JPH08241690A - スピン偏極走査電子顕微鏡 - Google Patents

スピン偏極走査電子顕微鏡

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JPH08241690A
JPH08241690A JP7045251A JP4525195A JPH08241690A JP H08241690 A JPH08241690 A JP H08241690A JP 7045251 A JP7045251 A JP 7045251A JP 4525195 A JP4525195 A JP 4525195A JP H08241690 A JPH08241690 A JP H08241690A
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JP
Japan
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magnetic field
sample
spin
electron microscope
scanning electron
Prior art date
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Pending
Application number
JP7045251A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Koike
和幸 小池
Yukio Honda
幸雄 本多
Katsuhiro Kuroda
勝広 黒田
Hideo Matsuyama
秀生 松山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁区観察用スピン偏極走査電子顕微鏡におい
て、試料に磁場を印加したままの状態での磁区観察がで
きるようにすること。 【構成】 電子銃1、2次電子転送電子光学系2、球面
偏向器4、2次電子収集電極5、7、試料8、コア9お
よびコイル10よりなる電磁石からなる。 【効果】 電磁石からの磁場は2次電子の通過経路に殆
ど侵入しない。したがって、試料に磁場を印加した状態
でも、試料から放出された2次電子の軌道やスピンが磁
場の影響を受ず、高分解能で磁区観察を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁区観察用走査電子顕微
鏡に関し、特に試料に磁場を印加したままの状態で磁区
観察が可能なスピン偏極走査電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に磁場を印加したままの状態で磁化
分布を観察できる手法としては、光を用いたカーもしく
はファラデー顕微法が知られている。しかしこの方法で
は空間分解能が光の波長で決まる0.5μm程度に限ら
れる。スピン偏極走査電子顕微鏡は20nmの高い空間
分解能が得られる反面、試料から放出される2次電子の
軌道やスピンが磁場に大きく影響されるため、外部から
磁場を印加することはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高分解能磁区観察が可能なスピン偏極走査
電子顕微鏡において、試料に磁場を印加したままの状態
で磁区観察を行える様にすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題は、スピン偏極
走査電子顕微鏡において、試料に印加した磁場が2次電
子の通過経路にまで及ばない様にすること、または、2
次電子の通過経路に磁場が及んでも、その向きを2次電
子の軌道や偏極ベクトル成分の検出方向と平行にするこ
とで解決できる。
【0005】
【作用】2次電子の通過経路に磁場がなければ、2次電
子軌道が磁場によって大きく曲げられることはなく、試
料からの2次電子は容易にスピン検出器に到達すること
ができ、また2次電子のスピンも磁場によって回転せ
ず、スピン検出器に到達するまで、試料から出たときの
状態を保つことができる。また磁場中を運動する電子の
運動量や偏極ベクトルの磁場方向成分は磁場と無関係に
一定に保たれるため、2次電子の通過経路に磁場がある
場合でも、その向きが2次電子の軌道や偏極ベクトル成
分の検出方向と平行であれば、これら2次電子の軌道
や、偏極ベクトルの磁場方向成分は磁場の影響を受け
ず、2次電子はこれらを保ったまま試料からスピン検出
器に到達することができる。
【0006】
【実施例】以下図を用いて、本発明によるスピン偏極走
査電子顕微鏡の構成を詳細に説明する。
【0007】図1は本発明によるのスピン偏極走査電子
顕微鏡の2次電子収集転送および磁場印加部の実施例を
示したものである。
【0008】図1の実施例では、2次電子収集転送部は
磁気シールドを兼ねた軸対称2次電子収集電極5、7、
球面偏向器4、及び2次電子転送電子光学系2より構成
され、これらは、電子銃の対物レンズ1と試料8の間に
配置されている。電極5は、図に示すように、円形の平
板の中心部に一方に中空の円柱が突出した形状をしてい
る。電極7は前記円柱を取り巻く形の底板付きの円柱形
状となっており、この底板の中心部には、直径100μ
mの孔が開いており、ここに試料8が接している。球面
偏向器4の対物レンズ側電極には試料面と垂直方向に孔
が開けられており、電子銃1からのプローブ電子線3が
試料面に垂直入射することができるようになっている。
電極7は試料と同じ接地電位、電極5には+500Vの
電位が、それぞれ与えられている。試料8から放出され
た2次電子は収集電極5、7で収集され、球面偏向器4
によって軌道を90度偏向された後、転送電子光学系2
を通してスピン検出器(図示しない)へと導かれる。
【0009】試料8への磁場印加は強磁性コア9及びそ
れに巻かれたコイル10より構成される電磁石9によっ
て行う。このとき、試料8が磁路の一部になっているた
め磁束は試料に集中し、また試料表面近傍の若干の漏れ
磁束は電極7を通過するため、2次電子が通過する空間
には磁場は殆ど現れない。したがって、2次電子はその
軌道やスピンが磁場に影響されることなくスピン検出器
に到達することができる。 ここで、電磁石は試料面法
線を軸として矢印で示すように、回転することができ、
試料面内の任意の方向に磁場を印加することができる。
【0010】図2(a)および(b)は本発明によるス
ピン偏極走査電子顕微鏡の第2の実施例の2次電子収集
電極7の平面図および断面図を、(c)および(d)は
同じく、2次電子収集電極5の構造の平面図および断面
図を、それぞれ示したものである。
【0011】電極7に開けられた孔21は印加磁場と直
交方向に長くなっており、第1の実施例より効果的に磁
場を印加することができる。しかしこの場合、2次電子
の収束特性はスティグマティックにならないため、電極
5を5−1から5−4に示すように、4分割してスティ
グマトールの機能を持たせ、収束がスティグマティック
になるようにしている。この実施例では、電磁石9を回
転する時、同時に2次電子収集電極5、7も回転する構
造として、試料面内の任意の方向に磁場を印加する。電
磁石9による磁場の方向と2次電子収集電極5、7との
関係を同じ状態に保持することが必要である。この構造
自体は単純な機械的な連動構造で実現できるから図示は
省略する。
【0012】図3(a)および(b)は本発明によるス
ピン偏極走査電子顕微鏡の第3の実施例の2次電子収集
電極7の平面図および断面図を、(c)および(d)は
同じく、2次電子収集電極5の構造の平面図および断面
図を、それぞれ示したものである。
【0013】電極7は印加磁場と直交方向のスリット2
2を形成するように、7−1、7−2の二つに分割され
ており、第2の実施例よりさらに効果的に磁場を印加す
ることができる。この場合も第2の実施例と同様、電極
5にはスティグマトールの機能が必要となるので、5−
1から5−4のように分割した構造とする。この実施例
でも、第2の実施例と同様、電磁石を回転する時は2次
電子収集電極5、7を同時に回転し、試料面内の任意の
方向に磁場を印加する。
【0014】図4は本発明によるスピン偏極走査電子顕
微鏡の第4の実施例の磁場印加部を試料の上方から見た
図である。第1の実施例の電磁石9が試料8の下方に位
置したのに対し、本実施例では電磁石9は試料8の側方
に位置するため、試料下部に大きな空間が取れて、試料
移動、試料に対する加熱、冷却等の様々な機構を容易に
取り付けられる利点がある。
【0015】図5は本発明によるスピン偏極走査電子顕
微鏡の第5の実施例を示したものである。第1の実施例
と本質的には同じ構造であるが、第1の実施例では電磁
石9の磁極が試料8の両側に位置していたのに対し、本
実施例では試料の下面に接している。これにより試料8
の表面からの漏洩磁場を第1の実施例より更に小さくす
ることができる。またこの電磁石は第1の実施例と同様
試料面法線を軸として回転することができ、試料面内の
任意の方向に磁場を印加することができる。この実施例
でも、電磁石9の磁極部分の構造を工夫することで、試
料下面に空間を形成することが出来る。
【0016】図6は本発明によるスピン偏極走査電子顕
微鏡の第6の実施例を示したものである。第5の実施例
では電磁石9の磁極間のギャップが1つであるのに対
し、本実施例では電磁石9が試料8に接する部分に複数
個の非磁性層11を挿入することによって複数個のギャ
ップを設け、より均一な磁場が試料に印加される様にし
ている。またこの電磁石は第1、第5の実施例と同様試
料面法線を軸として回転することができ、試料面内の任
意の方向に磁場を印加することができる。
【0017】図7は本発明によるスピン偏極走査電子顕
微鏡の第7の実施例を示したものである。磁場印加用ソ
レノイドコイル12がその中心軸を試料面法線方向に向
くようにして、試料8を包む形で置かれており、試料面
法線方向の磁場を試料に印加することができる。このコ
イルによって生成された磁束がコイル外に大きく拡散す
るのを防ぐため、高透磁率磁性材料よりなる磁路13を
設け、同じく高透磁率磁性材料で作られた電極5ととも
に閉磁気回路を形成して磁束を閉じ込めている。この実
施例の電極5は第1の実施例と同じ構成で良い。ソレノ
イドコイル12による磁場が存在する空間では2次電子
軌道と磁場が平行であるため、軌道は磁場の影響を受け
ない。また偏極ベクトルの磁場方向成分は磁場中で保存
されるため、2次電子はその偏極ベクトルの試料面法線
方向成分を保存したままスピン検出器に到達することが
できる。
【0018】図8は本発明によるスピン偏極走査電子顕
微鏡の第8の実施例を示したものである。磁場印加及び
磁気シールドの方法は第1の実施例と同じであるが、プ
ローブ電子線3が試料8に斜め入射するところが異なっ
ている。この場合、プローブ電子線3の入射方向の分解
能の低下が起こるが、複雑な加工を要する球面偏向器4
が不要になる利点がある。試料に対するこのような電子
線の入射方法は、本実施例の磁場印加及び磁気シールド
法に限らず、第2から第7の実施例に示した磁場印加及
び磁気シールド法にも適用できる。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればス
ピン偏極走査電子顕微鏡によって、試料に磁場を印加し
た状態で高分解能磁区観察ができ、高密度磁気記録の記
録状態の観察等その工業的価値は非常に高いものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の2次
電子収集転送および磁場印加部の第1の実施例を示す
図。
【図2】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の第2
の実施例の2次電子収集電極の構造を示す図。
【図3】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の第3
の実施例の2次電子収集電極の構造を示す図。
【図4】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の第3
の実施例の磁場印加法を示す図。
【図5】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の2次
電子収集転送および磁場印加部の第5の実施例を示す
図。
【図6】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の2次
電子収集転送および磁場印加部の第6の実施例を示す
図。
【図7】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の2次
電子収集転送および磁場印加部の第7の実施例を示す
図。
【図8】本発明によるスピン偏極走査電子顕微鏡の2次
電子収集転送および磁場印加部の第8の実施例を示す
図。
【符号の説明】
1…電子銃の対物レンズ、2…2次電子転送電子光学
系、3…プローブ電子線、4…球面偏向器、5…2次電
子収集電極、6…2次電子、7…2次電子収集電極、8
…試料、9…コア、10…コイル、11…非磁性層、12…ヘ
ルムホルツコイル、13…磁路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 秀生 埼玉県比企郡鳩山町赤沼2520番地 株式会 社日立製作所基礎研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に磁場を印加する手段、試料面にプロ
    ーブ電子線を照射する手段、および、試料から放出され
    る2次電子を検出器に導く2次電子転送電子光学系を備
    えるスピン偏極走査電子顕微鏡において、前記試料面と
    平行な磁場を加える手段、および、試料から放出された
    2次電子の2次電子転送電子光学系までの2次電子通過
    経路の磁場を遮断するための手段を配置して、試料に任
    意の大きさおよび方向の磁場を印加したまま磁区観察が
    できることを特徴とするスピン偏極走査電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】上記印加磁場遮断手段が高透磁率の磁気シ
    ールドであり、試料自身も磁気シールドの一部となる請
    求第1項記載のスピン偏極走査電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】上記印加磁場遮断手段が磁気シールドを兼
    ねた2次電子収集および転送電極である請求第1項記載
    のスピン偏極走査電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】上記印加磁場遮断手段が磁場印加手段とと
    もに空間的に回転し、試料に対して任意の方向から磁場
    を印加する請求第1項記載のスピン偏極走査電子顕微
    鏡。
  5. 【請求項5】試料から放出される2次電子のスピン状態
    を検出して磁区像を得るスピン偏極走査電子顕微鏡にお
    いて、試料に印加する磁場が2次電子の運動方向と平行
    であり、2次電子の軌道や偏極ベクトルの磁場方向成分
    が該印加磁場によって実質的に影響を受けないことを特
    徴とするスピン偏極走査電子顕微鏡。
JP7045251A 1995-03-06 1995-03-06 スピン偏極走査電子顕微鏡 Pending JPH08241690A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008269967A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Apco:Kk 電子線スピン検出器
JP2011076812A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Hitachi Ltd 電磁場印加装置
US7985952B2 (en) * 2007-03-05 2011-07-26 Hitachi, Ltd. Charged particle spin polarimeter, microscope, and photoelectron spectroscope
JP2017004774A (ja) * 2015-06-11 2017-01-05 国立大学法人名古屋大学 反射電子を検出する走査電子顕微鏡

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