JPH11351879A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH11351879A
JPH11351879A JP10163945A JP16394598A JPH11351879A JP H11351879 A JPH11351879 A JP H11351879A JP 10163945 A JP10163945 A JP 10163945A JP 16394598 A JP16394598 A JP 16394598A JP H11351879 A JPH11351879 A JP H11351879A
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JP
Japan
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vibrator
angular velocity
velocity sensor
support
base
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JP10163945A
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Inventor
Toshio Aizawa
俊雄 相澤
Toshiyuki Kawamura
俊行 川村
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度を低下させる事無く外部からの衝撃や振
動に対し強固な角速度センサを提供することを目的とし
ている。 【解決手段】 支持部材6は、一体の棒状に形成されて
基台8の取り付け部に取り付けられるものであって、振
動子1が取り付けられる振動子支持部6aと、振動子支
持部6aに対して外方向かつ基台8の上記取り付け部に
向かって延びる一対の傾斜部6b,6cとから構成され
ている。そして、支持部材7についても同様に、一体の
棒状に形成されて基台8の取り付け部に取り付けられる
ものであって、振動子1が取り付けられる振動子支持部
7aと、振動子支持部7aに対して外方向かつ基台8の
上記取り付け部に向かって延びる一対の傾斜部7b,7
cとから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオカメラの手
ぶれ検知、カーナビゲーションにおける方向検知、及び
いわゆるバーチャルリアリティ装置における動作検知す
る角速度センサに関し、特に圧電素子を用いた角速度セ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】現在民生用として普及している角速度セ
ンサは、棒状の振動子を所定の共振周波数で振動させて
おき角速度が印可されたときに生じるコリオリカを圧電
素子等で検出することによって角速度を検出する圧電振
動型と呼ばれるものが一般的に用いられている。
【0003】このような角速度センサにおいて、三角柱
や四角柱状の恒弾性金属により形成された音片に圧電素
子を装着した構造や、円柱状に加工された圧電セラミク
スに電極を印刷した構造の振動ジャイロ型角速度センサ
が実用化されている。
【0004】振動子の作製については、角柱状に加工さ
れたエリンバ等の恒弾性金属に、両面に電極を形成した
圧電素子を装着する。この音片は振動を極力抑制しない
ような位置にタングステン等の剛性の高い細線を用いた
支持線を溶接等により接合し振動子を形成する。
【0005】従来の角速度センサは、具体的には、図3
及び図4に示すように、断面が略正方形の柱状体に形成
された振動子101と、この振動子101の側面に取り
付けられた2つの圧電素子102,103と、圧電素子
102,103が取り付けられた振動子101を基台1
08上に支持する一対の振動子支持手段である支持部材
106,107とを備えている。
【0006】上記振動子101は、例えば、エリンバ等
の一般に機械的な振動を生じるような恒弾性材料が、断
面が略矩形の柱状体に成形されてなる。この振動子10
1は、4つの側面のうち隣り合う2つの側面101a,
101bに、それぞれ圧電素子102,103が取り付
けられている。
【0007】そして、この振動子101は、上記圧電素
子102,103が取り付けられた上記2つの側面10
1a,101b以外の2側面の交わる角部が、基台10
8に取り付けられた一対の支持部材106,107が接
合されている。これにより、振動子101は、この支持
部材106,107により支持されて基台108上に吊
り下げられるように配設される。
【0008】上記圧電素子102,103はそれぞれ、
例えば、圧電特性を有する圧電層と、この圧電層の両面
に形成された一対の電極層とから構成されている。こ
の、圧電素子102,103は、ともに略矩形の板状と
されて、振動子101の各側面101a,101bにそ
れぞれ接着されている。
【0009】上記支持部材106,107は、一対とし
て、上記振動子101を吊り上げて支持している。
【0010】支持部材106は、基台108への接合部
とされて、当該基台108に対して立設された一対の立
設部106a,106cと、この立設部106a,10
6cの上記接合されない他端間に架け渡されている振動
子支持部106bとからなり、これら一体とされて一本
の棒形状とされて、いわゆる略コ字状に形状されてい
る。このような形状からなる支持部材106は、基台1
08に上記立設部106a,106bが接合されて、当
該基台108に取り付けられている。例えば、基台10
6に対して各立設部106a,106bの一端が半田づ
けなどにより接合されている。
【0011】そして、支持部材107は、この支持部材
106と同様な構成をなし、すなわち、当該基台108
に対して立設された一対の立設部107a,107c
と、この立設部107a,107cの上記接合されない
他端間に架け渡されている振動子支持部107bとから
なり、これら一体とされて一本の棒形状からなり、いわ
ゆる略コ字状に形成されている。そして、この支持部材
107も同様に、基台107に対して各立設部107
a,107bの一端が半田づけなどにより接合されて、
当該基台107に取り付けられている。
【0012】そして、このような形状をなす支持部材1
06,107は、上記振動子支持部106b,107b
の略中央の接合部111,112に上記振動子101の
角部が接合されて、当該振動子101を吊り下げた状態
として支持している。一般的に振動子101の支持は、
上述のように略コ字状に成型した支持線を抵抗溶接やレ
ーザ溶接により接合される。
【0013】なお、支持部材106,107は、上述し
たように、タングステン(W)や、モリブデン(Mo)
等の剛性の高い金属が用いられる。
【0014】さらにこの支持部材106,107には、
圧電素子102,103との電気的接続を果たす役割が
ある。振動子101に接着された圧電素子102,10
3は、振動子101に溶接された支持部材106,10
7を介して、電気信号の入出力を行う。
【0015】通常、支持部材106,107はプリント
基板等に半田付けされ回路に接続される。具体的には、
圧電素子102,103は、ともに一方の上記電極層が
リード線104,105を介して基台108上に形成さ
れた配線パターンに電気的に接続され、また、他方の電
極層が振動子101及び支持部材106,107を介し
て、基台上に形成された配線パターンに電気的に接続さ
れている。
【0016】通常、支持部材106,107は、上述し
たように、プリント基板等に半田付けされ回路に接続さ
れるため、その表面が、支持線の剛性を低下させずに半
田付け性を持たせる為ニッケル(Ni)により表面処理
されている。
【0017】以上のように構成された従来の角速度セン
サ120は、圧電素子102,103により、振動子1
01を所定の方向へ励振させるとともに、振動子101
の回転を検知し、角速度を検出している。
【0018】このような角柱状の振動子を用いた角速度
センサは、現在のところ最も感度が高く、主流となって
いる。しかしながら、感度、残留ノイズ、外乱の影響等
に対する安定性は、振動子部分の組み立て精度に大きく
左右される。特に恒弾性金属からなる振動子の支持と、
電気的接続の2つの役割を果たす支持線からなる支持部
材は重要な部分である。
【0019】なお、振動子を三角柱状に形成して、角速
度センサを構成することもできる。この場合、従来の角
速度センサは、図5及び図6に示すように、断面が略三
角形の柱状体に形成された振動子201と、この振動子
201の側面に取り付けられた3つの圧電素子202,
203,204とを有する。そして、上述した角速度セ
ンサ101と同様に、角速度センサ220は、上記振動
子201を基台108上に支持する一対の支持部材10
6,107とを備えている。
【0020】この振動子201は、3つの各側面201
a,201b,201cに、それぞれ上記圧電素子20
2,203,204が取り付けられている。そして、こ
の振動子201は、上記圧電素子202,203が取り
付けられた上記2つの側面201a,201bの交わる
角部が、支持部材106,107に接合されている。
【0021】上記圧電素子202,203,204はそ
れぞれ、上記角速度センサ101の備える圧電素子10
2,103と同様に、例えば、圧電特性を有する圧電層
と、この圧電層の両面に形成された一対の電極層とから
構成され、そして、ともに略矩形の板状とされて、振動
子201の各側面201a,201b,201cにそれ
ぞれ接着されている。
【0022】そして、このように構成された振動子20
1の支持は、上述した従来の角速度センサ110におい
て振動子101が支持されると同様に、いわゆる略コ字
状の支持部材106,107によって支持されている。
【0023】このように構成された従来の角速度センサ
220においては、例えば圧電素子204が駆動用とさ
れ、例えば圧電素子202,203が検出用とされる。
【0024】これら駆動用とされる圧電素子204と検
出用圧電素子202,203は、一方の上記電極層がそ
れぞれリード線207,205,206を介して基台1
08上に形成された配線パターンに電気的に接続され、
また、他方の電極層が振動子201及び支持部材10
6,107を介して、基台108上に形成された配線パ
ターンに電気的に接続されている。
【0025】この従来の角速度センサ220は、3つの
圧電素子202,203,204のうち、振動子201
の基台108と対向する面201cに取り付けられた圧
電素子204が、振動子201を所定の方向へ励振させ
る駆動用圧電素子として機能し、他の圧電素子202,
203が、振動子201の回転を検出する検出用圧電素
子として機能する。
【0026】なお、圧電素子204を、例えば、帰還用
として用い、他の圧電素子202,203が、振動子2
01を所定の方向へ励振させる機能と振動子201の回
転を検出する機能とを持たせるように構成さえれている
場合もある。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに、支持部材106,107は、振動される振動子を
支持するといった機能の他に電気経路を構成するといっ
たように機械的振動と電気的接続を司る重要な部分を構
成する。
【0028】しかしながら、支持部材106,107
は、振動を抑制せず定常状態で安定な振動が得られ、且
つ、外部からの衝撃や振動に対し強固である事という相
矛盾する性質が要求される。
【0029】このような要求に対しては、外部からの衝
撃や振動に対して強くするとすれば、支持部材106,
107の径を太くする、上記振動子の質量を小さくす
る、支持部材106,107と上記振動子との接合部の
面積を大きくする、等による対処が考えられる。しか
し、何れの対処方法でも振動子自体のQを低下させる方
向であるため結果的にセンサとして感度も低下してしま
う。
【0030】そこで、本発明は、以上のような従来の実
情に鑑みて提案されたものであり、感度を低下させる事
無く外部からの衝撃や振動に対し強固な角速度センサを
提供することを目的としている。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明に係る角速度セン
サは、上述の課題を解決するために、柱形状の振動子
と、振動子を所定の方向に振動させるとともに、当該振
動子の回転を検出する圧電素子と、一体の棒状に形成さ
れて基台の取り付け部に取り付けられるものであって、
振動子が取り付けられる振動子支持部と、上記振動子支
持部に対して外方向かつ上記基台の上記取り付け部に向
かって延びる少なくとも1つの傾斜部と有する一対の振
動子支持手段とを備えることにより、振動子を支持する
振動子支持手段が外部の衝撃等から耐えることのできる
強固な構造となる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて詳しく説明する。この実施の形態は、
本発明に係る角速度センサを、振動子が四角柱状に形成
されてなる角速度センサに適用したものである。
【0033】本発明の実施の形態である角速度センサ
は、図1及び図2に示すように、柱状体に形成された振
動子1と、この振動子1の側面に取り付けられた2つの
圧電素子2,3と、圧電素子2,3が取り付けられた振
動子1を基台8上に支持する一対の支持部材6,7とを
備えている。
【0034】そして、本発明の実施の形態とされる角速
度センサ20において、振動子支持手段である支持部材
6は、一体の棒状に形成されて基台8の取り付け部に取
り付けられるものであって、振動子1が取り付けられる
振動子支持部6aと、振動子支持部6aに対して外方向
かつ基台8の上記取り付け部に向かって延びる一対の傾
斜部6b,6cとから構成されている。そして、支持部
材7についても同様に、一体の棒状に形成されて基台8
の取り付け部に取り付けられるものであって、振動子1
が取り付けられる振動子支持部7aと、振動子支持部7
aに対して外方向かつ基台8の上記取り付け部に向かっ
て延びる一対の傾斜部7b,7cとから構成されてい
る。
【0035】以下、角速度センサ20を構成する各部に
ついて詳しく説明する。
【0036】上記振動子1は、断面が略正方形の柱状体
に成形されている。この振動子1は、例えば、エリンバ
等の一般に機械的な振動を生じるような恒弾性材料を用
いて構成されている。
【0037】例えば、この振動子1は、成形加工された
後に真空で400〜600℃に加熱処理されることによ
って、検出感度の温度特性の調節が可能とされている。
【0038】この振動子1は、4つの側面1a,1b,
1c,1dを有しており、その4つの側面1a,1b,
1c,1dのうち側面1a,1dに、圧電素子2,3が
取り付けられている。
【0039】そして、この振動子1は、圧電素子2,3
が取り付けられたこの側面1a,1d以外の側面1b,
1cの交わる角部が、基台8に取り付けられた一対の支
持部材6,7に接合され、これにより、支持部材6,7
により支持されて基台8上に吊り下げられるように配設
されている。
【0040】上記圧電素子2,3は、振動子1を所定の
方向に振動させるとともに、当該振動子の回転を検出す
る機能を有している。
【0041】例えば、圧電素子2,3はそれぞれ、圧電
特性を有する圧電層と、この圧電層の両面に形成された
一対の電極層とから構成されている。そして、これら圧
電素子2,3は、ともに略矩形の板状とされ、振動子1
の側面1a,1dよりもやや小となるように形成されて
いる。
【0042】なお、圧電素子2,3を構成する圧電層に
ついては、例えばPZT等の圧電セラミックスが板状に
成形されることにより形成されている。例えば、この圧
電層に用いられる材料は、圧電特性を有するものであれ
ばよく、上記の材料に限定されるものではない。
【0043】また、圧電素子2,3を構成する電極につ
いては、例えば金のような導電体からなり、無電解メッ
キ等の手法により上記圧電層の両面に形成される。
【0044】このように構成されてなる圧電素子2,3
は、振動子1の側面1a,1dに対して、エポキシ樹脂
等の接着剤により熱硬化工程を経て接着されている。
【0045】この角速度センサ20において、上述のよ
うな構成からなる圧電素子2,3は、ともに振動子1を
所定の方向へ励振させる機能と振動子1の回転を検出す
る機能とを有している。
【0046】これら各圧電素子2,3にはそれぞれ、一
方の上記電極層に対してリード線4,5が取り付けられ
ており、圧電素子2,3は、このリード線4,5を介し
て基台8上に形成された配線パターンに電気的に接続さ
れている。また、圧電素子2,3は、他方の電極層が振
動子1及び支持部材6,7を介して、基台8上に形成さ
れた配線パターンに電気的に接続されている。
【0047】上記支持部材6,7は、基台8上に振動子
1を吊り下げて支持するように構成されている。この支
持部材6,7は、当該角速度センサ20が角速度を検出
する際に、上記圧電素子2,3により振動される上記振
動子1を支持するとともに、圧電素子2,3からの電気
信号を伝える部分を構成する。
【0048】この支持部材6,7は、一体の棒状に形成
されて基台8に設置されるものであって、振動子1が取
り付けられる振動子支持部と、当該振動子支持部に対し
て外方向かつ基台8に向かって延びる傾斜部と有して構
成されている。
【0049】この支持部材6,7は、ともに略同様な形
状とされて成形されており、以下、この支持部材6,7
の構造の詳しい説明については、支持部材6についての
み行う。
【0050】支持部材6は、一方の直線棒状の振動子支
持部6aと、この振動子支持部6aについて対称とされ
た一対の傾斜部6b,6cと、一端が基台8の上記取り
付け部に取り付けられて、他端が上記傾斜部6b又は傾
斜部6cの外方向に延びた端部と一体とされている立設
部6d,6eとが一体とされて、いわゆる全体として略
コ字状に形成されている。換言すると、支持部材6は、
詳しくは、コ字状に形成された肩部がいわゆる面取りさ
れた形状とされている。
【0051】なお、上記傾斜部6については、外方向に
延びた端部が、当該支持部材6の基台8の取り付け部よ
り、内方向に位置されており、本例では、その端部が基
台の取り付け部と略一致されている。また、ここで、上
記基台8の取り付け部は、基台8において当該支持部材
6の上記立設部6d,6eが接合される箇所であって、
本例では、後述する半田接合部9,10において形成さ
れている。
【0052】また、本例では、傾斜部6は、基台8に対
して角度を有しており、具体的には、上記支持部材6の
立設部6d,6eがそれぞれ取り付けされる上記基台8
の上記取り付け部を含んだ直線に対して傾斜された角度
をなしている。
【0053】支持部材7は、上述のように構成されてい
る支持部材6と同様に構成されており、すなわち、 一
方の直線棒状の振動子支持部7aと、この振動子支持部
7aについて対称とされた一対の傾斜部7b,7cと、
一端が基台8の上記取り付け部に取り付けられて、他端
が傾斜部7b又は傾斜部7cの外方向に延びた端部と一
体とされている立設部7d,7eとが一体とされて、い
わゆる全体として略コ字状に形成されている。また、換
言すると、支持部材7は、詳しくは、コ字状に形成され
た肩部がいわゆる面取りされた形状とされている。
【0054】また、上記傾斜部7についても上記支持部
材6と同様に、外方向に延びた端部が、当該支持部材7
の基台8への取り付け部より、内方向に位置されてお
り、本例では、その端部が上記基台の取り付け部と略一
致されている。
【0055】さらに、本例では、傾斜部7は、上記支持
部材6の傾斜部6と同様に、基台8に対して角度を有し
ており、具体的には、上記支持部材7の立設部7d,7
eがそれぞれ取り付けされる上記基台8の上記取り付け
部を含んだ直線に対して傾斜された角度をなしている。
【0056】このような構造をなす支持部材6,7は、
例えば、タングステンやモリブデン等の剛性の高い金属
からなる金属線材にニッケル下地膜、金(Au)の皮膜
がそれぞれ成膜されている。
【0057】そして、支持部材6,7のそれぞれ上記立
設部6d,6e,7d,7eの一端が、基台8の取り付
け部に埋設されると共に基台8上に形成された配線パタ
ーンの一部である半田接合部9,10に半田付けされ、
そして、これにより、当該支持部材6,7は、基台8に
対して、立設された状態とされる。本例では、このよう
に立設された状態において、支持部材6,7の振動子支
持部6a,7aが基台8に対して対向されて、当該基台
8に対して平行に位置されている。
【0058】なお、上記支持部材6,7に施すニッケル
層の皮膜は、タングステンとの密着性及び、半田付け時
の半田食われを考慮し、1〜5μm程度の膜厚にする。
また、支持部材の成型は、多軸のフォーミングマシンや
金型を用いたプレス成型で行う。
【0059】上記振動子1は、側面1b,1cの交わる
角部がこの支持部材6,7の振動子支持部6a,7aの
略中央位置の接合部11,12に接合される。具体的に
は、振動子1は、抵抗溶接やレーザ溶接等の手法により
支持部材6,7の上記接合部11,12と接合されてい
る。
【0060】なお、この振動子1に対する支持部材6,
7の接合点は、極力振動の妨げとならないように、図2
に示すように、当該振動子1の長さをLとしたときに、
当該振動子1の両端から約0.224Lの位置とされる
ことが望ましい。
【0061】以上のように角速度センサ20の各部が構
成されている。このような構成からなる角速度センサ2
0は、振動子1の屈曲運動の振動方向が変化する際、振
動子2に働くコリオリ力を検出することができる。
【0062】すなわち、角速度センサ20においては、
圧電素子2,3に駆動信号が供給されると、圧電素子
2,3が一対の支持部材6,7に支持された点を駆動ノ
ード点として、振動子1を基台8に対して垂直方向に振
動させる。
【0063】そして、振動させている際に、一対の圧電
素子2,3は、それぞれ同様に屈曲するために、それぞ
れ同様な正弦波を出力する。したがって、これら一対の
圧電素子2,3からの出力電圧の差動を取ると、ほぼ0
となる。すなわち、角速度センサ20は、一対の圧電素
子2,3からの出力の差動が0であることを確認すれ
ば、無回転を検出することができる。
【0064】一方、角速度センサ20は、外部からの振
動等が加えられると、振動子1の中心を軸として回転運
動をする。このとき、角速度センサ20には、無回転時
の振動方向に対して略直交する方向にコリオリ力が発生
する。そのため、角速度センサ20の振動方向は、無回
転時の振動方向からずれることとなる。
【0065】このとき、一対の圧電素子2,3は、振動
子1の振動方向が変化するため、それぞれが異なった屈
曲を起こすこととなる。このため、それぞれの圧電素子
2,3は、異なった正弦波を出力することとなる。すな
わち、これら一対の圧電素子2,3のうち、例えば、一
方の圧電素子2からの出力電圧が他方の圧電素子3から
の出力電圧と比較して大となる。
【0066】したがって、この角速度センサ20では、
これら一対の圧電素子2,3からの出力の差動をとる
と、所定の値を示す出力信号を検出することができる。
そして、この出力信号は、振動子1の振動方向変化の度
合いに応じて変化する。具体的には、振動子1の振動方
向の変化が大きい場合には、大きな出力信号となる。こ
れにより、この角速度センサ20では、出力信号を測定
することにより振動方向の変化を測定することができ
る。
【0067】以上のように角速度センサ20は、振動子
1の屈曲運動の振動方向が変化する際、振動子2に働く
コリオリ力を検出することができる。
【0068】この角速度センサ20において、振動子1
を支持する支持部材6,7は、上述したように、いわゆ
る全体としてコ字状に形成され、その肩部が傾斜され
て、いわゆる面取り状に形成されている。これにより、
支持部材6,7は、外部からの振動や衝撃に対して強固
になり、振動子1を安定して支持することができる。そ
して、角速度センサ20の圧電素子2,3からの出力信
号は、安定して出力される。
【0069】また、さらに、結果的に、振動子1のQを
低下させることなく、剛性を上げることができるので、
同程度の耐衝撃性を持つ角速度センサに比べ、高感度の
角速度センサを提供することができる。
【0070】なお、具体的には、支持部材6,7におけ
る上記傾斜部は、例えば、支持部材の肩幅Wを図1に定
義したとき、肩幅Wに対し、W/10以上、9W/20
未満に設定する。例えば、上記傾斜部が肩幅Wに対して
W/10以下だと効果は小さくなり、9/W20以上で
あると振動子1と支持部材6,7の接合部の直角度を保
つのが困難になる。
【0071】また、角速度センサ20は、上述したよう
に、振動子1が四角柱状に形成されることに限定されな
いことはいうまでもない。例えば、振動子1を三角柱状
に形成して、角速度センサ20を構成することもでき
る。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る角速度センサは、柱形状の
振動子と、振動子を所定の方向に振動させるとともに、
当該振動子の回転を検出する圧電素子と、一体の棒状に
形成されて基台の取り付け部に取り付けられるものであ
って、振動子が取り付けられる振動子支持部と、振動子
支持部に対して外方向かつ基台の取り付け部に向かって
延びる少なくとも1つの傾斜部と有する一対の振動子支
持手段とを備えることにより、振動子支持手段が、外部
からの振動や衝撃に対して強固になり、振動子を安定し
て支持することができる。これにより、圧電素子からの
出信号を安定して出力することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である角速度センサの構成
を示す正面図である。
【図2】上記角速度センサの構成を示す斜視図である。
【図3】従来の角速度センサであって、振動子が四角柱
形状とされたものの構成を示す正面図である。
【図4】上記振動子が四角柱形状とされている角速度セ
ンサの構成を示す斜視図である。
【図5】従来の角速度センサであって、振動子が三角柱
形状とされたものの構成を示す正面図である。
【図6】上記振動子が三角柱形状とされている角速度セ
ンサの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 振動子、2,3 圧電素子、6,7 支持部材、6
b,6c,7b,7c傾斜部、20 角速度センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱形状の振動子と、 振動子を所定の方向に振動させるとともに、当該振動子
    の回転を検出する圧電素子と、 一体の棒状に形成されて基台の取り付け部に取り付けら
    れるものであって、上記振動子が取り付けられる振動子
    支持部と、上記振動子支持部に対して外方向かつ上記基
    台の上記取り付け部に向かって延びる少なくとも1つの
    傾斜部とを有する一対の振動子支持手段とを備えること
    を特徴とする角速度センサ。
  2. 【請求項2】 上記傾斜部は、上記振動子支持部につい
    て対称とされて一対として上記振動子支持手段に形成さ
    れ、 上記傾斜部の外方向に延びた端部が、上記基台の上記取
    り付け部より、内方向に位置されていることを特徴とす
    る請求項1記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 上記振動子支持手段は、棒状の上記振動
    子支持部と、上記一対の傾斜部と、一端が上記基台の上
    記取り付け部に取り付けられ、他端が上記傾斜部の上記
    外方向に延びた端部と一体とされている支持部とから構
    成されることを特徴とする請求項1記載の角速度セン
    サ。
  4. 【請求項4】 上記振動子は、略四角柱に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の角速度センサ。
JP10163945A 1998-06-11 1998-06-11 角速度センサ Withdrawn JPH11351879A (ja)

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