JPH11341676A - 母線保護継電装置 - Google Patents
母線保護継電装置Info
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Abstract
し、簡易な構成とする。 【解決手段】 電力系統の変流器からのサンプリングデ
ータを用いて動作量および抑制量を算出し、複数の保護
領域を包含する領域の内・外部事故を判定する演算手段
12と、個別保護領域に対応するサンプリングデータか
ら得られる動作量の変化量が演算手段で得られる動作量
の変化量に係数を掛けた値よりも大きいとき、その変化
量の大きい個別保護領域を事故発生領域と判定する動作
量判定手段13と、全保護領域に対応するサンプリング
データの変化分から事故発生を検出する事故検出手段1
4と、動作量判定手段の判定結果と事故検出手段の検出
結果とから事故の発生を判定し出力する事故母線判定手
段15と、演算手段の演算結果と事故母線判定手段の判
定結果とから事故発生領域への遮断出力を送出する遮断
母線判定手段とを設けた母線保護継電装置である。
Description
装置に関する。
護領域を保護する場合、これら複数の保護領域を包含す
る領域に対して内部、外部事故を判定するCT飽和対策
付き一括保護用継電器と、各個別保護領域毎に内部、外
部事故を判定するCT飽和対策付き分割保護用継電器と
を個別に設置し、これら両継電器の出力の組合わせによ
り、複数の保護領域の中から事故発生母線を判定し事故
母線系に遮断出力を送出する構成となっている。
な母線保護継電装置では、複数の保護領域を有する母線
の保護の場合には、2台以上のCT飽和対策付き母線保
護継電器が必要となり、それに伴なって装置全体の構成
が複雑となり、コストの上昇および信頼性を低下させる
要因ともなっている。
で、複数の保護領域の事故判定に際し、CT飽和を考慮
した演算を実施することにより、分割保護用継電器を削
減し、構成簡単にしてコストの低減化および信頼性を向
上する母線保護継電装置を提供することにある。
に、請求項1に対応する発明は、電力系統のアナログ量
を所定の周期ごとにサンプリングし、これらサンプリン
グデータを用いて複数の保護領域の中から事故発生領域
を判定する母線保護継電装置において、前記複数の保護
領域を包含する領域に対応する前記サンプリングデータ
から得られる動作量の所定時間での変化量と前記個別保
護領域に対応する前記サンプリングデータから得られる
動作量の所定時間での変化量とを用いて事故発生領域を
判定する動作量判定手段と、前記保護領域に対応する前
記サンプリングデータの変化分から前記電力系統の事故
発生を検出する事故検出手段と、前記動作量判定手段の
判定結果と前記事故検出手段の検出結果とから前記事故
発生領域への遮断出力を送出する事故母線判定手段とを
設けた構成である。
ンプリングデータを用いて動作量および抑制量を算出
し、所定の比率差動演算によって前記複数の保護領域を
包含する領域の内部・外部事故を判定する演算手段と、
前記個別保護領域に対応する前記サンプリングデータか
ら得られる動作量の所定時間での変化量を算出し、これ
ら算出された個別保護領域の動作量の変化量と前記演算
手段によって得られる動作量の所定時間での変化量との
うち、何れか一方または両方の変化量を用いて事故発生
領域を判定する動作量判定手段と、前記保護領域に対応
する前記サンプリングデータの変化分から前記電力系統
の事故発生を検出する事故検出手段と、前記動作量判定
手段の判定結果と前記事故検出手段の検出結果とから前
記事故発生領域の事故発生を判定し、所定の時間引き延
ばした事故発生領域の判定結果を出力する第1の判定手
段と、前記演算手段の演算結果と前記第1の判定手段の
判定結果とに基づいて事故発生領域への遮断出力を送出
する第2の判定手段とを設けた構成である。
る発明は、以上のような手段を講じたことにより、電力
系統の複数の保護領域をもつ母線に接続される変流器か
らのアナログ電流信号を所定の周期ごとにサンプリング
してディジタルデータに変換した後、演算手段にてサン
プリングデータを用いて動作量Idおよび抑制量Irを
算出し、所定の比率差動演算により複数の保護領域を包
含した領域の内部、外部事故を判定する。ここで、この
演算手段には既知の方式によって変流器(CT)飽和対
策を施しておく。
領域から得られるサンプリングデータであるディジタル
データから動作量の所定時間での変化量△IdAと前記
演算手段により得られる動作量の所定時間での変化量△
Idのうち、何れか一方または両方を用いて事故発生領
域を判定する。例えば量変化量を用いる場合、 |△IdA|≧K1・|△Id| (K1は1以下の係
数) なる関係が成立するとき、IdAなる動作量が得られた
保護領域を事故発生領域と判定する。このような条件成
立状態を判定することにより、CT飽和を伴う事故にお
いても事故発生後CT飽和に至る間での間は正確に判定
結果を出力できる。
応するアナログ電流信号または変換されたディジタルデ
ータ等のサンプリングデータの所定の時間での変化分を
加算し、例えば所定の感度比と比較することにより、系
統の事故発生を検出する。
定手段では、動作量判定手段の出力と事故検出手段の出
力とを組合わせて所定の時間引き延ばして事故母線の判
定出力を送出するので、CT飽和対策が発揮され、従来
のように複数のCT飽和対策付き分割保護用継電器を必
要とせず、CT飽和に伴う事故であっても確実に事故発
生領域に遮断出力を出すことができる。
る発明は、個別保護領域の動作量の変化量と演算手段で
得られる動作量の変化量とのうち、何れか一方または両
方の変化量を用いる場合の各種の構成である。
る発明は、電力系統のアナログ量を所定の周期ごとにサ
ンプリングし、これらサンプリングデータを用いて動作
量および抑制量を算出し、所定の比率差動演算によって
前記複数の保護領域を包含する領域の内部・外部事故を
判定する演算手段と、前記サンプリングデータを正波と
負波とに分解した後、所定の演算により前記複数の保護
領域を包含する領域における正の動作量と負の動作量と
を算出するデータ算出手段と、前記個別保護領域に対応
する前記サンプリングデータから正の動作量および負の
動作量を算出し、これら正・負の動作量と前記データ算
出手段で算出された正の動作量および負の動作量に所定
の係数を掛けた値とを正同士および負同士で比較し、正
・負共に個別保護領域に対応する動作量が大きいとき、
その動作量が得られた保護領域内部の事故発生であると
検出する第1の判定手段と、前記演算手段の演算結果と
前記第1の判定手段の判定結果とに基づいて事故発生領
域への遮断出力を送出する第2の判定手段とを設けた母
線保護継電装置である。
明は、以上のような手段を講じたことにより、データ算
出手段がサンプリングデータから複数の保護領域を包含
する領域の正の動作量Idpおよび負の動作量Idnと
に振り分け、また個別保護領域に対応するサンプリング
データから正の動作量IdApおよび負の動作量IdA
nとに振り分けた後、第1の判定手段にて正の動作量同
士、負の動作量同士を下記のように比較する。
数) |IdAn|≧K2・|Idn| (K2は所定の係
数) そして、以上のような関係が成立したとき、IdAp、
IdAnなる動作量が得られる個別保護領域の事故発生
と判定する。この条件が成立するのは、個別保護領域の
内部事故発生時のみであり、CT飽和を伴う外部事故に
は両方の条件が同時に成立しないので、CT飽和対策と
しての役割を果たす。よって、前記演算手段の演算結果
にCT飽和対策の効果が得られる事故母線判定結果を加
味し遮断母線の判定を行うことにより、複数台以上のC
T飽和対策付き母線保護継電器を設けることなく、1台
のCT飽和対策付き母線保護継電器を用いて複数の保護
領域をもつ母線を保護するCT飽和対策付きの母線保護
継電装置を実現できる。
ンプリングデータを用いて動作量および抑制量を算出
し、所定の比率差動演算によって前記複数の保護領域を
包含する領域の内部・外部事故を判定する演算手段と、
前記個別保護領域に対応する前記サンプリングデータか
ら正の動作量および負の動作量を算出し、これら算出さ
れた個別保護領域の動作量の絶対値の何れかが前記演算
手段で算出された動作量の絶対値に所定の係数を掛けた
値よりも大きい条件が所定時間継続したとき、条件成立
した動作量が得られた個別保護領域内部の事故発生であ
ると検出する第1の判定手段と、前記演算手段の演算結
果と前記第1の判定手段の判定結果とに基づいて事故発
生領域への遮断出力を送出する第2の判定手段とを設け
た構成である。
の判定手段が個別保護領域に対応する前記サンプリング
データから正の動作量および負の動作量を算出し、これ
ら算出された個別保護領域の動作量の絶対値の何れかが
前記演算手段で算出された動作量の絶対値に所定の係数
を掛けた値よりも大きい条件が所定時間継続したとき、
条件成立した動作量が得られた個別保護領域内部の事故
発生であると判定するので、CT飽和に伴う動作量の誤
差分を除去して事故母線を正確に判定できる。
て図面を参照して説明する。図1は本発明に係わる母線
保護継電装置の一実施の形態を示す機能ブロック図であ
る。
置10は、複数の保護領域をもつ母線に接続される変流
器からのアナログ電流信号を所定の周期ごとにサンプリ
ングしてディジタルデータに変換するデータ取得手段1
1と、このデータ取得手段11によって変換されたディ
ジタルデータを用いて、動作量(ベクトル和)、抑制量
(スカラー和)を算出し、所定の比率差動演算により複
数の保護領域を包含した領域の内部・外部の事故を判定
する一括保護用演算手段12と、個別保護領域毎に対応
するディジタルデータから所定時間での動作量の変化量
を算出し、この算出される個別保護領域の変化量と前記
一括保護用演算手段12で求めた動作量の所定時間での
変化量とを比較し、変化量が大きくなる個別保護領域を
事故発生領域を判定する動作量判定手段13と、前記デ
ータ取得手段11によって変換されたディジタルデータ
またはアナログ電流信号の所定の時間での変化分から事
故発生を検出する事故検出手段14と、前記動作量判定
手段13の判定結果と前記事故検出手段14の検出出力
とを所定の時間引き延ばした事故母線の判定結果を出力
する事故母線判定手段15と、遮断母線用判定データを
格納する遮断母線判定テーブル16と、一括保護用演算
手段12の内部または外部判定出力と前記事故母線判定
手段15の事故母線判定出力とに基づき、遮断母線用判
定データを参照して遮断母線の判定を行う遮断母線判定
手段16とによって構成されている。
例である。この送電線18の母線保護領域は、母線BA
側のA領域と母線BB側のB領域とに区分され、これら
母線BAと母線BBとは遮断器COBを介して分割され
ている。この送電線18に接続される母線BA,母線B
Bは断路器LSA,LSBによって切り替えられる構成
となっている。
について説明する。先ず、データ取得手段11は、所定
の周期ごとに複数の保護領域をもつ母線に接続されるn
回線分の変流器からの電流を取り込んで順次ディジタル
データに変換し、一括保護用演算手段12に送出する。
この演算手段12は、n回線分の変流器からのアナログ
電流をディジタルデータに変換し、これらディジタルデ
ータを用いて下記する演算式を用いて動作量Idおよび
抑制量Irを算出する。
用いて、例えば|Id|−K0 ・|Id|≧0 (K0
は保護目的毎に設定される係数)の関係が成立すると
き、動作信号を出力する。例えば母線の内部事故判定出
力を送出する。なお、一括保護用演算手段12には既知
のCT飽和対策演算を考慮してあるものとする。
数の保護領域に対して個別保護領域を識別するために、
例えば各回線の断路器(LSA,LSB)条件を取り込
む。断路器条件による保護領域の識別は公知の手段であ
るので、ここではその説明は省略する。
域の認識に関し、図2を参照して事故時に発生する動作
量(作動電流)について説明する。今、図2に示す母線
の内部,例えばA領域で事故が発生した場合、2つの領
域を包含する領域において発生する動作量Idは、母線
内部の2つの保護領域の中で事故が発生した保護領域に
おいて発生する動作量(作動電流)IdAと同一量とな
る。
護用演算手段12で算出される動作量Idに対し、各個
別保護領域毎に算出した2つの動作量IdAまたはId
Bの各々について比較し、両者の間に例えば、 |IdA|≧K1・|Id| …… (3) なる関係が成立するとき、A領域に事故が発生している
と判定する。なお、前記(3)式のK1は1以下の係数
である。
には、飽和によって発生する誤差電流の影響により、前
記(3)式による判定では装置の誤応動を招く恐れがあ
る。そこで、動作量判定手段13では、動作量の変化量
による瞬時判定を行うことによってCT飽和対策として
おり、個別保護領域ごとに所定の期間例えば1/12サ
イクル(30度程度)の期間について動作量に対する変
化量の絶対値|△IdA|、|△IdB|を算出し、こ
の算出された所定の期間の変化量の絶対値|△IdA
|、|△IdB|と一括保護用演算手段12において算
出された所定期間の動作量に対する変化量の絶対値|△
Id|に所定の係数K1(K1は1以下の係数)を掛け
た量とを比較し、次のような関係が成立するとき、A領
域に事故が発生していると判定する。
する図である。図3は標準的な複母線の保護系統図であ
って、母線A1と、母線B1と、これら母線A1,B1
を区分する遮断器CBT1とで構成されている。この母
線A1には遮断器CB11、CB12を介して送電線L
O1、LO2が接続されている。CTT1、CT11、
CT12は変流器である。
流および各母線毎に算出した動作量(電流ベクトル和)
を説明する図である。ここで、図4(a)は図3のCT
11の二次電流Ip1、同図(b)は図3のCT12の
二次電流Ip2、同図(c)は図3のCTT1の二次電
流It、同図(d)は両母線A1,B1を包含する領域
での動作量Id、同図(e)は母線A1の領域での動作
量IdA、同図(f)は母線B1の領域での動作量Id
Bをそれぞれ表しており、変流器CTT1がCT飽和に
至った場合を想定している。
母線である動作量の発生すべきでない母線A1の動作量
IdAが飽和開始後に増加し、事故母線である母線B1
の動作量IdBが減少する。従って、前記(3)式に示
すような例えば1/2サイクル程度の演算窓長を必要と
する絶対振幅値による判定では誤応動を招く可能性があ
る。しかし、前記(4)式のような変化量を用いた判定
の場合には、事故発生直後からCT飽和に至るまでの期
間に演算を行えば、飽和前の正常な動作量による比較判
定を行うことができるので、CT飽和の影響を受けない
判定結果を出力できる。
に接続される全ての変流器からのアナログ電流または変
換されたディジタルデータにおける所定の時間の変化分
△Iの絶対値を加算し、これら変化分絶対値の総和と所
定の感度値IK1とを比較し、変化分絶対値の総和が以
下の関係式のごとく所定の感度値IK1以上のとき、系
統に事故が発生していると検出する。
段14で判定動作処理および事故検出処理を行い、その
結果を事故母線判定手段15に送出する。
段14から事故検出信号を受けたとき、動作量判定手段
13から出力される判定結果を確認し、例えば前記
(3)式、(4)式などの条件が成立する領域を事故母
線、不成立領域を健全母線と判定し、所定の時間判定出
力を保持する。
括保護用演算手段12の内部・外部事故判定出力と事故
母線判定手段15の事故母線判定出力とに基づいて事故
発生領域に遮断出力を送出する。例えば一括保護用演算
手段12が内部事故判定を出力し、事故母線判定手段1
5がA領域の事故判定を出力したとき、図5に示す遮断
母線判定用テーブル16の遮断母線用判定データを参照
し、A領域の母線BAに接続される回線に対する事故判
定し遮断出力を送出する。
ば、動作量判定手段13が各個別保護領域から得られる
サンプリングデータであるディジタルデータから動作量
の所定時間での変化量△IdAと演算手段12により得
られる動作量の所定時間での変化量△Idとを用い、例
えば |△IdA|≧K1・|△Id| (K1は1以
下の係数)なる関係にあるとき、IdAなる動作量が得
られた保護領域を事故発生領域と判定するので、CT飽
和を伴う事故においても事故発生後CT飽和に至る間で
の間に正確に判定結果を出力できる。しかも、事故母線
判定手段15では、動作量判定手段13の出力と事故検
出手段14の出力とを組合わせて所定の時間引き延ばし
て事故母線の判定出力を送出するので、CT飽和対策が
演算的に施され、従来のように複数のCT飽和対策付き
分割保護用継電器を設けることなく、CT飽和に伴う事
故であっても確実に事故発生領域を判定し、遮断信号を
出力できる。
実施の形態について説明する。この実施の形態は、図1
と同一の構成であるので、各構成要素の説明は前述する
図1の説明に譲り、以下、専ら異なる部分である動作量
判定手段13の判定処理について説明する。
護対象とするものであり、その動作判定手段13として
は、2つの保護領域に対しそれぞれ個別に動作量の所定
時間での変化量を算出し、これら算出された2つの動作
量の変化量のうち、一方の変化量が一括保護用演算手段
12により演算して得られる動作量の所定時間での変化
量に所定の係数を掛けた値よりも大きく、かつ、他方の
変化量よりも大きいとき、大きい変化量が得られる領域
に事故が発生したと判定し出力する。
(4)式に基づく条件成立の他に、一方の変化量の絶対
値|△IdA|と他方の変化量の絶対値|△IdB|と
を比較し、 |△IdA|≧|△IdB| …… (6) なる条件が成立するとき、△IdAなる動作量の変化量
が得られる領域Aを事故発生領域として判定する。
に示す条件判定式だけを用いて、事故領域を判定するこ
とも可能である。さらに、本発明に係わる保護継電装置
の他の実施の形態について説明する。
構成であるので、各構成要素の説明は前述する図1の説
明に譲り、以下、専ら異なる部分である動作量判定手段
13の判定処理について説明する。
護対象とするものであり、その動作判定手段13として
は、一括保護用演算手段12で算出された動作量Idと
各保護領域に対して個別に算出した動作量IdA、Id
Bとの位相比較を行い、両者の位相差が所定の位相角度
θより小さく、かつ、所定の時間での動作量の変化量△
IdAが所定の感度値IK2(IK2は予め定めた感度
値)よりも大きいとき、例えば |IdとIdAとの位相差|≦θ …… (7) |△IdA|≧IK2 …… (8) の2つの条件が成立するとき、IdA、△IdAなる動
作量が得られる保護領域で事故発生と判定する。
事故発生領域である母線B1の動作量IdBとA1,B
1両母線を包含する領域の動作量Idは、事故発生から
CT飽和に至るまでの期間では同一の波形となる。この
ことは、事故発生領域の動作量(ベクトル)と一括保護
用演算手段12の動作量(ベクトル)との位相差は、C
T飽和の発生するまでの期間は発生しないことになるの
で、事故発生直後の一括保護用演算手段12で算出され
た動作量と各保護領域ごとに個別に算出した動作量との
位相差が所定の位相角度θより小さいことを前記(7)
式の条件判定式で判定することにより、CT飽和に伴な
う事故においても正確に事故母線を判定できる。一方、
前記(8)式は、位相比較判定を行うために最低限必要
な動作量の変化分のレベルを確認するための条件判定式
である。
の実施の形態について説明する。この実施の形態におい
ても、図1と同一の構成であるので、各構成要素の説明
は前述する図1の説明に譲り、特に異なる部分である動
作量判定手段13の判定処理について説明する。
域を保護対象とするものであり、その動作量判定手段1
3としては、一括保護用演算手段12で算出された動作
量Idと各保護領域に対して個別に算出した動作量Id
A、IdBとの位相比較を行い、両者の位相差の絶対値
が所定の位相角度θ例えば30度程度より小さく、か
つ、各保護領域に対して個別に算出した動作量の所定時
間での変化量が一括保護用演算手段12で算出された動
作量の所定時間での変化量に所定の係数を掛けた量より
も大きいとき、例えば前記(7)式と前記(4)式とが
共に成立したとき、IdA、△IdAなる動作量が得ら
れた保護領域に事故が発生したと判定できる。
Bの位相差が所定の位相角度θ例えば30度程度より小
さいとき、CT飽和に達する前に(4)式、(7)式の
関係しきから判定するので、CT飽和に伴なう事故にお
いても正確に事故母線を判定できる。
実施の形態を示す機能ブロック図である。この保護継電
装置20は、データ取得手段21、一括保護用演算手段
22、複数の保護領域を包含した領域の動作量を正と負
に分けて算出する一括正負データ算出手段23と、複数
の保護領域に対して個別に正の動作量と負の動作量とを
それぞれ算出し、これら正・負の動作量と前記一括用正
負データ算出手段で算出された動作量とを比較し、事故
が発生している保護領域を判定する事故母線判定手段2
4、遮断母線判定用データを格納する遮断母線判定テー
ブル25および遮断母線判定手段26とによって構成さ
れている。
算手段22および遮断母線判定手段26は、図1に示す
データ取得手段11、一括保護用演算手段12および遮
断母線判定手段17とほぼ同一構成であるので、ここで
はその詳しい説明は省略する。
説明する。データ取得手段21が所定の周期ごとに複数
の保護領域をもつ母線に接続される変流器からのアナロ
グ電流信号を取り込んでディジタルデータに変換し出力
すると、一括保護用演算手段22では、データ取得手段
21からのディジタルデータを用いて動作量、抑制量を
算出し、所定の比率差動演算により複数の保護領域を包
含した領域の内部・外部事故を判定し出力する。
は、データ取得手段21によって変換されたディジタル
データを正波と負波とに分解し、複数の保護領域を包含
した保護領域の動作量について、所定の演算例えば1サ
イクル(360度間)のサンプリングデータを加算する
ことにより、正の動作量|Idp|と負の動作量|Id
n|とに分けて算出し、事故母線判定手段24に送出す
る。
ータ取得手段21から出力されるディジタルデータに関
して従来公知である例えば各回線の断路器条件を取り込
んで個別保護領域を識別する一方、複数の保護領域例え
ばAおよびBの2領域について正の動作量|IdAp
|、|IdBp|と負の動作量|IdBp|、|IdB
p|とを算出し、これら算出された動作量と一括用正負
データ算出手段23により算出された動作量|Idp
|、|Idn|に所定の係数を掛けた値とを正同士、負
同士にて比較し、正・負ともに各保護領域個別に算出し
た動作量の絶対値が大きいとき、例えば |IdAp|≧K2・|Idp| …… (9) |IdAn|≧K2・|Idn| …… (10) なる関係が共に成立したとき、|IdAp|、|IdA
n|なる動作量が得られた保護領域に事故が発生したこ
とを検出する。K2は1以下の定数である。一方、 |IdBp|≧K2・|Idp| …… (11) |IdBn|≧K2・|Idn| …… (12) なる関係が共に成立したとき、|IdBp|、|IdB
n|なる動作量が得られた保護領域に事故が発生したこ
とを検出する。K2は1以下の定数である。
4に示す事故時の動作量から判定の効果を説明する。一
般に、事故発生母線である母線Bの動作量に正波と負波
との両方が存在する(同図f参照)。これに対し、健全
母線である母線Aの動作量IdAでは正波のみが存在す
る(同図e参照)。これは、CT飽和に伴なって発生す
る動作量の誤差分(健全母線側に発生する誤差電流)は
正波または負波の何れか一方である片波のみに発生する
ためである。この現象は、CT飽和現象が主に電流の直
流分による磁束の偏りによって発生するためである。よ
って、前記(9)式〜(12)式から事故時の動作量か
ら正確に事故が発生した保護領域を選定できる。
ば、複数の保護領域に対して個別に算出した正の動作量
の絶対値および負の動作量の絶対値と、複数の保護領域
を包含する領域の正の動作量および負の動作量とを正同
士、負同士で比較することにより、CT飽和を伴なう事
故においても正確に事故母線を判定できる。
の実施の形態について説明する。この実施の形態におい
ても、図6と同一の構成であるので、各構成要素の説明
は前述する図1の説明に譲り、特に異なる部分である事
故母線判定手段24について説明する。
(9)式および(10)式の判定条件に加えて、各保護
領域に対して個別に算出した正波の動作量の絶対値|I
dAp|および負の動作量の絶対値|IdAn|が予め
定めた所定の感度値よりも大きいとき、つまり、 |IdAp|≧IK3 …… (13) |IdAn|≧IK3 …… (14) なる条件が共に成立したとき、IdAp、IdAnなる
動作量の得られた領域に事故が発生したことを検出す
る。IK3は予め定める感度値である。この(13)式
および(14)式は、算出した動作量の絶対値による比
較判定を行うために最低限必要な動作量のレベルを確認
するためのものである。
実施の形態を示す機能ブロック図である。この母線保護
継電装置30は、データ取得手段31と、一括保護用演
算手段32と、複数の保護領域に対して個別に動作量を
算出し、この動作量と一括保護用演算手段32で算出さ
れた動作量とを比較し、事故が発生している保護領域を
判定し、事故母線判定出力を送出する事故母線判定手段
33と、この事故母線判定手段33の出力に対して保護
領域毎に所定の時間の間、同一の判定結果が継続してい
るかを確認する出力確認手段34と、図8に示す遮断母
線判定データを格納する遮断母線判定テーブル35と、
一括保護用演算手段32の内部外部事故判定出力と出力
確認手段34の判定結果とに基づき、判定テーブル35
の遮断母線判定データを参照し、遮断母線の判定を行う
遮断母線判定手段36とによって構成されている。
用演算手段32は、図1とほぼ同一の構成であるので、
ここではその構成の説明は省略する。次に、以上のよう
な保護継電装置の動作について説明する。
に複数の保護領域をもつ母線に接続される変流器からの
アナログ電流信号を取り込んでディジタルデータに変換
し出力すると、一括保護用演算手段32では、データ取
得手段31からのディジタルデータを用いて動作量、抑
制量を算出し、所定の比率作動演算により複数の保護領
域を包含した領域の内部・外部事故を判定し出力する。
示す事故母線判定手段15と同様に各保護領域に対して
個別に動作量IdA、IdBを算出し、これら算出され
た動作量と一括保護用演算手段32で算出された動作量
Idとを比較し、前記(3)式によって事故発生領域を
判定するが、この場合には前述したようにCT飽和に伴
う事故が発生したとき、事故発生領域を正確に判定でき
ず、装置の誤応動を招く可能性がある。
手段33の判定出力を出力確認手段34に送出し、ここ
でCT飽和に伴って発生する事故でも判定可能とする。
すなわち、出力確認手段34は、事故母線判定手段33
の判定出力が各保護領域毎に所定の時間例えば4サイク
ルにわたって継続しているか否かを判断し、継続してい
る場合のみ事故母線判定手段33の判定結果を出力す
る。このCT飽和に伴う動作量の誤差分はCT飽和の発
生直後に最大となり、その後に減少する。このCT飽和
の発生原因である事故電流の直流分の減衰時定数は系統
のインピーダンスによって変化するが、一般に高抵抗設
置系統における事故では長くても50ms程度であり、事
故後4サイクル(50Hz系統出も80ms)の間にはそ
の大部分が減衰する。通常、事故後4サイクルを経過す
れば、事故電流の直流分に起因するCT飽和の回復する
ので、事故母線判定手段33の判定が正確か否かを確認
できる。
結果を確認した後、遮断母線判定手段36に供給する。
この遮断母線判定手段36は、一括保護用演算手段32
の内部外部事故判定出力と出力確認手段34の確認結果
の出力とを用い、図に示す遮断母線判定テーブル35に
従って遮断出力を送出する。
は、例えば一括保護用演算手段32が内部事故と判定
し、一方、事故母線判定手段33がA領域の事故と判定
したとき、A領域の母線に接続される回線に対する遮断
出力を送出する。
ば、事故母線判定手段33の出力側に出力確認手段34
を設け、事故母線判定手段33の判定出力が所定の時間
継続しているとき当該判定出力を送出するので、CT飽
和に伴う動作量の誤差分を除去できるだけでなく、CT
飽和を伴う事故時でも事故の発生領域を正確に判定でき
る。
数の保護領域を包含する領域に対応するサンプリングデ
ータから得られる動作量と個別保護領域に対応するサン
プリングデータから得られる動作量とを用い、CT飽和
を伴う事故時でも事故発生領域を判別するようにしたの
で、CT飽和対策付き分割保護用継電器を削減でき、よ
って簡易な構成でコストの低減化および信頼性を向上さ
せることができる。
形態を示す機能構成図。
T二次電流および各母線毎に算出された動作量を示す
図。
配列例図。
の形態を示す機能構成図。
の実施の形態を示す機能構成図。
配列例図。
Claims (10)
- 【請求項1】 電力系統のアナログ量を所定の周期ご
とにサンプリングし、これらサンプリングデータを用い
て複数の保護領域の中から事故発生領域を判定する母線
保護継電装置において、 前記複数の保護領域を包含する領域に対応する前記サン
プリングデータから得られる動作量の所定時間での変化
量と前記個別保護領域に対応する前記サンプリングデー
タから得られる動作量の所定時間での変化量とを用いて
事故発生領域を判定する動作量判定手段と、前記保護領
域に対応する前記サンプリングデータの変化分から前記
電力系統の事故発生を検出する事故検出手段と、前記動
作量判定手段の判定結果と前記事故検出手段の検出結果
とから前記事故発生領域への遮断出力を送出する事故母
線判定手段とを備えたことを特徴とする母線保護継電装
置。 - 【請求項2】 電力系統のアナログ量を所定の周期ご
とにサンプリングし、これらサンプリングデータを用い
て複数の保護領域の中から事故発生領域を判定する母線
保護継電装置において、 前記サンプリングデータを用いて動作量および抑制量を
算出し、所定の比率差動演算によって前記複数の保護領
域を包含する領域の内部・外部事故を判定する演算手段
と、前記個別保護領域に対応する前記サンプリングデー
タから得られる動作量の所定時間での変化量を算出し、
これら算出された個別保護領域の動作量の変化量と前記
演算手段によって得られる動作量の所定時間での変化量
とのうち、何れか一方または両方の変化量を用いて事故
発生領域を判定する動作量判定手段と、前記保護領域に
対応する前記サンプリングデータの変化分から前記電力
系統の事故発生を検出する事故検出手段と、前記動作量
判定手段の判定結果と前記事故検出手段の検出結果とか
ら前記事故発生領域の事故発生を判定し、所定の時間引
き延ばした事故発生領域の判定結果を出力する第1の判
定手段と、前記演算手段の演算結果と前記第1の判定手
段の判定結果とに基づいて事故発生領域への遮断出力を
送出する第2の判定手段とを備えたことを特徴とする母
線保護継電装置。 - 【請求項3】 動作量判定手段は、前記個別保護領域
に対応する前記サンプリングデータから得られる動作量
の所定時間での変化量を算出し、これら算出された個別
保護領域の動作量の変化量が前記複数の保護領域を包含
する領域に対応する前記サンプリングデータから得られ
る動作量の所定時間での変化量に所定の係数を掛けた値
よりも大きいとき、その変化量の大きい個別保護領域を
事故発生領域と判定することを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載の母線保護継電装置。 - 【請求項4】 前記動作量判定手段は、2つの保護領
域の中から事故発生領域を判定する場合、前記2つの個
別保護領域に対応する前記サンプリングデータから得ら
れる動作量の所定時間での変化量を算出し、これら算出
された2つの動作量の変化量のうち一方の動作量の変化
量が前記2つの保護領域を包含する領域に対応する前記
サンプリングデータから得られる所定時間での動作量の
変化量に所定の係数を掛けた値よりも大きく、かつ、他
方の動作量の変化量よりも大きいとき、大きい変化量が
得られる個別保護領域を事故発生領域と判定することを
特徴とする請求項1または請求項2に記載の母線保護継
電装置。 - 【請求項5】 前記動作量判定手段は、2つの保護領
域の中から事故発生領域を判定する場合、2つの個別保
護領域に対応する前記サンプリングデータから得られる
動作量の所定時間での変化量を算出し、これら算出され
た2つの動作量の変化量のうち一方の動作量の変化量が
他方の動作量の変化量よりも大きいとき、その大きい変
化量が得られる個別保護領域を事故発生領域と判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の母線保護継電装置。 - 【請求項6】 前記動作量判定手段は、2つの保護領
域の中から事故発生領域を判定する場合、2つの個別保
護領域に対応する前記サンプリングデータから得られる
動作量と前記2つの保護領域を包含する領域に対応する
前記サンプリングデータから得られる動作量との位相差
を求め、この位相差が所定の角度以内であり、かつ、前
記2つの個別保護領域に対応する前記サンプリングデー
タから得られる動作量の所定時間での変化量が予め設定
された感度値よりも大きいとき、これら両条件が成立し
た個別保護領域を事故発生領域と判定することを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の母線保護継電装
置。 - 【請求項7】 前記動作量判定手段は、2つの保護領
域の中から事故発生領域を判定する場合、2つの個別保
護領域に対応する前記サンプリングデータから得られる
動作量と前記2つの保護領域を包含する領域に対応する
前記サンプリングデータから得られる動作量との位相差
を求め、この位相差が所定の角度以内であり、かつ、前
記2つの個別保護領域に対応する前記サンプリングデー
タから得られる動作量の所定時間での変化量が前記2つ
の保護領域を包含する領域に対応する前記サンプリング
データから得られる動作量の所定時間での変化量よりも
大きいとき、これら両条件が成立した個別保護領域を事
故発生領域と判定することを特徴とする請求項1または
請求項2に記載の母線保護継電装置。 - 【請求項8】 電力系統のアナログ量を所定の周期ご
とにサンプリングし、これらサンプリングデータを用い
て複数の保護領域の中から事故発生領域を判定する母線
保護継電装置において、 前記サンプリングデータを用いて動作量および抑制量を
算出し、所定の比率差動演算によって前記複数の保護領
域を包含する領域の内部・外部事故を判定する演算手段
と、前記サンプリングデータを正波と負波とに分解した
後、所定の演算により前記複数の保護領域を包含する領
域における正の動作量と負の動作量とを算出するデータ
算出手段と、前記個別保護領域に対応する前記サンプリ
ングデータから正の動作量および負の動作量を算出し、
これら正・負の動作量と前記データ算出手段で算出され
た正の動作量および負の動作量に所定の係数を掛けた値
とを正同士および負同士で比較し、正・負共に個別保護
領域に対応する動作量が大きいとき、その動作量が得ら
れた保護領域内部の事故発生であると検出する第1の判
定手段と、前記演算手段の演算結果と前記第1の判定手
段の判定結果とに基づいて事故発生領域への遮断出力を
送出する第2の判定手段とを備えたことを特徴とする母
線保護継電装置。 - 【請求項9】 請求項8に記載の母線保護継電装置に
おいて、 前記第1の判定手段は、前記個別保護領域に対応する前
記サンプリングデータから正の動作量および負の動作量
を算出し、この動作量と前記データ算出手段で算出され
る正の動作量および負の動作量に所定の係数を掛けた値
とを正同士および負同士で比較し、正・負共に個別保護
領域に対応する動作量が大きく、かつ、その個別保護領
域に対応する正の動作量および負の動作量が共に予め定
めた所定値よりも大きいとき、その大きい動作量が得ら
れた保護領域内部の事故発生であると検出する手段を設
けたことを特徴とする母線保護継電装置。 - 【請求項10】 電力系統のアナログ量を所定の周期
ごとにサンプリングし、これらサンプリングデータを用
いて複数の保護領域の中から事故発生領域を判定する母
線保護継電装置において、 前記サンプリングデータを用いて動作量および抑制量を
算出し、所定の比率差動演算によって前記複数の保護領
域を包含する領域の内部・外部事故を判定する演算手段
と、前記個別保護領域に対応する前記サンプリングデー
タから正の動作量および負の動作量を算出し、これら算
出された個別保護領域の動作量の絶対値の何れかが前記
演算手段で算出された動作量の絶対値に所定の係数を掛
けた値よりも大きい条件が所定時間継続したとき、条件
成立した動作量が得られた個別保護領域内部の事故発生
であると検出する第1の判定手段と、前記演算手段の演
算結果と前記第1の判定手段の判定結果とに基づいて事
故発生領域への遮断出力を送出する第2の判定手段とを
備えたことを特徴とする母線保護継電装置。
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