JPH113421A - 線分の検出方法 - Google Patents

線分の検出方法

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JPH113421A
JPH113421A JP15340197A JP15340197A JPH113421A JP H113421 A JPH113421 A JP H113421A JP 15340197 A JP15340197 A JP 15340197A JP 15340197 A JP15340197 A JP 15340197A JP H113421 A JPH113421 A JP H113421A
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JP15340197A
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English (en)
Inventor
Masaaki Shibata
昌明 柴田
Makoto Niwakawa
誠 庭川
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハフ平面を用いた座標変換に当り、処理の高
速化、計算機容量の低減化、計算処理の低減化を図る線
分の検出方法を目的とする。 【解決手段】 画像データにつき縦・横の微分処理をし
て、微分値の強さと微分点の勾配方向を求め、勾配方向
成分を有するエッジ画像を得るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる画像処理
において特徴抽出する場合にエッジ画像中にある直線成
分を抽出する方法に関するものであり、特に高速に安定
した直線成分を推定する計算方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像処理においては、カメラ、イメージ
スキャナ、あるいは画像取得装置にて入力された画像デ
ータから、特徴としての直線及び線分を抽出すること
が、様々な分野で広く行われている。例えば図面読み取
り装置では、イメージスキャナから入力された図面のラ
スタデータから直線、円、文字等を抽出してそれぞれ個
別にCADデータとして変換するが、このとき図面デー
タから直線やその一部としての線分を抽出する処理が行
なわれている。また、画像検査装置では、例えば対象部
品の線の部分の位置と方向を検査する場合、画像取得装
置より入力した画像データからエッジを検出し、得られ
るエッジ画像中から線分を検出してその位置と方向を計
測し、比較検査を行っている。
【0003】このように線分を抽出する処理は、必要不
可欠なものであるが、いずれの場合も線分を構成すると
仮定される点の集合の座標をもとにして、いわゆる最小
二乗法を適用し、直線あるいは線分との誤差が一定値以
内になるよう直線及び線分を当てはめる方法が一般的で
ある。特に、点の集合の座標をもとに、当てはめるべき
直線あるいは線分を高速に計算する方法が本出願人によ
り提案されており(特願平8−251241号)、点の
集合が一連の点列として存在している場合にはこの点列
を一本の直線又は線分として当てはめ、点の集合が複数
の点列として存在している場合、点列を個別の線分とし
て検出する手法が提案されている。
【0004】また、一般にノイズの影響を低減する方法
として、いわゆるハフ変換を適用する方法もある。この
方法は、線分を形成する点をパラメータによって表され
た線群が通る定点として表現し、パラメータ表現曲線を
得て線分を特定するというものである。
【0005】いずれにしても、エッジ画像中にあって各
点が点列から抽出される直線又は線分上に存在するか否
かを判別しており、ノイズの影響により乱れた点を取り
除くようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エッジ画像から線分を
抽出する場合、ノイズか否かの判断はなお難題であり、
例えば、エッジ画像中から線分を抽出する際、本来一本
の線分として抽出されるべき線分列が、画像に混入した
ノイズの影響によって複数の線分群として抽出されてし
まうことがある。この現像はノイズによって引き起こさ
れるため、同じ物体が同じ位置と方向に設置された状態
でも、しかも、同じ映像取得条件の下で撮影されたとし
ても、エッジ画像中から抽出される線分の長さと位置が
異なる場合がある。このため、例えば画像検査装置で対
象部品の位置と方向の検査を行う場合には、同じ線分が
抽出されない場合があるため、安定な検査が保証されな
いという問題がある。
【0007】また、ノイズの混入によりエッジ画像の局
所的な情報が欠落することがあり、更には、ノイズ以外
に、得られた画像のコントラスト不足の影響によってエ
ッジとして認識されない点があることもある。この後者
の現象は、外部光の影響を受ける環境において取得され
た画像に関して多く発生する。特に、カメラを用いて画
像を取得する場合には太陽光などの自然光の下で撮像す
ることがあり、例えば遮光されていない工場での物体認
識ではエッジ検出への影響が大きいなど、産業応用での
問題もある。
【0008】現在知られて方法としてノイズの影響を受
けにくい線分抽出方法として前述のハフ変換を適用した
手法があげられ、この手法は、具体的にエッジ画像中の
任意のエッジ点の座標をx−y座標で(xi ,y
)で表現するとき、この点をパラメータθ,ρによ
って表された線群が通る定点とし、θ−ρ座標にてパラ
メータ表現曲線を得て、線分を特定するもので、この変
換座標(θ,ρ)は定点への角度θと距離ρとからな
り、座標変換処理が行なわれる。すなわち、座標(xi
,yi )をハフ(θ−ρ)平面である変換座標
(θ,ρ)へ変換し、次式(1)を得る。 ρ=xi ・sin θ+yi ・cos θ ・・・(1) 図1は、x−y座標の定点をハフ平面にて表した例を示
している。図示の如く変換座標(θ,ρ)は一本の曲線
である。
【0009】ここで、上記(1)式にてx−y座標から
求められる(θ,ρ)の組合せをハフ平面へ投影する操
作を「投票」と呼ぶが、この投票操作を計算機処理にて
行う場合、θ−ρ平面を格子状に区切り、計算機記憶領
域にその格子を割り当て、投票した回数を数え記憶す
る。そして、投票結果に関しては、相対的に投票数の多
い(θ,ρ)の組を線分票素を表すパラメータとして認
識する。
【0010】ところが、上述のハフ平面での問題点は次
のとおりである。まず第一に、格子状のθ−ρ平面を構
成するために、非常に多くの計算機記憶容量を必要とす
ることである。計算機記憶容量を少なくするためには格
子数を減らすことで解決されるが、θおよびρの値の刻
み幅を大きくする必要があり、精度の低減を招いてしま
う問題がある。第二の問題点としては、多くの計算処理
時間が必要とされることである。これは、1つのエッジ
点についての投票回数が非常に多くなり、(1)式で与
えられる(θ,ρ)の組が理論上無数にあるためであ
る。
【0011】本発明は,上述の問題に鑑み、ハフ変換に
よる投票を行うに当り、計算機記憶容量を減少させかつ
計算機処理時間を短縮して、ノイズの影響を軽減した線
分の検出方法を提供する。
【0012】上述の目的を達成する本発明は、次の発明
特定事項を有する。 (1) 画像データにつき縦方向及び横方向の画像微分
処理をして各画素ごとの微分値の強さと微分点の勾配方
向を求め、この微分値の極大値を有するエッジ点を求
め、このエッジ点の微分値の強さからしきい値以上のエ
ッジ点を求め、勾配方向成分を有するエッジ画像を得る
手法を備えたことを特徴とする。 (2) (1)において、エッジ点のx−y座標と勾配
方向θとによりハフ平面での変換座標(θ,ρ)を一義
的に得ることを特徴とする。 (3) (2)において、エッジ点のx−y座標を画像
の中心点位置との差分を採って勾配方向θを加味してハ
フ平面での変換座標を得ることを特徴とする。 (4) (2)において、勾配方向の誤差Δθ及びx−
y座標の誤差を加味してハフ平面上に一定領域の仮想投
票平面を設け、この平面にてエッジ点情報を変換(投
票)するようにしたことを特徴とする。 (5) (4)において、1個のエッジ点につき複数個
の仮想投票平面にて投票を行なうようにしたことを特徴
とする。 (6) (4)又は(5)において仮想投票平面での投
票回数を数え、しきい値以下の回数の仮想投票平面を除
くようにしたことを特徴とする。 (7) (4)において、1個のエッジ点につき1個の
仮想投票平面にて投票を行なうようにしたことを特徴と
する。 (8) (5)において、仮想投票平面への投票に当っ
て、この仮想投票平面の個数及び各仮想投票平面のデー
タ群及び投票データ群を構成したことを特徴とする。 (9) (7)において、仮想投票平面への投票に当っ
て、この仮想投票面のデータ群及びエッジデータ群を構
成したことを特徴とする。 (10) (4)において、仮想投票平面内のデータに
より欠落したエッジ情報を想定することを特徴とする。
【0013】本発明においては、ノイズの混入によるエ
ッジ画像の乱れがあっても直線あるいは線分を安定して
抽出するものであり、換言すればノイズの混入を前提と
して安定に直線及び線分を抽出するものである。このた
めに、まず例えば画像取得装置から得られた画像につい
て微分処理を施し、微分値の強さと勾配方向を求める。
次に、改良したハフ平面上に導入する仮想投票平面に対
して投票を行い、直線成分の抽出を行う。そして、この
仮想投票平面に投票されたエッジデータに基づいて線分
の検出を行う。また、処理の高速化を図る手法にも採用
する。
【0014】
【発明の実施の形態】ここで、図2〜図11を参照して
本発明の実施の形態の一例につき説明する。まず、カメ
ラ、イメージスキャナ、あるいは画像取得装置により入
力された画像データにつき、画像微分処理を施してエッ
ジ画像を得る。この画像微分処理では、図2に示すよう
に画像縦方向に1次元微分フィルタを適用した縦方向の
微分画像データと、画像横方向に1次元微分フィルタを
適用した横方向の微分画像データのそれぞれを得る。こ
の縦方向微分と横方向微分によって横方向や縦方向のエ
ッジに対応した微分データを得る。
【0015】次に、これら2つの微分画像データに基づ
いて、各画素ごとに縦方向の微分値と横方向の微分値の
二乗平均を計算し、微分値の強さを求める。また、これ
と同時に、各画素ごとの縦方向の微分データの値と横方
向の微分データの値に基づいて、各画素ごとの微分点の
勾配方向を計算する。これら2つの計算により、微分値
の強さを示す画像データと微分点の勾配方向を示す画像
データの2つの画像データを得ることになる。最後に、
微分の強さを示す画像データにおいて、近傍点に対して
極大である画像をエッジ極大点として定める。ここで、
近傍点は、エッジ極多大点の近傍に位置しかつ微分点の
勾配方向を示す画像データの方向に位置する2点を指
す。
【0016】こうして得られたエッジ極大点のうち、予
め指定されたしきい値より大きな微分値を有する点をエ
ッジ点とする。こうして得られたエッジ点の集合がエッ
ジ画像である。この場合、エッジ画像中のエッジ点の勾
配方向は、前述の微分点の勾配方向を示す画像データを
参照することで得ることができる。この結果、勾配方向
成分を有するエッジ画像を生成することになる。
【0017】次にハフ平面の変換(投票)につき述べる
に、上述のようにして得られたエッジ画像中の任意のエ
ッジ点のx−y座標を(xi,yi)とし、このエッジ
点の有する勾配方向をθiする。この勾配方向は前述の
如く縦及び横の微分方向を示す画像データを参照するこ
とにより得られる。こうして、xi,yi,θiを用い
ることにより変換座標(θ,ρ)への変換が行なわれ
る。 ρi=xi ・sin θi +yi・cos θi ・・・(2) この(2)式にて得られる(θi.ρi)は変換座標に
おいて1点を表し、xi ,yi,θiが決まればρi
が必然的に決定されることになる。すなわち、勾配方向
成分を有するエッジ点の生成によりハフ平面での座標が
決定され、処理時間及び計算処理量が大幅に低減され
る。以上の結果、エッジ点の勾配方向を求めその値を利
用してハフ平面の投票点座標(θi,ρi)を求めるこ
とにより、処理時間の短縮、計算処理量の低減が図られ
る。
【0018】次に、前述した方向成分を有するエッジ画
像を生成するに当り、またこれを利用して変換座標を得
るに当り、処理時間の短縮と計算処理量の低減が図られ
高速座標変換方法が得られたのであるが、ここで更に計
算精度の向上を図る。前述の微分点の勾配方向を求める
に当って、算出された勾配方向データに測定誤差や計算
誤差、あるいはノイズ等の誤差が含まれている場合を仮
定する。この仮定に基づきθに含まれる誤差をΔθと
し、またこの誤差によって引き起こされるρの値の変化
をΔρとする。
【0019】このとき、ΔθとΔρとの関係は、次のよ
うになる。 Δρ=Δθ・(dρ/dθ|θ=θi) ・・・(3) ここで、dρ/dθ|θ=θiの式はθ=θiの際のθ
に対するρの微分値を表す。したがって、dρ/dθは
次のようになる。 dρ/dθ=−x・sin θ+ycos θ =square root (x2 +y2 )・sin (ψ−θ) ψ=arctan(y/x) ・・・(4) この場合(x,y)はエッジ点座標であり、θはエッジ
点の勾配方向を表す。上述の(3)(4)式からは、ρ
の変化量Δρは、(x2 +y2 )の値が大きいとき、θ
の誤差Δθに大きな影響を受けることが判明する。この
ため、この誤差による影響を低減するため前述の(2)
式に代り次の(5)式を適用する。 ρi =(xi−xm )cos θi+(yi−ym )sin θi ・・・(5) ただし、座標(xm m )は図3に示すような画像の中
心点位置を表す。この(5)式xi−xm 及びyi−y
m の各絶対値は、xiやyiの絶対値に比べ、全画面で
平均1/2になるので前述の(4)式dρ/dθの値は
1/square root (2) となる。そして、(3)式のΔρ
も同様に1/square root (2)の値となる。この結
果、(5)式によって計算処理精度がsquare root
(2)倍向上する。
【0020】次に投票箱の概念の導入につき述べる。従
来のハフ変換を用いた線分検出方法では、(x,y)に
基づき前述の(1)式にて得られた1本の曲線(θ,
ρ)をハフ平面に投票する。同様に前述の(2)式又は
(5)式にて得られる点(θi,ρi)はハフ平面の1
点として投票される。このため、ハフ平面の構成は、従
来では莫大な計算処理量と処理時間とを必要としかつ膨
大なる計算機記憶容量を必要とすることは前に述べたと
おりである。このことは、前述の勾配方向θに含まれる
誤差Δθ及び変化量Δρが存在する場合も、先述した誤
差なくxi,yi,θiが決定されてρiが決まる場合
とは異なり計算機記憶容量の増大、処理量や処理時間増
大につながる。そこで、これらの増大を抑えるべく仮想
投票平面(以下投票箱とする)の概念を導入し、処理の
高速化を必要とする計算機記憶容量の低減を図ってい
る。
【0021】本来x−y平面にて一本の線分として抽出
されるべき一連の点列について、各エッジ点の勾配方向
に誤差が含まれるとき、θに含まれている最大誤差Δθ
を仮定し、ρの値の変化量Δρを仮定する。この誤差を
含んだ点列の一点一点をハフ平面に投票するとき、その
投票によりθ軸の値がθ−Δθとθ+Δθとの間の範囲
内での投票となる。このとき、ρ軸にあってΔρの値は
前述の(3)式、すなわちΔρ=Δθ・(dρ/dθ|
θ=θi)にて得られ、このためρの値は次式(6)と
なる。 ρ=x・cos θi+ysin θ+Δθ・(dρ/dθ|θ=θi) ・・・(6 ) したがって、(6)式からハフ平面にてθ−Δθ,θ+Δθの範囲である1 本の線分を表すことができる。
【0022】更に、エッジ画像中における点の座標x及
びyの値に関し、量子化誤差やノイズによる誤差を考慮
してΔx,Δyを導入する。この場合、Δx,Δyの影
響による変化Δρ´は次式(7)にて求められる。 Δρ´=Δx・cos θ+Δysin θ ・・・(7) この結果、(6)式、(7)式にて誤差を含んだ点列が
ハフ平面に投票される際の領域は、図4に示される領域
となり、投票箱の大きさが決まる。投票箱の導入によ
り、本来一本の線分として認識される点列につき一つの
投票箱を設定することにより、誤差を含めても1個の投
票箱内に対して投票されることになり、例えば従来のθ
−ρ平面を格子状に区画して記憶する方法と比較して、
必要とする計算機記憶容量は極めて少なくなっている。
【0023】誤差を考慮して投票箱を導入するという前
述の説明につき、エッジ画像中線分として抽出されるべ
き線分が一本の場合を仮定していたが、線分が複数本存
在する場合、複数の投票箱を生成して投票を行なうこと
となる。もっとも理想的なエッジ画像については、抽出
されるべき線分と同数の投票箱が生成される。図5は投
票箱の生成と投票手順を示している。以下述べる。
【0024】(1) まず、投票箱があるか否か判断す
る。 (2) ここで、投票箱が1つも存在しない状態では前
述した方法に沿い新規な投票箱を生成しその箱に投票す
る。 (3) 一方、投票箱が1つ以上存在する場合、投票す
る座標(θ,ρ)が箱の内にあるか否かを判断する。 (4) この座標(θ,ρ)が投票箱の内にある場合に
は、そのまま投票し、外にある場合には新規な投票箱を
生成し、その箱に投票する。 (5) なお、後程生成した投票箱が既存の投票箱に重
なり、領域を共有することもある。 この場合には、既存の箱にも投票する。こうして、複数
の投票箱について、全てのエッジ点の投票が行われ、全
エッジ点はいずれか1つ以上の投票箱に投票されること
になる。
【0025】投票箱への投票の結果、直線成分を抽出す
る。直線の方程式は投票箱の中心座標(θ,ρ)を用い
て求められる。次式(8)は前述の(2)式を用いた場
合の座標の逆変換式であり、(9)式は(5)式を用い
た場合の座標の逆変換式である。 y=−x/tan θ+ρ/sin θ ・・・(8) y=−(x−xm )/tan θ+ρ/sin θ+ym ・・・(9) 図6は、誤差低減のため中心位置を設定した場合(図3
参照)の(9)式に基づく直線と各パラメータとの関係
を表している。こうして、投票箱の中の投票を数えるこ
とにより、その直線を構成するエッジ点の数が判明す
る。また、投票数の少ない投票箱をノイズとして認識す
るために投票数のしきい値を設け、しきい値以上の投票
があった投票箱に基づいて直線を検出する。こうして、
直線として検出されるべきでない成分が取除かれ、また
検出されるべきでない成分の影響を受けることなく直線
の検出が行われる。
【0026】投票箱には票数の記憶以外に、投票箱領域
の情報と投票されたエッジ点の情報を記憶する必要があ
る。図7は、投票箱データ群の構成例を示す。投票箱デ
ータに記憶するのは、生成された箱の数と箱の大きさを
表すパラメータΔθおよびΔρ、そして、投票箱データ
群を格納する記憶容量部の先頭番地である。このような
記憶方式を採用することで、投票箱の総数は計算機記憶
容量が許す限り増やすことが出来る。各投票箱に記憶さ
れる要素は、投票箱の中止に値(θm,ρm)、投票箱
のθ軸に沿った両側の側面の座標θ+およびθ−、投票
箱の中心軸の傾きdρ/dθ|θ=θi、得票数、そし
て、投票されたエッジデータを格納する記憶容量部の先
頭番地である。さらに、各エッジデータの要素として
は、エッジ点の位置(xi,yi)とエッジ勾配方向θ
iを記憶しておく。以上のようにデータ記憶部を構成す
ることで、直線成分の抽出や、線分の検出が効率よく実
行される。
【0027】前述した図5に示す複数の投票箱の生成、
図6式(8)(9)での直線部分の抽出、図7に示す投
票箱データ群の構成においては、1つのエッジ点につい
て複数の投票箱に票を投ずるといういわば複数投票方式
を採用し、複数の線分が共有するエッジ区間をそれぞれ
の線分が認識でき、それぞれの線分が同じ区間を認識す
ることで線分の分断化が抑制される利点がある。これに
対して必要とする計算機記憶容量と計算処理量の低減や
計算処理時間の短縮に主眼を置く場合には、図8の投票
箱の生成と投票手順によるのが良い。すなわち、 (1) まず、投票箱が存在するか否かを判断する。 (2) 投票箱が1つも存在していない状態では、前述
した方法で投票箱を生成し、その箱に投票する。 (3) 投票箱が1つ以上存在する場合、投票する座標
(θ,ρ)が箱の中か否かを判断する。 (4) 同座標が投票箱の中である場合はそのまま投票
し、外である場合は新たな投票箱を生成し、その箱に投
票する。 以上のような手順により、すべてのエッジ点について投
票が行われる。すべてのエッジ点は、いずれかの1つの
投票箱に投票されることになり、図5の例の如く複数の
投票箱に同じエッジ点が投票されることはない。
【0028】図9は、処理コスト低減を図った投票箱デ
ータ群の構成例を示しており、必要とする計算機記憶容
量の低減に主眼を置いている。投票箱には票数の記憶以
外に、投票箱領域の情報と投票されたエッジ点の情報を
記憶する必要がる。投票箱データに記憶するのは、生成
された箱の数と大きさを表すパラメータΔθ及びΔρ、
そして、投票箱データ群を格納する記憶部の先頭番地で
ある。各投票箱に記憶される要素は、投票箱の中心位置
(θm,ρm)、投票箱のθ軸に沿った両側の側面の座
標θ+およびθ−、投票箱の中心軸の傾きdρ/dθ|
θ=θi、得票数、そして、投票されたエッジデータを
格納する記憶部の先頭番地及び最終番地である。各エッ
ジデータの要素としては、エッジ点データが格納されて
いる記憶部の番地と、次のエッジ点データが格納されて
いる記憶部の番地である。エッジ点データが格納されて
いる記憶部とは、エッジ画像を記憶している記憶部を指
す。以上のようにデータ記憶部を構成することで、少な
い記憶容量ですべての直線成分および線分を抽出するこ
とができる。
【0029】ノイズが混入しているエッジ画像では、ノ
イズの影響によりエッジ点情報が欠落することがある。
このため、、エッジ点列が連続的にならんでいるとは限
らず、従来技術説明にて示したような従来の方法では、
本来一本の線分として認識されるべき点列が複数の線分
として検出される危険がある。これまでの説明における
投票箱に基づく直線成分の検出方法では、本来一本の線
分として認識されるべき点列は、同一の投票箱の中のデ
ータとして存在する。この場合、投票箱自体が直線成分
を表しているので、投票箱の中の要素を抽出することで
線分を検出することができ、分断された線分の想定が可
能となる。
【0030】図10は、投票箱の中の要素を抽出して線
分を検出する手順(以下開票もしくは開票作業と称す
る)を示す。 (1) しきい値以上の得票数のあった有効な投票箱に
ついて、各投票箱ごとに、要素であるエッジ点データを
位置に関して整列する。 (2) 位置が隣り合った、いわゆる連続したエッジ点
列を認識するとともに、分断されたエッジ点列群の状態
を認識する。 (3) 分断されたエッジ点列群どうしの距離を求め、
あらかじめ設定しておいたしきい値より近い距離の点列
群どうしを1つの点列群として認識する。 (4) 各点列群の長さを調べ、あらかじめ設定してお
いたしきい値より長い点列を線分として認識する。 これにより、エッジ情報が欠落したエッジ画像に対して
も分断のない線分を検出することが可能となる。
【0031】次にコントラストの不足等により検出され
ないエッジ点の発見につき述べる。コントラストが不足
したことにより、エッジ点として認識しがたい点が微分
画像に含まれていることがある。図2に基づき述べた方
法では、微分画像からエッジ点を抽出する際に、指定さ
れたしきい値以下のエッジ極大点はエッジ点と認識され
ない。これは、ノイズの影響により誤ってエッジ点とし
て認識される点を低減するために重要かつ必要な作業で
ある。しかしながら、コントラストが不足した画像にお
いては、有効な画像信号と混入ノイズとの差が小さいた
め、すなわちS/N比が小さいため、エッジ点として認
識されるべき点が欠落してしまう。線分の検出率の向上
のためには、欠落したエッジ点の情報を補償する必要が
ある。特に、コントラストの不足が原因で認識されなか
ったエッジ点は、前項までの手法で検出された線分の延
長上にある場合が多い。そこで、そのようなエッジ点を
探索する方法を述べる。
【0032】図11は検出された線分に基づいて欠落し
たエッジ点を探索する手順を表し、以下にその手順を述
べる。 (1) 検出された線分端の位置を認識する。 (2) 投票箱の位置から線分の方向を認識し、線分を
延長した方向で線分端に隣接する点の位置を求める。 (3) 線分端に隣接する点が極大点か否かを判断す
る。 (4) 線分端に隣接する点の微分値の勾配方向を調
べ、同点が線分と同じ投票箱に入るか否かを判断する。 (5) 同点が極大点であり、かつ、隣接する線分が含
まれている投票箱に入るならば、同点を同線分に加え
る。 (6) 新たに端点が加わった場合、(1)へ戻り、同
処理を再帰的に実行する。 これによりエッジ点列の一部として検出されなかったエ
ッジ点が発見される。エッジ画像の生成で検出されなか
ったエッジ点を発見することにより、線分の検出率の向
上が図られる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、ハフ平
面を用いた線分の検出に当り、高速化、計算機記憶容量
の低減、及び計算処理量の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハフ平面を例示した線図。
【図2】エッジデータ取得のフローチャート。
【図3】中心点座標を加味した画像座標の説明図。
【図4】θ−ρ座標での仮想投票平面(投票箱)の説明
図。
【図5】投票箱の生成及び投票手順のフローチャート。
【図6】中心点座標を加味した場合の逆変換の説明図。
【図7】投票箱データ群の構成例の説明図。
【図8】エッジ点1個当り1個の投票箱に投票する場合
のフローチャート。
【図9】投票箱データ群の構成例の説明図。
【図10】開票作業のフローチャート。
【図11】検出されないエッジ点の探索フローチャー
ト。
【符号の説明】 x,y x−y座標もしくは座標軸 xm m 中心点座標 θρ ハフ平面座標

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データにつき縦方向及び横方向の画
    像微分処理をして各画素ごとの微分値の強さと微分点の
    勾配方向を求め、この微分値の極大値を有するエッジ点
    を求め、このエッジ点の微分値の強さからしきい値以上
    のエッジ点を求め、勾配方向成分を有するエッジ画像を
    得る手法を備えた線分の検出方法。
  2. 【請求項2】 エッジ点のx−y座標と勾配方向θとに
    よりハフ平面での変換座標(θ,ρ)を一義的に得る請
    求項1記載の線分の検出方法。
  3. 【請求項3】 エッジ点のx−y座標を画像の中心点位
    置との差分を採って勾配方向θを加味してハフ平面での
    変換座標を得る請求項2記載の線分の検出方法。
  4. 【請求項4】 勾配方向の誤差Δθ及びx−y座標の誤
    差を加味してハフ平面上に一定領域の仮想投票平面を設
    け、この平面にてエッジ点情報を変換(投票)するよう
    にした請求項2記載の線分の検出方法。
  5. 【請求項5】 1個のエッジ点につき複数個の仮想投票
    平面にて投票を行なうようにした請求項4記載の線分の
    検出方法。
  6. 【請求項6】 仮想投票平面での投票回数を数え、しき
    い値以下の回数の仮想投票平面を除くようにした請求項
    4又は5記載の線分の検出方法。
  7. 【請求項7】 1個のエッジ点につき1個の仮想投票平
    面にて投票を行なうようにした請求項4記載の線分の検
    出方法。
  8. 【請求項8】 仮想投票平面への投票に当って、この仮
    想投票平面の個数及び各仮想投票平面のデータ群及び投
    票データ群を構成した請求項5記載の線分の検出方法。
  9. 【請求項9】 仮想投票平面への投票に当って、この仮
    想投票平面のデータ群及びエッジデータ群を構成した請
    求項7記載の線分の検出方法。
  10. 【請求項10】 仮想投票平面内のデータにより欠落し
    たエッジ情報を想定する請求項4記載の線分の検出方
    法。
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