JPH11335674A - 石炭液化反応における生成物推算方法 - Google Patents

石炭液化反応における生成物推算方法

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JPH11335674A
JPH11335674A JP11078612A JP7861299A JPH11335674A JP H11335674 A JPH11335674 A JP H11335674A JP 11078612 A JP11078612 A JP 11078612A JP 7861299 A JP7861299 A JP 7861299A JP H11335674 A JPH11335674 A JP H11335674A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭液化反応において真の滞留時間を使って
液化生成物の生成量を推算できる推算シュミレートする
手法を得る。 【解決手段】 高温高圧の槽型反応器で構成された石炭
液化反応器の流出物の成分別流出量を推定する方法であ
る。流出物の成分別流出量を仮定してその組成の混合物
の反応槽内での気液平衡組成を計算する。さらに反応槽
内での気相と液相の体積流量を計算し、この体積流量と
経験式より算出した反応槽内でのガスホールドアップよ
り気相および液相の反応槽滞留時間を計算する。この反
応槽滞留時間と反応器の流入物の成分別流入量と特定の
石炭液化反応モデルより導かれる一次不可逆反応速度式
から流出物の成分別流出量を計算し、最初に仮定した成
分別流出量と計算で得た成分別流出量を比較し、この二
つの成分別流出量が各成分毎に一定の誤差範囲内で一致
するまで一連の計算を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石炭より液体炭化水
素燃料を生成する技術に係わり、更に詳しくはコンピュ
ータを用いて多品種の石炭を原料として任意にスケール
アップされた多段気泡塔液化反応器の各気泡塔(反応
槽)出口の気相および液相の各反応生成物の流出量を推
定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭から直接液体炭化水素燃料を生成す
るプロセスは、直接石炭液化法としてIGプロセスをは
じめとして数多くのプロセスが開発されてきた(The Ch
emistry and Techno1ogy of Coal,J.G.Speight,marce1d
ekker,Inc.1994、NEDOLプロセス、日本コールオイ
ル株式会社カタログ)。これらのプロセスはいずれも高
温高圧下で石炭を水添分解し液化するもので、微粉化さ
れた石炭が炭化水素溶剤に分散されたスラリーとして高
温高圧の反応器に供給される。反応器の前段にはスラリ
ー予熱器が設置され室温の石炭スラリーを比較的短時問
で反応温度近傍まで加熱するのが一般的である。
【0003】NEDOLプロセスの石炭液化反応は45
0℃程度の温度と170kg/cm2 程度の高圧下で石炭と
溶剤と触媒で形成されたスラリー中に水素ガスを吹き込
むことで石炭を水添分解し、液体の炭化水素を生成させ
る気液固相異相系反応である。反応器の形式はパイロッ
トプラント規模でも少なくとも3塔の気泡塔(反応槽)
が直列に連結した完全混合槽列反応器であり、下流の気
泡塔反応器ほど水添分解が進行し低分子化される。
【0004】低分子化されたベンゼン、トルエン、フェ
ノール類等の低沸点の炭化水素は上記高温高圧下であっ
ても気液平衡関係からその大部分が気相に存在すると推
定され、相対的に液相の低沸点成分の存在量が減少す
る。また低・中沸点の液化油の一部も気相に存在してい
るものと予想される。そのため気泡塔反応器内の液相の
流量が減少し、下流の気泡塔反応器ほど液相の滞留時間
が長くなる傾向にあり、極端な場合は液相のコーキング
トラブルまで発展する。
【0005】このように直列多段気泡塔液化反応器は、
各々の気泡塔反応器のプロセス条件である反応温度、反
応圧力、流入する液状炭化水素の組成および水素ガス量
によって固有の気液平衡状態が形成され、液相の滞留時
間、即ち反応時間も固有の値となる特徴があり、総反応
時間は各気泡塔反応器の液相滞留時間を合計した値とな
る。
【0006】液化反応塔内部で無機ガスや炭化水素ガス
および液化油が気相側と液相側にどのような比率で存在
するかは高温高圧下での気液平衡にかかわる問題である
が、この種の気液平衡計算が困難でかつ非常に煩雑なた
めほとんど検討されていなかった。
【0007】このため従来は、直列多段気泡塔石炭液化
反応器の設計において、常温常圧の石炭スラリーの供給
体積速度と、液化反応が液相の均一系反応であると仮定
した見かけの滞留時間を掛け合わせた値を反応容積と
し、気泡塔1塔の容積は、反応容積を気泡塔数で割った
値を採用していた。したがって各塔での滞留時間はすべ
て同等と看做して反応器出口での各成分の流出量を推定
していた。
【0008】同様に石炭液化反応の反応速度を直列多段
気泡塔石炭液化反応器での実験データから求める場合
は、常温常圧の石炭スラリーの供給体積速度と反応容器
容積から見かけの滞留時間を求めていた。あるいは、当
該反応は気相と液相の不均一系反応であるが、ある仮定
条件を設定する、たとえば液化反応が液相の均一系反応
であると仮定して滞留時間を見積もり、当該条件下にお
ける解析解を求めて各反応生成物成分の反応速度を推定
していた(反応工学、橋本健治著、培風館、1993
年)。
【0009】ところで、一般に反応生成物の生成量を推
算する場合や、これとは逆に生成量から反応速度定数を
求める場合、まず何らかの反応モデルを設定し、反応経
路を定め、反応速度式をたてて生成量推算や反応速度解
析を行う。ところが、石炭液化反応では、原料の石炭も
反応生成物である液化油もいずれも複雑な組成の混合物
であるため、その反応は通常の化学反応のような量論式
では記述できない。そこで、石炭や液化油を性状の似か
よった混合物の小グループに分割し、この小グループを
あたかも通常の化学式における純物質のように取り扱っ
て反応解析を行う手法が用いられている。これまでも、
グループの分割の仕方や反応経路が異なる数多くの反応
モデルが提案されている(石炭転換利用技術、真田雄三
編、アイシーピー、1994)。
【0010】一般的な傾向として、石炭や液化油を細か
く分割して多くのグループを作り、グループ間に多数の
反応経路を設定した複雑な反応モデルの方が実験データ
との一致は良い。しかしながら、複雑な反応モデルを用
いて反応量を推定する場合、実験的に求めなければなら
ないパラメータが非常に多くなり、これに伴って反応速
度解析が困難となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】石炭液化プラントのフ
ィジビリティースタディを行う場合、液化反応器のサイ
ズや塔数はプラントの建設コストに大きな影響を与える
重要な要素である。そして液化反応器のサイズや塔数を
最適化するためには多くのケーススタディを行う必要が
ある。すなわち、種々のサイズの反応器について、いろ
いろな操作条件下での液化生成物の各成分の生成量を推
算しなければならない。
【0012】ところがこれまで行われてきた生成量の推
算方法は、すでに述べたように見かけの滞留時間を用い
ており、反応器のスケールや形状、塔数の変更に対応で
きるものとはいえなかった。ましてや反応温度や水素ガ
ス吹き込み量などの操作条件の変更は滞留時間には全く
反映されず、推算方法としてはまことに不十分なもので
あった。
【0013】石炭液化プラントのフィジビリティースタ
ディを実施するためには、各反応塔内部の気液平衡を考
慮して気相および液相の流量を推算し、これに基づいて
各塔ごとの真の滞留時間をもとめ、この真の滞留時間を
使って液化生成物の生成量を推算できる推算手法が求め
られたのである。
【0014】また、真の滞留時間を使って生成量を推算
する場合、推算に用いる反応速度定数もまた真の滞留時
間に基づいた反応速度定数でなければならない。石炭液
化反応の反応速度を直列多段気泡塔石炭液化反応器での
実験データから求める場合にも、各反応塔内部の気液平
衡を考慮して気相および液相の流量を推算し、これに基
づいて各塔ごとの真の滞留時間を求め、この真の滞留時
間を使って液化反応の反応速度定数を推算できる推算手
法が求められたのである。
【0015】ところで、真の滞留時間を用いて液化生成
物の生成量を推算したり、反応速度定数を算出したりす
る場合、トライアンドエラーで計算を収束させる手法が
必須となる。これは真の滞留時間自体が液化生成物の生
成量の関数であるためである。このため過度に複雑な反
応モデルを用いるとトライアンドエラー計算が収束しに
くくなり、推算ができなくなる。特に石炭液化反応の反
応速度を直列多段気泡塔石炭液化反応器での実験データ
から求める場合、複雑な反応モデルでは反応速度定数な
どのパラメータを得るための解析が非常に困難となる。
【0016】一方、反応モデルを簡略化しすぎると実際
の反応現象を表現できなくなってしまうという問題があ
った。すでに述べたように石炭液化反応では、原料の石
炭も反応生成物である液化油もいずれも複雑な組成の混
合物であるため、その反応は通常の化学反応のような量
論式では記述できない。このような反応をあまり単純化
しすぎると、石炭の種類による反応性の違いや、液化生
成物の成分毎の生成量の差を表現できないのである。
【0017】すなわち、真の滞留時間を用いて推算する
ためには、実際の反応現象を表現できる程度の複雑さを
有し、かつ反応速度定数などのパラメータを得るための
解析が困難にならない程度の簡便な反応モデルを構築
し、実際にそのパラメータを決定することが求められた
のである。
【0018】本発明は、上記の要請に鑑みてなされたも
ので、実際の反応現象を表現でき、石炭液化反応におい
て真の滞留時間を使って液化生成物の生成量を推算でき
る推算シミュレートする手法を得ることを目的としてい
る。
【0019】ところで、液化しようとする石炭は、炭
種、産地などによって組成や性状が大きく異なってい
る。このため、上記したように実際の反応現象を表現で
きる程度の複雑さを有し、かつ反応速度定数などのパラ
メータを得るための解析が困難にならない程度の簡便な
反応モデルを構築したとしても、その反応モデルに基づ
いて実際に石炭の液化を行なう場合、その炭種(原料
炭)に適した反応温度、反応圧力、反応時間の選定をす
るために、ベンチスケールプラントやパイロットプラン
トなどを用いて連続実証運転を行ない、得られた炭化水
素燃料の収量と成分の比率などを評価し、最適な条件を
設定する必要があり、炭種の異なるごとに多額の開発費
用と多くの時間を必要とする。このため、炭種が異なる
場合であっても、その原料炭に適した反応温度、反応圧
力、反応時間などの液化反応条件、反応速度定数を容易
に選定できる手法の開発が強く望まれている。
【0020】本発明は、上記の要請に鑑みてなされたも
ので、多額の開発費用を必要とする実験および連続装置
による実証を必要とせずに異なる炭種に対する反応速度
定数を容易に求められるようにすることを目的としてい
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、コンピュ
ータを用いて、高温高圧の槽型反応器で構成された石炭
液化反応器の流出物の成分別流出量を、気液平衡を考慮
した滞留時間に基づいて推定する方法と、コンピュータ
を用いて、石炭液化反応の反応速度定数をN槽からなる
高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量の実験値
より、気液平衡を考慮した滞留時間に基づいて推定する
方法とを考案し、さらに気液平衡を考慮した滞留時間を
用いて推算するのに適した、実際の反応現象を表現でき
る程度の複雑さを有し、かつ反応速度定数などのパラメ
ータを得るための解析が困難にならない程度の簡便な反
応モデルを構築し、実際にそのパラメータを決定するこ
とによって解決された。
【0022】また、その反応モデルを用いて石炭化度の
異なる複数の炭種について液化反応を速度解析して反応
速度定数を求め、これらの求めた反応速度定数を炭種性
状が特定できる石炭の成分と関係づけることにより解決
した。
【0023】すなわち、本発明に係る石炭液化反応にお
ける生成物推算方法は、第1には、石炭スラリーに水素
ガスを吹込んで液化反応させる反応槽における出口流出
物の成分別流出量を推定する方法でおいて、流出物の成
分別流出量を仮定して反応槽内で気相および液相とに区
分して反応槽滞留時間を計算し、この反応槽滞留時間と
反応器の流入物の成分別流入量と、予め設定した石炭液
化反応モデルから導かれる一次不可逆反応速度式とから
流出物の成分別流出量を計算し、前記仮定成分別流出量
と計算で得た成分別流出量が一定の誤差範囲内で一致す
るまで計算を繰り返して成分別流出量を推算決定するこ
とを特徴としている。また、高温高圧の槽型反応器で構
成された石炭液化反応器の流出物の成分別流出量を推定
する方法であって、まず流出物の成分別流出量を仮定し
てその組成の混合物の反応槽内での気液平衡組成を計算
し、さらに反応槽内での気相と液相の体積流量を計算
し、この体積流量と経験式より算出した反応槽内でのガ
スホールドアップより気相および液相の反応槽滞留時間
を計算し、この反応槽滞留時間と反応器の流入物の成分
別流入量と特定の石炭液化反応モデルより導かれる一次
不可逆反応速度式から流出物の成分別流出量を計算し、
最初に仮定した成分別流出量と計算で得た成分別流出量
を比較し、この二つの成分別流出量が各成分毎に一定の
誤差範囲内で一致するまで一連の計算を繰り返すように
すればよい。
【0024】第3の石炭液化反応における生成物推算方
法は、石炭液化反応の反応速度定数をN槽からなる高温
高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量の実測値より
推定する方法であって、まず反応速度定数を仮定し、仮
定した反応速度定数を用いて第N槽までの各槽の流出物
の成分別流出量を順次計算し、第N槽の成分別流出量の
計算値と実測値を比較し、この二組の成分別流出量が各
成分毎に一定の誤差の範囲内で一致するまで一連の計算
を繰り返すことを特徴とする。
【0025】第4の石炭液化反応における生成物推算方
法は、石炭液化反応の反応速度定数をN槽からなる高温
高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量の実測値より
推定する方法であって、まず反応速度定数を仮定し、仮
定した反応速度定数を用いて第N−1槽までの各槽の流
出物の成分別流出量を順次計算し、第N−1槽の成分別
流出量と第N槽の成分別流出量から新たに反応速度定数
を計算し、最初に仮定した反応速度定数と新たに計算で
得た反応速度定数を比較し、この二組の反応速度定数が
各反応速度定数毎に一定の誤差範囲内で一致するまで一
連の計算を繰り返すことを特徴としている。
【0026】第5の石炭液化反応における生成物推算方
法は、高温高圧の気泡塔反応器で構成された石炭液化反
応器の流出物の成分別流出量を推定する方法であって、
水分と灰分を除いた石炭を液化反応性の高い成分および
液化反応性の低い成分およびきわめて液化しにくい成分
の3成分に、液化油および固体の液化生成物を低沸点液
化油成分および中沸点液化油成分および高沸点液化油成
分および液化油を含むアスファルテン類成分の4成分
に、その他の液化生成物を低級炭化水素ガスおよび一酸
化炭素と二酸化炭素ガスおよび水および硫化水素とアン
モニアの4成分に区分し、石炭および液化生成物各成分
に水素を加えた12成分の間で、一次不可逆反応の逐次
反応と並列反応が組み合わされた反応経路に沿って石炭
が液化生成物に分解し、さらに一部の液化生成物がより
分子量が小さい他の液化反応物に分解する反応モデルよ
り導かれる一次不可逆反応速度式を用いることを特徴と
する。
【0027】更に、石炭液化反応の反応速度定数をN槽
からなる高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量
の実測値より推定する方法であって、水分と灰分を除い
た石炭を液化反応性の高い成分および液化反応性の低い
成分およびきわめて液化しにくい成分の3成分に、液化
油および固体の液化生成物を低沸点液化油成分および中
沸点液化油成分および高沸点液化油成分および液化油を
合むアスファルテン類成分の4成分に、その他の液化生
成物を低級炭化水素ガスおよび一酸化炭素と二酸化炭素
ガスおよび水および硫化水素とアンモニアの4成分に区
分し、石炭および液化生成物各成分に水素を加えた12
成分の間で、一次不可逆反応の逐次反応と並列反応が組
み合わされた反応経路に沿って石炭が液化生成物に分解
し、さらに一部の液化生成物がより分子量が小さい他の
液化反応物に分解する反応モデルより導かれる一次不可
逆反応速度式を用いる構成とすることも可能である。
【0028】また、高温高圧の気泡塔反応器で構成され
た石炭液化反応器の流出物の成分別流出量を推定する方
法であって、液化油もしくは固体の液化生成物を低沸点
液化油成分および中沸点液化油成分および高沸点液化油
成分および液化油を合むアスファルテン類成分の4成分
に、その他の液化生成物を低級炭化水素ガスのグループ
および一酸化炭素と二酸化炭素ガスのグループおよび水
および硫化水素とアンモニアグループの4成分に区分す
る際に、炭素数1から3までの炭化水素化合物の集まり
を低級炭化水素ガスとし、常圧での沸点が220℃未満
でかつ低級炭化水素ガスを含まない液化油を低沸点液化
油成分とし、常圧での沸点が220℃以上350℃未満
である液化油を中沸点液化油成分とし、常圧での沸点が
350℃以上538℃未満である液化油を高沸点液化油
成分とし、常圧での沸点が538℃以上の液化油とテト
ラヒドロフランに可溶な固体成分を液化油を合むアスフ
ァルテン類成分とすることもできる。
【0029】あるいは、石炭液化反応の反応速度定数を
N槽からなる高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流
出量の実測値より推定する方法であって、液化油もしく
は固体の液化生成物を低沸点液化油成分および中沸点液
化油成分および高沸点液化油成分および液化油を合むア
スファルテン類成分の4成分に、その他の液化生成物を
低級炭化水素ガスのグループおよび一酸化炭素と二酸化
炭素ガスのグループおよび水および硫化水素とアンモニ
アグループの4成分に区分する際に、炭素数1から3ま
での炭化水素化合物の集まりを低級炭化水素ガスとし、
常圧での沸点が220℃未満でかつ低級炭化水素ガスを
含まない液化油を低沸点液化油成分とし、常圧での沸点
が220℃以上350℃未満である液化油を中沸点液化
油成分とし、常圧での沸点が350C以上538℃未満
である液化油を高沸点液化油成分とし、常圧での沸点が
538℃以上の液化油とテトラヒドロフランに可溶な固
体成分の液化油を合むアスファルテン類成分とする構成
も可能である。
【0030】加えて、高温高圧の気泡塔反応器で構成さ
れた石炭液化反応器の流出物の成分別流出量を推定する
方法であって、灰分を除いた石炭を液化反応性の高い成
分および液化反応性の低い成分およびきわめて液化しに
くい成分の3成分に分割する際に、石炭から液化生成物
への転化反応の一次不可逆反応速度定数が450℃で
0.5/min以上である石炭の成分を液化反応性の高
い成分とし、0.5/min未満かつ10-4/min以
上である石炭の成分を液化反応性の低い成分とし、10
-4/min未満である石炭の成分をきわめて液化しにく
い成分とすることを特徴としてなる。
【0031】さらに、本発明に係る石炭液化反応におけ
る生成物推算方法は、石炭スラリーに水素ガスを吹込ん
で液化反応させる反応槽における出口流出物の成分別流
出量を推定する方法であって、石炭化度の異なる複数種
類の石炭スラリーのそれぞれについて、予め設定した石
炭液化反応モデルに従って前記流出物の成分別流出量を
仮定するとともに、前記反応槽内を気相と液相とに区分
してこれらの反応槽滞留時間を計算し、この反応槽滞留
時間と、前記反応槽への流入物の成分別流入量と、前記
石炭液化反応モデルから導かれる一次不可逆反応速度式
とから前記流出物の成分別流出量を計算し、この計算し
た成分別流出量と前記仮定した成分別流出量とが一定の
誤差範囲内で一致する前記一次不可逆反応速度式の反応
速度定数を求めたのち、各炭種について得られた前記反
応速度定数に基づいて、石炭の成分と反応速度定数との
関係式を求め、この求めた関係式を任意の石炭種に適用
して前記反応速度定数を演算して前記石炭液化反応モデ
ルにより前記流出物の成分別流出量を推算する、ことを
特徴としている。
【0032】このように構成した本発明は、石炭化度の
異なる石炭を液化する場合、求めた関係式にその石炭の
成分を代入することにより、その石炭に対する反応速度
定数を容易に求めることができる。したがって、従来、
炭種の異なるごとに必要としていたベンチスケールプラ
ントやパイロットプラントを用いた連続実証運転が不要
となり、石炭液化の開発に要する費用と時間とを大幅に
削減することができる。原料炭種の選定、反応温度、反
応圧力、反応時間等の反応条件の検討が可能となり、ひ
いては反応器(反応槽)形状の最適化も可能となる。
【0033】前記の反応速度定数と石炭の成分との関係
式は、水分と灰分とを除いた石炭を液化反応性の高い成
分、液化反応性の低い成分およびきわめて液化しにくい
成分の3成分に区分し、前記流出物のうち、液化油およ
び固体の液化生成物を低沸点液化油成分、中沸点液化油
成分、高沸点液化油成分および液化油を含むアスファル
テン類成分の4成分に区分し、前記流出物のうち、その
他の液化生成物を低級炭化水素ガス、一酸化炭素ガスと
二酸化炭素ガス、水および硫化水素とアンモニアの4成
分に区分し、前記石炭の液化反応性の低い成分から前記
アスファルテン類成分を生ずる反応の反応速度定数をK
32前記アスファルテン類成分から前記高沸点液化油成分
を生ずる反応の反応速度定数をK43、前記高沸点液化油
成分から中沸点液化油成分を生ずる反応の反応速度定数
をK54、前記アスファルテン類成分から前記低沸点液化
油成分を生ずる反応の反応速度定数をK63、前記アスフ
ァルテン類成分から前記低級炭化水素ガスを生ずる反応
の反応速度定数をK73、前記アスファルテン類成分から
前記水を生ずる反応の反応速度定数をK103、前記アス
ファルテン類成分から前記硫化水素とアンモニアとを生
ずる反応の反応速度定数をK93、前記石炭の液化反応性
の高い成分から前記一酸化炭素ガスと二酸化炭素ガスと
を生ずる反応の反応速度定数をK81、前記水素と前記ア
スファルテン類成分との反応の反応速度定数をK10とし
たときに、
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【数18】 と表すことができる。
【0034】ただし、H/Cは乾燥石炭中に含まれる水
素原子と炭素原子との比、Oは乾燥石炭中に含まれる酸
素の重量の割合、Nは乾燥石炭中に含まれる窒素の重量
の割合、Sは乾燥石炭中に含まれる硫黄の重量の割合、
VMは乾燥石炭中に含まれる揮発分の重量の割合であ
る。また、A32は横軸に(H/C)×VM、縦軸にK32
を対数目盛りで取ったときの数式10で表される直線の
傾き、K320はその直線の縦軸の切片一部であって、前
記関係式を求めるために用いた所定の石炭種の(H/
C)×VMにおけるK32の値であり、B32は前記直線の
切片の一部であって、K32=K320としたときに−A32
{(H/C)×VM}に等しい値を表し、A43は横軸に
(H/C)×VM、縦軸にK43を対数目盛りで取ったと
きの数式11で表される直線の傾き、K430はその直線
の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求めるために
用いた所定の石炭種の(H/C)×VMにおけるK43の
値であり、B43は前記直線の切片の一部であって、K43
=K430 としたときに−A43{(H/C)×VM}に等
しい値を表し、A54は横軸に(H/C)×VM、縦軸に
K54を対数目盛りで取ったときの数式12で表される直
線の傾き、K540 はその直線の縦軸の切片一部であっ
て、前記関係式を求めるために用いた所定の石炭種の
(H/C)×VMにおけるK54の値であり、B54前記直
線の切片の一部であって、K54=K540 としたときに−
A54{(H/C)×VM}に等しい値を表し、A63は横
軸に(H/C)×VM、縦軸にK63対数目盛りで取った
ときの数式13で表される直線の傾き、K630はその直
線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求めるため
に用いた所定の石炭種の(H/C)×VMにおけるK63
の値であり、B63は前記直線の切片の一部であって、K
63=K630 としたときに−A63{(H/C)×VM}に
等しい値を表し、A73は横軸に(H/C)×(VM−
O)、縦軸にK73を対数目盛りで取ったときの数式14
で表される直線の傾き、K73 0 はその直線の縦軸の切片
一部であって、前記関係式を求めるために用いた所定の
石炭種の(H/C)×(VM−O)におけるK73の値で
あり、B73は前記直線の切片の一部であって、K73=K
730としたときに−A73{(H/C)×(VM−O)}
に等しい値を表し、A103は横軸に(H/C)×O、縦
軸にK103を対数目盛りで取ったときの数式15で表さ
れる直線の傾き、K1030はその直線の縦軸の切片一部で
あって、前記関係式を求めるために用いた所定の石炭種
の(H/C)×OにおけるK103の値であり、B103は前
記直線の切片の一部であって、K103=K1030としたと
きに−A103{(H/C)×O}に等しい値を表し、A9
3は横軸に(N+S)、縦軸にK93を対数目盛りで取っ
たときの数式16で表される直線の傾き、K930はその
直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求めるた
めに用いた所定の石炭種の(N+S)におけるK93の値
であり、B93は前記直線の切片の一部であって、K93=
K930としたときに−A93(N+S)に等しい値を表
し、A81は横軸に(H/C)×O、縦軸にK81を対数目
盛りで取ったときの数式17で表される直線の傾き、K
810 はその直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式
を求めるために用いた所定の石炭種の(H/C)×Oに
おけるK81の値であり、B81は前記直線の切片の一部で
あって、K81=K810としたときに−A81{(H/C)
×O}に等しい値を表し、A10は横軸に(H/C)×V
M、縦軸にK10を対数目盛りで取ったときの数式18で
表される直線の傾き、K100はその直線の縦軸の切片一
部であって、前記関係式を求めるために用いた所定の石
炭種の(H/C)×VMにおけるK10の値であり、B10
は前記直線の切片の一部であって、K10=K100とした
ときに−A10{(H/C)×VM}に等しい値を表す。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の具体的実施の形
態を図面を参照して説明する。まず、石炭液化反応プロ
セスの概略構成ブロックを図2に示している。微粉化さ
れた石炭40〜50重量%、テトラリンなどの溶剤60
〜50重量%、および微粉末状天然パイライトなどの触
媒0.5〜3重量%をスラリータンク10にて混練し、
製造された石炭スラリーをポンプ12によってスラリー
予熱器14に圧送する。予熱器14に導入される前に水
素添加が行われる。スラリーは常温から反応温度直前の
400℃程度まで昇温された後、直列多段に配置された
反応塔(反応槽)16(16a、16b、16c)に導
入される。スラリーには各反応塔16a〜16cに導入
される直前部で各々水素添加が行われ、液化反応が行わ
れる。最終段から流出される生成物は高温気液分離器1
8、スラリー熱交換器20を経て低温気液分離器22に
導入されるが、高温気液分離器18から分離される液分
はいわゆる重油成分として、低温気液分離器22から分
離される液分はいわゆる軽油成分として抽出され、同時
にガス成分も取り出される。
【0036】このような石炭液化反応プロセスにおい
て、各反応塔16での生成物量を推算するために、本発
明の反応モデルは次のように構成されている。図1は本
発明の反応モデルをわかりやすく図示したものである。
本発明の反応モデルでは液化反応生成物を炭素数が1〜
3の低級炭化水素ガスである有機ガス(図1中の記号O
G)、炭素数が4の炭化水素から沸点220℃未満のオ
イルである低沸点液化油(同O1)、沸点が220℃以
上350℃未満のオイルである中沸点液化油(同
2)、沸点が350℃以上538℃未満のオイルであ
る高沸点液化油(同O3)、沸点538℃以上のオイル
及びアスファルテン、プレアスフアルチンからなるアス
ファルテン類(同PAAO)、二酸化炭素及び一酸化炭
素(同IOG1)、水(同IOG2)、アンモニア及び硫
化水素(同IOG3)に分け、灰分を除く石炭を液化反
応速度の早い成分(図1中の記号CA)、比較的遅い成
分(同CB)、ほとんど反応しない成分(同CI)に分け
た。また原料物質として水素(同H)を組み込んだ。そ
してこれらの成分の間に図1中の矢印で示した反応経路
を設定した。この反応は、原料物質の濃度に比例した速
さで矢印の方向へのみ進行する一次不可逆反応である。
図1に反応経路が設定されていない反応はほとんど進行
せず事実上無視できるとみなした。
【0037】この反応モデルで石炭をCA、CB、CI
三成分に分けたのは、発明者らが実験により得た知見に
基づくものである。発明者らは、石炭にはおおむね40
0℃以上の温度ではきわめて迅速に液化生成物に転化す
る成分とゆっくりと液化生成物に転化する成分、および
実用的な時間範囲内ではほとんどその転化が無視できる
成分の少なくとも三種類の成分が存在し、その反応経路
も異なることを見いだした。その反応速度は石炭の種類
によって多少異なるが、おおむね石炭から液化生成物へ
の転化反応の一次不可逆反応速度定数が450℃で0.
5/min以上である石炭の成分をCA、0.5/mi
n未満かつ10-4/min以上である石炭の成分を
B、10-4/min未満である石炭の成分をCIと看做
すことができる。
【0038】各反応経路の反応速度定数kijの温度依存
性は次式のアレニウス式で与えられる。
【数19】
【0039】ここでk0ijは頻度因子、Eijは活性化エ
ネルギーと呼ばれ、個々の反応速度定数毎に与えられる
定数である。またRはガス定数、Tは温度である。本発
明の発明者は種々の石炭について実験を行い、k0ijと
Eijの値が石炭の種類毎に異なることを発見した。さら
に石炭の三種類の成分CA、CB、CIの成分比も炭種に
よって異なることを発見した。これは言い換えれば、図
1に示される反応モデルは、炭種毎に異なった頻度因
子、活性化エネルギー、成分比を用いることによって数
多くの炭種に対して適用できるということである。
【0040】図1の反応モデルからは表1に示す1組の
反応速度式が得られる。この1組の反応速度式は一階の
連立微分方程式であり、この連立微分方程式を反応装置
個々の境界条件下で解くことによって、その反応装置で
の液化生成物の生成量を求めることができる。
【表1】
【0041】表1の連立一階微分方程式の境界条件は液
化反応装置の装置形式、寸法、温度、圧力から決定され
る。大多数の石炭液化反応装置は、高温高圧下で石炭ス
ラリー中に水素ガスを吹き込んでスラリー中に微細な気
泡を発生させる、いわゆる気泡塔と呼ばれる装置形式を
とる。本発明者らは既存の気泡塔形式の石炭液化反応装
置の操作条件を検討した結果、その大部分は反応工学で
いうところの完全混合槽型の反応器と看做すことができ
るという事実を見出した。ゆえに本発明では完全混合槽
の気泡塔反応器の境界条件下で表1の連立一階微分方程
式を解くこととした。
【0042】完全混合槽型の反応器では反応器内の温
度、圧力、組成は均一である。それゆえ反応器内の組成
は反応器出口からの流出物の組成に等しい。第一反応器
すなわち気泡塔第一塔内での滞留時間をτ1とすると表
1の連立一階微分方程式は容易に積分でき、表2の連立
方程式を与える。
【表2】
【0043】表2の各式で右辺の無次元成分比にスラリ
ー相中の存在量をとっているのは、石炭液化反応の進行
には触媒が必要であり、その触媒はスラリー相にしか存
在しないため、図1の反応はすべてスラリー相で進行
し、気相では反応は進行しないと看做しているからであ
る。同様の理由から滞留時間にはスラリー相の滞留時間
τ1Sを適用している。
【0044】表2の連立方程式中で既知なのは反応速度
定数kijと反応器入口での各成分の組成比mi,0のみで
ある。反応器出口での各成分の組成比mi,1およびスラ
リー相中の各成分の組成比mi,1Sとスラリー相滞留時間
τ1Sは未知である。ただしτ1Sはmi,1Sが与えられれば
既知の実験式より求めることができる。mi,1Sはmi,1
が与えられれば気液平衡計算より求めることができる。
従って表2の連立方程式中の真の独立変数はmi,1のみ
である。
【0045】しかしながら、気液平衡の関係式は非常に
複雑であり、表2の連立方程式に気液平衡関係を代入し
てmi,1Sやτ1Sを消去するのは現実として不可能であ
る。そこで本発明の方法では、目的関数を設定して制限
条件付きの最適化問題として数値解析法によりこの問題
を解くこととした。すなわち以下にて表現される最適化
問題の目的関数F(x)を最小化する変数ベクトルXを
求める問題に帰着させるのである。
【数20】
【0046】具体的には完全混合槽の気泡塔反応器の液
化生成物の生成量を求める場合は、以下の目的関数と制
限条件を設定する。
【数21】
【0047】さらに詳しく本発明の方法を説明すると、
まずmi,1の値を仮定し、この仮定の組成で気液平衡計
算を行ってmi,1Sを求め、さらに実験式からガスホール
ドアップを計算しτ1Sを求めた。それからこのmi,1Sと
τ1Sを表2の連立方程式中に代入しmi,1を計算した。
最初に仮定した(mi,1)aと算出された(mi,1)cは
たいてい一致しない。そこでその差を小さくするように
(mi,1)aを新たに仮定し直して再計算するのであ
る。そして目的関数が最少となるまでこの計算ループを
繰り返して反応器出口組成mi,1を得る。このmi,1に気
泡塔第二塔で注入される水素ガスを加えた組成を新たに
mi,1とし第二反応器すなわち気泡塔第二塔の入口組成
とする。そして第一塔の場合と同じ繰り返し計算を行う
ことによって第二塔出口組成mi,2を得る。同時にτ2S
およびガス相滞留時間τ2Gも得ることがてきる。上述し
た一連の計算アルゴリズムを図3に示す。
【0048】さてそれでは、石炭液化反応の反応速度定
数をN槽からなる高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分
別流出量の実測値より推定する場合はどうであろうか。
N=1の場合、すなわちmi,0とmi,1の値が既知である
場合は、スラリー相中の各成分の組成比mi,1Sは気液平
衡計算から求められ、スラリー相滞留時間τ1Sは確定す
る。よって、反応速度定数kijは繰り返し計算をするこ
となく求めることができる。
【0049】ところがN≧2の場合はmi,n(1≦n<
N)が未知数でありτnSも求まらない。そこで完全混合
槽の気泡塔反応器の液化生成物の生成量を求める場合と
同様に、目的関数を設定して制限条件付きの最適化問題
として数値解析法によりこの問題を解くこととした。さ
らに、本発明者らは反応速度定数を求める場合、目的関
数の取り方によって間接法と直接法の2通りの解法が可
能なことを見いだした。
【0050】間接法では求める反応速度定数を間接的に
操作変数とし、N槽目の気泡塔反応器出口流量mi,Nの
関数を目的関数に取る。
【数22】
【0051】間接法では以下の計算アルゴリズムを用い
て反応速度定数kijを求める。まずkijの値を反応速度
定数が既知で性質の似通った石炭の反応速度定数の値な
どで仮定する。この仮定値(kij)aを用いて第n塔の
出口流量mi,nを順次計算し、最終的に第N塔の出口流
量(mi,N)cを求める。そうすると第N塔については
出ロ流量の実測値(mi,N)oが分かっているので、こ
の(mi,N)oと計算値(mi,N)cを比較し、その差を
小さくするようにkijを新たに仮定し直して再計算する
のである。そして目的関数が最小となるまでこの計算ル
ープを繰り返して反応速度定数kijを得る。
【0052】間接法はN=2の場合は計算の収束が早い
が、Nが3以上の場合は、局所最適解の数が多くなり全
域最適解に到達するのが困難となる。このためN≧3の
場合は直接法を用いることが望ましい。直接法では求め
る反応速度定数kijの関数を目的関数に取る。
【数23】
【0053】直接法では以下の計算アルゴリズムを用い
て反応速度定数kijを求める。まずkijの値を反応速度
定数が既知で性質の似通った石炭の反応速度定数の値な
どで仮定する。この仮定値(kij)aを用いて第n塔の
出口流量を順次計算しmi、N−1を求める。そうする
と第N塔についてはN=1の場合と同様であるから反応
速度定数(kij)cを求めることができる。この(ki
j)cと(kij)aよりF(kij)を計算し、目的関数
が最小となるまでこの計算ループを繰り返して反応速度
定数kijを得る。
【0054】ところで、本発明者等の研究によると、図
1に示した反応定数k32、k43、k54、k63、k10は、
乾燥石炭中の水素原子と炭素原子との比(H/C)と乾
燥石炭中の揮発分(VM)の含有割合との積{(H/
C)×VM}に依存していることがわかった。また、同
図のk73は乾燥石炭中の揮発分の含有割合と酸素の含有
割合との差(VM−O)と前記H/Cとの積{(H/
C)×(VM−O)}に依存し、k103 とk81とはH/
Cと乾燥石炭中の酸素の含有割合(O)との積{(H/
C)×O}に依存し、k93は乾燥石炭中の窒素と硫黄と
の含有割合(N+S)に依存していることがわかった。
【0055】そこで、上記した計算アルゴリズムを用い
て石炭化度(炭素の含有率)が異なる複数の炭種につい
て反応速度定数kijを求め、これらの求めた反応速度定
数kijと上記の石炭の成分との関係を求め、速度反応定
数を石炭の成分をパラメータとする関係式(関数式)と
して表す。
【0056】これにより、炭種の異なる石炭を液化する
場合、その石炭の成分を分析し、分析値を求めた関数式
に代入することにより、その石炭の液化過程における反
応速度定数を容易に求めることができ、ベンチスケール
プラントやパイロットプラントを用いた連続実証運転が
不要となり、石炭液化の開発に要する費用と時間とを大
幅に削減することができる。また、原料炭種の選定、反
応温度、反応圧力、反応時間等の反応条件の検討が可能
となり、ひいては反応器(反応槽)形状の最適化も可能
となる。
【0057】
【実施例】さらに本発明のより詳細な計算方法を以下の
実施例を用いて説明する。 (実施例1)本発明のプログラムを用いて気泡塔3塔直
列からなる石炭液化反応器の反応器出口流量を推算した
例を示す。原料炭A炭の本実施例での反応温度でのkij
および[CA]、[CB]、[CI]は実験によって得
た。また気泡塔の寸法、反応温度、反応圧力および各成
分の第1塔の入ロ流量Mi,0は表3及び表4に記してあ
る。
【表3】
【表4】
【0058】気液平衡計算を行う際は、混合物であるO
1、O2、O3は表5に示した代表沸点Tbと密度ρi、平
均分子量Wiを有する炭化水素化合物として扱った。
【表5】
【0059】気液平衡計算法にはRKS法を用いた。表
3には気液平衡計算により行られた各反応塔のスラリー
相出ロ流量Mi、kSの値が記してある。スラリー相滞留
時間τnSはMi、kSと反応器中のスラリー相の占有体積
Vsより計算できる。
【数24】
【0060】ここでεgはガスホールドアップと呼ばれ
る値で、全反応体積中にガス相が占める割合である。ε
gの推算方法としてはいくつかの実験式が提案されされ
ている。本実施例では数式25の修正NEDOL式を用
いた。
【数25】
【0061】表3は第1塔で60kg/h、第2塔で1
30kg/h、第3塔で5kg/hの水素を注入した場
合である。第2塔および第3塔ではO1〜O3のオイル成
分がすべてガス相側に移動しいわゆるドライアップと呼
ばれる状態になっている。このような状態は反応器中で
コーキングを引き起こすため非常に好ましくない状態で
ある。そこで表4に示すように水素ガス注入量を増や
し、第1塔で138kg/h、第2塔で346kg/
h、第3塔で34kg/hの水素を注入したところ各塔
とも適量のスラリー流量が得られ、τn,Sもすべて1時
間以内に収まることが解った。 (実施例2)本発明のプログラムを用いて気泡塔3塔直
列からなる石炭液化反応器の反応器出口流量の実測デー
タより反応速度定数を算出した例を示す。原料炭Bの
[CA]、[CB]、[CI]は別途実験より求めてあ
る。またこの石炭液化反応器の前段にはスラリー予熱器
が設けてありスラリーは反応温度近傍まで予熱されてか
ら第1反応塔に入る。この予熱段階でCAの液化生成物
への転化反応すなわちCA→O3、CA→PAAO、CA
IOG1の3経路の反応はほぼ終了しており、この反応
速度解析では無視した。従ってk31、k41、k81
の値はこの反応速度解析からは求めなかった。
【0062】表6に反応速度解析より求めたB炭の反応
速度定数を示す。また、表7にこの反応速度解析に用い
た実測データと表6の反応速度定数を使って各気泡塔の
出ロ流量を推算した結果を示す。
【表6】
【表7】
【0063】表において、斜体の数字が実測データであ
る。3塔目の出口流量の推算値と実験値はよく一致して
おり、表6の反応速度定数がB炭の液化特性を忠実に再
現していることが示されている。 (実施例3)3つの気泡塔(反応槽)を直列接続した反
応器を用いて図1に示した反応モデルに基づき、褐炭で
あるアダロ炭、石炭度の高い亜瀝青炭であるタニトハル
ム炭、瀝青炭である池島炭のそれぞれについて、上記し
た直接法による計算アルゴリズムにより図1に示した反
応速度定数のうち、k32、k43、k54、k63、k73、k1
03 、k93、k81、k10を求めた。
【0064】表8は、アダロ炭、タニトハルム炭、池島
炭のそれぞれについての成分の分析値と、液化反応処理
によって得られた成分を実測して上記の反応モデルと計
算アルゴリズムとによって求めた反応速度定数とを示し
たものである。
【表8】
【0065】表8中、第1カラムのVMは乾燥石炭中に
含まれる揮発成分の無次元割合を示し、FCは同じく不
揮発性炭素の割合を示している。これらは、工業分析に
よって求めた。また、第2カラムのC、H、N、S、O
は、それぞれ乾燥石炭中に含まれる炭素、水素、窒素、
硫黄、酸素の重量割合(無次元)を示し、元素分析によ
って求めたものである。そして、表8の第3カラムは、
第1カラムと第2カラムとから求めた反応速度定数を演
算するためのパラメータである。ただし、H/Cは、乾
燥石炭中の水素原子と炭素原子との比であって、炭素原
子は第2カラムのCの値を12で割って求めている。
【0066】さらに、第4カラムのCA、CB、CI、P
AAOは、それぞれ図1のCA、CB、CI、PAAOに
対応しており、実験により求めた値である。そして、第
5カラムは、上記の反応モデルを用いて理論的に解析
(シミュレーション)して得た反応速度定数である。こ
れらの反応速度定数のうち、K32、K43、K54、K63、
K10について、横軸に(H/C)×VM、縦軸に対数目
盛りとした反応速度定数Kとして各炭種についての反応
速度定数をプロットすると、図4のようになる。そこ
で、これらのプロットした点に基づいてK32、K43、K
54、K63、K10と(H/C)×VMとの関係を表す直線
の式(反応速度定数を求める関数式)を求めると、
【数26】
【数27】
【数28】
【数29】
【数30】 が得られる。
【0067】ただし、ここにAnは、それぞれの直線の
傾きであり、Bnは(H/C)×VM=0における縦軸
の切片の一部である。しかし、この実施例においては、
Kn0として図4に示したタニトハルム炭の(H/C)×
VMに対応した位置における縦軸とKnの直線との交点
の反応速度定数を用いてBnを求めている(以下に述べ
る他の反応速度定数を求める式においても同様であ
る)。
【0068】このようにして求めたK32、K43、K54、
K63、K10の式は、
【数31】
【数32】
【数33】
【数34】
【数35】 のようになる。
【0069】また、表8のK73について、横軸に(H/
C)×(VM−O)を取り、縦軸に対数目盛りの反応速
度定数を取ると、図5のようにプロットされる。この図
5からK73と(H/C)×(VM−O)との関係式を求
めると、
【数36】 が得られる。ここに、A73は直線の傾きであり、B73は
縦軸の切片の一部である。そして、前記と同様にして係
数K730 に直線K73上のタニトハルム炭の値を代入して
B73の値を求めると、
【数37】 が得られる。
【0070】さらに、表8のK103、K81について、横
軸に(H/C)×O、縦軸に反応速度定数の対数目盛り
を取ると、図6のようになる。そして、前記と同様にし
てK103、K81について直線の式を求めると、
【数38】
【数39】 となり、さらに、前記と同様にして
【数40】
【数41】 が得られる。
【0071】同様にして表8のK93について、横軸にN
+S、縦軸に反応速度定数の対数目盛りを取ると図7の
ようになる。したがって、
【数42】 の関係式が得られ、
【数43】 が得られる。
【0072】表9は、アダロ炭、タニトハルム炭、池島
炭のそれぞれについて、表8の第5カラムに示した解析
的に求めた反応速度定数K32〜K10と、上記のようにし
て得た反応速度定数を算出する関数式に表8の第3カラ
ムのパラメータを代入して求めた反応速度定数(関数式
の計算値)とを対比して示したものである。反応速度定
数の解析値と計算値との間にはいくらか差があるが、実
用上問題となる差ではない。
【表9】
【0073】次に、3つの気泡塔を直列接続した石炭液
化反応器を用い、アダロ炭、タニトハルム炭、池島炭の
それぞれについて、上記の関数式の計算により求めた表
9右欄の反応速度定数を図1に示した反応モデルに適用
して石炭液化反応をシミュレーション解析し、最終生成
物の推算を行なって実際得られた最終生成物の測定値と
比較した。ただし、図1に示したCA→PAAOの反応
とCA→O3の反応とは、前記実施例と同様に無視してい
る。そして、使用したスラリーは、微粉炭をテトラリン
などの炭化水素溶剤に分散させたもので、石炭濃度が4
5重量%、触媒である天然パイライトの濃度が3重量%
である。
【0074】表10は、アダロ炭の液化に使用した反応
塔(反応槽)の寸法と、解析した反応時間、エンタルピ
ー差、放熱量などを示したものである。また、表11〜
表13は、それぞれアダロ炭に対する反応器入口(第1
塔入口)における各成分の推定値、第1塔出口における
各成分の推定値(推算値)、第2塔出口における各成分
の推定値である。また、表14は、アダロ炭に対する第
3塔出口における流出物の各成分の推定値(推算値)と
実測値とを示したものである。そして、図8は、アダロ
炭に対する各反応塔における流出物(生成物の収量)の
解析値と第3塔の出口における実測値とを示したもので
ある。
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0075】表15は、タニトハルム炭の液化に使用し
た反応塔の寸法と、解析した反応時間、エンタルピー
差、放熱量などを示したものである。また、表16〜表
19は、タニトハルム炭に対する第1塔入口の各成分の
推定値、第1塔出口の各成分の推定値、第2塔出口の各
成分の推定値、第3塔出口の推定値と実測値とを示した
ものである。そして、図9は、タニトハルム炭に対する
各反応塔における生成物の解析値と第3塔の出口におけ
る生成物の実測値を示したものである。
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【0076】表20は、池島炭の液化に使用した反応塔
の寸法と、解析した反応時間、エンタルピー差、放熱量
などを示したものである。また、表21〜表24は、池
島炭に対する第1塔入口部における各成分の推定値、第
1塔出口部における各成分の推定値、第2塔出口部にお
ける各成分の推定値、第3塔出口部における各成分の推
定値と実測値である。そして、図10は、池島炭に対す
る各反応塔における生成物の解析値と第3塔の出口にお
ける生成物の実測値を示したものである。
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【0077】これらの結果から、前記した関数式によっ
て求めた反応速度定数を用いて図1の反応モデルによっ
て液化反応を解析することにより、きわめて実測値に近
い反応生成物を推算することができる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の推算方法を用いることによって、石炭液化反応
器の各組成の出ロ流量を正確かつ簡便に推算することが
可能となった。また実測データより反応速度定数を算出
することが可能となった。これによって石炭液化反応器
のシミュレーションが可能となり、フィジビリティスタ
ディや運転制御に関してさまざまな予測が可能となっ
た。
【0079】また、本発明によれば、石炭の成分を変数
とする関数式を用いて反応速度定数を演算して求めるよ
うにしているため、石炭化度の異なる任意の石炭を液化
する場合、関係式にその石炭の成分を代入することによ
り、その石炭に対する反応速度定数を容易に求めること
ができ、炭種の異なるごとに必要としていたベンチスケ
ールプラントやパイロットプラントを用いた連続実証運
転が不要となり、石炭液化の開発に要する費用と時間と
を大幅に削減することができる。原料炭種の選定、反応
温度、反応圧力、反応時間等の反応条件の検討が可能と
なり、ひいては反応器(反応槽)形状の最適化も可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプログラムに用いられる石炭液化反応
モデルの図である。
【図2】石炭液化反応プロセスの概略構成ブロック図で
ある。
【図3】本発明の反応塔流出量計算アルゴリズムの流れ
図である。
【図4】石炭中の水素原子と炭素原子との比と揮発分の
割合との積と、図1中のK32、K43、K54、K63、K10
との関係を示す図である。
【図5】乾燥石炭中の水素原子と炭素原子との比と揮発
成分の割合と酸素の割合との差との積と、図1中のK73
との関係を示す図である。
【図6】乾燥石炭中の水素原子と炭素原子との比と酸素
の割合との積と、図1中のK103、K81との関係を示す
図である。
【図7】乾燥石炭中の窒素の割合と硫黄の割合との和
と、図1中のK93との関係を示す図である。
【図8】本発明に係る関数式により求めた反応速度定数
を用いて解析したアダロ炭の生成物の量と実測した生成
物の量との関係を示す図である。
【図9】本発明に係る関係式により求めた反応速度定数
を用いて解析したタニトハルム炭の生成物の量と実測し
た生成物の量との関係を示す図である。
【図10】本発明に係る関係式により求めた反応速度定
数を用いて解析した池島炭の生成物の量と実測した生成
物の量との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 並木 泰樹 茨城県鹿嶋市大字新浜18番地1 日本コー ルオイル株式会社内 (72)発明者 小林 正俊 茨城県鹿嶋市大字新浜18番地1 日本コー ルオイル株式会社内 (72)発明者 木戸口 晃 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 伊藤 秀伸 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 平出 政隆 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 今田 邦弘 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 井口 憲二 千葉県千葉市花見川区幕張本郷7−26−1

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭スラリーに水素ガスを吹込んで液化
    反応させる反応槽における出口流出物の成分別流出量を
    推定する方法において、流出物の成分別流出量を仮定し
    て反応槽内で気相および液相とに区分して反応槽滞留時
    間を計算し、この反応槽滞留時間と反応器の流入物の成
    分別流入量と、予め設定した石炭液化反応モデルから導
    かれる一次不可逆反応速度式とから流出物の成分別流出
    量を計算し、前記仮定成分別流出量と計算で得た成分別
    流出量が一定の誤差範囲内で一致するまで計算を繰り返
    して成分別流出量を推算決定することを特徴とする石炭
    液化反応における生成物推算方法。
  2. 【請求項2】 高温高圧の槽型反応器で構成された石炭
    液化反応器の流出物の成分別流出量を推定する方法であ
    って、流出物の成分別流出量を仮定してその組成の混合
    物の反応槽内での気液平衡組成を計算し、前記反応槽内
    での気相と液相の体積流量を計算し、この体積流量と経
    験式より算出した反応槽内でのガスホールドアップより
    気相および液相の反応槽滞留時間を計算し、この反応槽
    滞留時間と反応器の流入物の成分別流入量と特定の石炭
    液化反応モデルより導かれる一次不可逆反応速度式から
    流出物の成分別流出量を計算し、最初に仮定した成分別
    流出量と計算で得た成分別流出量を比較し、この二つの
    成分別流出量が各成分毎に一定の誤差範囲内で一致する
    まで一連の計算を繰り返すことを特徴とする石炭液化反
    応における生成物推算方法。
  3. 【請求項3】 石炭液化反応の反応速度定数をN槽から
    なる高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量の実
    測値より推定して生成物を推算する方法であって、反応
    速度定数を仮定し、仮定した反応速度定数を用いて第N
    槽までの各槽の流出物の成分別流出量を順次計算し、第
    N槽の成分別流出量の計算値と実測値を比較し、この二
    組の成分別流出量が各成分毎に一定の誤差の範囲内で一
    致するまで一連の計算を繰り返して反応速度定数を決定
    し、これにより成分別生成量を推算することを特徴とす
    る石炭液化反応における生成物推算方法。
  4. 【請求項4】 石炭液化反応の反応速度定数をN槽から
    なる高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量の実
    測値より推定して生成物を推算する方法であって、反応
    速度定数を仮定し、仮定した反応速度定数を用いて第N
    −1槽までの各槽の流出物の成分別流出量を順次計算
    し、第N−1槽の成分別流出量と第N槽の成分別流出量
    から新たに反応速度定数を計算し、最初に仮定した反応
    速度定数と新たに計算で得た反応速度定数を比較し、こ
    の二組の反応速度定数が各反応速度定数毎に一定の誤差
    範囲内で一致するまで一連の計算を繰り返して反応速度
    を決定し、これにより成分別生成量を推算することを特
    徴とする石炭液化反応における生成物推算方法。
  5. 【請求項5】 高温高圧の気泡塔反応器で構成された石
    炭液化反応器の流出物の成分別流出量を推定する方法で
    あって、水分と灰分を除いた石炭を液化反応性の高い成
    分および液化反応性の低い成分およびきわめて液化しに
    くい成分の3成分に、液化油および固体の液化生成物を
    低沸点液化油成分および中沸点液化油成分および高沸点
    液化油成分および液化油を含むアスファルテン類成分の
    4成分に、その他の液化生成物を低級炭化水素ガスおよ
    び一酸化炭素と二酸化炭素ガスおよび水および硫化水素
    とアンモニアの4成分に区分し、石炭および液化生成物
    各成分に水素を加えた12成分の間で、一次不可逆反応
    の逐次反応と並列反応が組み合わされた反応経路に沿っ
    て石炭が液化生成物に分解し、さらに一部の液化生成物
    がより分子量が小さい他の液化反応物に分解する反応モ
    デルより導かれる一次不可逆反応速度式を用いることを
    特徴とする請求項1または2に記載の石炭液化反応にお
    ける生成物推算方法。
  6. 【請求項6】 石炭液化反応の反応速度定数をN槽から
    なる高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量の実
    測値より推定する方法であって、水分と灰分を除いた石
    炭を液化反応性の高い成分および液化反応性の低い成分
    およびきわめて液化しにくい成分の3成分に、液化油お
    よび固体の液化生成物を低沸点液化油成分および中沸点
    液化油成分および高沸点液化油成分および液化油を合む
    アスファルテン類成分の4成分に、その他の液化生成物
    を低級炭化水素ガスおよび一酸化炭素と二酸化炭素ガス
    および水および硫化水素とアンモニアの4成分に区分
    し、石炭および液化生成物各成分に水素を加えた12成
    分の間で、一次不可逆反応の逐次反応と並列反応が組み
    合わされた反応経路に沿って石炭が液化生成物に分解
    し、さらに一部の液化生成物がより分子量が小さい他の
    液化反応物に分解する反応モデルより導かれる一次不可
    逆反応速度式を用いることを特徴とする請求項3または
    4に記載の石炭液化反応における生成物推算方法。
  7. 【請求項7】 高温高圧の気泡塔反応器で構成された石
    炭液化反応器の流出物の成分別流出量を推定する方法で
    あって、液化油もしくは固体の液化生成物を低沸点液化
    油成分および中沸点液化油成分および高沸点液化油成分
    および液化油を合むアスファルテン類成分の4成分に、
    その他の液化生成物を低級炭化水素ガスのグループおよ
    び一酸化炭素と二酸化炭素ガスのグループおよび水およ
    び硫化水素とアンモニアグループの4成分に区分する際
    に、炭素数1から3までの炭化水素化合物の集まりを低
    級炭化水素ガスとし、常圧での沸点が220℃未満でか
    つ低級炭化水素ガスを含まない液化油を低沸点液化油成
    分とし、常圧での沸点が220℃以上350℃未満であ
    る液化油を中沸点液化油成分とし、常圧での沸点が35
    0℃以上538℃未満である液化油を高沸点液化油成分
    とし、常圧での沸点が538℃以上の液化油とテトラヒ
    ドロフランに可溶な固体成分を液化油を合むアスファル
    テン類成分とすることを特徴とする請求項5に記載の石
    炭液化反応における生成物推算方法。
  8. 【請求項8】 石炭液化反応の反応速度定数をN槽から
    なる高温高圧の槽列反応器の第N槽の成分別流出量の実
    測値より推定する方法であって、液化油もしくは固体の
    液化生成物を低沸点液化油成分および中沸点液化油成分
    および高沸点液化油成分および液化油を合むアスファル
    テン類成分の4成分に、その他の液化生成物を低級炭化
    水素ガスのグループおよび一酸化炭素と二酸化炭素ガス
    のグループおよび水および硫化水素とアンモニアグルー
    プの4成分に区分する際に、炭素数1から3までの炭化
    水素化合物の集まりを低級炭化水素ガスとし、常圧での
    沸点が220℃未満でかつ低級炭化水素ガスを含まない
    液化油を低沸点液化油成分とし、常圧での沸点が220
    ℃以上350℃未満である液化油を中沸点液化油成分と
    し、常圧での沸点が350C以上538℃未満である液
    化油を高沸点液化油成分とし、常圧での沸点が538℃
    以上の液化油とテトラヒドロフランに可溶な固体成分の
    液化油を合むアスファルテン類成分とすることを特徴と
    する請求項6に記載の石炭液化反応における生成物推算
    方法。
  9. 【請求項9】 高温高圧の気泡塔反応器で構成された石
    炭液化反応器の流出物の成分別流出量を推定する方法で
    あって、灰分を除いた石炭を液化反応性の高い成分およ
    び液化反応性の低い成分およびきわめて液化しにくい成
    分の3成分に分割する際に、石炭から液化生成物への転
    化反応の一次不可逆反応速度定数が450℃で0.5/
    min以上である石炭の成分を液化反応性の高い成分と
    し、0.5/min未満かつ10-4/min以上である
    石炭の成分を液化反応性の低い成分とし、10-4/mi
    n未満である石炭の成分をきわめて液化しにくい成分と
    することを特徴とする請求項5に記載の石炭液化反応に
    おける生成物推算方法。
  10. 【請求項10】 石炭スラリーに水素ガスを吹込んで液
    化反応させる反応槽における出口流出物の成分別流出量
    を推定する方法であって、 石炭化度の異なる複数種類の石炭スラリーのそれぞれに
    ついて、 予め設定した石炭液化反応モデルに従って前記流出物の
    成分別流出量を仮定するとともに、前記反応槽内を気相
    と液相とに区分してこれらの反応槽滞留時間を計算し、 この反応槽滞留時間と、前記反応槽への流入物の成分別
    流入量と、前記石炭液化反応モデルから導かれる一次不
    可逆反応速度式とから前記流出物の成分別流出量を計算
    し、 この計算した成分別流出量と前記仮定した成分別流出量
    とが一定の誤差範囲内で一致する前記一次不可逆反応速
    度式の反応速度定数を求めたのち、 各炭種について得られた前記反応速度定数に基づいて、
    石炭の成分と反応速度定数との関係式を求め、この求め
    た関係式を任意の石炭種に適用して前記反応速度定数を
    演算して前記石炭液化反応モデルにより前記流出物の成
    分別流出量を推算する、 ことを特徴とする石炭液化反応における生成物推算方
    法。
  11. 【請求項11】 前記関係式は、 水分と灰分とを除いた石炭を液化反応性の高い成分、液
    化反応性の低い成分およびきわめて液化しにくい成分の
    3成分に区分し、 前記流出物のうち、液化油および固体の液化生成物を低
    沸点液化油成分、中沸点液化油成分、高沸点液化油成分
    および液化油を含むアスファルテン類成分の4成分に区
    分し、 前記流出物のうち、その他の液化生成物を低級炭化水素
    ガス、一酸化炭素ガスと二酸化炭素ガス、水および硫化
    水素とアンモニアの4成分に区分し、 前記石炭の液化反応性の低い成分から前記アスファルテ
    ン類成分を生ずる反応の反応速度定数をK32、前記アス
    ファルテン類成分から前記高沸点液化油成分を生ずる反
    応の反応速度定数をK43、前記高沸点液化油成分から中
    沸点液化油成分を生ずる反応の反応速度定数をK54前記
    アスファルテン類成分から前記低沸点液化油成分を生ず
    る反応の反応速度定数をK63、前記アスファルテン類成
    分から前記低級炭化水素ガスを生ずる反応の反応速度定
    数をK73、前記アスファルテン類成分から前記水を生ず
    る反応の反応速度定数をK103、前記アスファルテン類
    成分から前記硫化水素とアンモニアとを生ずる反応の反
    応速度定数をK93、前記石炭の液化反応性の高い成分か
    ら前記一酸化炭素ガスと二酸化炭素ガスとを生ずる反応
    の反応速度定数をK81、前記水素と前記アスファルテン
    類成分との反応の反応速度定数をK10としたときに、 【数1】 【数2】 【数3】 【数4】 【数5】 【数6】 【数7】 【数8】 【数9】 であることを特徴とする請求項1に記載の石炭液化反応
    における生成物推算方法。ただし、H/Cは乾燥石炭中
    に含まれる水素原子と炭素原子との比、Oは乾燥石炭中
    に含まれる酸素の重量の割合、Nは乾燥石炭中に含まれ
    る窒素の重量の割合、Sは乾燥石炭中に含まれる硫黄の
    重量の割合、VMは乾燥石炭中に含まれる揮発分の重量
    の割合であり、 A32は横軸に(H/C)×VM、縦軸にK32を対数目盛
    りで取ったときの数式1で表される直線の傾き、K320
    はその直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求
    めるために用いた所定の石炭種の(H/C)×VMにお
    けるK32値であり、B32は前記直線の切片の一部であっ
    て、K32=K320としたときに−A32{(H/C)×V
    M}に等しい値を表し、 A43は横軸に(H/C)×VM、縦軸にK43を対数目盛
    りで取ったときの数式2で表される直線の傾き、K430
    はその直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求
    めるために用いた所定の石炭種の(H/C)×VMにお
    けるK43の値であり、B43は前記直線の切片の一部であ
    って、K43=K430としたときに−A43{(H/C)×
    VM}に等しい値を表し、 A54は横軸に(H/C)×VM、縦軸にK54を対数目盛
    りで取ったときの数式3で表される直線の傾き、K540
    はその直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求
    めるために用いた所定の石炭種の(H/C)×VMにお
    けるK54の値であり、B54は前記直線の切片の一部であ
    って、K54=K540としたときに−A54{(H/C)×
    VM}に等しい値を表し、 A63は横軸に(H/C)×VM、縦軸にK63を対数目盛
    りで取ったときの数式4で表される直線の傾き、K630
    はその直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求
    めるために用いた所定の石炭種の(H/C)×VMにお
    けるK63の値であり、B63は前記直線の切片の一部であ
    って、K63=K630としたときに−A63{(H/C)×
    VM}に等しい値を表し、 A73は横軸に(H/C)×(VM−O)、縦軸にK73を
    対数目盛りで取ったときの数式5で表される直線の傾
    き、K730はその直線の縦軸の切片一部であって、前記
    関係式を求めるために用いた所定の石炭種の(H/C)
    ×(VM−O)におけるK73の値であり、B73は前記直
    線の切片の一部であって、K73=K730としたときに−
    A73{(H/C)×(VM−O)}に等しい値を表し、 A103は横軸に(H/C)×O、縦軸にK103を対数目盛
    りで取ったときの数式6で表される直線の傾き、K1030
    はその直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求
    めるために用いた所定の石炭種の(H/C)×Oにおけ
    るK103の値であり、B103は前記直線の切片の一部であ
    って、K103=K1030としたときに−A103{(H/C)
    ×O}に等しい値を表し、 A93は横軸に(N+S)、縦軸にK93を対数目盛りで取
    ったときの数式7で表される直線の傾き、K930はその
    直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求めるた
    めに用いた所定の石炭種の(N+S)におけるK93の値
    であり、B93は前記直線の切片の一部であって、K93=
    K930としたときに−A93(N+S)に等しい値を表
    し、 A81は横軸に(H/C)×O、縦軸にK81を対数目盛り
    で取ったときの数式8で表される直線の傾き、K810
    その直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求め
    るために用いた所定の石炭種の(H/C)×Oにおける
    K81の値であり、B81は前記直線の切片の一部であっ
    て、K81=K810としたときに−A81{(H/C)×
    O}に等しい値を表し、 A10は横軸に(H/C)×VM、縦軸にK10を対数目盛
    りで取ったときの数式9で表される直線の傾き、K100
    はその直線の縦軸の切片一部であって、前記関係式を求
    めるために用いた所定の石炭種の(H/C)×VMにお
    けるK10の値であり、B10は前記直線の切片の一部で
    あって、K10=K100としたときに−A10{(H/
    C)×VM}に等しい値を表す。
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