JPH1135399A - 気相法による微粒子および薄膜材料の製造装置とその製造方法 - Google Patents

気相法による微粒子および薄膜材料の製造装置とその製造方法

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JPH1135399A
JPH1135399A JP18975397A JP18975397A JPH1135399A JP H1135399 A JPH1135399 A JP H1135399A JP 18975397 A JP18975397 A JP 18975397A JP 18975397 A JP18975397 A JP 18975397A JP H1135399 A JPH1135399 A JP H1135399A
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capsule
film material
fine particles
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JP18975397A
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Hideo Kobayashi
秀生 小林
Masato Mori
正人 森
Yoshihito Sakai
佳人 酒井
Nobuhiko Wada
伸彦 和田
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Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無重力状態を繰り返し発生させる打ち上
げ式の無重力発生装置を利用した、気相法による微粒子
および薄膜材料の製造装置とその製造方法を提供する。 【解決手段】 円筒形の高真空容器に、高圧放電導入手
段と、目的とする微粒子および薄膜材料の生成体と、集
光線照射手段と、原料物質を含む混合ガスの導入手段
と、該容器内の排気手段と、該容器の内部状態検知手段
と、生成体と生成反応状況を観察する観察手段とを配設
して製造装置を構成し、打ち上げ式の無重力発生装置の
内カプセル内に該製造装置を格納して無重力状態中に製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無重力状態を繰
り返し発生させる打ち上げ式の無重力発生装置を利用し
た気相法による微粒子および薄膜材料の製造装置とその
製造方法に関し、特に高集積度LSI素子基板としての
ダイヤモンド薄膜の製造、切削用バイトのチップ等の刃
先や精密機械部品のダイヤモンドによる表面被覆として
のダイヤモンド薄膜の製造、半導体素子やセラミックス
等の精密研磨剤としてのダイヤモンド微粒子の製造、酸
化物高温超伝導等のセラミックス薄膜の製造等に好適な
気相法による材料製造装置とその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体,各種絶縁物,各種金
属,ダイヤモンド微粒子,ダイヤモンド薄膜,セラミッ
クス薄膜等の製造には、形成しようとする物質を含んだ
化合物をキャリア・ガスとともに供給し、加熱した基板
上で化学反応を行わせ、目的とする生成物を前記基板上
に生成させる化学気相成長法(気相法)を用いた製造装
置、すなわちCVD装置が用いられている。このCVD
装置には、基板の温度を上昇させて堆積させる熱CVD
装置、レーザー光等を基板に照射して化学反応や熱分解
を促進させる光CVD装置、形成しようとする物質を含
んだ混合ガスをプラズマ状態に励起するプラズマCVD
装置等が開発され、各種材料の製造に不可欠な存在とな
っている。
【0003】一方、従来より地上における各種の無重力
実験設備として、カプセルを垂直上方へ打ち上げる打ち
上げ手段と、上方から垂直下方へ自由落下して来るカプ
セルを減速停止する減速停止手段を備え、打ち上げ後か
ら自由落下して来るまでの間にカプセル内に無重力状態
を得る、次のような方式の打ち上げ式の無重力発生装置
等が開発されている。 (A)リニアモータ方式 これは、立設されるタワーに備えられる磁石(コイル)
およびカプセルに備えられる導体により得られるリニア
モータの作用により、カプセルに加速度を与えてカプセ
ルを上昇させた後、自由落下して来るカプセルをリニア
モータの作用により制動して回収する方式の装置であ
る。 (B)油圧または圧縮ガス方式 これは、立設された真空チューブ内において、その下方
に備えられた油圧または圧縮ガスで作動する打ち上げ装
置によりカプセルを打ち上げた後、打ち上げ装置と回収
装置とを入れ替え、緩衝材(プラチックビーズ)を備え
る回収装置の中に自由落下して来るカプセルを落として
回収する方式の装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、地上(大気
中)における前述した気相法(CVD技術)による製造
装置を用いたダイヤモンド微粒子,ダイヤモンド薄膜,
セラミックス薄膜等の製造は、重力による沈降、浮遊に
よる成分物質の分離や対流等、複雑な流動環境下の中で
目的とする生成物(製品)が製造されることになる。こ
のため、次のような問題点が指摘されていた。 (1)重力による沈降、浮遊による成分物質の分離や対
流の複雑な流れによって生ずる反応条件の乱れの影響を
減少させるため、反応温度や密度を低くする等といった
製造条件に制約が課せられているため、生成物(製品)
の性能や生産効率に限界がある。 (2)目的とする生成物を生成させる基板等を加熱する
と、対流が生ずる問題がある。 (3)製造に使用する反応容器の小型化および反応時間
の短縮が困難である。
【0005】このような問題を解決する手段として、宇
宙での無重力環境を利用して製造する方法があるが、実
現が難しく、製造コストも増大することは必至である。
【0006】そこでこの発明は、前述した問題点を解決
するべく、宇宙での無重力環境と同様な効果を持つ、前
述した従来の無重力状態を繰り返し発生させることが可
能な打ち上げ式の無重力発生装置を利用した気相法によ
る微粒子および薄膜材料の製造装置とその製造方法を提
供することを目的とし、開発したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、まず、気相法による微粒子および薄
膜材料の製造装置を次のように構成したものである。ま
ず、円筒形の高真空容器の両端部に、高圧放電導入手段
を円筒軸上中心部方向へ対向して設けた。つまり、高真
空容器内の放電が円筒軸に沿って生ずるように高圧放電
導入手段を配設した。また、前記高圧放電導入手段によ
って発生する高圧真空容器内の放電プラズマ域には、目
的とする微粒子および薄膜材料の生成体を配設した。そ
して、前記生成体の加熱や生成反応を促進させる集光線
照射手段と、目的とする微粒子および薄膜材料を生成す
るための原料物質を含む混合ガスを高真空容器内へ導入
するガス導入手段と、前記生成体に目的とする微粒子お
よび薄膜材料が生成された後、高真空容器内を排気する
排気手段と、高真空容器内の圧力・温度・生成反応中の
混合ガスの成分変化を検知する内部状態検知手段と、前
記生成体および生成反応状況を観察する観察手段とを高
真空容器にそれぞれ設け、もって気相法による微粒子お
よび薄膜材料の製造装置を構成したものである。
【0008】また、前記高圧放電導入手段は、交換可能
な高圧放電電極を備えた高圧電流導入端子と、この高圧
電流導入端子に高圧電流を供給する高圧電源(高周波高
圧電源)とから構成した。
【0009】また、前記生成体は、基板または捕集円筒
から構成した。
【0010】また、前記集光線照射手段は、レーザー光
と、レーザー光を集中させる集光レンズと、レーザー光
を高真空容器内へ導入し、前記生成体へ照射させるため
の導入窓から構成した。
【0011】次に、前述した気相法による微粒子および
薄膜材料の製造装置を用い、次のような方法によって目
的とする微粒子および薄膜材料を製造するようにしたも
のである。まず、基体に、外カプセルと内カプセルの二
重カプセルからなるカプセルを垂直上方へ打ち上げる打
ち上げ手段と、上方から垂直下方へ自由落下して来るカ
プセルを減速停止する減速停止手段を装備した打ち上げ
式の無重力発生装置における内カプセル内に、前述した
気相法による微粒子および薄膜材料の製造装置を格納
し、前記打ち上げ式の無重力発生装置でカプセルの打ち
上げと落下を繰り返し、カプセルの打ち上げ後から自由
落下して来るまでの間に発生する無重力状態中に前記製
造装置を稼働させて目的とする微粒子および薄膜材料を
製造することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に添付図面に基づき、この発明
による具体例を説明する。図1は、この発明の気相法に
よる微粒子および薄膜材料の製造装置における薄膜材料
製造時の正面断面図、図2は、図1の装置をA方向から
見た断面概略図、図3は、この発明の気相法による微粒
子および薄膜材料の製造装置における微粒子製造時の正
面断面図である。
【0013】まず、図1〜図2により、薄膜材料製造時
における本製造装置の全体構成を説明する。この薄膜材
料製造時の本製造装置Sは、目的とする原料物質を含む
混合ガスを封入する円筒形の高真空容器10と、放電が
円筒軸に沿って生じるように、この高真空容器10の両
端部に円筒軸上中心部方向へ対向して設けられた、タン
グステン,プラチナ,アルミニウム等の材質の物と交換
可能な高圧放電電極11を備えた高圧電流導入端子12
と、高圧放電電極11からの放電により発生する放電プ
ラズマ域Pの近傍または内部に配設された、目的とする
薄膜材料を生成させるための基板13と、高真空容器1
0の所定個所にそれぞれ設けられた、基板13上の加熱
や生成反応を促進させるためのレーザー光導入窓15
と、目的とする原料物質を含む混合ガスを高真空容器1
0内へ導入するためのガス導入配管16と、基板13に
目的とする薄膜材料が生成された後に高真空容器10内
を排気するための容器内排気配管17と、高真空容器1
0内の圧力・温度等を検知するための各種センサーと生
成反応中のガスの成分変化等を検知するマスフィルター
等をセットするための真空シールされたセンサー導入口
18と、基板13および生成反応状況を観察するための
観察窓19とから構成され、前記レーザー光導入窓15
の手前には、レーザー光を集める集光レンズ20と21
が備えられている。また、前記高圧電流導入端子12に
は、高圧電流がスイッチ23を介し、別個に設けた高圧
電源(高周波高圧電源)22から供給されるようになっ
ている。
【0014】次に、図3により、微粒子製造時における
本製造装置の全体構成を説明する。この微粒子製造時の
本製造装置S’は、前述した薄膜材料製造時の本製造装
置Sにおいて説明した基板13の代わりに、耐熱ガラス
(パイレックスガラス等)からなる微粒子捕集円筒24
を、高真空容器10の内壁に沿って押入して設けたもの
であり、他の部分の構成は、前述した薄膜材料製造時の
本製造装置Sと同構成としている。
【0015】次に、図4〜図11に基づき、この発明で
利用したリニアモータによる打ち上げ式の無重力発生装
置の全体構成と該無重力発生装置により発生する無重力
状態を用いた、この発明の気相法による微粒子および薄
膜材料の製造方法につき、順を追って説明する。図4
は、予め本製造装置を搭載した内カプセルを、この発明
で利用したリニアモータによる打ち上げ式の無重力発生
装置の外カプセル内へ収納している様子を示す説明図、
図5は、この発明で利用したリニアモータによる打ち上
げ式の無重力発生装置における打ち上げ部へ、図4にお
ける外カプセルをセットし、打ち上げ準備を行っている
様子を示す説明図、図6は、外カプセルの打ち上げ開始
後の様子を示す説明図、図7は、外カプセルが上昇して
行く様子を示す説明図、図8は、外カプセルが上昇して
最高点に達した様子を示す説明図、図9は、外カプセル
が下降して行く様子を示す説明図、図10は、外カプセ
ルが制動され、打ち上げ部に停止している様子を示す説
明図、図11は、図6〜図10までの段階を所定回数繰
り返した後、外カプセルを図4に示した初期状態に戻
し、内カプセル内の本製造装置の搬出を行っている様子
を示す説明図である。
【0016】まず、この発明で利用したリニアモータに
よる打ち上げ式の無重力発生装置の全体構成について説
明する。図4〜図11に示すように、この打ち上げ式の
無重力発生装置Wは、フレーム部材をもって塔状架構に
構成した基体50と、その基体50の両サイドに上下に
渡り配設されたガイドレール51と、そのガイドレール
51に沿って昇降する、ガイドローラ58と2次導体と
なる翼52を両サイドに備えた、内カプセル53aを収
納できるように構成された外カプセル53と、前記基体
50の底部フレーム54の両サイドに配設された、外カ
プセル53の打ち上げと制動を行う左右一対方式のリニ
アインダクションモータ55と、前記外カプセル53を
打ち上げ前には、外カプセル53をガイドレール51に
沿ってリニアインダクションモータ55の底部へ移動さ
せ、外カプセル53の落下後には、外カプセル53をリ
ニアインダクションモータ55の底部からガイドレール
51に沿って作業階56へ自動的に移動させて回収す
る、ホイスト57とガイドローラ58を装備した回収装
置Eとから構成されているものである。この打ち上げ式
の無重力発生装置Wの動作原理は、リニアインダクショ
ンモータ55と外カプセル53に装備された2次導体と
しての翼52によって得られる直線的な推力作用を用い
て外カプセル53に加速度を与え、外カプセル53を上
昇させた後、自由落下して来る外カプセル53をリニア
インダクションモータ55の作用によって制動・停止さ
せる。なお、前述した打ち上げ式の無重力発生装置Wに
おける無重力発生区間は、外カプセル53の打ち上げ開
始後から最高点(上死点)に達するまでの間と、外カプ
セル53が最高点(上死点)から下方に向け自由落下し
て来る間に発生する。(図6参照)
【0017】次に、前述の図4〜図11に例示したリニ
アモータによる打ち上げ式の無重力発生装置(W)を用
いた、この発明の気相法による微粒子および薄膜材料の
製造方法につき、図1〜図3に例示したこの発明の気相
法による微粒子および薄膜材料の製造装置(SorS’)
を参照しながら段階を追って説明する。なお、予め製造
装置(SorS’)は、外カプセル53がリニアインダク
ションモータ55により打ち出された時点で高圧電源2
2のスイッチ23をONにして高圧電流導入端子12間
に放電を開始し、外カプセル53の着地制動開始直前
(外カプセル53の上昇時および下降時における無重力
発生区間に要する時間後)にスイッチ23をOFFにす
るプログラムによって自動制御されるように構成してあ
る。
【0018】(1)〔製造装置SまたはS’の無重力発
生装置Wへの搬入〕(図4参照) まず、製造装置SorS’を搭載した内カプセル53a
を、作業階56から移動台車61により、無重力発生装
置Wの外カプセル53における収納部53bに収納す
る。(この場合、予め高真空容器10内を容器内排気配
管17を介して外部排気系により排気し、ガスボンベに
貯えた目的とする原料物質を含む混合ガスをガス導入配
管16から高真空容器10内へ導入しておく。)
【0019】(2)〔外カプセル53の打ち上げ準備〕
(図5参照) 回収装置Eのホイスト57を作動させ、外カプセル53
を基体50の底部フレーム54(リニアインダクション
モータ55の底部)にセットする。
【0020】(3)〔外カプセル53の打ち上げ開始と
製造装置SorS’の始動〕(図6参照) リニアインダクションモータ55を作動させ、外カプセ
ル53を垂直上方へ加速して打ち上げるとともに、高圧
電源22のスイッチ23をONし、高圧放電電極11か
ら放電を開始して放電プラズマを発生させる。そして、
レーザー光をレーザー光導入窓15から導入し、生成反
応を開始させる。(この際、外カプセル53は、空気抵
抗やガイドレール51の抵抗を受けるが、内カプセル5
3aは、外カプセル53の中を空気抵抗を受けずに自由
上昇するため、内カプセル53aは、収納部53b内で
浮き上がり、内カプセル53a内には無重力状態が発生
する。)
【0021】(4)〔外カプセル53の上昇〕(図7参
照) 前述(3)の生成反応を続行させ、目的とする薄膜また
は微粒子の生成を行う。(この場合も、前述(3)と同
様、内カプセル53aは、収納部53b内で浮き上が
り、内カプセル53a内には無重力状態が発生する。)
【0022】(5)〔外カプセル53の最高点(最上
部)到達〕(図8参照) 引き続き、前述した(4)と同様、生成反応を続行し、
目的とする薄膜または微粒子の生成を行う。(この場
合、内カプセル53aは、収納部53b内の最上部に浮
き上がり、内カプセル53a内には無重力状態が発生す
る。)
【0023】(6)〔外カプセル53の下降〕(図9参
照) 引き続き、前述した(5)と同様、生成反応を続行し、
目的とする薄膜または微粒子の生成を行う。(この場合
も、空気抵抗やガイドレール51の抵抗を外カプセル5
3が負担し、内カプセル53aは、外カプセル53の中
を空気抵抗を受けずに自由落下するため、内カプセル5
3aは、収納部53b内で浮き上がり、内カプセル53
a内には無重力状態が発生する。)
【0024】(7)〔外カプセル53の制動と停止〕
(図10参照) 落下して来る外カプセル53を、リニアインダクション
モータ55で制動(ブレーキをかける)し、停止させ
る。また、外カプセル53がリニアインダクションモー
タ55に突入する前に、高圧電源22のスイッチ23を
OFFし、製造装置SorS’の稼働を停止させ、1回目
の薄膜または微粒子の生成サイクルを終了する。こうし
て、前述(3)に戻り、迅速に所定の回数繰り返し運転
し、目的とする薄膜または微粒子の生成を終了する。
【0025】(8)〔無重力発生装置Wからの製造装置
SまたはS’の搬出〕(図11参照) 回収装置Eのホイスト57を作動させ、外カプセル53
を基体50上部の作業階56へ移動させる。そして、外
カプセル53の収納部53bに収納された内カプセル5
3aを、作業階56で待機した移動台車61により搬出
し、内カプセル53aから製造装置SorS’を取り出
し、生成された目的とする薄膜または微粒子を取り出
す。そして、高真空容器10内の排ガスは、容器内排気
配管17から排気し、ガスボンベからの一定圧力を持っ
た目的とする原料物質を含む混合ガスは、ガス導入配管
16から導入してガスの交換を行う。このようにして、
再び(1)の段階から開始するわけである。
【0026】
【実施例】前述した本製造装置SまたはS’と無重力発
生装置Wを用い、ダイヤモンド薄膜とダイヤモンド微粒
子を製造する場合には、予め、10-6Torr 以下に前述
した高真空容器10内を容器内排気配管17を介して外
部排気系を用いて排気し、生成反応用の混合ガスボンベ
に貯えたエチルアルコールと水素の混合ガスを、前述し
たガス導入配管16から50Torr 〜300Torr 前記
高真空容器10内へ導入する。
【0027】次に、前述した設定条件によるダイヤモン
ド薄膜の製造について説明する。前述した本製造装置S
における高真空容器10内に発生する放電プラズマ域P
の内部または近傍に配設された基板13に取り付けられ
たシリコン板上に、接触したプラズマ中のCHの各種ラ
ディカルがダイヤモンドの結晶として析出する。この各
種ラディカルは、無重量環境では対流によって散逸する
ことなく、濃密な雲として前記シリコン板の表面に滞留
し、ダイヤモンドの結晶を短時間に効率よく析出する。
この実施例の場合、一度前述の混合ガスを導入したら、
無重力発生装置Wによって所定回数の無重力状態中での
生成を繰り返し、ダイヤモンド薄膜の生成を終了する。
そして、析出成分の低下した混合ガスは、容器内排気配
管17より貯蔵容器に排気するとともに、高真空容器1
0内へガス導入配管16を介して前記混合ガスボンベか
ら一定圧力の混合ガスを導入し、ガスの交換を行う。
【0028】次に、前述した設定条件によるダイヤモン
ド微粒子の製造について説明する。前述した基板13の
代わりに、耐熱ガラス製の微粒子捕集円筒24を、高真
空容器10の内壁に沿って押入した後に、前述と同じ混
合ガス中で高圧放電電極11により放電を行う。この実
施例の場合には、円筒軸に沿ってCHラディカルを含む
プラズマが円筒状に発生し、周囲と気体との界面でダイ
ヤモンド微結晶粒の析出が生じ、拡散によって微粒子捕
集円筒24の内面に到達して煤のようにその内壁に付着
する。そして、無重力発生装置Wによって所定回数の無
重力状態中での生成を繰り返すことにより、所定の堆積
量が得られた後、高真空容器10内より微粒子捕集円筒
24を取り出す。
【0029】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、次のような効果を奏する。 <1>打ち上げ式の無重力発生装置による無重力状態を
繰り返し利用することで、宇宙での無重力環境と同様
に、気相法による均一で高品質な各種材料の生産が可能
となる。 <2>この発明では、反応物質と熱の空間的密度集中を
実現させたこと、つまり原材料原子密度の集中化によっ
て、生成反応時間および製造時間の短縮を可能とした。
そのため、従来より生産効率が向上することは勿論、生
産設備の小型化も実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の気相法による微粒子および薄膜材料
の製造装置における薄膜材料製造時の正面断面図であ
る。
【図2】図1の装置をA方向から見た断面概略図であ
る。
【図3】この発明の気相法による微粒子および薄膜材料
の製造装置における微粒子製造時の正面断面図である。
【図4】予め本製造装置を搭載した内カプセルを、この
発明で利用したリニアモータによる打ち上げ式の無重力
発生装置の外カプセル内へ収納している様子を示す説明
図である。
【図5】この発明で利用したリニアモータによる打ち上
げ式の無重力発生装置における打ち上げ部へ、図4にお
ける外カプセルをセットし、打ち上げ準備を行っている
様子を示す説明図である。
【図6】外カプセルの打ち上げ開始後の様子を示す説明
図である。
【図7】外カプセルが上昇して行く様子を示す説明図で
ある。
【図8】外カプセルが上昇して最高点に達した様子を示
す説明図である。
【図9】外カプセルが下降して行く様子を示す説明図で
ある。
【図10】外カプセルが制動され、打ち上げ部に停止し
ている様子を示す説明図である。
【図11】図6〜図10までの段階を所定回数繰り返し
た後、外カプセルを図4に示した初期状態に戻し、内カ
プセル内の本製造装置の搬出を行っている様子を示す説
明図である。
【符号の説明】
10・・・・高真空容器 11・・・・高圧放電電極(W,Pt ,Al 等へ交換
可) 12・・・・高圧電流導入端子(耐圧Max104 V R
F) 13・・・・基板(薄膜材料製造時に使用) 14・・・・基板13の保持台 15・・・・レーザー光導入窓(基板13の照射用) 16・・・・ガス導入配管 17・・・・容器内排気配管 18・・・・センサー導入口 19・・・・観察窓 20・・・・集光レンズ(シリンドリカル) 21・・・・集光レンズ(シリンドリカル) 22・・・・高圧電源〔RF(40KC=4000V,
100mA)〕 23・・・・スイッチ 24・・・・微粒子捕集円筒(微粒子製造時に使用) 25・・・・微粒子捕集円筒24の保持台 50・・・・基体 51・・・・ガイドレール 52・・・・翼 53・・・・外カプセル 53a・・・内カプセル 53b・・・収納部(内カプセル53a用) 54・・・・底部フレーム 55・・・・リニアインダクションモータ 56・・・・作業階 57・・・・ホイスト 58・・・・ガイドローラ 59・・・・昇降階段(機器保守点検用) 60・・・・ホイスト57の取付面 61・・・・移動台車(内カプセル53aを収納部53
bに搬入,収納部53bから内カプセル53aを搬出) 62・・・・無重力発生装置Wの設置面 63・・・・ワイヤー E・・・・回収装置 P・・・・放電プラズマ域 S・・・・本製造装置(薄膜材料製造時に使用) S’・・・本製造装置(微粒子製造時に使用) W・・・・無重力発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 佳人 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 (72)発明者 和田 伸彦 東京都府中市若松町1−7−6

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒形を呈する高真空容器と、この高真
    空容器の両端部に円筒軸上中心部方向へ対向して設けら
    れた高圧放電導入手段と、この高圧放電導入手段により
    発生する前記高真空容器内の放電プラズマ域に配設され
    た、目的とする微粒子および薄膜材料の生成体と、前記
    高真空容器にそれぞれ設けられた、前記生成体の加熱や
    生成反応を促進させる集光線照射手段と、目的とする微
    粒子および薄膜材料を生成するための原料物質を含む混
    合ガスを前記高真空容器内へ導入するガス導入手段と、
    前記生成体に目的とする微粒子および薄膜材料が生成さ
    れた後、前記高真空容器内を排気する排気手段と、前記
    高真空容器内の圧力・温度・生成反応中の混合ガスの成
    分変化を検知する内部状態検知手段と、前記生成体およ
    び生成反応状況を観察する観察手段とからなることを特
    徴とする気相法による微粒子および薄膜材料の製造装
    置。
  2. 【請求項2】 基体に、外カプセルと内カプセルの二重
    カプセルからなるカプセルを垂直上方へ打ち上げる打ち
    上げ手段と、上方から垂直下方へ自由落下して来るカプ
    セルを減速停止する減速停止手段を備え、打ち上げ後か
    ら自由落下して来るまでの間に内カプセル内に無重力状
    態を得る、打ち上げ式の無重力発生装置を用い、前記内
    カプセル内に請求項1記載の気相法による微粒子および
    薄膜材料の製造装置を格納して打ち上げと落下を繰り返
    し、打ち上げ後から自由落下して来るまでの間に発生す
    る無重力状態中に前記製造装置を稼働させて目的とする
    微粒子および薄膜材料を製造することを特徴とする気相
    法による微粒子および薄膜材料の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8911545B2 (en) 2007-07-06 2014-12-16 M. Technique Co., Ltd. Method for producing pigment nanoparticles by forced ultrathin film rotary reaction method, pigment nanoparticles, and inkjet ink using the same
CN108319214A (zh) * 2018-02-08 2018-07-24 无锡东谷工程科技有限公司 一种失重秤的控制方法、装置及系统

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