JPH11340292A - 回路パタ―ン欠陥検査方法及びその装置 - Google Patents

回路パタ―ン欠陥検査方法及びその装置

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JPH11340292A
JPH11340292A JP7722199A JP7722199A JPH11340292A JP H11340292 A JPH11340292 A JP H11340292A JP 7722199 A JP7722199 A JP 7722199A JP 7722199 A JP7722199 A JP 7722199A JP H11340292 A JPH11340292 A JP H11340292A
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Shunji Maeda
俊二 前田
Takashi Hiroi
高志 広井
Hitoshi Kubota
仁志 窪田
Hiroshi Makihira
坦 牧平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検査対象パターン(回路パターン)の膜厚や
エッジのだれ具合等の3次元的な形状の相違や、層間の
ずれ、或いは検出時のサンプリング誤差を欠陥として誤
検出すること無く、真の欠陥のみを信頼性高く、高精度
に検出する。 【解決手段】本来同一となるように形成された複数の被
検査対象回路パターンを順次撮像して得た2つの画像の
うち少なくとも一方の画像にフィルタリング処理を施し
て前記2つの画像の位置ずれの状態を変更し、該位置ず
れの状態を変更した2つの画像を用いて前記被検査対象
パターンの欠陥を検出するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSIウエハ等の被検
査対象パターン(回路パターン)について、形状欠陥、
異物、変色欠陥等の欠陥を自動的に検出する回路パター
ン欠陥検出方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI等の集積回路は高集積化と微細化
の傾向にある。かかる微細な配線パターンの形成にあっ
ては、欠陥の検出が当該形成の良否を判定する上で重要
である。
【0003】欠陥の検出は、最早、目視では困難なこと
から多数の人員を配置して目視で行う段階ではなく、欠
陥検出の自動化が急務となっている。
【0004】そこで、光学顕微鏡または電子顕微鏡から
得られた半導体素子表面の画像情報を、撮像管や撮像素
子等により電気信号に変換した後、所定の信号処理を施
して欠陥の検出を行う方法並びに装置が知られている。
例えば、セミコンダクタ・ワールド(1984年6月)
第112頁から第119頁(Semiconductor World(198
4)pp112-119)、或いは特開昭59−192943号公
報がある。
【0005】これらの技術に共通する構成要素を、図1
4を用いて簡単に説明する。図14において、ランプ2
で照明したウエハ1上の回路パターンを対物レンズ3を
介してイメージセンサ4で拡大検出し、回路パターンの
濃淡画像を画像メモリ5に記憶してある一つ前のチップ
7a(隣接チップ)の画像と比較し、欠陥判定を行う。
検出した画像は、同時に画像メモリ5に格納し(記憶画
像)、次のチップ7bの比較検査に用いる。
【0006】図15に欠陥判定の一例を示す。位置合せ
回路6aにおいて、検出画像と記憶画像を位置合せし、
差画像検出回路6bにより位置合せされた検出画像と記
憶画像の差画像を検出する。これを2値化回路6cによ
り2値化することにより、欠陥を検出する。上記構成に
より検出画像に存在する欠け8aが検出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、LSIの微細
化が進み、サブミクロンLSIの時代に突入している現
在、これら従来技術では、微小な欠陥を検出することが
困難になりつつある。
【0008】今後、更に微細化、多層化が進み、複雑で
微細な多層パターン中の0.1〜0.3μmの欠陥を信頼
性高く検出するには、従来の技術だけでは対応できない
と予想される。
【0009】本発明の目的は、被検査対象パターン(回
路パターン)の膜厚やエッジのだれ具合等の3次元的な
形状の相違や、層間のずれ、或いは検出時のサンプリン
グ誤差を欠陥として誤検出すること無く、真の欠陥のみ
を信頼性高く、高精度に検出できるようにし、LSIの
微細化、多層化に十分対応できるようにし、特に0.1
〜0.3μmの微小な欠陥も検出可能にした回路パター
ン欠陥検出方法及びその装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、被検査対象パターン
の形状の出来具合に応じて、欠陥検出の感度を自動で設
定できるようにした回路パターン欠陥検出方法及びその
装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、欠陥寸法を正確に検
出できるようにした回路パターン欠陥検出方法及びその
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は検出した画像上で、回路パターンの位置の
ずれとして形状欠陥を検出するようにした。
【0013】また、本発明は、0.5μm程度の比較的
大きい形状欠陥や、変色欠陥及び異物を、濃淡差によっ
て検出するようにした。
【0014】更に、本発明は、位置ずれとして検出され
た不一致の画素数より、位置合せを行うことにした。
【0015】
【作用】上記構成により、検出した画像の濃淡波形の形
状が正常部においてかなり異なっていても、微細な欠陥
を検出することができ、これにより、回路パターンの濃
淡変動、エッジのだれ具合の違い、層間のずれ、或いは
検出時のサンプリング誤差を誤検出することがない。ま
た、位置合せ精度を向上させることができるため、より
微小な欠陥まで検出することが可能となる。更に、回路
パターンの形状欠陥だくでなく、変色等も見逃すことな
く、検出できる。更に、欠陥の有無だけでなく、その寸
法も正確に検出できる。
【0016】
【実施例】以下本発明を図に示す実施例に基いて具体的
に説明する。まず、本発明の原理について図1を用いて
説明する。即ち、ウエハ上のチップ7内部の位置7dの
回路パターンを光電変換器4にて検出した検出濃淡画像
信号fと、例えばウエハ上の隣りのチップに対応する位
置7cの回路パターンを光電変換器4にて検出した画像
メモリ5に記憶された記憶濃淡画像信号gとを次のよう
に比較して欠陥を検出する。
【0017】(1)濃淡画像信号f,gを各々1次微分
回路10a,10bで1次微分し、引算器22a〜22hから
得られる1次微分の極性、即ち正であるか負であるかを
切り出し回路12a,12b及び極性比較回路14a〜
14yで画像毎に比較し、不一致を欠陥として検出す
る。
【0018】(2)1次微分回路10a,10b(図6
に具体的に示す。)で1次微分の際、2値化回路23a
〜23hから得られる1次微分の絶対値が2つの画像信
号ともに、或いはいずれかが設定値Ethよりも大きい画
素のみ、引算器22a〜22hから得られる1次微分の
極性を比較して不一致を欠陥として検出する。
【0019】(3)濃淡画像信号f,gを2次微分回路
11a,11bで2次微分して閾値Dthで2値化し、極
性比較回路14a〜14yにおいて、切り出し回路12
a,12b,13a,13bの出力信号に基いて一方の
領域でのみ、上記(2)を行って極性不一致を欠陥とし
検出する。
【0020】(4)図12に示すように、濃淡画像信号
f,gを2次微分回路11a,11bで2次微分して閾
値Dthで2値化し、一方の領域(エッジ領域)で上記
(2)を行ってAND回路19から極性不一致を欠陥と
して検出し、他方の領域(エッジでない領域)或いは全
ての領域で濃淡信号f,gの値を比較して差画像信号の
2値化により最小値検出回路44から不一致を欠陥として
検出する。
【0021】(5)上記(2)、(3)のいずれかによ
り得られる不一致領域では、低い閾値、それ以外の領域
では高い閾値を設定して、濃淡画像信号f,gの差画像
信号を2値化して欠陥を検出する。
【0022】(6)上記(2)、(3)のいずれかによ
って得られる不一致の画素数が最小となるように、2つ
の濃淡画像f,gを位置合せする。
【0023】(7)上記(2)、(3)のいずれかによ
って得られる不一致の画素数が設定値以下となる複数の
位置で濃淡画像信号を位置合せする。
【0024】(8)上記(7)により得られる複数の位
置で画像を位置合せし、上記(2)〜(5)のいずれか
の比較によって得られる共通の不一致を欠陥として検出
する。
【0025】(9)上記(2)、(3)のいずれかによ
って得られる不一致の画素数が、最小の極性不一致画素
数を中心として、位置ずれに対して対称になるように、
或いは複数の不一致画素数がほぼ等しくなるように、濃
淡画像をフィルタリングする。
【0026】次に上記技術的手段(1)〜(9)がどの
ように動作するかを信号波形を用いて説明する。即ち、
図16(a),(b),(c),(d)に示すような濃
淡差をもつ2つ回路パターンについて図18(a)に示
した信号波形f,gを上記手段(1)、即ち1次微
分回路10a,10bにより1次微分してf',
',を得、その極性をプロットすると同図(b)の
波形が得られる。1次微分回路10a,10bの引算器
22a〜22hから1次微分の極性が正であるか負であ
るかに応じて1,−1なる1bit(1,0)を割り当
て、2つの極性波形を比較して1と−1を不一致として
検出すると、同図(c)が得られる。欠陥8bは不一致
として検出でき、しかも検出された寸法は、欠陥の実際
の寸法に正確に一致している。しかし、正常部におい
て、回路パターンエッジのだれ具合等の違いにより、誤
検出が生じるため、手段(2)により、即ち1次微分回
路10a,10bの2値化回路23a〜23hから1次
微分f',g'の絶対値|f'|,|g'|につい
て、閾値Ethに対し、 |f'|<Eth or |g'|<Eth が成立するとき、1次微分f',g'の極性を強制的
の0にすると、図19(b)に示す極性波形が得られ
る。これらを比較すると同図(c)が得られ、欠陥8b
のみが正しく検出できる。上記は、min{|f'|,|
'|}≧Ethが成り立つ領域について欠陥判定を行
うことに相当するが、max{|f'|,|g'|}≧
Ethでも類似した結果が得られる。このように手段
(2)により欠陥検出が可能であるが、検査対象によっ
ては正常部においても、図20(a)に示したような信
号波形f,gになり、同図(b),(c)に示すよ
うに明るい部分の波形形状が異なるため、正常部の誤検
出が生じる。図14に示したような通常の明視野照明で
は、回路パターンエッジは暗く観察されるため、暗いエ
ッジについて、上記した手段(2)を施せば、上記誤検
出を防ぐことができる。即ち、図21(a)〜(d)に
示すように手段(3)、即ち2次微分回路11a,11
bにより信号波形f,gの2次微分を閾値Dthで2
値化し(加算器26、かけ算器27及び加算器28によ
り1,−2,1なるエッジオペレータを実現し、これを
2値化回路29により設定した閾値Dthで2値化し)、
3b,g3bを得、この論理和f3b,Ug3bをと
る。この領域Rは、回路パターンエッジに相当し、この
領域で1次微分の極性を比較すると、同図(c)に示す
ように、誤検出は生じなくなる。
【0027】上記(3)により信号波形の形状がかなり
異なっていても、回路パターンエッジに生じた形状欠陥
がその有無だけでなく、寸法も含めて正確に検出可能に
なったが、図22(a),(b)に示すように、回路パ
ターンFと回路パターンGの膜厚が許容限界以上に
異なるときに、これは欠陥として検出可能とするため、
手段(4)によりエッジ領域R以外の領域では、同図
(c)により得られる同図(d)の差信号波形|f
|(図12及び図13に示す差画像検出回路43a
〜43yで得られる)を閾値Vthで2値化すれば、同図
(e)に示すように欠陥として検出可能になる。
【0028】また、手段(5)によれば、上記手段
(3)で得られる不一致領域では、低い閾値を設定し、
それ以外の領域で高い閾値を設定して2値化することに
より、回路パターンエッジの欠陥は形状欠陥として厳密
に小さいものまで検出し、それ以外は誤検出を抑えてあ
る程度ラフに検査することもできる。
【0029】上記した手段(2)、(3)によって得ら
れる不一致の画素数は、2つの画像の位置ずれ量△X
(△Y)に対し、図23に示すような形状になる。従っ
て、手段(6)によれば、不一致画素数が最小となるよ
うに切り出し回路12a,12bで2つの画像f,gを
位置合せすれば、画像中の回路パターンエッジ位置が正
しく合った状態を実現できる。2つの画像が正しく位置
合せされた状態できる。2つの画像が正しく位置合せさ
れた状態で手段(2)〜(5)により比較を行えば、高
精度な欠陥検出が可能である。
【0030】ここで、図24(a),(b)に示すよう
に、層間ずれが存在する場合には、上記不一致画素数は
1点でのみ小さくなるのではなく、多層パターンの各パ
ターンエッジがそれぞれ正しく位置合せされる複数の点
で不一致画素数が小さくなる。そこで、例えば、図23
において、不一致画素数が最小となる△X=0で2つの
画像f,gを切り出し回路12a,12bで位置合
せする。図24(a),(b)のAA’部、BB’部の
信号波形f,gは同図(c)に示すようになり、上
記手段(3)を適用すると、同図(c)に示すようにな
り、層間ずれ部で誤検出が生じる。次に、不一致画素数
が2番目に小さければ、△X=−1で2つの画像f
を位置合せする。信号波形fと左へ1画素シフト
した信号波形gに手段(3)を適用すると、同図
(g),(h)となる。そして、同図(i)に示すよう
に、△X=0の判定結果と△X=−1のときの判定結果
のANDをAND回路19によりとり、共通に出力され
る不一致を検出すると、層間ずれに影響されることな
く、欠陥のみを正しく検出できる。
【0031】上記不一致画素数は、層間ずれの有無だけ
でなく、回路パターンのもつ微小な凹凸などに影響され
てその値が被検査対象に応じて変わるので、不一致画素
数に応じて位置合せすべき複数の点の数を決めれば、回
路パターンの出来具合に応じて、欠陥検出の感度を自動
で設定することができる。
【0032】手段(9)によれば、検出した濃淡画像に
フィルタリングを施すことにより、位置ずれの状態を任
意に変えることができる。即ち、不一致画素数が図25
(a)に示す形状になれば、画素の単位以下の精度で2
つの画像が位置合せ可能であることを示し、同図(b)
に示す形状になれば、一方の画像が他方に対し、丁度1
/2画素ずれていることを示す。従って、(a)の場合
は、不一致画素数が最小となる位置で、ここでは△X=
0で、画像を位置合せすれば、極めて精度の高い欠陥判
定ができ、非常に微小な欠陥まで検出できる。(b)の
場合は、不一致画素数が小さい2点△X=0、△X=−
1で画像を位置合せすれば、1/2画素のパターンの形
状相違を許容した欠陥判定が実現できる。ここで、上記
した画像のフィルタリングは
【0033】
【数1】
【0034】等の係数をもつフィルタを画像にたたみ込
むことで実現でき、係数aij(i,j=1〜3)は不一致画素
数の値より決められる。
【0035】次に本発明の一実施例を図1により説明す
る。被検査対象パターン(回路パターン)の光学像を電
気信号に変換する光電変換器4としてリニアイメージセ
ンサ、TVカメラ等いかなるものでも使用可能である
が、本実施例ではリニアイメージセンサを用いており、
当該リニアイメージセンサの自己走査及びそれと直角方
向に移動するXYテーブル1Aにより被検査対象パター
ンを形成したウエハ1の2次元回路パターンを検出す
る。リニアイメージセンサ4により検出されたアナログ
信号(映像信号)は、A/D変換器9により、例えば8
bitのディジタル信号8に変換され、検出画像信号f
と画像メモリ5に記憶されている一つ前のチップの信号
(記憶画像信号)gと比較され、欠陥判定が行われる。
即ち、図2に示すように、ウエハ上のチップ7内部の位
置7dの回路パターンを検出し(検出画像信号f)、こ
れを画像メモリ5に記憶した隣のチップに対応する位置
7cの回路パターン(記憶画像信号g)と比較すること
により、欠陥を検出する。
【0036】まず、図1において、例えば8bitの検
出画像信号f及び記憶画像信号gをそれぞれ1次微分回
路10a,10b、2次微分回路11a,11bによ
り、画素ごとに順次1次微分及び2次微分する。1次微
分回路10a,10bは、図3に示すように画像より3
×3画素を順次切り出して8方向の1次微分o,p,・
・・・・v及びo’,p’,・・・・・v’を求め、そ
れぞれの極性(1,0)と、1次微分の絶対値を2値化
して得られる値(1,0)とからなる、例えば16bi
tの信号100a,100bを出力する。ここで、極性
の“1”は正を、“0”は負を表わす。2次微分回路1
1a,11bは、図4に示すように、1,−2,1なる
オペレータを画像の各絵素に適用し、閾値Dthで2値化
して、パターンのエッジの暗い領域を“1”に、それ以
外を“0”にして、例えば1bitの信号101a,1
01bとして出力する。次に、切り出し回路12a,1
2b,13a,13bにより、1次微分回路10a,1
0bの出力、及び2次微分回路11a,11bの出力を
切り出す。切り出し回路12a,13aは、例えば5×
5画素の領域を切り出し、±2画素シフトした状態を作
る。切り出し回路12b,13bは、上記5×5画素の
中央位置と同期させる。次に、極性比較回路14a〜1
4yにより、切り出し回路12a,12b,13a,1
3bの出力を用いて、±2画素シフトした検出画像信号
及び記憶画像信号の1次微分、2次微分結果をそれぞれ
比較する。即ち、2次微分により抽出されたパターンエ
ッジの暗い領域において、検出画像信号と記憶画像信号
のそれぞれの8方向(個)の1次微分の極性とその絶対
値の大小を各方向ごとに比較し、いずれかの絶対値が大
なる領域で極性が一致しない画素を不一致として値
“1”を出力する。切り出し回路12a,12bは、例
えば5×5画素の25個の出力を有するので、その場合
上記極性比較回路14a〜14yも25個存在する。
【0037】次に、カウンタ回路15a〜15yによ
り、極性比較回路14a〜14yにより得られる不一致
画素数を例えば1024画素×256画素毎に計数す
る。位置ずれ量検出回路16は、カウンタ回路15a〜
15yにより得られる不一致画素数を解析し、不一致画
素数が、例えば設定値より小さくなる位置ずれ量(△X
,△Y),・・・・・(△Xm,△Ym)を出力す
る。この位置ずれ量は、例えば図5に示すようなもので
ある。
【0038】次に、極性比較回路14a〜14yの出力
を遅延回路17a〜17yにより、上記位置ずれ量が求
められるまで遅延させる。そして、領域選択回路18a
〜18yにより、上記位置ずれ量(△X,△Y),
・・・・・(△Xm,△Ym)に相当する位置の極性比
較回路16の出力だけを生かし(activeにし)、その他は
マスキングする。そして、AND回路19により、領域選
択回路18a〜18yの出力の論理積をとり、値“1”
を欠陥として出力する。
【0039】なお、後述するように、必ずしも19は、
AND回路にする必要はない。領域選択回路18a〜1
8yも同様に必ずしもAND回路にする必要はない。
【0040】次に、各部の構成要素について、更に詳し
く説明する。図6は、1次微分回路10a,10bの構
成例を示す図である。8bitのディジタル信号8よ
り、シフトレジスタ20a,20b、及びラッチ21a
〜21iを用いてラッチ21a〜21iに3×3画素の
領域を切り出す。この3×3画素より図3に示した8方
向の1次微分を、引算器22a〜22hを用いて算出す
る。ここで、引算器22aは図3の1次微分oを、引算
器22hは1次微分uに相当するが、(引算器22a〜
22hは図3に示す1次微分o〜vを行い)引算器22
a〜22hの出力は、1bitの符号bit、即ち正,
負の極性(1,0)と、残りの1次微分の絶対値(|
f’|or|g’|)を表わす8bitとする。2値化
回路23a〜23hは、図19(b)に示すように上記
1次微分の絶対値を、予め設定された閾値Ethにより2
値化して2値化信号を得る回路で、1次微分の絶対値
(|f’|or|g’|)が閾値Eth以上であれば
“1”を、閾値Ethより小さければ“0”を、即ち1次
微分の絶対値を2値化して得られる1bitの値(1,
0)を出力する。なおこの閾値Ethは、(|f’|と|
g’|)とにおいて変えてもよいことは明らかである。
即ち、引算器22a〜22h及び2値化回路23a〜2
3hから隣接した8個(方向)の極性を示す信号と隣接
した8個(方向)の絶対値の大小を示す信号とが合成さ
れて16bit構成で信号100a,100bとして出
力される。
【0041】図7は、2次微分回路11a,11bの構
成例を示す図である。8bit構成のディジタル信号8
より、シフトレジスタ24a,24b、及びラッチ25
a〜25iを用いてラッチ25a〜25iに3×3画素
の領域を切り出す。この3×3画素より、図4に示した
エッジオペレータを用いて2値のエッジパターンを抽出
する。即ち、加算器26、かけ算器27及び加算器28
により1−2,1なるエッジオペレータを実現し、これ
を2値化回路29により設定した閾値Dthで2値化し、
図21(b),(c)に示すように、パターンのエッジ
の暗い領域を“1”とし、それ以外の領域を“0”にし
て1bit構成の信号101a,101bとして出力す
る。図4に示す他の3種類のエッジオペレータも同様の
方法で加算器26、かけ算器27及び加算器28により
実現できる。(図7において他の3種類のエッジオペレ
ータを行う加算器26、かけ算器27及び加算器28は
省略されている。) 図8は、切り出し回路12a,12bの構成例を示す図
である。1次微分回路10aから出力される16bit
のディジタル信号(8個の極性(1,0)と8個の1次
微分の絶対値の大小(1,0)との合成信号)100a
より、シフトレジスタ30a〜30d、及びラッチ31
a〜31yを用いてラッチ31a〜31yに5×5画素
の領域を切り出す。また、1次微分回路10bから出力
される16bitのディジタル信号100b(8個の極
性(1,0)と8個の1次微分の絶対値の大小(1,
0)との合成信号)よりシフトレジスタ30e,30
f、及びラッチ32a,32b,32cを用いてラッチ
32cに上記5×5画素の中央画素に相当する画素を出
力する。図1に示す切り出し回路13a,13bも同様
な構成で実現することができる。図9に、その1例を示
す。即ち、2次微分回路11aから出力される1bit
の2値信号(エッジ領域、それ以外の領域を示す信号
(1,0))101aより、シフトレジスタ33a〜3
3d、及びラッチ34a〜34yを用いてラッチ34a
〜34yに5×5画素の領域を切り出す。また、2次微
分回路11bから出力される1bitの2値信号101
b(エッジ領域、それ以外の領域を示す信号(1,
0))よりシフトレジスタ33e,33f、及びラッチ
35a,35b,35cを用いてラッチ35cに上記5
×5画素の中央画素に相当する画素を出力する。
【0042】図10は、極性比較回路14a〜14yの
構成例を示す図である。同図において1次微分信号の絶
対値が大の領域でのみ極性比較による不一致を有効とす
る比較回路37aは、16bitの信号102、104
に含まれる極性(正:1,負:0)について極性(正:
1,負:0)の不一致を検出して不一致の場合“1”、
一致の場合“0”なる信号を出力するEXOR回路36
a、16bitの信号102、104に含まれる1次微
分信号の絶対値の大小を表わす信号が二つとも(共に)
小“0”のときには“0”信号を、それ以外は“1”信
号を出力するNAND回路36b、及びNAND回路3
6bの出力が“0”のときはEXOR回路36aから
“1”なる信号として出力される極性の不一致を出力さ
せないAND回路36cからなる。OR回路38は、8
個(方向)の比較回路37a〜37hの出力の論理和を
とって、8個の比較回路37a〜37hの内、少なくと
も1個の比較回路37a〜37hから1次微分信号の絶
対値が大の領域でのみ極性比較による不一致が検出され
たときこの極性不一致信号を出力するものである。OR
回路39は、切出し回路13a,13bから出力される
2値化エッジパターン信号103,105の論理和をと
り、検出画像信号fと記憶画像信号gの何れかに、即ち
切出し回路13aと切出し回路13bの何れかにエッジ
パターン“1”信号が検出されたことを示す信号“1”
を出力するものである。AND回路40は、OR回路3
8の出力とOR回路39の出力との論理積をとり、1次
微分信号の絶対値が大の領域において得られる極性不一
致信号をエッジパターンにおいて“1”なる信号を出力
するものである。
【0043】上記構成により、図19に示すように、同
図(a)に示す検出画像信号fと記憶画像信号g
について、1次微分信号の絶対値が大の領域(1次微分
値|f’|or|g’|<Eth、なお閾値Ethは、
|f’|と|g’|とにおいて変えてもよいことは
明らかである。)においては、“0”にし、他の領域
(1次微分信号の絶対値が小の領域)について1次微分
(f’org’)の極性(正(1)、負(−1))
信号に変換した1次微分の極性波形を図19(b)に示
す。そして1次微分信号の絶対値が大の領域(1次微分
値|f’|or|g’|<Eth)においてを比較
し、1次微分(f’)の極性(正(1)、負(−
1))信号と1次微分(g’)の極性(正(1)、負
(−1))信号とを比較して不一致(1/−1)なる信
号を、図10に示す極性比較回路14a〜14yのOR
回路38から、判定結果として図19(c)に示す如く
得られる。即ち1次微分信号の絶対値が大の領域におい
て、検出画像信号fと記憶画像信号gとについて極
性の不一致として、図10に示す極性比較回路14a〜
14yのOR回路38から欠陥8bが検出される。しか
し、図18に示すように、検出画像信号fと記憶画像
信号gとについて、極性の不一致のみで欠陥8bを検
出しただけでは、図18に示すように、正常部におい
て、検出画像信号fと記憶画像信号gとの関係にお
いて出力画像信号の著しい相違によって極性の不一致が
検出され、欠陥として誤検出してしまう。そこで、1次
微分信号の絶対値が大の領域において検出画像信号f
と記憶画像信号gとの極性の不一致を検出すれば、図
19に示すように、正常部について誤検出することがな
くなる。更に、図20に示すように、回路パターンが微
細化されるに伴って、回路パターンの中央部において、
検出画像信号fと記憶画像信号gとの関係において
極性の不一致が検出され、正常部が欠陥として誤検出さ
れることになる。そこで、図21(a)に示す検出画像
信号fと記憶画像信号gとを、各々2次微分回路1
1a,11bによって2次微分信号f”,g”(図
21(b)に2次微分として示す。)を得、この2次微
分信号f”,g”を閾値Dthで2値化(f3b=f
”>Dth,g3b=g”>Dth)したエッジ信号1
01a,101b(図21(c)に2次微分の2値化と
して示す。)を得、図10に示す極性比較回路14a〜
14yのOR回路39で何方かにエッジ信号があるかど
うかOR検出(f3bUg3b)し(図21(d)にO
R検出として示す。)、“1”なる回路パターンのエッ
ジ信号を得る。そして図10に示す極性比較回路14a
〜14yのOR回路39でOR検出された“1”なる信
号で、極性比較回路14a〜14yのOR回路38から
検出される極性不一致による欠陥信号をAND回路40
において論理積をとってフィルタすることによって図2
1(e)に示すように微細な回路パターンの中央部付近
(非エッジ領域)で発生する極性不一致による正常部に
おける誤検出を無くすことができる。
【0044】図11は、領域選択回路18a〜18y,
AND回路19の構成例を示す図である。遅延回路17
a〜17yより出力される極性比較結果は、切り出し回
路12a,12b,13a,13bによって±2画素シ
フトした位置において検出画像信号fと記憶画像信号g
との極性を比較した結果得られる不一致2値化信号であ
り、これと位置ずれ量検出回路16で得られる位置ずれ量
(△X,△Y),・・・・・(△Xm,△Ym)に
基いて領域選択回路(AND回路)18a〜18yに入
力される2値化信号が“1”なる信号として選択され、
領域選択回路(AND回路)18a〜18yにおいては
極性比較回路14a〜14yから出力される不一致2値
化信号と位置ずれ量検出回路16から選択された2値化
信号との論理積がとられ、即ち図23に示すように位置
ずれ量がある閾値Fth(Sth)以外をマスキングし、A
ND回路19により±2画素の範囲でそれらの論理積を
とり、図24に示した判定を実現することができる。
【0045】特に図24に示すように、多層回路パター
ンの場合、位置ずれ量検出回路16、領域選択回路(A
ND回路)18a〜18y、及びOR回路19を欠陥検
出において必要となる。即ち、検出多層パターンF
図24(a)に、基準多層パターンGを図24(b)
に示す。そして検出多層パターンFの検出画像信号f
と基準多層パターンGの記憶画像信号gとについ
てその信号波形を図24(c)に示す。これらの信号波
形からわかるように、両者の間に位置ずれのない部分と
位置ずれのある部分とが発生する。多層パターンの場
合、上層同志は位置ずれがないが、下層においては位置
ずれが生じてしまうものである。そのため、一次微分回
路11a,11bからは、図24(d)に示す微分の極
性波形信号100a,100bが得られる。この極性波
形信号100a,100bを極性比較回路14a〜14
yにおいて比較しただけでは、判定結果I(エッジ領域
において極性不一致として図24(e)に示すように誤
検出と欠陥による不一致とが検出されてしまう。)が生
じる。そこで図24(e)に、検出多層パターンF
検出画像信号fに対して基準多層パターンGの記憶
画像信号gを左へ切り出し回路12bでシフトさせた
関係を示した。これらの微分の極性波形信号100a,
100bを図24に示した。そしてこの極性波形信号1
00a,100bを極性比較回路14a〜14yにおい
て比較して得られる判定結果II(エッジ領域において極
性不一致として図24(h)に示すように二つの誤検出
と欠陥による不一致とが検出される。)が得られる。こ
れらの判定結果Iと判定結果IIとをAND回路19によ
って論理積をとることによって図24(i)に示すよう
な最終判定結果(真に欠陥による極性不一致のみ検出で
きる。)が得られる。
【0046】以上、1次微分の極性を用いた位置合わせ
と欠陥判定法についての構成例を説明した。上記構成に
より、被検査対象であるLSIウエハ等の回路パターン
に、膜厚やエッジのだれ具合等の3次元的な形状相違
や、層間のずれ、或いは検出時のサンプリング誤差によ
る形状の相違、濃淡の相違があっても、真の欠陥のみを
高精度に検出できる。
【0047】また、パターンエッジの最暗点の位置ずれ
が欠陥として検出でき、極めて寸法精度が高い。
【0048】上記構成例では、1次微分、2次微分とも
に、3×3画素を切出して行ったが、5×5画素等に拡
大しても実現できる。また、2次微分は、明視野照明の
もとで得られる画像を対象としたため、暗いパターンエ
ッジを検出する構成としたが、暗視野照明では、明るい
パターンエッジを検出すべく、−1,2,−1等のエッ
ジオペレータにしてもよい。
【0049】また、図1の位置ずれ検出回路16では、
不一致画素数S(△X,△Y),△X,△Y=−2,−1,0,
1,2に対し、 S(△X,△Y)≦Sth(Fth) なる位置ずれ量△X,△Yを求めたが、閾値Sth(Fth)
として、定数を設定する以外に、
【0050】
【数2】
【0051】等により、自動設定してもよい。ここで、
,Cは、定数である。これにより、回路パターン
(配線パターン)の出来具合に応じて、位置合せすべき
点の数を増減することができ、欠陥検出感度を自動で設
定可能になる。
【0052】また、層間のずれをより積極的に許容する
ために、以下に述べる方法で複数の位置合せ点を求めて
もよい。不一致画素数S(△Xmin,△Ymin)(ここで△Xmi
n,△Ymin:S(△X,△Y)が最小となる△X,△Y)は、検
出画像信号fと記憶画像信号gが位置合せされた時の不
一致画素数であり、正常部の不一致と欠陥からなる。正
常部の不一致は、層間ずれが主な原因であり、この他
に、回路パターンの微小な凹凸がある。
【0053】層間ずれパターンでは、一方の画像(例え
ば記録画像)をxy面内でシフトすると、図26に示す
ように位置合せ可能な位置(△Xr,△Yr)が存在する。
従って、層間ずれのある領域では、S(△X,△Y)の値
は小さくなる。一方、欠陥は、上記位置(△Xr,△Yr)
で必ずしも合せ込まれるとは限らず、欠陥部のS(△X
r,△Yr)の値は変わらない。しかし、層間ずれのないパ
ターンに対しては、一方の画像をシフトすると、(△Xm
in,△Ymin)で一致していた正常部が不一致として検出
されてしまい、結果的には、S(△Xr,△Yr)の値が小
さくならない。従って、S(△X,△Y)の大小からは、
層間ずれを許容する位置△Xr,△Yrを直接見出すことは
できない。
【0054】そこで、式(1)で与えられるS(△X,△
Y,△Xof,△Yof)なる量を導入する。
【0055】 △S(△X,△Y,△Xof,△Yof) =△S(△Xmin+△Xof-△X,△Ymin+△Yof-△Y) −2S(△Xmin+△Xof,△Ymin+△Yof) −S(△Xmin+△Xof+△X,△Ymin+△Yof+△Y)(1) この△Sは、(△Xmin+△Xof,△Ymin+△Yof)の位置に
おいて、△X,△Yだけ一方の画像をシフトしたとき、シ
フトしても消去できない不一致を表わす。これを、図2
7を用いて説明する。図27は画像シフトによる層間ア
ライメント誤差の補償実験例(3層パターン)を示した
図、即ち3層の模擬パターンの例を示し、検出画像と記
録画像の間には微妙な層間ずれが存在する。図27で
は、記録画像を±△X,△Y(いずれも1)画素だけxy
面内でシフトし、極性比較を行って得られた不一致画像
を表わしている。同図において、(△Xmin,△Ymin)=
(0,0)であり、また(△Xr,△Yr)=(1,1),
(0,−1)なる位置で、層間ずれが許容される。
【0056】ここで、(△Xof,△Yof)=(0,0)と
して、△S(△X,△Y,0,0)が最小と成る(△Xs,△Y
s)なる位置は、B層が位置合せされる位置(1,1)
を表わしており、△S(△Xs,△Ys,0,0)/4;
(0,0)でのC層に関する不一致。
【0057】S(0,0)−△S(△Xs,△Ys,0,0)
/4;(0,0)でのB層に関する不一致。
【0058】となっている。しかも、S(0,0)−△
S(△Xs,△Ys,0,0)なる量は、(1,1)で零にな
る。これは、パターンを複数の位置で位置合せして得ら
れる不一致画素数において、ある不一致画素数が2箇所
の不一致画素の符号は線形和に近い値をもつ位置を選択
すれば最適な位置合せができることを表わしている。
【0059】従って、min△S(△X,△Y,0,0)/4:
(△Xmin,△Ymin)、及びこれより(△X,△Y)だけシフト
した位置では、位置合せできない層に関する不一致。
【0060】S(△Xmin,△Ymin)−min△S△S(△X,△
Y,0,0)/4:(△Xmin,△Ymin)では位置合せできない
が、(△X,△Y)だけシフトすると位置合せ可能な層に
関する不一致。
【0061】と表現できる。また、より一般的に、min
△S(△X,△Y,△Xof,△Yof)/4:(△Xmin+△Xof,△Ymi
n+△Yof)、及び(△X,△Y)シフトしても位置合せでき
ない層に関する不一致。
【0062】S(△Xmin+△Xof,△Ymin+△Yof)−min△S
(△X,△Y,△Xof,△Yof)/4:(△Xmin+△Xof,△Ymin+△
Yof)では位置合せできないが、(△X,△Y)だけシフト
すると位置合せできる層に関する不一致。
【0063】となる。従って、min△S(△X,△Y,△Xof,
△Yof)/4が小さく、S(△Xmin+△Xof,△Ymin+△Yof)
−min△S(△X,△Y,△Xof,△Yof)/4が大きい位置(△X
min+△Xof,△Ymin+△Yof)、及び(△X,△Y)なる画像
シフト位置では(△Xmin+△Xof,△Ymin+△Yof)で合わな
かった多くの正常部が、(△X,△Y)のシフトにより正
しく位置合せされ、そのため消去でき、しかも、画像シ
フトしても合わない不一致は小さいことになる。
【0064】図27の例では、 min△S(△X,△Y,0,0)/4<Sth (2) (Sth:閾値)が成り立つ位置は(0,0),(1,
1)であり、また min△S(△X,△Y,△Xof,△Yof)≦min△S(△X,△Y,0,0) (3) が成り立つ位置は(0,−1),(0,0),(1,
0),(0,1),(1,1)の5点となる。これらの
位置は、A層,B層,C層すべてを正しく位置合せでき
るものであり、この考え方が妥当であることが分かる。
【0065】2層パターンの場合には、上記考え方が最
適解を導く。図28は画像シフトによる層間アライメン
ト誤差の補償実験例(2層パターン)を示した図、即ち
2層の模擬パターンの例を示し、検出画像と記憶画像の
間には、微妙な層間ずれが存在する。同図において、 min△S(△X,△Y,△Xof,△Yof)≦min△S(△X,△Y,0,0)<Sth (4) が成り立つ(△Xmin+△Xof,△Ymin+△Yof)及び(△X,△
Y)だけシフトした位置は、(0,0)及び(1,1)
となり、A層とB層がそれぞれ正しく位置合せされる位
置となっている。
【0066】次に、(△Xs,△Ys)の具体的検出手段を示
す。
【0067】
【数3】
【0068】
【数4】
【0069】(△Xmin,△Ymin)の位置において、不一致
画素数S(△Xmin,△Ymin)のうち、この位置では位置合
せができないが、(△X,△Y)だけ画像シフトすると位
置合せできるパターンに関する不一致画素数。この値が
大きい(層間ずれと考えられる。)(消去最大…層間ず
れ)
【0070】
【数5】
【0071】(△Xmin,△Ymin)の位置において、不一致
画素数S(△Xmin,△Ymin)のうち、この位置から(△X,
△Y)だけ画像シフトしたとき、シフトしても位置合せ
できない不一致の画素数。この値が小さい(不一致自体
が小さい)。(不一致小…消去可)
【0072】
【数6】
【0073】画像をマッチングする位置の選択。
【0074】
【数7】
【0075】(△Xmin,△Ymin)の位置において、不一致
画素数S(△Xmin,△Ymin)のうち、この位置では位置合
せができないが、(△X,△Y)だけ画像シフトすると位
置合せできるパターンに関する不一致画素数。この値が
大きい(層間ずれと考えられる。)(消去最大…層間ず
れ)
【0076】
【数8】
【0077】(△Xmin,△Ymin)にオフセット(△Xof,△Y
of)を付加した位置(△Xmin+△Xof,△Ymin+△Yof)で、
(△X,△Y)だけシフトした位置でも不一致の画素数が
小さい。(消去最大)
【0078】
【数9】
【0079】画像をマッチングする位置の選択。
【0080】 任意の2点で位置合せし、これらの位置で消去可能な不
一致を求め、残される不一致が小さい位置を層間ずれが
許容される位置として検出する。
【0081】図12は、他の実施例を示した図である。
イメージセンサ4からAND回路19までは、図1と同
一の構成である。遅延回路41a,41bにより、検出
画像信号fと記憶画像信号gを遅延させ、切り出し回路
12a,13aと同様な構成の切り出し回路42aによ
り、遅延した検出画像信号fの5×5画素領域を切り出
し、±2画素シフトした状態を作る。また、切り出し回
路12b,13bと同様な構成の切り出し回路42bに
より、遅延した記憶画像信号gに対し、上記5×5画素
の中央位置と同期させる。次に、差画像検出回路43a
〜43yにより切り出し回路42a,42bの出力を用
いて、±2画素シフトした検出画像信号fと、記憶画像
信号gの差画像を検出する。最小値検出回路44は、対
応する切り出し回路13a,13bの出力である2値化
エッジパターンがどちらも“0”の位置(図10に示す
切り出し回路13a,13bの出力の論理和をとるOR
回路39で検出されるところの図21(d)に“0”と
して検出されるエッジ以外の領域)において、差画像検
出回路43a〜43yの差画像出力のうち、位置ずれ量
検出回路16により出力された位置における最小値を検
出する。OR回路39で検出されるところの2値化エッ
ジパターンのいずれかが“1”であれば、最小値を例え
ば0として差画像出力を0とする。2値化回路45は、
最小値検出回路44の最小値差画像出力を所定の閾値V
th(例えば図22に示す。)で2値化して変色等の欠陥
を検出し、これとAND回路19の出力の論理積をとる
回路である。
【0082】上記構成により、図22に示すように、差
画像検出回路43a〜43yは、図22(c)に示すパ
ターンFの検出画像信号(信号波形)fとパターン
の検出画像信号(信号波形)gとの差画像(図2
2(d)に差信号波形として示す。)を検出し、最小値
検出回路44は、切り出し回路13a,13bの出力の
論理和をとるOR回路39で“0”として検出されると
ころの非エッジ領域において、差画像検出回路43a〜
43yから出力される差画像信号のうち、位置ずれ量検
出回路16により出力された位置の範囲(位置ずれのな
い状態)における最小値を求め、該差画像信号の最小値
が所定の閾値Vth以上のとき2値化回路45は“1”な
る信号を出力し、これとAND回路19の出力と論理和
をとるので図22(e)に示すように変色等の欠陥につ
いても検出することが可能となる。
【0083】他の実施例として、図12において、上記
2値化回路45をなくし、OR回路39で検出されると
ころの2値化エッジパターンの信号を用いることなく、
差画像検出回路43a〜43yから出力される差画像信
号のうち、位置ずれ量検出回路16により出力された位
置の範囲(位置ずれのない状態)における最小値を求
め、AND回路19より出力される極性が不一致となっ
た領域の信号に基いて閾値を変え、即ちAND回路19
より出力される極性が不一致となった領域については、
低い閾値、それ以外は(極性が不一致にならない領域に
ついては)高い閾値で差画像信号の最小値を最小値検出
回路44で2値化することによって得られる2値化信号
によって各種の欠陥(形状欠陥や変色欠陥等)を検出す
ることができる。
【0084】また、他の実施例として、図12におい
て、2値化回路45で用いる閾値Vthとして、検出画像
信号fと記憶画像信号gをそれぞれf(x,y),g(x,y)とす
ると、 Vth(x,y)=Cmin{f(x,y),g(x,y)}+C としても良い。ここで、C,Cは定数である。上記
閾値Vth(x,y)で最小値検出回路44の出力を2値化す
れば、回路パターンの明るさに応じて最適な2値化がで
き、各種の欠陥を検出することができる。なお、この場
合は、最小値検出回路44に入力される検出画像信号か
ら、位置ずれ量検出回路16により求められる最小不一
致画素数の位置ずれに対応する画素の濃淡値と、対応す
る記憶画像信号の画素の濃淡値から、その画素の閾値V
thを決める。
【0085】図13は、画像のフィルタリング操作を行
うための他の実施例を示した図である。イメージセンサ
4から位置ずれ量検出回路16までは、図1と同一の構
成である。係数検出回路46は、位置ずれ量検出回路1
6より、不一致画素数の値を入力し、これにより後述す
るフィルタ回路47a,47bの係数aij,bijを
求める回路である。遅延回路41a,41bに遅延させ
た画像信号に対し、フィルタ回路47a,47bは、係
数aij,bijをもつフィルタをたたみ込む回路であ
る。切り出し回路42aは、フィルタリングされた検出
画像信号の5×5画素の領域を切り出し、±2画素シフ
トした状態を作る。また、切り出し回路42bは、フィ
ルタリングされた記憶画像信号gを、上記5×5画素の
中央位置に同期させる。次に、差画像検出回路43a〜
43yにより、切り出し回路42a,42bの出力を用
いて、±2画素シフトした検出画像信号fと、記憶画像
信号gの差画像信号を検出する。最小値検出回路44
は、差画像検出回路43a〜43yのうち、位置ずれ量
検出回路16により出力された位置の差画像の最小値を
検出する。2値化回路45は、最小値検出回路44の出
力を2値化する回路である。
【0086】ここで、係数検出においては、図23に2
次関数等を当てはめ、最小二乗法等により不一致画素数
が最小となる仮想の位置を画素単位以下の精度で求め、
この位置と不一致画素数が最小となる画素単位の位置の
差を検出する。そして、この差の1/2の量だけ、検出
画像信号及び記憶画像信号をそれぞれ逆方向にシフトさ
せるフィルタ係数aij,bijを求める。
【0087】例えば、検出画像をx方向に0.2画素,
y方向に0.3画素,記憶画像はその逆方向に同量だけ
シフトさせれば、2つの画像が一致する場合には、係数
は、
【0088】
【数10】
【0089】となる。
【0090】上記は、2つの画像を正確に一致させる例
を示したが、例えば1/2画素だけずれたように2つの
画像をシフトさせ、図25(b)に示すように、△X=
0,△X=−1のように複数位置での最小値検出を行え
ば、1/2画素の形状差を積極的に許容することもでき
る。
【0091】上記構成によれば、不一致画素数と一致ず
れ量の関係から、画像を任意の精度で位置合せすること
ができ、例えば、図26に示すように画像検出時のサン
プリング誤差を補償することが可能になる。ここで、
(a)は検出パターン,(b)は記憶パターンを示し,
(c)はフィルタリング後の検出パターンと記憶パター
ンを表わす。
【0092】図13では、濃淡画像の差画像検出により
欠陥判定を行う例を示したが、これは、図1に示したよ
うに、極性比較による判定でもよいし、図12に示した
ように極性比較と差画像検出の組合せでも可能である。
【0093】上記構成によれば、位置合せ精度が従来の
画素単位から画素未満の単位に飛躍的に向上させること
ができる結果、より微小な欠陥まで検出することが可能
になる。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、検出した画像の濃淡波
形の形状が正常部においてかなり異なっていても、微細
な欠陥を検出することができ、これにより、パターンの
膜厚変動、エッジのだれ具合の違い、層間のずれ、或い
は検出時のサンプリング誤差を誤検出することがない。
また、位置合せ精度を向上させることができるため、よ
り微小な欠陥まで検出することが可能になる。さらに、
パターンの形状欠陥だけでなく、変色等も見逃すことな
く、検出できる。さらに、欠陥の有無だけでなく、その
寸法も正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路パターン欠陥検出方法及びその装
置の一実施例を示す概略構成図。
【図2】2チップ比較の説明図。
【図3】図1に示す1次微分回路において1次微分を行
なう1次微分の一例を示す図。
【図4】図1に示す2次微分回路において2次微分を行
なう2次微分の一例を示す図。
【図5】位置ずれ量(△X,△Y)を示した図。
【図6】1次微分回路の具体的構成の一例を示した構成
図。
【図7】2次微分回路の具体的構成の一例を示した構成
図。
【図8】1次微分回路から出力される1次微分信号を切
り出す切り出し回路の具体的構成の一例を示した構成
図。
【図9】2次微分回路から出力される2次微分信号を切
り出す切り出し回路の具体的構成の一例を示した構成
図。
【図10】極性比較回路の構成例を示す図。
【図11】領域選択回路及びAND回路等を示す構成
図。
【図12】図1とは異なる本発明の回路パターン欠陥検
出方法及びその装置の他の実施例を示す図。
【図13】図12とは異なる本発明の回路パターン欠陥
検出方法及びその装置の更に他の実施例を示す図。
【図14】各々従来技術を説明するための図。
【図15】各々従来技術を説明するための図。
【図16】各々濃淡波形の一例を示す図。
【図17】各々濃淡波形の一例を示す図。
【図18】本発明に係る極性比較の原理を説明するため
の図。
【図19】本発明に係る極性比較のにおいて改良した内
容を説明するための図。
【図20】本発明に係る極性比較のにおいて誤検出が生
じる場合を説明するための図。
【図21】2次微分併用による極性比較を説明するため
の図。
【図22】変色欠陥検出を説明するための図。
【図23】位置ずれと不一致画素数との関係を示した
図。
【図24】層間ずれ対応の極性比較を説明するための
図。
【図25】各々位置ずれと不一致画素数との関係を示し
た図。
【図26】検出画像信号(パターン)と記憶画像信号
(パターン)とを位置ずれのない状態にしたことを示す
図。
【図27】画像シフトによる層間アライメント誤差の補
償実験例(3層パターン)を示す図。
【図28】画像シフトによる層間アライメント誤差の補
償実験例(2層パターン)を示す図。
【符号の説明】
10…1次微分回路、 11…2次微分回路、 12,
13…切り出し回路、14…極性比較回路、 15…カ
ウンタ回路、 16…位置ずれ量検出回路、18…領域
選択回路、 44…最小値検出回路、 43…差画像検
出回路、45…2値化回路、 47…フィルタ回路。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、本来同一となるように形成された複数
の被検査対象回路パターンを順次撮像して得た被検査対
象回路パターンの画像を用いて被検査対象パターンの欠
陥を検査する方法において、被検査対象回路パターンを
順次撮像して得た2つの画像のうち少なくとも一方の画
像にフィルタリング処理を施して2つの画像の位置ずれ
の状態を変更し、この位置ずれの状態を変更した2つの
画像を用いて被検査対象パターンの欠陥を検出すること
を特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、本発明は、本来同一となるように形
成された複数の被検査対象回路パターンを順次撮像し、
この順次撮像して得た2つの画像の位置ずれの状態を変
更し、位置ずれの状態を変更した2つの画像を比較して
被検査対象回路パターンの欠陥を検査する方法におい
て、位置ずれの状態を変更した2つの画像を比較して欠
陥を検出するときに、被検査対象回路パターンのエッジ
部分とそれ以外の部分とで検出感度を変えて欠陥を検出
する、または、被検査対象回路パターンの状態に応じて
欠陥の検出感度を変えることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】更に、上記目的を達成するために、本発明
では、本来同一となるように形成された複数の被検査対
象回路パターンを順次撮像して得た被検査対象回路パタ
ーンの画像を用いて被検査対象パターンの欠陥を検査す
る装置において、被検査対象回路パターンを撮像して被
検査対象回路パターンの画像を得る撮像手段と、この撮
像手段で順次撮像して得た画像を記憶する記憶手段と、
撮像手段で得た画像と記憶手段に記憶した画像との少な
くとも一方の画像に対してフィルタリング処理を施して
撮像手段で得た画像と記憶手段に記憶した画像との位置
ずれの状態を変更するフィルタリング手段と、このフィ
ルタリング手段で位置ずれの状態を変更した2つの画像
を用いて被検査対象パターンの欠陥を検出する欠陥検出
手段とを備えたことを特徴とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧平 坦 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本来同一となるように形成された複数の被
    検査対象回路パターンを順次撮像して得た前記被検査対
    象回路パターンの画像を用いて前記被検査対象パターン
    の欠陥を検査する方法であって、前記被検査対象回路パ
    ターンを順次撮像して得た2つの画像のうち少なくとも
    一方の画像にフィルタリング処理を施して前記2つの画
    像の位置ずれの状態を変更し、該位置ずれの状態を変更
    した2つの画像を用いて前記被検査対象パターンの欠陥
    を検出することを特徴とする回路パターン欠陥検査方
    法。
  2. 【請求項2】本来同一となるように形成された複数の被
    検査対象回路パターンを順次撮像して得た前記被検査対
    象回路パターンの画像を用いて前記被検査対象パターン
    の欠陥を検査する装置であって、前記被検査対象回路パ
    ターンを撮像して前記被検査対象回路パターンの画像を
    得る撮像手段と、該撮像手段で順次撮像して得た画像を
    記憶する記憶手段と、前記撮像手段で得た画像と前記記
    憶手段に記憶した画像との少なくとも一方の画像に対し
    てフィルタリング処理を施して前記撮像手段で得た画像
    と前記記憶手段に記憶した画像との位置ずれの状態を変
    更するフィルタリング手段と、該フィルタリング手段で
    位置ずれの状態を変更した前記2つの画像を用いて前記
    被検査対象パターンの欠陥を検出する欠陥検出手段とを
    備えたことを特徴とする回路パターン欠陥検査装置。
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