JPH11350389A - 紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工用組成物

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JPH11350389A
JPH11350389A JP17399298A JP17399298A JPH11350389A JP H11350389 A JPH11350389 A JP H11350389A JP 17399298 A JP17399298 A JP 17399298A JP 17399298 A JP17399298 A JP 17399298A JP H11350389 A JPH11350389 A JP H11350389A
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渡 藤原
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芳彦 服部
Hiroshi Nakamori
弘 中森
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ブタジエン20〜60重量部、アクリロニトリ
ル3〜30重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体
0.5〜10重量部及びその他の共重合可能な単量体0
〜76.5重量部からなる単量体(合計100重量部)
を乳化重合して得られる共重合体ラテックスであって、
その重合において、前半に添加する単量体50重量部中
に含まれるブタジエンA重量部と後半に添加する50重
量部中に含まれるブタジエンB重量部とが、1.2<B
/A<2.5となる製造方法で得られた共重合体ラテッ
クスをバインダーとして含有する紙塗工用組成物。 【効果】本発明による紙塗工用組成物を用いることによ
り接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブロッキン
グ性に優れる塗工紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗工用組成物に
関する。さらに詳しくは、接着強度、耐ブリスター性、
印刷光沢、耐ブロッキング性に優れる紙塗工用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗工紙はその印刷効果が高い等の
理由から、非常に多くの印刷物に利用されている。季
刊、月間紙等の定期刊行物の中にも全ての頁に塗工紙が
使用される場合も増えてきている。特にメールオーダー
ビジネスにおけるダイレクトメールや商品カタログ等に
おいてはそのほとんどが全ての頁に塗工紙を使用してい
る。
【0003】塗工紙は非塗工紙と比べ、白色度、光沢
度、平滑度、印刷適性等において優れた点を有している
が、原紙を抄造した後に紙塗工用組成物をブレードコー
ターやロールコーターを用いて塗工する工程を必要とす
る。紙塗工用組成物の性能が塗工紙製品の性能に大きな
影響を与える。さらに近年の塗工の高速化に伴い、高い
レベルの耐ブロッキング性、機械的安定性、流動性等が
紙塗工用組成物の性能として求められてきている。
【0004】一般的に紙塗工用組成物は、クレーや炭酸
カルシウム等の白色顔料を水に分散した顔料分散液、顔
料同士及び顔料を原紙に接着固定するためのバインダ
ー、及びその他の添加剤によって構成される水性の塗料
である。バインダーとしてはスチレン−ブタジエン系共
重合体ラテックスに代表される合成エマルションバイン
ダーや澱粉、カゼインに代表される天然バインダーが使
用される。中でもスチレン−ブタジエン系共重合体ラテ
ックスは、品質設計の自由度が大きく、今日では紙塗工
用組成物に最も適したバインダーとして広く使用されて
いる。その性能が紙塗工組用成物の塗工適性あるいは塗
工紙製品の性能である表面強度、耐ブリスター性、印刷
光沢に大きく影響すると言われている。
【0005】例えば、特許公報第2555294号には
特定の化合物の存在下で重合を行うことによって得られ
た共重合体ラテックスを含む紙塗工用組成物を用いるこ
とで接着強度、耐ブリスター性が改良されることが示さ
れている。
【0006】また、特開平5−171096号公報には
連鎖移動剤の添加方法に特徴を持たせて得られた共重合
体ラテックスを含む紙塗工用組成物を用いることで耐ブ
リスター性とべた付き性が改良されることが示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
場合には特定の化合物、後者の場合には連鎖移動剤の紙
塗工用組成物中の残存量が多くなり、臭気面で問題があ
った。また接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブ
ロッキング性のバランスにおいても満足出来るレベルに
なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の添加方
法で単量体を添加する製造方法によって得られた共重合
体ラテックスを紙塗工用組成物に用いることで、接着強
度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐ブロッキング性に優
れる塗工紙を得ることが出来るという事実を見いだし本
発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明は、脂肪族共役ジエン系
単量体20〜60重量部、シアン化ビニル系単量体3〜
30重量部、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5
〜10重量部及びその他の共重合可能な単量体0〜7
6.5重量部からなる単量体(合計100重量部)を連
続添加あるいは分割添加して乳化重合を行うに際し、前
半に重合反応槽に添加する単量体50重量部中に含まれ
る脂肪族共役ジエン系単量体のA重量部と後半に重合反
応槽に添加する50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエ
ン系単量体のB重量部が1.2<B/A<2.5の条件
を満足する製造方法で得られた共重合体ラテックスを含
有することを特徴とする紙塗工用組成物を提供するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における脂肪族共役ジエン系単量体の使用量は、
20〜60重量部である。20重量部未満では、接着強
度が低下する。60重量部を超えると耐ブロッキング性
が低下する。好ましくは30〜50重量部である。
【0011】本発明において使用される脂肪族共役ジエ
ン系単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル
−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、置換直鎖
共役ペンタジエン類、置換および側鎖共役ヘキサジエン
類などが挙げられ、1種または2種以上用いることがで
きる。特に1,3−ブタジエンが好ましい。
【0012】本発明におけるシアン化ビニル系単量体の
使用量は3〜30重量部である。3重量部未満では印刷
光沢が低下する。30重量部を超えると耐黄変性が低下
するため好ましくない。好ましくは、10〜20重量部
である。
【0013】本発明において使用されるシアン化ビニル
系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリ
ロニトリルなどが挙げられ、1種または2種以上用いる
ことができる。特にアクリロニトリル、メタクリロニト
リルが好ましい。
【0014】本発明におけるエチレン系不飽和カルボン
酸単量体の使用量は、0.5〜10重量部である。エチ
レン系不飽和カルボン酸単量体の使用量が0.5重量部
未満では重合安定性が低下し、10重量部を超えるとラ
テックスの粘度が高くなり過ぎ好ましくない。好ましく
は、1〜5重量部である。
【0015】本発明において使用されるエチレン系不飽
和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸
などのモノまたはジカルボン酸が挙げられ、1種または
2種以上用いることができる。
【0016】本発明におけるその他の共重合可能な単量
体の使用量は、0〜76.5重量部である。74.5重
量部を超えると接着強度が低下する。好ましくは20〜
70重量部である。
【0017】本発明において使用できるその他の共重合
可能な単量体としては、芳香族ビニル系単量体、不飽和
カルボン酸アルキルエステル単量体、ヒドロキシアルキ
ル基を含有する不飽和単量体、不飽和カルボン酸アミド
単量体等が挙げられる。
【0018】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、メチルα−メチルスチレン、
ビニルトルエンおよびジビニルベンゼン等が挙げられ、
1種または2種以上用いることができる。特にスチレン
が好ましい。
【0019】不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体
としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
ト、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジメチル
フマレート、ジエチルフマレート、ジメチルマレエー
ト、ジエチルマレエート、ジメチルイタコネート、モノ
メチルフマレート、モノエチルフマレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、等が挙げられ、1種または2種
以上用いることができる。特にメチルメタクリレートが
好ましい。
【0020】ヒドロキシアルキル基を含有する不飽和単
量体としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β
−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、
ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタ
クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタ
クリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、
ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロ
キシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)
マレエート、2−ヒドロキシエチルメチルフマレートな
どが挙げられ、1種または2種以上用いることができ
る。特にβ−ヒドロキシエチルアクリレートが好まし
い。
【0021】不飽和カルボン酸アミド単量体としては、
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられ、1種または
2種以上用いることができる。特にアクリルアミドが好
ましい。
【0022】さらに、上記の単量体のほかに、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類等
を使用することができる。
【0023】単量体の添加方法については次の通り行
う。単量体は、連続添加あるいは分割添加し、前半に重
合反応槽に添加される単量体50重量部(即ち、重合反
応槽に単量体の添加を開始してから、単量体の添加量が
50重量部に達するまでに添加された単量体50重量
部)中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体の割合A重
量部と後半の50重量部(即ち、重合反応槽に添加され
た単量体が50重量部に達した後、全単量体の添加が終
了するまでに添加された単量体50重量部)中に含まれ
る脂肪族共役ジエン系単量体の割合B重量部が下記の条
件を満足するようにする。 条件:1.2<B/A<2.5 この範囲以外では、接着強度、耐ブリスター性、耐ブロ
ッキング性が劣る。
【0024】また、単量体の添加方法としては全量を一
括添加する方法以外の方法であれば特に制限はなく、単
量体を二段階で重合反応槽に連続添加、あるいは分割添
加する二段重合、又は単量体を多段階で重合反応槽に連
続添加あるいは分割添加する多段階重合、単量体の組成
を連続的に変えながら添加するいわゆるパワーフィード
重合等何れでも採用することができる。またシード粒子
の存在化で単量体を添加するシード重合法を採ることも
出来る。
【0025】本発明の効果をよりいっそう高めるために
は、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む
単量体1〜30重量部(a)を重合反応槽に添加し乳化
重合し、単量体(a)の重合転化率が20〜90重量%
に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜4
0重量%含む単量体10〜60重量部(b)を重合反応
槽に添加し乳化重合し、単量体(a)及び(b)の重合
転化率が60〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役
ジエン系単量体を30〜70重量%含む単量体10〜8
9重量部(c)を乳化重合する(ただし(a)+(b)
+(c)=100重量部)ことが好ましい。
【0026】本発明において乳化重合時の連鎖移動剤と
してアルキルメルカプタンを使用することが好ましい。
添加方法は次の通り行うことが好ましい。前半に重合反
応槽に添加する単量体50重量部の添加終了までに重合
反応槽に添加するアルキルメルカプタン量X重量部と全
アルキルメルカプタン量Y重量部が下記の条件を満足す
るように添加することが好ましい。 条件:0.8<(Y−X)/X<5 この範囲以外では、目的とする効果、即ち、接着強度、
耐ブリスター性、耐ブロッキング性の改良効果が小さく
なる。
【0027】本発明で使用されるアルキルメルカプタン
としては、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメ
ルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステア
リルメルカプタン等が挙げられる。
【0028】本発明の効果をよりいっそう高めるために
は、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む
単量体1〜30重量部(a)およびアルキルメルカプタ
ン(α)重量部を重合反応槽に添加し乳化重合し、単量
体(a)の重合転化率が20〜90重量%に達した時点
で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40重量%含む
単量体10〜60重量部(b)およびアルキルメルカプ
タン(β)重量部を重合反応槽に添加し乳化重合し、単
量体(a)及び(b)の重合転化率が60〜90重量%
に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を30〜7
0重量%含む単量体10〜89重量部(c)およびアル
キルメルカプタン(γ)重量部を添加し乳化重合する
(ただし(a)+(b)+(c)=100重量部)に際
し、下記条件3および4を満足する共重合体ラテックス
の製造方法採用することが好ましい。 条件3:0.05≦(α)+(β)+(γ)≦10 条件4:0.5≦(γ)/[(α)+(β)]≦10
【0029】本発明においては、アルキルメルカプタン
以外の連鎖移動剤も使用することが出来、その添加方法
については特に制限はない。それらの連鎖移動剤として
はジメチルキサントゲンサルファイド、ジイソプロピル
キサントゲンジサルファイドなどのキサントゲン化合
物、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレンなど
の化合物や、テトラメチルチウラムジスルフィド、テト
ラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラム
モノスルフィド等のチウラム系化合物、2,6−ジ−t
−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノー
ル等のフェノール系化合物、アリルアルコール等のアリ
ル化合物、ジクロルメタン、ジブロモメタン、四塩化炭
素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物、α−ベ
ンジルオキシスチレン、α−ベンジルオキシアクリロニ
トリル、α−ベンジルオキシアクリルアミド等のビニル
エーテル、トリフェニルエタン、ペンタフェニルエタ
ン、アクロレイン、メタアクロレイン、チオグリコール
酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレー
ト等が挙げられる。
【0030】これら連鎖移動剤の使用量については何ら
制限はなく、共重合体ラテックスに求められる性能に応
じて適宜調整することができるが、好ましくは単量体1
00重量部に対して0.05〜10重量部である。
【0031】本発明においては環内に二重結合を1つ有
する環状不飽和炭化水素を用いることも可能である。該
炭化水素の添加方法については特に制限はなく、一括添
加方法、連続添加方法、分割添加方法いずれの方法を採
ることも出来る。環内に二重結合を1つ有する環状不飽
和炭化水素としてはシクロペンテン、シクロヘキセン、
シクロヘプテン、4−メチルシクロヘキセン、1−メチ
ルシクロヘキセンを挙げることが出来る。
【0032】本発明における単量体、連鎖移動剤以外の
各種成分の添加方法については特に制限するものではな
く、一括添加方法、分割添加方法、連続添加方法の何れ
でも採用することができる。更に、本発明における乳化
重合において、常用の重合開始剤、電解質、重合促進
剤、キレート剤等を使用することができる。
【0033】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の水溶性開始
剤、あるいはレドックス系開始剤あるいは、過酸化ベン
ゾイル等の油溶性開始剤が使用できる。
【0034】また、上記乳化重合における水の使用量は
単量体100重量部に対して、80〜300重量部であ
ることが重合安定性の面で好ましい。
【0035】本発明によって製造された共重合体ラテッ
クスを紙塗工用組成物の一成分として用いる場合として
は、例えば分散剤を溶解させた水中に、顔料、水溶性高
分子、各種添加剤とともに該共重合体ラテックスを添加
して混合し、均質な分散液として用いる方法を採用でき
る。そして、この紙塗工用組成物は、各種ブレードコー
ター、ロールコーター、エアーナイフコーターなどを用
いる通常の方法で原紙に塗工し、乾燥後、カレンダー処
理等を必要に応じて行い、塗工紙を得ることが出来る。
【0036】この際、固形分換算で顔料100重量部に
対し、好ましくは本発明の共重合体ラテックスが2〜1
00重量部、さらに好ましくは5〜30重量部、その他
の結合剤が0〜30重量部使用できる。
【0037】ここで、分散剤としては、ピロリン酸ナト
リウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸
ナトリウム等を挙げることが出来る。
【0038】また、顔料としては、カオリンクレー、タ
ルク、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、酸化亜鉛、サチンホワイトなどの無
機顔料、あるいはポリスチレンラテックスのような有機
顔料が挙げられ、これらは単独または混合して使用され
る。
【0039】また、水溶性高分子としては、澱粉、酸化
澱粉、エステル化澱粉等の変性澱粉、大豆蛋白、カゼイ
ンなどの天然バインダー、あるいはポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0040】また、各種添加剤としては、例えば消泡剤
(ポリグリコール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、
シリコーンオイルなど)、レベリング剤(ロート油、ジ
シアンジアミド、尿素など)、防腐剤、耐水化剤、離型
剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエマルジョン
など)、蛍光染料等が挙げられ、必要に応じて添加され
る。
【0041】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。なお実施例中、割
合を示す部および%は重量基準によるものである。また
実施例における諸物性の測定は次の方法に拠った。
【0042】重合転化率の測定 共重合体ラテックス約1.0gを正確に秤量し、150
℃オーブンにて60分乾燥後残留量を測定し、以下の計
算によって重合転化率を算出する。 固形分率=乾燥後重量(g)/乾燥前重量(g) 重合転化率=(固形分率×仕込み重量(g)―仕込み不
揮発分重量(g))÷仕込み揮発性単量体重量(g)×
100
【0043】表面強度 RI印刷機で各塗工紙試料を同時に印刷した際のピッキ
ングの程度を肉眼で判定し、5級から1級まで相対的に
評価した。点数の高いものほど良好である。
【0044】耐ブリスター性 両面印刷した各塗工紙試料を調湿(6%)し、加熱した
オイルバス中に投げ込みブリスターが発生する時の最低
温度(℃)を求めた。最低温度が高いほど耐ブリスター
性が良好である。
【0045】印刷光沢 RI印刷機で各塗工紙試料を同一の条件で印刷した後、
一昼夜放置し、印刷面の光沢度をJIS.P−8143
に従い測定した。数値が大きいほど印刷光沢が良い。
【0046】耐ブロッキング性 各塗工紙試料を3cm幅に短冊状に切り、台紙上に4種
の塗工紙を並べて貼り付ける。この上にろ紙を重ねてR
I印刷機を用いロール間を通し圧着する。その後、ろ紙
を剥がした後の濾紙の繊維の各塗工紙表面への付着状態
を見て、各塗工紙の耐ブロッキング性を比較する。付着
の少なく耐ブロッキング性の高いものを〇とし、付着が
多く耐ブロッキング性が低下するにつれて△、×と目視
にてランク付けした。
【0047】耐黄変性 各塗工紙試料を市販のギアオーブンに吊るし、140℃
で10時間熱処理したものを黄変度の測定試料にする。
ハンター白色度試験機を用いて、JIS P−8123
に準じた操作により、各黄変度測定サンプル表面の標準
酸化マグネシウム板に対する比反射率をブルー、アンバ
ー、グリーンの各フィルターについて測定し、各フィル
ターについて得られた比反射率を各々B(ブルー)、A
(アンバー)、G(グリーン)とする。各サンプルの黄
変度YをY=(A−B)/Gによって計算する。黄変度
Yの値が小さいほど耐黄変性に優れる。
【0048】共重合体ラテックスの作製 100リットルのオートクレーブに、水150重量部、
炭酸水素ナトリウム0.4部、過硫酸カリウム1.0
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.3部及び表
1、2に示す、1段目の単量体、連鎖移動剤及び環内に
2重結合を1つ有する環状不飽和炭化水素を仕込だ後、
72℃に昇温して重合を行った。単量体の重合転化率が
表1、2に示した時点から表1、2に示す各時間で第2
段目の各単量体等を一定速度で添加して重合を継続し
た。続けて、表1、2に示す各時間で3段目の単量体等
を一定速度で添加して重合転化率が98%になるまで重
合を継続し重合を終了した。得られた共重合体ラテック
スを水酸化ナトリウムを用いてPH8に調整した後、水
蒸気蒸留で未反応単量体等を除去し、共重合体ラテック
ス1〜12を得た。13については重合安定性が劣り、
共重合体ラテックスを得ることが出来なかった。各共重
合体ラテックスにおいて、前半に重合反応槽に添加した
単量体50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量
体のA重量部と後半に重合反応槽に添加した50重量部
中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のB重量部との
比率(B/A)、前半に重合反応槽に添加する単量体5
0重量部の添加終了までに重合反応槽に添加したアルキ
ルメルカプタン量X重量部と全アルキルメルカプタン量
Y重量部との関係((Y−X)/X)については、表
1、2に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】紙塗工用組成物の調整 共重合体ラテックス1〜12を用いて、それぞれ下記の
処方に基づき固形分濃度が62%となるよう純水を用い
て調整し、紙塗工用組成物を得た。
【0052】(処方) カオリンクレー 80部 炭酸カルシウム 20部 変成デンプン 8部 共重合体ラテックス 12部(固形分)
【0053】また、市販の上質紙(64g/m2)に上
記紙塗工用組成物の塗被量が片面10g/m2となるよ
うにコーティングバーを用いて塗工・乾燥した後、ロー
ル温度50℃、線圧70〜80kg/cmの条件でスー
パーカレンダー処理を行い塗工紙を得た。得られた塗工
紙については接着強度、耐ブリスター性、印刷光沢、耐
ブロッキング性、耐黄変性を測定した。結果を表3、4
に示した。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】以上のとおり、本発明による紙塗工用組
成物を用いることにより接着強度、耐ブリスター性、印
刷光沢、耐ブロッキング性に優れる塗工紙が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中森 弘 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 化エイビーエス・ラテックス株式会社大阪 研究所内 (72)発明者 杉森 富世美 愛媛県新居浜市菊本町2丁目10番2号 住 化エイビーエス・ラテックス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン系単量体20〜60重
    量部、シアン化ビニル系単量体3〜30重量部、エチレ
    ン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜10重量部及びそ
    の他の共重合可能な単量体0〜76.5重量部からなる
    単量体(合計100重量部)を連続添加あるいは分割添
    加して乳化重合を行うに際し、前半に重合反応槽に添加
    する単量体50重量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系
    単量体のA重量部と後半に重合反応槽に添加する50重
    量部中に含まれる脂肪族共役ジエン系単量体のB重量部
    が下記の条件1を満足する製造方法で得られた共重合体
    ラテックスを含有することを特徴とする紙塗工用組成
    物。 条件1:1.2<B/A<2.5
  2. 【請求項2】 乳化重合時の連鎖移動剤としてアルキル
    メルカプタンを用い、前半に重合反応槽に添加する単量
    体50重量部の添加終了までに重合反応槽に添加するア
    ルキルメルカプタン量X重量部と全アルキルメルカプタ
    ン量Y重量部が下記の条件2を満足する請求項1に記載
    の製造方法で得られた共重合体ラテックスを含有するこ
    とを特徴とする紙塗工用組成物。 条件2:0.8<(Y−X)/X<5
  3. 【請求項3】 脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40
    重量%含む単量体1〜30重量部(a)を重合反応槽に
    添加し乳化重合し、単量体(a)の重合転化率が20〜
    90重量%に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体
    を10〜40重量%含む単量体10〜60重量部(b)
    を重合反応槽に添加し、単量体(a)及び(b)の重合
    転化率が60〜90重量%に達した時点で、脂肪族共役
    ジエン系単量体を30〜70重量%含む単量体10〜8
    9重量部(c)を乳化重合する(ただし(a)+(b)
    +(c)=100重量部)請求項1、2に記載の製造方
    法で得られた共重合体ラテックスを含有する紙塗工用組
    成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40
    重量%含む単量体1〜30重量部(a)およびアルキル
    メルカプタン(α)重量部を重合反応槽に添加し乳化重
    合し、単量体(a)の重合転化率が20〜90重量%に
    達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を10〜40
    重量%含む単量体10〜60重量部(b)およびアルキ
    ルメルカプタン(β)重量部を重合反応槽に添加し、単
    量体(a)及び(b)の重合転化率が60〜90重量%
    に達した時点で、脂肪族共役ジエン系単量体を30〜7
    0重量%含む単量体10〜89重量部(c)およびアル
    キルメルカプタン(γ)重量部を添加し乳化重合する
    (ただし(a)+(b)+(c)=100重量部)に際
    し、下記条件3および4を満足する請求項1、2,3に
    記載の製造方法で得られた共重合体ラテックスを含有す
    る紙塗工用組成物。 条件3:0.05≦(α)+(β)+(γ)≦10 条件4:0.5≦(γ)/[(α)+(β)]≦10
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005504155A (ja) * 2001-10-01 2005-02-10 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 水性のスチレン−ブタジエンポリマー分散液の製造方法
JP2009191404A (ja) * 2008-02-15 2009-08-27 Oji Paper Co Ltd 塗工紙

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