JPH11349497A - Euo型構造を有するゼオライトを含有する触媒を使用する8個の炭素原子を含有する芳香族留分の異性化方法 - Google Patents

Euo型構造を有するゼオライトを含有する触媒を使用する8個の炭素原子を含有する芳香族留分の異性化方法

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JPH11349497A JP11100743A JP10074399A JPH11349497A JP H11349497 A JPH11349497 A JP H11349497A JP 11100743 A JP11100743 A JP 11100743A JP 10074399 A JP10074399 A JP 10074399A JP H11349497 A JPH11349497 A JP H11349497A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の異
性化方法を提供する。 【解決手段】 使用される触媒が、少なくとも1つのE
UO型構造を有するゼオライトおよび第VIII族からの少
なくとも1つの金属または金属化合物を含有し、水素お
よび8個の炭素原子を含有する芳香族化合物以外の約8
0℃〜約135℃の沸点を有する少なくとも1つの化合
物が、異性化されるべき1つまたは複数の化合物を含有
する原料と共に反応帯域に導入されることを特徴とす
る、8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の異性化方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、8個の炭素原子を
含有する芳香族化合物の異性化方法に関する。より詳細
には、本発明は、使用される触媒がEUO型構造を有す
るゼオライトと周期表(Handbook of Chemistry and Phy
sics, 45 1964-1965) の第VIII族からの元素とを含有す
る8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の異性化方法
に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】EU
O型構造に相当する異なったゼオライトが先行技術で述
べられてきた。例えば、欧州特許EP-A-0042226に記載さ
れているEU−1ゼオライト、EP-A-0051318に記載され
ているTPZ−3ゼオライトおよび米国特許US-A-46408
29に記載されているZSM−50ゼオライトである。
【0003】より具体的には本発明は、使用される触媒
が、EUO型構造を有する少なくとも1つのゼオライト
と第VIII族からの少なくとも1つの金属または金属化合
物とを含有し、8個の炭素原子を含有する芳香族化合物
以外の、約80℃〜約135℃の沸点を有する少なくと
も1つの化合物が、異性化される1つまたは複数の化合
物を含有する原料および反応に必要な水素と共に反応帯
域に導入される、8個の炭素原子を含有する芳香族化合
物の異性化方法を提供する。第VIII族金属は通常、第VI
II族からの貴金属または貴金属化合物から選択され、特
に、白金またはパラジウム、またはこれらの金属の少な
くとも1つの化合物、好ましくは白金または白金化合物
が使用される。
【0004】本発明方法は、先行技術を越える多くの利
点を有し、利点は不均化、トランスアルキル化、水素化
およびクラッキングの二次的副反応を経る8個の炭素原
子を含有する芳香族化合物の損失の減少を含む。
【0005】8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の
既知の異性化方法において、混合物の熱力学平衡に対し
て一般にパラキシレンが低く(すなわちパラキシレンの
量は考慮中の温度における熱力学平衡における混合物の
量より実質的に低く、この混合物は、メタキシレン、オ
ルトキシレン、パラキシレンおよびエチルベンゼンから
成る群から選択される少なくとも1つの化合物から成
る)、熱力学平衡におけるこの同じ混合物に対して一般
にエチルベンゼンに富む原料は、反応器の出口から反応
器の温度における熱力学平衡において該混合物の組成に
できるだけ近い、8個の炭素原子を含有する芳香族化合
物の組成を得るための適切な圧力および温度条件下、少
なくとも1つの触媒を含有する反応器に導入される。
【0006】パラキシレンおよび場合によってはオルト
キシレンは、特に合成繊維工業に非常に重要であるの
で、所望の異性体であるが、次いでこの混合物から分離
される。メタキシレンおよびエチルベンゼンは、パラキ
シレンおよびオルトキシレンの生産が増加するように、
次いで異性化反応器入口に再循環されてもよい。オルト
キシレンが回収されるべきでない時、オルトキシレンは
メタキシレンおよびエチルベンゼンと共に再循環され
る。
【0007】しかしながら、二次反応に引き起こされ
る、1分子当たり8個の炭素原子を含有する芳香族化合
物の異性化に関連する多くの問題がある。このように主
要な異性化反応に加えて、芳香族化合物のナフテン類へ
の水素化およびパラフィン類が生じる、ナフテン類とせ
いぜい等しい1分子当たりの炭素原子数を含有するパラ
フィン類の生成に至るナフテン環開環反応のような水素
化反応が観察される。典型的には1分子当たり3〜5個
の炭素原子を含有する軽質パラフィン類の生成に至るパ
ラフィンクラッキングのようなクラッキング反応、また
ベンゼン、トルエン、1分子当たり9個の炭素原子を含
有する芳香族化合物(例えばトリメチルベンゼン類)お
よびより重質な芳香族化合物の製造に至る不均化および
トランスアルキル化反応も観察される。
【0008】すべて一緒に、これらの二次反応は、所望
の生成物の収率に非常に有害である。
【0009】生成する二次生成物の量(主として1分子
当たり典型的には5〜8個の炭素原子を含有するナフテ
ン類、典型的には3〜8個の炭素原子を含有するパラフ
ィン類、ベンゼン、トルエン、9個または10個の炭素
原子を含有する芳香族化合物)は触媒の種類および異性
化反応器の操作条件(温度、水素および炭化水素類の分
圧、原料流速)に依存する。
【0010】8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の
従来の異性化方法において、キシレン類とエチルベンゼ
ンとの混合物は、8個の炭素原子を含有する芳香族化合
物の混合物を、考慮中の温度における熱力学平衡に相当
する組成に出来るだけ近い組成にするために、一般に少
なくとも1つの第VIII族貴金属およびゼオライトを含有
する、適当な触媒と接触させられる。
【0011】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、本出願
人は今や、EUO型構造を有する少なくとも1つのゼオ
ライトと第VIII族からの少なくとも1つの金属または金
属化合物とを含有する触媒が使用され、8個の炭素原子
を含有する芳香族化合物以外の、約80℃〜約135℃
の沸点を有する少なくとも1つの化合物が、異性化され
るべき1つまたは複数の化合物を含有する原料と反応に
必要な水素とを有する反応帯域に導入される、8個の炭
素原子を含有する芳香族化合物の異性化方法が先行技術
の方法より遥かに良い性能を有することを見出した。
【0012】本発明方法において、触媒はEUO型構造
を有する少なくとも1つのゼオライトと第VIII族からの
少なくとも1つの金属または金属化合物を含有し、この
ようにより低温の範囲、より低い水素分圧およびより高
いHSV(原料の重量/触媒の重量/時間)で行われる
利点を有する。
【0013】好ましくは、EUO型構造を有するゼオラ
イト、例えばEU−1ゼオライトと白金とを含有する触
媒が使用される。この触媒は、EUO型構造を有する少
なくとも1つのゼオライトを含有し、少なくとも部分的
に酸形態を取り、このゼオライトはケイ素と、アルミニ
ウム、鉄、ガリウムおよびホウ素、好ましくはアルミニ
ウムおよびホウ素から成る群から選択される少なくとも
1つの元素Tとを含有し、総Si/T原子比は約5〜1
00、好ましくは約5〜80、より好ましくは約5〜6
0である。この触媒はまた、少なくとも1つのマトリッ
クス(または結合剤)および周期表の第VIII族からの少
なくとも1つの金属または金属化合物を含有する。この
触媒はまた、場合によっては、周期表の第IIIA族および
第IVA 族からの金属または金属化合物、および場合によ
っては、硫黄または少なくとも1つの硫黄化合物から成
る群から選択される少なくとも1つの金属または金属化
合物を含有する。金属は通常、スズおよびインジウムか
ら成る群から選択される。
【0014】マトリックスは一般に、天然粘土(例えば
カオリンまたはベントナイト)、合成粘土、マグネシ
ア、アルミナ類、シリカ類、シリカ−アルミナ類、酸化
チタン、酸化ホウ素、ジルコニア、リン酸アルミニウム
類、リン酸チタン類およびリン酸ジルコニウム類から成
る群、好ましくはアルミナ類および粘土類から成る群の
成分から選択される。このマトリックスは、単一化合物
またはこれらの化合物のうち少なくとも2つの混合物で
あってもよい。
【0015】EUO型構造を有するゼオライトは、少な
くとも部分的に、好ましくは殆ど完全に酸形態、すなわ
ち水素(H+ )形態である。
【0016】このゼオライトの重量含有率は、全触媒重
量に対して1%〜90%、好ましくは3%〜60%、よ
り好ましくは4%〜40%である。
【0017】この触媒は、触媒中補助物質を用いて10
0%になるならば、少なくとも1つのマトリックスまた
は結合剤も含有する。
【0018】本発明の8個の炭素原子を含有する芳香族
化合物の異性化方法は、約300℃〜500℃、好まし
くは約320℃〜450℃、より好ましくは約350℃
〜420℃の温度、約0.3〜1.5MPa、好ましく
は約0.4〜1.2MPaの水素分圧、約0.45〜
1.9MPa、好ましくは約0.6〜1.5MPaの全
圧、約0.25h-1〜30h-1、好ましくは約1h-1
10h-1、通常2h-1〜6h-1のHSV(原料の重量/
触媒の重量/時間)で行われる。
【0019】文献の試験により、異性化反応器から該反
応器の入口への流出液に含まれる一定の成分の再循環
が、二次生成物の生産を最小限にする目的で期待されて
きたことが示される。
【0020】例として、US-A-3553276、US-A-3558173お
よびUS-A-4255606は、二次生成物による損失を減少させ
るために、一定の化合物を処理される原料に添加するこ
とを推奨する。
【0021】このように、US-A-3553276はトルエンの濃
度が再循環なしで得られる濃度の2倍に保たれるように
トルエンが再循環される装置を記述している。
【0022】US-A-3558173は相当する芳香族化合物の水
素化によって生じる8個の炭素原子を含有するナフテン
類の再循環を記述している。
【0023】US-A-4255606の記述において、少なくとも
5個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素の全原料に対
して1〜10重量%がトルエンの添加と共に、またはト
ルエンを添加することなく反応帯域に導入される。この
添加は再循環によって達成され得る。導入される炭化水
素はまたn−ペンタンの前駆体となり得る。
【0024】本発明の異性化方法は、異性化されるべき
化合物を含有する原料および反応に必要な水素と共に、
約80℃〜135℃の沸点を有する少なくとも1つの化
合物、より詳細には1分子当たり8個の炭素原子を含有
するパラフィン類、ベンゼン、トルエンおよび8個の炭
素原子を含有するナフテン類から成る群から選択される
少なくとも1つの化合物を反応帯域に導入することから
成る。
【0025】1分子当たり8個の炭素原子を含有するパ
ラフィン類、ベンゼン、トルエンおよび8個の炭素原子
を含有するナフテン類から成る群から選択される少なく
とも1つの化合物は、異性化されるべき原料に、再循環
の形で、新しい化合物の形でまたは再循環および新しい
化合物の形で、反応器に入る全原料に対する添加される
化合物の重量百分率が通常下記のようになる量で添加さ
れる: ・8個の炭素原子を含有するパラフィン類が原料に添加
される任意の場合、パラフィン類の重量百分率は約0.
1%〜10%、好ましくは約0.2%〜2%である; ・8個の炭素原子を含有するナフテン類が原料に添加さ
れる任意の場合、ナフテン類の重量百分率は約0.5%
〜15%、好ましくは約2%〜10%である; ・トルエンが原料に添加される任意の場合、トルエンの
重量百分率は約0.01%〜5%、好ましくは約0.0
1%〜3%である; ・ベンゼンが原料に添加される任意の場合、ベンゼンの
重量百分率は約0.01%〜5%、好ましくは約0.0
1%〜1%である。
【0026】複数の化合物が添加されるとき、添加され
る全化合物の重量百分率は、反応器に入る全原料に対し
て約0.01%〜20%、通常約2%〜15%に相当す
る。発明の好ましい実施形態において、少なくとも1つ
のナフテンが添加される。
【0027】本発明の好ましい実施形態において、それ
ぞれ約80℃〜135℃の沸点を有する少なくとも2つ
の異なる化合物は反応帯域に導入される。より詳細に
は、8個の炭素原子を含有する少なくとも1つのナフテ
ンおよび少なくとも1つのパラフィンが導入される。更
なる変法において、約80℃〜135℃の沸点を有する
この液体フラクションに含まれる化合物のすべては、分
離されることなく導入される。これらの化合物は、反応
器から出る液体フラクションの再循環に由来してもよ
い。
【0028】図1は本発明方法の簡単な実施態様を示
す。
【0029】この図において、異性化されるべき、1分
子当たり8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の混合
物を含有する原料は、ライン(1) を経て反応器(R) に導
入される。異性化反応器(R) に注入される前に、異性化
されるべきこの原料は、8個の炭素原子を含有するパラ
フィン類、ベンゼン、トルエンおよび8個の炭素原子を
含有するナフテン類から成る群から選択される少なくと
も1つの化合物に富む。8個の炭素原子を含有するパラ
フィン類、ベンゼン、トルエンおよび8個の炭素原子を
含有するナフテン類から成る群から選択される少なくと
も1つの化合物は、ライン(6) を経る再循環手段および
ライン(11)を経る新しい化合物の導入により原料に添加
される。実質的に純粋な水素はライン(15)を経て添加さ
れる。
【0030】反応後、流出液はライン(2) を経て分離帯
域(S1 ) に送られる。分離帯域(S1) において、流出液
に含まれる水素は分離され、ライン(14)を経て反応器の
入口に再循環され、流出液の残りはライン(3) を経て分
離帯域(S2 ) に送られる。分離帯域(S2 ) において、反
応生成物は2つのフラクションに分離される。パラフィ
ン類、ナフテン類並びにベンゼンおよびトルエンを含有
する最も軽質の芳香族化合物を含有する軽質フラクショ
ンは、ライン(4) を経て分離帯域(S3 ) に送られる。少
なくとも8個の炭素原子を含有する芳香族化合物から成
る他のより重質なフラクションは、ライン(7) を経て装
置から排出される。このフラクションから所望の生成
物、特にパラキシレンが連続する分離帯域の後、抜き出
される。
【0031】分離帯域(S3 ) において、1〜7個の炭素
原子を含有する炭化水素は、ライン(10)を経て排出さ
れ、8個の炭素原子を含有するパラフィン類、8個の炭
素原子を含有するナフテン類、ベンゼンおよびトルエン
を含有する相から分離される。この混合物はライン(5)
を経て分離帯域(S4 ) に送られる。分離器(S4 ) におい
て、再循環されるべき8個の炭素原子を含有するパラフ
ィン類、ベンゼン、トルエンおよび8個の炭素原子を含
有するナフテン類の量は選択され、再循環されるべき混
合物は、次いで異性化されるべき原料に富む反応器の上
流のライン(6) を経て送られる。ライン(12)は、再循環
されるべきではない8個の炭素原子を含有するパラフィ
ン類、8個の炭素原子を含有するナフテン類、ベンゼン
およびトルエンから成る混合物の一部を排出するために
備え付けられている。
【0032】
【発明の実施の形態】下記の実施例は本発明の範囲を制
限することなく本発明を例証する。
【0033】下記の表記を実施例に使用した:「C1〜
C4パラフィン類」を1〜4個の炭素原子を含有するパ
ラフィン類に;「C8パラフィン類」を8個の炭素原子
を含有するパラフィン類に;「C6ナフテン類」、「C
7ナフテン類」および「C8ナフテン類」をそれぞれ
6、7および8個の炭素原子を含有するナフテン類に使
用する。「C9+芳香族」を少なくとも9個の炭素原子
を含有する芳香族化合物に使用する。
【0034】実施例1(本発明に従う) この実施例に使用される触媒を下記のように調製した。
【0035】出発原料は、合成されたままのEUO型構
造を有するゼオライト、EU−1ゼオライトであり、有
機型板、ケイ素およびアルミニウムから成り、13.6
の総Si/Al原子比および乾燥EU−1ゼオライトの
重量に対して約1.5%のナトリウム含有量を有し、
0.6のNa/Al原子比に相当する。
【0036】このEU−1ゼオライトはまず、550℃
で空気流中6時間、乾式焼成を受けた。得られた固体は
次いで、1交換工程につき、約100℃で4時間、10
NNH4 NO3 溶液中で3回のイオン交換工程を受け
た。
【0037】これらの処理後、NH4 型のEU−1ゼオ
ライトは、18.3の総Si/Al原子比、および乾燥
EU−1ゼオライトの重量に対して50重量ppmのナ
トリウム含有量を有していた。
【0038】EU−1ゼオライトは次いで、アルミナゲ
ルを用いる押出により成形され、乾燥空気中での乾燥お
よび焼成後、H型の10重量%のEU−1ゼオライトお
よび90%のアルミナを含む直径1.4mmの押出物に
より構成される担体S1を得た。
【0039】得られた担体S1は、競争剤(塩酸)の存
在下、ヘキサクロロ白金酸によるアニオン交換を受け、
触媒に対して0.3重量%の白金が導入された。湿った
固体を次いで120℃で12時間乾燥し、乾燥空気流中
で500℃で1時間焼成した。
【0040】得られた触媒C1は、H型の10.0重量
%のEU−1ゼオライト、89.7%のアルミナおよび
0.29%の白金を含有していた。
【0041】この触媒は下記の操作条件下で使用され
た:0.9MPaの全圧、380℃の温度および3h-1
のHSV。
【0042】反応器を出る液体流出物を80℃〜135
℃の蒸留範囲を有するフラクションを回収するために蒸
留した。このフラクションを次いで、異性化するべき原
料に添加した。得られた混合物を反応器用の原料として
使用した。
【0043】原料および得られた生成物の組成を下記の
表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】実施例2(本発明に従わない) 出発ゼオライトは、5.2のSi/Al比および2.7
94nm3 の単位格子体積を有するナトリウム型のモル
デナイトであった。ゼオライトは約100℃で4時間、
10N NH4 NO3 溶液中で3回のイオン交換工程を
受けた。得られた固体は25ppmのナトリウムを含有
していた。
【0046】この水素型のゼオライトを次いで、アルミ
ナゲルを用いて押出により成形し、乾燥空気中での乾燥
および焼成後、15重量%の水素型のモルデナイトゼオ
ライトおよび85重量%のアルミナを含有する触媒を得
た。
【0047】この触媒は、競争剤(塩酸)の存在下、ヘ
キサクロロ白金酸によるアニオン交換を受け、触媒に対
して0.3重量%の白金が導入された。湿った固体を次
いで120℃で12時間乾燥し、乾燥空気流中で500
℃で1時間焼成した。得られた触媒は、15.0重量%
のH型のモルデナイトゼオライト、84.7%のアルミ
ナおよび0.29%の白金を含有していた。
【0048】この触媒は、実施例1で述べられた条件と
同じ条件下で使用された。
【0049】EU−1ゼオライトおよびモルデナイトを
ベースとする触媒の性能を比較するために、実施例1で
使用した原料と同じ原料を実施例2で使用した。
【0050】原料および得られた生成物の組成を下記の
表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】上記表2の結果はEUO型構造のゼオライ
トをベースとする触媒を使用する重要性を明確に示す。
【0053】流出物中のパラキシレン含有量はより高
く、モルデナイトをベースとする触媒を用いるときの1
6.50重量%の代わりに、本発明のEUO型構造を有
するゼオライトを含有する触媒の存在下での方法を用い
るとき17.41重量%であった。
【0054】EUO型構造を有するゼオライトを含有す
る触媒の存在下で得られる、8個の炭素原子を含有する
芳香族化合物+8個の炭素原子を含有するナフテン類の
収率は、モルデナイトをベースとする触媒を用いて得ら
れる97.31%と比べて98.8%であった。EUO
型構造を有するゼオライトをベースとする触媒の存在下
で行われる本発明の方法は、モルデナイトをベースとす
る参照系と比べて活性および選択性の増大に至った。
【0055】実施例3(本発明に従う) 実施例1の触媒を使用した。
【0056】触媒を下記の条件下で使用した:9絶対バ
ールの全圧、385℃の温度および3h-1のHSV。
【0057】転換されるべき原料は、8個の炭素原子を
含有する芳香族化合物と8個の炭素原子を含有するナフ
テン類との混合物であった。
【0058】原料および得られた生成物の重量組成を表
3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】実施例4(本発明に従わない) 実施例2の触媒を使用した。
【0061】実施例3で使用される条件と同様の操作条
件下で触媒を使用した。
【0062】EU−1ゼオライトおよびモルデナイトを
ベースとする触媒の性能を比較できるように、実施例3
の表3に示される原料と同じ原料を実施例4で使用し
た。
【0063】原料および得られた生成物の重量組成を表
4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】上記表4の結果はEUO型構造のゼオライ
トをベースとする触媒を使用する重要性を明確に示す。
【0066】流出物中のパラキシレンの量はより高く、
モルデナイトをベースとする触媒を用いるときの17.
37重量%の代わりに、本発明のEUO型構造を有する
ゼオライトを含有する触媒の存在下での方法を用いると
き18.50重量%であった。
【0067】EUO型構造を有するゼオライトを含有す
る触媒の存在下で得られる8個の炭素原子を含有する芳
香族化合物および8個の炭素原子を含有するナフテン類
の収率は、モルデナイトをベースとする触媒を用いて得
られる96.7%と比較して98.1%であった。EU
O型構造を有するゼオライトをベースとする触媒の存在
下で行われる本発明方法は、モルデナイトをベースとす
る参照系と比べて活性および選択性の増大に至った。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の実施態様を示すフローシートで
ある。
【符号の説明】
(R) …異性化反応器 (S1 )(S 2 )(S 3 )(S 4 ) …分離帯域
フロントページの続き (72)発明者 ジャン フランソワ ジョリ フランス国 リヨン リュ シュルリー 52 (72)発明者 ジュリア マニュ ドリシュ フランス国 ヴィレット ドゥ ヴィエン ヌ シュマン ドゥ シャサーニョン (番地なし) (72)発明者 エリザベット メルラン フランス国 シャトゥー アヴニュー ド ゥ ルーロプ 11 (72)発明者 エリック ベナジ フランス国 シャトゥー リュ ル ヴァ ル サブローン 44 (72)発明者 シルヴィ ラコーブ フランス国 リイル マルメゾン アヴニ ュー ガブリエル ペリ 39−2

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8個の炭素原子を含有する芳香族化合物
    の異性化方法において、少なくとも1つのEUO型構造
    を有するゼオライトおよび第VIII族からの少なくとも1
    つの金属または金属化合物を含有する触媒を使用し、水
    素と、8個の炭素原子を含有する芳香族化合物以外の約
    80℃〜約135℃の沸点を有する少なくとも1つの化
    合物とを、異性化されるべき1つまたは複数の化合物を
    含有する原料と共に反応帯域に導入することを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 触媒に含まれるEUO構造を有するゼオ
    ライトがEU−1ゼオライト、TPZ−3ゼオライトお
    よびZSM−50ゼオライトから成る群から選択される
    ことを特徴とする、請求項1記載の8個の炭素原子を含
    有する芳香族化合物の異性化方法。
  3. 【請求項3】 使用される触媒が少なくとも1つのマト
    リックス、少なくとも1つの第VIII族元素および少なく
    とも1つのEUO型構造を有するゼオライトから成り、
    総Si/T原子比が約5〜100になるように、該ゼオ
    ライトがケイ素並びにアルミニウム、鉄、ガリウムおよ
    びホウ素から成る群から選択される少なくとも1つの元
    素Tを含有し、該ゼオライトは少なくとも一部酸型であ
    ることを特徴とする、請求項1または2記載の8個の炭
    素原子を含有する芳香族化合物の異性化方法。
  4. 【請求項4】 触媒に含まれるEUO構造を有するゼオ
    ライトがEU−1型ゼオライトであることを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれか1項記載の8個の炭素原子
    を含有する芳香族化合物の異性化方法。
  5. 【請求項5】 方法が約300℃〜500℃の温度、約
    0.3MPa〜0.15MPaの水素分圧、約0.45
    MPa〜1.9MPaの全圧および約0.25〜30h
    -1のHSV(原料の重量/触媒の重量/時間)で行われ
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載
    の8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の異性化方
    法。
  6. 【請求項6】 8個の炭素原子を含有するパラフィン
    類、8個の炭素原子を含有するナフテン類、トルエンお
    よびベンゼンから成る群から選択される、約80℃〜1
    35℃の沸点を有する少なくとも1つの化合物が導入さ
    れることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項記
    載の8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の異性化方
    法。
  7. 【請求項7】 約80℃〜135℃の沸点を有する1つ
    または複数の化合物が、新しい化合物の形態、再循環さ
    れる化合物の形態または新しい化合物と再循環される化
    合物との混合物の形態で導入されることを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれか1項記載の8個の炭素原子を含
    有する芳香族化合物の異性化方法。
  8. 【請求項8】 原料に添加される、8個の炭素原子を含
    有するパラフィン類の重量百分率が、反応器に入る原料
    の合計に対して、約0.1%〜10%であることを特徴
    とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の8個の炭素
    原子を含有する芳香族化合物の異性化方法。
  9. 【請求項9】 原料に添加される、8個の炭素原子を含
    有するナフテン類の重量百分率が、反応器に入る原料の
    合計に対して、約0.5%〜15%であることを特徴と
    する、請求項1〜8のいずれか1項記載の8個の炭素原
    子を含有する芳香族化合物の異性化方法。
  10. 【請求項10】 原料に添加されるトルエンの重量百分
    率が、反応器に入る原料の合計に対して、約0.01%
    〜5%であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれ
    か1項記載の8個の炭素原子を含有する芳香族化合物の
    異性化方法。
  11. 【請求項11】 原料に添加されるベンゼンの重量百分
    率が、反応器に入る原料の合計に対して、約0.01%
    〜5%であることを特徴とする、請求項1〜10のいず
    れか1項記載の8個の炭素原子を含有する芳香族化合物
    の異性化方法。
  12. 【請求項12】 装置が、原料を異性化帯域に導入する
    少なくとも1つの導管、水素を異性化帯域に導入する少
    なくとも1つの導管、約80℃〜135℃の沸点を有す
    る少なくとも1つの化合物を導入する少なくとも1つの
    導管、EUO型構造を有する少なくとも1つのゼオライ
    トおよび少なくとも1つの第VIII族金属を含有する少な
    くとも1つの触媒を含有する少なくとも1つの異性化反
    応器、該異性化帯域からの流出物を、所望の生成物を流
    出物の他の成分から分離する少なくとも1つの分離帯域
    へ導入する少なくとも1つの導管、および所望の生成物
    を排出する少なくとも1つの導管から成ることを特徴と
    する、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法を行う
    装置。
  13. 【請求項13】 装置が、8個の炭素原子を含有するパ
    ラフィン類、8個の炭素原子を含有するナフテン類、ト
    ルエンおよびベンゼンを流出物の他の成分から分離する
    帯域、再循環されるべき8個の炭素原子を含有するパラ
    フィン類、8個の炭素原子を含有するナフテン類、トル
    エンおよびベンゼンの量を決定する帯域、該再循環物を
    異性化反応器への入口に加える導管から成ることを特徴
    とする、請求項12記載の装置。
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