JPH11336470A - 地下トンネルおよびその構築方法 - Google Patents

地下トンネルおよびその構築方法

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JPH11336470A
JPH11336470A JP14103298A JP14103298A JPH11336470A JP H11336470 A JPH11336470 A JP H11336470A JP 14103298 A JP14103298 A JP 14103298A JP 14103298 A JP14103298 A JP 14103298A JP H11336470 A JPH11336470 A JP H11336470A
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JP
Japan
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tunnel
underground
shield
constructing
track facility
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JP14103298A
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English (en)
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Akio Shiseki
彰男 志関
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Toda Corp
Original Assignee
Toda Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工期を短くでき、借地や用地買収を必要とせ
ずに、線路閉鎖時間を短くできる地下トンネルおよびそ
の構築方法を提供することである。 【解決手段】 鉄道営業線の軌道施設2の下方地盤に新
設される地下トンネル1であって、前記軌道施設2の縦
断方向にトンネル空間を有するトンネル躯体3と、前記
軌道施設2を支持し、緩衝材20を組み込んだ桁部材6
と、該桁部材6からの荷重を分担支持する複数の柱部材
5と、前記軌道施設2の縦断方向に構築され、前記柱部
材5からの荷重を支持地盤に伝達するシールドトンネル
4とを含み、前記柱部材5を少なくとも前記トンネル躯
体3の軸方向の両側面の外方に延設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軌道施設の下方を縦
断する地下トンネルおよびその構築方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】地上線を走る鉄道は市街地において多く
の踏切をかかえており、これが交通混雑の原因となるた
め解消が求められている。このため連続立体交差が考え
られるが、高架式鉄道とすると日照障害、列車騒音、電
波障害などの悪影響があり、地下化のニーズが多くなっ
ている。
【0003】このような地下化のための地下トンネルの
構築方法として円形シールド工法と開削工法とがある。
しかし、図7に示すような円形シールド工法は以下のよ
うな問題がある。 一般に円形断面で地下鉄道に必要な建築限界を確保
するには、複線で10m以上の直径の円形シールドトン
ネルが必要となり、鉄道敷地幅を越えることから用地買
収や借地を行う必要がある。 施工上、少なくとも直径分の土被り厚さ(図7の1
・D以上)が必要となるため、発進および到達用の立坑
もそれに応じて深く構築しなければならず工期・工費の
面で問題がある。 地下に駅部をつくる必要がある場合は、別途開削工
法などによる建設が必要となる。
【0004】一方、前記開削工法は以下の問題がある。 市街地においては杭打などの作業用スペースの確保
が困難であり、資機材の搬出入、取扱いが難しく、安全
性も確保しがたい。この場合は、一時的な借地や用地買
収が必要であるが、これが困難な場合も多い。 必然的に線路が閉鎖されている間に作業する必要が
あるため夜間作業が多くなり、工事に伴う振動および騒
音が沿線住民の生活を妨げる。 夜間作業は労働環境が劣悪となり、安全性の低下・
工期の長期化を招く。 土留壁が残置されて地下水脈の遮断を引き起こし易
い。 開削に伴う山留壁の変位により、周辺施設や軌道施
設の沈下等の変状をまねき易い。
【0005】このようなことから、図8の仮設線路方式
の工法や、図9の門型杭打設車を利用した工法が開発さ
れている。前記の仮設線路方式は、借地や買収した用地
に営業線35を移動させて、営業線35があった所に作
業帯36を確保し、そこを利用して作業するものであ
る。また門型杭打設車を利用した工法は、営業線35を
跨いで仮設レール37を敷設し、門型の作業基地38を
設けて、その上から作業するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし仮設線路方式
は、借地や用地買収が困難、作業帯(図8の36の
部分)が狭く安全性が劣る、線路の移設や切り替えが
煩雑などの問題があった。また門型杭打設車を利用した
工法は、資材の搬入が困難、踏切部は別途の工法が
必要、トロリー線やき電線の盛り替えが大がかりにな
るなど、多くの問題がある。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、地上作業をできるだけ地下
で行うことによって、工期を短くすること、借地や
用地買収を必要としないこと、保線作業を少なくする
こと、線路閉鎖時間を短くすること、コストを圧縮
することのできる地下トンネルおよびその構築方法を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めの手段は、請求項1の地下トンネルが、鉄道営業線の
軌道施設の下方地盤に新設される地下トンネルであっ
て、前記軌道施設の縦断方向にトンネル空間を有するト
ンネル躯体と、前記軌道施設を支持し、緩衝材を組み込
んだ桁部材と、該桁部材からの荷重を分担支持する複数
の柱部材と、前記軌道施設の縦断方向に構築され、前記
柱部材からの荷重を支持地盤に伝達するシールドトンネ
ルとを含み、前記柱部材が前記トンネル躯体の軸方向の
両側面の外方に延設されたことを特徴とする。
【0009】請求項1の発明によれば、緩衝材を組み込
んだ桁部材で軌道施設を支持し、その荷重を柱部材およ
びシールドトンネルを介して支持地盤に伝達するので、
地下トンネルを任意の深さに構築することができ、しか
も、緩衝材によって列車振動が減衰されるので、地下ト
ンネルに与える振動などの悪影響を低減することができ
る。また柱部材を土留杭として兼用することができ、シ
ールドトンネル部が根入れ部となっているため、土留壁
として十分な根入れ長を確保することができ、トンネル
躯体構築時の安全性を確保することが可能となる。
【0010】また請求項2の地下トンネルが、請求項1
において、前記シールドトンネルが断面略矩形に構築さ
れたことを特徴とする。
【0011】請求項2の発明によれば、シールドトンネ
ルの断面が略矩形に構築されているため、柱部材の立設
作業がシールドトンネル内で可能となり、トンネル躯体
とシールドトンネルの一体化作業も容易となる。特に、
縦長の矩形断面とすることにより、作業効率の著しい向
上が図られる。
【0012】また請求項3の地下トンネルが、請求項1
または2において、前記柱部材は前記シールドトンネル
内に打設されたコンクリートによって根固めされたこと
を特徴とする。
【0013】請求項3の発明によれば、柱部材がシール
ドトンネル内のコンクリートに根固めされているので、
掘削作業やトンネル躯体構築時の安全性がさらに向上す
るとともに、周辺地盤に与える水平変位や沈下などの悪
影響を極めて小さくすることができる。
【0014】また請求項4の地下トンネルが、請求項1
〜3のいずれかにおいて、前記トンネル躯体の下端面の
少なくとも一部分が前記シールドトンネルに支持された
ことを特徴とする。
【0015】請求項4の発明によれば、トンネル躯体が
シールドトンネルに支持されるので、トンネル躯体の下
方地盤の支持力が不足していても、シールドトンネルを
良好な支持層に構築することによって、地下トンネル自
体の長期的安定性が確保されるとともに、トンネル軸方
向の剛性が強化される。
【0016】また請求項5の地下トンネルが、請求項1
〜4のいずれかにおいて、前記トンネル躯体の軸方向の
両側面の外方に、該トンネル躯体の横断方向における地
下水の流路となる通水連絡手段が適宜間隔ごとに設けら
れたことを特徴とする。
【0017】請求項5の発明によれば、地下トンネルの
構築によって地下水の流れが遮断されることなく、自然
の地下水環境が保全されるため、井戸枯れ等の悪影響が
生じない。
【0018】また請求項6の地下トンネルの構築方法
が、鉄道営業線の軌道施設の縦断方向の下方地盤に地下
トンネルを構築する方法であって、該地下トンネルの構
築予定最深部にシールドトンネルを構築する工程と、該
シールドトンネル内から複数の柱部材を地表面に向けて
延設する工程と、該柱部材間に桁部材を架け渡す工程
と、該桁部材に前記軌道施設を支持させる工程と、前記
柱部材を土留杭として、前記桁部材及び柱部材に囲まれ
た空間を所定深さまで掘削する工程と、該掘削空間にト
ンネル躯体を構築する工程とを含むことを特徴とする。
【0019】請求項6の発明によれば、地下トンネル構
築予定位置の最深度に構築したシールドトンネルの内部
空間から柱部材を地表面に向けて延設し、それらに桁部
材を架設することにより、鉄道営業線の周辺地上部に工
事用敷地を必要とすることなく、また、き電停止時の作
業に限定されることなく、軌道施設を受け替えることが
できる。特に、柱部材の延設作業が全て地下で行われる
ため、従来の地上からの杭打作業が不要となり、沿線の
騒音・振動・粉じん等の建設公害を解消できるととも
に、工事の安全性が確保できる。
【0020】また請求項7の地下トンネルの構築方法
が、請求項6において、前記シールドトンネル内にコン
クリートを打設して前記柱部材を根固めする工程を含む
ことを特徴とする。
【0021】請求項7の発明によれば、柱部材をシール
ドトンネル内のコンクリートで根固めすることにより、
シールドトンネル部分が土留壁の根入れ部として機能
し、地盤の受働抵抗と土留杭の固定効果が期待でき、掘
削及びトンネル躯体の構築工事の安全性がさらに向上す
る。
【0022】また請求項8の地下トンネルの構築方法
が、請求項6または7において、前記トンネル躯体の下
端面の少なくとも一部分を前記シールドトンネルと一体
化する工程を含むことを特徴とする。
【0023】請求項8の発明によれば、トンネル躯体を
シールドトンネルで支持することになり、トンネル躯体
下方の地盤の支持力が不足する場合でも、シールドトン
ネルを良好な地盤に構築することにより、地下トンネル
自体の長期的な安全性をさらに向上させることができ
る。
【0024】また請求項9の地下トンネルの構築方法
が、請求項6〜8のいずれかにおいて、前記トンネル躯
体を構築した後、該トンネル躯体上端面から地表面近く
までの区間を埋め戻し、緩衝材を前記軌道施設面まで充
填して、該軌道施設を支持する工程を含むことを特徴と
する。
【0025】請求項9の発明によれば、トンネル躯体の
上部を埋戻し、緩衝材を介して軌道施設を支持するの
で、鉄道営業線を工事着工前の状態に復旧することがで
きる。この場合、緩衝材によって列車振動が減衰するの
で、地下トンネルに有害な振動等の影響を及ぼすことが
ない。
【0026】また請求項10の地下トンネルの構築方法
が、請求項9において、前記軌道施設を支持した後、前
記桁部材の上部を撤去する工程を含むことを特徴とす
る。
【0027】請求項10の発明によれば、鉄道営業線の
敷地内に不要な建設部材を撤去することにより、工事着
工前の状態に復旧することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず図1に基づいて地下トンネル
を説明した後に、地下トンネルの構築方法を図2〜図6
に基づいて説明する。
【0029】図1における地下トンネル1は軌道施設2
に沿ってその直下に構築されたものであり、該軌道施設
2の下方に構築されたトンネル躯体3と、該トンネル躯
体3を支持するシールドトンネル4と、シールドトンネ
ル4から地表面に延設した柱部材5と、該柱部材5の上
面に架設された桁部材6とから構成されている。前記ト
ンネル躯体3は鉄筋コンクリート構造、鉄骨コンクリー
ト構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造および鉄骨構造で構
築できるが、本実施の形態では鉄筋コンクリート構造と
したものである。
【0030】トンネル躯体3は軌道施設2の直下を縦断
した矩形断面のトンネルであり、軌道施設2から所定深
さの地中内に形成され、その内部空間34は鉄道路また
は自動車道として使用できる十分な大きさを備えてい
る。なお、トンネル躯体3は、直接基礎とすることもで
きるが、後述のシールドトンネルを基礎として設計する
ことが好ましい。
【0031】トンネル躯体3の下面には軌道方向に沿っ
て断面矩形のシールドトンネル4が3本並列に形成さ
れ、各シールドトンネル4内にはコンクリート7が打設
されている。このシールドトンネル4は、トンネル躯体
3の構築前に断面矩形のシールド掘進機で横坑が掘削さ
れ、該横坑の壁面に鋼製または鉄筋コンクリート製のセ
グメント8を覆工して構築される。
【0032】シールドトンネル4からは土留杭兼用の柱
部材5が、トンネル躯体3の側壁3aの外方に地表面付
近まで延設され、上面に設けた桁部材6で枕木9および
レール10等の軌道施設2を支持している。土留杭兼用
の柱部材5は適宜長さの鋼管11を接続しつつ地表面に
向けて立設され、その下部がシールドトンネル4内のコ
ンクリート7に根固めされている。なお柱部材5は鋼管
11に限らず、鋼管矢板で形成することもできる。
【0033】さらに、地下トンネル1を横断するような
地下水流がある場合には、次のような通水連絡手段を地
下トンネル1に設ける。すなわち、地下トンネル1に対
する上流側13および下流側14において、それぞれ適
宜間隔ごとの柱部材5に集水部15および排水部16
と、これら集水部15および排水部16とを連結する通
水路17とをトンネル躯体3の両側面、および下部に設
けておく(図2参照)。これらの集水部15、排水部1
6、通水路17には透水性の良好な砂礫等が充填され、
通水連絡手段として地下水が地下トンネル1によって遮
断されないように機能する。すなわち、図6の(2)に
示すように、上流側13の地下水は、ストレーナ15a
から集水部15に流入し、該集水部15に接続された通
水路17を通って排水部16へ流出し、該排水部のスト
レーナから16aから下流側に流出されるようになって
いる。
【0034】なお、前記桁部材6は、柱部材5同士のト
ンネル軸方向上面に設置された枕桁18と、これら枕桁
18間に適宜間隔で架設された横桁19とからなり、こ
れら横桁19の上面が地表面と面一状になっている。ま
た横桁19上にはゴムやバネ部材、バラストなどの緩衝
材20が敷設され、この上に軌道施設2が形成されて、
その振動や騒音を低減できるようになっている。
【0035】以下、図2〜図6に基づいて地下トンネル
の構築方法を説明する。まず、図2および図3に示すよ
うに、軌道施設2の両側に適宜距離をおいて立坑21、
22を複数組掘削形成し、ここからシールドトンネル4
の発進用と到達用の横坑23a、23bを、軌道施設の
横断方向にそれぞれ形成する。そして、これらの横坑2
3a、23b間の地山の所定位置に断面矩形のシールド
トンネル4を少なくとも2本(図1の例では3本)並列
状に構築する。すなわち、地下トンネル1の構築予定位
置の最深部の地中に、地下トンネル1の両側面に沿っ
て、少なくとも2本のシールドトンネル4を構築する。
【0036】これら複数のシールドトンネル4はシール
ド掘進機で掘削した坑の壁面に鋼製またはコンクリート
製のセグメント8を組み立てて構築する。これら複数の
シールドトンネル4は同時に構築することもできるが、
経済性を考慮すると1本づつ順番に構築することが好ま
しい。
【0037】このようなシールドトンネル4の断面形状
としては、通常の円形断面でもよいが、好ましくは矩形
状断面で、かつ縦長とすることが望ましい。その理由と
しては、後述の柱部材5の延設作業やトンネル躯体3と
の一体化作業が容易に効率化できるからである。このよ
うな矩形状断面のシールドトンネル4を掘削形成するた
めには、図5に示すようなシールド掘進機24が好適で
ある。同図の(1)のシールド掘進機24は、各一対の
ドラムカッタ25と、リングカッタ26とから構成され
た掘進ユニット27が横方向に2連、縦方向に4連接続
されたものであり、縦長の矩形状断面を掘削するもので
ある。また同図の(2)に示すシールド掘進機24は、
円盤状のビット本体40の回転に伴って、公転しながら
自転する遊星カッタ41により矩形断面を掘削するもの
である。なお、42は矩形断面のシールドフレームを示
している。
【0038】このようなシールドトンネル4の構築後
に、各シールドトンネル4内から地表面に向けて適宜長
さ、すなわち前記シールドトンネル4の内空高さより短
い長さの鋼管11を溶接して継ぎ足しながら小口径推進
工法で押し出し、柱部材5または中間杭39として形成
する。この中間杭39は地下トンネル1の横断方向の幅
が大きい場合に形成し、この設置位置にもシールドトン
ネル4を構築する。これらの柱部材5はトンネル軸方向
に適宜間隔で、かつ構築予定の地下トンネル1の両側面
の外方に構築される。
【0039】このようにシールドトンネル4内から柱部
材5を構築することにより、地表面においては工事用の
作業スペースが不要となって、線路閉鎖や夜間工事を行
う必然性がなくなる。なお、柱部材5の外方地盤(トン
ネル躯体3の背面地盤)は、注入工法などによって必要
に応じて地盤改良を施しておく。
【0040】次に、各シールドトンネル4内において柱
部材5および中間杭39の下部にスタッドジベル28を
取り付けるとともに、これらの周囲に補強配筋をする。
そして、シールドトンネル4内の少なくとも柱部材5及
び中間杭39の設置位置周辺にコンクリート7を打設し
て柱部材5および中間杭39を根固めする。なお、コン
クリート7が打設されていないトンネル空間7aは、資
機材などの運搬通路として利用できる(図4参照)。
【0041】このように根固めされた柱部材5を適宜間
隔で構築予定のトンネル躯体3の両側面の外方に列状に
構築することにより、土留杭として兼用することが可能
となる。この場合、シールドトンネル4が土留壁の根入
れ部として機能することもあいまって、掘削時の土留壁
および周辺地盤の変形量を著しく低減することができ
る。
【0042】以上のようにして、図2の横坑23a、2
3b間に2列の柱部材5が構築されると、その頭部を同
一レベルに揃えて、トンネル軸方向の柱部材5の頭部同
士を枕桁18でボルト接合などによってつなぐ。そし
て、この区間の線路を閉鎖して枕木9、レール10や砕
石29などの軌道施設2を撤去し、トンネル縦断方向の
適宜間隔ごとに、枕桁18上に横桁19を架設する。次
いで、予めこの区間長さに応じてセットしておいたレー
ル10と枕木9を支持する縦桁30のユニットを、ゴム
パットなどの緩衝材20を介して横桁19に支持させ
る。したがってレール10と枕木9などの軌道施設2
が、縦桁30、横桁19および枕桁18からなる桁部材
6によって受け替えられる。
【0043】このように柱部材5の頭部で枕木9とレー
ル10を支持した状態で、隣接する列状の柱部材5同士
を鋼板12で溶接して図6に示すような土留壁50a、
50bを形成するとともに、切梁31と腹起し32を設
置しながら柱部材5および桁部材6で囲まれた地盤を上
面からシールドトンネル4の上面まで開削して所定の大
きさの空間部33を形成する。
【0044】そして、前記空間部33の底面地盤に捨て
コンクリート51を打設し、その上にトンネル躯体3の
底盤部3bを構築するとともに、切梁31、腹起し32
を撤去しながら側壁3aと上床部3cを構築してトンネ
ル躯体3を完成させる。中間杭39は、トンネル躯体3
の構築後に撤去する。さらに、トンネル躯体3の上部空
間33aを埋戻して所定厚さの砕石29を敷設した後、
桁部材6を撤去して工事着工前の軌道施設2を再構築す
る。なお、前述したように、地下トンネル1の横断方向
に地下水流がある場合には、トンネル躯体3の構築作業
に先立って通水連絡手段を設置しておく。この場合、集
水路15および排水路16となる位置の柱部材5は適当
な位置で切断し、その中に充填された砂礫などの透水性
材料を残置した状態で撤去しておく。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成としたこと
により、以下のような効果を奏することができる。
【0046】桁部材によって軌道施設を支持し、その荷
重を柱部材およびシールドトンネルを介して支持地盤に
伝達するので、地下トンネルを安全かつ確実に任意の深
さに構築することができる。
【0047】桁部材には緩衝材が組み込まれているた
め、列車振動を減衰でき、地下トンネルに与える振動な
どの悪影響を軽減できる。
【0048】シールドトンネルの断面が矩形状に構築さ
れているため、柱部材の立設作業をシールドトンネル内
で行うことができ、トンネル躯体とシールドトンネルと
の一体化作業も容易に行える。
【0049】土留杭を兼用する柱部材がシールドトンネ
ル内のコンクリートに根固めされているため、土留壁と
して十分な根入れ長が確保でき、開削時やトンネル躯体
構築時の安全性が確保できる。
【0050】トンネル躯体の一部がシールドトンネルに
支持されていることにより、地下トンネル自体の長期的
安定性が確保できる。
【0051】トンネル躯体の横断方向に通水連絡手段が
設けられているため、地下トンネルの構築によって地下
水の流れが遮断されることを防止できる。
【0052】シールドトンネルの内部空間から柱部材を
地表面に向けて延設するので、地上での作業を極力低減
することができ、周辺住民への建設公害を解消すること
ができる。
【0053】トンネル躯体構築後に地表近くまで埋戻
し、緩衝材を介してトンネル躯体で軌道施設を支持する
ことにより、永久構造物としての信頼性が確保できる。
さらに桁部材を撤去することによって、鉄道営業線の敷
地内を工事着工前の状態に復旧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下トンネルの横断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の側断面図である。
【図4】地下トンネルの構築方法を示す横断面図であ
る。
【図5】(1)および(2)は断面矩形状のシールドト
ンネルを掘削するシールド掘進機の正面図である。
【図6】柱部材を連結した土留壁の平面図である。
【図7】地下トンネルを構築するための従来例の概略図
である。
【図8】地下トンネルを構築するための従来例の概略図
である。
【図9】地下トンネルを構築するための従来例の概略図
である。
【符号の説明】
1 地下トンネル 2 軌道施設 3 トンネル躯体 4 シールドトンネル 5 柱部材 6 桁部材 7 コンクリート 8 セグメント 9 枕木 10 レール 11 鋼管 12 鋼板 13 上流側 14 下流側 15 集水部 16 排水部 17 通水路 18 枕桁 19 横桁 20 緩衝材 21、22 立坑 23a、23b 横坑

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道営業線の軌道施設の下方地盤に新設
    される地下トンネルであって、前記軌道施設の縦断方向
    にトンネル空間を有するトンネル躯体と、前記軌道施設
    を支持し、緩衝材を組み込んだ桁部材と、該桁部材から
    の荷重を分担支持する複数の柱部材と、前記軌道施設の
    縦断方向に構築され、前記柱部材からの荷重を支持地盤
    に伝達するシールドトンネルとを含み、前記柱部材が前
    記トンネル躯体の軸方向の両側面の外方に延設されたこ
    とを特徴とする地下トンネル。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記シールドトンネ
    ルが断面略矩形に構築されたことを特徴とする地下トン
    ネル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記柱部材
    は前記シールドトンネル内に打設されたコンクリートに
    よって根固めされたことを特徴とする地下トンネル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記
    トンネル躯体の下端面の少なくとも一部分が前記シール
    ドトンネルに支持されたことを特徴とする地下トンネ
    ル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記
    トンネル躯体の軸方向の両側面の外方に、該トンネル躯
    体の横断方向における地下水の流路となる通水連絡手段
    が適宜間隔ごとに設けられたことを特徴とする地下トン
    ネル。
  6. 【請求項6】 鉄道営業線の軌道施設の縦断方向の下方
    地盤に地下トンネルを構築する方法であって、該地下ト
    ンネルの構築予定最深部にシールドトンネルを構築する
    工程と、該シールドトンネル内から複数の柱部材を地表
    面に向けて延設する工程と、該柱部材間に桁部材を架け
    渡す工程と、該桁部材に前記軌道施設を支持させる工程
    と、前記柱部材を土留杭兼用として、前記桁部材及び柱
    部材に囲まれた空間を所定深さまで掘削する工程と、該
    掘削空間にトンネル躯体を構築する工程とを含むことを
    特徴とする地下トンネルの構築方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記シールドトンネ
    ル内にコンクリートを打設して前記柱部材を根固めする
    工程を含むことを特徴とする地下トンネルの構築方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7において、前記トンネ
    ル躯体の下端面の少なくとも一部分を前記シールドトン
    ネルと一体化する工程を含むことを特徴とする地下トン
    ネルの構築方法。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれかにおいて、前記
    トンネル躯体を構築した後、該トンネル躯体上端面から
    地表面近くまでの区間を埋め戻し、緩衝材を前記軌道施
    設面まで充填して、該軌道施設を支持する工程を含むこ
    とを特徴とする地下トンネルの構築方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記軌道施設を支
    持した後、前記桁部材を撤去する工程を含むことを特徴
    とする地下トンネルの構築方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105089670A (zh) * 2015-07-26 2015-11-25 北京工业大学 一种在并行区间盾构隧道基础上扩挖地铁车站施工方法
CN105350583A (zh) * 2015-10-29 2016-02-24 周兆弟 地下管廊用防护墙施工方法及地下管廊施工方法

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