JPH11349803A - 熱可塑性ポリウレタン組成物及び搬送ベルト - Google Patents

熱可塑性ポリウレタン組成物及び搬送ベルト

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JPH11349803A
JPH11349803A JP10161013A JP16101398A JPH11349803A JP H11349803 A JPH11349803 A JP H11349803A JP 10161013 A JP10161013 A JP 10161013A JP 16101398 A JP16101398 A JP 16101398A JP H11349803 A JPH11349803 A JP H11349803A
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JP
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thermoplastic polyurethane
polyurethane composition
antioxidant
belt
weight
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JP10161013A
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Akimitsu Sato
昭光 佐藤
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時変化によって表面が赤色等に変色するこ
とがない熱可塑性ポリウレタン組成物を提供する。 【解決手段】 フェノール系化合物からなる酸化防止剤
とノニオン系界面活性剤からなる帯電防止剤とが組み合
わせて用いられている熱可塑性ポリウレタン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が変色を起こ
すことがない熱可塑性ポリウレタン組成物、及び、該組
成物を用いた搬送ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】高分子化合物を主成分とする樹脂層を低
伸縮性帆布等で補強した樹脂積層体からなる軽量搬送ベ
ルトは、従来より広く用いられている。この軽量搬送ベ
ルトにおいては、軽量搬送ベルトを構成する樹脂層に、
耐屈曲性、耐摩耗性、搬送条件に応じた搬送物との摩擦
係数の最適化、上記帆布との接着性等が要求されてお
り、これらの要求を満足する樹脂の一つとして、熱可塑
性ポリウレタン樹脂が広く用いられている。
【0003】しかし、熱可塑性ポリウレタン樹脂をその
まま用いたのでは、加水分解性や光分解性等が問題とな
るため、通常は、この熱可塑性ポリウレタン樹脂に耐加
水分解剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が添
加され、熱可塑性ポリウレタン組成物として使用されて
いる。また、上記熱可塑性ポリウレタン組成物中には、
加工助剤、着色剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤等が、
その用途や加工条件に応じて添加されている。
【0004】上記酸化防止剤としては、通常、フェノー
ル系化合物が用いられており、なかでもテトラキス−
[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリ
エチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)イソシアヌレート等のヒンダードフェノ
ール化合物がよく用いられている。
【0005】上記帯電防止剤としては、ポリウレタン樹
脂との相溶性が良好で、かつ、少量添加でも帯電防止性
能を付与することができるポリエチレングリコールの脂
肪酸エステル等がよく用いられている。上記難燃剤とし
ては、少量添加で難燃化することができる臭素系化合
物、塩素系化合物、含ハロゲンリン酸エステル等がよく
用いられている。
【0006】しかし、このような添加剤を含む上記熱可
塑性ポリウレタン組成物は、加工直後から、又は、時間
とともに、徐々にその表面が赤色又は黄色に着色するこ
とがある。このような変色は、白色等の明色を求められ
る製品においては、外観や意匠性を損なうので好ましく
ない。特に、食品搬送用や原稿搬送用の搬送ベルトの樹
脂層として使用する場合には、搬送物への色移りが懸念
されるため、重大な問題となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、経時変化によって表面が赤色等に変色することがな
い熱可塑性ポリウレタン組成物及び該熱可塑性ポリウレ
タン組成物が用いられた搬送ベルトを提供することを目
的とするもである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の熱可
塑性ポリウレタン組成物について検討を行い、酸化防止
剤としてフェノール系化合物を使用し、帯電防止剤とし
て脂肪酸エステル系化合物を使用した場合、脂肪酸エス
テル系化合物が分解して生じたカルボン酸が、上記フェ
ノール系化合物の酸化反応過程に関与して発色性物質を
生成し、この発色性物質に起因して、熱可塑性ポリウレ
タン組成物が変色することを見い出した。
【0009】また、酸化防止剤としてフェノール系化合
物を使用し、難燃剤としてリン酸エステル系化合物とを
使用した場合、リン酸エステル系化合物が分解して生じ
たリン酸エステル部分ケン化物が、上記フェノール系化
合物の酸化反応過程に関与して発色性物質を生成し、こ
の発色性物質に起因して、熱可塑性ポリウレタン組成物
が変色することを見い出した。
【0010】これら脂肪酸エステル系化合物やリン酸エ
ステル系化合物の分解は、添加剤の混練や成形等におけ
る熱可塑性ポリウレタンの通常の加工温度と考えられる
180〜200℃の温度領域でも、10分以内という短
時間で起こることが確認された。
【0011】以上の事実に基づき、本発明者はさらに検
討を行い、上記した組み合わせとならないように、酸化
防止剤と、帯電防止剤又は難燃剤とを組み合わせて使用
することにより、変色のない熱可塑性ポリウレタン組成
物を得ることができることを見い出し、本発明に到達し
たものである。
【0012】すなわち第一の本発明は、フェノール系化
合物からなる酸化防止剤とノニオン系界面活性剤からな
る帯電防止剤とが組み合わせて用いられている熱可塑性
ポリウレタン組成物である。また、第二の本発明は、フ
ェノール系化合物からなる酸化防止剤と縮合リン酸エス
テルからなる難燃剤とが組み合わせて用いられている熱
可塑性ポリウレタン組成物である。以下に本発明を詳述
する。
【0013】第一の本発明において、酸化防止剤として
用いられるフェノール系化合物としては、例えば、テト
ラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチ
ル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−
ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等のヒンダード
フェノール化合物等を挙げることができる。これらは、
例えば、イルガノックス1010(日本チバガイギー社
製)等として市販されている。上記酸化防止剤の添加量
は、熱可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に対し、0
05〜0.5重量部が好ましい。
【0014】上記第一の本発明において、帯電防止剤と
して用いられるノニオン系界面活性剤としては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリグリセリン等のポリエーテル類、ポリビニルア
ルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セル
ロース及びその誘導体、多価アルコール類等を挙げるこ
とができる。なかでも、熱可塑性ポリウレタンとの相溶
性が良好で、かつ、帯電防止性能が良好な上記ポリエー
テル類が好ましい。
【0015】上記ノニオン系界面活性剤の添加量は、熱
可塑性ポリウレタン樹脂100重量部に対し、1〜10
重量部が好ましい。上記ノニオン系界面活性剤の添加量
が1重量部未満であると、充分な帯電防止性能を得るこ
とがでできず、その添加量が10重量部を超えると、熱
可塑性ポリウレタン組成物の物性が損なわれたり、界面
活性剤がブリードアウトする等の問題が発生する。
【0016】上記ノニオン系界面活性剤の添加方法とし
ては特に限定されず、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹
脂の合成の際に、予めプレポリマー溶液に上記ノニオン
系界面活性剤を添加しておく方法、2軸混練機等を用い
て熱可塑性ポリウレタン樹脂と上記ノニオン系界面活性
剤とを混練する方法等を挙げることができる。
【0017】上記熱可塑性ポリウレタン組成物に用いら
れるポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエステル
ポリオール、ポリエーテルポリオール、又は、ポリカー
ボネートポリオールと、ジイソシアネートとの反応によ
り得られるポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル
系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン等を
挙げることができる。搬送ベルト用の樹脂として用いる
場合には、ポリエステル系ポリウレタンが好ましい。
【0018】上記第一の本発明によれば、上記ノニオン
系界面活性剤は、熱可塑性ポリウレタン組成物を製造す
る際の加工時の熱履歴や使用環境、保存環境においても
分解することがないので、フェノール系酸化防止剤の変
色に関与する酸性物質を発生することもない。そのため
フェノール系酸化防止剤の変色の速度を著しく遅らせ、
製品の寿命の範囲では、変色を起こさないようにするこ
とができる。
【0019】第二の本発明は、フェノール系化合物から
なる酸化防止剤と縮合リン酸エステルからなる難燃剤と
が組み合わせて用いられている熱可塑性ポリウレタン組
成物である。
【0020】上記フェノール系化合物からなる酸化防止
剤としては、上記第一の本発明において例示されたもの
と同様のものを挙げることができる。上記縮合リン酸エ
ステルとしては、例えば、ハロゲンを含有しない縮合リ
ン酸エステルと、含ハロゲン縮合リン酸エステルとを挙
げることができる。
【0021】上記縮合リン酸エステルのなかでは、融点
が40℃以上の固体状のものが、好ましい。融点が40
℃以上の固体状のものとしたのは、加工温度において溶
融状態であっても、製品の使用温度範囲において固体状
であればブリードアウトせず、このブリードアウトに伴
う酸化防止剤等の熱可塑性ポリウレタン組成物表面での
濃縮を防止することができ、この濃縮に起因する変色を
防止することができるからである。
【0022】上記ハロゲンを含有しない縮合リン酸エス
テルとしては、耐熱性が高く、耐加水分解性を有するも
のが好ましく、上記特性を有するハロゲンを含有しない
縮合リン酸エステルとしては、例えば、大八化学工業社
製のCR−733S、CR−741、CR−747、P
X−200等を挙げることができる。これらのなかで
は、融点が95℃で固体状のPX−200が好ましい。
【0023】上記含ハロゲン縮合リン酸エステルとして
は、例えば、大八化学工業社製のCR−505、CR−
509、CR−530、CR−504L、CR−505
等を挙げることができ、これらのなかでも、耐加水分解
性に優れるCR−504Lが好ましい。
【0024】上記縮合リン酸エステルの添加量は、熱可
塑性ポリウレタン樹脂100重量部に対し、3〜15重
量部が好ましい。上記縮合リン酸エステルの添加量が3
重量部未満であると、UL規格のV−2合格程度の難燃
性を得ることがでできず、その添加量が15重量部を超
えると、熱可塑性ポリウレタン組成物の物性が損なわれ
たり、縮合リン酸エステルがブリードアウトする等の問
題が発生する。上記縮合リン酸エステルとして、融点が
40℃以上のものを使用した場合には、ブリードアウト
を考慮する必要がないため、熱可塑性ポリウレタン樹脂
100重量部に対し、20重量部まで添加することがで
きる。
【0025】上記熱可塑性ポリウレタン組成物に用いら
れるポリウレタン樹脂としては、上記第一の本発明で説
明したものと同様のものを挙げることができる。上記第
二の本発明によれば、上記縮合リン酸エステルは、加工
時に分解し易い炭素−酸素−リンの結合の数が、同じ質
量のリン酸エステルと比較して約1/3〜2/3に抑え
られており、それに代わって加工温度では殆ど分解しな
いリン−酸素−リン結合を有している。
【0026】この結果、熱可塑性ポリウレタン組成物の
加工の際に難燃剤の分解によって生じるリン酸エステル
部分ケン化物やハロゲン化アルコールの量を少なくする
ことができる。このように、フェノール系酸化防止剤の
変色に関与するリン酸エステル部分ケン化物やハロゲン
化アルコールの生成量を減少させることにより、フェノ
ール系酸化防止剤に起因する熱可塑性ポリウレタン組成
物の変色の速度を著しく遅らせ、製品の寿命の範囲で
は、変色を起こさないようにすることができる。
【0027】上記第一及び第二の本発明においては、必
要に応じて、上記した添加剤のほかに、耐加水分解剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、加工助剤、着色剤、難燃剤の
安定剤等を添加することができる。ただし、上記したよ
うに、それ自身が酸性である添加剤や、加工温度や実際
に製品が使用される環境や保存される環境において、容
易に分解して酸性物質を生じる添加剤、例えば、含ハロ
ゲン縮合リン酸エステル以外の含ハロゲン系難燃剤、可
塑剤や難燃剤として使用されるリン酸エステル類、潤滑
剤として使用される高級カルボン酸類やその塩類等を添
加すると、熱可塑性ポリウレタン組成物の変色の原因と
なるため、好ましくない。
【0028】上記第一又は第二の本発明の熱可塑性ポリ
ウレタン組成物は、少なくとも製品の寿命の範囲では、
変色を起こさないため、樹脂層と帆布とを含む樹脂積層
体からなる搬送ベルトの少なくともその表面部分に、上
記熱可塑性ポリウレタン組成物からなる樹脂層を配置し
た場合、上記搬送ベルトが変色を起こすことはなく、上
記変色に起因して、搬送物への色移りが発生する慮れも
ない。従って、上記搬送ベルトは、食品搬送用や原稿搬
送用の搬送ベルトとして最適なものとなる。上記構成の
搬送ベルトも本発明の一つである。
【0029】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0030】実施例1 ポリエステル系ポリウレタン100重量部に対して、酸
化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤で
あるテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−
t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンを0.5重量部配合し、更に、平均分子量が
約1000のポリエチレングリコールを2重量部添加し
て、硬度85°(JISA)の熱可塑性ポリウレタンを
調製した後、このポリウレタンをTダイを用いて押出成
形を行いつつ、予めプライマー処理を施したポリエステ
ル帆布とラミネートし、樹脂積層体を得た。次に、この
樹脂積層体の両端をジョイントすることにより、軽量搬
送ベルトを作製した。なお、上記添加剤の分散混合工程
及び押出成形工程において、材料はおよそ180℃の熱
刺激を約8分間受けることがわかっている。
【0031】評価方法 (1)長期耐久性試験 上記実施例で得られた軽量搬送ベルトを2軸のベルト駆
動装置に取り付け、日中は最高でおよそ28℃、夜間は
最低で−5℃になる遮光した室内において、午前9時か
ら午後6時までは連続して装置を駆動させ、その他の時
間は停止させるという条件下で、1年間長期耐久性試験
を行い、その外観を目視により観察して色の変化等によ
り長期耐久性を評価した。
【0032】(2)促進耐久性試験 上記実施例で得られた積層体から100mm×100m
mの試験片を切り出し、この試験片を恒温恒湿室に入れ
た後、40℃、相対湿度80%の条件と0℃、相対湿度
10%の条件とを2時間毎に繰り返す促進耐久試験を行
い、その外観を目視により観察して色の変化等により耐
久性を評価した。評価結果 上記長期耐久性試験終了後も、ベルトの外観は新品と比
較しても全く変化がなかった。また、上記促進耐久性試
験では、30日経過した後も、ベルトの外観は新品と比
較しても全く変化がなかった。
【0033】実施例2 ポリエステル系ポリウレタン100重量部に対して、酸
化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤で
あるテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−
t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンを0.5重量部配合し、更に、含ハロゲン縮
合リン酸エステルである大八化学工業社製のCR−50
4Lを8重量部添加して、硬度85°(JISA)の熱
可塑性ポリウレタンを調製した後、このポリウレタンを
Tダイを用いて押出成形を行いつつ、予めプライマー処
理を施したポリエステル帆布とラミネートし、樹脂積層
体を得た。次に、この樹脂積層体の両端をジョイントす
ることにより、軽量搬送ベルトを作製した。
【0034】得られた積層体及び軽量搬送ベルトを実施
例1の場合と同様に評価を行った。その結果、上記長期
耐久性試験終了後も、ベルトの外観は新品と比較しても
全く変化がなかった。また、上記促進耐久性試験では、
30日経過した後も、ベルトの外観は新品と比較しても
全く変化がなかった。
【0035】実施例3 ポリエステル系ポリウレタン100重量部に対して、酸
化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤で
あるテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−
t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタンを0.5重量部配合し、更に、縮合リン酸エ
ステルである大八化学工業社製のCR−741を10重
量部、難燃剤の安定剤として、ビスフェノールAグリシ
ジルエーテルを2重量部添加して、硬度85°(JIS
A)の熱可塑性ポリウレタンを調製した後、このポリウ
レタンをTダイを用いて押出成形を行いつつ、予めプラ
イマー処理を施したポリエステル帆布とラミネートし、
樹脂積層体を得た。次に、この積層体の両端をジョイン
トすることにより、軽量搬送ベルトを作製した。
【0036】得られた積層体及び軽量搬送ベルトを実施
例1の場合と同様に評価した。その結果、上記長期耐久
性試験終了後も、ベルトの外観は新品と比較しても全く
変化がなかった。また、上記促進耐久性試験では、60
日経過した後も、ベルトの外観は新品と比較しても全く
変化がなかった。
【0037】実施例4 縮合リン酸エステルとして、融点が95℃の大八化学工
業社製のPX−200を使用し、硬度を実施例3と同じ
ように保つため、ポリウレタン中のポリオールと短鎖ジ
オールとの配合比を調整したほかは、実施例3の場合と
同様にして、樹脂積層体及び軽量搬送ベルトを製造し、
その評価を行った。
【0038】その結果、上記長期耐久性試験終了後も、
ベルトの外観は新品と比較しても全く変化がなかった。
また、上記促進耐久性試験では、60日経過した後も、
ベルトの外観は新品と比較しても全く変化がなかった。
【0039】比較例1 平均分子量1000のポリエチレングリコールの代わり
に、モノステアリン酸ポリエチレングリコールエステル
を2重量部添加したほかは、実施例1の場合と同様にし
て、樹脂積層体及び軽量搬送ベルトを製造し、その評価
を行った。
【0040】その結果、上記長期耐久性試験では、60
日目において、ベルト表面がピンク色に着色した。着色
物質は、アセトンを用いて容易に拭き取ることができ
た。また、上記促進耐久性試験では、25日目にベルト
表面に赤色の斑点が現れ、これが徐々に広がり、ベルト
表面が部分的に薄くピンク色に着色した。着色物質は、
長期耐久性試験の場合と同様に、アセトンを用いて容易
に拭き取ることができた。
【0041】比較例2 含ハロゲン縮合リン酸エステルの代わりに、含ハロゲン
リン酸エステルであるトリス(ジクロロプロピル)ホス
フェートを8重量部添加したほかは、実施例2の場合と
同様にして、樹脂積層体及び軽量搬送ベルトを製造し、
その評価を行った。
【0042】その結果、上記長期耐久性試験では、60
日目において、ベルト表面がピンク色に着色した。着色
物質は、アセトンを用いて容易に拭き取ることができ
た。また、上記促進耐久性試験では、14日目にベルト
表面に赤色の斑点が現れ、これが徐々に広がり、ベルト
表面が部分的に薄くピンク色に着色した。着色物質は、
長期耐久性試験の場合と同様に、アセトンを用いて容易
に拭き取ることができた。
【0043】
【発明の効果】第一及び第二の本発明は、上述の構成よ
りなるので、経時変化によって表面が赤色等に変色する
ことがない熱可塑性ポリウレタン組成物を提供すること
ができる。また、本発明の搬送ベルトは、上述の構成よ
りなるので、経時変化によって表面が赤色等に変色する
ことはなく、食品搬送用や原稿搬送用の搬送ベルトとし
て最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 71:02)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール系化合物からなる酸化防止剤
    とノニオン系界面活性剤からなる帯電防止剤とが組み合
    わせて用いられていることを特徴とする熱可塑性ポリウ
    レタン組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール系化合物からなる酸化防止剤
    と縮合リン酸エステルからなる難燃剤とが組み合わせて
    用いられていることを特徴とする熱可塑性ポリウレタン
    組成物。
  3. 【請求項3】 縮合リン酸エステルは、融点が40℃以
    上のものである請求項2記載の熱可塑性ポリウレタン組
    成物。
  4. 【請求項4】 縮合リン酸エステルは、含ハロゲン縮合
    リン酸エステルである請求項2又は3記載の熱可塑性ポ
    リウレタン組成物。
  5. 【請求項5】 樹脂層と帆布とを含む樹脂積層体からな
    る搬送ベルトであって、少なくともその表面部分に配置
    される樹脂層が、請求項1、2、3又は4記載の熱可塑
    性ポリウレタン組成物からなることを特徴とする搬送ベ
    ルト。
JP10161013A 1998-06-09 1998-06-09 熱可塑性ポリウレタン組成物及び搬送ベルト Pending JPH11349803A (ja)

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