JPH11333238A - 機能性パネル - Google Patents

機能性パネル

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JPH11333238A
JPH11333238A JP10149000A JP14900098A JPH11333238A JP H11333238 A JPH11333238 A JP H11333238A JP 10149000 A JP10149000 A JP 10149000A JP 14900098 A JP14900098 A JP 14900098A JP H11333238 A JPH11333238 A JP H11333238A
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JP
Japan
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water
layer
porous body
heating element
moisture
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Application number
JP10149000A
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English (en)
Inventor
Katsuya Wakita
克也 脇田
Masanori Hirota
正宣 広田
Nobuhiro Nakagawa
信博 中川
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の調湿パネルにおいては水分の吸湿及び
放出過程が大気における湿度と吸着材間の自然拡散に依
存しており、適切な時間内での調湿や、室内あるいは一
定の閉空間における任意の湿度レベルまでの調湿が困難
であった。 【解決手段】 発熱体3と吸水性高分子層又は吸水性ゴ
ム層1と多孔質体層2から構成され、吸水性高分子層又
は吸水性ゴム層1に吸着された水分を発熱体3による熱
負荷によって人為的に気化放出させる調湿機能を有する
機能性パネルとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気質の制御に関
し、更に詳しくは室内空気中の水分の吸脱着を行う調湿
機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅を主とする建築分野において
は省エネルギーの観点より高気密,高断熱化が進められ
ている。そのため、居住空間と外界との空気の流れが遮
断され、温度的に異なった2空間が隣接された状態が形
成される事となる。異なった温度の2空間が隣接された
場合には温度が高い側(室内)の空気中に含まれている
水蒸気が低温空間との接触面において飽和蒸気圧の差に
よって結露現象を起こし、室内の空気は水蒸気が供給さ
れない限り、常に乾燥状態となっている。さらには空調
機器等を使用した場合にも、室内は乾燥気味であった。
この様な背景において、室内空気の湿度を人間が生活す
る上で適切なレベルに保つ調湿機能は非常に重要な技術
であり、調湿を行うための材料や方式が数多く報告され
ている。
【0003】従来の調湿材料としては美術工芸品陳列ケ
ース内等の調湿パネルとして通気材と非通気材との間を
多数の小室にて分割し、その小室内に吸湿材を封入する
構成とした報告が特開昭58−47939号公報に示さ
れている。
【0004】以下、図面を参照しながら上記従来の調湿
パネルを説明する。図5は、従来の調湿パネルの断面図
である。図5において8は通気材料であり9は非通気材
料、9aはアルミ箔,10は保持材料であり、11は小
室,12は調湿剤である。
【0005】以上のように構成された調湿パネルについ
て、以下その動作を説明する。美術工芸品陳列ケース内
におかれた上記調湿パネルは通気材料8を通じてパネル
内に導入され、背面部が非通気材料9となっているため
に、背面から通り抜けることはできなくなっている。さ
らに、非通気材料9表面にアルミ箔9aは被覆されてい
るために、水分子の透過性はさらに抑えられている。通
気材料8を通じて導入された大気中の水分子は調湿パネ
ル内に設けられた小室11に充填されている調湿剤12
に吸着されることとなる。背面部に非通気性の効果を持
たせ、小室11内に滞留させる時間を長くすることによ
り吸着効率の向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の調湿パ
ネルにおいては大気中の水分を吸湿する過程ばかりでは
なく吸着した水分を吸湿剤から放出する過程においても
大気における湿度と吸着材における自然拡散に依存する
ために、適切な時間内での調湿や、室内あるいは一定の
閉空間における任意の湿度レベルまでの調湿効果を人為
的に調節することが難しかった。さらに、壁材等に用い
られた際には、取り外しや設置場所を変更することが困
難であるといった課題が存在した。また、大気中水分の
吸収及び放出に関する機能のみであり、調湿を行いなが
ら室内に芳香成分を拡散させることはできなかった。さ
らに各種調湿材料の大気と接触する表面は水分との接触
機会が多く、カビが生育しやすい環境が創出され、調湿
材料自身の機能を低下させたり美感をそこねるといった
課題が存在した。
【0007】本発明は、これらの課題を解決するもので
あり大気と吸着材との間での水分の吸放出を人為的に制
御することができる調湿機能を有する機能性パネルを提
供することを目的とする。また、本発明の目的は室内あ
るいは閉空間内に芳香成分を人為的に制御しながら拡散
させる機能を有する機能性パネルを提供することを目的
とする。
【0008】さらに本発明は大気接触面でのカビの繁殖
を防ぐ調湿機能を有した機能性パネルを提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は以下のような構成とする。
【0010】すなわち、本発明は、発熱体と吸水性高分
子層又は吸水性ゴム層と多孔質体層から構成され、前記
多孔質体を通過した水分子が一時的に前記高分子層によ
って保持または吸収され、前記発熱体による前記吸水性
高分子層又は吸水性ゴム層への熱負荷によって気化した
吸水性高分子層又は吸水性ゴム層中の水分子が再び多孔
質体層を通って放出される機能性パネルとした。
【0011】これにより、吸水性高分子層又は吸水性ゴ
ム層中に吸着あるいは保持された水分は多孔質体層を介
して人為的に制御しながら放出させることが可能とな
る。
【0012】また本発明は、発熱体と水分吸着能を有す
る粉末がバインダー成分によって固定化された層(以下
水分吸着層)と多孔質体層から構成され、前記多孔質体
を通過した水分子が一時的に前記水分吸着層によって吸
着され、前記発熱体による前記水分吸着層への熱負荷に
よって気化した水分吸着層中の水分子が再び多孔質体層
を通って放出される機能性パネルとした。
【0013】これにより、水分吸着層に吸着されていた
水分は多孔質体層を介して人為的に制御しながら放出さ
せることが可能となる。また、水分吸着能を有する粉末
を用いているために水分吸着層自身の吸水能が向上し、
調湿可能な湿度範囲も広くすることが可能となる。
【0014】また本発明は、発熱体と芳香成分がバイン
ダー成分によって固定化された層と多孔質体層から構成
され、前記発熱体による前記芳香成分がバインダー成分
によって固定化された層への熱負荷によって気化した芳
香成分が前記多孔質層を通って放出される機能性パネル
とした。
【0015】これにより、多孔質体層を介して芳香成分
を人為的に制御しながら放出させることが可能となる。
【0016】さらに本発明は、上記機能性パネルにおけ
る多孔質体層の空気と接触している面に抗カビ効果を有
する被膜が形成されている機能性パネルとした。
【0017】これにより、調湿機能を有した各種機能性
パネルにおいて、大気と接触する多孔質体層表面でのカ
ビの繁殖を防ぐことが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、多孔質体と発熱体との間に吸水性高分子又は吸水性
ゴムからなる層が設置された構成からなる調湿効果を有
する機能性パネルであり、大気と接触している多孔質体
の孔を通って拡散されてくる大気中の水分を吸水性高分
子又は吸水性ゴム材によって吸着する作用を有してい
る。さらに本発明は、吸着された水分が発熱体からの熱
負荷によって再度気体状態の水分となり多孔質体を通っ
て大気中に放出されるという作用を有し、発熱体の熱負
荷の大きさを変化させる事によって放出される水分の量
を制御する作用を有している。
【0019】ここで、吸水性高分子には複数の高分子材
料であっても問題は無く、セルロース,ポリビニルアル
コール,ポリアクリルアミドあるいはポリオキシエチレ
ンのいずれか一成分を含んでいることが吸水能力を向上
させるために好ましい。
【0020】請求項3に記載の発明は、多孔質体と発熱
体との間に水分吸着層が設置された構成からなる調湿効
果を有する機能性パネルであり、大気と接触している多
孔質体の孔を通って拡散されてくる大気中の水分を水分
吸着層によって吸着する作用を有している。さらに本発
明は、吸着された水分が発熱体からの熱負荷によって再
度気体状態の水分となり多孔質体を通って大気中に放出
されるという作用を有し、発熱体の熱負荷の大きさを変
化させる事によって放出される水分の量を制御する作用
を有している。
【0021】また、本発明は水分吸着能を有する粉末を
添加させていることにより水分吸着層の吸水能力を向上
させ調湿することが可能な湿度範囲を広げる作用を有し
ている。
【0022】ここで、水分吸着能を有する粉末とは吸着
表面積が大きいシリカゲル,活性アルミナあるいは合成
ゼオライトが好ましい。
【0023】請求項5に記載の発明は、多孔質体と発熱
体との間にバインダー成分によって固定化された芳香剤
を含む層が設けられた構成からなる機能性パネルであ
り、発熱体からの熱負荷によって気体状態となった芳香
剤が多孔質体を通って放出される作用を有し、発熱体の
熱負荷の大きさを変化させる事によって放出される芳香
剤の量を制御する作用を有している。
【0024】請求項6に記載の発明は、多孔質体と発熱
体との間に吸水能を有する層を持つ機能性パネルにおい
て、大気と接触する多孔質体表面が抗カビ剤によって被
覆された構成からなるものであり、多孔質体を通しての
大気と吸水能を有する層との水分の出入りにおいて多孔
質体表面でのカビの繁殖を防ぎ、調湿性能の長期維持と
機能性パネルの美感を維持する作用を有する。
【0025】ここで、請求項1,3,5又は6における
多孔質体とはセラミックス材料あるいは多孔質ガラスが
好ましい。
【0026】
【実施例】以下本発明で適用される機能性パネルについ
て図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】(実施例1)図1は本発明における機能性
パネルの断面図である。図中1は大気中からの水分を吸
収し、熱負荷によって再度吸収した水分を放出するため
の吸水性高分子材料又は吸水性ゴム材料であり、2は大
気と前記吸水性高分子材料又は吸水性ゴム材料との間で
の水分子の通路となり、本発明の機能性パネルの構造的
な強度を保つ役割を有する多孔質体である。
【0028】また、3は吸水性高分子材料又は吸水性ゴ
ム材料に吸収された水分を再度放出させるための発熱体
である。
【0029】また、本発明の多孔質体1とはセラミック
ス材料,多孔質ガラス,木質単板,石膏ボード及びポリ
エチレン,ポリスチレン等の高分子材料からなるもので
ある。
【0030】また、本発明の吸水性高分子2とは、単一
あるいは複数の高分子材料から構成されていても問題は
無いが、セルロース,ポリビニルアルコール,ポリアク
リルアミドあるいはポリオキシエチレンのいずれか一成
分を含むものである。上記の高分子材料と混合して用い
られる高分子材料としては、特に限定するものでは無い
が、テフロン,ポリエチレン,ポリスチレン,ポリエチ
レンテレフタレート,ナイロン,ポリビニルクロライ
ド,ポリプロピレン,ポリアクリロニトリルポリジメチ
ルシロキサン等が挙げられる。これらの高分子材料を組
み合わせる事により種々の吸水能力を有した吸水性材料
とすることが可能となる。
【0031】また、本発明の吸水性ゴム2とは、天然ゴ
ム,クロロプレンゴム,ブチレンゴム,スチレンブタジ
エンゴム等であり、マグネシアや親水性の充填剤を加え
た各種ゴムが挙げられる。
【0032】また、本発明の発熱体3とは特に加熱方式
について限定される事は無く、室温(25℃)から80
℃程度まで加熱することが可能であれば問題は無い。ま
た、発熱体中にニクロム線等を埋め込み、通電すること
によって発生するジュール熱を利用するような直接的な
加熱方式であっても、他の熱源より熱を伝達させること
による間接的な加熱方式であっても問題は無い。
【0033】より具体的な実施例として多孔質体に多孔
質ガラスを用い、吸水性高分子材料としてポリビニルア
ルコールを用いて図1に示されるような機能性パネルを
作製した。作製したパネルを相対湿度70%に設定した
展示ケースの壁面に固定化し、展示ケース全体を25℃
に保ち24hr放置した。24hr経過後に展示ケース
内の湿度は相対湿度55%にまで低下していた。
【0034】展示ケース内の相対湿度が低下したことを
確認した後、パネル後方に設置されている発熱体に通電
し、パネル全体を70℃まで加熱した。通電後、展示ケ
ース内の相対湿度は経時的に増加していくことが確認さ
れ、通電開始より30min後には相対湿度が60%に
まで上昇していた。また、相対湿度が60%まで上昇し
たのを確認した後、加熱することを停止し再び放置して
いたところ、24hr経過後には相対湿度が55%まで
下がっていた。
【0035】以上のように、本発明の機能性パネルは発
熱体と吸水性高分子又は吸水性ゴムからなる層と多孔質
体層から構成される事により、吸水性高分子又は吸水性
ゴムからなる層が大気中の水分を吸収し相対湿度を低下
させ、発熱体によって加熱することにより吸水性高分子
又は吸水性ゴムからなる層が吸収した水分を再放出する
ことにより相対湿度を上昇させることが可能であり本発
明の機能性パネルが置かれた空間の調湿を行うことがで
きる。
【0036】(実施例2)図2は本発明における別の形
態での機能性パネルの断面図であり、基本的な構成は実
施例1におけるものとほぼ同じである。図中4は水分吸
着能を有する粉末であり、5はその粉末を固定化するた
めのバインダーである。ここで、水分吸着能を有する粉
末4とはシリカゲル,活性アルミナあるいは合成ゼオラ
イトを少なくとも一成分含んだものである。
【0037】また、固定化のためのバインダー5とは水
分吸着能を有する粉末4と化学反応をひき起すことが無
く混合させることが可能な物質であり、カリオン,ベン
トナイト,アタプルガイトのような粘土鉱物やガラス転
移温度が80℃以上の高分子材料である。バインダー5
として用いられる高分子材料は先に記述した吸水性高分
子2であっても問題は無い。
【0038】また、水分吸着能を有する粉末4の粒径に
おいては特に限定されることは無いが、粒径が微細な程
水分を吸着する能力が高くなるために好ましい。
【0039】より具体的な実施例として多孔質体にセラ
ミックス材料を用い、水分吸着能を有する粉末に粒径1
0μmの合成ゼオライト粉末を用い、バインダーとして
ポリアクリルアミドを用いて図2に示されるような機能
性パネルを作製した。作製したパネルを相対湿度70%
に設定した展示ケースの壁面に固定化し、展示ケース全
体を25℃に保ち24hr放置した。24hr経過後に
展示ケース内の湿度は相対湿度45%にまで低下してい
た。展示ケース内の相対湿度が低下したことを確認した
後、パネル後方に設置されている発熱体に通電し、パネ
ル全体を70℃まで加熱した。通電後、展示ケース内の
相対湿度は経時的に増加していくことが確認され、通電
開始より30min後には相対湿度が65%にまで上昇
していた。また、相対湿度が65%まで上昇したのを確
認した後、加熱することを停止し再び放置していたとこ
ろ、24hr経過後には相対湿度が50%まで下がって
いた。
【0040】以上のように、本発明の機能性パネルは発
熱体と水分吸着層と多孔質体層とから構成され、水分吸
着層が大気中の水分を吸収し相対湿度を低下させ、発熱
体によって加熱することにより、水分吸着層が吸収した
水分を再放出することにより本発明の機能性パネルが置
かれた空間の調湿を行うことができる。
【0041】(実施例3)図3は本発明における別の形
態での機能パネルの断面図であり、基本的な構成は実施
例1におけるものとほぼ同じである。図中6は芳香剤で
あり、バインダー5中に分散されて存在している。本発
明の芳香剤6は特に固体物質あるいは液状物質に限定さ
れるものでは無いが、気化する温度が80℃以下である
ことが好ましい。
【0042】より具体的な実施例として多孔質体2に多
孔質ガラス材料を用い、芳香剤6にジャスミン油を用
い、バインダー5としてポリアクリルアミドを用いて図
3に示されるような機能性パネルを作製した。作製した
パネルを相対湿度70%に設定した展示ケースの壁面に
固定化し、展示ケース全体を25℃に保ち24hr放置
した。24hr経過後に展示ケース内の湿度は相対湿度
55%にまで低下していた。展示ケース内の相対湿度が
低下したことを確認した後、パネル後方に設置されてい
る発熱体に通電し、パネル全体を70℃まで加熱した。
通電後、展示ケース内にジャスミン臭が漂うと共に展示
ケース内の相対湿度は経時的に増加していくことが確認
され、通電開始より30min後には相対湿度が65%
にまで上昇していた。また、パネルの温度を50℃で加
熱した場合においては、官能試験での結果ではあるが通
電開始から30min経過後においても加熱温度が70
℃の場合と比べてジャスミン臭は強く感じなかった。
【0043】以上のように、本発明の機能性パネルは発
熱体と芳香成分を含む層と多孔質体層から構成され、発
熱体によってパネルの加熱温度を変化させる事によりバ
インダー中に固定されている芳香成分の揮発量を制御す
ることができる。
【0044】(実施例4)図4は本発明における別の形
態での機能性パネルの断面図であり、基本的な構成は実
施例1におけるものとほぼ同じである。図中7は抗カビ
被膜であり、多孔質体2の表面にカビが繁殖することを
防ぐものである。本発明での抗カビ被膜の形成において
は、抗カビ機能を有するシート状に形成されたものを多
孔質体2表面上に接着させる手法でも、抗カビ機能を有
する化学物質を溶剤に溶かした後、多孔質体2表面に塗
布する手法であっても問題は無い。抗カビ機能を有する
化学物質としてはソルビン酸カリウム,2−ベンツイミ
ダゾールカルバミック酸メチル(BCM),ジンクピリ
チオン(ZPT)等が挙げられる。
【0045】より具体的な実施例として多孔質体2にセ
ラミック材料を用い、抗カビ被膜7をジンクピリチオン
をメタノールにて溶解させた後、塗布することによって
形成し、吸水性高分子1としてポリビニルアルコールを
用いて図4に示されるような機能性パネルを作製した。
相対湿度を80%まで高め、容器内温度を37℃に設定
した容器内に前記機能性パネルを設置し、容器内水分の
吸着・放出を繰り返す実験を1000時間行ったが、多
孔質体2表面にカビの発生は観られなかった。
【0046】比較例として、抗カビ被膜を形成しないこ
と以外は実施例4と同じ構成の機能性パネルを作製し、
同じ環境下での実験を繰り返したところ、200時間経
過後に多孔質体2の表面にカビの発生が観測された。
【0047】以上のように本発明の機能性パネルは調湿
機能だけでは無く、大気と接触している多孔質体層の表
面に抗カビ効果を有する被膜が形成されている構成とな
っているため、高温多湿環境下においても調湿操作にお
いて大気と接触し、水分の出入りが頻繁であるパネル表
面でのカビの繁殖を防ぐことができる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
請求項1に記載の発明は、多孔質体と発熱体との間に吸
水性高分子又は吸水性ゴムからなる層が設置された構成
からなる調湿効果を有する機能性パネルであり、大気と
接触している多孔質体の孔を通って拡散されてくる大気
中の水分を吸水性高分子又は吸水性ゴム材によって吸着
することができる。さらに本発明は、吸着された水分が
発熱体からの熱負荷によって再度気体状態の水分となり
多孔質体を通って大気中に放出されるという作用を有
し、発熱体の熱負荷の大きさを変化させる事によって放
出される水分の量を制御することができる。
【0049】また請求項3の発明は多孔質体と発熱体と
の間に水分吸着層が設置された構成からなる調湿効果を
有する機能性パネルであり、大気と接触している多孔質
体の孔を通って拡散されてくる大気中の水分を水分吸着
層によって吸着することができる。さらに本発明は、吸
着された水分が発熱体からの熱負荷によって再度気体状
態の水分となり多孔質体を通って大気中に放出されると
いう作用を有し、発熱体の熱負荷の大きさを変化させる
事によって放出される水分の量を制御することができ
る。
【0050】また、本発明は水分吸着能を有する粉末を
添加させていることにより水分吸着層の吸水能力を向上
させ調湿することが可能な湿度範囲を広げることができ
る。
【0051】また請求項5の発明は多孔質体と発熱体と
の間にバインダー成分中に固定化された芳香剤を含む層
が設けられた構成からなる機能性パネルであり、発熱体
からの熱負荷によって気体状態となった芳香剤が多孔質
体を通って放出される作用を有し、発熱体の熱負荷の大
きさを変化させる事によって放出される芳香剤の量を制
御することができる。
【0052】さらに請求項6の発明は、多孔質体と発熱
体との間に吸水能を有する層を持つ機能性パネルにおい
て、大気と接触する多孔質体表面が抗カビ剤によって被
覆された構成からなるものであり、多孔質体を通しての
大気と吸水能を有する層との水分の出入りにおいて多孔
質体表面のカビの繁殖を防ぎ、調湿性能の長期維持と機
能性パネルの美感を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施例1の機能性パネルの断面図
【図2】本発明による実施例2の機能性パネルの断面図
【図3】本発明による実施例3の機能性パネルの断面図
【図4】本発明による実施例4の機能性パネルの断面図
【図5】従来例による調湿パネルの断面図
【符号の説明】
1 吸水性高分子または吸水性ゴム 2 多孔質体 3 発熱体 4 水分吸着能を有する粉末 5 バインダー 6 芳香剤 7 抗カビ被膜 8 通気材料 9 非通気材料 9a アルミ箔 10 保持材料 11 小室 12 調湿剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱体と吸水性高分子層又は吸水性ゴム層
    と多孔質体層から構成され、前記多孔質体を通過した水
    分子が一時的に前記高分子層又は吸水性ゴム層によって
    保持または吸収され、前記発熱体による前記吸水性高分
    子層又は吸水性ゴム層への熱負荷によって気化した吸水
    性高分子層又は吸水性ゴム層中の水分子が再び多孔質体
    層を通って放出されることを特徴とする機能性パネル。
  2. 【請求項2】前記吸水性高分子層が少なくともセルロー
    ス,ポリビニルアルコール,ポリアクリルアミドあるい
    はポリオキシエチレンのいずれか一成分を含んでいるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の機能性パネル。
  3. 【請求項3】発熱体と水分吸着能を有する粉末がバイン
    ダー成分によって固定化された層(以下水分吸着層)と
    多孔質体層から構成され、前記多孔質体を通過した水分
    子が一時的に前記水分吸着層によって吸着され、前記発
    熱体による前記水分吸着層への熱負荷によって気化した
    水分吸着層中の水分子が再び多孔質体層を通って放出さ
    れることを特徴とする機能性パネル。
  4. 【請求項4】前記水分吸着能を有する粉末が、シリカゲ
    ル,活性アルミナあるいは合成ゼオライトであることを
    特徴とする請求項3に記載の機能性パネル。
  5. 【請求項5】発熱体と芳香成分がバインダー成分によっ
    て固定化された層と多孔質体層から構成され、前記発熱
    体による前記芳香成分を含む層への熱負荷によって気化
    した芳香成分が前記多孔質層を通って放出されることを
    特徴とする機能性パネル。
  6. 【請求項6】前記多孔質体層の空気と接触している面に
    抗カビ効果を有する被膜が形成されていることを特徴と
    する請求項1,3または5に記載の機能性パネル。
  7. 【請求項7】前記多孔質体層がセラミックス材料又は多
    孔質ガラスであることを特徴とする請求項1,3,5ま
    たは6に記載の機能性パネル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002346333A (ja) * 2001-05-28 2002-12-03 Fumakilla Ltd 除湿材
JP2010219129A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Toyota Motor Corp 太陽電池モジュール
JP2017060939A (ja) * 2015-09-24 2017-03-30 アイシン精機株式会社 調湿素子、調湿素子を用いた調湿装置および調湿素子の製造方法
CN108504110A (zh) * 2018-03-19 2018-09-07 无锡格迈思新材料科技有限公司 调湿材料及其制备方法

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