JPH1133350A - 排煙脱硫装置と方法 - Google Patents

排煙脱硫装置と方法

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JPH1133350A
JPH1133350A JP9193682A JP19368297A JPH1133350A JP H1133350 A JPH1133350 A JP H1133350A JP 9193682 A JP9193682 A JP 9193682A JP 19368297 A JP19368297 A JP 19368297A JP H1133350 A JPH1133350 A JP H1133350A
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tower
weir
liquid
desulfurization
circulation tank
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Naruhito Takamoto
成仁 高本
Hirobumi Yoshikawa
博文 吉川
Hiroshi Ishizaka
浩 石坂
Kensho Taniguchi
憲昭 谷口
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で容易に粒状石灰石が存在する吸
収液の中和域内での液が全体にわたり均一に流れ、かつ
粒状石灰石粒子が全体にわたり均一に流動化可能な排煙
脱硫装置と方法を提供すること。 【解決手段】 循環タンク6内の下部の中央部に塔内堰
17を設けて吸収液を循環タンク6の両側部の酸化域7
に集めて落下させ、酸化域7に空気を吹き込んで吸収液
中の亜硫酸を酸化させる。この液を塔内堰17の底部両
側部の絞り部9からの塔内堰17内の中和域15に送り
込み、ここで粒状石灰石と反応させて最終的に石膏を生
成させる。吸収液が塔内堰17の中央部に対して対称位
置にある塔内堰17の両側部の絞り部9から液が中和域
17に供給されるので、中和域17全体にわたり粒状石
灰石が均一に流動化し、また吸収液導入部からの液も中
和域17全体にわたり均一に流れる。こうして中和域1
7での中和反応がスムーズに進むことになる。酸化域7
での面積が大幅に減少するので酸化空気を分散させるの
に撹拌機の必要はなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石灰石等を含むス
ラリ吸収液を用いて排ガス中の硫黄化合物を除去する
際、循環タンクに粒状の石灰石を入れて効率よく亜硫酸
を空気により酸化して石膏を生成させる装置と方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所等において、化石燃料の燃焼
に伴って発生する排煙中の硫黄酸化物、中でも特に二酸
化硫黄(SO2)は大気汚染・酸性雨等の環境問題の主
原因の一つである。このため、排煙中からSO2を除去
する排煙脱硫法の研究および排煙脱硫装置の開発は極め
て重要な課題となっている。
【0003】上記排煙脱硫法としては、最近低コストで
システムが簡単な簡易型の乾式脱硫装置の開発が進めら
れているが、脱硫率がせいぜい70〜80%と低いこと
もあり、未だ湿式法が主流を占めている。この湿式法に
は、吸収剤にソーダ化合物を用いるソーダ法、カルシウ
ム化合物を用いるカルシウム法およびマグネシウム化合
物を用いるマグネシウム法等がある。このうち、ソーダ
法は吸収剤とSO2との反応性に優れている反面、使用
するソーダ類が非常に高価である。このため、発電用の
大型ボイラ等の排煙脱硫装置には、比較的安価な炭酸カ
ルシウム等のカルシウム化合物を用いる方法が最も多く
採用されている。
【0004】このカルシウム化合物を吸収液として用い
る脱硫システムは、気液接触方法の違いによりスプレー
方式、濡れ壁方式およびバブリング方式の3種類に大別
される。各方式ともそれぞれ特徴を有しているが、実績
が多く信頼性の高いスプレー方式が世界的にも多く採用
されている。このスプレー方式の脱硫システムとして
は、従来から排ガスの冷却・除塵を行う冷却塔、吸収液
を噴霧して排ガス中のSO2と反応させる脱硫塔、脱硫
塔で生成した亜硫酸カルシウムを酸化する酸化塔の3塔
で構成されていた。しかし、近年になって脱硫塔に冷却
・酸化の機能を持たせた一塔型脱硫塔の開発が進み、最
近では一塔型脱硫剤システムがスプレー方式の主流にな
りつつある。
【0005】図5に従来技術のスプレー方式による粒状
石灰石を用いた脱硫装置の一例(特願平7−52753
6号、特願平7−20625号など)を示す。一塔型の
脱硫塔は、主に脱硫塔本体1、入口ダクト2、出口ダク
ト3、スプレーノズル4、吸収液の循環ポンプ5、循環
タンク6、デミスタ21等から構成される。スプレーノ
ズル4は水平方向に複数個、さらに高さ方向に複数段設
置されており、通常各スプレー段ごとに1台ずつ循環ポ
ンプ5が設置される。スプレーノズル4の段数として
は、一般に4〜10段程度設置されることが多いが、本
図では簡略化のため3段で示している。また、スプレー
ノズル4から噴霧され、微粒化された吸収液の中で、液
滴径の小さいものは排ガスに同伴されるが、脱硫塔上部
に設けられたデミスタ21によって回収される。デミス
タ21は脱硫塔内最上部あるいは出口ダクト3内に設置
される。図には示していないボイラから排出される排ガ
ス40は、入口ダクト2より脱硫塔本体1に導入され、
最終的には出口ダクト3より処理ガス50は排出され
る。
【0006】この間、脱硫塔には循環ポンプ5から送ら
れる吸収液が、脱硫塔内に配置されたスプレ配管に取り
付けられた複数のスプレーノズル4から噴霧され、吸収
液と排ガスの気液接触が行われる。このとき吸収液は排
ガス中のSO2を選択的に吸収し、亜硫酸(H2SO3
を生成する。亜硫酸を含んだ吸収液は塔内堰17により
循環タンク6の酸化域7に溜まり、空気吹込み管8より
導入された空気を撹拌機20で分散させることにより、
亜硫酸は酸化されて硫酸を生成する。亜硫酸を含んだ吸
収液は循環タンク6から中和域15に入り、粒状石灰石
を流動化して石灰石との中和反応により最終的に石膏
(CaSO4)を生成する。従来脱硫剤である石灰石は
微粉の物(通常の平均粒径:10μ)が使われていた
が、粒径が1mm程度の粒状石灰石を用いるので生成し
た石膏と石灰石の分離が容易となる特徴がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す装置の問題
点としては、循環タンク6に落下した吸収液は堰17に
より循環タンク6の一方の側部にある酸化域7に集めら
れるので、この部分の面積が大きくなり、酸化用の空気
を分散させるのに撹拌機20が必要となる。また、中和
域15での反応速度を上げるには、酸化された吸収液を
中和域15の下部から均一に供給するようにして、中和
域15の全体の粒状石灰石粒子を流動化させるための工
夫を要する。そのために、中和域15にある図示しない
液分散管あるいは分散板の開口比を変えて液の抵抗を段
階的に変化させ、酸化域7に近い領域及び遠い領域にか
かわらず、全ての中和域15の領域で、液が全体に均一
に流れ、かつ粒状石灰石粒子が全体に均一に流動化され
るような構造としなければならない。
【0008】そこで本発明の課題は簡単な構造で容易に
粒状石灰石が存在する吸収液の中和域内での液が全体に
わたり均一に流れ、かつ粒状石灰石粒子が全体にわたり
均一に流動化可能な排煙脱硫装置と方法を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題的は、以下のよ
うな構成によって解決される。すなわち、ボイラ等の燃
焼装置から排出される硫黄酸化物を含む排ガスをカルシ
ウム系の吸収液と接触させるための脱硫塔と、脱硫塔内
で排ガスを接触させた後の吸収液を溜めるための循環タ
ンクとを有する排煙脱硫装置において、吸収液導入部を
下方に有し、かつ粒状石灰石を充填した塔内堰を循環タ
ンクの中央部に設け、前記塔内堰の外壁と循環タンク内
壁との間の領域に脱硫塔から送られてくる吸収液を滞留
させて、酸化させる酸化領域を設け、吸収液導入部より
塔内堰内に導入され、塔内堰内の粒状石灰石により中和
された後の吸収液の一部を脱硫塔に循環するための循環
経路を設けた排煙脱硫装置である。
【0010】本発明の排煙脱硫装置において、塔内堰の
吸収液導入部は塔内堰下部に複数箇所設けられ、各吸収
液導入部は塔内堰の水平断面内で、その中央部に対して
互いに対称位置に配置されていると吸収液は各導入部か
ら塔内堰の中央部に向けて均等に導入され、塔内堰では
吸収液は全体にわたり均一に流れ、粒状石灰石も全体に
わたり均一に流動化される。
【0011】また、塔内堰の吸収液導入部には塔内堰中
央部に頂部を有する傾斜型の底部板(切妻屋根型底部板
または円錐型底部板)を設置することにより、塔内堰に
導入された吸収液により粒状石灰石は容易に流動化され
る。
【0012】また、塔内堰の吸収液導入部は塔内堰下部
から塔内堰の中央部または中心部に向けて伸び、複数の
吸収液噴出用ノズルを有する吸収液分散管を複数個設け
ることからなる構成でも良い。この場合も塔内堰に導入
された吸収液により粒状石灰石は容易に流動化する。
【0013】本発明の上記課題は次の構成により解決さ
れる。ボイラ等の燃焼装置から排出される硫黄酸化物を
含む排ガスを脱硫塔に導き、ここでカルシウム系の吸収
液と接触させ、排ガス接触後の吸収液を循環タンク内に
溜めて、循環タンク内の吸収液の一部を再度脱硫塔に供
給する排煙脱硫方法において、循環タンクの中央部に粒
状の石灰石を充填した塔内堰を設けて、脱硫塔からの吸
収液を塔内堰の外側に位置する循環タンク内部の領域で
ある酸化域に集めて酸化させた後、塔内堰の内部の粒状
石灰石の充填された中和域に前記酸化吸収液を塔内堰の
下部から導入することにより、粒状石灰石を流動化させ
て、同時に吸収液を中和させる排煙脱硫方法である。
【0014】上記排煙脱硫方法では、塔内堰の内部の中
和域に入る吸収液の液流速を2m/s以上にすることに
より、吸収液導入部の液流速が中和域内の粒状石灰石の
流動層の圧力損失に打ち勝って液が中和域内を流れるこ
とができ、石灰石粒子が塔内堰底部に停滞することがな
く、中和域内の全体にわたり流動化し、吸収液の中和速
度が向上する。
【0015】また、循環タンク内部の酸化域における液
深を塔内堰の内部の中和域の液深より少なくとも1m以
上高くすることにより、塔内堰内での液抵抗及び流動化
している粒状石灰石の圧力損失より、前記液深差による
ヘッド圧が大きくなり、酸化域から中和域に液が流れ込
みやすくなる。
【0016】図1に示す本発明になる縦型の脱硫塔の場
合、循環タンク6内の下部の中央部に塔内堰17を設け
てスプレノズル4から噴霧され、排ガス中の硫黄酸化物
を吸収した吸収液を循環タンク6の両側部の酸化域7に
集めて落下させ、空気吹込み管8より酸化域7に空気を
吹き込んで吸収液中の亜硫酸を酸化させる。この液を塔
内堰17の底部両側部の絞り部9(吸収液導入部)から
の塔内堰17内の中和域15に送り込み、ここで粒状石
灰石と反応させて最終的に石膏を生成させる。
【0017】このように、吸収液が塔内堰17の中央部
に対して対称位置にある塔内堰17の両側部の絞り部9
(吸収液導入部)から液が中和域17に供給されるの
で、中和域17全体にわたり粒状石灰石が均一に流動化
され、また絞り部9からの液も中和域17全体にわたり
均一に流れる。こうして中和域17での中和反応、すな
わち硫酸と石灰石の反応がスムーズに進むことになる。
【0018】また、酸化域7での面積が図5に示す循環
タンク6に比較して大幅に減少するので酸化空気を分散
させるための撹拌機を設置する必要はなく、空気吹込み
管8より酸化域の下部から空気を供給すれば気泡の上昇
により液が撹拌されて酸化域7全体にわたり均一に酸化
される。このため、循環タンク6内に撹拌機の設置の必
要がなく動力の低減につながる。なお、本発明の粒状石
灰石の粒径は0.5mm以上で、平均粒径が1.0mm
程度のものが生成する石膏との分離が容易なために望ま
しい。
【0019】
【作用】ここでは、図1に示す例で本発明の作用につい
て説明する。脱硫塔内(吸収域)で亜硫酸ガスを吸収し
た吸収液は、循環タンク6の塔内堰17により塔内堰1
7の外側の循環タンク6内の酸化域7に集められ、ここ
で空気により酸化される。空気により酸化された吸収液
は、絞り部9(吸収液導入部)より塔内堰17内の中和
域15に入り、ここで粒状石灰石と反応して中和されて
最終的に石膏を生成する。反応式は以下の通りである。 吸収域 SO2+H2O→H2SO3 (1) 酸化域 H2SO4+1/2O2→H2SO4 (2) 中和域 CaCO3+H2SO4→CaSO4+CO2+H2O (3)
【0020】酸化域7の液面のレベルを少なくとも中和
域15のレベルに比べ1m以上高くすることにより、液
の位置エネルギ差を利用して酸化域7から中和域15に
液を押し込むことが可能となる。このように循環タンク
6内の下部中央に塔内堰17を配置して、塔内堰17内
に粒状の石灰石を充填する構成により、従来の微粉石灰
石を利用する排煙脱硫方式の場合のように循環タンク6
内に撹拌機を用いる必要はなくなり、微粉石灰石を製造
するための粉砕動力が不要となり、また酸化域7内の吸
収液を撹拌するための撹拌機の動力が不要となる。
【0021】また、中和域15の下部に傾斜底部板12
(塔内堰が図1、図2に示す形状のものであるときは切
妻屋根型の底部板、塔内堰が図示しない循環タンク6と
同心円の円筒状の側壁を有するものであるときは円錐型
の底部板)を設置することにより、中和域15の中央部
または中心部より周辺部の石灰石充填部の層高が高くな
り、流動層の圧力損失が周辺部より中心部の方が小さく
なるので、液が中心部の方にも流れやすくなる。
【0022】循環タンク6の径が小さい場合は、複雑な
液の分散管を設置する必要はなく、このような構造を採
用することにより容易に粒状石灰石を流動化させること
ができ、前記(3)式の中和反応により容易に石膏が生
成することになる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は下記の実施の形態によっ
てさらに詳細に説明する。図1に示す縦型の脱硫塔にお
いて、図5に示す脱硫塔と同一機能を奏する部分は同一
番号を付して、その説明は省略する。
【0024】SO2を含む燃焼排ガス40は塔上部の入
口ダクト2が脱硫塔本体1に入る。脱硫塔では循環ポン
プ5から送られる吸収液が循環液配管11から脱硫塔内
の複数のスプレーノズル4から噴霧される。ここで噴霧
された吸収液と排ガスの気液接触によりSO2ガスが吸
収されて吸収液は循環タンク6に落下する。この循環タ
ンク6内には塔内堰17が設置されており、吸収液は循
環タンク6の両側部(酸化域7)に集められて、その下
部に移動する。酸化域7で空気吹込み管8から供給され
る空気により吸収液中の亜硫酸は酸化された後、絞り部
9を通って塔内堰17内部の中和域15の下部に導入さ
れる。酸化域7の液のレベルを中和域15の液レベルに
比べて少なくとも1m以上高くすれば、酸化域7と中和
域15の液面のレベル差に基づく位置エネルギーは、中
和域15内の液抵抗および粒状石灰石の流動層の圧力損
失より大きくなり、吸収液は酸化域7から中和域15に
流れる。
【0025】中和域15ではSO2が酸化されて硫酸を
含む液により石灰石粒子を流動化して、(3)式で示す
中和反応が促進される。中和後の吸収液のpHはpH計
22で計測される。また、中和域15の底部には中和域
の中心部に頂点を有する円錐形状の底部板12を設置し
て、その垂直断面の底部板12の傾斜角度を5度以上に
することにより、中和域15での石灰石粒子の流動化を
スムーズにできる。底部板12の前記傾斜角度を5度以
上にすると、中和域15内での安息角(固定層の粒子が
動き出さない最大の傾斜角度)以上の角度となり、石灰
石が動きやすくなるため、石灰石の流動化が容易となる
と同時に中心部へ液が流れやすくなる。
【0026】また、絞り部9の液流速を少なくとも2m
/s以上にすれば、流動層の圧力損失に打ち勝って液が
中和域15内を流れるので、石灰石粒子が底部で停滞す
ることがなくなり、中和域15全体にわたり均一に流動
化し、(3)式の中和反応がスムーズに進む。このよう
な構造を採用することにより、酸化域7の液を絞り部9
から中和域15に導入することで、撹拌機をなくしても
液の酸化と中和反応が進み、循環タンクでの動力の低減
が可能となる。
【0027】図2には図1におけるA−A’線断面から
見た矢視図を示す。スプレーノズル4から噴霧されて、
排ガスと気液接触して排ガス中の硫黄酸化物を吸収し、
循環タンク6に落下した吸収液は循環タンク6の両側部
に設けられた酸化域7を下降しながら、空気により酸化
されて塔内堰17の下部の絞り部9から中和域15に入
り、塔内堰17の粒状石灰石により中和され、石膏を生
成する。中和された吸収液は塔内堰17から循環タンク
6の外部に導かれるオーバーフロー管16から排出され
て吸収液抜出し管10から循環ポンプ5を通って循環液
配管11から再びスプレーノズル4に送られ、一部は回
収系配管14に送られる。
【0028】図3に示す本発明の実施の形態は、中和域
15への液供給法として分液管18と液ノズル19を設
置した循環タンク6の径が非常に大きい場合や流動化さ
せる石灰石粒子の粒径が大きい場合の例である。なお、
図1に示す例と同一機能を奏する部材は同一番号を付し
て、その説明は省略する。
【0029】図3に示す場合では酸化された吸収液を中
和域15の下部に設けた分液管18を通して、その液ノ
ズル19から液を噴出させて石灰石粒子を流動化させ、
中和させる方式である。分液管18を塔内堰17の両側
から循環タンク6の中央部に複数本設置し、分液管18
の下側に設置した液ノズル19により、酸化された液を
中和域15の全域にわたり均一に分散させ、石灰石粒子
を流動化させるので、(3)式に示した中和反応が促進
される。
【0030】図4には図3のA−A’線断面の矢視図を
示す。図2と同様に液ノズル19から噴出された液は中
和反応後にオーバーフロー管16を通り、液抜出し管1
0に送られて、その一部は吸収液として脱硫塔内に循環
される。
【0031】以上述べたように本発明を用いると循環タ
ンク6の中和域15での粒状石灰石の流動化が中和域1
5内の全ての領域にわたり均一に行われ、図5に示す排
煙脱硫装置に比較して(3)式の中和反応速度の向上が
図れる。また、酸化域7には液の撹拌機を設ける不要が
なくなり、運転コストの大幅な低減ができ、装置の製作
コストの低減にも効果がある。また、本発明の脱硫塔の
円筒状のものである必要はなく角柱状のものでも良い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、粒状の石灰石を用い塔
内堰を循環タンクの下部中央部に設置して酸化域と中和
域を分離する構造にすることで、中和域全域での粒状石
灰石の均一な流動化が可能となり、図5に示す排煙脱硫
装置に比較して吸収液の(3)式の中和反応速度の向上
が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による脱硫装置構造を示
す図である。
【図2】 図1のA−A’線断面から見た矢視図であ
る。
【図3】 本発明の実施の形態による脱硫装置構造を示
す図である。
【図4】 図3のA−A’線断面から見た矢視図であ
る。
【図5】 従来の粒状石灰石を用いた脱硫装置構造を示
す図である。
【符号の説明】
1 脱硫塔本体 2 入口ダク
ト 3 出口ダクト 4 スプレー
ノズル 5 循環ポンプ 6 循環タン
ク 7 酸化域 8 空気吹込
み管 9 絞り部 10 吸収液
抜出し管 11 循環液配管 12 底部板 14 回収系配管 15 中和域 16 オーバーフロー管 17 塔内堰 18 分液管 19 液ノズ
ル 21 デミスタ 40 燃焼排
ガス 50 処理ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 憲昭 広島県呉市宝町6番9号 バブコック日立 株式会社呉工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ等の燃焼装置から排出される硫黄
    酸化物を含む排ガスをカルシウム系の吸収液と接触させ
    るための脱硫塔と、脱硫塔内で排ガスを接触させた後の
    吸収液を溜めるための循環タンクとを有する排煙脱硫装
    置において、 吸収液導入部を下方に有し、かつ粒状石灰石を充填した
    塔内堰を循環タンクの中央部に設け、前記塔内堰の外壁
    と循環タンク内壁との間の領域に脱硫塔から送られてく
    る吸収液を滞留させて、酸化させる酸化領域を設け、吸
    収液導入部より塔内堰内に導入され、塔内堰内の粒状石
    灰石により中和された後の吸収液の一部を脱硫塔に循環
    するための循環経路を設けたことを特徴とした排煙脱硫
    装置。
  2. 【請求項2】 塔内堰の吸収液導入部は塔内堰下部に複
    数箇所設けられ、各吸収液導入部は塔内堰の水平断面内
    で、その中央部に対して互いに対称位置に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の排煙脱硫装置。
  3. 【請求項3】 塔内堰の吸収液導入部は塔内堰下部から
    塔内堰の内側に向けて伸び、複数の吸収液噴出用ノズル
    を有する吸収液分散管を複数個設けたことを特徴とする
    請求項2記載の排煙脱硫装置。
  4. 【請求項4】 循環タンクの塔内堰の吸収液導入部には
    塔内堰中央部に頂部を有する傾斜型の底部板を設置した
    ことを特徴とする請求項1記載の排煙脱硫装置。
  5. 【請求項5】 ボイラ等の燃焼装置から排出される硫黄
    酸化物を含む排ガスを脱硫塔に導き、ここでカルシウム
    系の吸収液と接触させ、排ガス接触後の吸収液を循環タ
    ンク内に溜めて、循環タンク内の吸収液の一部を再度脱
    硫塔に供給する排煙脱硫方法において、 循環タンクの中央部に粒状の石灰石を充填した塔内堰を
    設けて、脱硫塔からの吸収液を塔内堰の外側に位置する
    循環タンク内部の領域である酸化域に集めて酸化させた
    後、塔内堰の内部の粒状石灰石の充填された中和域に前
    記酸化吸収液を塔内堰の下部から導入することにより、
    粒状石灰石を流動化させて、同時に吸収液を中和させる
    ことを特徴とする排煙脱硫方法。
  6. 【請求項6】 塔内堰の内部の中和域に入る吸収液の液
    流速を2m/s以上にすることを特徴とする請求項5記
    載の排煙脱硫方法。
  7. 【請求項7】 循環タンク内部の酸化域における液深を
    塔内堰の内部の中和域より少なくとも1m以上高くする
    ことを特徴とする請求項5記載の排煙脱硫方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109381989A (zh) * 2018-11-05 2019-02-26 华电电力科学研究院有限公司 一种塔内多级降温协同脱除多种污染物的系统及其工作方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109381989A (zh) * 2018-11-05 2019-02-26 华电电力科学研究院有限公司 一种塔内多级降温协同脱除多种污染物的系统及其工作方法

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