JPH11343959A

JPH11343959A - 風力発電装置

Info

Publication number: JPH11343959A
Application number: JP15245198A
Authority: JP
Inventors: Kazunori Matsumoto; 一則松本; Kuniaki Miyazono; 邦章宮園; Nobuhiro Nishimoto; 伸広西本
Original assignee: Matsushita Seiko Co Ltd
Current assignee: Panasonic Ecology Systems Co Ltd
Priority date: 1998-06-02
Filing date: 1998-06-02
Publication date: 1999-12-14

Abstract

(57)【要約】【課題】サボニウス形風車を用いた風力発電装置にお
いて、発電効率の向上と設備の簡素化を図ることを目的
とする。【解決手段】回転軸に直角な横断面が曲面の風車翼２
の受風部３となる凹面に続く直線部の流出部４の端辺５
を凹面と逆方向へ巻き上げＳ字形とすることで、強度向
上と気流の出入りに対する抵抗を減少する。また、風車
翼の回転方向と平行な翼端に補強板１１を設け、回転軸
を上回転軸１４および下回転軸１５として両端に設ける
ことで風車翼の空気抵抗を減少し、回転効率を向上する
効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、垂直軸風車でサボ
ニウス形風車を用いた風力発電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の風力発電装置は一例とし
て図１１ないし図１４に示すようなものがある。以下、
その風力発電装置について図を参照しながら説明する。

【０００３】図に示すように、ベース１０１は垂直軸形
の発電機１０２を内蔵した円形の基台であり、その上面
の外周に上方へ向けて複数本の支柱１０３を配置し、頂
部に設けた支柱固定リング１０４で籠形に固定される。
風車１０５は、その回転軸１０６をベース１０１の上面
中央および支柱固定リング１０４の中央に設けた軸受１
０７によって垂直に支持され、その下端は発電機１０２
へカップリング１０８によって連結される。そして風車
１０５は、いわゆるサボニウス風車と呼ばれるもので縦
長の翼板で横断面が半円筒状に湾曲した形状の２枚の風
車翼１０９を回転軸１０６の回転方向に対し１８０度を
なす角度で、その回転中心部において翼の曲面内側が相
対して交差するように配置し、回転軸１０６が貫通する
風車側板１１０に挟み込まれるようにリベットまたはボ
ルトなどの固定具で固定することで形成される。前記翼
板の湾曲は、多くは半円柱型、もしくはバッハ型と呼ば
れる円弧部と直線部からなるものが用いられている。ま
た翼板の材料としては鋼板または繊維強化プラスチック
いわゆるＦＲＰが用いられる場合が多く、ＦＲＰを使用
する場合は一部において図１４に示すようにＦＲＰの翼
外皮１０９Ａの心材に鋼材１０９Ｂを組み込むことで強
度を増している。さらに風力に耐えるために曲面内側の
弦に相当する場所へ補強ステー１１１を取り付けてい
る。

【０００４】上記構成により、風車翼１０９の曲面内側
すなわち凹曲面で風を受け、回転軸１０６の付近でオー
バーラップしている翼板間を抜けて風下へ流れ抜けるこ
とで風車１０５は回転し、発電機１０２を駆動し発電を
行うものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の風力
発電装置では、風車翼１０９の風力を受ける曲面内側の
部分から回転軸１０６付近の翼車間を滑らかに気流を送
ることが風車の効率を向上させるための必要条件であ
り、このことから風車１０５内を貫通する回転軸１０６
は、風車の強度向上に貢献する反面で気流の障害になる
という課題があり、翼車の強度の維持向上を図ると共に
風車効率の向上を図ることを要求されている。

【０００６】また、風力発電装置においては、自然エネ
ルギーを利用するものであるから環境汚染度は無に等し
いが、発電効率が低いという課題があり、効率の向上と
設備費用の低減を図り普及を推進することが要求されて
いる。

【０００７】本発明は、このような課題を解決するもの
であり、翼車間の気流に対する障害をなくし、かつ翼車
の強度を維持向上することができ、また構造を簡単にす
ることのできる風力発電装置を提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の風力発電装置
は、上記目的を達成するために、縦長板状で長辺と直角
な横断面が曲面の風車翼を、回転軸心に対して長辺を平
行に凹曲面を相対して設けた風車と、この風車に回転さ
れる発電機を備え、風車翼の曲面をＳ字形状としたもの
である。

【０００９】本発明によれば、風車に吹き付け風車翼に
当たって風車翼間を通り抜ける風の流通抵抗を低減し風
車効率の向上と、Ｓ字形状により風車翼の強度を向上で
きる風力発電装置が得られる。

【００１０】また、風車翼の翼面に溝状の突起を線状に
設けることにより翼の強度を向上することができる。

【００１１】また他の手段は、風車翼の長手方向翼端に
補強板を設けたもので、これを１つの単位として所要発
電能力に応じて風車翼を直列に連接することで、剛性を
保持しながら長大な風車翼を形成できる。

【００１２】また、風車翼の両端の補強板に回転軸を固
定した風車側板を取り付けて１つの風車としたもので、
風車翼の中を回転軸が貫通しない風車が得られる。

【００１３】また、風車翼の長手方向の両翼端を挟み込
むように固定して風車を構成する風車側板の外側面を皿
状の凹面としたもので、風車翼へ流れ込む気流の整流が
でき、かつ風車の上下を通過していた空気を積極的に風
車内に取り込むことができる。

【００１４】また、風車翼の回転軸心から遠い曲面の受
風部の長手方向翼端を、所定寸法折り曲げたものであ
り、受風による応力に対抗することができる。

【００１５】また、風車翼の板材を硬質板で断面中空に
形成し、この中空部を発泡樹脂で充填したもので、軽量
で強度を確保できる。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明は、縦長板状で長辺と直角
な横断面が曲面である風車翼を回転軸心に対し前記長辺
を平行に、前記曲面の凹面側が所定部分相対するように
回転方向に対し１８０度をなす角度で設けた風車と、こ
の風車の回転を受けて発電する発電機を備え、前記風車
翼の回転軸心寄りの翼端面を前記凹面側とは逆方向の曲
面とし、翼の水平方向の断面形状をＳ字形状にしたもの
であり、受風側となる凹面部からの気流の出口となる回
転軸心寄りの翼端がラッパ状の曲面となることから空気
流の乱れが抑制され通気抵抗が低減することと、両側の
長辺が互いに逆方向へ曲げられることから空気流を流れ
易くするとともに、曲げおよび圧縮応力に対して強度を
増加する作用がある。

【００１７】また、風車翼の翼面の回転軸心と交差する
方向に一本以上の連続線または断続線による溝形状の突
起を設けたものであり、翼面の回転方向への強度を増加
するという作用を有する。

【００１８】また、風車翼の長手方向翼端の回転中心と
交差する面となる側面に補強板を固定したものを一つの
単位とし、これを単体または複数段に組み合わせ一つの
風車としたもので、補強板が翼板の変形を阻止し全体的
な強度をあげる作用を有する。

【００１９】また、両方の補強板に回転軸を設けること
で風車翼の間を貫通する回転軸が無くなり、気流抵抗が
大幅に減少するという作用がある。

【００２０】また、風車翼の回転軸心と交差する両翼端
に固定される風車側板の外面を凹面としたものであり、
風車翼内に流入する気流を整流する作用、および風車の
上下を通過していた空気を積極的に風車内へ導入する作
用がある。

【００２１】また、風車翼の受風部側の長手方向翼端を
背面へ所定寸法折り曲げたものであり、風圧による曲げ
に対する強度が増加する作用がある。

【００２２】また、翼板は硬質の金属板等で断面中空に
形成し、この中空をウレタンフォーム等で充填したもの
であり、軽量で強度が向上するという作用がある。

【００２３】以下、本発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。なお、従来例と同一部分については
同一符号を付し詳細な説明は省略する。

【００２４】

【実施例】（実施例１）図１および図２に示すように、
円形の基台であるベース１０１は垂直軸形の発電機１０
２を内蔵し、その上部に４本の支柱１０３と支柱固定リ
ング１０４で籠形の枠を形成し、その中に垂直軸のサボ
ニウス形と呼ばれる風車１を収める。風車１は回転軸１
０６をベース１０１と支柱固定リング１０４に設けた軸
受１０７で支持され、カップリング１０８によって発電
機１０２と連結する。

【００２５】風車１の２枚の風車翼２は回転軸心に平行
して縦長で、その回転軸心に直角な断面形状が一端を直
線とした樋状の曲面で、その樋状の凹面側が受風部３
で、その凹面に続く一端の直線部が受けた気流の流出部
４となるがこの端辺５は受風気流に接しているので凹面
とは逆方向へ巻き上げている。そして回転軸１０６の回
転方向に対し１８０度をなす角度で、その回転中心にお
いて流出間隙６を設けて流出部４が対向して重なるよう
に配置し、円盤状の風車側板１１０で上下の端部を挟み
回転軸に固定する。固定方法としてはボルト、リベット
あるいは溶接等を箇所に合わせて適宜使用される。本実
施例においては風車１の外径が１．２メートル、高さが
３．２メートルで風車翼２は厚さ２ミリメートルのアル
ミ合金板を用いて構成される。

【００２６】上記構成において、風が吹くと、風車翼２
に矢印のように気流を受け、この２枚の翼に発生する抗
力差により回転力を生じさせ、発電機１０２を駆動し発
電する。

【００２７】ここで、直線でオーバーラップする流出間
隙６と背面側へ巻き上げている端辺５で、オーバーラッ
プ間を空気が滑らかに流出入できるようにすることで、
風車１の風下で空気の渦ができるのを抑制し、効率の向
上を図ることが可能である。

【００２８】また、自然風を利用するものであるから、
突風や台風のように常用風速を大きくかけ離れる場合が
あるが、端辺５の巻き上げによって流出部４の直線部分
が補強され耐風速性能の向上を図っている。

【００２９】なお、本実施例において風車は縦形として
いるが横形としても作用効果に変わりはないものであ
る。

【００３０】（実施例２）図３および図４は翼面補強を
施した風車翼８を示す。図において風車翼８は凹曲面側
に所定の間隔で、回転軸心と直角な方向へ突条９を全面
に設けたものであり、翼面にかかる捩り外力に対する補
強と、翼面を流れる気流の整流効果があり、同形同寸同
物質における突条９の有無による強度の向上、および整
流効果による効率の向上が図れる。

【００３１】（実施例３）図５は翼板の回転軸心と直角
な両端部に補強板を設けた風車翼１０を示す。図におい
て風車翼１０は回転軸心に直角な両端へ、その湾曲と弦
を覆う補強板１１を溶接等の方法で固定したものであ
る。そして補強板１１には接続穴１２が所定の位置に複
数個設けたものとしている。

【００３２】上記構成において、発電機１０２の能力に
応じて複数の風車翼１０の補強板部を重ねて接続穴１２
をリベットかしめあるいはねじ締めすることで、所要の
風車を得ることができるものである。この構造の風車は
補強板１１が強度的には翼面の曲げや捩りに対しての耐
力が高く、性能的には補強板１１が翼凹面の気流に対す
る整流効果がある。

【００３３】（実施例４）図６は回転軸を風車の両端に
分割し、回転軸心をあわせて取り付けた風車１３を示
す。図において強化構造の風車翼１０を、上回転軸１４
または下回転軸１５を固定した風車側板１１０をそれぞ
れ補強板１１にねじ等の固定具で取り付けた構成とした
ものである。

【００３４】上記構成において、対向する２枚の風車翼
１０の間に介在する回転軸が無くなり、気流の抵抗が減
少する。

【００３５】（実施例５）図７は浅い皿型の風車側板１
６を示すもので、風車内に流出入する気流を整流、およ
び風車内へ積極的に空気流を導入する。これは、鋼板ま
たはアルミニウム板等で製作された円盤の縁に絞り加工
等により、前記風車側板１６に皿型の曲げ加工を施した
ものである。

【００３６】上記構成により、風車内に滑らかに空気流
が導け、また以前は風車の上下を通過していた空気流を
積極的に風車内に取り込むことが可能となる。

【００３７】（実施例６）図８は受風部３を補強した風
車翼２を示す。すなわち受風部３の長手端部１７を所定
寸法凹面の背面側へ折り返すことにより、風圧による繰
り返し座屈応力に対抗し折り返し端部１８の変形を防ぐ
ことができるものである。

【００３８】なお、折り返しは曲面でもよい。（実施例７）図９は特に大型の風車翼の構造を示すもの
であり、図において、風車翼１９は、硬質アルミ合金あ
るいはステンレス鋼の板材で中空に形成される翼外皮２
０と、その翼外皮２０の中空部２１を硬質ウレタンフォ
ーム等の発泡合成樹脂で充填して構成する。そして翼外
皮２０は図１０のように凹曲面側とその背面側の２枚に
プレス加工により形成され所定の空間を設けてその端部
外周を溶接あるいはドックスかしめ等の加工方法で形成
されるものである。

【００３９】このような構造の風車翼１９は軽量で強度
が高いことから比較的大型の風車に適し、羽根質量の軽
量化による起動特性の改善が図れる。

【００４０】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によれば、風車翼の回転方向と平行な断面形状をＳ字形
状とすることにより、翼面を通る空気流の抵抗減少と共
に風圧に耐える曲げ強度の向上と、風車翼の翼端に補強
板を設けることで風車の両端に回転軸を固定することが
でき、風車の中を貫通する回転軸が無くなり気流抵抗が
大幅に減少することから、構造を簡素にしながら強度向
上と空気の流通抵抗を減少することにより効率を向上で
きる効果のあるサボニウス形の風力発電装置を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の構造を示す外観斜視図

【図２】同風車を示す横断面図

【図３】本発明の実施例２の構造を示す斜視図

【図４】同要部斜視図

【図５】本発明の実施例３の風車翼を示す斜視図

【図６】本発明の実施例４の風車を示す斜視図

【図７】本発明の実施例５の風車を示す斜視図

【図８】本発明の実施例６の風車翼を示す斜視図

【図９】本発明の実施例７の風車翼を示す断面図

【図１０】同縦断面図

【図１１】従来の風力発電装置の側面図

【図１２】同平面図

【図１３】同要部斜視図

【図１４】同風車翼の断面図

【符号の説明】

１、１３風車２、８、１０、１９風車翼３受風部４流出部５端辺９突条１１補強板１４上回転軸１５下回転軸１６風車側板１７長手端部１８折り返し端部２０翼外皮２１中空部１０２発電機１０６回転軸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】縦長板状で長辺と直角な横断面が曲面であ
る風車翼を回転軸心に対し前記長辺を平行に、前記曲面
の凹面側が所定部分相対するように回転方向に対し１８
０度をなす角度で設けた風車と、この風車の回転を受け
て発電する発電機を備え、前記風車翼の回転軸心寄りの
翼端面を前記凹面側とは逆方向の曲面とし、翼の水平方
向の断面形状をＳ字形状にしたことを特徴とする風力発
電装置。
【請求項２】風車翼の回転軸心と交差する方向に一本以
上の連続線または断続線による溝形状の突起を設けたこ
とを特徴とする請求項１記載の風力発電装置。
【請求項３】風車翼の長手方向の翼端の回転軸心と交差
する面となる側面に補強板を固定したものを１つの単位
とし、これを単体または複数段に組み合わせて１つの風
車としたことを特徴とする請求項１または２記載の風力
発電装置。
【請求項４】風車翼の両端の補強板に回転軸を固定した
風車側板を取り付けて１つの風車としたことを特徴とす
る請求項１、２または３記載の風力発電装置。
【請求項５】風車翼の長手方向の回転軸心と交差する両
翼端を挟み込むように固定して風車を構成する風車側板
の外側面を皿状の凹面としたことを特徴とする請求項
１、２、３または４記載の風力発電装置。
【請求項６】風車翼の回転軸心から遠い曲面の受風部の
長手方向翼端を所定の寸法で折り曲げたことを特徴とす
る請求項１、２、３、４または５記載の風力発電装置。
【請求項７】風車翼の翼板は硬質の板材で断面が中空に
形成され、前記中空の内部を発泡樹脂で充填したことを
特徴とする請求項１、２、３、４、５または６記載の風
力発電装置。