高調波特性を測定する場合、数
11の2式で示されるアドミタンスY1 ,Y2 を求めれ
ば、周波数fα,fβの注入電流についての電力系統1
のアドミタンス特性を実用的な精度で求めることができ
る。
【0092】そして、このアドミタンス特性から周波数
fα,fβの中間の着目高調波についての電力系統1の
アドミタンス特性を求めて測定することができる。
【0093】そこで、注入点Piの下位側の高調波特性
を測定する場合、前記したように電流注入装置13から
電力系統1の例えばa相,b相間に周波数fα,fβそ
れぞれの単相電流を中間高調波の電流として別個独立に
注入し、そのときの電力系統1の注入点Piの下位側に
流れる3相電流,電力系統1の3相電圧を変流器14,
変圧器15により計測する。
【0094】さらに、変流器14,変圧器15の2次側
計測信号に基づき、信号処理装置17により電力系統1
の周波数fα,fβそれぞれの3相電流Ia,Ib,I
c及び3相電圧Va,Vb,Vcを検出する。
【0095】そして、演算処理装置18により、3相電
流Ia,Ib,Ic及び3相電圧Va,Vb,Vcを、
零相の電流I0 ,零相電圧V0 が0になることを考慮し
て対称成分に分解し、周波数fα,fβそれぞれにつ
き、正相電流I1 ,正相電圧V1 及び逆相電流I2 ,逆
相電圧V2 を求める。
【0096】そして、数11の2式の演算I1 /V1
2 /V2 により、周波数fα,fβそれぞれの中間高
調波の電流注入に基づく注入点Piの負荷側の正相,逆
相アドミタンスY1 ,Y2 を求め、電力系統1の注入点
Piより負荷側の周波数fα,fβそれぞれについての
アドミタンス特性を求めて、それぞれの等価回路のアド
ミタンスを決定する。
【0097】このとき、周波数fα,fβの電流が電力
系統1に存在しない周波数の電流であるため、電流注入
装置13の注入電力量が微小であっても、電力系統1の
高調波の影響を受けることなくそれぞれのアドミタンス
特性を求めて等価回路のアドミタンスを決定できる。
【0098】さらに、着目高調波の周波数n・fsがf
α<n・fs<fβであるため、着目高調波についての
正相,逆相アドミタンスは、2周波数fα,fβについ
ての正相,逆相アドミタンスそれぞれから補間演算して
求めることができる。
【0099】そして、周波数fαについて求めた正相,
逆相アドミタンスをY1 α,Y2 α,周波数fβについ
て求めた正相,逆相アドミタンスをY1 β,Y2 βと
し、着目高調波についての正相,逆相アドミタンスをY
1n,Y2nとすると、演算処理装置18は正相アドミタ
ンスY1 α,Y1 β,逆相アドミタンスY2 α,Y2 β
それぞれの単純平均,重み付け平均等の種々の平均演算
処理により、着目高調波についての正相,逆相アドミタ
ンスY1n,Y2nを求めて図1の等価回路2のアドミタ
ンス7を決定し、注入点Piの下位側の着目高調波につ
いての高調波特性を測定する。
【0100】このとき、アドミタンスY1 α,Y1 β,
2 α,Y2 βが電力系統1の高調波の影響を受けるこ
となく正確に求まるため、着目高調波についてのアドミ
タンス7もその影響を受けることなく正確に求まり、高
調波特性の精度の高い測定が行える。
【0101】ところで、図1の破線の変流器21を設け
て電力系統1の上位側に流れる周波数fα,fβの3相
電流を計測すれば、インピーダンス3,4が既知である
ことから、変流器22,変圧器15の検出信号に基づ
き、前記と同様にして着目高調波についての等価回路6
のアドミタンス8を決定し、注入点Piの上位側の着目
高調波についての高調波特性を測定できる。
【0102】また、図1の破線の変流器22を設けて単
相注入電流を検出し、変流器14,21のいずれか一方
の検出結果と変流器22の検出結果とに基づき、注入点
Piの下位側及び上位側を流れる周波数fα,fβそれ
ぞれの3相電流を求めるようにすれば、電力系統1に変
流器14,22のいずれか一方のみを設けて、注入点P
iの下位側,上位側の着目高調波についての高調波特性
を測定できる。
【0103】つぎに、この実施の形態においては、例え
ば注入点Piの負荷側の高調波特性を測定する場合、等
価回路2をより完全に求めるため、着目高調波について
のアドミタンス7を求めて決定した後、着目高調波につ
いての電流源9を求める。
【0104】すなわち、着目高調波についてのアドミタ
ンス7が求まると、電流注入装置13による電流注入を
停止し、変流器14,変圧器15により、電力系統1の
下位側の着目高調波の電流(高調波電流),電圧(高調
波電圧)を実測する。
【0105】そして、実測された着目高調波の3相の高
調波電流をI(n),高調波電圧をV(n)とし、等価
回路2のアドミタンス7,電流源9の3相表記をY
(n),IG (n)とすると、注入点Piの下位側につ
き、つぎに数12の式が成立する。
【0106】
【数12】
【0107】したがって、演算処理装置18は、実測し
た高調波電流I(n),高調波電圧V(n)と、決定し
たアドミタンス7の値Y(n)とに基づき、数12の式
の演算から電流源9の値IG (n)を求め、着目高調波
についての等価回路2を完全に求めて決定する。
【0108】また、注入点Piの上位側の等価回路6を
より完全に求める場合は、例えば変流器21,変圧器1
5により電力系統1の上位側の着目高調波についての高
調波電流I(n)’,高調波電圧V(n)を実測し、こ
れらの実測値と等価回路6のアドミタンス8の値Y
(n)’とに基づき、つぎの数13の式の演算から等価
回路6の電流源10の値IG (n)’を求め、等価回路
6を完全に求めて決定する。
【0109】
【数13】
【0110】但し、数13の式中のV3 (n),V
4 (n)は着目高調波の電流I(n)’の通流に基づく
インピーダンス3,4の電圧降下を示し、V3 (n)=
3 ・I(n)’,V4 (n)=X4 ・I(n)’であ
る。
【0111】そして、等価回路2,6の決定された各回
路定数Y(n),Y(n)’,IG(n),I
G (n)’等は、記憶部19に記憶されるとともに表示
部20に例えば等価回路図の形式で画面表示される。
【0112】さらに、系統切換え等による高調波の低減
を行う場合は、前記の各測定がくり返されて最新の等価
回路2,6の状態が把握され、この結果等から等価回路
2に含まれるフィルタ設備の定数が最適値に設定され
る。
【0113】したがって、周波数fα,fβの電流とし
て、それぞれの単相電流を注入して電力系統1の高調波
特性を精度よく測定し、測定結果に基づく高調波の低減
等が行える。
【0114】そして、電流注入装置13から電力系統1
の例えばa相,b相間に注入した単相電流をIabと
し、この電流IabをΔY変換して得られた3相電流を
Ia,Ib,Icとすると、Ia=Iab,Ib=−I
ab,Ic=0になり、この3相電流を対称成分に分解
すると、例えば、零相電流I0 ,正相電流I1 はつぎの
数14の2式に示すようになる。
【0115】
【数14】
【0116】このとき、零相電流I0 は0であり、正相
電流I1 の絶対値はIabの1/√3(≒0.57)倍
になり、逆相電流I2 についても同様になる。
【0117】そのため、電力系統1の各相に電流Iab
と同容量の相電流を注入する3相注入の場合に比し、電
流注入装置13は1/√3の容量になり、その小型化,
軽量化が図られる。
【0118】ところで、前記実施の形態にあっては等価
回路2,6をアドミタンス7,8と電流源9,10との
並列回路とし、着目高調波についてのアドミタンス及び
電流源を求めたが、等価回路2,6をインピーダンスと
電圧源との直列回路とし、着目高調波についてのインピ
ーダンス及び電圧源を求めるようにしてもよいのは勿論
である。
【0119】この場合、周波数fα,fβの単相電流の
注入に基づき、正相アドミタンスY 1 ,逆相アドミタン
スY2 の代わりに、周波数fα,fβについての正相イ
ンピーダンスZ1 (=V1 /I1 ),逆相インピーダン
スZ2 (=V2 /I2 )を求め、それらの補間演算から
着目高調波についての正相インピーダンス,逆相インピ
ーダンスを求めればよい。
【0120】また、高調波特性として、着目高調波につ
いての正相又は逆相のアドミタンス或いはインピーダン
スのみが必要になる場合等には、周波数fα,fβにつ
いての、正相アドミタンスY1 又は逆相アドミタンスY
2 或いは正相インピーダンスZ1 又は逆相インピーダン
スZ2 だけを求め、それらの補間演算から着目高調波に
ついての正相又は逆相アドミタンス或いは正相又は逆相
インピーダンスのみを求めてもよい。
【0121】そして、電流注入装置13を含む注入・計
測部12の構成はどのようであってもよく、たとえば電
流注入装置13がインバータ構成でなくてもよいのは勿
論である。
【0122】
【発明の効果】本発明は、以下に説明する効果を奏す
る。まず、請求項1の場合は、2周波数fα,fβの中
間高調波の電流として、3相電力系統1の2相間に単相
電流を注入することにより、その系統1の着目高調波に
ついての正相アドミタンス,逆相アドミタンス又は正相
インピーダンス,逆相インピーダンスを求めることがで
きる。
【0123】そして、とくに配電系統のような非接地系
統にあっては零相成分を考慮する必要がなく、正相,逆
相成分によってその高調波特性を把握することができ
る。
【0124】このとき、周波数fα,fβの電流が電力
系統1に存在しないため、アドミタンスY1 ,Y2 又は
インピーダンスZ1 ,Z2 が系統1の高調波の影響を受
けることなく、精度よく求まり、この結果、着目高調波
についての正相,逆相のアドミタンス又はインピーダン
スが精度よく求まり、高調波特性の精度の高い測定を行
うことができる。
【0125】しかも、電力系統1に単相電流を注入すれ
ばよいため、その電流注入量が3相電流を注入する場合
の1/√3でよく、3相注入の場合より極めて小容量の
電流注入で測定することができる。
【0126】また、請求項2の場合は、請求項1の場合
と同様の2周波数fα,fβの中間高調波の電流として
の単相電流の注入に基づき、3相電力系統1の着目高調
波についての正相又は逆相アドミタンス或いは正相又は
逆相インピーダンスを求めて高調波特性の精度の高い測
定を行うことができる。
【0127】つぎに、請求項3,4の場合は、電流注入
装置13,変流器14,21,変圧器15及び信号処理
手段(信号処理装置17),演算処理手段(演算処理装
置18)を備えたため、請求項1又は2の高調波特性測
定方法により3相電力系統1の着目高調波についての高
調波特性を測定する新規な高調波特性測定装置を提供す
ることができ、その際、電流注入装置13の容量が3相
電流注入の場合の1/√3に低減され、装置の小型化,
軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の回路ブロック図であ
る。
【図2】図1の一部の詳細な結線図である。
【図3】図1の注入点の負荷側の中間高調波の電流につ
いてのΔ結線の等価回路図である。
【図4】(a)は図3の等価回路に単相電流を注入した
状態の等価回路図、(b)は(a)の等価回路図の電流
源をΔY変換した状態の等価回路図である。
【図5】図1の単相注入電流の3相対称成分への分解を
説明するベクトル図である。
【符号の説明】
1 3相電力系統 12 注入・計測部 13 電流注入装置 14,21 変流器 15 変圧器 17 信号処理装置 18 演算処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 不破 康弘 名古屋市東区東新町1番地 中部電力株式 会社内 (72)発明者 西村 荘治 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 蓑輪 義文 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 夏田 育千 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3相電力系統の2相間に、測定対象のn
    次の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波周
    波数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・
    fs<fβ)の単相電流を中間高調波の電流としてそれ
    ぞれ注入し、前記電力系統の各相の計測電流,計測電圧
    を周波数解析して前記両中間高調波の電流の注入に基づ
    く前記電力系統の前記2周波数fα,fβそれぞれにつ
    いての正相電流I1 ,正相電圧V1 及び逆相電流I2
    逆相電圧V2 を検出し、 前記電力系統の前記2周波数fα,fβそれぞれについ
    ての正相,逆相アドミタンスY1 ,Y2 又は正相,逆相
    インピーダンスZ1 ,Z2 をY1 =I1 /V1,Y2
    2 /V2 又はZ1 =V1 /I1 ,Z2 =V2 /I2
    して求め、 前記2周波数fα,fβについての前記両アドミタンス
    1 ,Y2 又は前記両インピーダンスZ1 ,Z2 から前
    記電力系統の前記着目高調波についての正相,逆相アド
    ミタンス又は正相,逆相インピーダンスを補間演算して
    求めることを特徴とする高調波特性測定方法。
  2. 【請求項2】 3相電力系統の2相間に、測定対象のn
    次の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波周
    波数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・
    fs<fβ)の単相電流を中間高調波の電流としてそれ
    ぞれ注入し、前記電力系統の各相の計測電流,計測電圧
    を周波数解析して前記両中間高調波の電流の注入に基づ
    く前記電力系統の前記2周波数fα,fβそれぞれにつ
    いての正相電流I1 ,正相電圧V1 又は逆相電流I2
    逆相電圧V2 を検出し、 前記電力系統の前記2周波数fα,fβそれぞれについ
    ての正相アドミタンスY1 又は逆相アドミタンスY2
    いは正相インピーダンスZ1 又は逆相インピーダンスZ
    2 をY1 =I1 /V1 又はY2 =I2 /V2 或いはZ1
    =V1 /I1 又はZ2 =V2 /I2 として求め、 前記2周波数fα,fβについての前記正相アドミタン
    スY1 又は前記逆相アドミタンスY2 或いは前記正相イ
    ンピーダンスZ1 又は前記逆相インピーダンスZ2 から
    前記電力系統の前記着目高調波についての正相アドミタ
    ンス又は逆相アドミタンス或いは正相インピーダンス又
    は逆相インピーダンスを補間演算して求めることを特徴
    とする高調波特性測定方法。
  3. 【請求項3】 3相電力系統の2相間に測定対象のn次
    の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波周波
    数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・f
    s<fβ)の単相電流を中間高調波の電流として注入す
    る単相出力の電流注入装置と、 前記電力系統の各相の電流を計測する変流器と、 前記電力系統の各相の電圧を計測する変圧器と、 前記変流器及び前記変圧器の3相の計測信号を周波数解
    析して前記両中間高調波の電流の注入に基づく前記電力
    系統の前記2周波数fα,fβそれぞれについての正相
    電流I1 ,正相電圧V1 及び逆相電流I2 ,逆相電圧V
    2 を検出する信号処理手段と、 前記信号処理手段の検出結果に基づき前記電力系統の前
    記2周波数fα,fβそれぞれについての正相,逆相ア
    ドミタンスY1 ,Y2 又は正相,逆相インピーダンスZ
    1 ,Z2 をY1 =I1 /V1 ,Y2 =I2 /V2 又はZ
    1 =V1 /I1,Z2 =V2 /I2 の演算から求め,前
    記2周波数fα,fβについての前記両アドミタンスY
    1 ,Y2 又は前記両インピーダンスZ1 ,Z2 から前記
    電力系統の前記着目高調波についての正相,逆相アドミ
    タンス又は正相,逆相インピーダンスを補間演算して求
    める演算処理手段とを備えたことを特徴とする高調波特
    性の測定装置。
  4. 【請求項4】 3相電力系統の2相間に測定対象のn次
    の着目高調波(周波数n・fs)を挟む系統基本波周波
    数fsの非整数倍の2周波数fα,fβ(fα<n・f
    s<fβ)の単相電流を中間高調波の電流として注入す
    る単相出力の電流注入装置と、 前記電力系統の各相の電流を計測する変流器と、 前記電力系統の各相の電圧を計測する変圧器と、 前記変流器及び前記変圧器の3相の計測信号を周波数解
    析して前記両中間高調波の電流の注入に基づく前記電力
    系統の前記2周波数fα,fβそれぞれについての正相
    電流I1 ,正相電圧V1 又は逆相電流I2 ,逆相電圧V
    2 を検出する信号処理手段と、 前記信号処理手段の検出結果に基づき前記電力系統の前
    記2周波数fα,fβそれぞれについての正相アドミタ
    ンスY1 又は逆相アドミタンスY2 或いは正相インピー
    ダンスZ1 又は逆相インピーダンスZ2 をY1 =I1
    1 又はY2 =I2 /V2 或いはZ1 =V1 /I1 又は
    2 =V2 /I2 の演算から求め,前記2周波数fα,
    fβについての前記正相アドミタンスY1 又は前記逆相
    アドミタンスY2 或いは前記正相インピーダンスZ1
    は前記逆相インピーダンスZ2 から前記電力系統の前記
    着目高調波についての正相アドミタンス又は逆相アドミ
    タンス或いは正相インピーダンス又は逆相インピーダン
    スを補間演算して求める演算処理手段とを備えたことを
    特徴とする高調波特性の測定装置。
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CN102520218A (zh) * 2011-12-06 2012-06-27 浙江大学 一种可编程故障电源模拟装置
JP2012186973A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Doshisha 交流電動機における固定子巻線の短絡故障診断方法
CN113608033A (zh) * 2021-07-22 2021-11-05 国网河南省电力公司电力科学研究院 一种高精度宽范围的配电网电容电流测试方法

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