JPH1135364A - へどろを原料とした建築材料の製造方法 - Google Patents
へどろを原料とした建築材料の製造方法Info
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- JPH1135364A JPH1135364A JP18810097A JP18810097A JPH1135364A JP H1135364 A JPH1135364 A JP H1135364A JP 18810097 A JP18810097 A JP 18810097A JP 18810097 A JP18810097 A JP 18810097A JP H1135364 A JPH1135364 A JP H1135364A
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Abstract
もへどろの含有率を高くして、また建築材料の製造の際
のエネルギー消費量を小さくし、さらに任意の形状の建
築材料を製造して、しかもへどろに含有される有害な重
金属の溶出を防止する。 【解決手段】 湖底等から浚渫(ステップ1)したへど
ろを乾燥させて(ステップ2)微粉化し(ステップ
3)、カルシウム含有材とセメントと水と減水剤とを添
加して練り混ぜてペースト化し(ステップ4)、型枠に
流し込んで室温湿空養生して(ステップ5)から水蒸気
オートクレーブ養生により固体化する(ステップ6)こ
とにより、へどろを原料とした建築材料を製造する(ス
テップ7)。
Description
て建築材料を製造する方法に関する。更に詳述すると、
本発明は、へどろにセメント等を添加して固化すること
によりへどろを原料とした建築材料を製造する方法に関
する。
処理する方法として多数の種類の技術が知られている。
一般的には浚渫したへどろにセメント等を添加して固化
し、陸上投棄または埋め立て等の処理を行っている。こ
の場合のへどろの固化の方法としては以下のようなもの
がある。例えば、へどろを焼却して得た灰にセメント及
び水を添加して養生し、埋立投棄の際に崩壊しない程度
の圧縮強度を有するペレットにする方法がある(特開昭
54−127868号公報参照)。また、へどろにCa
CO3 を添加して焼却し、残渣をプレス成形してから水
蒸気オートクレーブ養生により固化する方法がある(特
開昭54−128476号公報参照)。さらに、へどろ
の焼却残渣にカルシウム成分を添加し、固化促進剤(珪
酸質物質、アルミニウム化合物等)を加えてプレス成形
してから水蒸気オートクレーブ養生により固化する方法
がある(特開昭54−128477号公報参照)。
と水と他の粘土材料とを混入して成形した後に高温炉で
焼成し、レンガ及び軽量骨材を製造する技術がある。同
様の固化処理の方法として、自然堆積するへどろとは異
なるが、上下水道汚泥の焼却灰からレンガを製造する技
術(神山ら(1993)、下水汚泥からのレンガ製造技
術−埼玉県における実施例−、建設省土木技術資料35
−12)や、この上下水道汚泥の焼却灰を軽量骨材等の
建築・建設材料として利用する技術(櫻井(198
7)、下水汚泥の建設材料化、建設省土木技術資料29
−10)がある。
を混ぜて成形しオートクレーブ養生により固化して建材
を製造する技術が存在する(特願平7−69705号公
報参照)。また、無機質汚泥を脱水しカルシウム成分と
固化促進剤(珪酸質物質、アルミニウム化合物等)を添
加して成形してからオートクレーブ養生により固化して
埋め立てたり建築用骨材材料を製造する技術が存在する
(特願昭55−124599号公報参照)。
たへどろの固化処理方法のうち、へどろにセメントを添
加して固化する場合や、へどろにカルシウム成分を添加
してプレス成形により固化する場合は、固化体の強度を
実用上十分な大きさにすると共にへどろに含まれる有害
な重金属を封じ込めるためにへどろに多量の添加剤を加
えなければならず、処理効率が悪かった。また、へどろ
を高温炉で焼成してレンガ等を製造する場合は、焼成の
エネルギー消費量が莫大になってしまうので省エネルギ
ー化の促進が困難であった。しかも、これらの方法で
は、固化のためにプレス成形を行っているので、固化体
の成形形状の自由度が小さくなり製品としての用途が限
られてしまう。
ぜて固化する場合は、処理すべき焼却灰への添加物の比
率が高くなってしまうので処理効率が悪かった。また、
無機質汚泥を脱水しカルシウム成分と固化促進剤を添加
した場合は、成形された固化体の強度を十分大きくする
ことができず製品としての用途が限られてしまう。
きい強度を有しながらもへどろの含有率を高くすること
ができ、また建築材料の製造の際のエネルギー消費量を
小さくして、さらに任意の形状の建築材料を製造するこ
とができ、しかもへどろに含有される有害な重金属の溶
出を防止できるへどろを原料とした建築材料の製造方法
を提供することを目的とする。
め、請求項1のへどろを原料とした建築材料の製造方法
は、湖底等から浚渫したへどろを乾燥させて微粉化し、
カルシウム含有材とセメントと水と減水剤とを添加して
練り混ぜてペースト化し、型枠に流し込んで室温湿空養
生してから水蒸気オートクレーブ養生により固体化する
ようにしている。したがって、へどろを乾燥させて塊状
になったものを粉砕して微粉化してカルシウム含有材及
びセメントに水と共に混合しているので、これらへどろ
とカルシウム含有材とセメントとを均一に混ぜ合わせて
ペースト化することができる。
ム含有材とセメントとを水中で練り混ぜる時に減水剤を
添加しているので、流動性を維持しながら水の添加比率
の小さいペーストを得ることができる。すなわち、乾燥
へどろは吸水性が高いのでペースト化のためには水を多
量に添加しなければならないが、余りに多くの水を加え
ると製造される建築材料の強度が不十分になってしま
う。このため、減水剤を添加することにより、十分な流
動性のあるペーストを得ながらもへどろの含有比率の大
きい高強度の建築材料を製造することができる。
とセメントとカルシウム含有材とから成る固体材料の全
重量を100重量部としたときに、添加する水の重量を
50〜60重量部とすると共に減水剤の重量を0.5〜
5重量部とすることが好ましい。この比率とすることに
より、へどろの流動性を確保しつつ水の添加量を抑えて
へどろの含有比率の大きい高強度の建築材料を得ること
ができる。
のセメントがへどろのケイ素成分及びアルミニウム成分
と反応して水和反応によりカルシウム−ケイ素とカルシ
ウム−アルミニウム系の結晶を生成して固化すると共に
カルシウム含有材が水和による固化することによりペー
スト全体を固化させる。ここで、セメント及びカルシウ
ム含有材はペースト中に均一に分布しているので、ペー
ストが全体として型崩れすることなく固化した状態とな
って型枠から外すことができる。
て、カルシウム含有材がへどろのケイ素成分と反応して
ケイ素−カルシウム化合物を生成する。このカルシウム
化合物が建築材料の骨格的成分となる。ここで、乾燥へ
どろとカルシウム含有材とは均一に混合したものである
ので、乾燥へどろとカルシウム含有材との接触面積を増
加して反応率及び反応量を大きくすることができる。そ
して、へどろを含むペーストが固化して建築材料を得る
ことができる。
はセメント及びカルシウム含有材の水和により型崩れし
ない程度に固化しているが、水蒸気オートクレーブ養生
の後のへどろはカルシウム含有材及びセメントと反応し
てカルシウム−ケイ素化合物を生成することにより強固
に固化している。このため、最終的に得られた建築材料
の強度を大きくすることができる。
材料の製造方法では、カルシウム含有材は石膏を含むよ
うにしている。したがって、石膏が室温湿空養生中に水
和して硬化するので、室温湿空養生により得られる固化
物の強度を大きくすることができる。このため、室温湿
空養生直後の固化したペーストの型崩れを防止すること
ができる。
築材料の製造方法では、セメントは早強ポルトランドセ
メントであるようにしている。したがって、各養生によ
り得られる固化物の強度を大きくすることができると共
に各養生に必要な時間を短縮することができる。
り本願発明者等が研究を重ねた結果、乾燥へどろの固体
材料全体に対する配合比率を50重量%にして製造した
建築材料が最高強度となることが判明した。この知見に
基づいて発明された請求項4のへどろを原料とした建築
材料の製造方法では、微粉化した乾燥へどろとカルシウ
ム含有材とセメントとから成る固体材料のうち乾燥へど
ろの添加率が50重量%であるようにしている。したが
って、製造された建築材料の強度を高くすることができ
ると共に、乾燥へどろはカルシウム含有材やセメントと
比較して比重が小さいので、建築材料の比重を小さくす
ることができる。しかも、多量のへどろを使用すること
ができる。
築材料の製造方法では、乾燥へどろと消石灰と石膏とセ
メントとの配合比率は50重量%:7〜15重量%:3
〜5重量%:30〜40重量%であるようにしている。
この比率とすることにより、製造された建築材料の比重
を0.9〜1程度に抑えることができる。
材料の製造方法では、微粉化した乾燥へどろにセメント
とカルシウム含有材と水と減水剤とを添加する際にリン
酸水素二ナトリウムを添加するようにしている。したが
って、へどろに含まれる有害な重金属を建築材料の内部
に封じ込めて溶出を防止できる。これは、へどろとセメ
ント等を練り混ぜる際にリン酸水素二ナトリウムとカル
シウム含有材とが反応してリン酸−カルシウム系の結晶
が生ずると共に、このリン酸−カルシウム系結晶がイオ
ン交換作用を起こして重金属を固定化するものと考えら
れる。
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。本発明の
へどろを原料とした建築材料の製造方法の工程を図1の
フローチャートに示す。この製造方法は、湖底等からへ
どろを浚渫して(ステップ1)、乾燥させ(ステップ
2)、微粉化し(ステップ3)、カルシウム含有材とセ
メントと水と減水剤とを添加して練り混ぜてペースト化
し(ステップ4)、型枠に流し込んで室温湿空養生して
(ステップ5)、水蒸気オートクレーブ養生により固体
化して(ステップ6)、最終製品である建築材料を得る
ようにしている(ステップ7)。
に示す。
る。このため、乾燥のためのエネルギーを節約して省エ
ネルギー化を図ることができると共に、へどろ中で微生
物による有機物の分解を促進することができる。この乾
燥工程では、へどろを例えば含水率8%程度にまで乾燥
させる。本実施形態では乾燥を天日干しにより行ってい
るが、これには限られず例えば加熱器により加熱して乾
燥させても良い。
の乾燥へどろを粉砕して微粉化する(ステップ3)。こ
こでの粉砕は粉砕器により行っている。この微粉化した
へどろを0.6mm目の篩に掛けてごみや粗粒分を除去
する。
含有材とセメントとを添加して十分に混合する。この混
合は粉体混合機の撹拌によりなされ、均一な混合が確認
されるまで続けられる。また、混合は撹拌性能の高い練
り混ぜ機により行うこともできる。この場合は、水及び
減水剤を混ぜる前に十分な空練りを行っておく。本実施
形態では、乾燥へどろとカルシウム含有材とを均一に混
合しているので、乾燥へどろとカルシウム含有材との接
触面積を増加して反応率及び反応量を大きくすることが
できる。これにより、建築材料を高強度に製造すること
ができる。
及び石膏を使用している。このため、石膏が室温湿空養
生中に水和反応により硬化して室温湿空養生で得られる
固化物の強度を大きくすることができるので、室温湿空
養生直後の固化したペーストの型崩れを防止することが
できる。本実施形態ではカルシウム含有材として消石灰
及び石膏を使用しているが、これに限られず少なくとも
石膏を含んでいれば良く例えば生石灰及び石膏を使用す
ることができる。
メントを使用している。このため、各養生により得られ
る固化物の強度を特に大きくすることができると共に各
養生に必要な時間を短縮することができる。本実施形態
ではセメントとして早強ポルトランドセメントを使用し
ているが、これに限られず例えば普通ポルトランドセメ
ント等を使用することができる。この場合も各養生によ
り強固な固化物を得ることができる。
ム含有材とから成る固体材料の本実施形態での配合率を
表2に示す。
重ねた結果、乾燥へどろの固体材料全体に対する配合比
率を50重量%にすると共にへどろ以外の他の固体材料
を表2に示す比率にして製造した建築材料が最高強度と
なることが判明した。また、表2に示す各材料の配合比
率によれば型枠での室温湿空養生中の際に脱型可能な強
度の凝固体を得ることができる。
セメントと比較して比重が小さいことから、その配合比
率を50重量%という高比率に設定することにより建築
材料の比重を小さくすることができる。具体的には、表
2に示す配合比率によれば建築材料の比重を0.9〜1
程度にすることができる。このため、本実施形態では乾
燥へどろの配合比率を表2に示すように50%という高
比率にしているので、建築材料の強度を高くすることが
できると共に軽量化を図ることができる。しかも、大量
のへどろを使用することができるので、へどろの有効利
用を促進することができる。なお、製造する建築材料に
着色を行う場合は、乾燥へどろにカルシウム含有材とセ
メントとを添加して混合する際に顔料を3重量%程度添
加する。
セメントとの混合物に予め水と減水剤とを混合した液体
を添加して練り混ぜてペースト化する(ステップ4)。
この練り混ぜはモルタルミキサー等の練り混ぜ機により
行う。減水剤は例えばレオビルドSP−8S((株)ポ
ゾリス物産製)のような高性能減水剤を使用することが
好ましい。
セメントとの混合物をペースト化するために水の他に減
水剤を添加しているので、流動性を維持しながら水の添
加比率の小さいペーストを得ることができる。すなわ
ち、乾燥へどろは吸水性が高いのでペースト化のために
は水を多量に添加しなければならないが、余りに多くの
水を加えると製造される建築材料の強度が不十分になっ
てしまう。このため、減水剤を添加することにより、十
分な流動性のあるペーストを得ながらもへどろの含有比
率の大きい高強度の建築材料を製造することができる。
型枠を使用した場合でもペーストの自重で型枠の隅々ま
で流れ込む程度である。この流動性を得ると共にへどろ
の含有比率の大きい高強度の建築材料を得るための乾燥
へどろとカルシウム含有材とセメントとを混合した固体
材料と水と減水剤との本実施形態での配合比率を表3に
示す。
とした場合に、練り混ぜ水は50〜60重量部、減水剤
は0.5〜5重量部とすることが好ましい。ここで、浚
渫したへどろの性状の違いに対応して減水剤の添加量を
適切な量にすることにより、ペーストの流動性を最適に
することができる。このため、この流動性の高いペース
トを型枠に流し込むことにより建築材料を製造できるの
で、この建築材料を任意の形状に設計することができ
る。
に2重量部のリン酸水素二ナトリウムを添加している。
したがって、乾燥へどろとセメント等を練り混ぜる際
に、リン酸水素二ナトリウムとカルシウム含有材とが反
応してリン酸−カルシウム系の結晶が生ずる。これによ
り、このリン酸−カルシウム系結晶がイオン交換作用を
起こすので、へどろに含まれる有害な重金属を建築材料
の内部に封じ込めて溶出を防止することができる。本実
施形態の建築材料の固体材料には50重量%のへどろが
含まれているので建築材料中には大量の有害な重金属が
含まれていると考えられるが、リン酸水素二ナトリウム
の添加により重金属の封じ込めを確実に行うことができ
る。なお、本実施形態ではリン酸水素二ナトリウムを添
加しているが、これには限られずリン酸水素二ナトリウ
ムを添加しなくても強固かつ軽量で形状の設計の自由度
が高い建築材料を得ることができる。
製造用の型枠に流し込む。この型枠を振動台に設置して
ペーストの脱気を行う。その後、室温湿空養生を24時
間行う。これにより、ペースト中のセメントが水和によ
り硬化してペースト全体を固化させる(ステップ5)。
ここで、セメントはペースト中に均一に分布しているの
で、ペーストが全体として型崩れすることなく固化した
状態となる。このため、ペーストの固化後に全体として
型枠から外すことができる。
和して硬化するので、室温湿空養生により得られる固化
物の強度を更に大きくすることができる。このため、室
温湿空養生直後の固化したペーストの型崩れを防止する
ことができる。
オートクレーブ養生を行う(ステップ6)。本実施形態
では水蒸気オートクレーブ養生として、180〜190
℃の飽和蒸気下で5〜17.5時間の養生を行って固化
体を生成し60℃の乾燥炉で3日間の乾燥処理を行って
いる。但し、水蒸気オートクレーブ養生の条件としては
これに限られないのは勿論である。
カルシウム含有材がへどろのケイ素成分と反応してケイ
素−カルシウム化合物を生成する。このカルシウム化合
物が建築材料の骨格的成分となる。ここで、乾燥へどろ
とカルシウム含有材とは均一に混合したものであるの
で、乾燥へどろとカルシウム含有材との接触面積を増加
して反応率及び反応量を大きくすることができる。そし
て、へどろを含むペーストが全体的に固化して建築材料
を製造することができる。
はセメント及び石膏により型崩れしない程度に固化して
いるが、水蒸気オートクレーブ養生後のへどろはカルシ
ウム含有材及びセメントと反応してカルシウム−ケイ素
化合物を生成することにより強固に固化している。この
ため、最終的に得られた建築材料の強度を大きくするこ
とができる。
ば、建築材料の固化、すなわちセメント及び石膏の固化
とカルシウム含有材及びへどろ成分の化合物の生成とを
室温湿空養生及び水蒸気オートクレーブ養生により行っ
ているので、加熱温度を180〜190℃程度に抑えて
製造に必要なエネルギーを削減することができる。この
ため、建築材料の製造コストを低減することができる。
トを流し込んで成形することができプレス加工を必要と
しないので、任意の形状の固化体を製造することができ
る。これにより、所望の形状の建築材料を得ることがで
きる。
料の製造方法により建築材料を製造した。浚渫したへど
ろの主化学成分の組成を表4に示す。
測定した結果、どの地点で採取されたサンプルでも20
重量%程度であった。
度にまで乾燥させた。乾燥して塊状になったへどろを粉
砕して粉砕器により微粉化した。この微粉化した乾燥へ
どろを0.6mm目の篩に掛けてごみや粗粒分を除去し
た。
トと消石灰と石膏とから成る固体材料を表5の配合比率
で添加して十分に混合した。
〜1の軽量なものとなった。そして、この混合は粉体混
合機の撹拌により行った。この撹拌は均一な混合が確認
されるまで続けた。
セメントとの混合物(固体材料)に予め水と減水剤(レ
オビルドSP−8S,(株)ポゾリス物産製)とを混合
した液体を添加して練り混ぜてペースト化した。固体材
料と水と減水剤との配合比率は表6に示すものとした。
り行った。減水剤を添加した水を固体材料に投入した直
後はビーター(混合翼)を低速(140rpm)で約1
0秒間回転させた。その後、ビーターを高速(285r
pm)で2分間回転させた。そして一旦停止して、さじ
棒でボール壁面の固体材料の固着状況を確認した。固着
している場合は掻き落とした。最後にビーターを高速
(285rpm)で2分間回転させた。
ストを型枠に流し込んだ。この型枠はJIS R 52
01準拠のモルタル供試体成型用型枠を使用した。この
型枠を振動台に設置してペーストの脱気を行った。この
振動台は、振動数2800Vpm、振幅0.8mmのも
のを使用した。そして、型枠の半分にペーストを流し込
んで2分間の振動締め固めを行ってから、型枠の残り半
分にペーストを流し込んで再度2分間の振動締め固めを
行った。
で20℃の室温湿空養生を行った。型枠への打設後4時
間の時点で表面成形作業を行った。そして、室温湿空養
生を24時間行った。これにより、ペーストが凝固し
た。
クレーブ装置にて蒸気養生を行った。ここでは180及
び190℃の飽和蒸気下で5〜17.5時間の養生を行
って固化体を生成し60℃の乾燥炉で3日間の乾燥処理
を行った。これにより、建築材料を製造した。
強度試験及び圧縮強度試験を行った。ここでの各試験は
JIS R 5201に準拠して行った。曲げ強度試験
の結果を表7に、圧縮強度試験の結果を表8にそれぞれ
示す。
の規格値(JIS A5416)である。したがって、
この実施例により得られた建築材料はオートクレーブコ
ンクリート壁材の範疇で比較すると規格値の約5〜7倍
の圧縮強度となった。すなわち、この建築材料は、比重
が約0.9〜1と軽量でありながら高強度の材料である
ことが判明した。
際の水及び減水剤を添加する時点で、リン酸水素二ナト
リウムを固体材料100重量部に対して2重量部だけ添
加した。そして、製造された建築材料について「千葉県
溶融スラグ利用促進指針(平成8年4月実施)」に示さ
れる溶出試験を行って、カドミウム、鉛、六価クロム、
砒素、総水銀、セレンの6物質の溶出の有無を検査し
た。その結果を表9に示す。
場合は、カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、総水銀、
セレンの6物質の全てが溶出しなかった。したがって、
建築材料としての使用中は勿論、産業廃棄物として埋め
立て処分された場合にも安全であることが明らかであ
る。
リン酸水素二ナトリウムを添加せずに製造した建築材料
について「千葉県溶融スラグ利用促進指針(平成8年4
月実施)」に示される溶出試験を行って、カドミウム、
鉛、六価クロム、砒素、総水銀、セレンの6物質の溶出
の有無を検査した。
ように、総水銀の溶出量が0.0004ppmとなっ
た。これは基準値の0.0005ppmを下回るもの
の、安全性を考慮すると溶出量はより少ないことが望ま
れる。
とした建築材料の製造方法によれば、湖底等から浚渫し
たへどろを乾燥させて微粉化し、カルシウム含有材とセ
メントと水と減水剤とを添加して練り混ぜてペースト化
し、型枠に流し込んで室温湿空養生してから水蒸気オー
トクレーブ養生により固体化するようにしているので、
微粉化した乾燥へどろとカルシウム含有材とセメントと
を水中で練り混ぜる時に減水剤を添加することにより、
十分な流動性のあるペーストを得ながらもへどろの含有
比率の大きい高強度の建築材料を製造することができ
る。
とセメントとカルシウム含有材とから成る固体材料の全
重量を100重量部としたときに、添加する水の重量を
50〜60重量部とすると共に減水剤の重量を0.5〜
5重量部とすることにより、へどろの流動性を確保しつ
つ水の添加量を抑えてへどろの含有比率の大きい高強度
の建築材料を得ることができる。
て、カルシウム含有材がへどろのケイ素成分と反応して
ケイ素−カルシウム化合物を生成する。このカルシウム
化合物が固化して建築材料の骨格的成分となる。さら
に、セメントの水和によっても建築材料を固化する。し
たがって、水蒸気オートクレーブ養生の後のへどろはカ
ルシウム化合物とセメントとにより強固に固化してい
る。このため、最終的に得られた建築材料の強度を大き
くすることができる。
トとカルシウム化合物との固化を室温湿空養生及び水蒸
気オートクレーブ養生により行っているので、加熱温度
を180〜190℃程度に抑えて製造に必要なエネルギ
ーを削減することができる。このため、建築材料の製造
コストを低減することができる。
トを流し込んで成形することができプレス加工を必要と
しないので、任意の形状の固化体を製造することができ
る。これにより、所望の形状の建築材料を容易に得るこ
とができる。
築材料の製造方法では、カルシウム含有材は石膏を含む
ようにしているので、石膏が室温湿空養生中に水和によ
り硬化して最終的に得られた建築材料の強度を更に大き
くすることができる。
材料の製造方法では、セメントは早強ポルトランドセメ
ントであるようにしているので、各養生により得られる
固化物の強度を大きくすることができると共に各養生に
必要な時間を短縮することができる。
築材料の製造方法では、微粉化した乾燥へどろとカルシ
ウム含有材とセメントとから成る固体材料のうち乾燥へ
どろの添加率が50重量%であるようにしているので、
製造された建築材料の強度を高くすることができると共
に、乾燥へどろはカルシウム含有材やセメントと比較し
て比重が小さいので、建築材料の比重を小さくすること
ができる。しかも、多量のへどろを使用することができ
るので、へどろの有効利用を促進することができる。
築材料の製造方法では、乾燥へどろと消石灰と石膏とセ
メントとの配合比率は50重量%:7〜15重量%:3
〜5重量%:30〜40重量%であるようにしているの
で、製造された建築材料の比重を0.9〜1程度に抑え
ることができる。これにより、軽量の建築材料を得るこ
とができる。
材料の製造方法では、微粉化した乾燥へどろにセメント
とカルシウム含有材と水と減水剤とを添加する際にリン
酸水素二ナトリウムを添加するようにしているので、へ
どろに含まれる有害な重金属を建築材料の内部に封じ込
めて溶出を防止できる。特に固体材料のへどろの添加率
が50重量%である場合には有害な重金属の添加量が多
くなるが、リン酸水素二ナトリウムの添加により重金属
の溶出を効果的に防止することができる。したがって、
建築材料としての使用中は勿論、産業廃棄物として埋め
立て処分された場合にも安全性を確保することができ
る。
法を示すフローチャート図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 湖底等から浚渫したへどろを乾燥させて
微粉化し、カルシウム含有材とセメントと水と減水剤と
を添加して練り混ぜてペースト化し、型枠に流し込んで
室温湿空養生してから水蒸気オートクレーブ養生により
固体化することを特徴とするへどろを原料とした建築材
料の製造方法。 - 【請求項2】 前記カルシウム含有材は石膏を含むこと
を特徴とする請求項1記載のへどろを原料とした建築材
料の製造方法。 - 【請求項3】 前記セメントは早強ポルトランドセメン
トであることを特徴とする請求項1または請求項2記載
のへどろを原料とした建築材料の製造方法。 - 【請求項4】 微粉化した前記乾燥へどろと前記カルシ
ウム含有材と前記セメントとから成る固体材料のうち前
記乾燥へどろの添加率が50重量%であることを特徴と
する請求項1から請求項3までのいずれか記載のへどろ
を原料とした建築材料の製造方法。 - 【請求項5】 前記乾燥へどろと前記消石灰と前記石膏
と前記セメントとの配合比率は50重量%:7〜15重
量%:3〜5重量%:30〜40重量%であることを特
徴とする請求項2または請求項3記載のへどろを原料と
した建築材料の製造方法。 - 【請求項6】 前記乾燥へどろと前記セメントと前記カ
ルシウム含有材とから成る固体材料の全重量を100重
量部としたときに、添加する前記水の重量は50〜60
重量部であると共に前記減水剤の重量は0.5〜5重量
部であることを特徴とする請求項1から請求項5までの
いずれか記載のへどろを原料とした建築材料の製造方
法。 - 【請求項7】 前記微粉化したへどろに前記セメントと
前記カルシウム含有材と前記水と前記減水剤とを添加す
る際にリン酸水素二ナトリウムを添加することを特徴と
する請求項1から請求項6までのいずれか記載のへどろ
を原料とした建築材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18810097A JP3922604B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | へどろを原料とした建築材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18810097A JP3922604B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | へどろを原料とした建築材料の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1135364A true JPH1135364A (ja) | 1999-02-09 |
JP3922604B2 JP3922604B2 (ja) | 2007-05-30 |
Family
ID=16217710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18810097A Expired - Fee Related JP3922604B2 (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | へどろを原料とした建築材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3922604B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002248494A (ja) * | 2001-02-27 | 2002-09-03 | Kobe Steel Ltd | シリカ含有泥土スラッジの処理方法 |
JP2021127648A (ja) * | 2020-02-17 | 2021-09-02 | 三菱マテリアル株式会社 | 供試体作製方法 |
WO2022208853A1 (ja) * | 2021-04-01 | 2022-10-06 | 株式会社エイケン | 砂漠土又は浚渫土を原材料に含む無焼成レンガ用の固化材、並びにその固化材を用いて砂漠土又は浚渫土を原材料に含む無焼成レンガの製造方法及びマニュアル式製造装置 |
-
1997
- 1997-07-14 JP JP18810097A patent/JP3922604B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2022208853A1 (ja) * | 2021-04-01 | 2022-10-06 | 株式会社エイケン | 砂漠土又は浚渫土を原材料に含む無焼成レンガ用の固化材、並びにその固化材を用いて砂漠土又は浚渫土を原材料に含む無焼成レンガの製造方法及びマニュアル式製造装置 |
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