JPH11335588A - 包装材料 - Google Patents

包装材料

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JPH11335588A
JPH11335588A JP10378194A JP37819498A JPH11335588A JP H11335588 A JPH11335588 A JP H11335588A JP 10378194 A JP10378194 A JP 10378194A JP 37819498 A JP37819498 A JP 37819498A JP H11335588 A JPH11335588 A JP H11335588A
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weight
composition
coating
coefficient
friction
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JP10378194A
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English (en)
Inventor
Janet Susan Preston
スーザン プレストン ジャネット
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Imerys Minerals Ltd
Original Assignee
ECC International Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セルロースシートの静摩擦係数を増加させるこ
と。 【解決手段】カオリン粘土、か焼カオリン、粉砕された
天然炭酸カルシウム、化学的に沈殿させた炭酸ナトリウ
ム及びゼオライトからなる群より選ばれる微細に分割さ
れた粒状無機材料の水性懸濁液、及び、好ましくは粒状
無機材料の乾燥重量に対して4重量%〜60重量%の接
着剤を含む、噴霧可能な水性被膜組成物の調製し、及び
セルロースシート表面に被膜組成物を、被膜の乾燥後に
表面積当たりの好適な被膜を与えるのに十分な量、例え
ば0.5g・m-2〜3.0g・m-2を噴霧する工程を有
する方法に関する。被覆したシートの静摩擦係数は、少
なくとも0.5であってよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装材料、特にセ
ルロース繊維から作られた包装材料表面の摩擦係数を増
加する方法、及び特にライナーボードのような厚紙製品
及び紙袋を作るためのクラフト紙の表面の摩擦係数を増
加する方法、及びこれによって生産された製品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】大量の産業の最終生成物は、木材パルプ
又は再生廃紙のようなセルロース繊維材料から得られる
シート材料から作られた箱又はボール箱に入れて包装さ
れ、発送される。このシート材料は、一般に段ボールや
包装紙と言われているが、ライナーボードとして取り引
きされていることが最もよく知られている。ライナーボ
ードは、一般的に2以上のセルロースシート材料を互い
に積層させたものからなる。例えば、高品質のライナー
ボードは、無漂白軟木クラフト紙から作られた比較的厚
い基層に、一般に基層の生成に使用するよりも高品質の
無漂白クラフト紙から作られる「ライナー」と呼ばれる
より薄い層を積層させたものを有する。2つの層は、例
えば、長網抄紙機型のような従来の製紙機械で別々に製
造される。この型の製紙機械は、無機繊維を含むセルロ
ース繊維の希釈懸濁液、及びもし使用するならば、充填
剤の保持力を改善するために使用してもよい化学添加物
は、動く金網ベルトの上部表面の上に広いカーテンの形
態で流れるようになり、水は重力と吸引力によって回収
されて通り、金網ベルトの表面上にセルロース繊維材料
のフェルトのようなウェブを残し、ウェブは、シート材
料を生成するために放射及び/又は対流によって乾燥さ
れる。その後ライナーボードは、2以上のセルロースシ
ート材料を互いに積層することによって生成され、得ら
れた積層ウェブは、適当な大きさのシートに裁断され、
シートは、包装及び発送されることが必要な製品用の箱
又はボール箱を作るために折り目をつけられ、折られ
る。
【0003】物を詰めたライナーボード箱は、一般に倉
庫や、店や、物品を運ぶための種々の手段として、多数
取り扱われる。非常に一般的なやり方は、2又は3から
10以上のそのような種々の箱をパレットに積み重ね、
ある場所から他の特別な場所にフォークリフトを使って
パレットを移動し、箱の積み重ねを完成することであ
る。そのようなやり方において、2つの隣接した箱の表
面間の摩擦係数が、低すぎる場合に問題が起きる。その
ような場合、箱の積み重ねを取り扱うときに、1つの箱
が容易に滑って残りの積み重ねから離れてしまうので、
効率的な取り扱いをするのに非常に不利益になり得る。
ライナーボードが一般に作られるシート材料の自然摩擦
係数は比較的低く、ライナーボードが更に低い摩擦係数
を有して製造される傾向があることが最近わかった。こ
の傾向は、互いに積層してライナーボードを生成するシ
ート材料を生成するために使用される貯蔵物中の再生廃
紙から得たセルロース繊維の、より大量な使用の増加に
よるものとみなしてよい。これらセルロース繊維は、未
使用木材パルプから得たセルロース繊維よりも短い傾向
があり、再生廃紙パルプは、廃棄物として再生された紙
に既に添加されているか、採集されている油状あるいは
蝋状物質を含む傾向がある。これら双方の要因は、高い
割合の廃紙パルプを含むシート材料の摩擦係数を減少さ
せる傾向があるので、摩擦増加被膜層をライナーボード
の外表面に適用して、完成した箱が互いに滑る傾向を減
少することが最近ますます必要になってきた。
【0004】同様の問題は、クラフト紙袋が、粒状の固
体製品を輸送及び貯蔵中に含むためにて使用されるとき
に生じるかもしれない。典型的にそのような紙袋は、2
以上のクラフト紙の層で構成されるので、最外層が比較
的低い摩擦係数を有すると、充填した袋が取り扱い及び
輸送中に互いに滑りやすくなるだろう。ライナーボード
箱及びクラフト紙袋の中身を容易に確認するため、一般
にコンテナに作りあげる前に、包装材料の表面上に製品
を確認する文を印刷することが必要である。この目的で
最も普通に使用される印刷方法は、フレキソ印刷法であ
る。包装材料の表面の摩擦係数を増強するために適用さ
れるいかなる被膜も、完成したコンテナの視覚的な外見
に影響してはならないことが、一般的に求められてい
る。実際、人の眼には実質的に見えてはならない。被膜
は、またフレキソ印刷法による確認文の印刷に影響して
はならない。
【0005】現在、表面の摩擦係数を増加するために厚
紙及びクラフト紙のようなセルロース包装材料を適用す
る被覆組成物は、一般に、主にコロイドのシリカ又はア
ルミナと種々の有機添加物とを有する。そのような被膜
は、包装材料の視覚的な外見を損なうことなく、又はフ
レキソ印刷法によって適用された印刷文の質に悪影響を
及ぼすことなく摩擦係数を増強する要求を満たす。しか
しながら、被覆組成物は、比較的高価で、コロイドシリ
カを含む組成物の場合、被覆組成物は、特に乾燥時に健
康に有害であると考えられる不利益を受ける。
【0006】米国特許第2872094 号明細書(Leptien)
は、クラフト袋のストック及び厚紙を含む、セルロース
紙コンテナ材料用の滑らない又は滑り防止組成物を開示
する。組成物は、本質的に約3〜15%のコロイドシリ
カ、微細に分離された粘土であってもよい約3〜15%
の微細に分離された増量剤物質、非イオンポリアルキレ
ンエーテル湿潤剤及び乳化ジメチルポリシロキサン生成
抑制剤を有し、残りが水である。
【0007】米国特許第3689431 号明細書(Payne) は、
滑り防止特性をセルロースシート材料に与えるシリカゾ
ル含有被覆組成物を開示する。当該シート材料は、材料
の印刷及び取り扱い特性に悪影響がないと言われてい
る。当該組成物は、当初、平均粒径4〜120nmのシリ
カ粉末の1重量部に対して、2〜20重量部、好ましく
は4〜6重量部のコロイドシリカからなる混合物30〜
65重量%を有する。この組成物は、水で希釈されて、
0.5〜1重量%のシリカとなり、92.9m2(100
0ft2 )のセルロースシート材料の表面当たり22.6
〜226グラム(0.05〜0.5ポンド)のシリカ
(0.24g・m-2〜2.4g・m-2)として適用され
る。
【0008】米国特許第5569318 号明細書(Jarand)は、
紙製品表面用の滑り防止被覆組成物であって、被覆組成
物が、コロイドシリカを含む一般的な滑り防止組成物を
セルロースシート材料のウェブの表面に噴霧することに
よって適用したときに生ずる問題を克服するために設計
された組成物を開示する。このような条件下で、噴霧さ
れた被覆組成物は、要求されるシート材料ウェブ上だけ
でなく、組成物が乾燥し、はげて取れて微細なほこりを
生成し、最終的に健康を害する周囲の作業領域で、固ま
る傾向があるだろう。この問題に対して提案された解答
は、12〜20重量%のコロイドシリカ固体、5〜1
6.5重量%のグリセリン及び0.5〜10重量%のN,
N-ジメチルアセトアセトアミドを含み、残りが水である
被覆組成物を使用することである。
【0009】JP-A-04-327297号は、段ボール箱用の滑り
防止組成物を開示する。この組成物で処理された箱は、
発送を繰り返した後においても滑り防止特性を保持する
といわれる。この組成物は、1〜5μmの平均粒径及び
30〜70μmの平均長さを有する硫酸カルシウムウィ
スカーを有する。この硫酸カルシウムウィスカーは、コ
ロイドシリカ、アルミナゾル、水ガラス、樹脂エマルジ
ョン又は水溶性樹脂と結合される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ライ
ナーボード及び他の包装材料のようなセルロースシート
材料用の被覆組成物であって、材料表面の摩擦係数を視
覚的外見を損なうことがなく又はフレキソ印刷法によっ
て適用された印刷文の質に悪影響を与えることがなく、
及びコロイドのシリカ又はアルミナの使用に関連した不
利益を防止する被覆組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、セルロ
ースシート包装材料の静摩擦係数を増加する方法が提供
される。この方法は、以下の工程を有する。 (a) カオリン粘土、か焼カオリン、粉砕した天然炭酸カ
ルシウム、化学的に沈殿した炭酸カルシウム及びゼオラ
イトからなる群より選ばれた材料、及び接着剤を含有す
る微細に分割された粒状無機物を、水に懸濁して調製す
ることによって水性被覆組成物を調製する工程、及び、
(b) 被覆組成物をセルロースシート材料の表面に噴霧し
て、被覆組成物の被膜をその上に生成する工程。
【0012】被膜は、例えば被膜の乾燥後、0.5g・
-2〜3.0g・m-2の被覆表面積当たりの被膜重量を
有してもよい。接着剤は、粒状無機材料の乾燥重量に対
して少なくとも4重量%、例えば10重量%〜60重量
%で形成される。セルロースシート材料は、包装材料で
あってもよい。例えば、しばしば2以上の層(layer) 即
ち「積層(plies) 」で、紙袋を形成するために使用され
るタイプのクラフト紙材料を有してもよく、又は包装
紙、段ボール又はライナーボードとして種々の知られた
タイプの包装材料を形成するために、2以上のセルロー
スシートを積層させることによって形成されたボード材
料であってよい。セルロースシート材料は、一般的に少
なくとも1の表面は、印刷工程において良質の印刷効果
を受けることができ、それは例えば、フレキソ印刷タイ
プであってもよい。フレキソ印刷工程は、浮き彫りタイ
プの方法である。換言すれば、浮出し文字を使用して印
刷像を形成させる。フレキソ印刷の特別な場合におい
て、印刷版は、ゴムのような柔軟性材料であり、非常に
流動性のインクは、水又はアルコール媒体に溶解した色
素を含み、最小の印刷圧力で使用される。
【0013】本発明は、滑り防止(滑り止め)被膜を、
包装材料のようなセルロースシート材料に、従来技術よ
りも効率的かつより安価に適用させることが、予想外か
つ有益に可能である。本発明の方法の工程(a) におい
て、粒状無機材料は、好ましくは、少なくとも20重量
%が2μmより小さい平均球径を有する粒子であるよう
な粒度分布を有する。本発明において、粒度分布は、周
知技術の沈降を、完全に分散した条件下、希薄水性懸濁
液中で、ミクロメリティックスコーポレーション(Micro
meriticsCorporation),USA から供給されるSEDIGRAPH
TM 5100 機械を使用して行うことによって測定されるこ
とがわかる。最も好ましい粒状無機材料は、炭酸カルシ
ウム、即ち、粉砕したチョーク又は大理石のような粉砕
した天然炭酸カルシウム、及び/又は化学的に沈殿した
炭酸カルシウムのいずれかを含む。
【0014】接着剤は、炭水化物タイプの親水性物質、
例えば、でんぷん、ナトリウムカルボキシメチルセルロ
ース又はヒドロキシエチルセルロースのようなセルロー
ス誘導体、アラビノガラクタンのようなサッカライドを
有してもよい。これとは別に、接着剤は、ポリマーラテ
ックスタイプ、例えば、スチレン、ブタジエン、アクリ
ロニトリル及びアクリル酸からなる群より選ばれた2又
は3種のモノマーのコポリマーのラテックス、ポリビニ
ルアセテートラテックス、ポリビニルアルコールラテッ
クス又はエチレンビニルアセテートラテックスの、親水
性物質を含んでもよい。接着剤は、前記2以上の混合物
であってもよい。結合剤の80重量%までの量の潤滑
剤、例えば、結合剤の50%までを構成するグリセロー
ルは、接着剤又は結合剤組成物に含まれてもよい。
【0015】工程(b) において、工程(a) で調製された
水性被覆組成物は、好ましくは希釈され、必要であれ
ば、約10重量%〜約20重量%の総固形物含有量にな
るように、噴霧する前に希釈される。いかなる場合で
も、工程(b) で使用される噴霧可能な組成物の含水量
は、好ましくは80重量%〜92重量%である。
【0016】噴霧可能な組成物は、特性を改善するた
め、組成物の噴霧前、噴霧中又は噴霧後に、1以上の更
なる添加物を含めてもよい。例えば、界面活性剤は、組
成物の噴霧を改善し、液的中での粒子の結合を防止する
ために含められてもよい。界面活性剤は、非イオン界面
活性剤を含んでもよい。好適な非イオン界面活性剤の例
は、1級、2級又は3級アルコールエトキシラート、ア
ルキルフェノール、エトキシレートジアルキルフェノー
ル、アルキレンオキシドを有するブロックコポリマー、
アルキルフェノキシポリエトキシルアルカノール及びポ
リオキシエチル化アセチレングリコールから選ばれる1
以上の組成物を含む。アルコールエトキシレートは、界
面活性剤としての使用に好ましい。好ましくは、界面活
性剤が非イオン性であれば、5〜14、例えば、8〜1
1の親水性/脂肪親和性平衡(HLB) を有する。好適な商
業的に入手可能な非イオン界面活性剤の例には、それぞ
れ商品名TRITON X-100、DOBANOL 91-6及びNEODOL91-6
として売られている製品がある。
【0017】界面活性剤は、粒状無機材料の乾燥重量に
対して、5重量%まで、好ましくは0.1重量%〜2重
量%を構成してもよい。
【0018】色素又は着色材は、沈殿した組成物の色を
セルロースシート材料の色に合わせるために、組成物に
添加されてもよい。セルロースシートは、黄色又は茶色
の包装を含んでもよく、ボード材料及び組成物は、1以
上の黄色又は茶色の着色を与える添加物を含んでもよ
い。茶色のシート被膜に適した添加物は、任意に黒色顔
料、例えばカーボンブラックを含有する、茶色色素を含
む。好適な茶色色素の例には、BASAZOL TM ブラウン43
L がある。噴霧可能な組成物は、固体成分の実質的な沈
降が一定期間、少なくとも1時間、起こらないものが好
ましい。
【0019】好ましくは、本発明の方法によって処理さ
れたシート材料の摩擦係数は、少なくとも0.1、時に
は0.2以上から、例えば0.50以上、時には0.5
8以上の増加によって上昇される。好ましくは、噴霧可
能な組成物を噴霧するために使用される手段は、1mm以
下、多くの場合0.5mm以下の平均サイズを有する液滴
の噴霧を提供する。これにより、噴霧した液滴は、均一
な被膜をセルロースシート材料の表面に好適に形成し得
る被覆組成物の微細液滴である。本発明の態様は、ここ
で以下の実施例において参考としてのみ例示目的で記述
される。
【0020】
【実施例】実施例1 ライナーボード用の5種の滑り防止被覆組成物を調製し
た。組成物1〜4は、本発明の態様に従い、それぞれ1
00重量部の乾燥炭酸カルシウム顔料及び50重量部の
でんぷん結合剤を含んでいた。炭酸カルシウム顔料は、
天然炭酸ナトリウムを粉砕することにより、又は化学的
に沈殿することにより生成し、各顔料は、それぞれ2μ
m及び1μmより小さい相当球直径(equivalent spheri
cal diameter) を有する粒子の重量%によって特徴づけ
た。炭酸カルシウム顔料の詳細を以下の表1に示す。
【0021】
【表1】 表1 次の値より小さいものの重量% 組成物 炭酸カルシウムのタイプ 2μm 1μm 1 天然物の粉砕 99 91 2 天然物の粉砕 88 63 3 天然物の粉砕 22 13 4 化学的に沈殿 99 97
【0022】組成物5は、先行技術の組成物を表す対照
組成物であり、91nmの平均粒径を有する31.5重量
%のコロイドシリカ、13.5重量%の有機炭水化物結
合剤及び55重量%の水を有する。組成物1〜4は、約
10重量%の乾燥固体になるように水で希釈され、組成
物5は、約7重量%の乾燥固体になるように希釈され、
その値は、コロイドシリカを含む滑り防止被覆組成物の
使用に関する多くの先に公開された特許明細書に適合す
るように与えられた値である。各希釈懸濁液を92.9
2 (1000ft2)当たり物質重量19kg(42ポン
ド)(205g・m-2)のライナーボードの試料の表面
に噴霧し、約0.5〜約2.5g・m-2の乾燥重量の被
膜を得た。被膜は乾燥するために放置し、コーテイング
したライナーボードの試料を、その後、静摩擦係数に対
し、及び波長457nmの光に対する光度又は反射率%に
対して試験した。
【0023】静摩擦係数は、「Tensometric TM Micro 3
50」張力計を用いて、被覆ライナーボードの第1の試料
を重量測定したステンレススチールブロックの高度に研
磨された表面に取り付け、重量測定したステンレススチ
ールブロックは、被覆ライナーボードの別の第2の試料
に引かれ、ライナーボードはガラスベッドプレートに取
り付けられ、ガラスベッドプレートもまた、張力計のベ
ッドプレートに確実に配置されている。ステンレススチ
ールブロックは、実質的に摩擦のない滑車の周りを通過
しかつその遠位の末端で張力計のクロスヘッドに結合さ
れた可撓性鋼ワイヤーを用いて、第2の被覆ライナーボ
ード試料の表面を横切って引かれる。ブロックの寸法は
60mm×45mm×6mmであり、ブロック及びワイヤーの
重さは、合わせて128グラムである。ブロックも、2
kgのウエイトをブロックの上端で負荷されている。クロ
スヘッドは、100mm/分の一定割合で上がっていき、
負荷されたヘッドは、ライナーボード試料の表面に同一
速度で引かれる。クロスヘッドに取り付けられたロード
セルは、ワイヤーの張力をニュートン単位で連続的に出
力する。別の第2のデジタル出力はブロックによって移
動した距離を表示する。ワイヤーの張力は、ブロックの
移動中連続的に測定され、データを、パーソナル・コン
ピュータを使用して自動的にセーブした。静摩擦係数
は、移動開始するために克服しなければならない摩擦力
を意味し、この摩擦係数は、厚紙産業で最もしばしば引
用される摩擦係数である。動摩擦係数は、既に動いてい
るブロックを引っ張るために要求される力を一定時間で
平均することによって得られる。一定時間は、通常10
〜40秒であり、移動開始の瞬間から、摩擦力が比較的
一定になる時期に測定される。得られた平均値から、被
覆ライナーボードの表面の摩擦係数は、以下の式を用い
て計算される。
【0024】μ=F/Mg μ:摩擦係数 F:ワイヤーの張力 M:被覆ライナーボードの総負荷(2.128kg) g:重力加速度(9.81m/s2)
【0025】厚紙産業の技術者は、厚紙表面の摩擦特性
を「スライド角」qの語でしばしば表現し、qは、以下
のような表現によって静摩擦係数と関連する。 静摩擦係数=tan q 被覆ライナーボードの各試料に対し、試料が新しく被覆
され、乾燥されたときに、静摩擦係数を最初に測定し
た。その後、摩擦係数が、被覆ライナーボード相互に繰
り返し滑らせた後に、維持されるかどうか調査するため
に、摩擦試験操作を更に2回行い、3回目のスライドに
対して測定した静摩擦係数も記録した。
【0026】光度を、国際基準No ISO 2470 に規定され
た手段によって測定した。本試験は、滑り防止被膜を適
用した後、表面の視覚的外見としての表示を与え、前記
外見が、被膜の適用によって大きく変化するか否かを明
らかにされた。結果を以下の表2に示す。比較のため、
非被覆基礎のライナーボードに対する対応結果を表2に
示す。
【0027】
【表2】 表2 被膜重量 静摩擦係数 波長457nmの 組成物 (g/m2) 第1スライド 第3スライド 光の反射率(%) 1(実施例) 0.76 0.433 0.309 14.3 1(実施例) 0.97 0.679 0.277 14.6 1(実施例) 1.45 0.673 0.449 14.2 1(実施例) 1.83 0.741 0.556 14.4 2(実施例) 1.61 0.571 0.356 14.6 2(実施例) 1.79 0.643 0.443 14.8 2(実施例) 2.32 0.727 0.529 14.5 3(実施例) 0.90 0.608 0.588 15.3 3(実施例) 1.65 0.603 0.591 15.0 3(実施例) 1.88 0.601 0.611 15.4 3(実施例) 2.05 0.578 0.563 14.6 4(実施例) 1.30 0.611 0.446 14.3 4(実施例) 1.64 0.555 0.365 14.5 4(実施例) 1.81 0.644 0.369 14.4 4(実施例) 1.97 0.597 − 14.5 5(比較例) 0.80 0.569 − 14.4 5(比較例) 1.24 0.441 0.338 14.2 5(比較例) 1.40 0.666 − 14.6 5(比較例) 1.83 0.671 − 14.6 非被覆 0 0.445 0.320 14.5 これらの結果は、非常に微細に粉砕した天然炭酸ナトリ
ウムを含む組成物1が、先行技術の組成物5と同じか僅
かに良好な滑り防止効果を提供することを示す。本発明
の態様に従う他の組成物により提供された滑り防止効果
は、少なくとも、先行技術の組成物によって提供される
効果に匹敵する。波長457nmの光の反射において、僅
かであるが有意な増加を与えることが明らかな組成物3
を除き、かなりの影響を被覆ライナーボードの視覚的外
見に与える組成物はない。
【0028】前記手順で各5種の組成物を被覆した同一
の基材ライナーボードの試料を、「DYNAQUA TM」の黒色
水性インクを「IGT TM」F1フレキソ印刷機上でフレキ
ソ印刷試験にかけた。このインクを、使用する前に10
容積%の水を100容量%のインクに添加して希釈し
た。印刷機を、彫られたシリンダーに50Nを及び印刷
ローラーに100Nを負荷して、印刷速度を0.5m/s
として動かした。固体の黒色領域は、各試料に印刷さ
れ、任意に印刷の濃度及び印刷されない領域は、各試料
ごとに測定した。結果を以下の表3に示す。また、非被
覆の基材ライナーボードの試料を、同様の印刷試験にか
け、その結果も表3に示す。
【0029】
【表3】 表3 被膜重量 任意の密度 組成物 (g/m2) 印刷済み 非印刷 1(実施例) 0.89 1.26 0.54 2(実施例) 1.32 1.25 0.53 3(実施例) 1.37 1.26 0.53 4(実施例) 1.95 1.26 0.54 5(比較例) 1.26 1.25 0.54 非被覆 0 1.26 0.54 これらの結果は、フレキソ印刷技術によって適用された
印刷像の品質にかなりの影響を与える被覆組成物はない
ことを示す。
【0030】実施例2 ライナーボード用の4種の滑り防止被覆組成物を調製し
た。組成物1〜3は、本発明の態様に従って、それぞれ
100重量部の乾燥無機顔料及び、60重量%のでんぷ
んと40重量%のグリコールを含む50重量部の結合剤
組成物を含んだ。無機顔料は、以下の特性を有してい
る。 組成物6:90重量%が2μmより小さい相当球直径を
有する粒径から成る粒度分布を有する50重量%の焼き
粘土と、96重量%が2μmより小さい相当球直径を有
する粒径から成る粒度分布を有する50重量%の含水カ
オリン粘土とからなる混合物。 組成物7:88重量%が2μmより小さい相当球直径を
有する粒径から成る粒度分布を有する粉砕された大理
石。 組成物8:80重量%が2μmより小さい相当球直径を
有する粒径から成る粒度分布を有する粉砕された大理
石。
【0031】各水性被覆組成物は、16.5〜19.0
重量%の固体含有量になるように水で希釈され、試験ラ
イナーボードの試料に噴霧されて約0.5〜約4.5g
・m -2の被覆重量を得た。試験ライナーボードは、特定
の試験値を満たすために歴史的に設計された製品である
ので、そのように呼ばれている。当該製品は、高品質の
廃紙パルプの基層と未使用で無漂白のクラフトパルプの
薄い上層を有する。組成物9は、前記実施例1の組成物
5と類似する対照組成物であり、平均粒径91nmを有す
る31.5重量%のコロイドシリカ、13.5重量%の
有機炭水化物結合剤及び55重量%の水を含む。この組
成物は、噴霧前に、7%の乾燥固体になるように希釈さ
れる。被覆ライナーボードの各試料は、乾燥し、その
後、試料が新しく被覆され、乾燥されたとき、即ち、第
1スライドにおける静摩擦係数に対して、及び波長45
7nmの光の反射率に対して試験した。
【0032】その結果を以下の表4に示す。比較のた
め、非被覆の基材ライナーボードに対する対応結果も表
4に示す。
【0033】
【表4】 表4 被膜重量 第1スライド 波長457nmの 組成物 (g/m2) の静摩擦係数 光の反射率(%) 6(実施例) 1.47 0.609 19.7 6(実施例) 2.36 0.650 22.0 6(実施例) 2.99 0.723 27.5 6(実施例) 4.41 0.736 32.4 7(実施例) 0.88 0.565 15.4 7(実施例) 1.22 0.624 15.6 7(実施例) 1.55 0.632 16.6 7(実施例) 3.01 0.742 18.0 8(実施例) 0.92 0.548 15.6 8(実施例) 2.02 0.824 17.5 8(実施例) 3.01 0.844 19.2 8(実施例) 4.05 0.922 20.5 9(比較例) 1.77 0.726 14.9 9(比較例) 2.07 0.720 15.0 9(比較例) 2.82 0.720 15.0 9(比較例) 4.59 0.692 15.4 非被覆 0 0.434 15.0 これらの結果は、炭酸カルシウム顔料を含む2種の組成
物、即ち、組成物7及び8が、ライナーボードの表面の
摩擦係数を良好に増加し、但し、被膜重量は約1.5〜
2.0g・m-2過剰である。これら2種の組成物におけ
る波長457nmの光の反射率の増加は僅かであって、被
覆ライナーボードの視覚的外見の顕著な変化を引き起こ
すには不十分である。組成物6は、か焼及び非か焼カオ
リン粘土の混合物である顔料を含み、摩擦係数の有用な
増加を示すが、この場合は、被覆表面からの波長457
nmの光の反射が非常に増加しているので、被覆ライナー
ボードの視覚的外見において検出可能な違いがある結果
となる。
【0034】実施例3 ライナーボード用の5種の滑り防止被覆組成物を調製し
た。組成物10〜13を本発明の態様に従って、88重
量%が2μmより小さい相当球直径を有する粒子から成
り、63重量%が1μmより小さい相当球直径を有する
粒子から成るような、粒度分布を有する粉砕した天然大
理石の乾燥無機顔料100重量部をそれぞれ含んでい
た。異なる接着剤系を有する各組成物は、以下に示すよ
うに詳述する。 組成物10:20重量部の柔軟な輪転グラビア級のアル
カリ膨潤性アクリルラテックス。BASFから商品名「ACRO
NAL S553V 」で入手可能。 組成物11:商品名「EMOX TSC」で市販されている50
重量部の熱水でんぷん接着剤。 組成物12:50重量部のナトリウムカルボキシメチル
セルロース接着剤。 組成物13:50重量部のポリアクリルアミド接着剤。
カルゴンコーポレーション(CalgonCorporation)から商
品名「TRP-1044」で入手可能。
【0035】各水性被覆組成物は、10〜12重量%の
固体含有量になるように水で希釈され、乾燥重量92.
9m2 (1000ft2 )当たり19kg(42ポンド)
(205g・m-2)の乾燥物質重量を有するライナーボ
ードの試料表面に噴霧され、約0.3〜約2.0g・m
-2の被膜重量を得た。組成物14は、前記実施例1及び
2の組成物5及び9と類似の対照組成物であり、平均粒
径91nmを有する31.5重量%のコロイドシリカ、1
3.5重量%の有機炭水化物結合剤及び55重量%の水
を有していた。この組成物は、噴霧する前に約7%の乾
燥固体になるように希釈された。被覆ライナーボードの
各試料を乾燥し、試料が新たに被覆され、乾燥されたと
きに、被覆表面の摩擦係数を前記実施例1に記載された
手段によって最初に測定した。摩擦試験操作を更に2回
行い、3回目のスライドに対して測定した静摩擦係数も
記録した。波長457nmの光の反射率も、国際基準No I
SO 2470 に規定された手段によって測定した。
【0036】結果を以下の表5に示す。比較のため、非
被覆の基材ライナーボードに対する対応結果も表5に示
す。
【0037】
【表5】 表5 被膜重量 静摩擦係数 波長457nmの 組成物 (g/m2) 第1スライド 第3スライド 光の反射率(%) 10( 実施例) 0.57 0.622 0.534 14.7 10( 実施例) 0.88 0.554 0.489 16.0 10( 実施例) 1.03 0.552 0.503 15.8 10( 実施例) 1.68 0.732 0.555 16.8 11( 実施例) 0.87 0.673 0.525 14.8 11( 実施例) 1.05 0.632 0.478 14.8 11( 実施例) 1.48 0.762 0.561 14.6 11( 実施例) 1.95 0.613 0.484 14.7 12( 実施例) 0.88 0.571 0.503 14.6 12( 実施例) 0.98 0.554 0.469 14.5 12( 実施例) 1.18 0.520 0.417 14.6 12( 実施例) 1.45 0.613 0.472 14.6 13( 実施例) 1.00 0.605 0.450 15.0 13( 実施例) 1.13 0.523 0.442 14.5 13( 実施例) 1.30 0.606 0.462 15.0 13( 実施例) 1.46 0.619 0.496 15.3 14( 比較例) 0.41 0.461 0.486 14.5 14( 比較例) 0.62 0.621 0.585 14.7 14( 比較例) 0.71 0.694 0.643 14.4 14( 比較例) 0.98 0.640 0.552 14.5 非被覆 0 0.433 0.355 14.8 これら結果は、粒状無機物及びラテックス又はでんぷん
接着剤として、微細に粉砕した天然炭酸カルシウムを含
む被覆組成物は、被覆ライナーボード表面の摩擦係数を
良好に増加し、摩擦係数の程度は、第3スライドの後で
良好に保持され、これら組成物に適用された被膜重量
は、少なくとも約1.5g・m-2であることを提供する
ことを示す。これら組成物は、457nm波長の光の反射
率、及び表面の視覚的外見にほとんど影響しない。
【0038】実施例4 ライナーボード用の3種の滑り防止被覆組成物を調製し
た。組成物15及び16は、本発明の態様に従って、1
00重量部の乾燥無機顔料及び20重量部の柔軟なスチ
レン/ブタジエンラテックス接着剤をそれぞれ含み、こ
の接着剤は、輪転グラビア印刷に使用する被覆した紙を
調製するための紙被覆組成物にしばしば使用され、ゲン
コープ(GenCorp)から商品名「GENFLO 5170 」で売買さ
れている。2種の組成物に使用される無機顔料は、以下
の通りである。 組成物15:88重量%が2μmより小さい相当球直径
を有する粒度から成り、63重量%が1μmより小さい
相当球直径を有する粒度から成るような粒度分布を有す
る粉砕した天然大理石。 組成物16:61重量%が2μmより小さい相当球直径
を有する粒度から成り、40重量%が1μmより小さい
相当球直径を有する粒度から成るような粒度分布を有す
る粉砕した天然大理石。
【0039】各水性被覆組成物は、約10重量%の固体
含有量になるように水で希釈され、かつライナーボード
の試料上に噴霧され、ライナーボードは未使用パルプか
ら形成され、93m2 (1000ft2 )当たり15kg
(33ポンド)(161g・m -2)の乾燥物質重量を有
し、約0.2〜約1.5g・m-2の被膜重量を得た。組
成物17は、前記実施例1乃至3の組成物5、及び14
と同様の対照組成物であり、平均粒径91nmを有する3
1.5重量%のコロイドシリカ、13.5重量%の有機
炭水化物結合剤及び55重量%の水を有していた。この
組成物は、噴霧する前に約7%の乾燥固体になるように
希釈された。被覆ライナーボードの各試料は乾燥され、
試料が新たに被覆され、乾燥されたときに、被覆表面の
摩擦係数を前記実施例1に記載された手段によって測定
した。波長457nmの光の反射率も、国際基準No ISO 2
470 に規定された手段によって測定した。
【0040】結果を以下の表6に示す。比較のため、非
被覆の基材ライナーボードに対する対応結果も表6に示
す。
【0041】
【表6】 表6 被膜重量 波長457nmの 組成物 (g/m2) 静摩擦係数 光の反射率(%) 15(実施例) 0.28 0.660 16.6 15(実施例) 0.79 0.710 16.9 15(実施例) 0.89 0.724 17.0 15(実施例) 1.41 0.740 18.6 16(実施例) 0.42 0.603 16.6 16(実施例) 0.75 0.638 16.8 16(実施例) 1.02 0.643 17.7 16(実施例) 1.11 0.713 17.6 17(比較例) 0.44 0.726 16.2 17(比較例) 0.58 0.706 16.2 17(比較例) 0.66 0.733 16.0 17(比較例) 0.79 0.744 16.1 非被覆 0 0.502 16.3 これらの結果は、微細に粉砕した天然炭酸カルシウム無
機物(組成物15)が微細な炭酸カルシウム無機物を僅
かしか含まない組成物(組成物16)よりも良好にライ
ナーボードの摩擦係数を増加することを示す。これらの
組成物は、波長457nmの光の屈折率、及び表面の視覚
的外見にほとんど影響しない。
【0042】実施例5 ライナーボード用の3種の滑り防止被覆組成物を調製し
た。組成物18乃至20は、本発明に従い、前記実施例
4の組成物16に関して記載されたものと同様の微細に
粉砕した天然炭酸カルシウム無機物の100重量部及び
実施例4に記載されたものと同様のラテックス接着剤の
異なる量の接着剤がそれぞれ含まれていた。各組成物で
使用されたラテックス接着剤の量は、以下の通りであ
る。 組成物18: 20重量部 組成物19: 35重量部 組成物20: 50重量部 各水性被覆組成物は、約10重量%の固体含有量になる
ように水で希釈され、かつ実施例4で記載されたものと
同様のライナーボードの試料の上に噴霧され、0.35
〜1.3g・m-2の重量を有する乾燥被膜を得た。
【0043】被覆ライナーボードの各試料は乾燥され、
試料が新たに被覆され、乾燥されたときに、被覆表面の
摩擦係数を前記実施例1に記載された手段によって測定
した。波長457nmの光の屈折率も、国際基準No ISO 2
470 に規定された手段によって測定した。
【0044】結果を以下の表7に示す。比較のため、実
施例4からの対照組成物17に対する結果及び非被覆の
基材ライナーボードに対する対応結果も表7に示す。
【0045】
【表7】 表7 被膜重量 波長457nmの 組成物 (g/m2) 静摩擦係数 光の反射率(%) 18(実施例) 0.42 0.603 16.6 18(実施例) 0.75 0.638 16.8 18(実施例) 1.02 0.643 17.7 18(実施例) 1.11 0.713 17.6 19(実施例) 0.38 0.577 16.4 19(実施例) 0.92 0.618 16.6 19(実施例) 1.15 0.647 16.7 19(実施例) 1.28 0.677 16.9 20(実施例) 0.87 0.620 16.5 20(実施例) 0.92 0.621 16.3 20(実施例) 1.12 0.666 16.6 20(実施例) 1.18 0.706 16.7 17(比較例) 0.44 0.726 16.2 17(比較例) 0.58 0.706 16.2 17(比較例) 0.66 0.733 16.0 17(比較例) 0.79 0.744 16.1 非被覆 0 0.502 16.3 これらの結果は、本発明の態様に従う被覆組成物によっ
て提供される摩擦係数の増加が、被覆組成物で使用され
るラテックス接着剤の割合によっては大きく影響され
ず、本割合が、乾燥炭酸カルシウム無機物の重量に対し
て10〜60重量%の範囲内で提供されることを示す。
【0046】実施例6 ライナーボード用の2種の滑り防止被覆組成物を調製し
た。組成物21及び22は、本発明の態様に従い、前記
実施例4の組成物16に関して記載されたものと同様の
微細に粉砕した天然炭酸カルシウム無機物の100重量
部及びラレックス社(Larex Inc.)の木のゴムから由来す
るアラビノガラクタン糖を含む接着剤の異なる量の接着
剤がそれぞれ含まれていた。各組成物で使用されたアラ
ビノガラクタン接着剤の量は、以下の通りである。 組成物21: 28重量部 組成物22: 50重量部 各水性被覆組成物は、約10重量%の固体含有量になる
ように水で希釈され、かつ実施例4で記載されたものと
同様のライナーボードの試料の上に噴霧され、0.6〜
1.6g・m-2の重量を有する乾燥被膜を得た。
【0047】被覆ライナーボードの各試料は乾燥され、
試料が新たに被覆され、乾燥されたときに、被覆表面の
摩擦係数を前記実施例1に記載された手段によって測定
した。波長457nmの光の屈折率も、国際基準No ISO 2
470 に規定された手段によって測定した。
【0048】結果を以下の表8に示す。比較のため、実
施例4からの対照組成物17に対する結果及び非被覆の
基材ライナーボードに対する対応結果も表8に示す。
【0049】
【表8】 表8 被膜重量 波長457nmの 組成物 (g/m2) 静摩擦係数 光の反射率(%) 21(実施例) 0.87 0.734 16.4 21(実施例) 0.91 0.764 16.7 21(実施例) 1.07 0.765 16.8 21(実施例) 1.43 0.780 16.8 22(実施例) 0.67 0.704 16.5 22(実施例) 0.98 0.753 16.4 22(実施例) 1.22 0.767 16.4 22(実施例) 1.60 0.803 16.1 17(比較例) 0.44 0.726 16.2 17(比較例) 0.58 0.706 16.2 17(比較例) 0.66 0.733 16.0 17(比較例) 0.79 0.744 16.1 非被覆 0 0.502 16.3 これらの結果は、さらに、本発明の態様に従う被覆組成
物によって提供される摩擦係数の増加が、被覆組成物で
使用される接着剤の割合によって大きく影響されず、本
割合が、乾燥炭酸カルシウム無機物の重量に対して10
〜60重量%の範囲内で提供されることを示す。これら
の実施例で使用されたアラビノガラクタン接着剤は、炭
酸カルシウム無機物の粒子への分散、又は凝集効果を有
することがわかり、結果として、この接着剤を含む組成
物は、ゲル化傾向が小さくなり、又は保管中に粘性が増
加することを示した。同様に、アラビノガラクタン接着
剤は茶色なので、この接着剤を含む被覆組成物は、乾燥
すると、ライナーボードに対する漂白効果は減少し、被
膜は、裸眼でほとんど検出できない結果になる。
【0050】実施例7 ライナーボード用の滑り防止組成物、組成物23は、本
発明の態様に従っていて、前記実施例4の組成物16と
関して記載されたのと同様の微細に粉砕された天然炭酸
カルシウム無機物の80重量部、前記実施例2の組成物
6で記載されたか焼粘土の20重量%及び前記実施例6
で使用されたアラビノガラクタン接着剤の50重量部を
含んでいた。この被覆組成物は、約10重量%の固体含
有量になるように水で希釈され、実施例4に記載された
ものと同様のライナーボードの試料上に噴霧され、0.
8〜1.0g・m-2の重量を有する乾燥被膜を得た。被
覆ライナーボードの各試料は乾燥され、試料が新たに被
覆され、乾燥されたときに、被覆表面の摩擦係数を前記
実施例1に記載された手段によって測定した。摩擦試験
操作を更に2回行い、3回目のスライドに対して測定し
た静摩擦係数も記録した。波長457nmの光の屈折率も
国際基準No ISO 2470 に規定された手段によって測定し
た。
【0051】結果を以下の表9に示す。比較のため、非
被覆の基材ライナーボードに対する対応結果も表9に示
す。
【0052】
【表9】 表9 被膜重量 静摩擦係数 波長457nmの 組成物 (g/m2) 第1スライド 第3スライド 光の反射率(%) 23(実施例) 0.84 0.757 0.642 16.7 23(実施例) 0.91 0.760 0.662 16.6 23(実施例) 0.94 0.736 0.656 16.4 23(実施例) 0.95 0.773 0.689 16.6 17(比較例) 0.44 0.726 0.707 16.2 17(比較例) 0.58 0.706 0.708 16.2 17(比較例) 0.66 0.733 0.730 16.0 17(比較例) 0.79 0.744 0.740 16.1 非被覆 0 0.502 0.450 16.3 これらの結果は、本発明の態様による被覆組成物によっ
て提供される摩擦係数の増加が、低被膜重量の従来技術
の組成物によって提供される摩擦係数に匹敵することを
示す。摩擦係数のレベルも、3回目のスライド後も良好
に保持された。
【0053】実施例8 ラテックスタイプの接着剤が比較的高価なため、ライナ
ーボードに対して滑り防止被覆組成物を提供しようと試
みた。この滑り防止被覆組成物は、ラテックスタイプ接
着剤の量をより減少し、又はこれとは別の、安価な接着
剤のタイプを使用した。組成物24及び25は、それぞ
れ本発明の態様に従うものであって、それぞれ前記実施
例4の組成物15に関して記載されたものと同様の微細
に粉砕した天然炭酸カルシウムの100重量部が含まれ
ていた。2つの組成物の配合を、以下の表10に示す。
【0054】
【表10】 表10 重 量 部 成分 組成物24 組成物25 炭酸カルシウム 100 100 ラテックス接着剤 10 0 アラビノガラクタン 2 4 リグノスルホン酸塩 (茶色着色剤) 3 3 ラテックス接着剤は、実施例4に記載されたものと同様
であり、即ちゲンコープ(GenCorp)により商品名「GENF
LO 5170 」で市販されている。アラビノガラクタン接着
剤は、実施例6に記載されたものと同様であった。リグ
ノスルホン酸塩は、架橋タイプのものであった。
【0055】各被覆組成物は、約10重量%の固体含有
量になるように水で希釈され、実施例1の記載と同様の
ライナーボードの試料上に噴霧し、0.2〜0.7g・
-2の重量を有する乾燥被膜を得た。被覆ライナーボー
ドの各試料は乾燥され、試料が新たに被覆され、乾燥さ
れたときに、被覆表面の摩擦係数を前記実施例1に記載
された手段によって測定した。摩擦試験操作を更に2回
行い、2回目及び3回目のスライドに対して測定した静
摩擦係数も記録した。その後、3回の平均摩擦係数を計
算した。波長457nmの光の屈折率も国際基準No ISO 2
470 に規定された手段によって測定した。
【0056】結果を以下の表11に示す。比較のため、
非被覆の基材ライナーボードに対する対応結果も表11
に示す。
【0057】
【表11】 表11 被膜重量 静摩擦係数 波長457nmの 組成物 (g/m2) (3回の平均) 光の反射率(%) 24(実施例) 0.45 0.509 15.7 24(実施例) 0.54 0.602 16.2 24(実施例) 0.57 0.596 15.8 24(実施例) 0.62 0.641 15.8 25(実施例) 0.34 0.571 15.2 25(実施例) 0.40 0.592 15.8 25(実施例) 0.58 0.627 15.7 25(実施例) 0.65 0.632 16.0 非被覆 0 0.385 14.8 これらの結果は、被覆組成物における接着剤の割合を、
非被覆ライナーボードの摩擦係数を超えて得られる摩擦
係数の増加を不当に害することなく、組成物のコストを
結果的に節約して減少し得ることを示す。ライナーボー
ドの光度、又は色の輝きの増加も、乾燥された被膜が裸
眼では実質的に見えないような値に維持される。
【0058】実施例9 商業用製紙工場で試験される場合に、被覆組成物を微細
な液滴の噴霧の形態でライナーボードのウェブに適用す
ることができる装置が製紙工場では利用できないが、被
覆組成物がより大きな液滴、例えば、1mmよりも大きな
液滴として適用されるとすると、被覆ライナーボード
は、乾燥後、被覆組成物の個々の液滴が乾燥したより明
るい色が現れている領域で、まだらな外観を呈すること
が見いだされた。この問題を解決するために、本発明の
態様に従う組成物を(イ)界面活性剤、又は(ロ)界面
活性剤及び暗色顔料の組み合わせで調製した。組成物2
6及び27は、それぞれ前記実施例4の組成物15に関
して記載されたものと同様の微細に粉砕した天然炭酸カ
ルシウムの100重量部が含まれていた。2つの組成物
の配合を、以下の表12に示す。
【0059】
【表12】 表12 重 量 部 成分 組成物26 組成物27 炭酸カルシウム 100 100 アラビノガラクタン 4 4 リグノスルホン酸塩 3 3 界面活性剤 1 2.1 茶色染料 0 1.1 カーボンブラック 0 0.7 アラビノガラクタン接着剤は、実施例6に記載されたも
のと同様だった。リグノスルホン酸塩は、架橋タイプの
ものであり、被覆組成物に添加する前に、まず温水に入
れて20重量%の水溶液に希釈された。界面活性剤は、
一般式R(OCH2 CH2 8 OHの非イオンアルコー
ルエトキシレートであり、式中Rは、9〜11の炭素原
子とHLB数13.7とを有する炭化水素ラジカルであ
る。界面活性剤は、商業的に利用されるような形態で使
用された。カーボンブラックは、平均直径約20nmを有
する粒子を有し、コロンビアンケミカルズ(Columbian C
hemicals) から商品名「ACTION A5 PFE 」で市販されて
おり、被覆組成物に20重量%水性スラリーの形態で添
加された。茶色染料は、「BASAZOL Brown 43L 」であ
り、商業的に利用されるような形態で使用された。
【0060】各被覆組成物は、約10重量%の固体含有
量になるように水で希釈され、実施例1の記載と同様の
ライナーボードの試料上に噴霧し、0.1〜0.9g・
-2の重量を有する乾燥被膜を得た。組成物25の更な
る試料を実施例8に記載されたように調製し、約10重
量%の固体含有量になるように水で希釈され、同様の方
法でライナーボードの試料上に噴霧した。被覆ライナー
ボードの各試料は乾燥され、試料が新たに被覆され、乾
燥されたときに、被覆表面の摩擦係数を前記実施例1に
記載された手段によって測定した。摩擦試験操作を更に
2回行い、2回目及び3回目のスライドに対して測定し
た静摩擦係数も記録した。その後、3回の平均摩擦係数
を計算した。波長457nmの光の屈折率も国際基準No I
SO 2470 に規定された手段によって測定した。
【0061】結果を以下の表13に示す。比較のため、
非被覆の基材ライナーボードに対する対応結果も表13
に示す。
【0062】
【表13】 表13 被膜重量 静摩擦係数 波長457nmの 組成物 (g/m2) (3回の平均) 光の反射率(%) 25(実施例) 0.227 0.585 15.2 25(実施例) 0.477 0.615 16.1 25(実施例) 0.617 0.637 16.1 25(実施例) 0.852 0.646 16.5 26(実施例) 0.102 0.633 15.9 26(実施例) 0.257 0.640 16.0 26(実施例) 0.612 0.680 17.4 26(実施例) 0.807 0.683 18.0 27(実施例) 0.197 0.587 14.9 27(実施例) 0.222 0.611 15.0 27(実施例) 0.382 0.656 15.5 27(実施例) 0.422 0.630 15.7 非被覆 0 0.469 14.8 これらの結果は、界面活性剤の被覆組成物(組成物2
6)への添加は、組成物をライナーボードの表面にわた
ってより均一に噴霧することが可能であるが、摩擦係数
の増加に大きな影響はない。一方、この組成物ととも
に、小さいが被覆ライナーボードの光度のかなりの増加
が観察された。暗色顔料混合物も被覆組成物(組成物2
7)に添加されると、被覆ライナーボードの光度は、非
被覆ボードの光度トル維持のレベルまで減少した。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースシートの静摩擦係数の増加方法
    であって、 カオリン粘土、か焼カオリン、粉砕した天然炭酸カルシ
    ウム、化学的に沈殿した炭酸カルシウム及びゼオライト
    からなる群より選ばれた材料を含有する微細に分割され
    た粒状無機材料、及び接着剤の水性懸濁液を含む、噴霧
    可能な水性被覆組成物を調製する工程、及び前記被覆組
    成物をセルロースシート表面に噴霧して、その表面に該
    被覆組成物の被膜を生成する工程、を有することを特徴
    とする当該方法。
  2. 【請求項2】被膜の表面積当たりの重量が、0.5g・
    -2〜3.0g・m -2である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】接着剤が、粒状無機材料の乾燥重量に対し
    て少なくとも4重量%を有する、請求項1又は2のいず
    れかに記載の方法。
  4. 【請求項4】粒状無機材料が、少なくとも20重量%が
    2μmより小さい相当球直径を持つ粒子であるような粒
    度分布を有する、請求の範囲1乃至3のいずれかに記載
    の方法。
  5. 【請求項5】粒状無機材料が、粉砕した天然炭酸カルシ
    ウム又は化学的に沈殿した炭酸カルシウムを含む材料を
    有する、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】接着剤が、でんぷん、セルロース誘導体、
    サッカライド、及びポリマーラテックスからなるタイプ
    から1以上が選ばれる親水性物質を有する、請求項1乃
    至5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】結合剤が、結合剤の80重量%までの潤滑
    剤を含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】潤滑剤が、結合剤の50重量%のグリセロ
    ールを含有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】噴霧可能な組成物の含水量が、80重量%
    〜92重量%である、請求項1乃至8のいずれかに記載
    の方法。
  10. 【請求項10】無機材料対任意の潤滑剤を含む接着剤の
    乾燥重量による比が、30:1〜1.5:1である、請
    求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】噴霧可能な組成物が、界面活性剤を含
    む、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
  12. 【請求項12】界面活性剤が非イオン界面活性剤であ
    り、粒状無機材料の乾燥重量の0.1重量%〜5重量%
    を構成する、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】噴霧可能な組成物が、着色添加剤を含
    む、請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】着色添加剤が、任意の黒色顔料とともに
    褐色色素を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】噴霧工程において、噴霧された組成物
    が、1mm以下の平均液滴サイズを有する微細な液滴の形
    態である、請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。
  16. 【請求項16】被覆セルロースシートの静摩擦係数が少
    なくとも0.5である、請求項1乃至15のいずれかに
    記載の方法。
  17. 【請求項17】被覆包装材料が、噴霧工程の後に乾燥さ
    れる、請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】包装材料が、ライナーボードを有する、
    請求項1乃至17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】請求項1乃至18のいずれかに記載の方
    法の製品である被覆セルロースシート包装材料。
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