JPH11333771A - 冗長運動機構の制御方法およびその制御装置並びに冗長運動機構および2自由度並進駆動機構 - Google Patents

冗長運動機構の制御方法およびその制御装置並びに冗長運動機構および2自由度並進駆動機構

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JPH11333771A
JPH11333771A JP14782198A JP14782198A JPH11333771A JP H11333771 A JPH11333771 A JP H11333771A JP 14782198 A JP14782198 A JP 14782198A JP 14782198 A JP14782198 A JP 14782198A JP H11333771 A JPH11333771 A JP H11333771A
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JP14782198A
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Atsuko Enomoto
敦子 榎本
Koichi Sugimoto
浩一 杉本
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マクロ/マイクロ機構から構成された冗長運動
機構において、工具の運動として一つのコンプライアン
ス特性モデルを与えることによりコンプライアンス制御
を実現し、広い動作領域で高い応答周波数特性を要求さ
れる作業を可能にした冗長運動機構の制御方法およびそ
の制御装置を提供することにある。 【解決手段】本発明は、マクロ機構(ロボット)10の
手先に応答周波数の高い微動機構20をつけたマクロ/
マイクロ機構において、工具の経路情報とコンプライア
ンス制御式から工具の合成運動指令値を算出し、この指
令値のうち、微動機構と冗長な運動成分と冗長でない運
動成分とに分解し、この分解された冗長な運動成分の指
令値をローパスフィルターに通して抽出した低周波数成
分と前記冗長でない運動成分の指令値とを合成したもの
をマクロ機構の運動指令値とし、微動機構へは、冗長な
運動成分の指令値から、マクロ機構の出力運動と動作範
囲の特定点からの位置偏差に定数を掛けた値とを差し引
いた値を、指令値として与えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳物品のバリ取り
や表面磨き作業、タービンブレードやポンプの翼の機械
加工後のグラインダーによる磨き作業、アーク溶接後の
溶接ビード磨き作業などの仕上げ作業や、組立作業にお
けるはめ合い動作等の、位置と力の制御を必要とする作
業の自動制御に適用する冗長運動機構の制御方法および
その制御装置並びに冗長運動機構および2自由度並進駆
動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】磨き作業では、CADデータから導いた
ロボットの軌道と実際のワークの設置位置や形状に誤差
があると、磨き残しや削りすぎを生じることとなり出来
上がりの品質に問題が生じる。これに対処するために特
開平4ー217454号公報(従来技術1)のように、
ロボットの手先に取り付ける工具にばねやダンパーから
成るコンプライアンス機構を持たせ、これにより位置誤
差のあるワークとの接触を保つようにし、ロボットは軌
道制御を行う方法があった。この方法の問題点は、受け
た力に対する工具の速度の応答周波数は、工具のコンプ
ライアンス機構が持つ三つのパラメータである固有周波
数、粘性定数、イナーシャ(以後コンプライアンス特性
と呼ぶ)により固定され、作業に応じて最適なコンプラ
イアンス特性に変更できないことである。
【0003】従来技術1の課題を解決する方法として、
特開昭62ー35915号公報(従来技術2)に示され
ているようなロボットの手先に6軸力センサを取り付
け、その先に工具を取り付けて、作業中に工具に加わる
力を力センサで検出し、ソフトウエアによりコンプライ
アンス機構の動きを実現するコンプライアンス制御方法
がある。この方法の場合、受けた力に対する工具の速度
の周波数応答は、ロボットの制御の応答周波数で決まっ
てしまう。応答周波数が低ければ磨き残しや削りすぎを
生じる。これを防止するために作業速度を下げる必要が
あり、作業効率を低下させてしまうという課題がある。
【0004】従来技術2の課題を解決するために、平成
5年11月第11回に日本ロボット学会学術講演会の予
稿集(p267ーp270)へ「インピーダンス制御に
基づく冗長マクロマイクロマニピュレータの運動制御」
(従来技術3)という論文が提案された。マクロ/マイ
クロマニピュレータとは、力の検出器をそなえる微動機
構(マイクロ機構)をロボット(マクロ機構)の手先に
つけた機構である。これらの二つの機構の協調制御によ
り、周波数応答が向上する。この論文で提案された制御
方法は、マクロ機構とマクロ/マイクロ機構の二つのイ
ンピーダンス特性(コンプライアンス特性と同義)を持
たせることによりマクロ/マイクロ機構のインピーダン
ス制御(コンプライアンス制御と同義)を実現するもの
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術3に記載された制御方法を実際の作業に適用する場
合、どのように二つのインピーダンス特性を設定すれば
良いかという課題がある。
【0006】しかしながら、上記従来技術の何れにおい
ても、この課題については考慮されていなかった。
【0007】本発明の目的は、マクロ/マイクロ機構か
ら構成された冗長運動機構において、工具の運動として
一つのコンプライアンス特性モデルを与えることにより
コンプライアンス制御を実現し、広い動作領域で高い応
答周波数特性を要求される作業を可能にした冗長運動機
構の制御方法およびその制御装置を提供することにあ
る。
【0008】また、本発明の他の目的は、マクロ機構の
先に取付けられ、加工作業に適したコンパクトな2自由
度並進駆動機構およびマクロ機構も含めた冗長運動機構
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、工具によって作業を行うための冗長の運
動自由度を持つ冗長運動機構を制御する制御方法であっ
て、前記冗長運動機構によって作業を実行するために必
要な工具の運動制御モデル[M,B(k),K]を設定す
る運動制御モデル設定過程と、前記冗長運動機構に取付
けられたセンサーによって計測される工具の運動状態を
示す情報[(f(k),n(k)),(w(k),v(k)),
(φ(k)h(k),e(k))]を基に、前記設定された工
具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリング時刻
における工具の目標合成運動指令値[wd(k),vd
(k)]を算出する目標合成運動算出過程と、この算出さ
れた工具の目標合成運動指令値を、冗長な運動機構と冗
長でない運動機構の目標運動指令値[(wd(k),vd
(k)−ud(k))とud(k)]に分解する分解過程と、
この分解された各機構の目標運動指令値を元に各機構の
各アクチュエータの指令値を導き、これを元に各アクチ
ュエータを駆動制御する制御過程とを有することを特徴
とする。また、本発明は、工具によって作業を行うため
の冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組
合せて構成される冗長運動機構を制御する制御方法であ
って、前記冗長運動機構によって作業を実行するために
必要な工具の運動制御モデル[M,B(k),K]を設定
する運動制御モデル設定過程と、前記冗長運動機構に取
付けられたセンサーによって計測される工具の運動状態
を示す情報[(f(k),n(k)),(w(k),v
(k)),(φ(k)h(k),e(k))]を基に、前記設定
された工具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリ
ング時刻における工具の目標合成運動指令値[wd
(k),vd(k)]を算出する目標合成運動算出過程と、
この算出された工具の目標合成運動指令値から冗長自由
度を駆動するための各機構の目標運動指令値[(wd
(k),vd(k)−ud(k))とud(k)]に分解する分
解過程と、この分解された各機構の目標運動指令値を元
に各機構の各アクチュエータの指令値を導き、これを元
に各アクチュエータを駆動制御する制御過程とを有する
ことを特徴とする。
【0010】また、本発明は、前記冗長運動機構の制御
方法における目標運動算出過程において、前記工具の運
動状態を示す情報として、工具の位置情報と工具に作用
する力の情報とからなることを特徴とする。また、本発
明は、工具によって作業を行うための冗長の運動自由度
を持つ冗長運動機構を制御する制御装置であって、前記
冗長運動機構によって作業を実行するために必要な工具
の運動制御モデルとして慣性特性、粘性特性および剛性
特性からなるコンプライアンス特性モデル[M,B
(k),K]を設定する運動制御モデル設定部と、前記冗
長運動機構に取付けられたセンサーによって計測される
工具の運動状態として力・偶力、速度および位置・姿勢
の情報[(f(k),n(k)),(w(k),v(k)),X
(k)]と作業を行うための工具のとるべき経路情報[X
d(k)]と工具が作業対象物へ加えるべき力・偶力[f
d(k),nd(k)]とを基に、前記運動制御モデル設定
部で設定された工具の運動制御モデルに従って、各制御
サンプリング時刻における工具の目標合成運動指令値
[wd(k),vd(k)]を算出する目標合成運動算出部
と、該算出部で算出された工具の目標合成運動指令値か
ら冗長自由度を駆動するための各機構の目標運動指令値
に[(wd(k),vd(k)−ud(k))とud(k)]分
解する分解部と、該分解部で分解された各機構の目標運
動指令値を元に各アクチュエータを駆動制御する制御部
とを備えたことを特徴とする。
【0011】また、本発明は、工具によって作業を行う
ための冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微動機構と
を組合せて構成される冗長運動機構を制御する制御装置
であって、前記冗長運動機構によって作業を実行するた
めに必要な工具の運動制御モデルとして慣性特性、粘性
特性および剛性特性からなるコンプライアンス特性モデ
ル[M,B(k),K]を設定する運動制御モデル設定部
と、前記冗長運動機構に取付けられたセンサーによって
計測される工具の運動状態として力・偶力、速度および
位置・姿勢の情報[(f(k),n(k)),(w(k),v
(k)),(φ(k)h(k),e(k))]と作業を行うため
の工具のとるべき経路情報[Xd(k)]と工具が作業対
象物へ加えるべき力・偶力[fd(k),nd(k)]とを
基に、前記運動制御モデル設定部で設定された工具の運
動制御モデルに従って、各制御サンプリング時刻におけ
る工具の目標合成運動指令値[wd(k),vd(k)]を
算出する目標合成運動算出部と、該算出部で算出された
工具の目標合成運動指令値から冗長自由度を駆動するた
めの各機構の目標運動指令値[(wd(k),vd(k)−
ud(k))とud(k)]に分解する分解部と、該分解部
で分解された各機構の目標運動指令値を元に各アクチュ
エータを駆動制御する制御部とを備えたことを特徴とす
る。また、本発明は、冗長の運動自由度を持ち、粗動機
構と微動機構とを組合せて構成される冗長運動機構にお
ける前記微動機構のアクチュエータを駆動制御する方法
であって、前記微動機構における冗長軸の現在値とその
冗長軸の動作領域の特定の点との間の偏差[Pm(k)−
Pc]を算出する偏差算出過程と、冗長軸の制御指令値
[vmd(k)]に、前記算出された偏差に応じた値をフ
ィードバックして冗長軸を運動させる冗長軸運動過程と
を有することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、冗長の運動自由度を持
ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成される冗長運
動機構における前記微動機構のアクチュエータを駆動制
御する方法であって、前記微動機構における冗長軸の現
在値[Pm(k)]をセンサーによって検出する現在値検
出過程と、該検出された冗長軸の現在値とその冗長軸の
動作領域の特定の点[Pc]との間の偏差[Pm(k)−
Pc]を算出する偏差算出過程と、冗長軸の制御指令値
[vmd(k)]から、前記算出された偏差に応じた値を
減じることによって新たな冗長軸の制御指令値を得る新
たな制御指令値取得過程と、該得られた新たな冗長軸の
制御指令値をもとに冗長軸を運動させる冗長軸運動過程
とを有することを特徴とする。
【0013】また、本発明は、工具によって作業を行う
ための冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微動機構と
を組合せて構成される冗長運動機構を制御する制御方法
であって、冗長運動機構に対する工具の目標合成運動指
令値[wd(k),vd(k)]を微動機構の運動と冗長な
運動成分[ud(k)]と微動機構の運動と冗長でない運
動成分[wd(k),vd(k)−ud(k)]とに分解する
分解過程と、該分解された微動機構の運動と冗長な運動
成分の運動指令値の内の低周波成分[G(z)I3ud
(k)]と微動機構の運動と冗長でない運動成分の運動指
令値[wd(k),vd(k)−ud(k)]とに基づく運動
指令値[Vrd(k)]を与えて粗動機構のアクチュエー
タを駆動制御する粗動機構制御過程と、前記分解された
微動機構の運動と冗長な運動成分の運動指令値[ud
(k)]に対して粗動機構の運動の遅れ[vr(k)]をフ
ィートバックして微動機構のアクチュエータを駆動制御
する微動機構制御過程とを有することを特徴とする。ま
た、本発明は、工具によって作業を行うための冗長の運
動自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成
される冗長運動機構を制御する制御方法であって、冗長
運動機構に対する工具の目標合成運動指令値[wd
(k),vd(k)]を微動機構の運動と冗長な運動成分
[ud(k)]と微動機構の運動と冗長でない運動成分
[wd(k),vd(k)−ud(k)]とに分解する分解過
程と、該分解された微動機構の運動と冗長な運動成分の
運動指令値の内の低周波成分[G(z)I3ud(k)]と
微動機構の運動と冗長でない運動成分の運動指令値[w
d(k),vd(k)−ud(k)]とに基づく運動指令値
[Vrd(k)]を与えて粗動機構のアクチュエータを駆
動制御する粗動機構制御過程と、前記分解された微動機
構の運動と冗長な運動成分の運動指令値[ud(k)]に
対して粗動機構の運動の遅れ[vr(k)]をフィートバ
ックして冗長軸の制御指令値を得、微動機構における冗
長軸の現在値[Pm(k)]とその冗長軸の動作領域の特
定の点[Pc]との間の偏差[Pm(k)−Pc]を算出
し、前記得られた冗長軸の制御指令値[vmd(k)]
に、前記算出された偏差に応じた値をフィードバックし
て冗長軸を運動させる微動機構のアクチュエータを駆動
制御する微動機構制御過程とを有することを特徴とす
る。
【0014】また、本発明は、前記冗長運動機構の制御
方法において、前記冗長運動機構によって作業を実行す
るために必要な工具の運動制御モデルとして慣性特性、
粘性特性および剛性特性からなるコンプライアンス特性
モデルを設定する運動制御モデル設定過程と、前記冗長
運動機構に取付けられたセンサーによって計測される工
具の運動状態として力・偶力、速度および位置・姿勢の
情報と作業を行うための工具のとるべき経路情報と工具
が作業対象へ加えるべき力・偶力とを基に、前記設定さ
れた工具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリン
グ時刻における工具の目標合成運動指令値を算出する目
標合成運動算出過程とを有することを特徴とする。ま
た、本発明は、冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微
動機構とを組合せて構成される冗長運動機構における前
記微動機構のアクチュエータを駆動制御する制御装置で
あって、前記微動機構における冗長軸の現在値とその冗
長軸の動作領域の特定の点との間の偏差を算出する偏差
算出部と、冗長軸の制御指令値に、前記算出された偏差
に応じた値をフィードバックして冗長軸を運動させる冗
長軸運動部とを備えたことを特徴とする。また、本発明
は、冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを
組合せて構成される冗長運動機構における前記微動機構
のアクチュエータを駆動制御する制御装置であって、前
記微動機構における冗長軸の現在値をセンサーによって
検出する現在値検出部と、該検出された冗長軸の現在値
とその冗長軸の動作領域の特定の点との間の偏差を算出
する偏差算出部と、冗長軸の制御指令値から、前記算出
された偏差に応じた値を減じることによって新たな冗長
軸の制御指令値を得る新たな制御指令値取得部と、該得
られた新たな冗長軸の制御指令値をもとに冗長軸を運動
させる冗長軸運動部とを備えたことを特徴とする。
【0015】また、本発明は、工具によって作業を行う
ための冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微動機構と
を組合せて構成される冗長運動機構を制御する制御装置
であって、冗長運動機構に対する工具の目標合成運動指
令値を微動機構の運動と冗長な運動成分と微動機構の運
動と冗長でない運動成分とに分解する分解部と、該分解
された微動機構の運動と冗長な運動成分の運動指令値の
内の低周波成分と微動機構の運動と冗長でない運動成分
の運動指令値とに基づく運動指令値を与えて粗動機構の
アクチュエータを駆動制御する粗動機構制御部と、前記
分解された微動機構の運動と冗長な運動成分の運動指令
値に対して粗動機構の運動の遅れをフィートバックして
微動機構のアクチュエータを駆動制御する微動機構制御
部とを備えたことを特徴とする。また、本発明は、工具
によって作業を行うための冗長の運動自由度を持ち、粗
動機構と微動機構とを組合せて構成される冗長運動機構
を制御する制御装置であって、冗長運動機構に対する工
具の目標合成運動指令値を微動機構の運動と冗長な運動
成分と微動機構の運動と冗長でない運動成分とに分解す
る分解部と、該分解された微動機構の運動と冗長な運動
成分の運動指令値の内の低周波成分と微動機構の運動と
冗長でない運動成分の運動指令値とを与えて粗動機構の
アクチュエータを駆動制御する粗動機構制御部と、前記
分解された微動機構の運動と冗長な運動成分の運動指令
値に対して粗動機構の運動の遅れをフィートバックして
冗長軸の制御指令値を得、微動機構における冗長軸の現
在値とその冗長軸の動作領域の特定の点との間の偏差を
算出し、前記得られた冗長軸の制御指令値に、前記算出
された偏差に応じた値をフィードバックして冗長軸を運
動させる微動機構のアクチュエータを駆動制御する微動
機構制御部とを備えたことを特徴とする。
【0016】また、本発明は、前記冗長運動機構の制御
装置において、前記冗長運動機構によって作業を実行す
るために必要な工具の運動制御モデルとして慣性特性、
粘性特性および剛性特性からなるコンプライアンス特性
モデルを設定する運動制御モデル設定部と、前記冗長運
動機構に取付けられたセンサーによって計測される工具
の運動状態として力・偶力、速度および位置・姿勢の情
報と作業を行うための工具のとるべき経路情報と工具が
作業対象へ加えるべき力・偶力を基に、前記設定された
工具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリング時
刻における工具の目標合成運動指令値を算出する目標合
成運動算出部とを備えたことを特徴とする。また、本発
明は、ベース部材と工具を取り付けた支持部材との間
を、回転対偶で構成される2対の2節連鎖と、ベース部
材と支持部材の相対回転運動を防止するための1対の2
節連鎖とで連結し、平面6節単ループリンク機構で構成
したことを特徴とする2自由度並進駆動機構である。ま
た、本発明は、前記2自由度並進駆動機構における回転
対偶で構成される2節連鎖において、支持部材に作用す
る力を検出するセンサーを、支持部材と隣接するリンク
に取り付けて構成したことを特徴とする。また、本発明
は、前記2自由度並進駆動機構を、多関節型ロボットの
手先に取付けて構成したことを特徴とする冗長運動機構
である。
【0017】また、本発明は、前記冗長運動機構におい
て、支持部材に作用する力を検出するセンサーを、ロボ
ットと2自由度並進駆動機構との間に取付けて構成した
ことを特徴とする。また、本発明は、ロボットなど粗動
機構(マクロ機構)の手先に力検出機能を有する微動機
構(マイクロ機構)を装着し、微動機構の手先に工具を
装着して構成されたマクロ/マイクロ機構で、与えられ
たコンプライアンス特性をもつ工具の運動を実現するた
めに、以下の手段でコンプライアンス制御を実現するこ
とを特徴とする。即ち、工具の運動の平衡点である位置
と姿勢の偏差[φ(k)h(k),e(k)]及び力と偶力
[f(k),n(k)]を入力として与え、剛性係数、粘性
係数、質量係数(慣性係数)からなるコンプライアンス
特性モデル[K,B(k),M]を作業に応じて設定し、
これらの値からコンプライアンス制御式が決定する。マ
クロ/マイクロ機構の位置と姿勢、力とモーメントが各
制御サンプリング時刻で帰還されると、コンプライアン
ス制御式からマクロ/マイクロ機構への工具の目標合成
速度指令値[wd(k),vd(k)]が算出される。この
合成速度指令値のうち微動機構と冗長な運動成分[ud
(k)]について、ローパスフィルターを掛けることによ
り低周波数成分[G(z)I3ud(k)]を抽出し、冗長
でない成分[wd(k),vd(k)−ud(k)]と合成し
て、マクロ機構への速度指令値[Vrd(k)]とする。
微動機構へは、マイクロ機構の運動と冗長な運動成分の
速度指令値[ud(k)]からマクロ機構の出力速度[v
r(k)]と動作範囲の特定な点からの位置偏差[Pm
(k)−Pc]に定数を掛けた値とを差し引いた値を、指
令値として与える。この操作を並進と回転の合成速度指
令値について行う。
【0018】以上説明したように、前記構成によれば、
コンプライアンス制御式は、工具の運動としてただ一つ
与えられ、このコンプライアンス制御式を各制御サンプ
リング時刻に解いて、工具の目標速度を決定するので、
工具の目標速度をマクロ/マイクロ機構の合成速度によ
り実現し、一つのコンプライアンス特性モデルに基づく
制御を実現することができ、その結果、広い動作領域で
高い応答周波数特性を要求される作業を実現することが
できる。また、前記構成によれば、工具の目標速度をマ
クロ/マイクロ機構の合成運動で実現するために、微動
機構への速度指令は、マクロ機構の運動の遅れを補う指
令値を与え、微動機構の速度指令から、微動機構の動作
範囲の特定点からの位置偏差に定数を掛けた値を減ずる
ようにしたので、微動機構が可動範囲を超えることを防
いで、広い動作領域で高い応答周波数特性を要求される
作業を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係る冗長自由度を持つ運
動機構の制御方法の実施の形態について、図を用いて説
明する。図1には、冗長自由度を持つ運動機構の一実施
の形態であるマクロ/マイクロ機構を示す。ここで、マ
クロ機構(粗動機構)10は例えば多関節型6自由度ロ
ボットで構成され、マイクロ機構(微動機構)20はロ
ボットの手先についた例えば2自由度並進の微動機構に
よって構成される。そして、マイクロ機構20の先端に
例えばグラインダー工具40が取り付けられる。図1に
示すマクロ/マイクロ機構は、6個のサーボモータ等の
回転型アクチュエータを有するマクロ機構10と、2個
のサーボモータ等の回転型アクチュエータを有するマイ
クロ機構20とで構成され、合計8個の回転型アクチュ
エータを有する冗長2自由度を持つ6自由度の運動機構
である。なお、アクチュエータは、全て回転型で構成し
ているが、必ずしも回転型で構成する必要はない。
【0020】マクロ機構10は、例えばベース11に対
して旋回台用回転型アクチュエータ(図示せず)で旋回
される旋回台12と、該旋回台12の肩部に対して揺動
自在に支持され、肩部に設けられた上腕用回転型アクチ
ュエータ14の回転出力を減速機を介してまたは直接固
定連結した上腕13と、前記旋回台12の肩部に対して
揺動自在に支持され、旋回台12の肩部に設けられた前
腕用回転型アクチュエータ16の回転出力を減速機を介
してまたは直接固定連結したリンク(図示せず)と、前
記上腕13の揺動端に揺動自在に連結され、上記リンク
の揺動端との間において上腕13と平行に設けられたリ
ンク17によって平行四辺形リンク機構を構成して連結
された前腕15と、該前腕の先端に3自由度を有するよ
うに連結された手首(手先)18と、前記前腕15上に
取り付けられ、その回転出力を上記手首18に連結して
手首18を3自由度でもって回転させることができるよ
うに構成した3つの回転型アクチュエータ19とを備え
た多関節型6自由度ロボットで構成される。なお、手首
18の1自由度を、前腕15の先端部を前腕の基部に対
して軸心を中心にして回転可能に構成して得ても良い。
この場合、手首18の2自由度の回転型アクチュエータ
19を前腕15の先端部に設けてもよい。そして、マイ
クロ機構20は、先端にグラインダー工具40を取り付
けた2自由度並進微動機構で構成され、マクロ機構10
の手首18に6軸力センサ42を介して取り付けられ
る。
【0021】図2には、2自由度並進微動機構で構成さ
れたマイクロ機構20を示す。アクチュエータであるサ
ーボモータ21の出力は減速機(図示せず)を介せてリ
ンク22に伝達される。リンク23の一端は、リンク2
2の先端と回り対偶により回転自在に連結され、さらに
リンク23のもう一端は、センサーレバー24の一端と
回り対偶により回転自在に連結されている。これらの回
り対偶の軸は平行である。センサーレバー24のもう一
端は、工具支持部材25に固定される。センサーレバー
24には歪みゲージ34が張り付けられ、該歪みゲージ
34によってリンク23から工具支持部材25に作用す
る力が検出できるように構成している。また、アクチュ
エータであるサーボモータ26、リンク27、リンク2
8、およびセンサーレバー29が、サーボモータ21、
リンク22、リンク23、及びセンサーレバー24と軸
対称になるように配置され、センサーレバー29の一端
が同じく支持部材25に固定されている。なおサーボモ
ータ21及び26は機構ベース部材30に固定されてい
る。この構造は、ベース部材30と工具支持部材25と
の間を、リンク22及び23からなる2節連鎖とリンク
27及び28からなる2節連鎖とで、センサーレバー2
4及び29を介して連結した構造で、これらベース部材
30と工具支持部材25との間は、平面6節単ループ平
面リンク機構を構成している。また工具支持部材25
は、平面リンク機構の運動面に平行な互いに直交する軸
を持つ進み対偶32、33を持つリンク31を介してベ
ース部材30に結合されている。即ち、平面6節リンク
機構では、支持部材は平面内の並進と平面に垂直方向の
軸回りの回転運動を行うが、互いに直交する並進待遇1
1及び12を付加することにより、支持部材5は機構ベ
ース部材10に対して上下及び水平の2自由度並進運動
のみを行う様になり、支持部材5の機構ベース部材に対
する姿勢は常に一定に保たれる。
【0022】工具駆動機構の運動を解析するためのモデ
ルを図3に示す。図3に示すL1、L2、L3、L4、
L5、L6は各リンク22、23、25、28、27、
30の名称とともに、リンクの長さを表すことにする。
図2(b)に示すリンク31と進み対偶32、33の部
分は、変位解析において、工具支持部材25の姿勢を一
定に保つという条件を与える。図3に示すように、アク
チュエータ21、26の各々によって回転駆動される回
転軸角度は、ベース部材L6(30)とリンクL1(2
2)の成す角θ1と、ベース部材L6(30)とリンク
L5(27)の成す角θ6とする。また、図3に示すよ
うに、機構ベース部材L6(30)上に直交座標系XY
Zを定める。機構ベース部材L6からみた工具支持部材
L3(25)の中心の位置を直交座標系のデータ(x,
y,z)で表すと、θ1,θ6と(x,y,z)との関
係は3角関数の演算により定まり、次に示す(数1)式
の形で表される。
【0023】
【数1】
【0024】また、この逆演算は、次に示す(数2)式
の形で表される。
【0025】
【数2】
【0026】また、工具支持部材L3の速度(dx/d
t,dy/dt)とアクチュエータ21、26の角速度
(dθ1/dt,dθ6/dt)との関係は、次の(数
3)式より求まる。
【0027】
【数3】
【0028】アクチュエータ21、26の角速度(dθ
1/dt,dθ6/dt)から工具支持部材25の速度
(dx/dt,dy/dt)を求める場合は、(数3)
式の2x2ヤコビ行列の逆行列を求めればよい。工具支
持部材L3にはグラインダー等の工具40から作業に応
じた力ベクトルa=(ax,ay,az=0)が作用
し、またリンクL2及びL4から力ベクトルb1及びb
2がそれぞれ作用する。これら3つの力ベクトルの和は
力の釣り合いからゼロとなる。力ベクトルb1とb2の
スカラ量は、センサーレバー24及び29に張り付けた
歪みゲージ34で検出できる。力ベクトルのスカラ量を
k1、k2とする。力ベクトルb1の単位方向ベクトル
はリンクL1、L2の位置より、力ベクトルb2の単位
方向ベクトルはL5、L4の位置より求められる。これ
らの単位方向ベクトルを(dx,dy,dz=0)、
(ex,ey,ez=0)とすると、グラインダー等の
工具40に作用する力ベクトルa=(ax,ay,a
z)は以下の(数4)式のように導かれる。
【0029】
【数4】
【0030】図2に示す機構では検出できる力は図3に
示された直交座標系X、Y、ZのXY平面内の並進力の
みである。6自由度の力とモーメントのフィードバック
が必要な作業へは、ロボット等で構成されたマクロ機構
10と微動機構で構成されたマイクロ機構20との間に
6軸力センサ42を取り付け、6軸力センサー42から
検出した6自由度の力とモーメント成分のうち、微動機
構20の力センサー34が検出した2自由度力成分と冗
長となる成分は利用せず、6自由度の内、その成分のみ
を微動機構20の力センサー34から検出される検出力
を用いる。
【0031】次に、6自由度の力とモーメント成分が得
られた場合を例として制御方法について図4を用いて説
明する。図4は、図1に示す冗長運動機構であるマクロ
/マイクロ機構を制御する制御装置50の一実施例を示
すブロック線図である。
【0032】ここで、工具40の重心上においた座標系
Σwを基準として、連続系でインピーダンスモデルを立
てる。工具40が被加工物(作業対象物)に接触して受
ける力をf∈R3、該力の基準値をfd∈R3とする。実
際の工具の重心の位置と姿勢を、P,Rとする。そし
て、Pd,Rdを工具の目標位置、目標姿勢とする。従
って、工具の質量をmとおくと、工具40の並進運動の
インピーダンスモデルは、次に示す(数5)式で表され
る。
【0033】
【数5】
【0034】なお、Ktは、次に示す(数8)式から与
えられ、Ctは、次に示す(数9)式から与えられる。
また、(mω×v)は、回転によって生じる力の非線形
項である。Kt(P−Pd)は、並進運動の剛性成分で
あり、Ct・vは、並進運動の粘性成分である。また、
工具40が受ける偶力(モーメント)をn∈R3とし、
この偶力の基準値をnd∈R3とする。重心回りの慣性
テンソルをI((数10)式)とする。φhの各成分に
は、バネ定数Krを乗じたベクトルで表された復元モー
メントがかかり、回転速度に比例してモーメントが減衰
するとして、工具40の回転運動のインピーダンスモデ
ルは、次に示す(数6)式で表される。
【0035】
【数6】
【0036】なお、Krは、次に示す(数8)式から与
えられ、Crは、次に示す(数9)式から与えられる。
(ω×Iω)は、回転によって生じるモーメントの非線
形項である。Krφhは、回転運動の剛性成分であり、
Crωは、回転運動の粘性成分である。φhは、工具4
0の目標姿勢Rdから現在姿勢Rまでの回転を表し、φ
とhとは、次に示す(数7)式によって求めることがで
きる。(数7)式により求める演算を、φh=Rot(R
d,R)とする。
【0037】
【数7】
【0038】次に、コンプライアンス制御式演算部51
において、サンプリング周期をTとして、マクロ機構1
0およびマイクロ機構20のアクチュエータへの指令速
度(工具40の目標とする回転速度および並進速度の3
次元ベクトルwd’(k)、vd’(k))を算出する
ことについて説明する。ここでは、離散系で考える。
【0039】ところで、コンプライアンス制御式演算部
51に対して、グラインダー等の工具40の重心上に座
標系をおき、この座標系(図1の44)での工具40の
運動の仮想のコンプライアンス特性モデルとして、次に
(数8)式に基づく6x6行列Kの剛性行列、(数9)
式に基づく6x6行列Cの粘性行列、(数10)式に基
づく3x3行列Iの慣性テンソルが与えられる。
【0040】
【数8】
【0041】
【数9】
【0042】
【数10】
【0043】なお、Krは、(数8)式で示すように、
工具40に対して与えられる3自由度(3軸回り)の回
転(姿勢)に関する各軸の剛性係数(kr1,kr2,k
r3)のマトリックスで示され、Ktは、(数8)式で示
すように、工具40に対して与えられる3自由度(3軸
方向)の位置に関する各軸の剛性係数(kt1,kt2,k
t3)のマトリックスで示される。Crは、(数9)式で
示すように、工具40に対して与えられる3自由度(3
軸回り)の回転速度に対して与えられる各軸の粘性係数
(cr1,cr2,cr3)のマトリックスで示され、Ct
は、(数9)式で示すように、工具40に対して与えら
れる3自由度(3軸方向)の並進速度に対して与えられ
る粘性係数(ct1,ct2,ct3)のマトリックスで示さ
れる。Iは、(数10)式で示すように、工具40に対
して与えられる3自由度(3軸回り)の回転の各軸の慣
性係数(i1,i2,i3)のマトリックスで示される。
【0044】まず、座標変換部62で工具の座標系Σw
に変換されて得られる検出された力と偶力とのそれぞれ
を、k番目の制御サンプリングにおいて、3次元ベクト
ルで(f(k),n(k))とする。また、(w(k),v
(k))は、座標変換部64から工具の座標系に変換され
て得られるk番目の制御サンプリングにおける工具40
の回転速度、並進速度を表す3次元ベクトルである。ま
た、X'(k)は、k番目の制御サンプリングにおける工
具40の現在の位置、および姿勢を表すマトリックスで
あり、次の(数11)式で表される。ここで、マイクロ
機構20の手先の座標系Σeの現在位置と姿勢をPr
(k)とRr(k)、Σeで表したマイクロ機構20の手先
座標系Σtの現在位置と姿勢をPm(k)とRm(k)とす
る。
【0045】
【数11】
【0046】X(k)は、X'(k)を座標変換部66で工
具の重心座標系Σwへ変換することにより得られる。ま
た、Xd(k)は、工具40によって被加工物(作業対象
物)に対して加工すべきk番目の制御サンプリングにお
ける工具40の目標の位置、および姿勢を表すマトリッ
クスであり、次に示す(数12)式で表される。即ち、
Xd(k)は、工具によって加工すべき目標形状を工具の
座標系Σwによって表したもので、CADなどの設計デ
ータから与えられることになる。
【0047】
【数12】
【0048】また、(fd(k),nd(k))は、工具4
0が作業対象物(被加工物等)に加えるべき力と偶力で
あり、予め、設定される工具の重心座標系Σwの原点を
基準とする力と偶力の基準値とする。
【0049】以上説明したことから、コンプライアンス
制御式演算部51において、サンプリング周期をTとし
て、工具40の目標とする回転速度および並進速度の3
次元ベクトル(wd'(k),vd'(k))は、上記(数
5)式、および(数6)式の関係から、工具40を移動
させる目標とするkサンプリング時における指令姿勢/
位置Xd(k)と、座標変換部62から工具の重心座標系
Σwの原点を基準とするkサンプリング時における工具
40に作用する力(f(k),n(k))、座標変換部64
から工具座標系で得られるkサンプリング時における工
具40のΣwの現在の回転速度/並進速度(w(k),v
(k))、および座標変換部66から工具の座標系で得ら
れるkサンプリング時における工具40のΣwの現在の
姿勢/位置X(k)とから、(数8)式、(数9)式、お
よび(数10)式に基づく仮想のコンプライアンス特性
モデルより次に示す(数13)式に基づいて算出される
ことになる。
【0050】
【数13】
【0051】Mは、質量係数(慣性係数)のマトリック
スを示し、B(k)は粘性係数のマトリックスを示し、K
は剛性係数のマトリックスを示す。また、e(k)は、C
ADなどの設計データから目標指令値として与えられる
工具の重心位置座標で表される工具の目標位置Pd(k)
と座標変換部66から得られる工具の現在位置P(k)と
の間の偏差を示し、φ(k)h(k)は、CADなどの設計
データから指令値として与えられる工具の重心位置座標
で表される工具の目標姿勢Rd(k)と座標変換部66か
ら得られる工具の現在姿勢R(k)との間の偏差を示す。
また、(fd(k),nd(k))は、予め、設定される力
とモーメントの基準値とする。また、Tはサンプリング
時間、mは工具の仮想の質量である。
【0052】以上説明したように、コンプライアンス制
御式演算部51において、算出された工具40の目標と
する合成運動速度指令値である回転速度および並進速度
の3次元ベクトル(wd'(k),vd'(k))は、座標変
換部52によって基準点をマクロ機構手先座標系Σtの
原点とし、マイクロ機構の基準座標系で表すように変換
されてマクロ機構10/マイクロ機構40への回転・並
進運動の合成速度指令値(wd(k),vd(k))とな
る。ここで並進速度指令値v(k)のうち、並進運動をす
る微動機構40の運動成分と冗長な(重なる)運動成分
の速度指令値をud(k)とし、これを演算部53におい
て次に示す(数14)に基づいて求める。即ち、速度指
令の冗長成分ud(k)は、図3に示す直交座標系X、
Y、Z、すなわちΣeをマクロ機構(ロボット)10の
直交座標系Σbで表した3×3座標変換行列はRr(k)
であるから以下の(数14)式から導かれる。
【0053】
【数14】
【0054】次に、マクロ機構(ロボット)10のアク
チュエータの運動によりマクロ機構のリンクの固有振動
が迎起されることを防ぐために、マクロ機構10へ与え
る速度指令Vrd(k)を、ud(k)を一次遅れ系のロー
パスフィルター54に通して、低周波数成分を抽出した
もの(G(z)I3ud(k))と、減算部68から得られ
る微動機構と冗長でない運動成分の並進速度指令値(v
d(k)−ud(k))とを加算部69において与える。一
次遅れ系のローパスフィルター54のパルス伝達関数を
G(z)とし、マクロ機構(ロボット)10への指令速
度を6次元ベクトルVrd(k)とすると、次の(数1
5)式の関係となる。即ち、加算部69において、微動
機構と冗長でない運動成分の並進速度指令値(vd(k)
−ud(k))と、一次遅れ系のローパスフィルター54
に通して抽出されたもの(G(z)I3ud(k))とを加
算することによって、微動機構20の並進運動に比較し
てゆっくりした運動をマクロ機構(ロボット)10にさ
せることができる。これにより、微動機構20の可動範
囲を拡げることなく、工具40に対して広い可動範囲で
もって並進運動をさせることが可能となる。
【0055】
【数15】
【0056】そして、加算部69において得られたマク
ロ機構10へ与える速度指令(Vrd(k))は、マクロ
機構(ロボット)10の逆ヤコビ行列Je~1によって角
速度に変換され、マクロ機構10への角速度指令値とな
る。減算部70において角速度指令値と演算部59から
得られる現在の角速度との間の偏差が取られ、演算部5
6において6軸からなる各軸用のアクチュエータに対す
る角速度指令値(比例値Pと積分値Iとが加算された指
令値)が算出されてkサンプリング時にホールド回路5
7にホールドされる。そして、マクロ機構(ロボット)
10の各アクチュエータ14、16、19が、ホールド
回路57にホールドされた指令値に基づいて駆動されて
工具40に対して並進/回転運動をさせることになる。
更に、マクロ機構(ロボット)10の各アクチュエータ
に連結された回転角度検出器から検出された各軸の現在
の角度変位が座標変換部67および演算部59に印加さ
れる。演算部59においては、入力された現在の角度変
位を微分(((1−z~1)/T)・I6)することによっ
てマクロ機構10による工具の現在の角速度が出力され
ることになる。更に、座標変換部67においては、工具
の座標系に変換されてマクロ機構10による工具40の
現在の姿勢/位置(Rr(k),P(k))が出力されて、
演算部65に入力されることになる。更に、演算部60
においては、マクロ機構10による工具の現在の角速度
からマクロ機構のヤコビ行列Jrに従ってマクロ機構1
0による工具の現在の並進速度vr(k)が算出されて演
算部71および63に入力されることになる。
【0057】ところで、マクロ機構(ロボット)10の
力センサ42によって検出されたマイクロ機構20のセ
ンサーと冗長成分以外の力およびモーメント(fr
(k),nr(k))が演算部61に入力されることにな
る。
【0058】マイクロ機構(微動機構)20への指令速
度vmd(k)は、演算部71において、次に示す(数1
6)式に基づいて、演算部53から得られる冗長速度成
分ud(k)からマクロ機構(ロボット)10が出力した
冗長成分vr(k)を差し引いてマイクロ機構20の直交
座標へ変換した3次元速度ベクトルとして与えられる。
即ち、マイクロ機構20への指令速度をvmd(k)は、
演算部53から得られる冗長速度成分をud(k)とし、
マクロ機構(ロボット)の現在の角速度から演算部60
でロボットのヤコビ行列変換して得られるマイクロ機構
による工具の現在の並進速度をvr(k)とすると、次の
(数16)式によって導かれる。
【0059】
【数16】
【0060】ここで、定常状態では、マイクロ機構20
が可動領域の中点Pc=(px,py,0)に戻ってく
るようにするために、マイクロ機構20の現在位置をP
m(k)=(x(k),y(k),0)として、減算部72に
おいて、指令値vmd(k)より、位置の各成分につい
て現在値の中点(Pc)からの偏差(Pm(k)−P
c)にゲインgを掛けた値(演算部81において、次に
示す(数17)式に基づいて算出される。)を減ずる。
即ち、減算部72において、次に示す(数18)式の処
理を行ったものを改めて指令速度vmd(k)とする。
なお、Pcは、マイクロ機構20における動作範囲の中
点位置であり、入力設定することは可能である。また、
減算部72において、指令値vmd(k)から、位置の各
成分について現在値の中点(Pc)からの偏差(Pm
(k)−Pc)にゲインgを掛けた値(演算部81におい
て、次に示す(数17)式に基づいて算出される。)を
減ずることによって、定常状態において、マイクロ機構
をその動作範囲の中点へ復帰させるように制御すること
が可能となる。
【0061】
【数17】
【0062】
【数18】
【0063】ところで、上記(数17)式におけるゲイ
ンgを、ローパスフィルター54におけるゲインである
パルス伝達関数G(z)を考慮して最適化する必要があ
る。上記説明では、Pcは、マイクロ機構20における
動作範囲の中点位置としたが、動作範囲を決めるための
点であれば良い。また、マイクロ機構20において、ベ
ース部材30に設けられたセンサー(図示せず)によっ
て工具支持部材25の偏差(Pm(k)−Pc)を直接検
出するように構成することも可能である。このようにマ
イクロ機構20のとるべき目標指令速度vmd(k)が定
まると、演算部73において、マイクロ機構の逆ヤコビ
行列eJt~1により各アクチュエータの指令角速度が算
出される。そして、減算部74において、各アクチュエ
ータの指令角速度と演算部79から得られるマイクロ機
構20の現在の角速度との偏差が取られ、演算部75に
おいて2軸からなる各軸用のアクチュエータ21、26
に対する角速度指令値(比例値Pと積分値Iとが加算さ
れた指令値)が算出されてkサンプリング時にホールド
回路76にホールドされる。そして、マイクロ機構20
の各アクチュエータ21、26が、ホールド回路76に
ホールドされた指令値に基づいて駆動されて工具40に
対して並進微動運動をさせることになる。
【0064】更に、マイクロ機構20の各アクチュエー
タ21、26に連結された回転角度検出器から検出され
た各軸の現在の角度変位が座標変換部78および演算部
79に印加される。演算部79においては、入力された
現在の角度変位を微分(((1−z~1)/T)・I2)す
ることによってマイクロ機構20の現在の角速度が出力
されることになる。更に、座標変換部78においては、
上記(数1)式に基づいて、工具座標系に変換されてマ
イクロ機構20による工具40の現在の位置(Pm
(k))が出力されて、演算部65および81に入力され
ることになる。なお、座標変換部78は、演算部65に
対しては工具の現在の姿勢および位置(Rm(k),Pm
(k))が与えられる。更に、演算部80においては、演
算部79から得られるマイクロ機構20の各アクチュエ
ータの現在の角速度からマイクロ機構20のヤコビ行列
Jm(上記(数3)式の逆行列)に従って工具の並進速
度vm(k)が算出されて演算部63に入力されることに
なる。
【0065】ところで、マイクロ機構20の力センサ3
4によって検出された力(fm(k))が演算部61に入
力されることになる。なお、演算部63は、演算部60
から得られるマクロ機構10による工具の現在の回転速
度および並進速度(wr(k),vr(k))と、演算部8
0から得られるマイクロ機構による工具の現在の並進速
度(vm(k))とから、次に示す(数19)式に基づい
てΣtの原点を基準としてΣbで表した工具の現在の回
転速度および並進速度(w(k),v(k))が算出され
る。そして、座標変換部64において、工具の座標系に
おける工具の現在の回転速度および並進速度(w(k),
v(k))から、工具の重心座標系Σwの原点を基準とし
た回転速度および並進速度(w(k),v(k))に座標変
換される。
【0066】
【数19】
【0067】また、演算部61は、マクロ機構10の力
センサ42によって検出されたマイクロ機構のセンサー
と冗長成分以外の力および偶力(fr(k),nr(k))
と、マイクロ機構20の力センサ34によって検出され
た力(fm(k))とから、次に示す(数20)式に基づ
いてΣtの原点を基準としてΣbで表した工具に作用す
る力および偶力(f(k),n(k))が算出される。そし
て、座標変換部62において、工具の座標系における工
具に作用する力および偶力(f(k),n(k))から、工
具の重心座標系Σwの原点を基準とした工具に作用する
力および偶力(f(k),n(k))に座標変換される。
【0068】
【数20】
【0069】また、演算部65は、座標変換部67から
得られるマクロ機構による手先の現在の姿勢および位置
(Rr(k),Pr(k))と、座標変換部78から得られ
るマイクロ機構による工具の現在の姿勢および位置(R
m(k),Pm(k))とから、前述の(数11)式に基づ
いてΣbにおけるΣtの座標として工具の現在の姿勢お
よび位置を表す同次座標(X(k))が算出される。そし
て、座標変換部66において、Σtの現在の姿勢および
位置を表す同次座標(X'(k))から、Σwの現在の姿
勢および位置を表す同次座標(X(k))に座標変換され
る。なお、Rmは、マクロ機構10の手先Σeから見た
マイクロ機構20の手先Σtの姿勢であり、Pmは、マ
クロ機構10の手先から見たマイクロ機構20の手先Σ
tの原点の位置である。
【0070】以上説明したように、6自由度の運動を行
うマクロ機構(ロボット)10の出力である手先に、冗
長自由度(例えば冗長2自由度)の運動を行うマイクロ
機構20を取り付けて構成した冗長自由度を持つ運動機
構(マクロ/マイクロ機構)において、一つのコンプラ
イアンス特性モデルを設定することによって、マイクロ
機構をマクロ機構に協調制御することが可能となり、そ
の結果、マイクロ機構により応答周波数を向上させたマ
イクロ運動をさせることができる。また、マイクロ機構
による冗長運動について、マクロ機構に対してローパス
フィルタによってなまらせて運動させることによって、
マイクロ機構の動作領域以上の領域において、応答周波
数を向上させたマイクロ運動をさせることが可能とな
る。
【0071】また、上記実施の形態では、マイクロ機構
20は、マクロ機構10の2自由度の並進運動と冗長さ
せた2自由度の並進機構で構成したが、2自由度に限定
されるものでもなく、また並進機構のみに限定されるも
のでない。即ち、マイクロ機構20は、3自由度の並進
機構で構成してもよく、また2自由度の並進・回転機構
で構成してもよい。しかしながら、マイクロ機構20に
工具を取り付けて、被加工物に対して加工を施す場合に
は、マイクロ機構20として2自由度の並進機構で構成
するのが望ましい。また、図4には、マクロ/マイクロ
機構の制御ブロック線図を示すが、コンプライアンス制
御式演算部51、演算部53、ローパスフィルタ54、
演算部55、56、59、60、61、63、65、7
1、73、75、79、80、81、減算部68、7
0、72、74、加算部69、座標変換部52、62、
64、66、67、78は、計算機において、ソフト処
理することによって実現しても良い。また、部分的に専
用の回路で構成しても良い。また、図4に示すスイッチ
は、離散系を示すものである。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロ機構をマクロ
機構の手先に装着して冗長運動機構として構成されるマ
クロ/マイクロ機構において、ユーザが一つのコンプイ
ライアンス特性モデルを与える(設定する)ことによ
り、マクロ機構単体の場合とまったく同じマクロ機構コ
マンドで、コンプライアンス協調制御を可能にし、その
結果、広い動作領域で高い応答周波数特性を要求される
作業を可能にする効果を奏する。また、本発明によれ
ば、定常状態で、マイクロ機構をその動作範囲の特定点
へ復帰するように制御することにより、マイクロ機構が
その動作領域を超えることなく、マクロ機構の動作領域
を高い応答周波数で運動することができる効果を奏す
る。
【0073】また、本発明によれば、マイクロ機構を2
自由度並進駆動機構で構成することによって、工具を高
い応答周波数で運動させることができ、その結果、加工
作業に適するコンパクトなマイクロ機構を実現すること
ができる。また、本発明によれば、2自由度並進駆動機
構で構成されたマイクロ機構を多関節型ロボットの手先
に装着することによって、広い動作領域で高い応答周波
数特性を要求される加工作業に適するマクロ/マイクロ
機構を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマクロ/マイクロ機構の一実施例
の概略構成を示した斜視図である。
【図2】本発明に係るマイクロ機構の一実施例である2
自由度微動機構を示す図である。
【図3】図2に示す2自由度微動機構の解析モデルを示
す図である。
【図4】本発明に係るマクロ/マイクロ機構の制御装置
の一実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…マクロ機構(ロボット)、11…ベース、12…
旋回台、13…上腕、14…上腕用回転型アクチュエー
タ、15…前腕、16…前腕用回転型アクチュエータ、
18…手首、19…回転型アクチュエータ、20…マイ
クロ機構(微動機構)、21…サーボモータ、22、2
3…リンク、24…センサーレバー、25…工具支持部
材、26…サーボモータ、27、28…リンク、29…
センサーレバー、30…ベース部材、31…リンク、3
2、33…進み対偶、34…歪みゲージ(力センサ)、
40…工具、42…6軸力センサ、50…制御装置、5
1…コンプライアンス制御式演算部、52、62、6
4、66、67、78…座標変換部、53、55、5
6、59、60、61、63、65、71、73、7
5、79、80、81…演算部、54…ローパスフィル
ター、57、76…ホールド回路、68、70、72、
74…減算部、69…加算部。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具によって作業を行うための冗長の運動
    自由度を持つ冗長運動機構を制御する制御方法であっ
    て、 前記冗長運動機構によって作業を実行するために必要な
    工具の運動制御モデルを設定する運動制御モデル設定過
    程と、 前記冗長運動機構に取付けられたセンサーによって計測
    される工具の運動状態を示す情報を基に、前記設定され
    た工具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリング
    時刻における工具の目標運動指令値を算出する目標運動
    算出過程と、 この算出された工具の目標運動指令値を冗長な運動機構
    と冗長でない運動機構の目標運動指令値に分解する分解
    過程と、 この分解された各機構の目標運動指令値を元に各機構の
    各アクチュエータを駆動制御する制御過程とを有するこ
    とを特徴とする冗長運動機構の制御方法。
  2. 【請求項2】工具によって作業を行うための冗長の運動
    自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成さ
    れる冗長運動機構を制御する制御方法であって、 前記冗長運動機構によって作業を実行するために必要な
    工具の運動制御モデルを設定する運動制御モデル設定過
    程と、 前記冗長運動機構に取付けられたセンサーによって計測
    される工具の運動状態を示す情報を基に、前記設定され
    た工具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリング
    時刻における工具の目標運動指令値を算出する目標運動
    算出過程と、 この算出された工具の目標運動指令値から冗長自由度を
    駆動するための粗動機構と微動機構の目標運動指令値に
    分解する分解過程と、 この分解された各機構の目標運動指令値を元に各機構の
    各アクチュエータを駆動制御する制御過程とを有するこ
    とを特徴とする冗長運動機構の制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の目標運動算出過程
    において、前記工具の運動状態を示す情報として、工具
    の位置、速度および工具に作用する力の情報からなるこ
    とを特徴とする冗長運動機構の制御方法。
  4. 【請求項4】工具によって作業を行うための冗長の運動
    自由度を持つ冗長運動機構を制御する制御装置であっ
    て、 前記冗長運動機構によって作業を実行するために必要な
    工具の運動制御モデルとして剛性特性、粘性特性および
    慣性特性からなるコンプライアンス特性モデルを設定す
    る運動制御モデル設定部と、 前記冗長運動機構に取付けられたセンサーによって計測
    される工具の運動状態として位置、速度および力の情報
    と作業を行うための工具のとるべき経路情報と工具が作
    業対象物に加えるべき力の情報とを基に、前記運動制御
    モデル設定部で設定された工具の運動制御モデルに従っ
    て、各制御サンプリング時刻における工具の目標運動指
    令値を算出する目標運動算出部と、 該算出部で算出された工具の目標運動指令値から冗長自
    由度を駆動するための冗長な運動機構と冗長でない運動
    機構の目標運動指令値に分解する分解部と、 該分解部で分解された各機構の目標運動指令値を元に各
    機構の各アクチュエータを駆動制御する制御部とを備え
    たことを特徴とする冗長運動機構の制御装置。
  5. 【請求項5】工具によって作業を行うための冗長の運動
    自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成さ
    れる冗長運動機構を制御する制御装置であって、 前記冗長運動機構によって作業を実行するために必要な
    工具の運動制御モデルとして剛性特性、粘性特性および
    慣性特性からなるコンプライアンス特性モデルを設定す
    る運動制御モデル設定部と、 前記冗長運動機構に取付けられたセンサーによって計測
    される工具の運動状態として位置、速度および力の情報
    と作業を行うための工具のとるべき経路情報と工具が作
    業対象物に加えるべき力の情報とを基に、前記運動制御
    モデル設定部で設定された工具の運動制御モデルに従っ
    て、各制御サンプリング時刻における工具の目標運動指
    令値を算出する目標運動算出部と、 該算出部で算出された工具の目標運動指令値から冗長自
    由度を駆動するための粗動機構と微動機構の目標運動指
    令値に分解する分解部と、 該分解部で分解された各機構の目標運動指令値を元に各
    機構の各アクチュエータを駆動制御する制御部とを備え
    たことを特徴とする冗長運動機構の制御装置。
  6. 【請求項6】冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微動
    機構とを組合せて構成される冗長運動機構における前記
    微動機構のアクチュエータを駆動制御する方法であっ
    て、 前記微動機構における冗長軸の現在値とその冗長軸の動
    作領域の特定の点との間の偏差を算出する偏差算出過程
    と、 冗長軸の制御指令値に、前記算出された偏差に応じた値
    をフィードバックして冗長軸を運動させる冗長軸運動過
    程とを有することを特徴とする冗長運動機構の制御方
    法。
  7. 【請求項7】冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微動
    機構とを組合せて構成される冗長運動機構における前記
    微動機構のアクチュエータを駆動制御する方法であっ
    て、 前記微動機構における冗長軸の現在値をセンサーによっ
    て検出する現在値検出過程と、 該検出された冗長軸の現在値とその冗長軸の動作領域の
    特定の点との間の偏差を算出する偏差算出過程と、 冗長軸の制御指令値から、前記算出された偏差に応じた
    値を減じることによって新たな冗長軸の制御指令値を得
    る新たな制御指令値取得過程と、 該得られた新たな冗長軸の制御指令値をもとに冗長軸を
    運動させる冗長軸運動過程とを有することを特徴とする
    冗長運動機構の制御方法。
  8. 【請求項8】工具によって作業を行うための冗長の運動
    自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成さ
    れる冗長運動機構を制御する制御方法であって、 冗長運動機構に対する工具の目標運動指令値を微動機構
    の運動と冗長な運動成分と微動機構の運動と冗長でない
    運動成分とに分解する分解過程と、 該分解された冗長な運動成分の運動指令値の内の低周波
    成分と冗長でない運動成分の運動指令値とに基づく運動
    指令値を与えて粗動機構のアクチュエータを駆動制御す
    る粗動機構制御過程と、 前記分解された冗長な運動成分の運動指令値に対して粗
    動機構の運動の遅れをフィートバックして微動機構のア
    クチュエータを駆動制御する微動機構制御過程とを有す
    ることを特徴とする冗長運動機構の制御方法。
  9. 【請求項9】工具によって作業を行うための冗長の運動
    自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成さ
    れる冗長運動機構を制御する制御方法であって、 冗長運動機構に対する工具の目標運動指令値を微動機構
    の運動と冗長な運動成分と微動機構の運動と冗長でない
    運動成分とに分解する分解過程と、 該分解された冗長な運動成分の運動指令値の内の低周波
    成分と冗長でない運動成分の運動指令値とに基づく運動
    指令値を与えて粗動機構のアクチュエータを駆動制御す
    る粗動機構制御過程と、 前記分解された冗長な運動成分の運動指令値に対して粗
    動機構の運動の遅れをフィートバックして冗長軸の制御
    指令値を得、微動機構における冗長軸の現在値とその冗
    長軸の動作領域の特定の点との間の偏差を算出し、前記
    得られた冗長軸の制御指令値に、前記算出された偏差に
    応じた値をフィードバックして冗長軸を運動させる微動
    機構のアクチュエータを駆動制御する微動機構制御過程
    とを有することを特徴とする冗長運動機構の制御方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載の冗長運動機構の
    制御方法において、 前記冗長運動機構によって作業を実行するために必要な
    工具の運動制御モデルとして慣性特性、粘性特性および
    剛性特性からなるコンプライアンス特性モデルを設定す
    る運動制御モデル設定過程と、 前記冗長運動機構に取付けられたセンサーによって計測
    される工具の運動状態として位置、速度および力の情報
    と作業を行うための工具のとるべき経路情報と工具が作
    業対象物に加えるべき力の情報とを基に、前記設定され
    た工具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリング
    時刻における工具の目標運動指令値を算出する目標運動
    算出過程とを有することを特徴とする冗長運動機構の制
    御方法。
  11. 【請求項11】冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微
    動機構とを組合せて構成される冗長運動機構における前
    記微動機構のアクチュエータを駆動制御する制御装置で
    あって、 前記微動機構における冗長軸の現在値とその冗長軸の動
    作領域の特定の点との間の偏差を算出する偏差算出部
    と、 冗長軸の制御指令値に、前記算出された偏差に応じた値
    をフィードバックして冗長軸を運動させる冗長軸運動部
    とを備えたことを特徴とする冗長運動機構の制御装置。
  12. 【請求項12】冗長の運動自由度を持ち、粗動機構と微
    動機構とを組合せて構成される冗長運動機構における前
    記微動機構のアクチュエータを駆動制御する制御装置で
    あって、 前記微動機構における冗長軸の現在値をセンサーによっ
    て検出する現在値検出部と、 該検出された冗長軸の現在値とその冗長軸の動作領域の
    特定の点との間の偏差を算出する偏差算出部と、 冗長軸の制御指令値から、前記算出された偏差に応じた
    値を減じることによって新たな冗長軸の制御指令値を得
    る新たな制御指令値取得部と、 該得られた新たな冗長軸の制御指令値をもとに冗長軸を
    運動させる冗長軸運動部とを備えたことを特徴とする冗
    長運動機構の制御装置。
  13. 【請求項13】工具によって作業を行うための冗長の運
    動自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成
    される冗長運動機構を制御する制御装置であって、 冗長運動機構に対する工具の目標運動指令値を微動機構
    の運動と冗長な運動成分と微動機構の運動と冗長でない
    運動成分とに分解する分解部と、 該分解された冗長な運動成分の運動指令値の内の低周波
    成分と冗長でない運動成分の運動指令値とに基づく運動
    指令値を与えて粗動機構のアクチュエータを駆動制御す
    る粗動機構制御部と、 前記分解された冗長な運動成分の運動指令値に対して粗
    動機構の運動の遅れをフィートバックして微動機構のア
    クチュエータを駆動制御する微動機構制御部とを備えた
    ことを特徴とする冗長運動機構の制御装置。
  14. 【請求項14】工具によって作業を行うための冗長の運
    動自由度を持ち、粗動機構と微動機構とを組合せて構成
    される冗長運動機構を制御する制御装置であって、 冗長運動機構に対する工具の目標運動指令値を微動機構
    の運動と冗長な運動成分と微動機構の運動と冗長でない
    運動成分とに分解する分解部と、 該分解された冗長な運動成分の運動指令値の内の低周波
    成分と冗長でない運動成分の運動指令値とに基づく運動
    指令値を与えて粗動機構のアクチュエータを駆動制御す
    る粗動機構制御部と、 前記分解された冗長な運動成分の運動指令値に対して粗
    動機構の運動の遅れをフィートバックして冗長軸の制御
    指令値を得、微動機構における冗長軸の現在値とその冗
    長軸の動作領域の特定の点との間の偏差を算出し、前記
    得られた冗長軸の制御指令値に、前記算出された偏差に
    応じた値をフィードバックして冗長軸を運動させる微動
    機構のアクチュエータを駆動制御する微動機構制御部と
    を備えたことを特徴とする冗長運動機構の制御装置。
  15. 【請求項15】請求項13または14記載の冗長運動機
    構の制御装置において、 前記冗長運動機構によって作業を実行するために必要な
    工具の運動制御モデルとして慣性特性、粘性特性および
    剛性特性からなるコンプライアンス特性モデルを設定す
    る運動制御モデル設定部と、 前記冗長運動機構に取付けられたセンサーによって計測
    される工具の運動状態として位置、速度および力の情報
    と作業を行うための工具のとるべき経路情報と工具が作
    業対象物に加えるべき力の情報とを基に、前記設定され
    た工具の運動制御モデルに従って、各制御サンプリング
    時刻における工具の目標運動指令値を算出する目標運動
    算出部とを備えたことを特徴とする冗長運動機構の制御
    装置。
  16. 【請求項16】ベース部材と工具を取り付けた支持部材
    との間を、回転対偶で構成される2対の2節連鎖と、ベ
    ース部材と支持部材の相対回転運動を防止するための1
    対の2節連鎖とで連結し、平面6節単ループリンク機構
    で構成したことを特徴とする2自由度並進駆動機構。
  17. 【請求項17】請求項16記載の回転対偶で構成される
    2節連鎖において、支持部材に作用する力を検出するセ
    ンサーを、支持部材と隣接するリンクに取り付けて構成
    したことを特徴とする2自由度並進駆動機構。
  18. 【請求項18】請求項16または17記載の2自由度並
    進駆動機構を、多関節型ロボットの手先に取付けて構成
    したことを特徴とする冗長運動機構。
  19. 【請求項19】請求項18記載の冗長運動機構におい
    て、支持部材に作用する力を検出するセンサーを、ロボ
    ットと2自由度並進駆動機構との間に取付けて構成した
    ことを特徴とする冗長運動機構。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007095035A (ja) * 2005-08-16 2007-04-12 Prima Industrie Spa 冗長なアクチュエータを有するシステムの管理方法
CN101804625A (zh) * 2009-02-18 2010-08-18 索尼公司 机器人设备及其控制方法、以及计算机程序
JP2010221322A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Yamatake Corp 位置決め装置
US8509941B2 (en) 2006-10-20 2013-08-13 Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. Method and device for fine positioning of a tool having a handling apparatus
CN114833848A (zh) * 2022-06-02 2022-08-02 大连理工大学 一种刚度约束的机器人铣削加工刀轴矢量和冗余度集成规划方法

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