JPH11352098A - 亜鉛電解液中のフッ素濃度測定方法 - Google Patents

亜鉛電解液中のフッ素濃度測定方法

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JPH11352098A
JPH11352098A JP10157260A JP15726098A JPH11352098A JP H11352098 A JPH11352098 A JP H11352098A JP 10157260 A JP10157260 A JP 10157260A JP 15726098 A JP15726098 A JP 15726098A JP H11352098 A JPH11352098 A JP H11352098A
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JP
Japan
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fluorine
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JP10157260A
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Hiroshi Hata
洋志 端
Kayoko Niizawa
香代子 新澤
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分析時間の短縮及び分析操作の簡略化を目的
として、フッ素濃度を直接分析する方法を提供する。 【解決手段】 亜鉛電解液中にフッ素を所定量添加した
検体を少なくとも2種以上用意し、各々の検体にくえん
酸塩とEDTAとを添加した後、pHを8.0±0.5に調
整すると共に、上記亜鉛電解液中にフッ素無添加の場合
も同様に調整し、各検体の電位差を測定して電位差の変
化分(ΔE)を計測し、電解溶液中のフッ素の濃度を測
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛電解液中のフ
ッ素濃度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】亜鉛精
錬原料が硫化鉱から酸化鉱に転換され、不純物として含
まれるフッ素がアルミニウム板(カソード)を腐食する
ことが問題とされており、このため、工程液中の亜鉛電
解液のフッ素濃度の管理を強化する必要が望まれてい
る。
【0003】従来においては、工程液中のフッ素濃度の
分析は、水蒸気蒸留分離を行った後に、吸光光度法で手
作業で分析を行っているので、分析所要時間が長く、現
場へのフィードバックに時間がかかるという、問題があ
る。
【0004】上記問題に鑑み、分析時間の短縮及び分析
操作の簡略化を目的として、フッ素濃度を直接分析する
方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成する[請
求項1]の発明は、亜鉛電解液中にフッ素を所定量添加
した検体を少なくとも2種以上用意し、各々の検体にく
えん酸塩とEDTAとを添加した後、pHを8.0±0.5
に調整すると共に、上記亜鉛電解液中にフッ素無添加の
場合も同様に調整し、各検体の電位差を測定して電位差
の変化分(ΔE)を計測し、電解溶液中のフッ素の濃度
を測定することを特徴とする。
【0006】[請求項2]の発明は、請求項1におい
て、くえん酸塩の添加の後所定時間経過後にEDTAを
加することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0008】本発明は、亜鉛電解液中のフッ素濃度を簡
易迅速に測定する直接イオン電極測定法であり、亜鉛電
解液中にフッ素を所定量添加した検体を少なくとも2種
以上用意し、各々の検体にくえん酸塩とEDTAとを添
加した後、pHを8.0±0.5に調整すると共に、上記亜
鉛電解液中にフッ素無添加の場合も同様に調整し、各検
体の電位差を測定して電位差の変化分(ΔE)を計測
し、電解溶液中のフッ素の濃度(x)を測定するもので
ある。ここで、亜鉛電解液は酸性溶解液と電解循環液と
があり、酸性溶解液の場合には、必要に応じて希釈して
分析するほうが好ましい。この希釈する場合には、特に
限定されるものではないが、約5倍程度とするのが好ま
しい。また、フッ素濃度範囲は通常10〜50ppmで
あり、目標分析精度はCV=5%である。
【0009】ここで、本発明では、フッ素濃度を測定す
る場合に、フッ化物イオン電極を用いて測定するように
しているが、測定の際に妨害する物質として共存するマ
グネシウム(Mg)をマスキングする必要がある。上記
マスキング剤としては、くえん酸塩とEDTA(エチレ
ンジアミン四酢酸)を併用することが好ましい。くえん
酸塩としては、特に限定されるものではないがくえん酸
ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0010】また、後の実施例に示すように、測定する
pHを8.0±0.5とすることにより、良好な分析が可能
である。これは、図1に示すように、くえん酸ナトリウ
ム単独をマスキング剤として使用し、pHを6.0とした
場合には、Mgについてはマスキング効果が十分ではな
いからである。また、図2に示すように、くえん酸ナト
リウムの代わりにEDTAを使用して同じpH(6.0)
で行った場合では、くえん酸ナトリウム単独よりも効果
があるが十分ではなく、図3に示すように、pHを8.0
としてEDTAをマスキング剤とした場合には、マスキ
ング効果は十分であるが、褐色沈殿(Fe(OH)3
が生じ好ましくないからである。よって、くえん酸ナト
リウムとEDTAとを併用し、pHを8.0とした場合に
は、図4に示すように、マスキング効果があり、沈殿も
生じるようなことはなかった。
【0011】測定pHは電位差の変動から図5に示すよ
うに、電位の変動が少ないので、pH7.5〜8.5の範囲
とするのが好ましい。
【0012】また、酸性溶解液中のフッ素濃度を測定す
る場合には、マスキング剤はくえん酸塩の添加後、所定
時間の経過(1分後)にEDTAを添加するのが好まし
い。これは、くえん酸塩とEDTAを同時に又はくえん
酸塩の添加直後(約10秒後)にEDTAを加えた場
合、電位が安定するまでに時間(約60分)がかかり好
ましくないからである。これは、電解循環液の場合に
は、Feの含有量が0.1g/L以下と少なく、一方の酸
性溶解液の場合には、Feの含有量が5.0g/Lと大き
く異なるためと思われ、Feイオンが影響を及ぼすと考
えられるからである。
【0013】測定温度は測定液温が±5℃とするのが好
ましい。これは、測定液温が20℃変化すると検量線の
傾きが約2.4〜3.0変化するからであり、測定液温が±
5℃、好ましくは±2〜4℃とするのがよい。
【0014】分析方法の概略を以下に説明する。 <分析操作> (1) 標準試料液(フッ化物イオン濃度:0.5、1、2、
5、10ppm)を調整し、電位差を測定する(フロー
シート1:表1参照) (2) 測定値より検量線を作成し、その傾きを求める。 (3) 試料液(フッ化物イオン添加量:0、200、50
0μg)の電位差を測定する(フローシート2:表2参
照) (4) 試料液(フッ化物イオン添加量:0、200、50
0μg)の電位差の差(ΔE)を求める(フローシート
3:表3参照)。 (5) 式 (1) 〜(3)より、標準添加のフッ化物イオン
濃度(x1 ,x2 )を求める。 (6) 式(4)より求められた値の平均を定量値(x)と
する。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】本発明では、亜鉛電解液中にフッ素を0μ
g,200μg,500μg添加した検体を各々用意
し、各々の検体にくえん酸ナトリウムとEDTAとを添
加した後、pHを8.0±0.5に調整し、フッ素量0μ
g,200μg,500μgの各電位差を測定して電位
差の変化分(ΔE)を計測し、上記「表3」の式(3)-
1,(3)-2, 及び(4) により電解溶液中のフッ素の濃度
(x)を測定するようにしたものである。なお、本実施
の形態では、フッ素の所定添加量としては、200μ
g,500μgを標準添加したが、本発明はこれに限定
されるものではない。また、本発明では2種類の標準添
加を行って無添加の場合との差を求めたが、本発明では
何ら限定されず、3種類以上として分析精度を向上させ
るようにしてもよい。
【0019】
【実施例】以下本発明の好適な実施例について説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】[実施例1]亜鉛電解液として実試料(酸
性溶解液,電解循環液)の分析を行った。それぞれの試
料について検量線用標準試料(5試料)を作成し、検量
線から、傾きを求めた。 実試料(3試料(フッ素量0μg,m1 =200μg,
2 =500μg)を順に測定し、定量を行い、試料溶
液中のフッ素イオン濃度を求めた。この操作を5回繰り
返し行った。
【0021】酸性溶解液の測定結果を検量線作成用の標
準試料の測定結果と併せて「表4」に示すと共に、電解
循環液の測定結果を標準試料の測定結果と併せて「表
5」に示す。また、それらの結果から上記「表3」の式
から求めた分析結果を「表6(酸性溶解液分析結果)」
及び「表7(電解循環液分析結果)」に示す。なお、絶
対検量線法により求めたものも比較例として「表6」,
「表7」に示す。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】標準添加法、絶対検量線法のいずれの方法
でもCV5%以下という結果が得られた。
【0027】表6及び表7に示すように、5回の繰り返
し測定中、試料液の電位のシフトは酸性溶解液及び電解
循環液ともに大きいところで4mV、検量線の傾きの変
動は酸性溶解液で1.54mV(57.66 −56.12)、電解循
環液で2.38mV(56.98 −54.60)であった。このた
め、絶対検量線法では、電位のシフトがある場合には、
定量値がおおきくずれてしまう可能性がある。例えば、
試料液の電位が4mVシフトすると、定量値は、酸性電
解液で約16%(4.8 ppm/30ppm程度)、電解循
環液で約17%(3.2 ppm/20ppm程度)変動する
こととなる。これに対し、本発明の方法では、検量線の
傾きの変化が比較的少ないため、定量値のずれは小さ
い。傾きの変化による定量値の変動は、酸性溶解液(1.
54mV)で約5%(1.5ppm/30ppm程度)、電
解循環液(2.38mV)で約9%(1.8 ppm/20pp
m程度)と絶対検量線に比べて少ない。よって、本発明
による標準添加法による方が精度がよい分析が可能とな
る。
【0028】すなわち、1日1回程度、電極のコンディ
ショニング(例えばイオン電極の清浄、参照電極の外筒
液(KCl)を入れ替える)を行った後、検量線を作成
し、傾きを行う操作を行い、その後は、この傾きを用い
て、実試料の測定値から、フッ素濃度を求めるようにす
ればよい。
【0029】参考として、従来技術による蒸留−イオン
電極法による分析及び結果を示す。試料を5ml(酸性
溶解液については、5倍に希釈して濾過したもの)を採
取し、水蒸気蒸留を行い、フッ素を分離する。流出液を
250mlに定容し、100ml分取し、緩衝液(酢酸
57ml、NaCl58g、くえん酸ナトリウム0.3g
/1000ml(pH5.2 )10ml加え、イオン電極
で測定を行う。流出液を50ml採取したものに、25
μg、100μg添加し、緩衝液5mlを加える。その
結果を表8に示す。
【0030】
【表8】
【0031】本実施例によれば、亜鉛電解液中のフッ素
濃度を従来のような蒸留操作を行うことなく、短時間で
分析することができた。また、絶対検量線法では、電位
のシフトがある場合には、定量値がおおきくずれてしま
う可能性があるので、変動が少ない本発明の優位性位が
判明した。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、マスキ
ング剤としてくえん酸塩とEDTAとを用い、pH=8.
0±0.5とすることで分析時間の短縮及び分析操作の簡
略化を図ることができる。また、マスキング剤はくえん
酸塩の添加後、所定時間の経過にEDTAを添加する
と、電位が安定し、迅速に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マスキング剤及び測定pHの検討結果図であ
る。
【図2】マスキング剤及び測定pHの検討結果図であ
る。
【図3】マスキング剤及び測定pHの検討結果図であ
る。
【図4】マスキング剤及び測定pHの検討結果図であ
る。
【図5】pHによる電位差の変動検討結果図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛電解液中にフッ素を所定量添加した
    検体を少なくとも2種以上用意し、各々の検体にくえん
    酸塩とEDTAとを添加した後、pHを8.0±0.5に調
    整すると共に、上記亜鉛電解液中にフッ素無添加の場合
    も同様に調整し、各検体の電位差を測定して電位差の変
    化分(ΔE)を計測し、電解溶液中のフッ素の濃度を測
    定することを特徴とする亜鉛電解液中のフッ素濃度測定
    方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 くえん酸塩の添加の後所定時間経過後にEDTAを加す
    ることを特徴とする亜鉛電解液中のフッ素濃度測定方
    法。
JP10157260A 1998-06-05 1998-06-05 亜鉛電解液中のフッ素濃度測定方法 Withdrawn JPH11352098A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011047768A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Kureha Ecology Management Co Ltd ふっ素濃度自動測定方法、およびふっ素濃度自動測定装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011047768A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Kureha Ecology Management Co Ltd ふっ素濃度自動測定方法、およびふっ素濃度自動測定装置

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Effective date: 20050906