JPH11342699A - 塗膜転写具 - Google Patents

塗膜転写具

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JPH11342699A
JPH11342699A JP10687499A JP10687499A JPH11342699A JP H11342699 A JPH11342699 A JP H11342699A JP 10687499 A JP10687499 A JP 10687499A JP 10687499 A JP10687499 A JP 10687499A JP H11342699 A JPH11342699 A JP H11342699A
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JP
Japan
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coating film
film transfer
tape
reel
winding
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Application number
JP10687499A
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English (en)
Inventor
Shigeru Tamai
繁 玉井
Masatoshi Shintani
全利 新谷
Kakuhei Koyama
格平 小山
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SEED RUBBER KOGYO KK
Original Assignee
SEED RUBBER KOGYO KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H37/00Article or web delivery apparatus incorporating devices for performing specified auxiliary operations
    • B65H37/002Web delivery apparatus, the web serving as support for articles, material or another web
    • B65H37/005Hand-held apparatus
    • B65H37/007Applicators for applying coatings, e.g. correction, colour or adhesive coatings

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  • Adhesive Tape Dispensing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の減少および装置構造の簡素化を図
ることができる構造のテープ巻戻し機構を備えた自動巻
取り式の塗膜転写具を提供する。 【解決手段】 クラッチ機構8は、塗膜転写テープTを
巻装した繰出リール10において、塗膜転写テープTを
巻回するテープ巻回部12と、テープ巻回部12を回転
駆動する駆動側回転歯車20との間のスラスト荷重によ
る摩擦力を利用するとともに、これら両部12、20間
の回転トルク差により断続される構成を備える。繰出リ
ール10と巻取リール11間における塗膜転写テープT
の弛みを解消除去するテープ巻戻し機構9は、繰出リー
ル10に一体形成されてなり、従来の同様な巻戻し機構
に比較して、部品点数の減少および装置構造の簡単化が
図られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗膜転写具に関し、
さらに詳細には、塗膜転写テープ上の修正塗料層、粘着
材層等の塗膜を紙面等に転写するとともに、使用後の塗
膜転写テープを自動的に回収する構成を備えた塗膜転写
具において、繰出リールと巻取リール間における塗膜転
写テープの弛みを解消除去するためのテープ巻戻し機構
を備えた塗膜転写具に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の塗膜転写具は、片手による手持
ち操作可能なケース内に、塗膜転写テープを巻装した繰
出リールと使用後の塗膜転写テープを回収する巻取リー
ルとが回転可能に設けられるとともに、上記ケースの先
端部に、上記塗膜転写テープを被転写部上に加圧する塗
膜転写用ヘッドが突設されてなる。また、上記両リール
は、連動部により相互に連動可能に連係された自動巻取
り式とされている。
【0003】そして、この塗膜転写具が誤字等を修正す
るための字消し具として使用される場合、上記ケースを
片手で把持して、上記ヘッドの加圧部により塗膜転写テ
ープを被修正部分(被転写部)に密着状に押し付けなが
ら、ケースを所定方向へ移動させる。これにより、上記
ヘッドの加圧部における塗膜転写テープの修正塗料層
は、上記被修正部分に塗着されて文字等が消されるとと
もに、使用後の塗膜転写テープが巻取リールに自動的に
巻取り回収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
自動巻取り式の塗膜転写具においては、操作者による操
作ミス等に起因して、上記繰出リールと巻取リール間に
おける塗膜転写テープの弛みを生じる場合がある。この
弛みは、後の操作を円滑かつ確実に行うためにも解消し
ておく必要があり、この目的のためテープ巻戻し機構を
備える塗膜転写具を種々提案されている。
【0005】しかしながら、従来のテープ巻戻し機構は
いずれも、テープ巻戻し用の操作部材を、他の基本構成
部材に対して別体で組み合わせた構造のものであり、そ
の結果、部品点数の増加および装置構造の複雑化を招
き、加工工数が多くかつ組立作業に手間がかかるなど、
製作コストの低減化の障害となっていた。
【0006】この発明はかかる従来の問題点に鑑みてな
されたものであって、その目的とするところは、自動巻
取り式の塗膜転写具において、基本構成部材に一体に設
けることによって、部品点数の減少および装置構造の簡
素化を図ることができる安価な構造のテープ巻戻し機構
を備えた塗膜転写具の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の塗膜転写具は、片手による手持ち操作可能
な形状寸法を備えるケースと、このケース内に回転可能
に設けられ、塗膜転写テープを巻装した繰出リールと、
前記ケース内に回転可能に設けられ、使用後の塗膜転写
テープを回収する巻取リールと、これら両リールを相互
に連動可能に連係する連動部と、前記ケースの先端部に
突設され、前記塗膜転写テープを被転写部上に加圧する
塗膜転写用ヘッドと、前記繰出リールにおいて、塗膜転
写テープを巻回するテープ巻回部と、このテープ巻回部
を回転駆動する回転駆動部との間のスラスト荷重による
摩擦力を利用するとともに、これら両部間の回転トルク
差により断続される構成を備えるクラッチ機構と、前記
繰出リールに一体形成されて、前記両リール間における
塗膜転写テープの弛みを解消除去するテープ巻戻し機構
とを備えてなることを特徴とする。
【0008】このテープ巻戻し機構を備えた塗膜転写具
には、塗膜転写テープの消耗により廃棄される使い切り
タイプの構成を備えるものと、塗膜転写テープを消耗品
として交換可能なリフィルタイプの構成を備えるものと
がある。
【0009】本発明の塗膜転写具においては、繰出リー
ルと巻取リール間における塗膜転写テープに弛みを生じ
た場合、テープ巻戻し機構の巻戻し操作部をケース外部
から回転操作することにより、塗膜転写テープの弛みを
簡単に解消除去することができる。
【0010】テープ巻戻し機構は、前記繰出リールにお
いて、塗膜転写テープを巻回するテープ巻回部に一体形
成されることにより、部品点数の減少および装置構造の
簡単化が図られている。
【0011】また、巻取リールの巻取速度が繰出リール
の繰出速度に比較して経時的に速くなって、これらの同
期が崩れる結果、塗膜転写テープを巻回するテープ巻回
部に作用する回転トルクが大きくなるが、クラッチ機構
により、テープ巻回部が回転駆動部に対して滑り回転し
て、前記両者間の回転トルク差が解消されて、繰出速度
が前記巻取速度に同期されることとなる。
【0012】このクラッチ機構が、繰出リールに加えて
巻取リールにも設けられると、テープ巻戻し機構による
巻戻し操作の際に、塗膜転写テープに過度の張力が作用
するのを有効に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0014】実施形態1 本発明に係る塗膜転写具を図1ないし図7に示し、この
塗膜転写具1は、具体的には誤字等を修正するための字
消し具として使用されるものであって、片手による手持
ち操作可能なケース2内に、テープ駆動部D、交換可能
なテープカートリッジCおよび塗膜転写用ヘッドHを主
要部として備えてなる。
【0015】ケース2は、射出成形等により成形された
プラスチック製で、偏平な箱の形態とされている。この
ケース2は、上記テープ駆動部Dとテープカートリッジ
Cを内装し得る正面輪郭形状と寸法を備えるとともに、
ケース本体3と蓋体4とからなる分解可能な構造とされ
ており、ケース本体3に上記構成部D,C,Hが設けら
れている。ケース2の偏平表裏面2a,2bは、図5に
示すように、手持ち操作時の把持面を形成する。また、
後述するように、蓋体4には巻戻し操作用の操作穴38
が開口されている。
【0016】テープ駆動部Dは、図2,図3および図5
に示すように、繰出リール10を回転駆動する繰出回転
部5、巻取リール11を回転駆動する巻取回転部6、こ
れら両回転部5,6を連動させる連動部7、クラッチ機
構8およびテープ巻戻し機構9を主要部として備えてな
る。
【0017】繰出回転部5は、上記連動部7を構成する
駆動側回転歯車20と、クラッチ機構8およびテープ巻
戻し機構9の主要部を構成する被動部材21とを備え
る。
【0018】駆動側回転歯車20の中空の回転軸部20
aは、ケース本体3の内側面に起立状に設けられた中空
支軸22に、自由回転可能に軸支されている。この中空
支軸22の先端には、回転軸部20aの抜けを防止する
ための抜止め部22aが設けられている。また、回転軸
部20aの先端は閉塞されて、中空支軸22を外部に対
して隠蔽する構造とされている。
【0019】上記被動部材21は、後述する繰出リール
10のドラム部45と共にテープ巻回部12を形成する
中空円筒状のもので、図6に示すような構造とされてい
る。この被動部材21は、上記駆動側回転歯車20の回
転軸部20aに自由回転可能に設けられるとともに、そ
の外周部には、図示のごとく、セレーション、スプライ
ン等の歯形係合部21aが形成されている。上記回転軸
部20aの先端には、被動部材21の抜けを防止するた
めの抜止め部20bが設けられている。
【0020】巻取回転部6は、上記連動部7を構成する
従動側回転歯車23を備え、この回転歯車23の中空の
回転軸部23aは、ケース本体3の内側面に起立状に設
けられた中空支軸24に、自由回転可能に軸支されてい
る。この中空支軸24の先端には、回転軸部20aの抜
けを防止するための抜止め部24aが設けられている。
回転軸部23aの外周部には、セレーション、スプライ
ン等の歯形係合部25が形成されている。また、蓋体4
の内側面には、上記中空支軸24に対応して支持突起4
aが形成されており、これが中空支軸24の自由端を嵌
挿支持する。
【0021】上記連動部7は、上記駆動側回転歯車20
と従動側回転歯車23からなり、これらが所定の歯車比
をもって噛合されている。これにより、巻取回転部6
は、常に一定の回転比をもって上記繰出回転部5に連動
回転される。なお、この回転比つまり上記両歯車20,
23の歯車比は、後述する繰出リール10と巻取リール
11における塗膜転写テープTの巻取径を考慮して、塗
膜転写テープTの繰出しおよび巻取りが円滑に行われる
ように適宜設定される。
【0022】クラッチ機構8は、後述する繰出リール1
0と巻取リール11における塗膜転写テープTの繰出速
度と巻取速度を同期させるものであって、上記繰出回転
部5に設けられている。
【0023】このクラッチ機構8の具体的構成は図4に
示されており、上記駆動側回転歯車20と被動部材21
との間に介装された摩擦部材30を主要部として備えて
いる。
【0024】この摩擦部材30はエラストマー製Oリン
グからなり、具体的には断面円形状とされたシリコンゴ
ム製である。このOリング30は、回転駆動部である上
記駆動側回転歯車20と、テープ巻回部12である上記
被動部材21との間の動力伝達部を構成する。Oリング
30は上記両部材20,21の対向する軸方向端面間に
弾発的に介装されて、これら三者は互いに摩擦係合状態
で接触している。この目的のため、駆動側回転歯車20
における回転軸部20aの外周部分には、平坦な係合面
31aを有する凹所31が形成されるとともに、被動部
材21の下端面も平坦な係合面21bとされ、これら両
係合面31a,21bに上記Oリング30が弾発的に摩
擦係合されている。
【0025】したがって、上記クラッチ機構8の動力伝
達は、上記係合面31a,21b間に作用するスラスト
荷重による摩擦力が利用されることとなり、この摩擦力
は、主として上記係合面31a,21b間の距離寸法
と、上記Oリング30の断面径寸法とを適宜調整するこ
とで最適値に設定される。
【0026】また、例えば上記凹所31内に位置規制部
32(図4の2点鎖線参照)が設けられて、上記両係合
面31a,21b間の距離を設定値内に抑える構造とし
ても良い。このような構造とすることにより、Oリング
30が過度に圧縮変形されるような事態を有効に防止で
き、クラッチ機構8は常に安定した摩擦力をもって機能
することが可能となる。特に、上記被動部材21が後述
するテープ巻戻し機構9の操作部を兼ねている点を考慮
すると、Oリング30に過度のスラスト荷重が加わる可
能性があるため、上記位置規制部32が設けられること
が望ましい。
【0027】なお、Oリング30の内外径寸法は、駆動
側回転歯車20の回転軸部20aへの挿通が可能で、か
つ上記両係合面31a,21bとの接触可能範囲内で適
宜設定される。したがって、例えばOリング30の内径
寸法を上記回転軸部20aの外径寸法に対して若干大き
くすることにより、Oリング30の回転軸部20a外周
部つまり上記凹所31への組込みが容易かつ円滑に行え
る。
【0028】また、図5に示すように、巻取り回転部6
には、上記両リール10,11の逆回転を防止する逆転
防止機構35が設けられている。この逆転防止機構35
は、上記従動側回転歯車23に設けられた係止爪35a
と、上記ケース本体3の内側面に中空支軸24と同心の
環状に設けられた多数の逆転防止爪35b,35b,…
とからなる。これにより、上記両リール10,11が矢
符方向へ回転しようとすると、上記係止爪35aは逆転
防止爪35b,35b,…を弾性変形しながら乗り越え
て、その正回転を許容する。一方、上記両リール10,
11が矢符方向と反対方向へ回転しようとすると、上記
係止爪35aは逆転防止爪35b,35,…のいずれか
一つに係合して、その逆回転を阻止する。なお、この逆
転防止機構35は上記駆動側回転歯車20に設けられて
もよい。
【0029】テープ巻戻し機構9は、繰出リール10と
巻取リール11間における塗膜転写テープTの弛みを解
消除去するものであって、繰出リール10のテープ巻回
部12に設けられている。
【0030】具体的には、前述したように、中空円筒状
の被動部材21を主要構成部品として備え、この被動部
材21の先端部36が延設されるとともに、この中空端
縁に巻戻し操作部37が一体形成されてなる。
【0031】この巻戻し操作部37は、ケース2の蓋体
4に形成された前記操作穴38を介して、ケース2の外
部へ臨んでいる。巻戻し操作部37は、ケース2の表面
つまり把持面2aとほぼ面一または低くなるように設定
されている(図4参照)。巻戻し操作部37は図6に示
すような操作溝の形態とされ、この操作溝37に硬貨等
の板状操作部材39が係脱可能に係合される。
【0032】図示の場合、先端部36が中空円筒状であ
るため、その一直径線上の端縁に設けられた一対の溝部
37a,37aから操作溝37が形成されている。溝部
37a,37aの深さ寸法は、回転軸部20aの先端部
分の高さ位置を考慮して、操作部材39が係合可能な範
囲で設定される。操作溝37の配設数は、適宜増加する
ことができる。なお、前述したように、塗膜転写具1の
外観を考慮して、回転軸部20aの先端部分により中空
支軸22が外部に対して被覆隠蔽されている。
【0033】また、上記操作溝37に対応して、蓋体4
の操作穴38の内周面は、図4に示すごとくテーパ面に
形成されて、操作部材例えば硬貨39を、ケース外部か
ら操作溝37に対して係合操作し得るように構成されて
いる。
【0034】テープカートリッジCは消耗品として交換
可能な構成部品であり、その具体的構成が図2、図3お
よび図5に示されている。テープカートリッジCは、平
板状の薄肉板材からなる支持基板40に、上記繰出リー
ル10と巻取リール11が回転可能に設けられてなり、
図2および図3に示すように、上記ケース本体3のテー
プ駆動部Dに取外し可能に装着される。
【0035】上記繰出リール10および巻取リール11
はそれぞれ、上記塗膜転写テープTを巻回する中空のド
ラム部45,46を備えてなる。
【0036】これらドラム部45,46はそれぞれ、そ
の支持端が上記支持基板40に回転可能に支持されてい
る。また、ドラム部45,46の内周部には、セレーシ
ョン、スプライン等の歯形係合部45a,46aが、上
記被動部材21の歯形係合部21aと上記従動側回転歯
車23の回転軸部23aの歯形係合部25にそれぞれ対
応して設けられている。
【0037】そして、繰出リール10のドラム部45
は、上記歯形係合部45a,21aを介して、上記被動
部材21に係脱可能に係合されて軸支されることによ
り、この被動部材21と回転方向に一体となって上記テ
ープ巻回部12を形成する。一方、巻取リール11の中
空のドラム部46は、上記歯形係合部46a,25を介
して、上記回転軸部23aに係脱可能に係合されて軸支
されることにより、回転軸部23aと一体回転可能に装
着される。
【0038】上記繰出リール10のドラム部45外周に
は、上記塗膜転写テープTが巻装されており、その繰出
し側の先端が上記巻取リール11のドラム部46外周に
接続されている。この塗膜転写テープTとしては、例え
ば、ポリエステルフィルム、アセテートフィルム等のプ
ラスチック製、あるいは紙製などのフィルム状基材(厚
さ25〜38μm程度)の片面に、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、低分子ポリエチレン等の剥離剤層が形
成され、その上に白色の修正塗料層が形成され、さらに
その上に加圧接着性を有するポリウレタン等の粘着剤
(感圧接着剤)層が施されてなる構造(具体的構造は図
示省略)のものが用いられている。上記修正塗料層は、
転写後直ちにその上から筆記が可能ないわゆるドライタ
イプのものが採用されている。
【0039】また、上記繰出リール10のドラム部45
の自由端はそのまま開放端とされる一方、上記巻取リー
ル11のドラム部46の自由端には、テープ走行用案内
フランジ47が設けられている。
【0040】上記両リール10,11の支持基板40上
での配置は、図2に示すように、これらのドラム部4
5,46が、上記テープ駆動部Dの繰出回転部5および
巻取回転部6に対してそれぞれ同軸状に位置するように
設定されている。
【0041】また、上記リール10,11の装着位置近
傍の支持基板40には、上記塗膜転写テープTを案内す
る一対のガイドピン47,48が起立状にかつ一体的に
設けられている。一方のガイドピン47は、繰出リール
10から繰り出される塗膜転写テープTを案内するため
のものであり、他方のガイドピン48は、巻取リール1
1に巻き取られる塗膜転写テープT´を案内するための
ものであり、ガイドピン48には、鍔付きのガイドロー
ラ49が自由回転可能に軸支されている。
【0042】しかして、上記テープカートリッジCは、
図2および図3に示すように、上記リール10,11を
テープ駆動部Dの両回転部5,6にそれぞれ上側から係
合させながら、上記支持基板40をこれら両回転部5,
6上に載置させる。これにより、両リール10,11
は、上記両回転部5,6にそれぞれ取外し可能にかつ一
体回転可能にワンタッチでセットされる。一方、上記支
持基板40をそのまま上側へ持ち上げることにより、上
記両リール10,11は、両回転部5,6からワンタッ
チで容易に取り外すことができる。
【0043】塗膜転写用ヘッドHは、塗膜転写テープT
を紙面上の誤字等の被修正部分(被転写部)上に加圧す
るものであって、上記ケース2の円筒先端部50に、そ
の軸心まわりに回転可能に取り付けられている。この円
筒先端部50は、ケース本体3と蓋体4の円筒半割部が
合体して構成される。
【0044】上記ヘッドHは、ある程度の弾性を有する
プラスチック製である。このヘッドHの先端側部分は、
図1に示すように、塗膜転写テープTよりも若干幅広い
薄板状のもので、先端に向けて次第に薄くなるようなテ
ーパ形状断面を有するとともに、その先端Haが塗膜転
写テープTを加圧する加圧部とされている。また、この
ヘッドHの先端側部分の両側縁には、塗膜転写テープT
の走行を案内するガイドフランジHb,Hbが形成され
ている。
【0045】上記ヘッドHの基端側部分は、半円形状断
面を有する半円筒状とされて、上記ケース2の円筒先端
部50に回転可能に軸支されている。51はヘッドHの
基端に設けられた軸方向位置決め用の円弧状フランジを
示し、このフランジ51が上記円筒先端部50の環状溝
52に回転可能に嵌合されている。
【0046】上記テープカートリッジCが上記テープ駆
動部Dにセットされた状態において、塗膜転写テープT
は、図1に示すように、繰出リール10から繰り出され
た後、ガイドピン47を介して上記ヘッドHの加圧部H
aを経由して反転され、さらにガイドピン48を介して
巻取リール11に巻回される。
【0047】これに関連して、具体的な構成は図示しな
いが、円筒先端部50に取外し可能に取り付けられるキ
ャップ部材53を回転操作することにより、上記ヘッド
Hは、図示される使用位置(横引き操作位置)と、これ
に直交する塗膜転写テープ交換位置(兼縦引き操作位
置)に選択的に位置決め可能とされている。
【0048】前者の使用位置においては、上記ヘッドH
の加圧部Haは、塗膜転写テープTを上記ケース2の把
持面2a,2bに対しほぼ正対させて、つまり、塗膜転
写テープTの表裏面が上記把持面2a,2bとほぼ同一
方向に向く(平行する)ように、塗膜転写テープTを案
内する。一方、後者の塗膜転写テープ交換位置において
は、上記ヘッドHの加圧部Haは、塗膜転写テープTを
上記繰出リール10と巻取リール11の巻回姿勢のま
ま、つまり、塗膜転写テープTの表裏面が上記把持面2
a,2bとほぼ垂直な方向に向く(直交する)ように、
塗膜転写テープTを案内する。
【0049】しかして、以上のように構成された塗膜転
写具1において、後述する塗膜転写用ヘッドHの加圧操
作により、塗膜転写テープTに加わる引張力(図1の矢
符A方向)が、繰出リール10に回転トルクとして作用
すると、この繰出リール10のテープ巻回部12、さら
にはクラッチ機構8を介して駆動側回転歯車20が回転
する。この回転力は、連動部7により従動側回転歯車2
3さらには巻取リール11を連動して回転させ、これが
使用後の塗膜転写テープT´を自動的に巻き取る。
【0050】この場合、駆動側回転歯車20と従動側回
転歯車23の回転比(連動部7の歯車比に対応)が常に
一定であるのに対して、繰出リール10における塗膜転
写テープTの外径と、巻取リール11における塗膜転写
テープT´の外径との比は経時的に変化して一定しな
い。つまり、使用につれて繰出リール10における塗膜
転写テープTの外径は次第に小さくなるのに対して、巻
取リール11における塗膜転写テープT´の外径は逆に
大きくなっていく。
【0051】このため、巻取リール11の巻取速度は、
繰出リール10の繰出速度に比較して経時的に速くなっ
ていき、これら両速度の同期が崩れて、繰出リール10
に作用する回転トルクも次第に大きくなる。すると、こ
の回転トルクがクラッチ機構8の摩擦力に打ち勝って、
テープ巻回部12が駆動側回転歯車20に対して滑り回
転する結果、上記両リール10,11間の回転トルク差
が解消されて、上記繰出速度が巻取速度に同期されるこ
とになり、塗膜転写テープTの円滑な走行が確保され
る。
【0052】前述したように、上記クラッチ機構8にお
ける動力伝達は、上記テープ巻回部12と駆動側回転歯
車20の間のスラスト荷重による摩擦力を利用するもの
であるから、クラッチ機構8の構成は、構成部材20,
21,30相互間のスラスト方向の関係寸法を適宜調整
することで、上記摩擦力を最適値に設定することができ
る。
【0053】また、操作者による操作ミス等に起因し
て、繰出リール10と巻取リール11間における塗膜転
写テープTに弛みを生じた場合、テープ巻戻し機構9の
操作溝37をケース2外部から巻戻し方向へ回転操作
(図1(b) の矢符B方向への回転)して、塗膜転写テー
プTの弛みを解消除去する。
【0054】この場合、操作溝37を介して被動部21
に加えられる巻戻し方向Bの回転力は、歯形係合部21
a、45aを介してドラム部45へ伝達されて、ドラム
部45が巻戻し方向Bへ回転する。一方、逆転防止機構
35による逆回転阻止力とクラッチ機構8の作用によ
り、テープ駆動部Dの回転歯車20,23さらには巻取
リール11のドラム部46は停止状態にある。これによ
り、上記両リール10,11間における塗膜転写テープ
Tの弛みが解消除去されることとなる。
【0055】また、本実施形態に係る塗膜転写具1にお
いては、ヘッドHを前述した横引き操作位置と縦引き操
作位置の2位置のいずれか一方に位置決め選択すること
により、欧文のような横書き文章の一部を修正する場合
に適した横引き使用や、あるいは、和文のような縦書き
文章の一部を修正する場合に適した縦引き使用が可能で
ある。
【0056】例えば、前者の横引き使用に際しては、図
7に示すように、ケース2の把持面2a,2bを手指に
て筆記具を持つ姿勢で把持する。そして、この把持姿勢
で、上記ヘッドHの加圧部Haを誤字等の修正すべく紙
面上の被修正部分(被転写部)60の開始端(左端)に
当てて、そのままケース2を横方向つまり紙面等に対し
て右方向へ移動させ、被修正部分60の終端(右端)で
停止させる。
【0057】以上の操作により、上記ヘッドHの加圧部
Haにおける塗膜転写テープTの修正塗料層(白色)
が、上記フィルム状基材から剥離して上記被修正部分6
0上に転写被覆される。これにより、誤字等が消される
とともに、この上から正しい文字を直ちに書き入れるこ
とが可能となる。
【0058】実施形態2 本実施形態は図8に示されており、実施形態1における
巻戻し操作部を改変したものである。
【0059】すなわち、本実施形態における巻戻し操作
部57は、手指等により操作可能な滑止め形状を有し、
具体的にはレットパターン等の滑止め凹凸部57a,5
7a,…から構成されている。その他の構成および作用
は実施形態1と同様である。
【0060】実施形態3 本実施形態は図9に示されており、実施形態1のクラッ
チ機構8が若干改変されたものである。
【0061】すなわち、本実施形態のクラッチ機構68
においては、被動部材21の係合面21bが、図9(b)
の断面図に示すように、Oリング30を取り囲むように
形成されている。つまり、上記係合面21bは、駆動側
回転歯車20の係合面31aと平行に対向してOリング
30の上面部に摩擦係合する環状平坦面70aと、駆動
側回転歯車20の回転軸部外周面71に対向してOリン
グ30の外径側面部に摩擦係合する円筒内径面70bと
からなる。
【0062】しかして、上記クラッチ機構68の動力伝
達は、上記環状平坦面70aと係合面31a間に作用す
るスラスト荷重による摩擦力と、上記円筒内径面70b
と上記回転軸部外周面71間に作用するラジアル荷重に
よる摩擦力とが利用されることになる。
【0063】この場合、上記クラッチ機構68の動力伝
達は、あくまでも上記スラスト荷重による摩擦力が主体
であって、上記ラジアル荷重による摩擦力は伝達力調整
用の補足的なものとされ、これにより、より微妙な圧力
調整も可能となる。
【0064】また、被動部材21の円筒内径面70bを
形成する下端部分72は、実施形態1の位置規制部32
と同様に、上記環状平坦面70aと係合面31a間の距
離を設定値内に抑える位置規制部として機能し、Oリン
グ30が上下方向に過度に圧縮変形するのを防止する。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0065】実施形態4 本実施形態は図10に示されており、実施形態1のクラ
ッチ機構8が若干改変されたものである。
【0066】すなわち、本実施形態のクラッチ機構78
においては、被動部材21の係合面21bと駆動側回転
歯車20の係合面31a間に介装される摩擦部材とし
て、プラスチック製摩擦シート80が用いられている。
【0067】この摩擦シート80は、図10(b) に示す
ような薄肉板材が環状に形成されてなるもので、その上
下平坦面が上記両係合面31a,21bにそれぞれ摩擦
係合されている。
【0068】なお、環状摩擦シート80の内外径寸法と
厚さ寸法は、それぞれ実施形態1のOリング30の内外
径寸法と断面径寸法と同様な条件をもって設定される。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
【0069】実施形態5 本実施形態は図11に示されており、実施形態1〜4の
クラッチ機構における摩擦部材が省略されて、被動部材
21と駆動側回転歯車20が直接摩擦係合される構成と
されたものである。
【0070】すなわち、本実施形態のクラッチ機構88
においては、被動部材21と駆動側回転歯車20の対向
する軸方向端面に、第1の係合部89と第2の係合部9
0がそれぞれ形成され、これら両係合部89,90が摩
擦係合されてなる。
【0071】これら係合部89,90は、図11(b) に
示すように、被動部材21および駆動側回転歯車20と
同心状に設けられた複数の環状リブ89a,90aから
構成されてなる。これら環状リブ89a,90aはいず
れも、図11(c) に示すような一対の傾斜面からなる山
形断面を有しており、また、これら対向する環状リブ8
9a,90aの径寸法は、互いに若干異ならせて設定さ
れている。これにより、上記両環状リブ89a,90a
は、図11(c) に示すように、その片側の傾斜面同士が
互いに摩擦接触するように構成されている。
【0072】したがって、上記クラッチ機構88の摩擦
力は、上記両環状リブ89a,90aの接触面積や接触
力を増減させることで圧力調整されるが、この場合、被
動部材21と駆動側回転歯車20の構成材料(例えば、
ABS(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)樹
脂等)の摩擦係数も考慮される。その他の構成および作
用は実施形態1と同様である。
【0073】実施形態6 本実施形態は図12に示されており、実施形態5のクラ
ッチ機構88が若干改変されたものである。
【0074】すなわち、本実施形態のクラッチ機構98
においては、被動部材21の第1の係合部99が平坦面
に形成されるとともに、駆動側回転歯車20の第2の係
合部100が実施形態5の第2の係合部90と同様、複
数の環状リブ100a(図12(b) 参照)からなる。こ
れにより、上記平坦面99と環状リブ100a,100
a,…の先端同士が互いに摩擦接触するように構成され
ている(図12(c) 参照)。
【0075】したがって、上記クラッチ機構98の摩擦
力は、上記環状リブ100aの高さ寸法を増減させるこ
とで圧力調整される。なお、図示しないが、上記両係合
部99、100は、図12に示される構成と逆の構成、
つまり、第1の係合部99が複数の環状リブからなると
ともに、第2の係合部100が平坦面に形成されてもよ
い。その他の構成および作用は実施形態5と同様であ
る。
【0076】実施形態7 本実施形態は図13に示されており、実施形態5のクラ
ッチ機構88が若干改変されたものである。
【0077】すなわち、本実施形態のクラッチ機構10
8においては、被動部材21の第1の係合部109が平
坦面に形成されるとともに、駆動側回転歯車20の第2
の係合部110が、駆動側回転歯車20と同心状にかつ
円周方向へ等間隔をもって形成された、多数の放射状リ
ブ110a(図13(b) 参照)からなる。これにより、
上記平坦面109と放射状リブ110a,110a,…
の先端同士が互いに摩擦接触するように構成されている
(図13(c) 参照)。
【0078】したがって、上記クラッチ機構108の摩
擦力は、実施形態5と同様、上記放射状リブ110aの
高さ寸法を増減させることで圧力調整される。なお、図
示しないが、上記両係合部109、110は、図13に
示される構成と逆の構成、つまり、第1の係合部109
が多数の放射状リブからなるとともに、第2の係合部1
10が平坦面に形成されてもよい。その他の構成および
作用は実施形態5と同様である。
【0079】実施形態8 本実施形態は図14に示されており、実施形態5のクラ
ッチ機構88が改変されたものである。
【0080】すなわち、本実施形態のクラッチ機構11
8においては、被動部材21の第1の係合部119が平
坦面に形成されるとともに、駆動側回転歯車20の第2
の係合部120が、軸方向つまり上下方向に弾性を有す
る複数(図示においては4つ)の係合突起120aから
構成されてなる。
【0081】上記係合突起120aは、具体的には図1
4(b) に示すように、駆動側回転歯車20の回転軸部2
0aの外周部から径方向外方へ延びて形成され、この係
合突起120aは、上記回転軸部20aの外周部に円周
方向へ等間隔をもって配設されている。これに関連し
て、駆動側回転歯車20の回転軸部20aと外周部分と
は、各係合突起120a,120a間に配設された複数
(図示においては4つ)の連結部材121により連結さ
れている。
【0082】しかして、上記平坦面109と係合突起1
20a,120a,…の先端同士が互いに摩擦接触する
ように構成されている(図14(a) 参照)。
【0083】上記クラッチ機構118の摩擦力は、上記
係合突起120aに付与される弾性力を増減させたり、
係合突起120aの配設数を増減することで圧力調整さ
れる。その他の構成および作用は実施形態5と同様であ
る。
【0084】実施形態9 本実施形態は図15に示されており、実施形態5のクラ
ッチ機構88が改変されたものである。
【0085】すなわち、本実施形態のクラッチ機構12
8においては、被動部材21の第1の係合部129が、
軸方向に弾性を有する複数の係合突起129aから構成
されるとともに、駆動側回転歯車20の第2の係合部1
30が、平坦面に形成されてなる。
【0086】上記係合突起129aは、具体的には、上
記被動部材21の下端外周縁から下方へ放射状に突出す
る形態とされるとともに、被動部材21の下端外周縁に
おいて円周方向へ全周にわたり等間隔をもって配設され
ている。
【0087】しかして、これら係合突起129aの先端
と上記平坦面130同士が互いに摩擦接触する構成とさ
れており、上記クラッチ機構118の摩擦力は、上記係
合突起129aに付与される弾性力を増減させたり、係
合突起129aの配設数を増減させることで圧力調整さ
れる。その他の構成および作用は実施形態5と同様であ
る。
【0088】実施形態10 本実施形態は図16に示されており、実施形態9のクラ
ッチ機構128を若干改変したものである。
【0089】すなわち、本実施形態のクラッチ機構13
8においては、被動部材21の第1の係合部139が、
軸方向つまり上下方向に弾性を有する環状の係合フラン
ジとされるとともに、駆動側回転歯車20の第2の係合
部140が、平坦面に形成されてなる。上記係合フラン
ジ139は、具体的には、上記被動部材21の下端外周
縁から下方へ放射状に突出する断面形状を有する円錐状
フランジの形態とされている。
【0090】しかして、これら係合フランジ139の先
端と上記平坦面140同士が互いに摩擦接触する構成と
されており、上記クラッチ機構138の摩擦力は、上記
係合フランジ139の突出長さ寸法や傾斜角度等を変更
することで圧力調整される。その他の構成および作用は
実施形態9と同様である。
【0091】実施形態11 本実施形態は図17に示されており、実施形態1〜10
のようなリフィルタイプの構成を備えるものに対して、
塗膜転写テープTの消耗により廃棄される使い切りタイ
プの構成を備えるものである。
【0092】すなわち、本実施形態の塗膜転写具におい
ては、ケース2内に、繰出リール10と巻取リール11
がそれぞれ回転可能に設けられるとともに、これら両リ
ール10,11に自動巻取り機構が備えられてなる。
【0093】具体的には、前述の各実施形態において
は、繰出リール10のテープ巻回部12が被動部材21
とドラム部45からなる分割構造であったが、本実施形
態においては図示のごとく一体ものとされて、このテー
プ巻回部12が、駆動側回転歯車20の回転軸部20a
に自由回転可能に設けられている。また、上記テープ巻
回部12の支持端側には、テープ走行用案内フランジ1
50が一体的に設けられている。この案内フランジ15
0は、駆動側回転歯車20の上面に摺接されて、クラッ
チ機構8の両係合面31a,21b間の距離を設定値内
に抑える位置規制部としても機能する。
【0094】一方、前述の各実施形態においては分割構
造であった、巻取リール11のドラム部46と従動側回
転歯車23の回転軸部23aも、本実施形態においては
図示のごとく一体ものとされて、巻取リール11と従動
側回転歯車23が一体に形成されている。また、巻取リ
ール11の支持端側にも、テープ走行用案内フランジ1
51が一体的に設けられており、この案内フランジ15
1は、駆動側回転歯車20の上面に摺接される構成とさ
れている。
【0095】図示しないが、塗膜転写用ヘッドHは、前
述したように、ケース2の円筒先端部50に、その軸心
まわりに回転可能に取り付けられていても、あるいは固
定的に取り付けられていてもよい。また、塗膜転写用ヘ
ッドHの回転方向の取付け角度も、目的に応じて、つま
り横引き使用の塗膜転写具1にあっては、図1および図
7に示すような横引き操作位置とされ、一方、縦引き使
用の塗膜転写具1にあっては、上記横引き操作位置に直
交する縦引き操作位置とされる。その他の構成および作
用は、実施形態1と同様である。
【0096】実施形態12 本実施形態は図18および図19に示されており、実施
形態1の塗膜転写具の構成において、巻取回転部6にも
クラッチ機構158が設けられたダブルクラッチ式とさ
れたものである。
【0097】このクラッチ機構158の具体的構成は、
繰出回転部5のクラッチ機構8と同様とされている。す
なわち、従動側回転歯車23の回転軸部23aと巻取リ
ール11のドラム部46との間に、被動部材159が介
装されて、この被動部材159とドラム部46により巻
取リール11のテープ巻回部160が構成されている。
上記回転軸部23a、被動部材159およびドラム部4
6相互の連結構成は、上記クラッチ機構8のものと同様
で、上記被動部材159と従動側回転歯車23の係合面
159a,23b間に、摩擦部材としてOリング161
が介装されている。その他の具体的構成もクラッチ機構
8にそれぞれ対応している。
【0098】しかして、このようなダブルクラッチ式の
構成とされることにより、テープ巻戻し機構9による巻
戻し操作の際に、塗膜転写テープTに過度の張力が作用
するのを有効に防止することができる。
【0099】すなわち、前述したように、テープ巻戻し
機構9により巻戻し操作すると、ドラム部45が巻戻し
方向へ回転する一方、逆転防止機構35の作用により、
ドラム部46は停止状態にあるため、上記両リール1
0,11間における塗膜転写テープTの弛みが解消除去
される。
【0100】この場合、誤操作等により塗膜転写テープ
Tの弛みが解消除去された後も巻戻し操作を続けると、
今度は塗膜転写テープTに過度の張力が作用することに
なるが、もしこのような事態が生じたとして、上記クラ
ッチ機構158の作用により、テープ巻回部160が従
動側回転歯車23に対して滑り回転する結果、塗膜転写
テープTが切断してしまといった事態が未然に防止され
る。その他の構成および作用は、実施形態1と同様であ
る。
【0101】実施形態13 本実施形態は図20に示されており、実施形態12のリ
フィルタイプにおけるダブルクラッチ式の構成が、実施
形態11と同様の使い切りタイプに改変されたものであ
る。
【0102】すなわち、本実施形態の塗膜転写具におい
ては、繰出リール10側の構成は実施形態11と全く同
一構成されている。一方、巻取リール11のテープ巻回
部160が図示のごとく一体ものとされて、このテープ
巻回部160が、従動側回転歯車23の回転軸部23a
に自由回転可能に設けられている。また、上記テープ巻
回部160の支持端側には、テープ走行用案内フランジ
151が一体的に設けられている。この案内フランジ1
51は、従動側回転歯車23の上面に摺接されて、クラ
ッチ機構158の両係合面159a,23b間の距離を
設定値内に抑える位置規制部としても機能する。
【0103】図示しないが、塗膜転写用ヘッドHの構成
は実施形態11と同様であり、その他の構成および作用
は、実施形態12と同様である。
【0104】なお、上述した実施形態1〜13はあくま
でも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発
明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々設計
変更可能である。例えば、以下のような改変が可能であ
る。
【0105】(1) 巻戻し操作部およびこれと一体成形さ
れる被動部材の具体的構成は、図示のものに限定され
ず、ケース2の外から簡単に操作できる他の構成も採用
することが可能である。
【0106】例えば、図示のものにおいては、被動部材
21またはテープ巻回部12が中空円筒状とされるとと
もに、その中空端縁に巻戻し操作部37,57が設けら
れているが、上記被動部材21またはテープ巻回部12
の自由端が閉塞されて、この閉塞端面に巻戻し操作部3
7,57が設けられてももちろん良い。この場合、被動
部材21またはテープ巻回部12の閉塞端面により、回
転軸部20aと中空支軸22が外部に対して被覆隠蔽さ
れることになり、シンプルな外観を呈する効果が得られ
る。
【0107】なお、実施形態11(図17)および実施
形態13(図20)の使い切りタイプのように、テープ
巻回部12に直接塗膜転写テープTが巻装される構造の
ものにおいては、テープ巻回部12が中空円筒状とされ
ていることにより、テープ巻装工程が多量生産に最適な
ものとなる。すなわち、このテープ巻装工程において
は、一本の回動軸体に多数のテープ巻回部12,12,
…を同時に支持することができるため、一工程で多数の
繰出リール10,10,…を生産することが可能とな
る。
【0108】(2) 実施形態3〜10のクラッチ機構も、
実施形態11のような使い切りタイプの構成を備える塗
膜転写具にも適用することが可能である。
【0109】(3) 実施形態1〜11においては、繰出リ
ール10側にクラッチ機構が配設されているが、目的に
応じて巻取リール11側に配設されてもよい。
【0110】(4) 実施形態1〜4、11〜13における
クラッチ機構の摩擦部材として、板ばねや皿ばね等のば
ね部材や、スラスト方向の弾性を備える各種ワッシャを
用いることも可能である。
【0111】(5) 実施形態5〜10におけるクラッチ機
構の第1および第2の係合部の具体的構造も、図示のも
のに限定されず、同様な機能を備える他の構造が採用可
能である。
【0112】(6) 塗膜転写テープTとして、フィルム状
基材の片面に、剥離剤層を介して粘着剤が形成された構
造のものを使用することにより、塗膜転写具を粘着剤層
のみが紙面等に転写される糊付具として使用することも
可能である。
【0113】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
繰出リールと巻取リールにおける塗膜転写テープの弛み
を解消除去するテープ巻戻し機構が、上記繰出リールに
一体形成されてなるから、従来の同様な巻戻し機構に比
較して、部品点数の減少および装置構造の簡単化が図ら
れている。
【0114】また、上記のようなテープ巻戻し機構を備
える塗膜転写具において、繰出リールと巻取リールにお
ける塗膜転写テープの繰出速度と巻取速度を同期させる
クラッチ機構が、繰出リールに加えて巻取リールにも設
けられると、上記テープ巻戻し機構による巻戻し操作の
際に、塗膜転写テープに過度の張力が作用するのを有効
に防止することができる。
【0115】さらに、上記クラッチ機構は、上記両リー
ルの少なくとも一方において、塗膜転写テープを巻回す
るテープ巻回部と、このテープ巻回部を回転駆動する回
転駆動部との間の動力伝達部を構成し、この動力伝達部
の動力伝達が、上記テープ巻回部と回転駆動部の間のス
ラスト荷重による摩擦力を利用するものであるから、そ
の同期動作に際して、各構成部材は相対的に円滑に摺動
することになり、操作感覚が良く、走行ムラも生じな
い。
【0116】また、クラッチ機構の構成も、構成部材相
互間のスラスト方向の寸法関係を適宜調整することによ
り、前記摩擦力を最適値に設定することができ、各構成
部材の設計・製作条件が緩く、その製作が容易であると
ともに、組立て作業も容易であり、製作コストさらには
装置コストの低減化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1であるリフィルタイプ
の塗膜転写具を示し、図1(a)は外観を示す正面図、図
1(b) は内部構成を示す正面図である。
【図2】同塗膜転写具の要部構成を示す縦断面図であ
る。
【図3】同塗膜転写具の要部構成を分解した状態で示す
縦断面図である。
【図4】同塗膜転写具のテープ駆動部における要部を拡
大して示す縦断面図である。
【図5】同塗膜転写具を分解して示す斜視図である。
【図6】同テープ駆動部における巻戻し操作部を示す図
で、図6(a) は斜視図、図6(b) は平面図である。
【図7】同塗膜転写具の使用操作状態を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明に係る実施形態2であるリフィルタイプ
の塗膜転写具における巻戻し操作部を示す図で、図8
(a) は斜視図、図8(b) は平面図である。
【図9】本発明に係る実施形態3であるリフィルタイプ
の塗膜転写具を示し、図9(a)はテープ駆動部の要部を
示す縦断面図、図9(b) は同要部のクラッチ機構を拡大
して示す縦断面図である。
【図10】本発明に係る実施形態4であるリフィルタイ
プの塗膜転写具を示し、図10(a) はテープ駆動部の要
部を示す縦断面図、図10(b) は同要部におけるクラッ
チ機構のシートを示す斜視図である。
【図11】本発明に係る実施形態5であるリフィルタイ
プの塗膜転写具を示し、図11(a) はテープ駆動部の要
部を示す縦断面図、図11(b) は同要部におけるクラッ
チ機構の第2の係合部を示す平面図、図11(c) は同ク
ラッチ機構の第1および第2の係合部の係合状態を拡大
して示す縦断面図である。
【図12】本発明に係る実施形態6であるリフィルタイ
プの塗膜転写具を示し、図12(a) はテープ駆動部にお
ける要部を示す縦断面図、図12(b) は同要部における
クラッチ機構の第2の係合部を示す平面図、図12(c)
は同クラッチ機構の第1および第2の係合部の係合状態
を拡大して示す縦断面図である。
【図13】本発明に係る実施形態7であるリフィルタイ
プの塗膜転写具を示し、図13(a) はテープ駆動部にお
ける要部を示す縦断面図、図13(b) は同要部における
クラッチ機構の第2の係合部を示す平面図、図13(c)
は同クラッチ機構の第1および第2の係合部の係合状態
を拡大して示す縦断面図である。
【図14】本発明に係る実施形態8であるリフィルタイ
プの塗膜転写具を示し、図14(a) はテープ駆動部にお
ける要部を示す縦断面図、図14(b) は同要部における
クラッチ機構の第2の係合部を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る実施形態9であるリフィルタイ
プの塗膜転写具を示し、図15(a) はテープ駆動部にお
ける要部を示す縦断面図、図15(b) は同要部における
主要部品を示す斜視図である。
【図16】本発明に係る実施形態10であるリフィルタ
イプの塗膜転写具を示し、図16(a) はテープ駆動部に
おける要部を示す縦断面図、図16(b) は同要部におけ
る主要部品を示す斜視図である。
【図17】本発明に係る実施形態11である使い切りタ
イプの塗膜転写具を示す縦断面図である。
【図18】本発明に係る実施形態12であるリフィルタ
イプの塗膜転写具を示す縦断面図である。
【図19】同塗膜転写具を分解して示す斜視図である。
【図20】本発明に係る実施形態13である使い切りタ
イプの塗膜転写具を示す縦断面図である。
【符号の説明】
D テープ駆動部 C テープカートリッジ H 塗膜転写用ヘッド 1 塗膜転写具 2 ケース 5 繰出回転部 6 巻取回転部 7 連動部 8 クラッチ機構 9 テープ巻戻し機構 10 繰出リール 11 巻取リール 12 テープ巻回部 20 駆動側回転歯車 21 被動部材 23 従動側回転歯車 30 Oリング(摩擦部材) 35 逆転防止機構 36 被動部材の先端部(テープ巻回部の
軸方向自由端部) 37 操作溝(巻戻し操作部) 38 操作穴 57 巻戻し操作部 68 クラッチ機構 78 クラッチ機構 80 摩擦シート 88 クラッチ機構 89 第1の係合部 90 第2の係合部 98 クラッチ機構 99 第1の係合部 100 第2の係合部 108 クラッチ機構 109 第1の係合部 110 第2の係合部 118 クラッチ機構 119 第1の係合部 120 第2の係合部 128 クラッチ機構 129 第1の係合部 130 第2の係合部 138 クラッチ機構 139 第1の係合部 140 第2の係合部 158 クラッチ機構 159 被動部材 160 テープ巻回部 161 Oリング(摩擦部材)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片手による手持ち操作可能な形状寸法を
    備えるケースと、 このケース内に回転可能に設けられ、塗膜転写テープを
    巻装した繰出リールと、 前記ケース内に回転可能に設けられ、使用後の塗膜転写
    テープを回収する巻取リールと、 これら両リールを相互に連動可能に連係する連動部と、 前記ケースの先端部に突設され、前記塗膜転写テープを
    被転写部上に加圧する塗膜転写用ヘッドと、 前記繰出リールにおいて、塗膜転写テープを巻回するテ
    ープ巻回部と、このテープ巻回部を回転駆動する回転駆
    動部との間のスラスト荷重による摩擦力を利用するとと
    もに、これら両部間の回転トルク差により断続される構
    成を備えるクラッチ機構と、 前記繰出リールに一体形成されて、前記両リール間にお
    ける塗膜転写テープの弛みを解消除去するテープ巻戻し
    機構とを備えてなることを特徴とする塗膜転写具。
  2. 【請求項2】 前記テープ巻戻し機構は、前記繰出リー
    ルにおいて、塗膜転写テープを巻回するテープ巻回部の
    軸方向自由端部が、前記ケースの外部へ臨んで設けられ
    るとともに、この自由端部の端面部に、巻戻し操作部が
    一体形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の
    塗膜転写具。
  3. 【請求項3】 前記巻戻し操作部は、硬貨等の板状操作
    部材が係脱可能に係合する操作溝の形態とされているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の塗膜転写具。
  4. 【請求項4】 前記巻戻し操作部は、手指により操作可
    能な滑止め形状を有することを特徴とする請求項1から
    3のいずれか一つに記載の塗膜転写具。
  5. 【請求項5】 前記テープ巻回部は中空円筒状とされる
    とともに、その自由端の開口端縁に、前記巻戻し操作部
    が一体形成されていることを特徴とする請求項1から4
    のいずれか一つに記載の塗膜転写具。
  6. 【請求項6】 前記ケースに巻戻し操作用の操作穴が開
    口されるとともに、この操作穴を介して前記テープ巻回
    部の軸方向自由端部がケース外部へ臨み、 前記自由端部の巻戻し操作部が、前記ケースの外周面と
    ほぼ面一または低くなるように設定されるとともに、前
    記ケースの操作穴の内周面が、前記操作部材または手指
    の前記巻戻し操作部への係合を可能とするテーパ面に形
    成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれ
    か一つに記載の塗膜転写具。
  7. 【請求項7】 前記動力伝達部は、前記テープ巻回部と
    回転駆動部の対向する軸方向端面間に、摩擦部材が摩擦
    係合状態で介装されてなることを特徴とする請求項1か
    ら6のいずれか一つに記載の塗膜転写具。
  8. 【請求項8】 前記動力伝達部は、前記テープ巻回部と
    回転駆動部の対向する軸方向端面にそれぞれ形成された
    係合部が相互に摩擦係合されてなることを特徴とする請
    求項1から7のいずれか一つに記載の塗膜転写具。
  9. 【請求項9】 前記ケース内に、前記繰出リールと巻取
    リールが前記ケース内に据え付けられて設けられるとと
    もに、これら両リールが前記連動部により直接的に連係
    されてなる、塗膜転写テープ使い切りタイプであること
    を特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の塗
    膜転写具。
  10. 【請求項10】 前記ケース内に、繰出し回転部と巻取
    回転部がそれぞれ回転可能に設けられるとともに、これ
    ら両回転部が前記連動部により相互に連動可能に連係さ
    れ、 前記両回転部に、前記繰出リールおよび巻取リールがそ
    れぞれ取外し可能にかつ一体回転可能に係合されてな
    る、塗膜転写テープの交換が可能なリフィルタイプであ
    ることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記
    載の塗膜転写具。
JP10687499A 1999-04-14 1999-04-14 塗膜転写具 Pending JPH11342699A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012036923A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Crown Machinery Co Ltd 駆動装置

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