JPH11347573A - 配水池における高度浄水処理方法および高度浄水処理機能を有する配水池 - Google Patents

配水池における高度浄水処理方法および高度浄水処理機能を有する配水池

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JPH11347573A
JPH11347573A JP10156006A JP15600698A JPH11347573A JP H11347573 A JPH11347573 A JP H11347573A JP 10156006 A JP10156006 A JP 10156006A JP 15600698 A JP15600698 A JP 15600698A JP H11347573 A JPH11347573 A JP H11347573A
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water
titanium oxide
reservoir
distribution basin
amount
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JP10156006A
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Eiichi Sugiura
鋭一 杉浦
Michio Uzawa
道雄 鵜澤
Michio Kimura
美千雄 木村
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の浄水設備が利用できるとともに、高度
浄水処理が可能な配水池における高度浄水処理方法およ
び高度浄水処理機能を有する配水池を提供することを目
的とする。 【解決手段】 既存の浄水設備における配水池20に、
人工光源22と浄水の撹拌機28と、配水池20の上水
の流出部20cに膜分離装置24を設け、配水池20内
の上水中に投入された粉末状の酸化チタンを撹拌機28
で分散させるとともに、配水池20内の酸化チタン量を
所定量以上に維持し、人工光源22からの光が酸化チタ
ンに照射され、その光酸化作用によって、配水池20内
の上水に含まれる微量有機物を酸化分解する配水池にお
ける高度浄水処理方法であり、酸化チタンの光触媒作用
によって、上水中の微量有機物を酸化分解して除去する
とともに、膜分離装置24の逆洗浄によって、その分離
膜24aに付着する酸化チタンを、配水池20に返送し
て、配水池内の酸化チタン量を所定量以上に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配水池における高
度浄水処理方法および高度浄水処理機能を有する配水池
に関し、詳しくは凝集・沈殿・急速砂ろ過法に代表され
る現在主流の浄水プロセスでは除去することが困難な、
色度成分・臭気成分・農薬・トリクロロエチレン等の微
量有機物を、光触媒反応によって分解する分解除去に係
り、特に通常の浄水プロセスの配水池(または浄水池)
における高度浄水処理方法および高度浄水処理機能を有
する配水池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水道原水の汚濁進行に伴う有機物
濃度の増加や富栄養化による水道原水の水質の劣化が問
題となっており、既存の浄水プロセスでは微量有機物を
完全に除去できないのが実情であり、良質で安全な水が
求められ、新しい浄水プロセスの開発がなされている。
先ず、従来の浄水処理について、図5の浄水フローを参
照して説明する。河川等から取水した原水は、着水井1
に取り込まれ、着水井1から汲み上げられた原水は、沈
砂池から前塩素注入を経て薬品混和池2に送られ、フロ
ック形成池3、薬品沈殿池4を経て、砂ろ過池5へと送
られ、砂ろ過池5からの処理水に後塩素注入を行って上
水とし、配水池(または浄水池)6に送られる。因み
に、配水池6は、所定量の上水を貯留して給水需要の時
間変動を調整するための機能を有している。
【0003】しかし、従来の浄水フローでは、上水中の
色度成分・臭気成分・農薬・トリクロロエチレン等の微
量有機物を除去することはできない欠点があり、このよ
うな観点から上水中に残存する微量有機物を除去する手
段として、「オゾン処理と活性炭処理」、「オゾン処理
と生物活性炭処理」に代表される単位操作の組み合わせ
による処理方法によって微量有機物の除去を実施するこ
とが考えられている。「オゾン処理と生物活性炭処理」
を組み合わせた浄水の高度処理装置について、図6を参
照して説明する。
【0004】図6の高度処理装置は、原水中の塵を粗取
りする除塵機8と、原水中に粉末活性炭を注入する粉末
活性炭注入設備9と、原水中に粉末活性炭を注入した原
水が投入される生物反応槽10と、生物反応槽10内に
オゾン化空気導入管12からのオゾンを空気に混合して
送り込む空気導入管11と、生物反応槽10からの粉末
活性炭が混入した処理水が送り込まれる膜分離装置13
と、膜分離装置13を透過した処理水に塩素を注入する
塩素注入管14と、逆洗時の洗浄水が配管16を介して
送り込まれて、返送配管17を介してその上澄み水が生
物反応槽10に返送されるとともに、汚泥を排出するた
めの機能を有する濃縮槽15とから構成されている。し
かし、生物反応槽10では、生物の増殖作用と酸化作用
による殺菌作用とを交互に繰り返して原水中の有機物を
分解除去して、粉末活性炭を含む処理水から膜分離装置
13によって膜分離処理して上水として利用するもので
あり、上水として大量の処理水を安価に供給するのは困
難であるのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の高度浄水処理装
置は、オゾンの強力な酸化力で微量有機物を酸化分解し
て、その分解生成物を粉末活性炭で吸着して微量有機物
を分解除去するものであが、この種の高度浄水処理装置
には、以下のような欠点がある。
【0006】先ず、従来の高度処理装置は、微量有機物
を除去するのに、単段の単位操作で行うのが困難であ
り、オゾンによる酸化分解と、その分解生成物を粉末活
性炭で吸着する等の複数な単位操作の組み合わせを採用
せざるを得ない。従って、高度処理装置は、装置構造及
び運転操作が複雑となる欠点がある。更に、それぞれの
水質条件に合致した最適な単位操作の組み合わせを見つ
けるために、各種のパイロットプラントを設けて、長期
間にわたるフィールドテストを行ってその結果を判定す
る等の煩わしい過程を踏む必要があり、人件費、薬品
代、分析費等に多額の費用を要する。
【0007】また、微量有機物を酸化分解するオゾン処
理法は、オゾンを貯留することができないことから、こ
れを使用とする現地でオゾンを発生させて、即時に消費
しなければならない。従って、オゾンを利用する場所毎
にオゾン発生機を設置する必要がある。また、オゾン
は、それ自体が強力な毒性を有しており、その取り扱い
に注意を要し、しかもオゾン発生には、莫大な電力を必
要とし、設備投資並びに維持管理費が大きいという欠点
がある。
【0008】さらに、従来の高度浄水処理装置は、浄水
場内に用地を確保して新たな設備を建設する必要があ
り、高度浄水処理のコストアップ要因となっている。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑みなされたもの
であり、既存の浄水設備が利用できるとともに、高度浄
水処理が可能な配水池における高度浄水処理方法および
高度浄水処理機能を有する配水池を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するために手段】本発明は、上記課題を解
消するためになされたものであり、請求項1の発明は、
浄水設備における配水池に、人工光源と浄水の撹拌装置
と、前記配水池の上水の流出部にフィルタまたは分離膜
を設け、前記配水池内の上水中に投入された粉末状の酸
化チタンを前記撹拌装置で分散させるとともに、前記配
水池内の酸化チタン量を所定量以上に維持し、前記光源
からの光が前記酸化チタンに照射されることによる光酸
化作用によって、前記配水池内の上水に含まれる微量有
機物を酸化分解することを特徴とする配水池における高
度浄水処理方法である。この構成によれば、既存の浄水
設備の配水池の上水中に酸化チタンを投入して分散さ
せ、酸化チタンの光触媒作用によって、上水中の微量有
機物を酸化分解して除去するものであり、フィルタまた
は分離膜に付着する酸化チタンは、再び配水池に返送し
て、前記配水池内の酸化チタン量を所定量以上に維持
し、高度浄水処理における処理費用を低減することがで
きる。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において、前記配水池からサンプル水を取水し、これを
水質連続監視装置に送り、有機化学物質の成分濃度を測
定し、その測定値が基準値以下となるように、粉末状の
酸化チタンの投入量を制御することを特徴とする請求項
1に記載の配水池における高度浄水処理方法である。こ
の構成によれば、前記配水池のサンプリング水を取水し
て、その有機化学物質の成分濃度を検出し、その濃度に
応じて、粉末状の酸化チタンの投入量を調整し、配水池
内に投入されている酸化チタンの量を所定量以上に設定
して、光触媒作用を維持するとともに、必要以上の酸化
チタンが投入されるのを防止することができ、高度浄水
処理における処理費用を低減することができる。
【0012】また、請求項3の発明は、浄水設備によっ
て浄水処理がなされた上水が投入される配水池に、人工
光源と、配水池に貯留される上水に投入される粉末状の
酸化チタンを撹拌するための撹拌手段と、前記配水池の
上水の流出部に設けたフィルタまたは分離膜と、前記フ
ィルタまたは分離膜に阻止される酸化チタンを前記配水
池に循環させる循環手段と、前記配水池内の上水中に投
入された粉末状の酸化チタンが常時所定量以上存在する
ようにして、前記光源からの光が前記酸化チタンに照射
されることによる光酸化作用によって、前記配水池内に
貯留される上水に含まれる微量有機物を酸化分解する機
能を維持するように制御する制御手段と、を具備するこ
とを特徴とする高度浄水処理機能を有する配水池であ
る。この構成によれば、既存の浄水設備の配水池の上水
中に酸化チタンを投入して撹拌手段によって分散させ、
酸化チタンの光触媒作用によって、上水中の微量有機物
を酸化分解して除去するものであり、膜分離装置のフィ
ルタまたは分離膜に付着する酸化チタンは、循環手段に
よって再び配水池に返送することができるので、酸化チ
タンを繰り返し利用できるので、高度浄水処理における
処理費用を低減することができる。
【0013】また、請求項4の発明は、請求項3の発明
において、前記人工光源が、電灯、蛍光灯、水銀灯、ま
たは発光ダイオードであることを特徴とする高度浄水処
理機能を有する配水池である。この構成によれば、40
0nm以下の波長の光を照射して、光触媒作用を活発化
させて、微量有機物を分解する。
【0014】また、請求項5の発明は、請求項3の発明
において、前記循環手段が、前記フィルタまたは分離膜
を、水または空気、または水と空気を併用して逆圧洗浄
する逆圧洗浄機構によることを特徴とする高度浄水処理
機能を有する配水池である。この構成によれば、前記フ
ィルタまたは分離膜に付着する酸化チタンを再利用する
ことができる。
【0015】また、請求項6の発明は、請求項3の発明
において、前記制御手段が、前記配水池内に濁度計また
は色度計と酸化チタン供給装置とを設け、前記濁度計ま
たは色度計による上水の濁度または色度が所定値以下と
なるように前記酸化チタン供給装置を制御して粉末状の
酸化チタンの投入量を制御する手段であることを特徴と
する高度浄水処理機能を有する配水池である。この構成
によれば、配水池内の酸化チタンの量を最適な値に制御
することができるので、微量有機物の確実な分解が可能
であるとともに、酸化チタンを必要以上に投入すること
がなく、高度浄水処理における処理費用を低減すること
ができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る配水池におけ
る高度浄水処理方法および高度浄水処理機能を有する配
水池の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る高度浄水処理機能を有する配水池
の一実施形態を示し、既存の浄水処理の代表的な浄水プ
ロセスAからの処理水が上水として配水池20に送ら
れ、高度浄水処理がなされる。浄水プロセスAは、先に
説明したように、河川等から取水した原水が着水井1に
取り込まれ、着水井1から汲み上げられた原水が沈砂池
から前塩素注入工程を経て薬品混和池2に送られ、フロ
ック形成池3、薬品沈殿池4を経て、砂ろ過池5へと送
られ、砂ろ過池5からの処理水に後塩素注入を行って上
水として、配水池(または浄水池)20に送り込まれ
る。配水池20は、先に説明したように、上水を貯槽に
貯留して給水需要の時間変動を調整するためのものであ
る。
【0017】配水池20は、漏斗状底部20bと流出部
20cとを設けた貯槽20aが天蓋部21で覆われてい
る。天蓋部21には水銀灯等の人工光源22が配置さ
れ、底部には撹拌機28と散気装置23が配置され、散
気装置23は流出部20c近傍に配置されている。配水
池20に投入される粉末状の酸化チタンをろ過するため
のフィルタや分離膜24aを備える膜分離装置24が設
けられている。分離装置24は、流出部20cと同等の
高さか、それより低い位置に配置されて、水圧を利用し
てろ過され得るように配置されている。その配管系を説
明すると、配水池20の流出部20cと膜分離装置24
の一次側とがバルブV1を備える流出管L1で接続さ
れ、膜分離装置24の二次側にバルブV2を備える流出
管L2が接続されて、高度処理上水が流出管L2から給
水需要者に供給されている。
【0018】膜分離装置24のフィルタや分離膜24a
に付着する酸化チタンは、膜分離装置24の一次側と貯
槽20aの上部とがバルブV6を備える酸化チタン返送
管L5で接続され、膜分離装置24の分離膜24aの逆
洗浄によって貯槽20aに返送して酸化チタンを循環さ
せている。この逆洗浄は、水または空気、または水と空
気を併用して行っている。その逆洗水と逆洗用空気の配
管系について説明する。逆洗水の配管系は、流出管L2
から分岐した逆洗用送水管L3が逆洗タンク25に接続
され、かつ逆洗タンク25が、バルブV5と逆洗ポンプ
27とが接続された逆洗用送水管L4で、膜分離装置2
4の二次側に接続されている。逆洗用空気の配管系は、
コンプレッサ26と逆洗用の圧縮空気を送る空気輸送管
L7が分離装置24の二次側に接続されている。また、
コンプレッサ26は、散気用の圧縮空気を貯槽20a内
に送る空気輸送管L6が散気装置23に接続されてい
る。空気輸送管L6,L7にはバルブV3,V4がそれ
ぞれ備えられている。なお、人工光源22は、400n
m以下の波長の光が適するが、殊に光化学用水銀灯など
の365〜313nmの範囲の波長の光が最もよいが、
通常の水銀灯、電灯、蛍光灯、発光ダイオードであって
もよい。また、人工光源22は、天蓋部21に加えて、
上水埋没型の配置してもよい。
【0019】次に、本実施形態の配水池の高度上水処理
機能について、図1を参照して説明する。配水池21の
貯槽内には、既存の浄水処理された上水が砂ろ過池5か
ら送り込まれており、貯槽20a内には、水量に応じた
量の粉末状の酸化チタンが投入されて、撹拌機28で撹
拌され、コンプレッサ26からの圧縮空気が流出部20
cに設けられた散気装置23から貯槽20a内に送られ
て、上水は撹拌されている。
【0020】人工光源22からは、400nm以下の波
長の光が槽内の上水に照射されている。人工光源22か
らの光は、貯槽20a内の上水に混入する粉末状の酸化
チタンに照射されて、酸化チタンの光触媒による酸化・
還元作用(光触媒反応)によって、上水中の微量有機物
が最終的に二酸化炭素と水に分解される。膜分離装置2
4は、流出部20cと等しい高さか、あるいは、低い位
置に配置されており、貯槽20a内の上水に混入する酸
化チタンは、水圧によって流出管L1を経て膜分離装置
24に送られ、その分離膜24aによって上水をろ過し
て酸化チタンを除去して、光触媒反応によって処理され
た高度処理上水が流出管L2を介して需要者に供給され
る。そして、逆洗タンク25には、常時必要量の上水が
蓄えられている。
【0021】膜分離装置24は、上水のろ過に際して、
その分離膜に酸化チタンが付着するので、逆洗操作によ
って、分離膜に付着する酸化チタンを剥離して配水池内
に循環させている。先ず、バルブV1とV2を閉じ、バ
ルブV5とV6を開いて逆洗ポンプ27を作動させ、逆
洗タンク25内の上水を膜分離装置24に送り込む。分
離膜24aに付着する二酸化チタンを除去して酸化チタ
ン返送管L5を介して、貯槽20aに送り込む。また
は、コンプレッサ26から圧縮空気を膜分離装置24に
送り、フィルタや膜に付着する二酸化チタンを剥離し
て、かつ逆洗タンク25内の上水を逆洗ポンプ27を介
して膜分離装置24に送って、分離膜に付着する二酸化
チタンを酸化チタン返送管L5を介して、貯槽20aに
送り込む。
【0022】このように膜分離装置24の分離膜24a
に付着する二酸化チタンを逆洗水のみで洗浄するか、あ
るいは、圧縮空気と逆洗水とで洗浄するかの何れかで洗
浄する。圧縮空気と逆洗水とで洗浄する場合、圧縮空気
は逆洗水を圧縮空気の周期に合わせて、膜分離装置24
の二次側に間欠的に送る。このような操作によって、膜
分離装置24の分離膜24aから剥離された二酸化チタ
ンは、逆洗用送水管L3を介して、貯槽20aに送り込
まれることによって、光触媒機能を有する二酸化チタン
を循環させて利用することにより、上水中に含まれる微
量有機物を、低コストで処理することができる。このよ
うな観点から配水池に投入される二酸化チタンの量は、
初期投入量から流出する量と、配水池に流入される上水
の単位時間当たりの流入量に応じて設定することができ
る。これらの制御は、制御装置を用いて制御すること
で、配水池内の酸化チタン量を最適な値に制御すること
が可能である。
【0023】次に、図2を参照して、本発明に係る高度
浄水処理機能を有する配水池の他の実施形態について説
明する。図2では、図1と同一部分に同一符号が付与さ
れている。同図において、既存の浄水処理の代表的な浄
水プロセスAからの処理水が上水として、配水池20に
送り込まれる。配水池20に投入される酸化チタンは、
上水とともに膜分離装置24に運ばれて、その分離膜2
4aに酸化チタンが除去され、その上水が給水需要者に
供給されている。この配水池20には、制御装置29が
設けられ、制御装置29は、各バルブV1〜V6の開閉
が制御されており、配水池内に酸化チタンの量が制御さ
れている。貯槽20a内には、空気輸送管L7のバルブ
V3が開かれて、コンプレッサ26から圧縮空気が供給
されて散気されている。
【0024】通常、制御装置29によって、バルブV
1,V2を解放して、バルブV6を閉じるように制御し
て、配水池20内の上水がその水圧によって膜分離装置
24の分離膜24aを透過して高度処理上水として、給
水需要者に供給される。一方、上水中の酸化チタンは、
分離膜24aに付着し、この分離膜24aに付着した酸
化チタンは、定期的な逆洗工程によって除去されて配水
池20に返送されて再利用される。この逆洗工程では、
バルブV1,V2を閉じ、バルブV5,V6を開放し、
逆洗ポンプ27を作動させる。逆洗タンク25に蓄えら
れている上水が逆洗浄水として膜分離装置24の二次側
に供給される。逆洗浄水は、分離膜24aに付着する酸
化チタンを剥離して分離膜24aを透過して、酸化チタ
ン返送管L5を介して、配水池20に返送される。この
逆洗工程の際に、空気輸送管L7のバルブV4を開いて
コンプレッサ26から圧縮空気を膜分離装置24の二次
側に供給して酸化チタンを分離膜24aから剥離するよ
うにするとよい。
【0025】この配水池20の上水処理と、膜分離装置
24の逆洗工程とが制御装置29によって制御されてい
る。上水処理操作は、例えば、1〜3時間、バルブV
1,V2が開かれて給水需用者に高度浄水処理した上水
が供給される。1〜3時間経過毎に、バルブV1,V2
が閉じられて、30分程度の膜分離装置24の逆洗工程
がなされる。膜分離装置24には、1〜3時間の間、酸
化チタンが分離膜24aに付着されて蓄積され、その
間、配水池20内の酸化チタン量が減少されることにな
る。従って、予め配水池20には、配水池20から1〜
3時間で排出される酸化チタンの流出量に相当する量
を、予め配水池20に投入し、1〜3時間後に、逆洗浄
工程によって、膜分離装置24の分離膜24aに付着す
る酸化チタンを配水池20に返送し、常に一定量以上の
酸化チタンが配水池20に残存するように制御されてい
る。
【0026】次に、図3を参照して、本発明に係る高度
浄水処理機能を有する配水池の他の実施形態について説
明する。図3では、図1と同一部分に同一符号が付与さ
れている。同図の配水池は、図1の配水池の設備に加え
て、酸化チタンを供給する供給装置30と、濁度計(ま
たは色度計)31とが備えられている。濁度計31は、
発光素子と受光素子とで構成され、発光素子からの光が
酸化チタン粒子で散乱され、濁度計31の出力が制御装
置29に入力されている。供給装置30は、制御装置2
9からの出力によって酸化チタンの投入量が制御されて
いる。濁度計31は、その受光素子の受光量の変動によ
る出力を制御装置29に入力して、上水中の酸化チタン
の量を検出して、配水池内の酸化チタンの量を調整する
ようになされている。無論、反射型の濁度計31であっ
てもよい。また、CCDカメラを搭載した色度計によっ
て、配水池20の上水の色を検出することで、酸化チタ
ンの上水中の量を検出し、酸化チタンの供給量を操作し
てもよい。
【0027】次に、図4を参照して、本発明に係る高度
浄水処理機能を有する配水池の他の実施形態について説
明する。図4において、図1,図3と同一部分には、同
一符号が付与されている。同図の配水池は、その貯槽2
0aの壁面に酸化チタンが焼き付けたタイルやガラスタ
イル32が貼付されている。人工光源22からの光は、
タイルやガラスタイル32で反射して、一層酸化チタン
による光触媒作用による微量有機物が酸化分解される。
【0028】さらに、本発明に係る配水池における高度
浄水処理方法の他の実施形態について、図1を参照して
説明する。同図において、配水池20から例えばオート
サンプラでサンプル水を取水し、サンプル水中の有機化
学物質の成分濃度を監視する水質連続監視装置に送っ
て、有機化学物質の成分濃度を測定し、その測定値が基
準値以下となるように、粉末状の酸化チタンの投入量を
制御する。水質連続監視装置は、ガスクロマトグラフィ
を応用した水質監視装置であって、詳しくは、サンプル
水中の有機化学物を気相へ連続的に移行させ、キャピラ
リーカラムとFID検出器(Flame Ioniza
tion Detector:水素炎イオン化検出器)
を備えたガスクロマトグラフ計で有機化学物質成分を連
続的に自動定量する装置である。FID検出器以外に、
TCD(Thermal Conductivity
Detector:熱伝導度検出器)やECD(Ele
ctron Capture Detector:電子
捕獲検出器)が用いられる。
【0029】この方法は、図3,図4の実施形態に適応
することができる。その場合、配水池20のサンプル水
中を、有機化学物質の成分濃度を監視する水質連続監視
装置で、その有機化学物の濃度を計測し、その成分濃度
データを制御装置29に入力して、その計測値が基準値
以下となるように、酸化チタン供給装置30を操作して
粉末状の酸化チタンを配水池20に供給して、上水中の
有機化学物質の基準値以下に設定する。
【0030】なお、本発明では、上記実施形態のよう
に、漏斗状底部を有する貯槽で説明されているが、これ
らの実施形態に限定することなく、流出部が隔壁部で囲
まれて底部が平坦な形状であってもよく、水圧によって
酸化チタンに混入する上水が膜分離装置の分離膜によっ
てろ過が可能であればよく、送水ポンプ等による外力に
よって水圧を加える必要がなく、ランニングコストを安
価なものとすることが可能である。また、人工光源22
は、電灯、蛍光灯、水銀灯、または発光ダイオードの何
れであってもよい。
【0031】また、配水池20は、上水の流出部が一箇
所に限定するものではなく、複数箇所が設けられてもよ
いし、その場合、膜分離装置の逆洗工程は、流出部の全
てを同時に行うことなく、選択的に実施することによっ
て、常に高度処理上水を給水需用者に供給しつつ酸化チ
タンを循環させることが可能である。また、流出部が複
数箇所設けられている場合は、膜分離装置を選択的に洗
浄工程を行うことによって、高度処理した上水を給水需
用者への供給に支障なく行うことが可能であり、配水池
内の酸化チタンの量を所定以上の量に維持することが可
能である。また、撹拌装置は、水中プロペラに限定する
ことなく、水中ポンプ、内筒管(ドラフトチューブ)を
単独に使用したり、またはこれらを組み合わせてもよ
い。
【0032】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、酸化チ
タンの表面に400nm以下の光が当たると3Vもの非
常に高い酸化電位を発生する光触媒反応を利用してお
り、この酸化電位はオゾン・過酸化水素・塩素よりも大
きく、殆ど全ての有機物を完全に分解することが可能で
ある優れた効果を有しており、本設備の後段に有機物の
分解された中間体を除去するための設備を必要とせず、
単段で高度処理できる利点がある。
【0033】また、本発明によれば、人工光源を点灯す
るのみで、微量有機物を酸化チタンによる光触媒反応に
よって、酸化分解することが可能であり、酸化分解のた
めの計装制御が全く不要である利点があり、酸化チタン
の投入量または溶存量を制御することによって、上水中
の微量有機物を分解することができる利点がある。
【0034】また、本発明によれば、配水池内の上水
は、既存の浄水プロセスによる処理された上水であっ
て、透明度が高く、不要な負荷が加わることなく、上水
中に溶在する微量有機物を低エネルギの光によって分解
することができる利点があり、既存の浄水プロセスに適
用することができることから新たな用地を確保する必要
がなく、建設費が大幅に低減できる利点がある。
【0035】また、本発明によれば、膜分離装置の洗浄
工程を、深夜に行うことで、深夜電力を利用して、逆洗
浄工程を実施することが可能であり、ランニングコスト
の殆どを占める電力費を低減することができる利点があ
る。また、本発明によれば、酸化チタンによる光触媒反
応は、酸化チタンの量を制御装置によって最適な状態に
制御することが可能であり、高度浄水処理の操作が容易
である利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高度浄水処理機能を有する配水池の一
実施形態を示す図である。
【図2】本発明の高度浄水処理機能を有する配水池の他
の実施形態を示す図である。
【図3】本発明の高度浄水処理機能を有する配水池の他
の実施形態を示す図である。
【図4】本発明の高度浄水処理機能を有する配水池の他
の実施形態を示す図である。
【図5】従来の浄水プロセスを示す図である。
【図6】従来の高度浄水処理のプロセスを示す図であ
る。
【符号の説明】
20 配水池 20a 貯槽 20b 漏斗状底部 20c 流出部 21 天蓋部 22 人工光源 23 散気装置 24 膜分離装置 24a フィルタまたは分離膜 25 逆洗タンク 26 コンプレッサ 27 逆洗ポンプ 28 撹拌機 29 制御装置 30 酸化チタン供給装置 31 濁度計(色度計) A 浄水プロセス L1,L2 流出管 L3,L4 逆洗用送水管 L5 酸化チタン返送管 L6,L7 空気輸送管 V1〜V6 バルブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄水設備における配水池に、人工光源と
    浄水の撹拌装置と、前記配水池の上水の流出部にフィル
    タまたは分離膜を設け、前記配水池内の上水中に投入さ
    れた粉末状の酸化チタンを前記撹拌装置で分散させると
    ともに、前記配水池内の酸化チタン量を所定量以上に維
    持し、前記光源からの光が前記酸化チタンに照射される
    ことによる光酸化作用によって、前記配水池内の上水に
    含まれる微量有機物を酸化分解することを特徴とする配
    水池における高度浄水処理方法。
  2. 【請求項2】 前記配水池からサンプル水を取水し、こ
    れを水質連続監視装置に送り、有機化学物質の成分濃度
    を測定し、その測定値が基準値以下となるように、粉末
    状の酸化チタンの投入量を制御することを特徴とする請
    求項1に記載の配水池における高度浄水処理方法。
  3. 【請求項3】 浄水設備によって浄水処理がなされた上
    水が投入される配水池に、人工光源と、配水池に貯留さ
    れる上水に投入される粉末状の酸化チタンを撹拌するた
    めの撹拌手段と、前記配水池の上水の流出部に設けたフ
    ィルタまたは分離膜と、前記フィルタまたは分離膜に阻
    止される酸化チタンを前記配水池に循環させる循環手段
    と、前記配水池内の上水中に投入された粉末状の酸化チ
    タンが常時所定量以上存在するようにして、前記光源か
    らの光が前記酸化チタンに照射されることによる光酸化
    作用によって、前記配水池内に貯留される上水に含まれ
    る微量有機物を酸化分解する機能を維持するように制御
    する制御手段と、を具備することを特徴とする高度浄水
    処理機能を有する配水池。
  4. 【請求項4】 前記人工光源は、電灯、蛍光灯、水銀
    灯、または発光ダイオードであることを特徴とする請求
    項3に記載の高度浄水処理機能を有する配水池。
  5. 【請求項5】 前記循環手段は、前記フィルタまたは分
    離膜を、水または空気、または水と空気を併用して逆圧
    洗浄する逆圧洗浄機構によることを特徴とする請求項3
    に記載の高度浄水処理機能を有する配水池。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記配水池内に濁度計
    または色度計と酸化チタン供給装置とを設け、前記濁度
    計または色度計による上水の濁度または色度が所定値以
    下となるように前記酸化チタン供給装置を制御して粉末
    状の酸化チタンの投入量を制御する手段であることを特
    徴とする請求項3に記載の高度浄水処理機能を有する配
    水池。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009000580A (ja) * 2007-06-19 2009-01-08 Hitachi Ltd 膜ろ過処理装置の運転支援装置
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KR101090079B1 (ko) * 2011-02-28 2011-12-07 주식회사 광명전기 광촉매와 분리막을 이용하여 방류수 중의 총인 및 총질소를 제거하는 장치
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