JPH1134973A - 観測用船舶 - Google Patents

観測用船舶

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Publication number
JPH1134973A
JPH1134973A JP19591297A JP19591297A JPH1134973A JP H1134973 A JPH1134973 A JP H1134973A JP 19591297 A JP19591297 A JP 19591297A JP 19591297 A JP19591297 A JP 19591297A JP H1134973 A JPH1134973 A JP H1134973A
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JP
Japan
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hull
target
observation
target position
control means
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JP19591297A
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English (en)
Inventor
Kinya Kitagawa
欽哉 北川
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 目標位置まで航走して作業終了後に出発点に
戻る一連の操船を無人で行うことができる観測用船舶を
提供する。 【解決手段】 衛星からの電波を受信し現在位置を検出
する現在位置検出手段11と、目標位置の方位および距
離を求める目標設定手段12を備える。船体方位を検出
する船体方位検出手段13と、推進装置16,17を制
御する制御手段14を備える。制御手段14を、船体2
が目標位置に達するまでは、船首が目標位置を指向する
ように推進装置16,17を制御する構成とする。ま
た、目標位置に達したときに推進装置16,17を停止
させるとともに水質調査装置6を作動させる構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば水質調査を
実施する際に用いる観測用船舶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、湖水での水質調査は、調査機器を
船舶に載せて調査地点まで運び、調査地点で船体を静止
させて行っている。調査地点が複数ある場合には、調査
地点を順に巡るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、水質調査を
行うためには、必ず乗員が船舶を操縦しなければならな
い。1回の調査にかかる費用の内訳で最も高いのは人件
費である。このため、人が乗船することなく水質調査な
どの水上での観測作業を実施できるようにすることが要
請されている。
【0004】本発明はこのような要請に応えてなされた
もので、目標位置まで航走して作業終了後に出発点に戻
る一連の操船を無人で行うことができる観測用船舶を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係る観測用船舶は、観測装置と、衛星から
の電波を受信して現在位置を検出する現在位置検出手段
と、現在位置に対する目標位置の方位および距離を求め
る目標設定手段と、船体方位を検出する船体方位検出手
段と、舵取装置と推進装置を制御する制御手段とを備
え、前記制御手段を、船体が前記目標位置に達するまで
は、船首が目標位置を指向するように舵取装置を制御す
るとともに推進装置を駆動し、目標位置に達したときに
推進装置を停止させるとともに観測装置を作動させる構
成としたものである。
【0006】本発明によれば、目標位置として観測地点
および着岸地点を設定しておくことにより、観測地点ま
で航走してから停止し、観測終了後、着岸地点まで航走
してから停止するという一連の動作が無人で行われる。
【0007】他の発明に係る観測用船舶は、上述した発
明に係る観測用船舶において、制御手段を、目標位置か
ら予め定めた距離だけ離間する位置より目標位置に近い
水域では推進装置の出力を目標位置との距離に比例する
ように制御する構成としたものである。
【0008】本発明によれば、目標位置に近付くにした
がって速度が次第に遅くなるから、推進装置が停止した
後に慣性で前進することなく船体が目標位置に静止す
る。
【0009】他の発明に係る観測用船舶は、上述した発
明に係る観測用船舶において、目標地点を予め定めた半
径をもって囲む水域を目標位置とし、前記水域に船体が
あるときには、風向計を用いて検出した風上を船首が指
向するように制御装置が舵取装置および推進装置を制御
する構成としたものである。本発明によれば、観測中に
船体が横風を受けることがないから、観測を横揺れが少
ない状態で実施することができる。しかも、船体が風で
押流される量が相対的に少なくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る観測用船舶の
一実施の形態を図1ないし図11によって詳細に説明す
る。この実施の形態では、湖水で水質調査を実施するた
めに用いる船舶に本発明を適用する例を説明する。図1
は本発明に係る観測用船舶の側面図、図2は同じく平面
図、図3は搭載機器の配置を示す側面図、図4は同じく
平面図、図5は同じく横断面図である。図6は制御系の
構成を示すブロック図、図7は目標位置の設定例を示す
図である。
【0011】図8は本発明に係る観測用船舶の動作を説
明するためのフローチャート、図9は船体が目標位置に
移動するまでの制御手段の動作を示すフローチャート、
図10は観測時の制御手段の動作を示すフローチャー
ト、図11は着岸時の制御手段の動作を示すフローチャ
ートである。
【0012】これらの図において、符号1はこの実施の
形態による観測用船舶を示す。この観測用船舶1は、船
体2をハル3にデッキ4を接合させることによって双胴
船形に形成している。図1、図3および図5において二
点鎖線Lは水面を示す。前記デッキ4の前後方向および
船幅方向の中央部には、ハッチ5を開閉自在に取付け、
船体2内に図3〜図5に示すように設けた水質調査装置
6および航行制御装置7を船外から操作できるようにし
ている。このハッチ5は、図5に示すように、船幅方向
の中央を支点として両側が上下方向に揺動する構造を採
り、上面の略全域に太陽電池8(図3参照)が取付けて
ある。この太陽電池8は、後述するバッテリーを充電す
るためのものである。
【0013】前記水質調査装置6は、船尾に装備した潜
行体9をウインチ10で予め定めた水深まで潜行させ、
潜行体9に内蔵させたセンサ(図示せず)で水のPH、
溶存酸素量、透明度などを測定する。
【0014】前記航行制御装置7は、図6に示すよう
に、現在位置検出手段11と、目標設定手段12と、船
体方位検出手段13と、制御手段14と、座標データ1
5とを備え、操船を自動で行うとともに前記水質調査装
置6の動作を制御する構成を採っている。操船は、船体
2の船幅方向の両側に設けた推進装置16,17を制御
することによって行う。この実施の形態では、前記二つ
の推進装置16,17の出力を個々に増減させることに
よって、航走方向を変えることができるようにしてい
る。すなわち、本発明に係る推進装置と舵取装置とをこ
の実施の形態では二つの推進装置16,17で実現して
いる。
【0015】前記推進装置16,17は、この実施の形
態では図3〜図5に示すように電動式船外機によって構
成している。電動式船外機からなる推進装置16,17
は、ハル3の二つの船底部3aにそれぞれ設けている。
詳述すると、図3に示すように、各船底部3aにおける
船体2の前後方向の中央部に下端が水中に開口するダク
ト3bを設け、このダクト3bの内側に電動式船外機を
プロペラ16a,17aが船底より下方へ突出するよう
に取付けている。
【0016】また、前記推進装置16,17は、プロペ
ラ16a,17aの正転・逆転を切換えることができる
ように形成している。推進装置16,17のプロペラ1
6a,17aを正転させることによって、船体2は前進
する。なお、一方の推進装置16のプロペラ16aを正
転させるとともに他方の推進装置17のプロペラ17a
を逆転させることによって、船体2は前後方向へ移動す
ることなく船体中央を中心として回転し、船首が指向す
る方向が変わる。
【0017】さらに、この推進装置16,17は、船体
2を陸上に載置するときにプロペラ16a,17aが地
面に当たることがないように、支軸16b,17bを上
下方向に移動できるように形成するとともに、クランプ
部16c,17cを一般の船外機と同様に支軸16b,
17bが揺動できるように形成している。すなわち、プ
ロペラ16a,17aを有する下端部を前記ダクト3b
内に収納することができる構造を採っている。
【0018】推進装置16,17の電源は、水質調査装
置6および航行制御装置7の電源にもなるバッテリー1
8(図6参照)である。このバッテリー18は、図4お
よび図5に示すように、船体2内の船幅方向の両側であ
って、推進装置16,17の前方と後方とにそれぞれ複
数配設している。なお、デッキ4におけるバッテリー1
8の上方の部分には、図2、図4および図5に示すよう
に、リッド19を着脱自在に取付けている。このリッド
19をデッキ4から取外すことによって、推進装置1
6,17およびバッテリー18が露出し、充電やメンテ
ナンスを行うことができる。
【0019】航行制御装置7の前記現在位置検出手段1
1は、従来周知のGPS(Global Positioning Syste
m)を流用し、衛星からの電波を船体2のアンテナ20
(図6参照)で受信し、座標データ15を参照して現在
の位置を検出する構成を採っている。また、目標設定手
段12は、パーソナルコンピュータなどの入力装置21
(図6参照)によって入力された目標位置を記憶すると
ともに、現在の位置に対する目標位置の方位と、現在の
位置から目標位置までの距離とを求める構成を採ってい
る。
【0020】前記目標位置は、この実施の形態では図7
に示すように、水質調査地点や着岸地点である目標地点
nを予め定めた半径Rをもって囲む水域として設定して
いる。この水域を図7中に左下がりの平行斜線からなる
ハッチングを施すとともに符号A1を付して示す。ま
た、この水域を以下においてはターゲットエリアとい
う。 前記船体方位検出手段13は、コンパス(図示せ
ず)を使用して船首が指向している方向(以下、この方
向のことを船体方位という)を検出する構成を採ってい
る。
【0021】前記制御手段14は、水質調査装置6を制
御するとともに、推進装置16,17を制御して船体2
がターゲットエリアA1に入るように操船する構成を採
っている。詳述すると、船体2が図7に示すターゲット
エリアA1の外側であってかつ図7においてターゲット
エリアA1を囲むように描いた目標周辺エリアA2の外
側に位置しているときには、推進装置16,17を制御
して船体方位が目標地点nを指向する状態で前進させ
る。このときには、推進装置16,17を出力が予め定
めた一定の値になるように制御する。
【0022】船体方位を図7中に符号Hecで示し、船体
2に対する目標地点nの方向、すなわち目標方位をHt
で示す。なお、前記目標周辺エリアA2は、ターゲット
エリアA1から予め定めた距離Lだけ離間する位置より
ターゲットエリアA1に近い水域のことである。この実
施の形態では、目標周辺エリアA2を図7においてR+
Lを半径とする円の内側に設定している。
【0023】また、制御手段14は、船体2が目標周辺
エリアA2に位置しているときには、船体方位が目標地
点nを指向するように推進装置16,17を制御すると
ともに、船体2からターゲットエリアA1の外周縁まで
の距離に比例するように推進装置16,17の出力を制
御する。すなわち、ターゲットエリアA1に近付くにし
たがって船速が次第に遅くなる。船体2がターゲットエ
リアA1に入った後に、この制御手段14は推進装置1
6,17を停止させて水質調査装置6を起動させる。
【0024】船体2が水質調査を実行しているときに
は、この制御手段14は推進装置16,17によって船
体方位が風上を指向するように船体2の向きを調整す
る。風向は、船体2に取付けた風向計22(図6参照)
を使用して検出する。調査終了後、調査地点が他にある
場合にはその調査地点へ船体2を移動させ、調査地点が
他にない場合には桟橋に船体2を着岸させる。このとき
の操船も、上述したようにターゲットエリアA1および
目標周辺エリアA2を設定して前記同様に実行する。さ
らに、着岸後に予め定めた時間が経過した後は、この制
御手段14は警報装置23(図6参照)を動作させる構
成を採っている。
【0025】次に、前記航行制御装置7の動作をさらに
詳細な構成の説明をも合わせて図8〜図11のフローチ
ャートによって説明する。この観測用船舶1で水質調査
を行うためには、先ず、図8のフローチャートのステッ
プ101で目標地点を入力する。このときには、目標設
定手段12に入力装置21によって目標地点(水質調査
地点や着岸地点など)を移動順に数値(この実施の形態
では1,2,3‥‥N)として入力する。なお、最後の
目標地点「N」およびこれの一つ前の目標地点「N−
1」は着岸地点とする。目標設定手段12は、この実施
の形態では前記各目標地点をnとして扱う。また、ステ
ップ101では現在の制御状態を示す変数Cに1を代入
しておく。
【0026】目標地点を入力した後、制御手段14が図
8のステップ102に示すように離岸動作を実行する。
このときには、推進装置16,17を作動させて座標と
は無関係に船体2を桟橋から離す。次に、ステップ10
3で目標設定手段12が目標地点nを1、すなわち最初
の水質調査地点に設定し、ステップ104で制御手段1
4がこの目標地点nに船体2を移動させる。このステッ
プ104での制御を図9に示す。
【0027】船体2を最初の水質調査地点である目標地
点nへ移動させるときには、先ず、図9のステップ20
1で目標地点nの座標を目標設定手段12が検出し、ス
テップ202で現在位置検出手段11が現在位置の座標
を検出する。次に、ステップ203で目標設定手段12
が目標地点nまでの距離Dを求め、ステップ204で前
記距離DがターゲットエリアA1の半径Rより小さいか
否かを制御手段14が判定する。
【0028】この判定結果がNOである場合、すなわち
船体2がターゲットエリアA1の外にある場合には、ス
テップ205で前記距離Dが目標周辺エリアA2の半径
R+Lより大きいか否かを判定する。この判定結果がY
ESの場合、すなわち船体2が目標周辺エリアA2の外
にある場合には、ステップ206で制御手段14が左右
の推進装置16,17をプロペラ16a,17aが正転
して予め定めた一定の出力が生じるように作動させる。
前記判定結果がNOである場合には、ステップ207で
制御手段14は左右の推進装置16,17をプロペラ1
6a,17aが正転するとともに、出力が船体2からタ
ーゲットエリアA1の外周縁まで距離に比例するように
作動させる。
【0029】このように船体2が前進を開始した後、目
標設定手段12がステップ208で現在の船体方位Hec
を検出し、ステップ209で目標方位Ht を検出する。
そして、制御手段14がステップ210において船体方
位Hecと目標方位Ht との差から船首が目標地点nを指
向するための回頭角度Hdif を求め、ステップ211で
回頭角度Hdif の絶対値が予め定めた定数(0.01
π)より小さいか否かを判定する。
【0030】判定結果がNOの場合、すなわち船体方位
Hecが目標方位Ht に対して大きく異なる場合には、ス
テップ212において制御手段14がHdif −0.01
πの値が−πより大きいか否かを判定する。この判定結
果がYESの場合には、ステップ213で制御手段14
が船体右側の推進装置16の出力を増加させ、NOの場
合にはステップ214で制御手段14が船体左側の推進
装置17の出力を増加させる。例えば、図7に示すよう
に、船体方位Hecが30°で目標方位Ht が45°の場
合には、ステップ210でHdif の値が−15になり、
ステップ211およびステップ212でNOと判定され
て船体左側の推進装置17の出力が増加する。この結
果、図7に示す船体2は右方に回頭して船首が目標地点
nを指向するようになる。
【0031】前記ステップ211でYESと判定された
場合、すなわち船体方位Hecが目標方位Ht と略一致す
る場合や、ステップ213,214で推進装置16の出
力を増加させた後には、ステップ202に戻り、これ以
降の制御を繰返す。そして、船体2と目標地点nとの距
離DがターゲットエリアA1の半径Rより小さくなった
とき、すなわち船体2が最初の水質調査地点に到達した
ときには、ステップ204でYESと判定され、ステッ
プ215で制御手段14が推進装置16,17を停止さ
せる。
【0032】次に、制御手段14はステップ216で変
数Cが2であるか否かを判定する。変数Cは、離岸以前
に「1」と設定されてからこれまでの制御で変更されて
いないので、このときにはNOと判定されてステップ2
17に進み、ここで制御手段14は変数Cが4であるか
否かを判定する。ここでもNOと判定されるので、図8
のステップ105に進み、制御手段14が水質調査装置
6を作動させる。また、ステップ105では、図10に
示すように船首が風上を指向するように推進装置16,
17が制御される。
【0033】船首を風上に向けるためには、先ず、制御
手段14が図10のステップ301で変数Cに2を代入
し、次いで、ステップ302で調査終了か否かを判定す
る。判定結果がYESの場合にはステップ303で変数
Cに3を代入してステップ304に進み、NOの場合に
は何もせずにステップ304に進む。このステップ30
4では目標設定手段12が船体方位Hecを検出する。
【0034】そして、ステップ305で制御手段14が
風向計22によって風向Wt (図7参照)を検出する。
次に、ステップ306で制御手段14が変数Cが3であ
るか否かを判定する。ここではNOと判定されてステッ
プ307に進む。制御手段14は、ステップ307にお
いて風向Wt と船体方位Hecとの差から船首が風上を指
向するための回頭角度Wdif を求め、ステップ308で
回頭角度Wdif の絶対値が予め定めた定数(0.01
π)より小さいか否かを判定する。
【0035】この判定結果がNOの場合、すなわち船体
方位Hecが風向Wt に対して大きく異なる場合には、ス
テップ309において制御手段14がWdif −0.01
πの値が−πより大きいか否かを判定する。この判定結
果がYESの場合には、ステップ310で制御手段14
が船体右側の推進装置16の出力を増加させ、NOの場
合にはステップ311で制御手段14が船体左側の推進
装置17の出力を増加させる。例えば、図7に示すよう
に、風向Wt が315°で船体方位Hecが30°の場合
には、ステップ307でWdif の値が285になり、ス
テップ308でNOと判定されるとともにステップ30
9でYESと判定されて船体右側の推進装置16の出力
が増加する。この結果、図7に示す船体2は左方に回頭
して船首が風上を指向するようになる。
【0036】前記ステップ309,310で推進装置1
6,17の出力を増加させた後、ステップ308に戻
り、上述した回頭制御を繰り返す。そして、船体方位H
ecが風向Wt と略一致するようになってステップ308
でYESと判定された後、図9のステップ203に進
み、ステップ203,204で船体2がターゲットエリ
アA1に入っているか否かを判定する。船体2が風で流
されてターゲットエリアA1から外れている場合には、
ステップ205〜214の制御を実行して船体2をター
ゲットエリアA1に戻す。ステップ204で船体2がタ
ーゲットエリアA1にあると判定された場合には、ステ
ップ215,216を介して推進装置16,17を停止
させた状態で図10のステップ302に戻る。すなわ
ち、ステップ302以降の制御を繰返すことにより、水
質調査中は船首が常に風上を指向する状態で船体2がタ
ーゲットエリアA1に入るようになる。
【0037】水質調査が終了すると、図10のステップ
302でYESと判定され、ステップ303で変数Cに
3が代入される。このため、これ以降のステップ306
でYESと判定され、制御は図8のフローチャートのス
テップ106に移行する。このステップ106では、目
標設定手段12が目標地点を示す変数nに1を加え、次
の目標地点nを設定する。次に、ステップ107で次の
目標地点のnの値がN−1以上であるか否かを制御手段
14が判定する。次の目標地点が着岸地点である場合、
すなわちn=N−1である場合にはYESと判定されて
ステップ108に進み、次の目標地点が水質調査地点で
ある場合、すなわちn<N−1である場合にはNOと判
定されてステップ104に進む。
【0038】水質調査地点が他にまだある場合には、ス
テップ104において上述したようにその水質調査地点
を目標地点nとして船体2が移動し、前記同様に水質調
査を実行する。水質調査地点の数だけ前記制御を繰返
す。そして、図8のステップ107で次の目標地点が着
岸地点であると判定された場合、ステップ108で着岸
動作を行う。
【0039】この着岸動作は、図11に示すように実行
する。先ず、図11のステップ401で変数Cに4を代
入し、次いで、ステップ402で次の目標地点のnの値
がN(着岸地点)であるか否かを判定する。水質調査が
終了した直後である場合にはn=N−1であるので、こ
こではNOと判定されて制御は図9のステップ201に
移行する。そして、ステップ201〜214を経て船体
2が着岸地点に移動し、ステップ215で推進装置1
6,17が停止した後にステップ216を介してステッ
プ217に進む。
【0040】ステップ217では、このときの変数Cが
4であるのでYESと判定される。すなわち、図8のス
テップ106に進んでnに1を加えた後、ステップ10
7に進む。ステップ107では、このときはn=N、す
なわちn>N−1であるのでYESと判定される。この
結果、ステップ108に進み、図11のステップ401
を経てからステップ402でYESと判定されて図8の
ステップ109に進む。
【0041】ステップ109で制御手段14が推進装置
16,17を停止させた後、制御手段14はタイマー
(図示せず)による計時を開始し、ステップ111,1
12で示すように経過時間Tが300秒を上回ったとき
に警報装置23を作動させる。すなわち、桟橋に到着し
た後に300秒経過してから警報装置23が作動するた
め、管理者に到着したことを知らせることができる。
【0042】したがって、上述したように構成した観測
用船舶は、目標位置として水質調査地点および着岸地点
を設定しておくことにより、水質調査地点まで航走して
から停止し、観測終了後、着岸地点まで航走してから停
止するという一連の動作を無人で実行することができ
る。このため、乗員がいなくても水質調査を行うことが
できる。
【0043】また、船体2が目標周辺エリアA2にある
ときには、推進装置16,17の出力を船体2からター
ゲットエリアA1の外周縁までの距離に比例するように
制御するから、ターゲットエリアA1に近付くにしたが
って速度が次第に遅くなる。したがって、推進装置1
6,17が停止した後に慣性で前進することなく船体2
がターゲットエリアA1内で静止するから、船体2の停
止位置が目標位置からずれることがない。
【0044】さらに、ターゲットエリアA1内に船体2
があるときには推進装置16,17によって船首が風上
を指向するようにしたから、水質調査中に船体2が横風
を受けることがなく、水質調査を横揺れが少ない状態で
実施することができる。しかも、水質調査中に船体2が
風で押流される量が相対的にすくなくなる。
【0045】なお、この実施の形態では、船体2の船幅
方向の両側に推進装置16,17を配設し、これらの出
力を増減させることによって船体2の進行方向を変える
構造を採っているが、舵取装置を別に設けてもよいし、
推進装置16,17の支軸16b,17bを回動させる
ことによって操舵を実施する構造を採ることもできる。
【0046】また、上述した実施の形態で示した観測用
船舶1は、目標地点間の航路は一直線状であるが、ダム
湖などのように複雑な形状をしている湖水で使用する場
合には、次の目標地点までの途中に進行方向を変えるだ
けの目標地点を設定することもできる。この制御は、航
行制御装置7のプログラムを変更するだけで実施でき
る。
【0047】さらに、航走中に船体2が障害物に当たっ
たときにはそれを回避するプログラムを追加することも
できる。この構成を採る場合には、船体2に速度計を設
け、推進装置16,17の運転中に船速が著しく低下し
たときに回避プログラムを実行させる。この回避プログ
ラムは、推進装置16,17を予め定めた順序とおりに
作動させ、船体2が一度後退してから右方あるいは左方
へ障害物を回避するように設定する。
【0048】加えて、この実施の形態では湖水の水質調
査を実施する例を示したが、海上で使用することもでき
るし、水質調査に限らずに他のどのような観測でも実施
することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、目
標位置として観測地点および着岸地点を設定しておくこ
とにより、観測地点まで航走してから停止し、観測終了
後、着岸地点まで航走してから停止するという一連の動
作が無人で行われる。
【0050】したがって、乗員がいなくても観測を行う
ことができるから、観測費用の削減を図ることができ
る。
【0051】推進装置の出力を目標位置との距離に比例
するように制御する他の発明によれば、目標位置に近付
くにしたがって速度が次第に遅くなるから、推進装置が
停止した後に慣性で前進することなく船体が目標位置に
静止する。
【0052】したがって、目標位置に船体を精度よく停
船させることができるから、正しい観測地点で観測でき
ることに起因して信頼性の高い観測結果が得られるとと
もに、着岸時には船体が桟橋に緩やかに接触する。
【0053】目標位置となる水域の中では船首が風上を
指向するように制御する他の発明によれば、観測中に船
体が横風を受けることがないから、観測を横揺れが少な
い状態で実施することができる。このため、例えば船上
の水槽に汲上げた水にセンサを浸漬させて水質検査をす
る場合であっても、水が水槽からこぼれることはない。
しかも、船体が風で押流される量が相対的に少なくなる
から、風が吹いていても船体を観測地点に長時間にわた
って止めておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る観測用船舶の側面図である。
【図2】 本発明に係る観測用船舶の平面図である。
【図3】 搭載機器の配置を示す側面図である。
【図4】 搭載機器の配置を示す平面図である。
【図5】 搭載機器の配置を示す横断面図である。
【図6】 制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】 目標位置の設定例を示す図である。
【図8】 本発明に係る観測用船舶の動作を説明するた
めのフローチャートである。
【図9】 船体が目標位置に移動するまでの制御手段の
動作を示すフローチャートである。
【図10】 観測時の制御手段の動作を示すフローチャ
ートである。
【図11】 着岸時の制御手段の動作を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1…観測用船舶、2…船体、6…水質調査装置、7…航
行制御装置、11…現在位置検出手段、12…目標設定
手段、13…船体方位検出手段、14…制御手段、1
6,17…推進装置、22…風向計。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観測装置と、衛星からの電波を受信して
    現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記現在位置
    検出手段が検出した現在位置に対する目標位置の方位お
    よび目標位置までの距離を求める目標設定手段と、船体
    の船首が指向する方向である船体方位を検出する船体方
    位検出手段と、舵取装置および推進装置を制御する制御
    手段とを備え、前記制御手段を、船体が前記目標位置に
    達するまでは、船首が前記目標位置を指向するように前
    記舵取装置を制御するとともに推進装置を駆動し、船体
    が目標位置に達したときに前記推進装置を停止させると
    ともに前記観測装置を作動させる構成としたことを特徴
    とする観測用船舶。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の観測用船舶において、制
    御手段を、目標位置から予め定めた距離だけ離間する位
    置より目標位置に近い水域では推進装置の出力を目標位
    置との距離に比例するように制御する構成としたことを
    特徴とする観測用船舶。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の観測用船
    舶において、目標地点を予め定めた半径をもって囲む水
    域として目標位置を設定するとともに、船体に風向計を
    設け、制御手段を、船体が前記水域にあるときには船首
    が風上を指向するように舵取装置および推進装置を制御
    する構成としたことを特徴とする観測用船舶。
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