JPH11354279A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JPH11354279A
JPH11354279A JP10160794A JP16079498A JPH11354279A JP H11354279 A JPH11354279 A JP H11354279A JP 10160794 A JP10160794 A JP 10160794A JP 16079498 A JP16079498 A JP 16079498A JP H11354279 A JPH11354279 A JP H11354279A
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JP
Japan
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light emitting
organic
organic light
electrodes
layer
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JP10160794A
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Inventor
Hisayuki Kawamura
久幸 川村
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/805Electrodes

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に作製できるとともに有機化合物の劣化
を防止できかつ高効率な有機EL素子を提供する。 【解決手段】 絶縁基板11に沿って対向する電極1
2,13に有機発光部21を挟持させた有機EL素子に
おいて、有機発光部21を単層に形成することで、電極
12,13間の距離が短くても簡単に作製でき、有機発
光部21に電荷注入補助剤を含有させることで、発光効
率を高めることができる。また、電極12,13は絶縁
基板11に沿って対向配置されているため、一回の成膜
で同時に形成できる。さらに、電極12,13を形成し
た後に有機発光部21を形成できるので、有機発光部2
1が高温に晒されることがなくなり、劣化を防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機エレクトロル
ミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)に関
し、詳しくは、絶縁基板上に並べて配置された電極間で
発光を生じる有機EL素子に関する。
【0002】
【背景技術】電界発光を利用したEL素子は、自己発光
であるため視認性が高いうえ、完全固体素子であるため
耐衝撃性に優れていることから、各種表示装置における
発光素子としての利用が注目されている。特に、発光材
料として有機化合物を用いた有機EL素子は、駆動電圧
が大幅に低くて済むうえに小型化が容易であるため、実
用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
【0003】有機EL素子は、一対の電極で有機発光層
を挟持した(陽極/有機発光層/陰極)積層型の素子構
成を基本とし、これに、正孔注入層、正孔輸送層、電子
注入層、電子輸送層等の有機化合物からなる層を適宜設
けたものが知られている。具体的には、陽極/正孔注入
層/有機発光層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層
/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の素子
構成がある。
【0004】このような有機EL素子は、通常、絶縁基
板上に電極金属を蒸着して形成した陽極の上に、有機発
光層を含む有機化合物層を蒸着し、この上に陰極となる
電極金属を蒸着して形成される。この方法では、電極金
属を二回蒸着しなければならない上に、これらの二回の
蒸着の間に有機化合物の蒸着を行わなければならない。
すなわち、有機化合物と電極金属とでは蒸着条件が異な
るため、プロセスが複雑になり、生産性が悪いという問
題があった。また、陰極を形成するために、融点の高い
電極金属を有機化合物層の上に蒸着しなければならない
ので、有機化合物層が高温に晒されて、有機化合物層、
特に、有機発光層が劣化し、ダークスポットが発生しや
すくなるおそれがあった。
【0005】このような問題点を解決するものとして、
絶縁基板上に1μm程度の隙間を介して対向する複数対
の電極を並設し、この電極付き基板に対して斜めの方向
から正孔輸送材料や電子輸送材料等の有機化合物を各電
極の側面に向かって順次蒸着して、電極間の隙間に絶縁
基板に沿って正孔輸送層や電子輸送層等を重ねる方法が
提案されている(特開平10−50477号公報)。こ
の方法では、電極上に有機化合物を蒸着するだけで、電
極と有機化合物層とを積層した構造を形成できるため、
生産性がよく、有機化合物層の劣化を防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電極間
の距離は1μm程度であるため、この1μmの隙間に有
機化合物層からなる多層構造を形成するのは困難であっ
た。これに対して、電極間に有機発光層のみを設けて単
層構造にする方法が考えられるが、有機発光層のみの有
機EL素子は、電荷の注入効率が悪いために発光効率が
低く、実用的でなかった。
【0007】本発明の目的は、容易に作製できるととも
に有機化合物の劣化を防止でき、かつ、高効率な有機E
L素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の有機EL素子
は、絶縁基板上に設けられて当該絶縁基板に沿って対向
する少なくとも一対の電極と、これらの対向する電極に
挟持された有機発光部とを備え、この有機発光部は、電
荷注入補助剤を含有して単層に形成されていることを特
徴とする。ここで、電荷注入補助剤とは、電極から有機
発光部への電荷の注入を補助するものであり、例えば、
正孔注入補助剤、電子注入補助剤等を挙げることができ
る。
【0009】本発明においては、電極に挟持される有機
発光部が単層に形成されているので、電極の間の部分に
多層構造を形成する必要がないから、電極間の距離が短
くても素子を簡単に作製できる。また、有機発光部に
は、電荷注入補助剤が含まれているため、有機発光部の
電荷の注入効率を向上させることができるから、単層で
も発光効率を高めることができる。 そして、電極は、
絶縁基板上に対向して設けられているので、一回の成膜
で同時に形成できるから、簡単に作製できる。さらに、
電極を形成した後に有機発光部を設けることができるの
で、有機発光部が高温に晒されることがなくなるので、
有機発光部の劣化を確実に防止できる。
【0010】以上において、絶縁基板上には、電極を覆
う単層の有機発光層が設けられ、当該有機発光層により
有機発光部が構成されていることが望ましい。すなわ
ち、複数の電極上に跨って有機発光層を成膜すれば、対
向する電極間の隙間にも有機発光層の一部が形成される
ので、電極間の距離が短くても簡単に有機発光部を形成
できる。
【0011】また、有機発光部は、電荷注入補助剤を
0.1〜20wt%含有することが望ましい。電荷注入
補助剤が有機発光部全体の0.1wt%未満であると、
電荷注入効率を十分に向上させることができないおそれ
があり、20wt%を越えると、電荷注入補助剤が消光
因子となる場合が生じる。この電荷注入補助剤の含有量
は、好ましくは、有機発光部全体の0.1〜5wt%で
ある。含有量をこの範囲とすることで、電荷輸送のトラ
ップを大幅に抑制できるとともに、生成した励起子の消
光因子となることがほとんどなくなることから、低電圧
でも高い発光効率が得られる。
【0012】以上において、電極には、駆動素子が設け
られていることが望ましい。すなわち、本発明では、対
向する電極間の距離は、有機発光部の幅に相当するの
で、有機発光部において正孔および電子を再結合させる
ためには、比較的短い距離、例えば1μm程度にする必
要がある。この有機発光部の光を、絶縁基板と直交する
方向に取り出す場合、電極の間から光を取り出すことに
なるので、例えば、電極間距離が1μm程度の場合、発
光が取り出される部分の幅は1μm程度となる。従っ
て、一対の電極で所定の発光面積を確保するためには、
前述した幅狭の有機発光部を発光面となる部分に密に設
ければよい。このように有機発光部を密に設けると、有
機発光部を挟持する電極の対向部分の面積が大きくなる
ため、駆動電圧が高くなって消費電力が増加する。これ
に対して、電極に駆動素子を設ければ、比較的低電圧で
駆動できるので、消費電力を低減させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本実施形態の有機E
L素子1が示されている。この有機EL素子1は、絶縁
基板11と、この絶縁基板11上に設けられた一対の電
極12,13と、これらの電極12,13を覆う単層の
有機発光層20とを備えている。電極12,13は、そ
れぞれ櫛歯状に形成されて基板11上に対向配置され、
互いの歯が平行かつ交互に並ぶように組み合わせた状態
で並設されている。
【0014】有機発光層20は、電荷注入補助剤を含む
有機化合物からなる単層膜であり、絶縁基板11の一方
の面の略全面に設けられ、図2にも示すように、電極1
2,13は、当該有機発光層20に封入されている。こ
のような有機発光層20のうち電極12,13に挟持さ
れた部分は有機発光部21とされ、これにより、有機発
光部21は、電荷注入補助剤を含有した単層膜となって
いる。本実施形態の有機EL素子1の駆動にあたって
は、電極12,13に電圧を印加して有機発光部21を
発光させる。この有機発光部21から放出される光は、
絶縁基板11と直交する方向、例えば、有機発光層20
側、或いは、絶縁基板11側から取り出すことができ
る。
【0015】次に、各構成要素について具体的に説明す
る。 (1)有機発光層 有機発光層20を主に構成する発光材料としては、通常
の有機EL素子において発光材料として用いられるもの
を適宜選択して使用することができ、例えば、ポリビニ
ルカルバゾール等を採用できる。有機発光層20は、電
荷注入補助剤を0.1〜20wt%含有するものであ
り、この電荷注入補助剤の含有量は、好ましくは、0.
1〜5wt%である。有機発光層に含有させる電荷注入
補助剤としては、前述した発光材料よりもイオン化ポテ
ンシャル(Ip)が小さい正孔注入補助剤、前述した発
光材料よりもアフィニティレベル(以下、Afという)
が大きい電子注入補助剤等を採用できる。これらの補助
剤は、単独で用いてもよく、複数種類を混合して用いて
もよい。
【0016】例えば、発光材料としてポリビニルカルバ
ゾールを用いた場合、正孔注入補助剤としては、芳香族
アミン類、アニリン類、ポリアニリン類、ピロール類、
ポリチオフェン類、スチリルアミン類、フェロセン、L
i、K、Ca、Mg、Al、TiO2 、金属ポルフィン
【0017】
【化1】
【0018】等を採用できる。前記スチリルアミン類と
しては、
【0019】
【化2】
【0020】等があり、金属ポルフィリン類の金属とし
ては、マグネシウム、亜鉛、銅、ニッケル、鉄等を挙げ
ることができる。
【0021】また、発光材料としてポリビニルカルバゾ
ールを用いた場合、電子注入補助剤としては、多環芳香
族類、ペリレン誘導体、キノン化合物、TCNQ(7,
7,8,8−テトラシアノキノンジメタン)誘導体、ア
ート錯体、ボラン誘導体、
【0022】
【化3】
【0023】Ph3B等を採用できる。このような有機
発光層20は、電極12,13の上に、発光材料および
電荷注入補助剤からなる薄膜を成膜することにより形成
でき、この有機発光層20の成膜により単層の有機発光
部21を形成できる。有機発光層20を成膜する方法
は、特に制限されないが、スピンコート法、蒸着法等を
採用できる。
【0024】(2)絶縁基板 絶縁基板11は、電極12,13を短絡させることなく
平面的に配置するためのものであり、その材質は、特に
制限されないが、例えば、ガラス、石英、ポリカーボネ
ート、ポリエーテルスルフォン、アクリル樹脂等を採用
できる。当該絶縁基板11を通じて有機発光部21の発
光を取り出す場合には、絶縁基板を透光性を有する材料
により形成することが好ましい。また、有機発光層20
側から有機発光部21の発光を取り出す場合には、絶縁
基板11の有機発光部21側の面の光の反射率が50%
以上であることが好ましい。この場合、図3に示すよう
に、絶縁基板11の有機化合物層20側の面11Aを粗
面にして反射率を高めるようにしてもよい。或いは、図
4に示すように、ガラス等からなる透光基板110と、
鏡面111Aを備えた反射板111と積層して反射率を
向上させてもよい。
【0025】(3)電極 電極12,13の材質は、有機化合物層20に電荷を注
入できるものであれば特に限定されず、例えば、Al、
Mg、K、Ca、Au、Pt、Na,Ba等の金属、A
l−Li、Mg:Ag等の合金等を用いることができ
る。このような電極12,13は、絶縁基板11上に電
極金属からなる薄膜を蒸着法等により成膜し、エッチン
グ等により各電極12,13のパターンを形成すること
により作製できる。有機発光部21を挟持する対になっ
た電極12,13間の距離D(図1参照)は、有機発光
部21の幅に対応するため、電極12,13が導通しな
い距離にするとともに各電極12,13から注入される
正孔および電子の再結合が可能な距離とする。具体的に
は、電極12,13間の距離Dは、50nm〜1μmと
することが好ましい。
【0026】電極12,13の形状および配置は特に制
限されないが、発光面積を確保するためには、線状の電
極12,13を密に形成することが好ましい。なお、電
極12,13は、図1に示した櫛歯状のものに限定され
ず、例えば、図5に示すように、電極12,13をそれ
ぞれ渦巻き状に形成して互いに重ならないように組み合
わせて配置してもよい。また、電極12,13は、断面
形状が矩形となるように形成してもよいが、図6に示す
ように、断面形状が三角形の山状に形成してもよい。こ
のようにすると、有機発光層20側から光を取り出す場
合、光が取り出される部分の面積を拡張でき、隣接する
有機発光部21の発光が電極12,13で隔てられるこ
とがほとんどなくなるので、発光面全体で均一な発光が
得られる。
【0027】このような有機EL素子1は、アクティブ
マトリクス駆動法により駆動することができる。すなわ
ち、図7に一部示すように、マトリクス状に配置された
走査ライン31および信号ライン32の各交点に、有機
EL素子1により構成した画素を設ける。各画素には、
TFT(Thin Film Transistor)からなる二つの駆動
素子T1 ,T2 、および、電荷を蓄積するための駆動素
子であるキャパシタCs を設けてアクティブ回路3を形
成する。
【0028】このような発光装置では、走査ライン31
と同時に信号ライン32を選択したとき、同時に選択さ
れたアドレス用TFTである駆動素子T1 は通電状態と
なるため、キャパシタCs に電荷が蓄積される。図示し
ない次の走査ラインが選択されて駆動素子T1 が非通電
状態になると、キャパシタCs の電荷蓄積によって生じ
た電位により、EL駆動用TFTである駆動素子T2 は
通電状態を持続するため、継続して発光させることがで
きる。このように駆動素子T1 ,T2 を用いて画素毎に
駆動させることで、省電力および高効率化を実現でき
る。なお、駆動素子は、TFTに限定されず、例えば、
MIM(Metal InsulatorMetal)等の他の駆動素子を
用いてもよく、駆動素子の種類は実施にあたって適宜選
択すればよい。
【0029】このような本実施形態によれば、以下のよ
うな効果がある。すなわち、電極12,13に挟持され
る有機発光部21が単層に形成されているので、電極1
2,13の間の部分に多層構造を形成する必要がないか
ら、電極間12,13の距離が短くても素子1を簡単に
作製できる。そして、有機発光部12には、電荷注入補
助剤が含まれているため、単層でも優れた発光効率が得
られる。さらに、電極12,13は、絶縁基板11上に
一回の成膜を行うだけで簡単に形成できる。また、電極
12,13を形成した後に有機発光層20を設けて有機
発光部21を形成するので、有機発光部21が高温に晒
されることがないから、有機発光部21の劣化を確実に
防止できる。
【0030】有機発光部21は有機発光層20により構
成されているので、複数の電極12,13の上に跨って
有機発光層20を成膜するだけで、電極12,13間の
距離が短くても、つまり、幅狭な有機発光部21でも簡
単に形成できる。
【0031】
【実施例】次に、本発明の効果を、具体的な実施例に基
づいて説明する。 〔実施例1〕本実施例1は、前記実施形態に基づいて図
1に示した構造の有機EL素子を作製する実験である。
予め、絶縁基板上に、図1に示すような櫛歯状のパター
ンの電極を不活性雰囲気中で形成した。なお、図1にお
いて、電極間の距離Dを0.5μm、櫛歯状電極の歯の
部分の長さLを100μm、電極の歯の先端と対向する
電極との距離Pを10μmとした。また、発光材料とし
てのポリビニルカルバゾールのTHF(テトラヒドロフ
ラン)溶液(40wt%)と、電子注入補助剤であるナ
フタレン−ナトリウム(前記化2参照)のTHF溶液
(5wt%)とを等量混合して混合液を作製した。な
お、ポリビニルカルバゾールのAfは3.0eV、ナフ
タレン−ナトリウムのAfは4.2eVである。
【0032】この混合液をスピンコータにより前述した
電極付き絶縁基板上に塗布して薄膜を形成し、有機発光
層を成膜した。このとき、混合液は、電極の上に塗布さ
れるとともに、隣接する電極間の隙間にも充填され、有
機発光層の一部からなる有機発光部が形成された。次い
で、この有機発光層付きの基板を80℃で15分加熱
し、室温まで冷却して本実施例1の有機EL素子を得
た。この有機EL素子に電圧を印加したところ、印加電
圧120Vで発光が観測された。
【0033】〔実施例2〕本実施例2では、前記実施例
1において、ナフタレン−ナトリウムTHF溶液を、ポ
リビニルカルバゾールTHF溶液の3倍量混合して混合
液とした以外は、前記実施例1と同様にして有機EL素
子を得た。本実施例2の有機EL素子に電圧を印加した
ところ、印加電圧180Vで発光が観測された。この結
果より、有機発光部における電子注入補助剤の含有量が
20wt%を越えると、素子性能が若干低下することが
わかる。
【0034】〔比較例1〕本比較例1では、前記実施例
1において、ナフタレン−ナトリウムTHF溶液を単な
るTHF溶液とした以外は、前記実施例1と同様にして
有機EL素子を得た。本比較例1の有機EL素子に電圧
を印加したところ、印加電圧230Vで発光が確認され
た。この結果より、電子注入補助剤を省略すると、発光
効率が著しく低下することがわかる。
【0035】〔比較例2〕本比較例2では、前記実施例
1において、ナフタレン−ナトリウムTHF溶液をポリ
スチレンのTHF溶液(5wt%)とした以外は、前記
実施例1と同様にして有機EL素子を得た。なお、ポリ
スチレンのAfは、2.8eVである。本比較例2の有
機EL素子に電圧を印加したところ、印加電圧230V
で発光が確認された。この結果より、ポリスチレンは、
Afがポリビニルカルバゾールよりも小さく、電荷注入
補助剤(電子注入補助剤)とならないことから、発光効
率の向上を図れないことがわかる。
【0036】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
絶縁基板に沿って対向する電極に有機発光部を挟持させ
た有機EL素子において、この有機発光部を単層に形成
することで、電極の間の部分に多層構造を形成する必要
がなくなるから、電極間の距離が短くても素子を簡単に
作製できる。また、有機発光部には、電荷注入補助剤が
含まれているため、有機発光部の電荷の注入効率を向上
させることができるから、発光効率を高めることができ
る。そして、電極は、絶縁基板上に対向して設けられて
いるので、一回の成膜で同時に形成できるから、簡単に
作製できる。さらに、電極を形成した後に有機発光部を
設けることができるので、有機発光部が高温に晒される
ことがなくなるから、有機発光部の劣化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を一部破断して示す平面
図。
【図2】前記実施形態の有機EL素子を示す断面図。
【図3】本発明の他の有機EL素子を示す断面図。
【図4】本発明のさらに他の有機EL素子を示す断面
図。
【図5】本発明の有機EL素子の他の電極配置を示す平
面図。
【図6】本発明のさらにまた他の有機EL素子を示す断
面図。
【図7】本発明の有機EL素子を駆動するアクティブ回
路を示す模式図。
【符号の説明】
1 有機EL素子 11 絶縁基板 12,13 電極 20 有機発光層 21 有機発光部 T1 駆動素子(アドレス用TFT) T2 駆動素子(EL駆動用TFT) Cs キャパシタ(駆動素子)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に設けられて当該絶縁基板に
    沿って対向する少なくとも一対の電極と、 これらの対向する電極に挟持された有機発光部とを備
    え、 この有機発光部は、電荷注入補助剤を含有して単層に形
    成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッ
    センス素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した有機エレクトロルミ
    ネッセンス素子において、 前記絶縁基板上には、前記電極を覆う単層の有機発光層
    が設けられ、 当該有機発光層により前記有機発光部が構成されている
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載した有機
    エレクトロルミネッセンス素子において、 前記有機発光部は、前記電荷注入補助剤を0.1〜20
    wt%含有することを特徴とする有機エレクトロルミネ
    ッセンス素子。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載した有機エレクトロルミネッセンス素子において、 前記電極には、駆動素子が設けられていることを特徴と
    する有機エレクトロルミネッセンス素子。
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