JP2021127648A - 供試体作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】セメント系固化材を用いた固化処理土から気泡等を適切に除去して均一な供試体を作製できる供試体作製方法を提供すること。【解決手段】試料土とセメント系固化材とが混合された固化処理土を筒状容器に投入した後、固化処理土が投入された筒状容器をテーブルバイブレータのテーブル上に載置して、テーブルを固化処理土の状態に応じて例えば40Hz以上90Hz以下の振動周波数、鉛直方向に0.75mm±0.05mmの振幅で5秒以上振動させて供試体を作製する。【選択図】図3

Description

本発明は、土とセメント系固化材とが混合された供試体を作製する供試体作製方法に関する。
近年、セメント系固化材を使用した地盤改良工事が増加し、様々な土質の改良がなされている。このようなセメント系固化材を使用しても土質の種類によって、改良した土の強度が異なるため、地盤改良工事の度に、セメント系固化材と土とを混合した供試体を用いた室内配合試験を実施し、その土質を確認する必要がある。この室内配合試験の供試体作製には、地盤工学会基準「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」(JGS0821−2009)、又は、セメント協会標準試験方法「セメント系固化材による改良体の強さ試験方法」(JCAS L−01:2006)が用いられる。前者はタッピング法とも呼ばれ、固化処理土をモールド(筒状容器)に詰めて、床などにモールドを打ちつけて気泡除去の操作を行うものである。固化処理土の状態は比較的柔らかく、団子状又はひも状になるものに適している。後者はランマー法とも呼ばれ、ランマーの落下によるエネルギーにより固化処理土を突き固めて、供試体を作製する方法である。固化処理土の状態は比較的硬く、タッピング法では供試体の作製が難しい場合に適用される。
これらのうち、タッピング法は、個人の叩き方の違いにより、供試体にばらつきが生じることがあり、空隙が多く残る供試体や、ジャンカなど粗悪な状態の供試体が作製される可能性がある。また、多くの配合試験を実施することで、供試体作製者は多大な労力を必要とし、腱鞘炎の発症などのリスクがある。このため、個人差が生じない一定の供試体を作製する方法として、例えば、特許文献1及び2に記載のコンクリート成形物や軽量化粧パネルの製造方法に用いられるテーブルバイブレータを利用することが考えられる。
特許文献1に記載の軽量化粧パネルの製造方法は、テーブルバイブレータを用いて、表面化粧層、接着層、軽量パネル基体の3層からなる軽量化粧パネルを一体化製造する方法であり、テーブルバイブレータの振動加速度を0.5〜5gとして軽量化粧パネルを振動成形している。
特許文献2に記載の着色表面層を有するコンクリート成形物の製造方法は、テーブルバイブレータ上に設置された型枠内にスランプの着色セメント、砂及び水の混合物を流し込んで適宜厚さの着色表面層を形成し、ついで成形物の基層を成すコンクリート混合物を流し込んだ後、適宜強さの振動を適宜時間与えている。
特開平6−320512号公報 特開平9−201809号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の製造方法を供試体作製に用いることは難しい。具体的には、供試体は、試料土とセメント系固化材とが混合された固化処理土からなり、試料土は、地盤改良工事を実施する場所により、成分比率が都度異なる。このため、特許文献1に記載の方法における振動加速度で振動させても、セメント系固化材を用いた固化処理土から気泡を適切に除去することはできない。また、特許文献2の方法は、コンクリートの製造方法であることから、セメント系固化材を用いた固化処理土に適したものではなく、適宜強さの振動を適宜時間与えることしか開示されていないため、固化処理土に適切な振動を与えることはできない。つまり、特許文献1及び2に記載の製造方法では、セメント系固化材を用いた固化処理土から気泡等を適切に除去し、均一な供試体を作製できない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、セメント系固化材を用いた固化処理土から気泡等を適切に除去して均一な供試体を作製できる供試体作製方法を提供することを目的とする。
本発明の供試体作製方法は、試料土とセメント系固化材とが混合された固化処理土を筒状容器に投入した後、前記固化処理土が投入された前記筒状容器をテーブルバイブレータのテーブル上に載置して、前記テーブルを前記固化処理土の状態に応じた振動周波数で5秒以上振動させて供試体を作製する。
本発明では、固化処理土が投入された筒状容器をテーブルバイブレータにより振動させることにより、固化処理土内の気泡等を適切に除去できる。つまり、供試体作製者が、固化処理土が投入された筒状容器のタッピングをする必要がないことから、供試体作製者のタッピング技術の個人差が生じることがなく、筒状容器を均一に振動させることができる。このため、筒状容器内の固化処理土から気泡等を均一に除去でき、均一な供試体を作製できる。
本発明において、前記振動周波数は40Hz以上90Hz以下であるとよい。
振動周波数が40Hz未満であると、振動周波数が低すぎて筒状容器内の固化処理土から適切に気泡等を除去するのが難しい。一方、振動周波数が90Hzを超えると、振動周波数が高すぎて、筒状容器内の固化処理土が振動により飛び跳ねたり、ブリーディングが生じたりして、固化処理土内の水分と固形分とが分離して供試体を適切に作製できないおそれがある。
振動周波数を40Hz以上90Hz以下の範囲に設定することにより、この範囲内で振動周波数を固化処理土の状態に合わせて筒状容器を適切に振動させることができる。これにより、適切な供試体を作製できる。
本発明の供試体作製方法の好ましい態様としては、前記筒状容器は内径5cmm、高さ10cmであり、前記固化処理土の前記筒状容器への投入は、複数回に分けて実施され、前記筒状容器に前記固化処理土が投入される度に、前記テーブルを前記固化処理土の状態に応じた振動周波数で、かつ、鉛直方向の振幅を0.75mm±0.05mmで5秒以上振動させるとよい。
上記態様では、固化処理土が複数回に分けて筒状容器に投入され、その度に筒状容器を振動させるので、確実に固化処理土から気泡等を除去でき、より均一な供試体を作製できる。
本発明の供試体作製方法の好ましい態様としては、前記固化処理土のJIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に基づくフロー試験により測定されたフロー値が110mm以上120mm未満の場合に前記振動周波数を85±5Hzとし、前記フロー値が120mm以上135mm未満の場合に前記振動周波数を72.5±7.5Hzとし、前記フロー値が135mm以上150mm未満の場合に前記振動周波数を57.5Hz±7.5Hzとし、前記フロー値が150mm以上200mm未満の場合に45±5Hzとするとよい。
ここで、フロー値が大きいほど、固化処理土は緩くなる。
上記態様では、フロー値が大きくなるほど振動周波数を小さく設定しているので、フロー値が大きく緩い固化処理土を激しく振動させることを防止して、筒状容器外に固化処理土が飛び散ることを抑制できる。また、フロー値に応じた振動周波数を設定しているので、固化処理土の緩さ(状態)にかかわらず、供試体を安定かつ均一に作製できる。
本発明によれば、セメント系固化材を用いた固化処理土から気泡等を適切に除去して均一な供試体を作製できる。
本発明の一実施形態に係る供試体作製方法に用いられる供試体作製装置を示す側面図である。 上記実施形態の供試体作製装置の上面図である。 上記実施形態の供試体作製方法の手順を示すフローチャートである。 図3のフローチャートにおけるフロー値を取得するために実行されるフロー試験の手順を示すフローチャートである。 図3のフローチャートにおける振動数決定手順を示すフローチャートである。 上記実施形態の供試体作製方法により供試体を作製する前に実施するフロー試験における筒体に固化処理土を投入する工程を示す模式図である。 上記フロー試験における筒体を垂直方向に除去する工程を示す模式図である。 上記フロー試験における固化処理土に振動を付与する工程を示す模式図である。 上記フロー試験における振動後の固化処理土のフロー値を計測する工程を示す模式図である。 上記実施形態の筒状部材が装着された筒状容器がゴム部材に装着され、かつ、固化処理土が投入された状態を拡大して示す断面図である。 図10に示す状態の筒状容器を振動させた後の状態を示す断面図である。 図11に示す状態の供試体作製装置から筒状部材を取り外して、不要な固化処理土をそぎ落とした状態の筒状容器を示す断面図である。 上記実施形態の供試体作製方法により作製された供試体を示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態の供試体作製方法は、図1に示す供試体作製装置40を用いて、図3のフローチャートに示す手順で実行される。供試体10A(図13参照)は、室内配合試験に用いられるものであり、供試体作製には、地盤工学会基準「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」(JGS0821−2009)によるタッピング法、又は、セメント協会標準試験方法「セメント系固化材による改良体の強さ試験方法」(JCAS L−01:2006)によるランマー法のいずれかが用いられるのが一般的である。本実施形態の供試体作製方法は、タッピング法に代わる供試体作製方法であり、試料土にセメント系固化材を混合した固化処理土10から気泡等を適切に除去して、均一な供試体10Aを作製する方法である。
[供試体作製装置の構成]
本実施形態の供試体作製装置40は、いわゆるテーブルバイブレータにより構成され、図1に示すように、駆動部(図示省略)を内部に有する本体部41と、制御パネル42と、制御パネル42の制御により振動させられるテーブル44と、テーブル44と本体部41との間に設けられるばね部材43と、テーブル44の上面に固定されたゴム部材45と、を備えている。この本体部41の下面(図1における下側の面)には、本体部41を支持する4つの脚部が設けられている。制御パネル42は、テーブル44の振動周波数等を制御可能に構成されている。
ここで、振動周波数が40Hz未満であると、振動周波数が低すぎて筒状容器50内の固化処理土10から適切に気泡等を除去するのが難しい場合がある。一方、振動周波数が90Hzを超えると、振動周波数が高すぎて、筒状容器50内の固化処理土10が振動により飛び跳ねたり、ブリーディングが生じたりして、固化処理土10内の水分と固形分とが分離して供試体を適切に作製できない可能性がある。
このため、本実施形態では、テーブル44を振動させる振動周波数は、例えば、40Hz以上90Hz以下に設定されており、テーブル44の鉛直方向の振幅は、0.75mm±0.05mmに設定されている。このような振動周波数は、制御パネル42の操作により40Hz〜90Hzの範囲内で適宜設定可能とされており、供試体10Aを作製するための固化処理土の状態に合わせて変更される。
ゴム部材45は、例えば、天然ゴムや合成天然ゴム(イソプレンゴム)、ニトリルゴムなどにより形成され、ボルト(図示省略)によりテーブル44の上面に固定されている。このゴム部材45の上面には、筒状容器50を収容するための凹部451が複数(図2に示す例では9つ)形成されている。この凹部451の高さが筒状容器の20%未満では、筒状容器50がテーブル44の振動により飛び出す可能性がある。一方、凹部451の高さが筒状容器50の高さの80%を超えると、筒状容器50(固化処理土10)に適切に振動を伝えにくく、供試体を適切に作製できない可能性がある他、振動終了後に筒状容器50を取り出すのが難しい。このため、本実施形態では、凹部451の高さを筒状容器50の高さの20%以上80%以下に設定している。
また、筒状容器50は、内径5cm×高さ10cmに設定されており、金属、紙、プラスチック等により形成されている。つまり、筒状容器50の外径は、形成された材料により異なる。このため、本実施形態では、ゴム部材45の凹部451の内径は、50mm以上52mm以下に設定され、筒状容器50がどの素材により形成されていても適切に支持できるようにしている。
なお、ゴム部材45の引張強さ(JIS K6251)が16MPa未満では、ゴム部材45が伸びにくく、硬すぎることから、筒状容器50に振動を与えにくくなる可能性があり、35MPaを超えるとゴム部材45が伸びやすく、柔らかすぎることから、筒状容器50を適切に保持できない可能性がある。このため、本実施形態では、ゴム部材45の引張強さを16MPa以上35MPa以下としている。
また、供試体作製装置40は、筒状容器50上に載置するための筒状部材60を有している。筒状部材60は、例えば、ステンレスにより形成され、内径が50mm〜60mm、高さが20mm〜60mmに設定されている。この筒状部材60は、筒状容器50上に載置されることにより、振動により筒状容器50が凹部451から飛び出すことを抑制する。具体的には、筒状部材60は、筒状容器50の上端部を囲むように筒状容器50に取り付けられ、これにより筒状容器50に振動が付与される際に、筒状容器50外に固化処理土10が溢れ出すことを抑制する。
なお、本実施形態の供試体作製装置40におけるゴム部材45及び筒状容器50の寸法を例示すると、ゴム部材45の高さH1は、20mm〜80mm、筒状容器50の高さH2が100mm+筒状容器50の底面の厚み、凹部451の底面の厚みH3が1mm〜5mmとされている。また、凹部451の底面の厚みH3は、上記数値範囲内であることが好ましいが、凹部451は、ゴム部材45を貫通していてもよい。この場合、筒状容器50の底面が直接テーブル44に当接することとなる。
[供試体作製方法]
この供試体作製装置40を用いた供試体作製方法では、試料土とセメント系固化材とが混合された固化処理土10を地盤工学会基準「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」(JGS0821−2009)に基づくモールド(内径5cm、高さ10cmの筒状容器50)に投入した後、固化処理土10が投入された筒状容器50をテーブルバイブレータ40のテーブル44上に載置して、テーブル44を固化処理土10の状態に応じた振動周波数で、かつ、鉛直方向の振幅を0.75mm±0.05mmで5秒以上振動させることにより供試体を作製する。以下、詳しく説明する。
まず、供試体を作製するための固化処理土10のフロー値を取得する(ステップS1)。このフロー値の取得は、例えば、図4に示すフローチャートに示す手順にて実行される。まず、試料土にセメント系固化材を混合して固化処理土10を作製する(ステップS11)。試料土は、室内配合試験の対象となる土地の土であり、その土質は、粘質土や砂質土からなるのが一般的である。また、セメント系固化材としては、例えば、ユースラビラー50(三菱マテリアル株式会社岩手工場製)が用いられる。このステップS11の処理では、試料土1mに対して200〜400kg/mのセメント系固化材を添加するとともに、必要に応じて水を加えて混合することにより、水固化材比(セメント系固化材に対する水の比率:W/C)が0%以上220%以下の固化処理土とする。
ステップS11の処理により固化処理土10を作製した後、図6に示すように、固化処理土10を筒体20に投入する(ステップS12)。具体的には、JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に記載のフロー試験の手順に合わせて、フローテーブル30の上面31における中央に置いた筒体20に固化処理土10を2層に詰め、各層を直径20±1mm、質量500±3gの突き棒の先端が各層の約1/2の深さまで入るように全面にわたって各々15回突き、最後に必要に応じて不足分を補い、表面をならすことにより実行される。この筒体20は、上部内径70.0±0.5mm、下部内径100±0.5mm、高さ60.0±0.5mmに設定される円錐台状に形成されている。
そして、ステップS12の処理により固化処理土10が筒体20に充填されると、この筒体20を図7に示すように、垂直方向に移動させて取り外す(ステップS13)。これにより、図8に示すように、円錐台状に形成された固化処理土10がフローテーブル30の上面31における中央に配置される。
ステップS13の処理により、円錐台状の固化処理土10が上面31の中央に載置されると、フロー装置(図示略)を駆動させて、円錐台状の固化処理土10に振動を付与する(ステップS14)。この振動付与は、フローテーブル30に15秒間に15回の割合で落下運動を与えることにより実行される。
このステップS14の処理が実行されると、円錐台状の固化処理土10が振動により上面31側の部位が徐々に崩れて円周方向外側に広がり、例えば、図9に示す状態となる。
ステップS14の処理後、上面31に広がった固化処理土10の外径を測定してフロー値を算出する(ステップS15)。具体的には、図9に示すように、固化処理土10が広がった後の径を最大と認める方向の幅w1と、これに直交する方向の幅w2とで1mm単位まで測定し、その平均値を、ミリメートル(mm)を単位とする無名数の整数で表す。この試験は2回行い、その平均値をフロー値とする。
このステップS1(ステップS11〜S15)によりフロー値を取得すると、フロー値に応じたテーブル44の振動周波数を決定する(ステップS2)。このステップS2の処理は、図5に示すフローチャートに示す手順で実行される。まず、ステップS1により測定された固化処理土10のフロー値を取得する(ステップS21)。そして、取得したフロー値が110mm以上120mm未満であるか否かを判定する(ステップS22)。このステップS22の判定処理により、フロー値が110mm以上120mm未満である(ステップS22でYES)と判定された場合、テーブル44の振動周波数を85±5Hzに設定し(ステップS23)、処理を終了する。一方、ステップS22の判定処理によりフロー値が120mm以上である(ステップS22でNO)と判定された場合、次の判定ステップ(ステップS24)へと移行する。
判定ステップS24では、フロー値が120mm以上135mm未満であるか否かを判定する。このステップS24の判定処理により、フロー値が120mm以上135mm未満である(ステップS24でYES)と判定された場合、テーブル44の振動周波数を72.5±7.5Hzに設定し(ステップS25)、処理を終了する。一方、ステップS24の判定処理によりフロー値が135mm以上である(ステップS24でNO)と判定された場合、次の判定ステップ(ステップS26)へと移行する。
判定ステップS26では、フロー値が135mm以上150mm未満であるか否かを判定する。このステップS26の判定処理により、フロー値が135mm以上150mm未満である(ステップS26でYES)と判定された場合、テーブル44の振動周波数を57.5±7.5Hzに設定し(ステップS27)、処理を終了する。一方、ステップS26の判定処理によりフロー値が150mm以上である(ステップS26でNO)と判定された場合、次の判定ステップ(ステップS28)へと移行する。
判定ステップS28では、フロー値が150mm以上200mm未満であるか否かを判定する。このステップS28の判定処理により、フロー値が150mm以上200mm未満である(ステップS28でYES)と判定された場合、テーブル44の振動周波数を45±5Hzに設定し(ステップS29)、処理を終了する。一方、ステップS28の判定処理によりフロー値が200mm以上である(ステップS28でNO)と判定された場合も処理を終了する。この場合、フロー値が110mm未満、又は200mm以上であることから、供試体作製装置40による供試体作製は困難であるため、これ以降の処理も終了する。
次に、固化処理土10を内径5cm、高さ10cmの筒状容器50に筒状部材60を固定した状態で投入する(ステップS3)。この筒状部材60の内径は、筒状容器50の外径よりも若干小さく形成されているため、筒状部材60の内周面が筒状容器50の外周面に当接し、筒状容器50の開口より上側に溢れた状態の固化処理土10を囲むように配置される。具体的には、図10に示すように、筒状容器50の開口端の上側に溢れるように固化処理土10を投入する。
そして、固化処理土10が投入された筒状容器50をテーブル44上(ゴム部材45の凹部451内に固定する(ステップS4)。この場合、凹部451の直径は、筒状容器50の外径と略同じか若干大きく形成されているため、筒状容器50が凹部451に確実に固定される。
そして、テーブル44を固化処理土10の状態に応じた振動周波数で5秒以上振動させて筒状容器50に振動を付与する(ステップS5)。具体的には、ステップS5では、上述したステップS2により決定された振動周波数で、かつ、鉛直方向の振幅を0.75mm±0.05mmで5秒以上テーブル44を振動させる。これにより、筒状容器50に投入された固化処理土10の内部の気泡がその振動により適切に除去され、固化処理土10の一部が筒状容器50内に隙間なく侵入して図11に示す状態となる。
なお、図11に示す固化処理土10の形状は、筒状容器50の外縁にまで広がって筒状部材60の内周面61にまで達しているが、必ずしもステップS5の処理により固化処理土10が広がるわけではない。
なお、本実施形態では、ステップS5の処理における振動の付与時間は、5秒以上60秒以下とされ、振動付与終了の判断は、60秒経過後であってもよいし、供試体作製者の判断によってもよい。供試体作製者は、例えば、テーブル44により振動が付与された筒状容器50から発せられる音で振動付与を終了する判断を行う。具体的には、振動を付与した直後は、筒状容器50内に投入された固化処理土10内に複数の気泡が含まれているため、振動周波数が低いが、振動により気泡が外部に放出されると筒状容器50内の固化処理土10の密度が高まることから、筒状容器50の振動周波数が高まり、筒状容器50から発せられる音が高くなる。この音の変化を察知することにより、振動付与を終了する。
このため、本実施形態では、振動付与終了の判断を供試体作製者が判断することとしているが、音の変化を検知できるセンサなどを設けて、音変化が検知された際に振動付与を終了するようにしてもよい。
このステップS5の処理が終了すると、ゴム部材45の凹部451から筒状容器50を取り外す。そして、筒状容器50の上端部から筒状部材60を取り外して、ヘラなどを用いて、筒状容器50の開口から溢れ出た固化処理土10を除去し、図12に示す状態とする(ステップS7)。そして、図12に示す状態となった筒状容器50を3日〜7日間乾燥させた後に、筒状容器50を除去する(ステップS8)。これにより、図13に示す供試体10Aが作製される。
本実施形態では、固化処理土10が投入された筒状容器50を供試体作製装置40(テーブルバイブレータ)により振動させることにより、固化処理土10内の気泡等を適切に除去できる。つまり、供試体作製者が、固化処理土10が投入された筒状容器50のタッピングをする必要がないことから、供試体作製者のタッピング技術の個人差が生じることがなく、筒状容器50を均一に振動させることができる。このため、筒状容器50内の固化処理土10から気泡等を均一に除去でき、均一な供試体10Aを作製できる。
また、振動周波数を40Hz以上90Hz以下の範囲で自由に設定できるので、固化処理土10の状態に応じた振動周波数で固化処理土10が投入された固化処理土10の状態に応じて筒状容器50より適切に振動させることができる。
さらに、ステップS1で取得したフロー値が大きくなるほど振動周波数を小さく設定しているので、フロー値が大きく緩い固化処理土10を激しく振動させることを防止して、筒状容器50外に固化処理土10が飛び散ることを抑制できる。また、フロー値に応じた振動周波数を設定しているので、固化処理土10の緩さにかかわらず、供試体10Aを安定かつ均一に作製できる。
本実施形態では、テーブル44に固定されたゴム部材45の凹部451に筒状容器50を収容することで、筒状容器50をテーブル44上に確実に支持でき、筒状容器50を適切に振動させることができるとともに、振動終了後に筒状容器50を容易にゴム部材45から取り外すことができる。このため、筒状容器50内の固化処理土10から気泡等を均一に除去でき、均一な供試体10Aを作製できる。
また、ゴム部材45の引張強さが16MPa以上35MPa以下とされているので、筒状容器50に振動を確実に伝達し、かつ、筒状容器50を適切に保持できる。
さらに、筒状容器50上に重しとして筒状部材60を置くことで、テーブル44上に筒状容器50を確実に保持でき、これにより、筒状容器50を適切に振動させることができる。
加えて、筒状容器50の上端部を筒状部材60により囲んだ状態にできるので、筒状容器50に振動が付与される際に、筒状容器50外に固化処理土10が溢れ出すことを抑制できる。これにより、供試体作製装置40が固化処理土10により汚れることを抑制できる。
その他、細部構成は実施形態の構成のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上記実施形態では、ステップS3において、固化処理土10を筒状容器50に筒状部材60を固定した状態で一度に投入した後、ゴム部材45の凹部451に筒状容器50を固定する(ステップS4)こととしたが、これに限らない。例えば、ステップS3〜S5の処理に代えて、筒状部材60が固定された状態の筒状容器50をゴム部材45の凹部451に固定した後、固化処理土10を筒状容器50に複数回(例えば、2〜5回に分けて投入することとしてもよい。この場合、筒状容器50に固化処理土10が投入される度に固化処理土10の状態に応じた振動周波数で、かつ、鉛直方向の振幅を0.75mm±0.05mmで5秒以上テーブル44を振動させるとよい。この変形例では、固化処理土10が複数回に分けて筒状容器50に投入され、その度に筒状容器50を振動させるので、確実に固化処理土10から気泡等を除去でき、より均一な供試体10Aを作製できる。
粘性土(宮城県仙台市採取,湿潤密度1.65g/cm,含水比46.1質量%)を試料土とし、これら各試料土に対して、三菱マテリアル株式会社岩手工場製のセメント系固化材ユースラビラー50(US50)を用いて固化処理を行った。固化処理土の固化材添加量は、湿潤土1mに対し300kg/mとし、表1に示す水固化材比(W/C)を30〜220質量%に変化させて試料No.1〜No.35の固化処理土とした。
これら試料No.1〜No.35の固化処理土については、規格(JIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」の「12フロー試験」)に従って、固化処理土のフロー試験を実施してフロー値を測定し、表1に示した。
このフロー試験の後、上記実施形態に記載した方法で、供試体を試料No.1〜No.35のそれぞれ3本ずつ作製した。具体的には、上記実施形態の供試体作製装置の振動周波数を表1及び表2に示す値にするとともに、鉛直方向の振幅を0.75±5mmとした。なお、固化処理土は、筒状容器に3回に分けて投入し、投入する度に上記条件で振動を付与した。また、供試体作製装置による1回ごとの振動付与時間は、試料No.1〜No.31については、10秒とし、試料No.32〜No.35については、表2に示す秒数とした。なお、供試体作製装置の振動により、固化処理土から水が浮き出てくるものは、その時点で振動を停止させた。また、ゴム部材には、引張強さが28MPaのニトリルゴム(NBR)を使用した。
[供試体の評価]
そして、材齢7日において筒状容器を脱型し、供試体のつまり状況を目視観察した。目視観察の判定は、均一な供試体である場合を良好「A」と判定し、一部において空洞が認められるものの使用できると判断できる場合を可「B」と判定し、供試体作製時に固化処理土が飛び跳ねたり水と固形分とが分離したりして供試体を作製できなかった場合、多くの箇所で空洞が目立つ場合及びブリーディングが目立つ場合を不可「C」と判定した。
また、各試料No.1〜No.35の変動係数(%)を算出した。この変動係数は、3つの供試体に対してJIS A 1216−2009「土の一軸圧縮試験方法」に基づいた一軸圧縮試験を実施し、3つの供試体の変動係数を算出した。この変動係数の値が小さいほど3つの供試体のばらつきが小さいことを示している。これら供試体の評価を表1及び表2に示した。なお、供試体を作製できなかった場合又はブリーディングが発生した試料については、変動係数の値を「-」としている。
Figure 2021127648
Figure 2021127648
表1から、固化処理土の柔らかさの指標となるフロー値により、供試体の状態及びばらつきの指標である変動係数が異なり、それぞれのフロー値ごとに最適な振動周波数があることがわかる。例えば、フロー値が102mmの試料No.10〜13のうち、振動周波数を65Hz又は80Hzに設定した試料No.11及び12では、供試体の評価がAであり、変動係数も13%以下と低いのに対して、試料No.10では振動周波数が60Hzと低いため、供試体の評価が「C」となり、供試体を作製できなかった。また、試料No.13では振動周波数が82Hzと高いため、供試体の評価が「C」となり、供試体を作製できなかった。
これらのことから、フロー値が102mmの試料に適した振動周波数は、65Hz以上80Hz以下であることがわかる。つまり、各試料のフロー値に適した振動周波数よりも低い振動周波数で振動を付与すると固化処理土が均一にならないため、供試体の評価が悪く、かつ、供試体が作製できない又は変動係数が高くなる。また、各試料のフロー値に適した振動周波数よりも高い振動周波数で振動を付与すると固化処理土が振動により飛び跳ねたり、水と固形分とが分離したりして供試体を作製できない又はブリーディングが目立つことがわかる。
表2から、供試体作製装置のテーブルの振動時間(固化処理土の投入の度にテーブルが振動される時間)を5秒、10秒、30秒及び60秒と変化させても、供試体の評価及び変動係数が変化しないことがわかる。つまり、試料土の種類や状態の影響により多少の変化があるものの、供試体作製装置の振動時間は制限されるものでないことが示された。この振動時間は5秒以上であればよく、より好ましくは変動係数が小さいことから10秒程度が最も好ましい。
10…固化処理土
10A…供試体
20…筒体
30…フローテーブル
31…上面
40…供試体作製装置(テーブルバイブレータ)
41…本体部
42…制御パネル
43…ばね部材
44…テーブル
45…ゴム部材
451…凹部
50…筒状容器
60…筒状部材
61…内周面

Claims (4)

  1. 試料土とセメント系固化材とが混合された固化処理土を筒状容器に投入した後、前記固化処理土が投入された前記筒状容器をテーブルバイブレータのテーブル上に載置して、前記テーブルを前記固化処理土の状態に応じた振動周波数で5秒以上振動させて供試体を作製することを特徴とする供試体作製方法。
  2. 前記振動周波数は40Hz以上90Hz以下であることを特徴とする請求項1に記載の供試体作製方法。
  3. 前記筒状容器は内径5cm、高さ10cmであり、前記固化処理土の前記筒状容器への投入は、複数回に分けて実施され、前記筒状容器に前記固化処理土が投入される度に、前記テーブルを前記固化処理土の状態に応じた振動周波数で、かつ、鉛直方向の振幅を0.75mm±0.05mmで5秒以上振動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の供試体作製方法。
  4. 前記固化処理土のJIS R 5201:2015「セメントの物理試験方法」に基づくフロー試験により測定されたフロー値が110mm以上120mm未満の場合に前記振動周波数を85±5Hzとし、前記フロー値が110mm以上135mm未満の場合に前記振動周波数を72.5±7.5Hzとし、前記フロー値が135mm以上150mm未満の場合に前記振動周波数を57.5Hz±7.5Hzとし、前記フロー値が150mm以上200mm未満の場合に45±5Hzとすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の供試体作製方法。
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