JPH11334457A - バルクローリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルク貯槽の液圧ガスを迅速に回収できるバ
ルクローリを提供する。 【解決手段】 走行車両１０のエンジンで駆動される電
磁クラッチ４ａを備えたコンプレッサ４を設け、該コン
プレッサ４の吸引側と吐出側をバルク貯槽内の液化ガス
の回収ができるように四方弁６を介してバルク貯槽３０
と液化ガスタンク１に接続し、該コンプレッサ４の吐出
側の配管５６をエンジンの冷却水経路に設けた熱交換器
５に係合させることによって、吐出圧を高めた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地上側に設置した
ＬＰガス等液化ガスを貯留するバルク貯槽等にタンクロ
ーリから液化ガスを充填するバルクローリに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】近年、ガスボンベによる液化ガスの供給
形態から、容量の大きい設置型のバルク貯槽を供給地に
備えてタンクローリによって直接充填する供給形態が一
般家庭でも普及し始めている。このバルクローリは、特
開平３−１５０００号に示されるように、バルク貯槽へ
の充填を安全に行うために、ガス漏れや衝撃などに対す
る安全装置が備えられている。そして液化ガスのバルク
貯槽への供給は一般に液送ポンプによっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記のバルク貯槽はガ
スボンベのように運搬によって移動ができないので、震
災などの緊急時には残存している液化ガスを回収する必
要がある。しかし、従来のバルクローリではバルク貯槽
への供給のみで回収ができないため、別途バルク貯槽の
液化ガス回収のためのタンクローリが必要視されてい
る。しかしながら、緊急時の液化ガス回収のためだけ
に、専用車を備えることは維持管理の面も含め経済的負
担が大きい。

【０００４】そこで、本発明は、必要に応じてバルク貯
槽の液化ガスを迅速に回収できるバルクローリを提供す
ることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では次の手段を採った。即ち、走行車両のエ
ンジンで駆動されるコンプレッサを設け、該コンプレッ
サの吸引側と吐出側をバルク貯槽等の液化ガスを回収す
るため四方弁を介してバルク貯槽等と液化ガスタンクに
接続し、該コンプレッサの吐出ガスをエンジンの冷却水
経路に設けた熱交換器を介して加圧するようにしたこと
を特徴としている。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施形態
例に基づいて説明する。図３に示すようにバルクローリ
は、走行車両１０の車台に液化ガスタンク１が搭載さ
れ、液化ガス供給・回収のための機器類が、弁計器箱２
５やホースリール箱２０に装備収納されており、これら
の構成は従来のバルクローリと同様である。

【０００７】走行車両１０のエンジン２の冷却回路にバ
イパス回路５０が設けられ、熱交換器５に接続されてい
る。即ち、エンジン２からラジエータ３への配管５３に
分岐して配管５１が接続され、配管５１の他端は熱交換
器５に接続されている。一方、ラジエータ３からエンジ
ン２への配管５４に分岐して配管５２が接続され、配管
５２の他端は熱交換器５に接続されている。そして、配
管５３には電磁弁１６が、配管５１には電磁弁１５が、
配管５２には電磁弁１８が、配管５４には電磁弁１７が
設けられている。なお、上記冷却回路およびバイパス回
路５０の冷却水はエンジンに付設されているエンジン直
動の温水ポンプ８によって循環される。

【０００８】また、エンジン２のクランクシャフト軸９
から動力を得て駆動する電磁クラッチ４ａを備えたコン
プレッサ４が設けられており、その吸引側は配管５７に
よって四方弁６に、吐出側は配管５６によって前記熱交
換器５を介して四方弁６に接続されている。そして、四
方弁６は、液化ガスタンク１のガス用緊急遮断弁１１に
連通する配管２６に配管２８によって接続され、さら
に、バルク貯槽３０に接続されるガスホース２４のリー
ル２２に配管５５によって接続されている。なお、コン
プレッサ４は液化ガスの漏れのおそれのないもの例え
ば、マグネット同士の吸引によってロータ軸が駆動軸と
共回りするマグネット方式を用いるのがよい。なお、７
はリリーフ弁である。

【０００９】一方、液化ガスタンク１の液用緊急遮断弁
１２に連通する配管２５がホースリール２１に接続され
ており、ホース２３はバルク貯槽３０と接続される。な
お、容器元弁やブリーダその他種々の弁類が付属して設
けられるが、これらはバルクローリに従来から設けられ
ているものと同様であるので省略されている。また、バ
ルク貯槽３０への液化ガスの充填または回収の作業は、
バルク貯槽３０側で行えるように、電磁弁１５、１６、
１７、１８、電磁クラッチ４ａなどは無線操作で切換で
きるように構成されている。

【００１０】また、バルクローリの走行中および液化ガ
スの充填・回収作業を行わないときは、エンジン冷却水
がバイパス回路５０に流入せずラジエータ３を必ず流れ
るようにするため、例えば、バルクローリの駐車ブレー
キが操作されていないときには上記電磁弁１５、１６、
１７、１８は切換えができないようにした安全回路が設
けられている。

【００１１】次ぎにこのように構成されたバルクローリ
の作用について説明する。バルクローリの走行中は、電
磁弁１６と電磁弁１７を開放し、電磁弁１５と電磁弁１
８は閉鎖されたままにする。これにより、エンジン冷却
水は温水ポンプ８によってエンジンおよびラジエータ内
を循環しエンジンの冷却が行われる。なお、このときコ
ンプレッサ４の電磁クラッチ４ａはＯＦＦになってい
る。

【００１２】バルク貯槽３０へ液化ガスを充填するとき
は、ホース２３及びホース２４をバルク貯槽３０へ接続
し、四方弁６を図１の状態に位置させる。そして、電磁
弁１６と電磁弁１７を遮断するとともに、電磁弁１５と
電磁弁１８を開放しコンプレッサ４の電磁クラッチ４ａ
をＯＮにする。これにより、バルク貯槽３０内のガスが
ホース２４、配管５５、四方弁６、配管５７を通じてコ
ンプレッサ４に吸引され、ここで圧縮された吐出ガスは
配管５６、熱交換器５、四方弁６、配管２８、配管２６
を通じて液化ガスタンク１へ圧送される。

【００１３】このとき、エンジン２の冷却水はラジエー
タ３へは流れずエンジン２からバイパス管５１を通じて
熱交換器５へ流入し配管５６内の吐出ガスを加熱してエ
ンジン２に戻される。冷却水は、ラジエータ３を経由し
ないので高温であり、配管５６内の吐出ガスはさらに高
圧にされる。そして、液化ガスタンク１内の液化ガス
は、バルブ１３の解放によって、バルク貯槽３０へ圧送
される。このとき、バルク貯槽３０内のガスはコンプレ
ッサ４によって吸引されているので、スムーズに液化ガ
スが充填される。

【００１４】次ぎに、バルク貯槽３０から液化ガスを回
収する場合について、図２で説明する。前記の液化ガス
の充填の場合と異なるのは、四方弁６を切換えて図２に
示す状態に操作するだけである。これによって、液化ガ
スタンク１内のガスが配管２６、配管２８、四方弁６、
配管５７を通じてコンプレッサ４に吸引され、吐出ガス
は熱交換器５によってさらに高圧にされて四方弁６、配
管５５、ホース２４を通じてバルク貯槽３０へ圧送され
る。これにより、バルク貯槽３０内の液化ガスはホース
２３を通じて液化ガスタンク１へ回収される。このよう
に、高圧なガス圧によって液化ガスを回収するので、液
送ポンプで吸い込むのとは異なり、完全な回収ができ
る。

【００１５】なお、上記実施形態例では、コンプレッサ
４はエンジン２のクランクシャフト軸９から動力を得た
もので説明したが、エンジン２のＰＴＯから得てもよ
い。また、従来のバルクローリに本発明を実施する場合
などでは、液化ガス充填用のポンプを付設したままと
し、バルク貯槽３０への液化ガスの供給をポンプにより
行い、バルク貯槽３０の液化ガスの回収を前記コンプレ
ッサ４で行うようにしてもよい。

【００１６】また、上記四方弁６は、とくにこれに限定
するものではなく、例えば切換弁を２個用いて液化ガス
タンクとバルク貯槽との切換ができるようにしたもので
もよい。また、上記実施形態例では熱交換器５はラジエ
ータ３のバイパス経路５０に設けたが、コンプレッサ４
の容量が十分である場合は、配管５４に設けることも可
能である。

【００１７】

【発明の効果】本発明のバルクローリは、バルク貯槽へ
の充填はもとより、バルク貯槽の液化ガスを迅速に回収
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態としてのバルクローリの構
成を示すもので液化ガスの充填時の説明図である。

【図２】同バルクローリでバルク貯槽の液化ガスの回収
時の説明図である。

【図３】同バルクローリの全体を示す概略側面図であ
る。

【符号の説明】

１…液化ガスタンク ２…エンジン ３…ラジエータ ４…コンプレッサ ４ａ…電磁クラッチ ５…熱交換器 ６…四方弁 ７…リリーフ弁 ８…温水ポンプ ９…クランクシャフト軸 １０…走行車両 １１…ガス用緊急遮断弁 １２…液用緊急遮断弁 １３…バルブ １５、１６、１７、１８…電磁弁 ２１…ホースリール ２２…リール ２３…ホース ２４…ホース ２５、２６…配管 ２７…バルブ ３０…バルク貯槽 ５０…バイパス回路 ５１、５２、５３、５４、５５、５６、５７…配管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】走行車両のエンジンで駆動されるコンプレ
   ッサを設け、該コンプレッサの吸引側と吐出側をバルク
   貯槽等の液化ガスを回収するため四方弁を介してバルク
   貯槽等と液化ガスタンクに接続し、該コンプレッサの吐
   出ガスをエンジンの冷却水経路に設けた熱交換器を介し
   て加圧するようにしたことを特徴とするバルクローリ。
2. 【請求項２】前記エンジンの冷却水経路に電磁弁で開閉
   するラジエータを経由しないバイパス経路を設けたこと
   を特徴とする請求項１記載のバルクローリ。
3. 【請求項３】前記コンプレッサは、エンジンのクランク
   シャフト軸から動力を取り出すようにしたことを特徴と
   する請求項１または請求項２記載のバルクローリ。