JPH11346795A - 細菌の検出方法 - Google Patents

細菌の検出方法

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JPH11346795A
JPH11346795A JP15705398A JP15705398A JPH11346795A JP H11346795 A JPH11346795 A JP H11346795A JP 15705398 A JP15705398 A JP 15705398A JP 15705398 A JP15705398 A JP 15705398A JP H11346795 A JPH11346795 A JP H11346795A
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bacteria
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medium
culture medium
drug
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JP15705398A
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Shiro Yamashiyouji
志朗 山庄司
Kazuya Harufuji
和哉 春藤
Tsuneo Kaneko
常雄 金子
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NIKKEN SEIBUTSU IGAKU KENKYUSH
Nikken Bio Medical Laboratory Inc
Original Assignee
NIKKEN SEIBUTSU IGAKU KENKYUSH
Nikken Bio Medical Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体培地上で増殖する細菌の増殖状況を比較
的短時間の培養後で、細菌の増殖量が少ない段階でも確
認することができる方法の提供。更に、短時間の培養時
間で形成される阻止円を識別できる細菌の薬剤感受性試
験方法の提供。 【手段】 固体培地上からの反射光をデジタル情報とし
て収集し、培地表面からの反射光のデジタル情報と培地
表面に存在する細菌からの反射光のデジタル情報との違
いを識別することで、細菌の存在状態を判定する方法。
前記判定方法を用いて細菌の存在状態を判定する細菌の
薬剤感受性の試験方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細菌の存在状態を
判定する方法及び細菌の薬剤感受性試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】環境や食品等を介して人に感染した病原
性の細菌は、人に種々の疾病を引き起こす。これらの疾
病を治療するにあたり、細菌の分離及び薬剤感受性試験
が実施されている。薬剤感受性試験は以下の方法により
行われる。一定濁度の菌液を固体培地に塗末する。その
固体培地に抗生剤を含むデスクを貼り付ける。細菌を
培養する。細菌の増殖領域と非増殖領域により形成され
る阻止円を肉眼で確認する。阻止円の有無及び大きさに
より培養した細菌の薬剤感受性を確認する。
【0003】この方法の欠点は、肉眼で検出できる阻止
円の形成に長時間かかることである。細菌が増殖して形
成された薄膜が不透明になるまで、細菌を培養するには
16〜24時間必要である。このため、臨床の場での診
断、特に投与すべき抗生剤の決定に時間がかかってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固体
培地上で増殖する細菌の増殖状況を比較的短時間の培養
後で、細菌の増殖量が少ない段階でも確認することがで
きる方法を提供することにある。更に、本発明の目的
は、短時間の培養時間で形成される阻止円を識別できる
細菌の薬剤感受性試験方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体培地上か
らの反射光をデジタル情報として収集し、培地表面から
の反射光のデジタル情報と培地表面に存在する細菌から
の反射光のデジタル情報との違いを識別することで、細
菌の存在状態を判定する方法に関する。更に本発明は、
少なくとも表面に細菌が生育する固体培地の上に薬剤を
置き、所定時間経過後の薬剤による前記細菌の生育阻害
を上記本発明の細菌の存在状態を判定する方法により判
定する、細菌の薬剤感受性の試験方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、細菌の存在状態を判定
する方法であって、固体培地上からの反射光をデジタル
情報として収集し、培地表面からの反射光のデジタル情
報と培地表面に存在する細菌からの反射光のデジタル情
報との違いを識別することを特徴とする。
【0007】培地表面からの反射光と培地表面に存在す
る細菌からの反射光とは、表面の平滑性が異なるため、
異なる反射光として識別できる。しかし、培地表面上の
細菌の存在量が少ない場合、培地表面からの反射光と細
菌からの反射光との肉眼による識別は困難である。同様
に、細菌の存在量に差がある場合でも、その差が小さい
と両者からの反射光の識別も困難である。しかし、この
ような場合であっても、各反射光をデジタル情報として
収集し、収集した情報を数値化し、または増幅して可視
化することは可能であり、肉眼に比べてはるかに高い感
度で、反射光の差異を識別することが可能になる。本発
明では、肉眼では識別できないレベルの反射光の差をデ
ジタル情報とすることで識別可能にしている。
【0008】反射光をデジタル情報として収集する方法
としては、例えば、荷電結合素子を用いたカメラ又はデ
ジタルカメラを使用する方法が挙げられる。荷電結合素
子を用いたカメラとしては、例えば、電荷結合素子セン
サーを縦横に並べたカメラ(CDDカメラ)を挙げることが
できる。これらのカメラには感度の異なる種々のものが
市販されているが、高感度のものであればそれだけ少な
い反射光の差を、少ない光量の下でも識別できることか
ら好ましい。
【0009】培地及び細菌からの反射光は光を培地及び
細菌に照射することにより得ることができる。照射する
光の光量は、使用するカメラの感度により適宜決定する
ことができ、例えば、50LUX以上、好ましくは150LUX以
上とすることができる。上限については、使用する光量
によって生成する乱反射の量が培地及び細菌からの反射
光の差の識別を妨げない程度であれば使用可能である。
具体的には、例えば、低感度のデジタルカメラを使用す
る場合、フラッシュのように大量の光量を照射すること
により細菌の存在状態を判定することができる。また、
高感度のCCDカメラを使用した場合、例えば、6個の3.0m
VのLEDランプ(light emitting diodelamp)を光源とし
て得られる程度の光量で細菌の存在状態の判定をするこ
とができる。更に、照射の方向及び角度等を考慮し、適
宜光量を調節することもできる。
【0010】光の照射方法には特に限定はないが、乱反
射が多量に生成すると培地からの反射光と細菌からの反
射光との識別がし難くなるため、乱反射が生成しにくい
方法が好ましい。乱反射を低減する光の照射方法として
は、例えば、暗箱を用いる方法がある。対象となる細菌
の存在する容器を暗箱内に置き、光を容器に照射するこ
とによって光源を限定し、多量の乱反射を防ぐことがで
きる。また、暗箱を設置する実験台を黒色で塗装するこ
とにより、容器以外の部分から乱反射を低減することが
好ましい。
【0011】更に、固体培地を黒色に着色することもで
きる。乱反射は、細菌と黒色化した部分の距離が近いほ
どより低減される。従って、細菌が接している固体培地
を黒色化することにより効率よく乱反射を低減すること
が好ましい。固体培地の黒色化は、例えば、固体培地の
調製時に黒色物質を添加することにより行うことができ
る。黒色物質は、細菌に影響を及ぼさないものであれば
いずれのものも制限なく使用することができる。例え
ば、活性炭等を黒色物質として使用することができる。
固体培地に対する添加量は、細菌に影響が無い量であれ
ば特に限定はない。添加量の一例としては、培地1000ml
に対して0.5〜5.0g、好ましくは、2.0〜4.0gの活性炭を
添加することができる。
【0012】他の乱反射低減方法としては、例えば、黒
色容器の使用を挙げることができる。固体培地を分注す
る容器を黒色容器にすることによって、乱反射の低減を
図ることができる。黒色容器の作製方法は特に限定はな
いが、例えば、市販の合成樹脂塗料を用いて容器の外面
を塗装することができる。
【0013】CCDカメラ等によって収集された反射光の
デジタル情報は、画像としてデスプレー上に表示する
ことができる。例えば、CCDカメラを使用した場合に
は、CCDカメラをモニター等の制御機器に接続すること
によりデジタル情報をデスプレーに表示することがで
きる。デスプレーに表示することにより、直接肉眼で
は判定できなかった細菌の存在状態を肉眼により判定す
ることができるようになる。更に、固体培地上の細菌増
殖領域と非増殖領域を明確に判別することができる。画
像処理装置としては、カメラ、光度調節器、プリンタ−
及び/又はモニタ−等の必要機器を接続したものを使用
することができ、例えば、図1の装置を使用することが
できる。
【0014】デジタル情報を画像処理した場合、固体培
地表面の細菌増殖領域と非増殖領域を明確に判別するこ
とができるため、細菌存在状態を数値化することもでき
る。
【0015】固体培地は、特に限定はなく、使用する細
菌の種類に合わせて選択することができ、例えば、寒天
培地を使用することができる。表1に細菌の種類と使用
することができる培地の一例を示す。本発明はこれらに
限られるものではない。例えば、腸内細菌科、ブドウ糖
非発酵グラム陰性桿菌、スタヒロコッカス属、エンテロ
コッカス属、モラクセラ・カタラ−リス及び髄膜炎菌に
は、MHA寒天培地等を使用することができる。また、
ストレプトコッカス属には、5%の羊血液を添加したM
HA寒天培地等を使用することができる。ヘモフィルス
属には、HTM寒天培地等を、また淋菌にはGC寒天培
地等を使用することができる。
【0016】
【表1】
【0017】細菌としては、特に限定はなく固体培地上
で増殖可能な種類ならばいずれも使用することができ
る。細菌としては、例えば、腸内細菌科、ブドウ糖非発
酵グラム陰性桿菌、スタヒロコッカス属、エンテロコッ
カス属、ストレプトコッカス属、モラクセラ・カタラー
リス、ヘモフィルス属、髄膜炎菌、及び淋菌を挙げるこ
とができる。
【0018】固体培地上に細菌を塗末する方法は特に限
定はない。また、塗抹する領域及び面積は適宜その用途
に応じて決定することができる。例えば、容器全体に細
菌の菌液(細菌浮遊液)を塗末する場合は、例えば、塗
抹を以下の方法で行うことができる。菌液を調製する。
菌液濁度の調整方法は特に限定はなく、直接菌液調整及
び増菌菌液調整のどちらも使用することができる。直接
菌液調整は、例えば、以下の方法で行うことができる。
TSA又は血液寒天等の培地に菌を純培養する。得られ
た菌を滅菌生理食塩水等に浮遊させる。浮遊液の濁度
を、例えば、McFarland No. 0.5〜1.0になるように調整
する。増菌菌液調整は、例えば、以下の方法で行うこと
ができる。TSA又は血液寒天等の培地に菌を純培養す
る。得られた菌をミュラーヒントンブロスに入れる。2
〜8時間菌を培養する。菌液の濁度を、例えば、McFarl
and No. 0.5〜1.0に調整する。ここで、MacFarland No.
0.5で表わされる濁度とは、1%の硫酸9.95mlに、1%塩化
バリウム0.05mlを添加して得ることができる濁度をい
う。得られた菌液をスワブに染み込ませる。試験管の管
壁等に押し当て余分な菌液を除く。固体培地を分注した
容器を60°づつ回転させながら3回菌液を塗末する。
【0019】塗末した細菌を培養する。培養条件は、使
用する細菌の種類を考慮して適宜決定する(表1参
照)。例えば、大腸菌を培養する場合には、36±1℃
で培養することができる。
【0020】培養時間は従来の培養時間よりも短くても
よく、また、反射光のデジタル情報化に使用する機器の
感度等を考慮して決定できる。例えば、大腸菌を使用す
る場合の培養時間は、4〜10時間、好ましくは4〜6時間
とすることができる。本発明の方法は細菌からの反射光
をデジタル情報として収集するため、得られた細菌の増
殖領域は肉眼で観察することができなくても良い。
【0021】本発明のデジタル情報収集による細菌の判
別方法を薬剤感受性試験方法に応用することもできる。
薬剤感受性試験は、少なくとも表面に細菌が生育する固
体培地の上に薬剤を置き、所定時間経過後の薬剤による
前記細菌の生育阻害を本発明の判定方法により判定する
ことにより行うことができる。
【0022】薬剤感受性試験方法は、固体培地上に生育
した細菌の判定により細菌の薬剤に対する感受性を判定
するものであれば、公知の方法を用いることができる。
具体的には、例えば、以下の方法を用いることができ
る。薬剤感受性用培地を調製する。シャ−レ等の容器を
分注する。細菌を増菌培養する。得られた細菌の浮遊液
(菌液)を調製する。得られた菌液を培地に塗抹する。
菌液を塗抹した培地の表面に抗生剤を含有するデスク
を密着させる。細菌を培養する。培養後、細菌増殖領域
及び増殖阻害領域により形成された阻止円を判定する。
【0023】固体培地としては、少なくとも表面に細菌
が生育する一般的な固体培地、例えば、寒天培地を使用
することができる。具体的には、ミュラ−ヒントン寒天
培地、ハイ−トインヒュ−ジョン寒天培地、及びトリプ
トソイ寒天培地等を使用することができる。使用する培
地は、細菌の種類を考慮し適宜決定することができる。
【0024】本発明の薬剤感受性試験方法に使用するこ
とができる細菌には制限はなく、薬剤感受性を試験した
いものであればよい。例えば、腸内細菌科、ブドウ糖非
発酵グラム陰性桿菌、スタヒロコッカス属、エンテロコ
ッカス属、ストレプトコッカス属、モラクセラ・カタラ
ーリス、ヘモフィルス属、髄膜炎菌、及び淋菌を挙げる
ことができる。これらの細菌に使用することができる薬
剤感受性培地、接種菌量の調整方法、及び培養条件の一
例を表1に示す。
【0025】本発明の薬剤感受性試験方法における培養
時間は従来の培養時間よりも短くてもよく、また、反射
光のデジタル情報化に使用する機器の感度等を考慮して
決定することができる。例えば、大腸菌を使用する場合
の培養時間は、4〜10時間、好ましくは4〜6時間とする
ことができる。得られた細菌の増殖領域は肉眼で観察で
きなくても良い。
【0026】薬剤としては、例えば、一般的に使用され
ている高吸収性含浸紙に薬剤を浸透させた薬剤感受性試
験用デスクを使用することができる。薬剤の種類は、
例えば、抗生剤とすることができる。抗生剤の種類には
特に限定はなく、いずれも使用することができる。デ
スクは、一般に入手可能であるが、作成することもでき
る。市販のデスクとしては、例えば、ベクトン・デ
ッキンソン株式会社のものや(162種類)栄研究化学株
式会社のもの(83種類)を挙げることができる。
【0027】本発明の薬剤感受性試験方法における阻止
円の判定には、本発明の細菌の存在状態の判定方法を使
用する。本発明の判定方法を用いて、例えばデスプレ
−上に画像を得、その画像から阻止円を判定することが
可能である。また、阻止円の判定結果を数値化し、より
迅速に治療に有用な抗生剤を決定することができる。
【0028】以下、本発明を実施例において更に詳しく
説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
【0029】
【実施例】実施例1 大腸菌に対する薬剤感受性試験を行い、形成される阻止
円を本発明の細菌の存在状態の判定方法で判定した。感
受性試験には表2に示す組成を有するミュラーヒントン
寒天培地を用いた。
【0030】
【表2】
【0031】調製した培地25mlを直径9.0cmの丸型シャ
−レに分注した。トリプトソイ培地(表2)で大腸菌
(Escherichia coli CSJ1922)を塗抹培養により増菌培
養した。培養した細菌を1.0mlの滅菌生理食塩水に浮遊
させた。浮遊液(菌液)は濁度がMcFarland No. 0.5〜
1.0になるように直接菌液調整により調整した。得られ
た菌液をスワブにしみ込ませ、余分な菌液を試験管の管
壁に押しつけ除いた。培地を分注したシャ−レを60°づ
つ回転させながら3回スワブにしみ込んだ菌液を塗抹し
た。ピンセットを用いて抗生物質を含有するデスク
(ゲンタマイシン:10μg力価、栄研)を菌液が塗抹さ
れた培地表面の中央付近に密着させた。得られたシャー
レを36±1℃で、4時間培養した。
【0032】培養終了後、映像解析装置(AE-6915型プ
リントグラフX、アトー株式会社:図1)を用いて、阻
止円を判定した。方法は以下のとうりである。暗箱内で
シャ−レに光線を照射した。光源として6個の3.0mVのLE
Dランプを使用した。LEDは3個づつ2つの基盤に取り付
けた。2つの基盤は、それぞれ暗箱の両側面に固定用プ
レ−トを介してLEDの照射角度を任意に変更できるよう
に設置した。
【0033】培地表面からの反射光及び細菌の被膜(薄
膜)から生じる反射光のデジタル情報をCCDカメラを用
いて収集した。図1の画像処理装置を用いて、収集した
情報はモニタ−及びプリンタ−により画像化され、肉眼
で阻止円を判定された。
【0034】結果を図2に示す。従来の方法よりも培養
時間が大幅に短縮されているにもかかわらず、明瞭な阻
止円を画像上で判定することができた。
【0035】比較例1 肉眼で阻止円を観察する方法を用いて薬剤感受性試験を
行った。実施例1に記載の薬剤感受性試験を行い、培養
時間が10時間以内では肉眼では全く阻止円は確認でき
ず、実施例1に比べて長時間である18時間にして、初め
て肉眼で判定できる阻止円を形成することができた。
【0036】実施例2 黒色物質の利用による細菌検出方法 (1)黒色化培地 薬剤感受性用培地として黒色化した培地を使用して実施
例1に記載の薬剤感受性試験を行った。黒色に着色され
た培地は、表2の1,000mlのミュラ−ヒントン培地に4g
の活性炭を添加することにより作成した。結果を図3に
示す。培養時間が4時間と短いにもかかわらす明瞭な阻
止円を得ることができた。また、実施例1において観察
された阻止円(図2)に比べてさらに明瞭な阻止円を得
ることができた。
【0037】(2)黒色シャ−レ 黒色シャ−レを用いて実施例1に記載の薬剤感受性試験
を行った。黒色シャ−レとして、市販のシャーレを予め
市販の黒色合成樹脂塗料にて外面より塗装したものを使
用した。結果を図4に示す。培養時間が4〜6時間と短い
にもかかわらす明瞭な阻止円を得ることができた。ま
た、実施例1において観察された阻止円(図2)に比べ
てさらに明瞭な阻止円を得ることができた。
【0038】実施例3 光源の違いにおける黒色培地の効果 (1) 実施例1に記載の薬剤感受性試験を行い、得ら
れた阻止円を2種類の光源を用いて観察した。実施例1
に記載の光源(以下、弱い光線という)と20WのTL-2
(オリンパス社)(以下、強い光線という)を光源とし
て使用した。実施例1に記載の弱い光源を使用して得ら
れた結果を図2に示す。
【0039】(2) 実施例2(1)に記載の方法を用い
て、培養条件を39℃、4〜6時間とし、薬剤試験を行っ
た。光源は強い光線を使用した。結果を図5に示す。
【0040】比較結果 活性炭を添加していない培地上の阻止円は、弱い光線の
照射により確認できた(図2)。しかし、同シャーレに
強い光線を照射した場合、ハレーションがおこり阻止円
を確認することはできなかった。一方、阻止円は、弱い
光線(実施例2)及び強い光線の照射のどちらにおいて
も阻止円を明瞭に判定することができた(図3及び
5)。黒色化した培地を用いることにより、黒色化して
いない培地では使用することができなかった光源によっ
ても阻止円が判定できることが分かった。活性炭を添加
した培地を使用すると、光量による判定の容易に変化が
ないという利点がある。
【0041】実施例4 実施例1の方法を用いて、培養温度を37℃、培養時間を
4時間にして薬剤感受性試験を行い、得られた阻止円を
デジタルカメラ(デジタルカメラC-1400L、オリンパス
社)を用いて判定を行った。撮影において使用した光源
は、オ−トモ−ドによるカメラ内蔵フラッシュを用い
た。CCDカメラと比較すると明瞭さが劣るが、阻止円を
観察することができた。結果を図6に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明は、培地表面からの反射光及び培
地表面に存在する細菌からの反射光をデジタル情報とし
て収集することにより、従来肉眼で観察していた時には
判定できなかった細菌の増殖状態を判定することを可能
にした。従って、細菌の培養時間が大幅に短縮された。
【0043】本発明を薬剤感受性試験方法に応用するこ
とにより、従来迅速に行うことができなかった臨床の場
での治療が、速やかに行えるようになった。つまり、感
染患者から分離及び同定した病原性細菌に有用な抗生剤
を迅速に確定し、速やかに患者を治療することが可能に
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画像解析装置の概略を示す。
【図2】 実施例1により得られたシャ−レの画像を示
す。
【図3】 実施例2において黒色着色培地を用いたシャ
−レの画像を示す。
【図4】 実施例2において黒色に着色したシャ−レを
用いたシャ−レの画像を示す。
【図5】 実施例3において黒色に着色された培地を用
いた強い光線により得られたシャ−レの画像を示す。
【図6】 実施例4においてデジタルカメラ及びカメラ
内蔵フラッシュを用いて得られたのシャ−レの画像を示
す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体培地上からの反射光をデジタル情報
    として収集し、培地表面からの反射光のデジタル情報と
    培地表面に存在する細菌からの反射光のデジタル情報と
    の違いを識別することで、細菌の存在状態を判定する方
    法。
  2. 【請求項2】 デジタル情報を、荷電結合素子を用いた
    カメラ又はデジタルカメラにより収集する請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 固体培地が黒色に着色されている請求項1
    又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 固体培地が黒色容器に充填されたもので
    ある請求項1又は2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 得られるデジタル情報を画像としてディ
    スプレー上に表示することで、細菌の存在状態を肉眼に
    より判定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 得られるデジタル情報を画像処理して、
    細菌の存在状態を数値化する請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも表面に細菌が生育する固体培
    地の上に薬剤を置き、所定時間経過後の薬剤による前記
    細菌の生育阻害を請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    方法により判定する、細菌の薬剤感受性試験方法。
  8. 【請求項8】 薬剤がデスクに含有された薬剤である
    請求項7に記載の方法。
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