JPH11339708A - 縮小投影レンズ - Google Patents

縮小投影レンズ

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JPH11339708A
JPH11339708A JP11079896A JP7989699A JPH11339708A JP H11339708 A JPH11339708 A JP H11339708A JP 11079896 A JP11079896 A JP 11079896A JP 7989699 A JP7989699 A JP 7989699A JP H11339708 A JPH11339708 A JP H11339708A
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JP
Japan
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lens
magnetic
mask
magnetic pole
projection lens
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JP11079896A
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Inventor
Mamoru Nakasuji
護 中筋
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁レンズの軸上磁場を矩形分布にできる電
子線縮小転写装置用の縮小投影レンズを提供する。 【解決手段】 本発明は、マスク1を通過してパターン
化された電子線を感応基板(試料)19上に縮小投影結
像させる縮小投影レンズについてのものである。同レン
ズは、円柱形状のフェライトスタック25と、該フェラ
イトスタック25の上端に設けられたリング状の上フェ
ライト磁極7と、該フェライトスタック25の下端に設
けられたリング状の下フェライト磁極10と、を具備す
る。上フェライト磁極7及び下フェライト磁極10それ
ぞれの内径をフェライトスタック25の内径より小さく
する。これにより、電磁レンズの軸上磁場を矩形分布に
近いものにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を用いてマ
スクの像を感応基板(ウェハ等)上に縮小投影する縮小
投影レンズに関する。特には、0.1μm 以下の微細、
高密度パターンを高スループット、高精度で転写する電
子線縮小転写装置に用いられるのに適した光学系に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の電子線縮小転写装置は、フェライ
トスタック(磁気シールド部材)の内側にダイナミック
フォーカスコイル、偏向器、真空壁が設けられた2段の
電磁レンズを有する。このレンズは、好ましくは電子光
学系の収差を相当程度低減させうる対称磁気ダブレット
型レンズ系である。対称磁気ダブレット型レンズ系は、
投影光学系の2段の投影レンズの形状(磁極ボーア径、
レンズギャップ)を入射瞳を中心として相似形点対称
(マスク側投影レンズを縮小率倍縮小したとき点対称)
とし、各レンズの磁性を逆とし、両レンズの励磁コイル
のアンペアターンを等しくとったものである(J. Vac.Sc
i.Technol., Vol.12, No.6, Nov. Dec. 1975) 。上記フ
ェライトスタックの内径は、電磁レンズの上下磁極の内
径と同じ径で設計されていた。
【0003】また、レンズのフェライトスタックの内径
は、下記の理由により大口径になっていた。すなわち、
2段の電磁レンズのうち、特に試料側のレンズについて
は、フェライトスタックの内側に多くの部品、例えばダ
イナミックフォーカスレンズ用コイル、倍率・回転調整
用レンズコイル、収差補正用偏向器、絶縁材料真空壁、
ダイナミック非点補正用レンズコイル等を設置する必要
がある。また、真空壁に汚れが付くと、そこに電荷が溜
まり、その電荷によって電界が発生する等のchargingの
影響を避けるため、ビームの最外径と真空壁の内壁はな
るべく間隔を取る必要がある。
【0004】このような背景から、フェライトスタック
の内径と電磁レンズの上下磁極の内径(即ちボーア径)
とを同一径とした場合、電磁レンズにおける上下磁極の
ボーア径も大口径になっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように上下磁極の
ボーア径を大口径にすると、次のような問題点(1) 〜
(6) が生じていた。 (1) 電磁レンズの軸上磁場は矩形分布にすることが望ま
しいが、ボーア径を大きくすると、軸上磁場分布の立上
がり形状に傾斜がつき、矩形分布には遠い軸上磁場分布
になってしまう。 (2) 軸上磁場分布の立上がり形状に傾斜がつくと、2段
の電磁レンズの相互間にあるクロスオーバ付近での軸上
磁場分布の対称性が悪くなり、対称磁気ダブレットの条
件からのズレが大きくなる。
【0006】(3) ボーア径を大口径にすると、大きい励
磁アンペアターン(AT)が必要となるので、レンズの
発熱が大きくなって、熱管理上の問題が生じる。なお、
励磁電流はボーア径の略2乗に比例する。 (4) 軸上磁場分布の立上がり形状に傾斜がつくと、マス
ク上あるいはウェハ上での軸上磁場の残留量が大きくな
り、これを補正するのに大きい補正磁場を必要とする。
【0007】(5) 問題点(1) に関連するが、ボーア径を
大きくすると、レンズ収差が大きくなり、これを補正す
る偏向器の数が多く必要となる。また、偏向器の励磁A
T数が大きくなり、偏向器の発熱が大きく、温度管理上
の問題が生じる。 (6) 二段のレンズの磁気回路の外径を縮小率倍にしよう
とすると、ウェハ側レンズの磁気回路の外径が小さくな
って、AT数を大きくとれない。 (7) トロイダル型の偏向器の場合、偏向コイルの外径と
フェイライトスタックの内径の差をあまり小さくする
と、フェイラトスタックによって偏向器の偏向感度が低
下し、特にフェライトの温度が変った場合に偏向器の偏
向感度が変動する問題点があった。特に偏向コイルの外
径とフェライトスタッフの内径の間隔がコイル半径の1
/3より小さくなると、この傾向が著しいという問題点
があった。
【0008】本発明は上記のような事情を考慮してなさ
れたものであり、その目的は、電磁レンズの軸上磁場を
矩形分布に近くすることのできる電子線縮小転写装置用
の縮小投影レンズを提供することにある。また、感応基
板側の電磁レンズのアンペアターン数を大きくできる電
子線縮小転写装置用の縮小投影レンズを提供することを
目的とする。さらに本発明の他の目的は、フェライトの
温度変化による偏向感度の変化の少ない偏向器を有する
縮小投影レンズを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1態様に係る縮小投影レンズは、マスク
を通過してパターン化された電子線を感応基板上に縮小
投影結像させる縮小投影レンズであって;中空円筒形の
磁気シールド部材と、該磁気シールド部材の上端に設け
られたリング状の上磁極と、該磁気シールド部材の下端
に設けられたリング状の下磁極と、を具備し、該上磁極
及び該下磁極それぞれの内径が、上記磁気シールド部材
の内径より小さいことを特徴とする。また、上記縮小投
影レンズはマスク側レンズと感応基板側レンズの2段の
レンズから構成されており、該2段のレンズそれぞれの
磁気シールド部材の内径の寸法比が縮小率に等しいこと
が好ましい。
【0010】第1態様に係る縮小投影レンズでは、上磁
極及び下磁極それぞれの内径を磁気シールド部材の内径
より小さくしている。このようにレンズの磁極内径(ボ
ーア径)を小さくすることにより、レンズの軸上磁場の
立上がり傾斜を大きくでき、矩形分布に近い軸上磁場分
布を得ることができる。これにより、磁極(点)より離
れると軸上磁場が急速に0に近くなり、感応基板上やマ
スク上で残留する磁場は小さい値となるので、これを補
正するために感応基板面下に設ける逆方向磁場も弱くて
良い。
【0011】また、レンズの軸上磁場分布を矩形に近い
ものにすることで、その微分値は磁極付近以外が0とな
り、この位置にMOL(Moving Objective Lens) 条件を
満たす偏向磁場を与えればほとんどの収差が消える。こ
のため、偏向器で大きく補正をする必要がない。
【0012】また、上下の磁極の内径D1 ,D2 を小さ
くすることにより、レンズの焦点距離の基準となるS2
+{(D1 +D2 )/2}2 の値が小さくなる(Sは上
下磁極の間隔)。その結果、小さい励磁電流で電子線を
収束できる。
【0013】本発明の第2態様に係る縮小投影レンズ
は、マスクを通過してパターン化された電子線を感応基
板上に縮小投影結像させる縮小投影レンズであって;該
マスク側に設けられた実質的に回転対称形のマスク側レ
ンズ磁気回路と、該感応基板側に設けられた実質的に回
転対称形の基板側レンズ磁気回路と、を具備し、該基板
側レンズ磁気回路の感応基板側の部分の外径(基板側外
径)を上記マスク側レンズ磁気回路の外径に対してほぼ
縮小率倍とし、該基板側レンズ磁気回路のマスク側の部
分の外径を上記基板側外径より大きくしたことを特徴と
する。
【0014】第2態様に係る縮小投影レンズでは、基板
側レンズ磁気回路の感応基板側の部分の外径のみをマス
ク側レンズ磁気回路の外径に対して縮小率倍しているた
め、基板側レンズを励磁するコイルを巻くスペースは十
分に確保でき、しかも試料側ボーア近傍の磁場分布をマ
スク側レンズのマスク側ボーア近傍の磁場分布との相似
性を確保できる。また、両レンズのクロスオーバ側ボー
ア近傍の磁場分布の相似対称性についてはボーア径が小
さいため、ボーア径の5倍程度の距離迄機械的対称性が
保たれていれば全く問題はない。
【0015】本発明の第3態様に係る縮小投影レンズ
は、マスクを通過してパターン化された電子線を2段の
縮小投影レンズで感応基板上に縮小投影結像させる縮小
投影レンズであって;マスク側投影レンズは、中空円筒
形の磁気シールド部材と、該磁気シールド部材の上端に
設けられたリング状の上磁極と、該磁気シールド部材の
下端に設けられたリング状の下磁極と、を具備し、該上
磁極及び該下磁極それぞれの内径が、上記磁気シールド
部材の内径より小さい複数のレンズ要素から構成されて
いることを特徴とする。
【0016】この態様では、複数のレンズ要素(磁極、
励磁コイル)毎に励磁コイルの電流調整を行うことがで
きるので、レンズの軸上磁場分布を望ましい値に容易に
調整できる。
【0017】本発明においては、上記磁気シールド部材
(フェライトスタック等)の内側に偏向器が配置されて
おり、該偏向器外径と磁気シールド部材内径との間に以
上の間隔があることが好ましい。この場合、偏向器の偏
向磁場は磁気シールド部材をほとんど通らないので、磁
気シールド部材のフェライト等の温度変化があっても偏
向器の偏向感度の変動は小さい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態による電子線縮小転写装置の縮小投影レンズを
示す断面図であり、この図は提出原紙において約1/4
の縮尺で描かれた断面を半分だけ示すものである。図の
最上部に示されているマスク1は、上部から、図示せぬ
照明光学系により電子線照明を受けている。マスク1の
下には、順に、マスク側レンズ2、クロスオーバ開口1
1、ウェハ側レンズ16、ウェハ等の感応基板19が、
光軸(縮小投影レンズ左側の一点鎖線)に沿って配置さ
れている。
【0019】マスク側レンズ2は、磁気回路を構成する
断面内向きコ字状の回転対称形の磁極2aを有し、その
内周にはコイルを巻回した励磁コイル3が配置されてい
る。レンズ磁極2aの上端部内側にはリング状のフェラ
イト磁極7が接着され、レンズ磁極2aの下端部内側に
はリング状のクロスオーバ側フェライト磁極10が接着
されている。また、クロスオーバ側のフェライト磁極1
0の内径はマスク側のフェライト磁極7の内径より小さ
く形成される。
【0020】フェライト磁極7、10の相互間且つレン
ズ励磁コイル3の内側には、絶縁物リング4とフェライ
トリング5とを積み重ねたフェライトスタック25が嵌
め込まれている。フェライト磁極7、10の内径(ボー
ア径)はフェライトスタック25の内径より小さく形成
されている。
【0021】このようにフェライトスタックの内径とフ
ェライト磁極の内径とを無関係に設計し、フェライト磁
極7、10の内径D1 ,D2 を従来の縮小投影レンズに
比較して十分に小さい値をとることにより、レンズの軸
上磁場分布の立上がり傾斜が大きくなり、矩形分布に近
い軸上磁場分布が得られる。これにより、レンズ外にお
いて軸上磁場が急速に0に近くなり、ウェハ上やマスク
上で残留する磁場は小さい値となるので、これを補正す
るためにウェハ面下に設ける逆方向磁場も強いものは必
要なく弱くて良い。従って、このレンズを遠くに設けて
もよく、ウェーハステージを設ける空間を大きくとれ
る。
【0022】また、レンズの軸上磁場分布を矩形に近い
ものにすることで、その微分値は磁極付近以外が0とな
り、この位置(磁極付近)にMOL(Moving Objective
Lens) 条件を満たす偏向磁場を与えればほとんどの収差
が消える。このため、収差補正用偏向器で大きく補正を
する必要がなくなる。つまり、レンズ収差を補正する偏
向器の数が少なくてすみ、また偏向器の励磁AT数を小
さくでき、偏向器の発熱も小さく、温度管理上の問題も
生じない。
【0023】また、フェライト磁極7、10の内径
1 ,D2 が小さくなることにより、レンズの焦点距離
の基準となるS2 +{(D1 +D2 )/2}2 の値が小
さくなる(Sは磁極7、10の間隔)。その結果、小さ
い励磁電流で電子線を収束できる。
【0024】フェライトスタック25の内側にはマスク
側レンズの焦点調整、回転調整、倍率調整を行うダイナ
ミックフォーカスコイル6が配置されている。ダイナミ
ックフォーカスコイル6の内側にはy方向偏向コイル
(y方向収差補正偏向器)9が上から下に複数積み重ね
られて配置され、その内側にはx方向偏向コイル(x方
向収差補正偏向器)8が上から下に複数積み重ねられて
形成される。x方向偏向コイル8の内面は真空壁27で
覆われる。真空壁27の内側の光軸近傍は真空であり、
真空壁27の外側の偏向コイル8、9及びレンズ磁気回
路2の部分は大気圧である。
【0025】レンズ磁気回路2と16との間のクロスオ
ーバC.O.は、マスクとウェハ間を縮小率で内分する点で
あり、照明系の電子銃のクロスオーバの像が形成される
点でもある。このクロスオーバC.O.の位置にクロスオー
バ開口11が置かれている。
【0026】ウェハ側レンズ16の磁気回路を形成する
磁極16aにおいて、ウェハ側の部分22についてはマ
スク側レンズ磁気回路2を相似形で1/4倍に小形化し
倒立させた形をしており、マスク側の部分についてはウ
ェハ側の部分より大きな外径となっている。つまり、ウ
ェハ側レンズ磁極16aのウェハ側の部分22の外径に
ついては1/4の縮小率倍にし、該磁極16aのマスク
側の部分の外径22´については、ウェハ側のように1
/4の縮小率倍にせずに必要なAT数を出せるように大
きい値とする。
【0027】ウェハ側レンズ16の極性はマスク側レン
ズ2の逆である。レンズ16の内側には、レンズ2の場
合と同様にクロスオーバ側フェライト磁極12、ウェハ
側フェライト磁極18、励磁コイル17、フェライトス
タック26のフェライトリング20、絶縁物リング2
1、レンズの倍率調整・回転調整を行うダイナミックフ
ォーカスコイル15、x方向収差補正偏向器13、y方
向収差補正偏向器14、真空壁28が配置されている。
真空壁28は、マスク側の真空壁27と同じ厚さであ
る。その理由は、偏向器やダイナミックフォーカスコイ
ルが作る磁場を同じ応答速度で光軸上へ伝える必要があ
るからである。レンズ磁気回路16のすぐ下にはウェハ
19が置かれている。
【0028】既述のように図1の縮小投影レンズは2段
構成からなる。両レンズ2、16のフェライトスタック
25、26の内側については寸法比が縮小率に等しい相
似形とされている。すなわち、クロスオーバC.O.からマ
スク1側に配置されているフェライトスタック25、ダ
イナミックフォーカスコイル6、フェライト磁極7,1
0、x方向収差補正偏向器8、y方向収差補正偏向器
9、及び、クロスオーバC.O.からウェハ19側に配置さ
れているフェライトスタック26、ダイナミックフォー
カスコイル15、フェライト磁極12,18、x方向収
差補正偏向器13、y方向収差補正偏向器14の幾何形
状及び幾何的配置が、クロスオーバC.O.からマスク1間
を縮小率倍に相似縮小すると、クロスオーバC.O.を中心
として上下点対称となる。
【0029】このように本実施の形態のレンズにおいて
は、フェライト磁極12、18の内径はフェライトスタ
ック26の内径より小さく形成され、クロスオーバ側の
フェライト磁極12の内径はウェハ側のフェライト磁極
18の内径より小さく形成される。このようにクロスオ
ーバ側磁極(即ち、マスク側レンズ磁気回路2のクロス
オーバ側フェライト磁極10及びウェハ側レンズ磁気回
路16のクロスオーバ側フェライト磁極12)のボーア
径を小さくすることにより、レンズの軸上磁場がクロス
オーバC.O.で十分0に近くなり、クロスオーバC.O.を中
心として上下点対称で対称磁気ダブレットの条件が満た
される。
【0030】次に、レンズ磁気回路や偏向器の各部の寸
法について説明する。ウェハ側レンズ16においては、
視野が10×1mm2 、真空壁28の内径が20mmφ、真
空壁28の厚みが2mm、x方向収差補正偏向器13及び
y方向収差補正偏向器14のR方向寸法が各10mm、ダ
イナミックフォーカスコイル15のR方向寸法が8mm、
フェライトスタック26の内半径が40mm、クロスオー
バ開口11側のフェライト磁極12の内半径(クロスオ
ーバ側ボーア半径)が12mm、ウェハ側のフェライト磁
極18の内半径が20mmである。
【0031】また、クロスオーバ開口11とフェライト
磁極12の間隔を12mmとする。この値はウェハ側レン
ズ16のクロスオーバ側ボーア半径(12mm)と同等で
あるので、クロスオーバ位置における軸上磁場を0にか
なり近い値とすることができる。
【0032】図2を参照して本発明の第2の実施の形態
について説明する。この例の縮小投影レンズでは、マス
ク1側の偏向器32を3段のトロイダル型偏向器として
いる。このトロイダル型偏向器8は、図1の投影レンズ
におけるy方向偏向コイル(y方向収差補正偏向器)9
及びx方向偏向コイル(x方向収差補正偏向器)8を兼
ねるものである。
【0033】マスク側投影レンズ2は3個のレンズ要素
(磁極及び励磁コイル等)で構成されている。各レンズ
要素はパーマロイや電磁軟鉄等の高μ(透磁率)材料で
作られたレンズコア2と、その内部の励磁コイル3とフ
ェライトスタック25、ダイナミックフォーカスコイル
6、フェライト製の上部磁極7、下部磁極10並びに中
間磁極30で構成されている。このため、複数のレンズ
要素(磁極、励磁コイル)毎に励磁コイルの電流値を調
整できるのでレンズの軸上磁場分布を収差的に望ましい
分布に容易に近ずけられる。
【0034】図のようにフェライトスタックを、上部磁
極7、下部磁極10及び中間磁極30の内径よりも小さ
くすることによって、マスク側レンズ内部の偏向器32
についても、偏向器32外形とフェライトスタック25
の間の距離を偏向器32自身の半径以上離すことができ
た。このような構造にすることにより、偏向器32の偏
向磁場はフェライトスタック25をほとんど通らないの
で、フェライトスタック25の透磁率が温度変動等で変
化しても偏向器32の偏向感度は不変になる。ただし、
偏向器32の偏向磁場はレンズの上、下、中間磁極7、
30、10を通るので、これらのフェライト磁極の温度
は安定化させる必要がある。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、投
影レンズの上磁極及び下磁極それぞれの内径を磁気シー
ルド部材の内径より小さくする。したがって、電磁レン
ズの軸上磁場を矩形分布に近くすることのできる電子線
縮小転写装置用の縮小投影レンズを提供することができ
る。
【0036】また、本発明によれば、2段の投影レンズ
の基板側レンズ磁気回路の感応基板側の部分の外径のみ
をマスク側レンズ磁気回路の外径に対して縮小率倍して
いる。したがって、感応基板側の電磁レンズのアンペア
ターン数を大きくできる電子線縮小転写装置用の縮小投
影レンズ提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態形態による電子線縮小転写
装置の縮小投影レンズを模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態による電子線縮小転
写装置の縮小投影レンズを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…マスク 2…マスク側レ
ンズ 2a…磁極 3…マスク側レ
ンズ励磁コイル 4…絶縁物リング 5…フェライト
リング 6…ダイナミックフォーカスコイル 7…フェライト
磁極 8…x方向偏向コイル(収差補正偏向器) 9…y方向偏向コイル(収差補正偏向器) 10…クロスオーバ側フェライト磁極 11…クロスオーバ開口 12…クロスオ
ーバ側フェライト磁極 13…x方向収差補正偏向器 14…y方向収
差補正偏向器 15…ダイナミックフォーカスコイル 16…ウェハ側
レンズ 16a…磁極 17…レンズ励
磁コイル 18…ウェハ側フェライト磁極 19…ウェハ
(感応基板) 20…フェライトリング 21…絶縁物リ
ング 22…磁気回路の外径を縮小率倍した部分 25,26…フェライトスタック 27,28…真
空壁 30…中間磁極 32…トロイダ
ル型偏向器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクを通過してパターン化された電子
    線を感応基板上に縮小投影結像させる縮小投影レンズで
    あって;中空円筒形の磁気シールド部材と、 該磁気シールド部材の上端に設けられたリング状の上磁
    極と、 該磁気シールド部材の下端に設けられたリング状の下磁
    極と、 を具備し、 該上磁極及び該下磁極それぞれの内径が、上記磁気シー
    ルド部材の内径より小さいことを特徴とする縮小投影レ
    ンズ。
  2. 【請求項2】 上記縮小投影レンズはマスク側レンズと
    感応基板側レンズの2段のレンズから構成されており、
    該2段のレンズそれぞれの磁気シールド部材の内径の寸
    法比が縮小率に等しいことを特徴とする請求項1記載の
    縮小投影レンズ。
  3. 【請求項3】 マスクを通過してパターン化された電子
    線を感応基板上に縮小投影結像させる縮小投影レンズで
    あって;該マスク側に設けられた実質的に回転対称形の
    マスク側レンズ磁気回路と、 該感応基板側に設けられた実質的に回転対称形の基板側
    レンズ磁気回路と、 を具備し、 該基板側レンズ磁気回路の感応基板側の部分の外径(基
    板側外径)を上記マスク側レンズ磁気回路の外径に対し
    てほぼ縮小率倍とし、該基板側レンズ磁気回路のマスク
    側の部分の外径を上記基板側外径より大きくしたことを
    特徴とする縮小投影レンズ。
  4. 【請求項4】 マスクを通過してパターン化された電子
    線を2段の縮小投影レンズで感応基板上に縮小投影結像
    させる縮小投影レンズであって;マスク側投影レンズ
    は、 中空円筒形の磁気シールド部材と、 該磁気シールド部材の上端に設けられたリング状の上磁
    極と、 該磁気シールド部材の下端に設けられたリング状の下磁
    極と、 トロイダル型偏向器と、 を具備し、 該上磁極及び該下磁極それぞれの内径が、上記磁気シー
    ルド部材の内径より小さい複数のレンズ要素から構成さ
    れていることを特徴とする縮小投影レンズ。
  5. 【請求項5】 上記磁気シールド部材の内側に配置され
    ている偏向器外径と磁気シールド部材内径との間に偏向
    器半径/3以上の間隔があることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項記載の縮小投影レンズ。
JP11079896A 1998-03-25 1999-03-24 縮小投影レンズ Pending JPH11339708A (ja)

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JP11079896A Pending JPH11339708A (ja) 1998-03-25 1999-03-24 縮小投影レンズ

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JP (1) JPH11339708A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007534124A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 ヴィステック エレクトロン ビーム ゲーエムべーハー 粒子光学照的射系用の照射コンデンサー

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JP2007534124A (ja) * 2004-04-23 2007-11-22 ヴィステック エレクトロン ビーム ゲーエムべーハー 粒子光学照的射系用の照射コンデンサー

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