JPH1133537A - 液体又は気体の浄化方法 - Google Patents

液体又は気体の浄化方法

Info

Publication number
JPH1133537A
JPH1133537A JP9194462A JP19446297A JPH1133537A JP H1133537 A JPH1133537 A JP H1133537A JP 9194462 A JP9194462 A JP 9194462A JP 19446297 A JP19446297 A JP 19446297A JP H1133537 A JPH1133537 A JP H1133537A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
activated carbon
treated
gas
liquid
oxygen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9194462A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Suzuki
誠治 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP9194462A priority Critical patent/JPH1133537A/ja
Publication of JPH1133537A publication Critical patent/JPH1133537A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境汚染物質、悪臭発生物質を含む液体また
は気体を、消費エネルギーが小さく、安価で且つ安定に
処理できる簡易な液体または気体の浄化処理を成し遂げ
ること。 【解決手段】 被処理液体又は被処理気体を、電磁波の
照射によって実質的に無菌状態が保持された活性炭に、
酸素原子供給物質存在下で接触させる液体または気体の
浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭を用いる液
体または気体の浄化方法に関し、詳しくは環境汚染物
質、悪臭発生物質を含む液体または気体を、安価且つ安
定に処理することができる簡便な液体または気体の浄化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】莫大に増えつつある廃棄物の処理は、深
刻な社会問題となりつつある。その中でも環境汚染物
質、悪臭発生物質、特に難分解性物質を含む液体・気体
などの処理問題が急速に顕在化しつつある。
【0003】これらの環境汚染物質、悪臭発生物質を含
む液体・気体などの処理法としては、例えば微生物を利
用した生物学的処理法や酸化、還元、吸着、イオン交
換、沈殿生成、熱分解等の物理化学的処理法が知られて
いる。液体・気体などの処理はそれらの性状に応じてこ
れらの処理法を単独であるいはいくつかを組み合わせて
用いて行なわれる。処理の設備費、運転費を考慮した場
合、上記の方法の中では生物学的処理法が最も有利であ
る。しかし、環境汚染物質、悪臭発生物質の中でも、各
種の高分子化合物、塩素系化合物、窒素化合物あるいは
硫黄化合物等の難分解性化合物については通常生物学的
処理だけでは分解が不十分あるいは不可能である。そこ
でその処理のためには分解力が強い物理化学的処理法が
必要となる。物理化学的処理法としては化学酸化、電解
酸化、光酸化などがあるが、それらを用いた場合、設備
費や必要電力、薬剤等の運転費が高くなることが大きな
問題である。
【0004】また、特定の難分解性化合物に対して、特
定の分解菌を見出して処理に用いる可能性もある。しか
しこのような分解菌を見出すことは容易ではなく、また
通常処理対象となる液体・気体には多種の成分が含まれ
ているので特定の成分だけを分解する分解菌を使用して
浄化を達成することは容易ではない。
【0005】一方、活性炭を用いた環境汚染物質、悪臭
発生物質の処理は、活性炭の優れた吸着能を用いた吸着
処理が一般的である。従って、その活性炭の吸着処理に
おいては、活性炭に環境汚染物質、悪臭発生物質がある
程度吸着されてしまえば、その吸着処理はできなくな
る。その活性炭を再生処理すれば、再び吸着処理に使用
することもできるが、その再生処理には、従来熱処理と
か薬品による洗浄処理等が必要となり、処理に1工程増
えることになり処理の煩雑化及びコストアップとなって
いた。
【0006】更に、活性炭の存在下で生物処理を行な
う、いわゆる生物活性炭法により、活性汚泥処理などの
通常の生物処理では分解できなかった難分解性化合物等
の環境汚染物質、悪臭発生物質が分解できる場合がある
ことが知られている。
【0007】また、活性炭自身の触媒的分解作用は昔か
ら知られていたが、一部の有機化合物に限られていた。
しかも、その活性炭自身の触媒的分解作用は、連続的な
100℃を越える高温を必要とし、室温程度で分解でき
る化合物はごく僅か(例えばシクロヘキセン、硫化水
素)であるとされてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は難分解性化合
物等の環境汚染物質、悪臭発生物質を含む液体又は気体
の浄化方法において、上記の問題点を解決する新たな方
法を提供することを目的としている。難分解性化合物等
の環境汚染物質、悪臭発生物質を含む液体又は気体の浄
化において、従来多大のエネルギー(電力、薬剤等)を
用い、煩雑な操作により分解処理していた難分解性化合
物等の環境汚染物質、悪臭発生物質を、安価で、長期間
安定して、且つ効率的に分解処理を行なうことができる
簡易な液体又は気体の浄化方法を提供することを目的と
している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、種々の環境汚
染物質、悪臭発生物質に対して、特殊な条件下の活性炭
が優れた分解特性を有するという新たに見出した知見に
基づいてなされたものである。本発明者は種々の検討を
行なった結果、以下の手段を用いることにより、本発明
の目的が効果的に達成されることを見出した。 (1) 被処理液体又は被処理気体を、電磁波の照射に
よって実質的に無菌状態が保持された活性炭に、酸素原
子供給物質存在下で接触させることを特徴とする液体ま
たは気体の浄化方法。 (2) 被処理液体又は被処理気体と前記活性炭を、気
体の状態の酸素原子供給物質存在下で接触させることを
特徴とする前記(1)に記載の液体または気体の浄化方
法。 (3) 被処理液体又は被処理気体が、前記活性炭と接
触させる前に殺菌あるいは除菌処理されていることを特
徴とする前記(1)又は(2)に記載の液体または気体
の浄化方法。
【0010】(4)本発明において、活性炭と電磁波が
透過する粒子を混合した状態で用いることが好ましい。 (5)本発明において、活性炭の嵩体積と電磁波が透過
する粒子の嵩体積の比が7:3〜1:9になるように両
者を混合して用いることが好ましい。 (6) 本発明において、被処理液体の酸化還元電位が
−100mV以上、800mV以下であることが好まし
い。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、酸素原子供給物質
の存在下、活性炭を実質的に無菌状態に保持することに
より、環境汚染物質、悪臭発生物質の分解が安定に維持
されることを見出した。本発明は新たに見出した活性炭
自身の種々の化合物に対する分解作用を実際の処理に有
効に適用できるように、種々の検討を行なった結果、殺
菌効果を有する電磁波の照射により活性炭を実質的な無
菌状態に保持し、且つ酸素原子供給物質存在下で、被処
理液体又は被処理気体を該活性炭に接触することによ
り、従来では考えられなかった活性炭の新たな効果、即
ち種々の環境汚染物質、悪臭発生物質の効率的かつ安定
な分解を初めて成し遂げられたものである。
【0012】上述の如く、従来の活性炭自身の吸着作
用、生物活性炭法における分解作用及び高温での触媒的
分解作用を有するものとして知られている活性炭が、電
磁波の照射により実質的な無菌状態を保持することによ
り、活性炭と被処理液体又は被処理気体の接触処理時に
は100℃を越える高温を必要とせず、室温程度で効率
的に種々の環境汚染物質、悪臭発生物質を分解できると
は予想もできないことであった。
【0013】本発明における活性炭の環境汚染物質、悪
臭発生物質の分解は、活性炭の実質的な無菌状態を保持
すれば長時間保持することができ、更に分解処理が室温
から100℃以下の温度範囲で可能で、また分解作用が
特定の化合物に限定されず、種々の物質に適用可能であ
る。
【0014】本発明において、実質的に無菌状態が保持
された活性炭とは、具体的には活性炭における菌数が好
ましくは活性炭1グラム当たり106個以下であり、よ
り好ましくは105個以下、更に好ましくは104個以下
に保持された活性炭である。発明者が見出した活性炭の
分解能は、詳細な実験により微生物(細菌、真菌など)
が活性炭に付着することにより阻害されることを見出し
た。具体的には、活性炭1g当りの付着生菌数が106
個を超えると、分解活性が著しく阻害されるのでこのよ
うな活性炭を本発明に用いることはできない。水環境学
会誌、第15巻、第10号 683〜689頁(199
2)に記載の如く生物活性炭と呼ばれる生物膜が付着し
た活性炭上の生菌数は通常107 個以上であることが知
られている。
【0015】またEnviron Toxicol. Chem. vol.13, No.
1 page3 〜8(1994) に記載の如く通常の活性炭吸着処理
において、活性炭と被処理液を予じめ滅菌して用いた場
合でも完全な滅菌環境で実験を行なわなければ活性炭上
の生菌数は容易に約107個に達してしまう。従って、
従来知られている吸着処理、生物活性炭処理における活
性炭は、活性炭自身の分解能をほとんど発現できない状
態にあると考えられる。
【0016】これに対して、本発明は活性炭の分解能を
長期間安定にかつ有効に利用するためには、活性炭に付
着している菌数を従来の活性炭の使用法におけるよりも
低く抑える(前述の如く活性炭1グラム当りの生菌数が
106個以下が好ましい)ことが有効であるという本発
明者の発見に基づいてなされたものである。この発見
は、注意深い実験により初めて見出された事実であり従
来の知見からは容易に見い出し得なかった。本発明は、
発明者が見い出した発見に基づいて活性炭の分解能を有
効に長期間安定に発現できる手段即ち、実質的に無菌状
態が長期間安定に保持された活性炭により、被処理液体
または被処理気体を処理する手段について種々検討する
ことによって、初めて成し遂げられたものであり、従来
の知見からは容易に達成されるものではない。
【0017】本発明において、電磁波の照射により活性
炭を実質的に無菌状態に保持する方法としては、紫外線
あるいは遠赤外線の照射により活性炭を実質的に無菌状
態にする方法、又は電磁波を光酸化触媒に照射して、光
酸化触媒の酸化作用により、活性炭を実質的に無菌状態
にする方法等が挙げられる。
【0018】紫外線あるいは遠赤外線の照射により活性
炭を実質的に無菌状態に保持する方法をまず説明する。
紫外線による方法においては、紫外線を直接活性炭に照
射するが、連続的に照射しても、断続的に照射してもよ
い。紫外線の1回の照射量としては、活性炭が処理中実
質的に無菌状態を保持できれば、限定されるものではな
い。紫外線の照射線量は、紫外線照度と照射時間との積
で以下のように表される。 紫外線照射線量(mW・sec/cm2 )=紫外線照度
(mW/cm2 )×照射時間(sec)
【0019】紫外線照度は用いるランプの出力とランプ
からの距離によって決まるので、装置のスケール、構造
によって種々の値を取りうる。殺菌作用は紫外線照射線
量によって決まり、連続的に照射する場合の照射線量が
好ましくは2時間以内、より好ましくは1時間以内に、
好ましくは30〜600mW・sec/cm2、より好ましくは1
00〜400mW・sec/cm2、更に好ましくは200〜30
0mW・sec/cm2に達するように照射する。紫外線を断続的
に照射する場合、照射時間が好ましくは30分以内、よ
り好ましくは15分以内で、好ましくは30〜600mW
・sec/cm2、より好ましくは150〜500mW・sec/cm2
更に好ましくは250〜500mW・sec/cm2に達するよう
に照射する。また紫外線を照射する回数としては1日に
好ましくは1回以上、より好ましくは3回以上である。
また、照射する紫外線の波長としては200nm〜38
0nmが好ましく、より好ましくは240nm〜270
nmである。
【0020】紫外線の照射には水銀ランプ(低圧、高
圧、超高圧のいづれでもよい。例えば、ブラウン・ボベ
リ社、岩崎電気(株)、ウシオ電気(株)、日本電池
(株)製、松下電気工業(株)製等。)等を用いること
ができる。
【0021】紫外線を活性炭が存在する槽に照射して活
性炭を実質的に無菌状態に保持する場合、紫外線が活性
炭表面にむらなく照射されるようにすることが好まし
い。紫外線をむらなく照射する方法としては、例えば、
粒状活性炭と紫外線を透過する物体を混合した混合物
に、紫外線を照射する方法、あるいは板状活性炭に紫外
線を照射する方法等が挙げられる。紫外線を透過する物
体としては、石英ビーズ、パイレックスガラスビーズ、
シリカゲル等を挙げることができる。これら紫外線を透
過する物体の粒径(物体の投影面積と同一面積の円の直
径として表わされる)は2〜10mmが好ましく、2〜5
mmがより好ましい。物体の形状は球状、破砕状等どんな
ものでもよい。ここで、槽中の活性炭と紫外線を透過す
る物体との嵩体積比としては、1:9〜7:3が好まし
く、3:7〜6:4がより好ましい。上記水銀ランプ等
の紫外線を照射手段は、活性炭が存在する槽の内部に設
置しても、外部に設置してもいずれでもよい。
【0022】遠赤外線による方法においては、遠赤外線
を直接活性炭に照射するが、連続的に照射しても、断続
的に照射してもよい。遠赤外線の照射量としては、活性
炭が処理中実質的に無菌状態を保持できれば、限定され
るものではない。遠赤外線の照射量は、遠赤外線の照射
エネルギー量で表される。遠赤外線の照射エネルギー量
は1×103 W・m-2〜20×103W・m-2が好まし
く、より好ましくは3×103 W・m-2〜15×103
W・m -2である。連続的に照射する場合の照射量として
は、上記の照射エネルギー量の範囲が好ましい。遠赤外
線を断続的に照射する場合、照射量6×103 W・m-2
以上で、照射時間は20分以上が好ましい。照射する回
数は、1日3回以上が好ましい。
【0023】本発明でいう遠赤外線とは波長1〜200
0μmのものを指し、好ましくは14〜100μm、更
に好ましくは14〜30μmである。
【0024】遠赤外線の放射は、遠赤外線を放射する物
質に熱を与えることにより行うことができる。遠赤外線
を放射する物質として、SiO2、Al23、K2O、F
23、CaO、TiO2、MgO、Na2 O、NiO
等の金属酸化物やこれらの混合物、炭素、グラファイト
およびこれに他の材料(金属酸化物、金属炭化物等)を
添加したもの、TaC、ZrC、SiC、BC等の金属
炭化物、天然ゼオライトおよびこれに他材料を添加した
もの等が挙げられ、たとえばセラミクス(長野セラミク
ス(株)製遠赤外線放射セラミクス等)等を用いること
ができる。本発明においては、これら遠赤外線を放射す
る物質を活性炭が存在する槽に共存させるか、あるいは
その槽の近傍に配置し、ヒータ等の加熱手段により該物
質を加熱することにより遠赤外線を放射させ、活性炭を
殺菌処理することが好ましい。
【0025】電磁波を光酸化触媒に照射して、光酸化触
媒の酸化作用により、活性炭を実質的に無菌状態にする
方法について説明する。光酸化触媒を用いる方法では、
活性炭が存在する槽に光酸化触媒を共存させて、そこに
電磁波を照射する。光酸化触媒としては、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、あるいはそれらを成分として含む物質等
を用いることができる。活性炭が存在する槽における光
酸化触媒の存在形態としては、槽の内壁にコーティング
されている形態、上記電磁波を透過する物体の表面にコ
ーティングされ、それが活性炭とともに槽中に充填され
ている形態が挙げられる。具体的には、活性炭が存在す
る槽の内壁を二酸化チタンでコーティングしたり、石英
ビーズ、パイレックスガラスビーズ、シリカゲル等の紫
外線を透過する物体の表面に二酸化チタンをコーティン
グしたもの等を粒状活性炭と混合して用いることができ
る。この場合、活性炭と二酸化チタン等をコーティング
したものとの槽中の嵩体積比率は、1:9〜7:3が好
ましく、3:7〜6:4がより好ましい。
【0026】ここで二酸化チタン等の光酸化触媒を物体
にコーティングする方法としては、環境管理、VOL.
32、No.8(1996)等に記載の方法を用いるこ
とができる。但し、二酸化チタン等の光酸化触媒の調製
はこの方法に限られることはない。
【0027】光酸化触媒を用いる場合、照射する電磁波
としては波長が260nm〜420nmであるものが用
いることができる。このような電磁波の照射には上記の
水銀ランプの他に、ブラックライト、キセノンランプ
(ウシオ電気(株)、松下電気工業(株)製等)等を用
いることができる。このような電磁波を照射する手段
は、活性炭が存在する槽の内部にあってもよいし、外部
にあってもよい。本発明の方法は、特に被処理対象が気
体の場合に好適に用いられる。
【0028】上記電磁波の照射する方法以外に、他の殺
菌方法を併用してもよい。そのような併用可能な殺菌方
法としては、下記に示すものが挙げられる。それらの殺
菌法としては、オゾン、過酸化水素等の過酸化物を添加
する方法、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、クロラミンT、
ヨード等のハロゲン系殺菌剤を添加する方法、上記以外
の化学的殺菌剤(ベンズイミダゾール等)を添加する方
法、無機抗菌剤を活性炭と共存させる方法、加熱する方
法、電解酸化を行なう方法、パルス電解を印加する方
法、強酸性水(水の電機分解などにより得られるpH
2.4〜2.7、酸化還元電位プラス1100ミリボル
ト以上の水)を用いる方法等を適用することができる
が、殺菌効果を有するものなら何でもよくこれらの方法
に限られることはない。被処理対象が気体の場合には加
熱する方法を併用することが好ましい。この場合加熱温
度としては、50℃〜200℃が好ましい。
【0029】これら他の殺菌手段を施す時間の長さと殺
菌力の強弱は、殺菌手段の種々の条件、被処理液体また
は被処理気体の成分により巾があり適宜決められる。
【0030】また、本発明においては、活性炭に接触す
る前に被処理液体または被処理気体が、予め殺菌あるい
は除菌処理されていることが好ましい。活性炭に接触す
る被処理液体または被処理気体中の菌数が1立方センチ
メートル中103個以下であることが好ましい。
【0031】被処理液体または被処理気体中に微生物が
多く(1立方センチメートル中10 3個を越える量)存
在する場合、微生物による易分解の成分が多く(BOD
として100ppm以上)含まれる場合、あるいは難分
解性化合物が多く(TOC(Total Organi
c Carbon)として40ppm以上)含まれる場
合などは、被処理液体または被処理気体に予め殺菌ある
いは除菌処理を施してから、活性炭に接触させることが
好ましい。これにより、処理中の活性炭の無菌状態が有
効に保持できる。被処理液体または被処理気体を殺菌あ
るいは除菌処理する方法としては、上記電磁波を照射す
るする方法、あるいはその他に併用可能な殺菌方法とし
て挙げた方法が挙げられる。これらの殺菌方法によるの
作用時間は被処理液体または被処理気体の性状によって
異なり、1分〜数時間(2、3時間)である。
【0032】また、被処理液体または被処理気体を除菌
処理する方法としては、被処理液体または気体を、UF
膜、MF膜などのフィルターによる濾過方法も用いるこ
とができる。本発明において、被処理液体または被処理
気体に予め殺菌あるいは除菌処理する方法としては、過
酸化物(たとえば過酸化水素、オゾン)あるいは電磁波
(たとえば紫外線)を連続的に施すことが好ましい。過
酸化水素を用いる場合、過酸化水素の濃度が被処理液体
中で20〜200ppmであることが好ましく、50〜1
00ppmがより好ましい。オゾンを用いる場合、オゾン
濃度が液体中では0.1〜2ppmが好ましく、0.2〜
1ppmがより好ましい。また気体中では0.5〜70ppm
が好ましく、1〜50ppmがより好ましい。
【0033】紫外線を用いる場合、連続的に照射する場
合の照射線量、好ましくは2時間以内、より好ましくは
1時間以内、更に好ましくは30分以内に、好ましくは
100〜400mW・sec/cm2、より好ましくは200〜3
00mW・sec/cm2に達するように照射する。また被処理対
象が気体の場合にはフィルターを、被処理気体に予め殺
菌あるいは除菌処理する手段として用いることも好まし
い。フィルターとしては、抗菌作用を有するHEPA
(High Efficiency Particulate Air )フィルター(た
とえば日本エアフィルター(株)製抗菌HEPAフィル
ター)、ミクロフィルター(たとえば富士写真フイルム
(株)製アストロポアPP、PPEカートリッジ)等を
用いることができる。
【0034】本発明における活性炭の環境汚染物質、悪
臭発生物質の分解には、酸素原子を供給する物質の存在
が必須である。酸素原子供給物質とは、活性炭による被
処理液体または被処理気体中の物質の酸化分解作用に用
いられる酸素原子を、活性炭と被処理液体または被処理
気体との接触時に供給する物質である。酸素原子供給物
質として、具体的には酸素分子、オゾン、過酸化水素あ
るいは、酸素分子、オゾンもしくは過酸化水素を含んだ
気体あるいは液体(例えば、空気)、それらの混合物、
過酸化水素等の過酸化物を吸着させた多孔性担体等を挙
げることができる。
【0035】上記酸素原子供給物質として酸素を含む気
体としては、空気、酸素富化気体(空気中の酸素濃度よ
り高い酸素濃度を有する気体)等の酸素を含む気体なら
ば何でもよい。酸素富化気体は、酸素ボンベ、PSA法
(Pressure Swing Adsorption)、深冷分離法等によって
えられるが、その手段を特定するものではない。本発明
において、酸素原子供給物質としては酸素分子、オゾ
ン、空気等の気体が好ましい。酸素原子供給物質の1つ
である酸素分子が、活性炭との接触処理の前から被処理
液体または被処理気体中に目的物質の分解のために十分
に含まれている場合には、新たに被処理液体または被処
理気体が活性炭と接触する系に酸素原子供給物質を添加
する必要はない。
【0036】一方、前記被処理液体または被処理気体中
に含まれている酸素が低濃度で、環境汚染物質、悪臭発
生物質が高濃度であるため多量の酸素を必要とする場
合、あるいは分解効率を上げたい場合などに、必要に応
じて新たに被処理液体または被処理気体が活性炭と接触
する系に酸素原子供給物質を供給することが好ましい。
活性炭との接触処理の際に、被処理液体または被処理気
体中に含まれる酸素濃度の好ましい範囲としては、液体
の場合では、0〜50℃では溶存酸素が少なくとも5.
5ppm含まれていることが好ましく、飽和濃度であるこ
とがより好ましい。また50℃以上では溶存酸素が飽和
していることが好ましい。気体の場合では1vol%以上
の酸素を含むことが好ましく、より好ましくは10vol
%以上、更に好ましくは20vol%以上である。
【0037】被処理対象が液体又は気体で、酸素原子供
給物質が気体の場合には、被処理液体又は被処理気体と
活性炭との接触系に酸素原子供給物質を供給する手段
は、活性炭が入った槽に被処理液体又は気体が供給され
る前に、被処理液体又は気体に気体の酸素原子供給物質
を供給し、槽中の活性炭に酸素原子供給物質が作用する
ようにしてもよいし、活性炭が入った槽に気体の酸素原
子供給物質を直接供給してもよい。
【0038】上記気体の酸素原子供給物質の供給する手
段としては、散気板、散気球などによる散気手段、イン
ジェクター(ベンチュリーインジェクター、加圧インジ
ェクターなど)による手段、ミキシング(スタティック
ミキサ、高速回転羽根等による)による手段等を用いる
ことができる。被処理液体中に気体の吹き込みなどによ
り揮散し易い成分(例えば、ジクロロエチレン、ジメチ
ルスルフィド等)を含む場合は、気泡が発生しにくいた
め、気液界面での攪拌手段(120回転/分以下が好ま
しい)、加圧手段などの方法を用いることが好ましい。
【0039】被処理対象が液体の場合、被処理液体中に
揮散し易い成分を含みその成分の揮散が問題となる場合
(その成分が処理したい成分である場合、その成分の揮
散が、周囲環境に悪影響を与えると予想される場合等)
以外は、被処理液体と活性炭との接触系中に気体の酸素
原子供給物質を気泡の状態で与えることが好ましい。こ
の場合、活性炭表面に気泡を接触させることがより好ま
しい。更に好ましくは、活性炭表面に気泡がかなり強く
衝突することが好ましい。このように活性炭表面に気泡
を接触させることは、気体の酸素原子供給物質が液中に
溶存した状態で活性炭に供給されるよりも、気体の酸素
原子供給物質の活性炭への供給速度を著しく増加させる
ので、処理速度向上に有効な手段となるものと推定され
る。被処理対象が液体又は気体の場合で、活性炭に直接
気体(被処理対象が液体の場合、気泡の状態で存在)を
接触させる方法を用いる場合、活性炭ができるだけ動か
ない状態で存在することが好ましい。そのような活性炭
が入った槽として、たとえば粒状活性炭または粒状活性
炭と固形物の混合物を充填したカラム、繊維状または板
状活性炭を設置した槽などがあるが、これらに限られる
ことはない。
【0040】活性炭に対する気体の移動線速度は10〜
2000mm/secであることが好ましく、より好ましくは
50〜1500mm/secである。被処理対象が液体の場
合、気体は気泡の状態で存在し、気泡の粒径は100μ
m以下が好ましく、10μm以下が更に好ましい。活性
炭に酸素原子供給物質を気体の状態で与える場合連続的
に供給することが好ましく、気体の酸素原子供給物質を
活性炭1グラム当り、毎分、酸素に換算した体積(温度
25℃、1気圧下の容量:たとえば空気10mlは酸素
2.1ml、オゾン10mlは酸素15mlに換算)として、
0.1〜3ml供給することが好ましく、0.2〜2.0
ml供給することがより好ましい。
【0041】活性炭に直接気泡を接触させる方法として
は、直接活性炭の入った槽に気泡供給手段を設けるか、
被処理液体に気泡を供給して、その気泡が被処理液体と
ともに活性炭の入った槽に供給される方法が挙げられ
る。活性炭の入った槽にあるいは被処理液体中に気体を
気泡の状態で与える具体的手段として、上記の散気手
段、インジェクター手段、ミキシング手段による方法を
用いることができる。インジェクター手段とスタティッ
クミキサーを組み合わせて用いると、微細な気泡(10
〜100μm)を発生させることができるので好まし
い。これら装置の具体例としては、インジェクターとし
ては日本インジェクタ(株)製インジェクタ、スタティ
ックミキサーとしては、(株)リーテック製スパイラル
ミキサ、(有)シンユー技研製スーパースタティックミ
キサー等が挙げられる。また液体に気泡を与える手段は
これらに限られることはない。
【0042】被処理対象が液体で、酸素原子供給物質が
液体の場合には、被処理液体と活性炭との接触系に酸素
原子供給物質を供給する手段は、活性炭が入った槽に被
処理液体が供給される前に、被処理液体に液体の酸素原
子供給物質を供給し、槽中の活性炭に酸素原子供給物質
が作用するようにしてもよいし、活性炭が入った槽に液
体の酸素原子供給物質を直接供給してもよい。上記液体
の酸素原子供給物質を被処理液体に供給した後の被処理
液体中の酸素原子濃度が1〜20ppmであることが好ま
しく、より好ましくは5〜15ppmである。液体の酸素
原子供給物質としては過酸化水素水、オゾン水等が好ま
しく、過酸化水素が活性炭と接触することにより、酸素
気体を発生して活性炭に酸素を供給することができる。
【0043】被処理対象が気体で、酸素原子供給物質が
液体の場合には、被処理気体と活性炭との接触系に酸素
原子供給物質を供給する手段としては活性炭が入った槽
に、液体の酸素原子供給物質を含む物質(たとえば過酸
化水素水を吸着させたシリカゲルビーズ、多孔性ガラス
ビーズ、多孔性セラミクス等あるいは、過酸化水素、炭
酸カルシウム付加物等)を存在させて、(活性炭と分離
しても混合してもよい)、酸素原子供給物質の分解・脱
着によって放出する酸素を活性炭に作用させる方法等を
用いることができる。
【0044】本発明における活性炭としては、従来の多
孔性炭素質吸着剤として知られているものを使用するこ
とができる。これらの活性炭は、主に、石炭、コーク
ス、ピッチ、骨炭、木炭、ヤシ殻・木材等の植物由来の
天然炭素質物質、合成樹脂等の有機高分子、煤等の炭素
質物質を熱処理により炭化させ、それを賦活させて得る
ことができる。本発明における活性炭としては、活性炭
そのものでもよいし、活性炭を一部含んだものでもよ
い。例えば、プラスチック、鉱物、セラミクス、繊維等
の担体上に活性炭を固着させたものでもよいし、粉末活
性炭を結着剤を用いて造粒したものでもよいし、鉱物、
セラミック等の粉末と粉末活性炭から造粒したものでも
よい。また、骨炭、木炭、グラファイト、カーボンブラ
ック等も、それら構造の中に活性炭を含んでいる場合が
あるので、これらも本発明において活性炭を一部含んだ
ものとして挙げることができる。本発明においては、活
性炭として炭素含有率が高いものが好ましい。本発明に
おいては活性炭そのものを使用することが、処理の効率
性の点で好ましい。
【0045】本発明に用いる上記のような活性炭の形状
は、粒状、粉末、繊維状、板状、ハニカム状その他どの
ような形状でもよく、活性炭と被処理液体または被処理
気体との接触の形態によって種々選択することができ
る。ここで粒状、粉末は通常市販されている区分に従
う。およその目安としては、粉末活性炭は200メッシ
ュのふるいを通過する粒径の活性炭がおよそ半量以上を
占めるものが好ましい。また、粒状活性炭は0.1mm以
上の粒径の活性炭が大部分を占める(90%以上)もの
であるが、本発明にはどんな粒径の活性炭も用いること
ができるが、粒状活性炭の粒度分布(活性炭の粒径は、
活性炭の投影面積と同一面積の円の直径として表わされ
る)は、多分散であることが好ましい。また、粒度分布
が単分散の粒状活性炭2種類以上の混合物であってもよ
い。
【0046】平均粒径(標準フルイによるフルイ分け法
を用いて重量による粒度分布を求めて描いた累積分布曲
線から求めた50%粒径)をrとし、累積分布曲線にお
いて累積10%での粒径(r10%)と累積90%での粒
径(r90%)の差をΔrとした時、分散の指標としてΔ
r/rを用いた場合本発明の多分散とは2≦Δr/rの
場合を言いΔr/rが2〜8が好ましく、より好ましく
は3〜7である。rは0.3〜2mmが好ましく、0.5
〜1.5mmがより好ましい。本発明で単分散とはΔr/
r<2の場合を言う。多分散の粒状活性炭を用いること
により、被処理液体または被処理気体が短絡して流れる
のを防ぐことができ、被処理対象と活性炭の接触効率が
上がるので好ましい。また、被処理対象が液体の場合、
吹き込んだ気体の酸素原子供給物質の気泡と活性炭の接
触効率が上がるので好ましい。
【0047】本発明に用いる活性炭の例としては、粒状
活性炭としては東洋カルゴン(株)製のF400、F3
00、PCB、BPL、CAL、CPGあるいはAP
C、武田薬品工業(株)製の粒状白鷺WHあるいは粒状
白鷺C、クラレケミカル(株)製のクラレコールKW、
クレハ化学工業(株)製のBAC等が挙げられる。粉末
活性炭としては武田薬品工業(株)製の白鷺Aあるいは
白鷺C等が挙げられる。繊維状活性炭としては東邦レー
ヨン(株)製のFX−300、大阪ガス(株)製のM−
30、東洋紡績(株)製のKF−1500、板状活性炭
としては鐘紡(株)製のミクロライトAC等が挙げられ
る。
【0048】本発明において活性炭と被処理液体または
被処理気体との接触は、上記のような粒状、粉末、繊維
状、板状、ハニカム状その他種々の形状の活性炭の1種
又は2種以上が入った槽に被処理液体または被処理気体
を供給させることによってなされる。
【0049】槽中の活性炭の存在割合は、粉末活性炭を
そのまま単独で用いる場合以外は嵩体積として0より大
きく最高100%である。粉末活性炭をそのまま単独で
用いる場合は、被処理対象が液体の場合に限られ、粉末
活性炭の槽からの流出を防ぐため、MF膜またはUF膜
による固液分離法を用いることができる。膜の形状とし
ては中空糸が好ましい。例えば中空糸膜を槽中に浸漬す
ることにより中空糸膜中に浸透した液体を槽外に排出さ
せることができる。この場合には槽中の活性炭の存在割
合は、嵩体積として0より大きく最高80%以下が好ま
しい。中空糸膜の例としては、三菱レーヨン(株)製ス
テラポア、東洋紡エンジニアリング(株)製クロスフロ
ー等を用いることができる。
【0050】活性炭が存在する槽の中に、活性炭以外の
物体を活性炭と混合し、共存させることができる。活性
炭以外の物体としては、石、プラスチック、セラミク
ス、ガラス、金属、石炭、貝ガラ等の固形物を挙げるこ
とができる。活性炭以外の物体の粒径(物体の投影面積
と同一面積の円の直径として表わされる)は1mm〜5mm
が好ましく、より好ましくは2mm〜4mmである。活性炭
以外の物体の共存量としては、活性炭の嵩体積と活性炭
以外の物体の嵩体積の比が好ましくは7:3〜1:9よ
り好ましくは7:3〜4:6である。
【0051】粒状活性炭、繊維状活性炭、担体の一部に
活性炭を含むもの等を用いる場合、上記共存物体を活性
炭と混合して存在させることにより、被処理液体または
被処理気体が短絡して流れるのを防ぐことができ、被処
理対象と活性炭の接触効率が上がるので好ましい。ま
た、被処理対象が液体の場合、吹き込んだ気体の酸素原
子供給物質の気泡と活性炭の接触効率が上がるので好ま
しい。
【0052】粉末活性炭を用いる場合、それらの共存物
がMF膜またはUF膜に衝突することにより、MF膜ま
たはUF膜に付着した粉末活性炭が脱落し易くなるので
好ましい。種々の形状の活性炭または活性炭と活性炭以
外の物体との混合物は槽中で固定状態であっても流動状
態であってもよい。また、活性炭は、処理に用いる前に
予め殺菌処理されていることが好ましい。これにより、
活性炭の無菌状態を有効に保持できる。
【0053】活性炭が入った槽への被処理液体または被
処理気体の流入は連続式であっても、回分式であっても
よい。
【0054】被処理液体または気体と活性炭とを接触さ
せるときの温度は、好ましくは100℃以下、より好ま
しくは5〜85℃、更に好ましくは10〜75℃であ
る。本発明において本発明の処理に供する液体の25℃
における酸化還元電位は−100mV以上800mV以下が
好ましく、100mV以上800mV以下がより好ましい。
液体の酸化還元電位が低い(<−100mV)と、本発明
における分解が効率よく進行しない。
【0055】本発明の処理に供する被処理液体の酸化還
元電位が−100mVより低い場合は予じめ、酸素、オゾ
ン、空気等の酸素原子供給物質による曝気、過酸化物
(過酸化水素等)、ハロゲン系殺菌剤(次亜塩素酸塩
等)、強酸性水等の添加、電解などの手段により酸化還
元電位を−100mV以上としてから、本発明の処理に供
することが好ましい。酸化還元電位の測定は、酸化還元
電位計(例えば東亜電波工業(株)製ORP Meter RM-12P
等)を用いて測定できる。
【0056】本発明において、被処理液体として、鉄、
コバルト、ニッケル、マンガン、クロム、バナジウム、
銅、亜鉛、鉛、水銀、アルミニウム等の金属が少なくと
も1ppm以上溶解し、且つEDTAなどの有機アミノ
ポリカルボン酸等の錯体を形成する化合物を含有する液
体の場合、被処理液体が活性炭に接触する時の被処理液
体のpHを好ましくは6〜12、より好ましくは7〜1
0、更に好ましくは7.5〜9に維持することが、活性
炭の分解作用を長時間持続させるために好ましい。その
他の分解すべき化合物が含有する被処理液体または被処
理気体については活性炭接触時のpHは特に限定されな
い。
【0057】本発明の方法は、有機アミノポリカルボン
酸類(たとえばEDTA)、アゾ染料、フェノール誘導
体、界面活性剤(カチオン系、アニオン系、ノニオン
系)、有機塩素系化合物(たとえばトリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレンなどの溶剤、シマジン、2,
4−Dなどの農薬、その他たとえばトリクロロフェノー
ル、PCB、ダイオキシン)、農薬(たとえばチウラ
ム、チオベンカルブ)、硫黄化合物(たとえばメチルメ
ルカプタン、ジメチルスルフィド、硫化水素)、フミン
物質(フルボ酸、フミン酸等)、アニリン誘導体、ジオ
スミン等の難分解性化合物、悪臭化合物等、環境中に流
出した場合、環境および人の健康に有害な影響を与える
可能性のある物質を含有する液体又は気体の浄化方法と
して有効に利用できる。
【0058】
【実施例】以下に、本発明の内容を実施例を用いて詳細
に説明するが、本発明の内容がこれらに限定されない。 実施例1 空気中のトリクロロエチレンの分解における
照射紫外線の効果 (被処理気体)トリクロロエチレン500ppm を含む空
気 (処理方法及び装置)ここで用いた装置を図1に示す。
【0059】粒状活性炭(東洋カルゴン(株)製F40
0、平均粒子径1.0mm)と合成石英ビーズ(平均粒
径2.5mm、2mm以上の粒子径のもの)を嵩体積比
35:65で混合した混合物3を、図1に示すステンレ
ス円柱状カラム1(内径80mm、長さ300mm)に充填
した。また、ステンレスカラム1の長軸方向の中心に
は、合成石英管4(外径30mm)の中に入れられ、電源
6を備えた紫外線殺菌ランプ5(松下電気工業(株)製
GL13/Q、出力8mW/ cm2 )を装着した。また、ス
テンレスカラム1の内部上面及び底面には、フィルター
が挿入されている。このステンレスカラム1の中に給気
口Aを通して上記被処理気体をカラム内滞留時間が2分
になるように通過させ、処理された被処理液は排気口B
から排出した。処理中ステンレスカラム1内の温度は、
40℃であった。
【0060】1日3回紫外線殺菌ランプ5を点灯して、
紫外線(254nm)を活性炭に照射した。表−1に示す
ように円柱状カラム1内最外部での紫外線照射線量が5
00mW・sec/cm2、250mW・sec/cm2、30mW・sec/cm2
各々の場合に対して、照射時間を15分、30分、30
分とした処理を行なった(実施例1〜)。
【0061】(比較例1)表−1に示すように、上記実
施例1において、円柱状カラム1内最外部での紫外線照
射線量が、20mW・sec/cm2で、照射時間が30分とした
以外は実施例1と同様の処理(比較例1)、また紫外
線を照射しない以外は実施例1と同様の処理(比較例1
)を行なった。実施例1、比較例1において、照
射線量の調節は、合成石英管4の外側に紫外線吸収フィ
ルターをとり付けることにより行なった(実施例1は
無フィルタ)。実施例1では紫外線殺菌ランプ5を高
出力ランプ(日本フォントサイエンスAZ−8型)に変
えて行なった。
【0062】実施例1、比較例1における処理開始後、
2、3ケ月後の処理後気体中のトリクロロエチレンの濃
度(ガスクロマトグラフにより測定)と活性炭1g当り
の生菌数(3ケ月後)を測定して、その測定値を表−1
に示した。なお、生菌数の測定には、活性炭に付着した
細菌を超音波で剥離した後、蛍光色素(DAPI;4,
6−ジアミノ−2−フェニルインドール)で染色し、フ
ィルター上にろ過してから蛍光顕微鏡下で観察、計数す
る方法を用いた。本法は沿岸環境調査マニュアルII、日
本海洋学会編、恒星社厚生閣刊の第4章に詳しく記載さ
れている。
【0063】
【表1】
【0064】表−1の結果により、活性炭に紫外線量と
して30mW・sec/cm2以上を断続的に施すことにより、活
性炭が実質的な無菌状態に保持され、長期間安定に空気
中のトリクロロエチレンを処理することができた。紫外
線の照射線量が30mW・sec/cm2より小さい場合は、処理
性能が低下して、安定な処理ができなかった。
【0065】実施例2および比較例2 空気中のトリクロロエチレンの分解による活性炭と合成
石英ビーズの体積比の効果 表−2に示すように粒状活性炭と、合成石英ビーズの嵩
体積比を10:90、70:30、5:95(実施例2
、、)、80:20(比較例2)にした以外は実
施例1と同様に実施した。実施例2、比較例2におけ
る処理開始後、2、3ケ月後の処理後気体中のトリクロ
ロエチレンの濃度(ガスクロマトグラフィにより測定)
と活性炭1g当りの生菌数(3ケ月後)を測定して、そ
の測定値を表−2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】表−2の結果をみると、活性炭に紫外線を
断続的に施す処理において活性炭と合成石英ビーズの嵩
体積比が10:90〜70:30の範囲では活性炭が実
質的な無菌状態に保持され空気中のトリクロロエチレン
を長期間安定に処理することができた。同嵩体積比が
5:95のように活性炭が少なく合成石英ビーズが多す
ぎると、活性炭が実質的に無菌の状態になるが、トリク
ロロエチレンの処理性能が少し低下する。また同嵩体積
比が80:20のように活性炭が多いが、合成石英ビー
ズが少なすぎると、殺菌が充分行なわれず活性炭を実質
的な無菌状態に保持できない。
【0068】実施例3 空気中のトリクロロエチレンの
分解における除菌フィルタ設置の効果 実施例1において、図1の給気口Aとカラム1の間に除
菌フィルター7(富士写真フイルム(株)アストロポア
PPカートリッジ)を設置した以外、実施例1と同様
に実施した。実施例3における処理開始後、2、3ケ月
後の処理後気体中のトリクロロエチレンの濃度(ガスク
ロマトグラフにより測定)と活性炭1g当りの生菌数
(3ケ月後)を測定して、その測定値を表−3に示し
た。
【0069】
【表3】
【0070】表−3の結果をみると、活性炭に紫外線を
断続的に施す処理において、被処理気体が活性炭に接触
する前に除菌処理を施すことにより、活性炭上の生菌数
を更に減らすことができ、明らかな性能向上が認められ
た。
【0071】実施例4 空気中のトリクロロエチレンの
分解 (被処理気体)トリクロロエチレン200ppm を含む空
気 (処理方法及び装置)ここで用いた装置の断面図を図2
に示す。リング状の板状活性炭22−1(鐘紡(株)製
ミクロライトAC(厚さ5mm)、直径70mmで中心に2
0mmの穴を有するもの)と、リング状の板状活性炭22
−2(鐘紡(株)製ミクロライトAC(厚さ5mm)、直
径60mmで中心10mmの穴を有するもの)をステンレス
製円柱状容器21(直径70mm、高さ80mm)の中に図
2に示すように装着し、その中心部の穴を貫通するよう
に遠赤外線放射セラミクス管24を取りつけた。その遠
赤外線放射セラミクス管24の内部には、電源26を備
えたヒータ25が挿入されている。板状活性炭22−1
及び22−2の上に、図2に示すようにリング状の遠赤
外線放射セラミクス23を設置した(23、24の遠赤
外線放射セラミクス両方とも長野セラミクス(株)製の
遠赤外線放射セラミクスを使用)。
【0072】上記被処理気体を、給気口Aから容器21
内に供給し、活性炭に接触させ、その後排気口Bから排
出させた。被処理気体は、カラム内滞留時間が2分にな
るように通過させた。ヒーター25の温度を45〜50
℃に調節した。この時、容器21内のリング状セラミク
ス付近の温度は45℃となった。これにより、リング状
セラミクス23及び管状セラミクス24から、波長14
〜30μmの遠赤外線が放射された。
【0073】(比較例3)遠赤外線を照射しない処理 実施例4の図2に示す装置において、リング状セラミク
ス23を取り除き、且つ管状セラミクス24をステンレ
ス管に代えることにより、遠赤外線放射をしない以外
は、実施例1と同様に被処理気体を処理した。ここで、
ヒータ25は、45〜50℃に設定したままである。こ
の時、容器21内のリング状セラミクス付近の温度は4
5℃となった。実施例4、比較例3における処理開始
後、2、3ケ月後の処理後の気体中のトリクロロエチレ
ンの濃度と活性炭1g当りの生菌数(3ケ月後)を実施
例1と同様に測定し、その値を表4に示した。
【0074】
【表4】
【0075】表4の結果により、活性炭に連続的に遠赤
外線を施すことにより、活性炭の実質的な無菌状態が保
持され、長期間安定に空気中のトリクロロエチレンを処
理することができた。通常では殺菌効果が認められない
温度(比較例3の結果より)でも遠赤外線の照射により
殺菌効果が認められた。遠赤外線の照射により明らかな
性能向上が認められた。
【0076】実施例5 液体中のFe−EDTA(10
0ppm )の活性炭による分解 (被処理液体)Fe−EDTAを0.1g/リットル含むpH
6.0(0.03Mリン酸に水酸化ナトリウムを添加し
て調製)の水溶液。 (処理方法及び装置)ここで用いた装置を図3に示す。
ステンレスカラム1、フィルター2、活性炭と合成石英
ビーズの混合物3、合成石英管4、紫外線殺菌ランプ5
及び電源6は、実施例1と同様のものを用いた。このス
テンレスカラム1と混合槽13(容量300ml、液量2
00ml)を循環ポンプ14と配管で接続した。被処理液
体はタンク11から、送液ポンプ12で2.4リットル/日
で混合槽13に供給された。循環ポンプ14により送ら
れる液の速さは3〜4リットル/分であった。処理された被
処理液は排出口Cから排出した。処理中ステンレスカラ
ム1内の温度は40〜45℃であった。1日3回紫外線
殺菌ランプ5を点灯して30分間紫外線(254nm)を
活性炭に照射した。ここで円柱状カラム1内の最外部で
の紫外線照射線量は250mW・sec/cm2であった。
【0077】比較例4 上記実施例5において、紫外線を照射しない以外は実施
例5と同様に被処理液体の処理を行なった。
【0078】比較例5上記実施例5において、ステンレ
ス円柱状カラム1の中がすべて合成石英ビーズである以
外は、実施例5と同様に実施した。実施例5、比較例
4、5における処理開始後、1、2ケ月後の処理後の液
体中のFe−EDTAの濃度(1日分の排出液の混合液
中の濃度をイオンクロマトグラフにより測定)と活性炭
1g当りの生菌数(2ケ月後)を測定して、その測定値
を表−5に示した。
【0079】
【表5】
【0080】表−5の結果により、活性炭に紫外線を断
続的に施すことにより、活性炭が実質的な無菌状態に保
持され、長期間安定に液体中のFe−EDTAを処理す
ることができた。実施例5は、紫外線を照射しなかった
場合(比較例4)または紫外線のみによる分解(比較例
5)よりも明らかな性能向上が認められた。
【0081】実施例6 トリクロロエチレン(40ppm
)水溶液の活性炭による分解 (処理に供する液の電位の影響) (被処理液体)被処理液体として、酸化還元電位−20
0mV(pH8.5、L−アスコルビン酸0.1M)、−
100mV(pH8.5、L−アスコルビン酸0.04
M)および100mV(pH8.5)のトリクロロエチレ
ン水溶液(0.04g/リットル)を調製した。 (処理方法および処理装置)表−6に示すように、被処
理液体として上記の酸化還元電位−100mV、100mV
の2種を用い、処理時間を4時間、12時間の2通りを
行なった以外は、実施例5と同じ処理装置、処理時間で
実施した。 (比較例6)表−6に示すように、被処理液体として酸
化還元電位−200mVを用いた以外は実施例6と同様に
行なった。
【0082】
【表6】
【0083】表−6の結果を見ると、被処理液体の酸化
還元電位が−100、100mVでは、長期間高処理率で
トリクロロエチレンの処理が行なわれるが、−200mV
では処理時間の長さにかかわらず、トリクロロエチレン
の処理が良好に行なわれなかった。
【0084】
【発明の効果】本発明により、環境汚染物質、悪臭発生
物質を含む液体または気体を、消費エネルギーが小さ
く、安価で且つ安定に処理できる簡易な液体または気体
の浄化処理を成し遂げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気体の浄化方法に用いられる装置の1
態様を示す図である。
【図2】本発明の気体の浄化方法に用いられる装置の1
態様を示す図である。
【図3】本発明の気体の浄化方法に用いられる装置の1
態様を示す図である。
【符号の説明】
1 ステンレスカラム 2 フィルター 3 活性炭と合成石英ビーズの混合物 4 合成石英管 5 紫外線殺菌ランプ 6 電源 11 被処理液体タンク 12 送液ポンプ 13 混合槽 14 循環ポンプ 21 ステンレス製円柱容器 22−1 リング状板状活性炭 22−2 リング状板状活性炭 23 リング状セラミクス 24 管状セラミクス 25 ヒータ 26 電源 A 給気口 B 排出口 C 排液口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理液体又は被処理気体を、電磁波の
    照射によって実質的に無菌状態が保持された活性炭に、
    酸素原子供給物質存在下で接触させることを特徴とする
    液体または気体の浄化方法。
  2. 【請求項2】 被処理液体又は被処理気体と前記活性炭
    を、気体の状態の酸素原子供給物質存在下で接触させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体または気体の浄
    化方法。
  3. 【請求項3】 被処理液体又は被処理気体が、前記活性
    炭と接触させる前に殺菌あるいは除菌処理されているこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の液体または気体
    の浄化方法。
JP9194462A 1997-07-18 1997-07-18 液体又は気体の浄化方法 Pending JPH1133537A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9194462A JPH1133537A (ja) 1997-07-18 1997-07-18 液体又は気体の浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9194462A JPH1133537A (ja) 1997-07-18 1997-07-18 液体又は気体の浄化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1133537A true JPH1133537A (ja) 1999-02-09

Family

ID=16324971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9194462A Pending JPH1133537A (ja) 1997-07-18 1997-07-18 液体又は気体の浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1133537A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003015834A1 (fr) * 2001-08-20 2003-02-27 Menicon Co., Ltd. Procede de desinfection
JP2023113105A (ja) * 2022-02-02 2023-08-15 大学共同利用機関法人自然科学研究機構 微生物不活性化カートリッジ及び微生物不活性化装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003015834A1 (fr) * 2001-08-20 2003-02-27 Menicon Co., Ltd. Procede de desinfection
JP2023113105A (ja) * 2022-02-02 2023-08-15 大学共同利用機関法人自然科学研究機構 微生物不活性化カートリッジ及び微生物不活性化装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10519051B2 (en) Systems and methods for the treatment of ballast water
Chavoshan et al. Photocatalytic degradation of penicillin G from simulated wastewater using the UV/ZnO process: isotherm and kinetic study
EP1234802B1 (en) Improved method and apparatus for water treatment
EP0819649A1 (en) Photocatalytic method for treatment of contaminated water
WO2001005441A1 (fr) Procede et appareil de purification de gaz contenant de l'oxygene
EP1167300B1 (en) Photodegradative process for the purification of contaminated water
Taie et al. Comparison of the efficiency of ultraviolet/zinc oxide (UV/ZnO) and ozone/zinc oxide (O3/ZnO) techniques as advanced oxidation processes in the removal of trimethoprim from aqueous solutions
CN201024105Y (zh) 臭氧光催化净水器
CN108128878B (zh) 一种催化臭氧氧化去除有机污染物协同杀菌抑菌的方法
JP2008302308A (ja) 光触媒及びその製造方法、それを用いた水処理方法及び装置
KR200346263Y1 (ko) 광촉매 살균정수 장치를 이용한 직결형 광촉매 살균 정수기
CN1171800C (zh) 偏二甲肼废水的光催化氧化处理方法
JPH1133537A (ja) 液体又は気体の浄化方法
JPH1133540A (ja) 液体又は気体の浄化方法及びその装置
KR100348413B1 (ko) 자외선 및 오존 발생 에이오피 챔버 및 이를 이용한수처리 장치
JPH1133538A (ja) 液体又は気体の浄化方法
CN2280090Y (zh) 光催化水质处理器
JP2003001237A (ja) 有機系環境汚染物質の分解処理方法
KR100478803B1 (ko) 공기 정화처리방법 및 그 장치
JP2005334015A (ja) 空気の除菌・消臭装置
JPH1199384A (ja) 水浄化システム
KR200264111Y1 (ko) 자외선 조사 광촉매 살균기를 이용한 음용수 정수장치
JP3337023B2 (ja) 二酸化チタン光触媒による水質浄化ポット
JPH10174882A (ja) 水処理用触媒及び水処理方法
US8419858B1 (en) Method and system for removing organic compouds in a closed loop system