JPH11333259A - Dna、rnaの効率的除去法 - Google Patents
Dna、rnaの効率的除去法Info
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- JPH11333259A JPH11333259A JP10163028A JP16302898A JPH11333259A JP H11333259 A JPH11333259 A JP H11333259A JP 10163028 A JP10163028 A JP 10163028A JP 16302898 A JP16302898 A JP 16302898A JP H11333259 A JPH11333259 A JP H11333259A
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- dna
- rna
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- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 食品、医薬品の原液中の遺伝子 (DNA、R
NA) を効率的に除去すする方法。 【解決手段】 前記原液中に、塩を0.15mol/L 以上ある
いはタンパク質を50ppm以上加えてDNA及びRNAを
ミクロの凝集体とし、多孔膜を用いてろ過することより
なる原液中からDNA、RNAの除去方法。塩として、
NaCl、タンパク質としてガンマ・グロブリンが好まし
い。この方法は、医薬品、食品中に混在している可能性
のあるDNA、RNAを効率的に除去するのに用いられ
る。
NA) を効率的に除去すする方法。 【解決手段】 前記原液中に、塩を0.15mol/L 以上ある
いはタンパク質を50ppm以上加えてDNA及びRNAを
ミクロの凝集体とし、多孔膜を用いてろ過することより
なる原液中からDNA、RNAの除去方法。塩として、
NaCl、タンパク質としてガンマ・グロブリンが好まし
い。この方法は、医薬品、食品中に混在している可能性
のあるDNA、RNAを効率的に除去するのに用いられ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品並びに医薬品
中に含まれるDNA及び、またはRNAを効率よく排除
する方法を提供する。
中に含まれるDNA及び、またはRNAを効率よく排除
する方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】バイオ製剤、血液製剤を含む医薬品、食
品等から不純物であるウイルス、菌、細胞を不活化させ
る方法として、(a) 加熱法、(b) 有機溶剤/界面活性剤
法並びに(c) 膜除去法が一般に用いられている。前者の
2法は、ウイルス、菌、細胞を死滅させることができる
が、これら由来の遺伝子であるDNA、RNAを医薬
品、食品より除去することはできない。一方後者の膜除
去法は、結果としてDNA、RNAを一部除去すること
ができるが、完全なる除去は通常不可能である。
品等から不純物であるウイルス、菌、細胞を不活化させ
る方法として、(a) 加熱法、(b) 有機溶剤/界面活性剤
法並びに(c) 膜除去法が一般に用いられている。前者の
2法は、ウイルス、菌、細胞を死滅させることができる
が、これら由来の遺伝子であるDNA、RNAを医薬
品、食品より除去することはできない。一方後者の膜除
去法は、結果としてDNA、RNAを一部除去すること
ができるが、完全なる除去は通常不可能である。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】FDAでは、医薬品
中にDNA量を100pg/dose以下にすることを義務づけて
いる (Center for Biologics, Evaluation and Researc
h Food and Drug Administration(FDA, USA), Points t
o consider in the characterization of cell lines u
sed to produce biologicals, 1993, p1-40; A.Higuchi
et al., J.Membrane Sci., 126(1997)7-17)。さらに、
予期せぬ病理の発生を極力さけるためには、医薬品、食
品より遺伝子 (DNA、RNA) の量を極力除去するこ
とが望ましい。しかしながら、通常の多孔性膜によるD
NA、RNAを除去する方法は、これらの排除性が低
く、この方法を用いても、医薬品、食品中にDNA、R
NAが残存しており、さらに経済的にもあまり好ましい
ものとはいえない。本発明は、前述したような当該技術
分野の要望にこたえ、かつ従来の方法の欠点を克服した
効率的な多孔膜を用いたDNA、RNAの排除法を提供
しようとするものである。
中にDNA量を100pg/dose以下にすることを義務づけて
いる (Center for Biologics, Evaluation and Researc
h Food and Drug Administration(FDA, USA), Points t
o consider in the characterization of cell lines u
sed to produce biologicals, 1993, p1-40; A.Higuchi
et al., J.Membrane Sci., 126(1997)7-17)。さらに、
予期せぬ病理の発生を極力さけるためには、医薬品、食
品より遺伝子 (DNA、RNA) の量を極力除去するこ
とが望ましい。しかしながら、通常の多孔性膜によるD
NA、RNAを除去する方法は、これらの排除性が低
く、この方法を用いても、医薬品、食品中にDNA、R
NAが残存しており、さらに経済的にもあまり好ましい
ものとはいえない。本発明は、前述したような当該技術
分野の要望にこたえ、かつ従来の方法の欠点を克服した
効率的な多孔膜を用いたDNA、RNAの排除法を提供
しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、(a) 塩を0.
15mol/L 以上原液に加えて多孔膜を用いてろ過し、DN
A及び、またはRNAをコイル状のミクロの凝集体とし
て原液中よりDNA、RNAを除去する方法、並びに
(b) タンパク質を50ppm 以上原液に加えて多孔膜を用い
てろ過し、DNA及び、またはRNAをタンパク質との
イオンコンプレッスク体としてミクロの凝集体を形成さ
せ、原液中よりDNA、RNAを除去することによっ
て、効率的にDNA、RNAを排除できることを見出
し、本発明を完成した。
15mol/L 以上原液に加えて多孔膜を用いてろ過し、DN
A及び、またはRNAをコイル状のミクロの凝集体とし
て原液中よりDNA、RNAを除去する方法、並びに
(b) タンパク質を50ppm 以上原液に加えて多孔膜を用い
てろ過し、DNA及び、またはRNAをタンパク質との
イオンコンプレッスク体としてミクロの凝集体を形成さ
せ、原液中よりDNA、RNAを除去することによっ
て、効率的にDNA、RNAを排除できることを見出
し、本発明を完成した。
【0005】即ち本発明は、塩を0.15mol/L 以上原液に
加えて多孔膜を用いてろ過し、DNA及び、またはRN
Aを原液中より除去する方法を提供する。さらに本発明
は、タンパク質を50ppm 以上原液に加えて多孔膜を用い
てろ過し、DNA及び、またはRNAを原液中より除去
する方法を提供する。本発明において用いる塩は、DN
A、RNAをコイル状のミクロの凝集体を形成させ、多
孔膜により除去性能を増大させるものであれば、いかな
る塩であっても良い。この範疇の塩として、金属カチオ
ンとアニオンより形成される無機塩が含まれる。具体的
には、LiCl, NaCl,KCl, RbCl, CsCl2, MgCl2, CaCl2,
SrCl2,BaCl2, FeCl2, FeCl3, CuCl2等である。また、上
記塩中のカチオンの対イオンとして、硫酸イオン、リン
酸イオン、酢酸イオン等に置換された塩も含まれる。さ
らに、これらの塩の混合物であっても良い。この内好ま
しい塩としては、医薬品中のDNA、RNAの除去を目
的とした場合、医薬品並びに生体への毒性が低いことが
望まれるため、NaCl、KCl 並びにCaCl2 等が好ましい。
加えて多孔膜を用いてろ過し、DNA及び、またはRN
Aを原液中より除去する方法を提供する。さらに本発明
は、タンパク質を50ppm 以上原液に加えて多孔膜を用い
てろ過し、DNA及び、またはRNAを原液中より除去
する方法を提供する。本発明において用いる塩は、DN
A、RNAをコイル状のミクロの凝集体を形成させ、多
孔膜により除去性能を増大させるものであれば、いかな
る塩であっても良い。この範疇の塩として、金属カチオ
ンとアニオンより形成される無機塩が含まれる。具体的
には、LiCl, NaCl,KCl, RbCl, CsCl2, MgCl2, CaCl2,
SrCl2,BaCl2, FeCl2, FeCl3, CuCl2等である。また、上
記塩中のカチオンの対イオンとして、硫酸イオン、リン
酸イオン、酢酸イオン等に置換された塩も含まれる。さ
らに、これらの塩の混合物であっても良い。この内好ま
しい塩としては、医薬品中のDNA、RNAの除去を目
的とした場合、医薬品並びに生体への毒性が低いことが
望まれるため、NaCl、KCl 並びにCaCl2 等が好ましい。
【0006】塩濃度としては、0.15M 以上飽和塩濃度ま
でであり、0.15M より1.0Mの塩濃度範囲が好ましい。こ
の理由として、高濃度の塩が入るとタンパク質自身が塩
析しやすくなり、タンパク質よりなる医薬品とDNA、
RNAとの分離が困難になるためである。また、あまり
低濃度の塩では、DNA、RNAをコイル状のミクロ凝
集体に形成できないためである。
でであり、0.15M より1.0Mの塩濃度範囲が好ましい。こ
の理由として、高濃度の塩が入るとタンパク質自身が塩
析しやすくなり、タンパク質よりなる医薬品とDNA、
RNAとの分離が困難になるためである。また、あまり
低濃度の塩では、DNA、RNAをコイル状のミクロ凝
集体に形成できないためである。
【0007】本発明において用いるタンパク質は、DN
A、RNAとイオンコンプレックス体としてミクロの凝
集体を形成させ、多孔膜により除去性能を増大させるも
のであれば、いかなるタンパク質であっても良い。具体
的な蛋白質の例として、アルブミン、グロブリン、リゾ
チーム等である。蛋白質濃度は、50ppm 以上の必要があ
る。この濃度以下では、蛋白質はDNA、RNAをコイ
ル状のミクロ凝集体に形成できないためである。好まし
い濃度としては、500ppm以上であることが好ましく、さ
らに20000ppm以上の蛋白質を原液に加えると、粘性が高
くなり、膜透過流量が減少するため相応しくない。
A、RNAとイオンコンプレックス体としてミクロの凝
集体を形成させ、多孔膜により除去性能を増大させるも
のであれば、いかなるタンパク質であっても良い。具体
的な蛋白質の例として、アルブミン、グロブリン、リゾ
チーム等である。蛋白質濃度は、50ppm 以上の必要があ
る。この濃度以下では、蛋白質はDNA、RNAをコイ
ル状のミクロ凝集体に形成できないためである。好まし
い濃度としては、500ppm以上であることが好ましく、さ
らに20000ppm以上の蛋白質を原液に加えると、粘性が高
くなり、膜透過流量が減少するため相応しくない。
【0008】本発明において用いられる多孔膜は、孔径
1.0 ミクロン以下の孔径を有する精密ろ過膜、限外ろ過
膜、フィルター等である。具体的な例として、孔径0.1
ミクロンより1.0 ミクロンの四沸化エチレン樹脂製多孔
膜並びにポリエチレン樹脂製多孔膜、孔径0.015 ミクロ
ンより1.0 ミクロンのポリカーボネート製多孔膜、分画
分子量3000以上のポリスルホン製限外ろ過膜並びに酢酸
セルロース製限外ろ過膜等である。また膜形態は、平
膜、中空糸膜、スパイラル膜等いかなる形態を有してい
てもよい。
1.0 ミクロン以下の孔径を有する精密ろ過膜、限外ろ過
膜、フィルター等である。具体的な例として、孔径0.1
ミクロンより1.0 ミクロンの四沸化エチレン樹脂製多孔
膜並びにポリエチレン樹脂製多孔膜、孔径0.015 ミクロ
ンより1.0 ミクロンのポリカーボネート製多孔膜、分画
分子量3000以上のポリスルホン製限外ろ過膜並びに酢酸
セルロース製限外ろ過膜等である。また膜形態は、平
膜、中空糸膜、スパイラル膜等いかなる形態を有してい
てもよい。
【0009】
【発明の効果】本発明の効果を列挙すれば、以下のとお
りである。 1) 一回の膜ろ過によりDNA、RNAの排除性が向上
するため、食品、医薬品の製造経費を低下させることが
可能になり、生産費が安価となる。 2) 食品、医薬品中のDNA、RNA含有量が低下し、
純度の高い食品、医薬品を得ることが出来る。
りである。 1) 一回の膜ろ過によりDNA、RNAの排除性が向上
するため、食品、医薬品の製造経費を低下させることが
可能になり、生産費が安価となる。 2) 食品、医薬品中のDNA、RNA含有量が低下し、
純度の高い食品、医薬品を得ることが出来る。
【0010】
【実施例】次に実施例によってこの発明をさらに具体的
に説明する。
に説明する。
【実施例1】牛胸腺DNA(シグマ社製、タイプ1)を
トリスアミノメタン塩酸塩(5mM/1)/エチレンジアミン・
4 酢酸・2 ナトリウム(0.5mM/1) 緩衝液に溶解し、酢酸
を添加してpH8.0 のDNA水溶液を調製した。このDN
A水溶液にNaClを所定の濃度になるように添加した。孔
径0.1 μm のフロロポア膜 (FP-010、住友電工社製)を
限外ろ過装置(UHP-43K, アドバンテック社製) に取り付
け、上記より調製したNaCl含有DNA水溶液を限外ろ過
した。膜を透過してきた透過液 3mlに、0.25mg/ml のエ
チジウムブロマイド緩衝溶液 (pH8.0)を 6μl 添加、励
起波長 520nm、蛍光波長 581nmでDNAにインターカレ
ートされたエチジウムブロマイドよりDNA濃度を定量
した。0.15mol/L のNaClを含有する5ppmDNA水溶液(p
H8.0)(蛋白質無添加) では、DNAの排除率は測定時間
に依存せず99%以上であった。ここで、DNAの排除率
は以下のように定義した。 排除率 (%) =(1-(濾液中のDNA濃度)/原液中の
DNA濃度))×100 また、透水量は、測定時間30分後、6.88×10-2g/cm2min
であった。
トリスアミノメタン塩酸塩(5mM/1)/エチレンジアミン・
4 酢酸・2 ナトリウム(0.5mM/1) 緩衝液に溶解し、酢酸
を添加してpH8.0 のDNA水溶液を調製した。このDN
A水溶液にNaClを所定の濃度になるように添加した。孔
径0.1 μm のフロロポア膜 (FP-010、住友電工社製)を
限外ろ過装置(UHP-43K, アドバンテック社製) に取り付
け、上記より調製したNaCl含有DNA水溶液を限外ろ過
した。膜を透過してきた透過液 3mlに、0.25mg/ml のエ
チジウムブロマイド緩衝溶液 (pH8.0)を 6μl 添加、励
起波長 520nm、蛍光波長 581nmでDNAにインターカレ
ートされたエチジウムブロマイドよりDNA濃度を定量
した。0.15mol/L のNaClを含有する5ppmDNA水溶液(p
H8.0)(蛋白質無添加) では、DNAの排除率は測定時間
に依存せず99%以上であった。ここで、DNAの排除率
は以下のように定義した。 排除率 (%) =(1-(濾液中のDNA濃度)/原液中の
DNA濃度))×100 また、透水量は、測定時間30分後、6.88×10-2g/cm2min
であった。
【0011】
【実施例2】実施例1と同様にして、0.4mol/LのNaClを
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-010、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず99%以上であ
った。
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-010、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず99%以上であ
った。
【0012】
【実施例3】実施例1と同様にして、0.4mol/LのNaClを
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径0.65μm のフロロポア膜 (FP-065、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず98%以上であ
った。
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径0.65μm のフロロポア膜 (FP-065、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず98%以上であ
った。
【0013】
【実施例4】実施例1と同様にして、0.4mol/LのNaClを
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径 1.0μm のフロロポア膜 (FP-100、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず98%以上であ
った。
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径 1.0μm のフロロポア膜 (FP-100、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず98%以上であ
った。
【0014】
【実施例5】実施例1と同様にして、0.8mol/LのNaClを
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-010、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず99%以上であ
った。
含有する5ppmDNA緩衝溶液(pH8.0)(蛋白質無添加) を
調製した。孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-010、住友
電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限外ろ過した
所、DNAの排除率は測定時間に依存せず99%以上であ
った。
【0015】
【実施例6】実施例1と同様にして、塩を含有しない 1
0ppmDNA緩衝溶液(pH8.0) を調製した。これに 10000
ppm ガンマーグロブリン緩衝溶液(pH8.0) を等量添加
し、塩無添加5000ppm ガンマーグロブリン含有5 ppm D
NA緩衝溶液(pH8.0) を調製した。孔径0.1 μm のフロ
ロポア膜 (FP-010、住友電工社製) を用いてこのDNA
緩衝溶液を限外ろ過した所、DNAの排除率は98%以上
であった。
0ppmDNA緩衝溶液(pH8.0) を調製した。これに 10000
ppm ガンマーグロブリン緩衝溶液(pH8.0) を等量添加
し、塩無添加5000ppm ガンマーグロブリン含有5 ppm D
NA緩衝溶液(pH8.0) を調製した。孔径0.1 μm のフロ
ロポア膜 (FP-010、住友電工社製) を用いてこのDNA
緩衝溶液を限外ろ過した所、DNAの排除率は98%以上
であった。
【0016】
【実施例7】ヒト−ヒトハイブリドーマ細胞であるHB
4C5細胞株を常法により無血清培地(ERDF培地)
を用いて培養した(F.Murakami et al., Cytotechnolog
y, 24,177-182(1997)を参照して培養) 。HB4C5細
胞株が産生するヒト肺癌特異的モノクローナル抗体(Ig
M) は、培養5日目に 4.0μg/mlであった。この培養液5
0ml中のDNA量は、120pg であった。この培養液にガ
ンマーグロブリンを5000ppm にあるように添加した (塩
無添加) 。ガンマーグロブリン含有培養液を孔径 0.1μ
m のフロロポア膜 (FP-010、住友電工社製) を用いて限
外ろ過した所、DNA量は、検出限界以下(5pg以下) で
あった。この時のモノクローナル抗体濃度は3.8μg/ml
であり、ろ過する前とほぼ同濃度であった。
4C5細胞株を常法により無血清培地(ERDF培地)
を用いて培養した(F.Murakami et al., Cytotechnolog
y, 24,177-182(1997)を参照して培養) 。HB4C5細
胞株が産生するヒト肺癌特異的モノクローナル抗体(Ig
M) は、培養5日目に 4.0μg/mlであった。この培養液5
0ml中のDNA量は、120pg であった。この培養液にガ
ンマーグロブリンを5000ppm にあるように添加した (塩
無添加) 。ガンマーグロブリン含有培養液を孔径 0.1μ
m のフロロポア膜 (FP-010、住友電工社製) を用いて限
外ろ過した所、DNA量は、検出限界以下(5pg以下) で
あった。この時のモノクローナル抗体濃度は3.8μg/ml
であり、ろ過する前とほぼ同濃度であった。
【0017】
【実施例8】ヒト−ヒトハイブリドーマ細胞であるHB
4C5細胞株を常法により無血清培地(ERDF培地)
を用いて培養した(F.Murakami et al., Cytotechnolog
y, 24,177-182(1997)を参照して培養) 。HB4C5細
胞株が産生するヒト肺癌特異的モノクローナル抗体(Ig
M) は、培養5日目に 4.0μg/mlであった。この培養液5
0ml中のDNA量は、120pg であった。この培養液にNaC
lを0.4mol/Lになるように添加した (蛋白質無添加) 。N
aCl含有培養液を孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-01
0、住友電工社製) を用いて限外ろ過した所、DNA量
は、検出限界以下(5pg以下) であった。この時のモノク
ローナル抗体濃度は 3.7μg/mlであり、ろ過する前とほ
ぼ同濃度であった。
4C5細胞株を常法により無血清培地(ERDF培地)
を用いて培養した(F.Murakami et al., Cytotechnolog
y, 24,177-182(1997)を参照して培養) 。HB4C5細
胞株が産生するヒト肺癌特異的モノクローナル抗体(Ig
M) は、培養5日目に 4.0μg/mlであった。この培養液5
0ml中のDNA量は、120pg であった。この培養液にNaC
lを0.4mol/Lになるように添加した (蛋白質無添加) 。N
aCl含有培養液を孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-01
0、住友電工社製) を用いて限外ろ過した所、DNA量
は、検出限界以下(5pg以下) であった。この時のモノク
ローナル抗体濃度は 3.7μg/mlであり、ろ過する前とほ
ぼ同濃度であった。
【0018】
【比較例1】実施例1と同様にして、塩を含有せず、ま
たタンパク質を添加されていない5ppm DNA緩衝溶液
(pH8.0)を調製した。孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP
-010、住友電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限
外ろ過した所、測定時間5分後では、DNAの排除率は
46%であった。また、測定時間10分後では、DNAの排
除率は54%であった。さらに、測定時間20分後では、D
NAの排除率は73%であった。また、透水量は、測定時
間30分後、6.10×10-2g/cm2minであった。
たタンパク質を添加されていない5ppm DNA緩衝溶液
(pH8.0)を調製した。孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP
-010、住友電工社製) を用いてこのDNA緩衝溶液を限
外ろ過した所、測定時間5分後では、DNAの排除率は
46%であった。また、測定時間10分後では、DNAの排
除率は54%であった。さらに、測定時間20分後では、D
NAの排除率は73%であった。また、透水量は、測定時
間30分後、6.10×10-2g/cm2minであった。
【0019】
【比較例2】比較例1と同様にして、NaClを0.015 mol/
L 含有するが、タンパク質が添加されていない 5ppm D
NA緩衝溶液(pH8.0) を調製した。孔径 0.1μm のフロ
ロポア膜 (FP-010、住友電工社製) を用いてこのDNA
緩衝溶液を限外ろ過した所、測定時間5分後では、DN
Aの排除率は62%であった。また、測定時間10分後で
は、DNAの排除率は73%であった。さらに、測定時間
20分後では、DNAの排除率は81%であった。
L 含有するが、タンパク質が添加されていない 5ppm D
NA緩衝溶液(pH8.0) を調製した。孔径 0.1μm のフロ
ロポア膜 (FP-010、住友電工社製) を用いてこのDNA
緩衝溶液を限外ろ過した所、測定時間5分後では、DN
Aの排除率は62%であった。また、測定時間10分後で
は、DNAの排除率は73%であった。さらに、測定時間
20分後では、DNAの排除率は81%であった。
【0020】
【比較例3】実施例7と同様にして、ヒト−ヒトハイブ
リドーマ細胞であるHB4C5細胞株を常法により無血
清培地(ERDF培地)を用いて培養した(F.Murakami
et al., Cytotechnology, 24,177-182(1997)を参照して
培養) 。HB4C5細胞株が産生するヒト肺癌特異的モ
ノクローナル抗体(IgM) は、培養5日目に 4.0μg/mlで
あった。この培養液50ml中のDNA量は、120pg であっ
た。この培養液にNaClまたは、蛋白質等を添加せずに、
そのまま孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-010、住友電
工社製) を用いて限外ろ過した所、DNA量は、73pgで
あった。以上より明らかなように原液中にNaClあるい
は、タンパク質が所定量添加されていると多孔膜による
りDNAの排除率が顕著に向上していた。
リドーマ細胞であるHB4C5細胞株を常法により無血
清培地(ERDF培地)を用いて培養した(F.Murakami
et al., Cytotechnology, 24,177-182(1997)を参照して
培養) 。HB4C5細胞株が産生するヒト肺癌特異的モ
ノクローナル抗体(IgM) は、培養5日目に 4.0μg/mlで
あった。この培養液50ml中のDNA量は、120pg であっ
た。この培養液にNaClまたは、蛋白質等を添加せずに、
そのまま孔径 0.1μm のフロロポア膜 (FP-010、住友電
工社製) を用いて限外ろ過した所、DNA量は、73pgで
あった。以上より明らかなように原液中にNaClあるい
は、タンパク質が所定量添加されていると多孔膜による
りDNAの排除率が顕著に向上していた。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩を0.15mol/L 以上原液に加えて多孔膜
を用いてろ過し、DNA及び、またはRNAを原液中よ
り除去する方法。 - 【請求項2】 タンパク質を50ppm 以上原液に加えて多
孔膜を用いてろ過し、DNA及び、またはRNAを原液
中より除去する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10163028A JPH11333259A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | Dna、rnaの効率的除去法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10163028A JPH11333259A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | Dna、rnaの効率的除去法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11333259A true JPH11333259A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15765825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10163028A Withdrawn JPH11333259A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | Dna、rnaの効率的除去法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11333259A (ja) |
-
1998
- 1998-05-26 JP JP10163028A patent/JPH11333259A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050802 |