JPH11332568A - エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子 - Google Patents

エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子

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JPH11332568A
JPH11332568A JP10141717A JP14171798A JPH11332568A JP H11332568 A JPH11332568 A JP H11332568A JP 10141717 A JP10141717 A JP 10141717A JP 14171798 A JP14171798 A JP 14171798A JP H11332568 A JPH11332568 A JP H11332568A
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acetylglucosaminidase
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ遺
伝子の提供。 【解決手段】 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコード
するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子。 (a) 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるタンパ
ク質 (b) 配列番号3に示されるアミノ酸配列において少なく
とも1個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加さ
れたアミノ酸配列からなり、かつエンド-β-N-アセチル
グルコサミニダーゼ活性を有するタンパク質

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規エンド-β-N-ア
セチルグルコサミニダーゼ遺伝子に関するものである。
詳しくは該遺伝子がMucor属由来の遺伝子に関するもの
である。更に本発明は、該遺伝子を含む組換えプラスミ
ド、該プラスミドにより形質転換された生物、該形質転
換体を用いた新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
ーゼの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】糖タンパク質は動植物の組織、真核微生
物の細胞膜、壁などに広く存在している。近年、糖タン
パク質の糖鎖が、細胞の分化、癌化、細胞間の認識など
の機構に重要な役割を果たしていることが明らかになり
つつあり、その機構解明のため糖鎖の構造と機能との相
関について研究が進められている。その目的達成のため
の手段として、糖タンパク質から糖鎖を切り出す際、あ
るいは糖鎖の構造の同定の際に様々なグリコシダーゼが
用いられている。その中でも、エンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼは、糖タンパク質に存在するアスパラ
ギン結合型糖鎖(N-結合型糖鎖、N型糖鎖)に作用し
て、糖鎖中に存在するジアセチルキトビオース部分を切
断し糖鎖を遊離する作用を有する。
【0003】エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
は、糖タンパク質の糖鎖部分をタンパク質部分より遊離
することができるため、糖タンパク質糖鎖の構造、機能
の解析に重要であると考えられる。アスパラギン結合型
糖鎖は、その構造から高マンノース型(マンナン型糖
鎖)、ハイブリッド型及びコンプレックス型に分類され
る。
【0004】従来知られているエンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼとしては、Endo H(A. L. Tarentino
and F. Maley, 1J. Biol. Chem.0, 249, 811 (197
4))、Endo F(K. Takegawa, et al.,1Eur. j. Bioche
m.0, 202, 175 (1991))、EndoA(K. Takegawa, et a
l.,1Appl. Environ. Microbiol.0, 55, 3107 (198
9))等が挙げられるが、これらの酵素は特定の構造の糖
鎖に対してのみ作用し、また糖タンパク質に対しては変
性剤の存在下でなければ作用しない。
【0005】ムコール・ヒエマリス(Mucor hiemalis)由
来のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼは、高マ
ンノース型(マンナン型糖鎖)、ハイブリッド型のみな
らず、コンプレックス型についても三分岐複合糖鎖まで
切断能があり、また脱シアル型であれば四分岐複合糖鎖
まで切断能があり、さらに、タンパク質を変性処理する
ことなく、糖タンパク質から糖鎖を遊離することができ
ることが知られている(S. Kadowaki, et al.,1Agric.
Biol. Chem.0, 54, 97 (1990) )。従って、ムコール
・ヒエマリス由来のエンド-β-N-アセチルグルコサミニ
ダーゼは、糖タンパク質の糖鎖及びタンパク質の機能
的、生理的役割を研究する上で有用であるといえる。
【0006】一方、酵母由来のマンナン型糖鎖からヒト
適応型糖鎖に変換することは物質生産の面では非常に意
義があることである。その変換方法としては、酵母の糖
鎖生合成系を遺伝子操作により改変するというin vivo
での変換とともに、トランスグリコシレーション反応を
利用したin vitroでの変換が考えられる。糖変換を目的
とするエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの特性
として、1)基質特異性としてマンナン型、複合型の両
方に対して切断能力を持つこと、2)分解反応の逆反応
であるトランスグリコシレーション反応を行う能力を持
つことが要求される。従って、Mucor hiemalis由来のエ
ンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼは上記変換を行
うためにふさわしい酵素であるといえる。
【0007】なお、本発明者らは、酵母型糖鎖をヒト適
応型に変えることができるMucor hiemalis由来のエンド
-β-N-アセチルグルコサミニダーゼを用いた糖鎖変換技
術を提案している(特開平7-59587号公報)。
【0008】以上の様な糖鎖変換を行うためには大量か
つ精製度の高い酵素標品が必要となる。この場合、カビ
の菌体を用いた従来の育種法により酵素生産性の向上を
目指すことも考えられる。しかし、従来の育種方法は、
主として、紫外線や変異誘発剤によって得られる変異株
から選択する方法に限られていたため、安定な変異体を
単離するのが困難であった。また、従来法による育種の
場合、好まざる形質変化を伴うことも多い。更に、一般
的にカビは様々なタンパク質分解酵素を生成するため、
糖変換を目的とした酵素を生産するには好ましいもので
はない。従って、これらの問題点を除去するには多段の
精製ステップを踏まねばならないため、作業が繁雑とな
り、かつ酵素の収量も少ない。例えば、毛カビの一種で
あるMucor属に属する微生物を培養し、その培養上清よ
り酵素の精製を行っても、プロテアーゼの混入を除くこ
とができず、かつ菌体の酵素生産性が低いため大量調製
をすることが困難であり、実用上の価値は少なかった。
【0009】以上のことから、エンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼを大量生産するためには、該酵素の遺
伝子を取得し、遺伝子工学的にそれを生産することが望
まれている。さらに、遺伝子を取得出来れば、蛋白工学
の技術を用いて、耐熱性、耐pH性の向上、反応速度が増
大された酵素を得ることも期待できる。しかしながら遺
伝子クローニングを試みられているが現在までにその報
告はない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エンド-β-
N-アセチルグルコサミニダーゼ、エンド-β-N-アセチル
グルコサミニダーゼ遺伝子、該遺伝子を含有する組換え
ベクター、該組換えベクターを含む形質転換体及びエン
ド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの製造方法を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、公知エンド-β-
N-アセチルグルコサミニダーゼの部分アミノ酸配列情報
をもとに、当該酵素の生産菌であるムコール・ヒエマリ
ス(Mucor hiemalis)から調製したcDNAライブラリーより
当該酵素をコードする遺伝子を取得することに成功し、
さらに酵母での発現にも成功し、本発明を完成するに至
った。
【0012】すなわち、本発明は、以下の(a)又は(b)の
組換えタンパク質である。 (a) 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるタンパ
ク質 (b) 配列番号3に示されるアミノ酸配列において少なく
とも1個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加さ
れたアミノ酸配列からなり、かつエンド-β-N-アセチル
グルコサミニダーゼ活性を有するタンパク質
【0013】さらに、本発明は、以下の(a)又は(b)のタ
ンパク質をコードするエンド-β-N-アセチルグルコサミ
ニダーゼ遺伝子、及び該遺伝子とストリンジェントな条
件下でハイブリダイズし、かつエンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼ活性を有するタンパク質をコードする
DNAを含む遺伝子である。 (a) 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるタンパ
ク質 (b) 配列番号3に示されるアミノ酸配列において少なく
とも1個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加さ
れたアミノ酸配列からなり、かつエンド-β-N-アセチル
グルコサミニダーゼ活性を有するタンパク質
【0014】さらに、本発明は、以下の(c)又は(d)のDN
Aを含む遺伝子である。 (c) 配列番号2に示される塩基配列からなるDNA (d) 配列番号2に示される塩基配列からなるDNAとスト
リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつエンド
-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ活性を有するタンパ
ク質をコードするDNA 上記遺伝子としては、ムコール属に属する微生物(例え
ばムコール・ヒエマリス)由来のものが挙げられる。
【0015】さらに、本発明は、前記遺伝子を含有する
組換えベクターである。さらに、本発明は、前記組換え
ベクターを含む形質転換体である。さらに、本発明は、
前記形質転換体を培養し、得られる培養物からエンド-
β-N-アセチルグルコサミニダーゼを採取することを特
徴とするエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの製
造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、エンド-β-N-アセチル
グルコサミニダーゼを生産する菌を培養し、得られる培
養物からエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼを精
製した後、該酵素の部分アミノ酸配列から縮重プローブ
を設計し、PCRを行うことにより該酵素をコードする遺
伝子をクローニングし、さらにエンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼを生産する菌のcDNAライブラリーより
該酵素をコードする遺伝子をクローニングすることを特
徴とする。また、本発明は、クローニングされた遺伝子
をベクターに組込んで組換えベクターを得るとともに、
該組換えベクターを宿主細胞に導入して形質転換体を得
ることを特徴とする。さらに、本発明は、前記形質転換
体を培養することにより、大量にエンド-β-N-アセチル
グルコサミニダーゼを生産することを特徴とする。
【0017】1.エンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
ーゼを生産する菌の培養 エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼを生産する菌
としては、ムコール属(Mucor属)に属する菌体、好まし
くはムコール・ヒエマリス(Mucor hiemalis)、より好ま
しくは工業技術院生命工学技術研究所(茨城県つくば市
東1丁目1番3号)に寄託されているMucor hiemalis(受託
番号FERM BP-4991)が挙げられる。
【0018】これらの菌株の培養に用いる培地組成は通
常の微生物の培養に用いられるものであればどのような
ものでもよい。炭素源としては、例えばグルコース、シ
ュークロース、マンノース、ガラクトース、マルトー
ス、可溶性デンプン、デキストリン等の糖質、窒素源と
しては酵母エキス、トリプトン等が挙げられる。無機塩
としては上記の窒素源に含有する無機塩の他に、各種ナ
トリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム
塩、リン酸塩等の塩類が用いられ、場合によってはビタ
ミン類などを添加してもよい。
【0019】培養は培地を通常の方法で滅菌し、菌株を
接種後、20〜30℃、pH5〜7で2〜4日間振とう又は通
気撹拌培養を行う。本発明においては、温度が25〜3
0℃、pHが6、炭素源としてガラクトース、窒素源とし
て酵母エキス、トリプトンを用い、炭素源、窒素源の濃
度がともに2〜3%、炭素源と窒素源との比が2:3で
3〜4日間、良好な通気条件で培養することがより好ま
しい。このような培養条件で培養した場合は、酵素の生
産量が最大となり、公知の方法〔S. Kadowaki, et al.,
Agric. Biol. Chem., 54, 97 (1990) ;グルコース0.5
%、酵母エキス1%、ペプトン1%〕と 比較して約
10倍の酵素生産性を得ることができる。なお、本発明
においては、微生物を培養する際に通気条件を確保する
ため、ジャーファーメンターを用いることが好ましい。
【0020】2.エンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
ーゼの精製 上記菌株が生産するエンド-β-N-アセチルグルコサミニ
ダーゼは、以下の活性の保持を特徴とするものである。
すなわち、糖タンパク質に存在するアスパラギン結合型
糖鎖に作用して、糖鎖中に存在するジアセチルキトビオ
ース部分を切断し、糖鎖を遊離する活性で特徴付けられ
る。
【0021】エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
の精製は、公知の分離、精製方法を適当に組み合わせて
行なうことができる。例えば塩沈殿、溶媒沈殿のような
溶解性の差を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾過
およびSDS-ポリアクリル電気泳動のような分子量の
差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーのよ
うな電荷の差を利用する方法、疎水クロマトグラフィ
ー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性の差を利用
する方法、さらに等電点電気泳動のような等電点の差を
利用する方法等が挙げられる。
【0022】本発明においては、前述の通り公知の方法
(S. Kadowaki, et al.,1Agric. Biol. Chem.0, 54, 9
7 (1990))を改良した培養法を採用し、かつ多段の精製
ステップを経ることによりエンド-β-N-アセチルグルコ
サミニダーゼを効率よく精製することができ、遺伝子を
取得するために必要なアミノ酸配列を得る十分量のタン
パク質を得ることができる。得られる酵素は、酵素精製
の結果、及び後述の遺伝子解析の結果、分子量約85,000
で単一の遺伝子産物によって構成され、遺伝子の翻訳後
の限定分解を経て少なくとも分子量約60,000及び14,000
のペプチドを含む2つ以上のサブユニットから構成され
ることを見出した。
【0023】3.新規エンド-β-N-アセチルグルコサミ
ニダーゼ遺伝子のクローニング Mucor hiemalisより得られるエンド-β-N-アセチルグル
コサミニダーゼは少なくとも2つ以上のペプチドより構
成されていることがわかった。一般に、ある特定のタン
パク質をコードする遺伝子を単離する場合、タンパク質
の部分アミノ酸配列を決定し、その縮重コドンからなる
混合オリゴヌクレオチドをプローブとして、遺伝子ライ
ブラリーから目的の遺伝子を単離することが可能であ
る。また、本発明において実施したようなPCRによる部
分断片の取得後、その断片をプローブとして遺伝子ライ
ブラリーから目的の遺伝子を単離することも可能であ
る。
【0024】しかしながら、エンド-β-N-アセチルグル
コサミニダーゼは、2種類以上のサブユニットからなる
ヘテロオリゴマー分子であるため、それぞれのサブユニ
ットがそれぞれ異なる遺伝子に独立してコードされる可
能性がある。また、エンド-β-N-アセチルグルコサミニ
ダーゼがひとつの遺伝子から由来するにしても2つのサ
ブユニットをコードする領域が構造遺伝子のなかでどの
ような位置関係となっているかなど、その構造について
は明らかではない。
【0025】そこで、発明者らは2つのサブユニットの
部分アミノ酸配列を決定し、さらにPCRによる部分断片
の取得の後、該断片をプローブとしたcDNAのクローニン
グに成功し、遺伝子構造を解析することによって、これ
ら2つのサブユニットが同一の遺伝子にコードされるこ
とを明らかにした。すなわち、新規エンド-β-N-アセチ
ルグルコサミニダーゼは、該酵素をコードする遺伝子か
ら1つのポリペプチドとして生成され、部分分解を受け
ることにより2つ以上のサブユニットへとプロセスされ
ていることが明らかにされた。
【0026】本発明の遺伝子は、例えば以下のようにし
てクローニングされる。 (1) エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子の
クローニング 本発明において、新規エンド-β-N-アセチルグルコサミ
ニダーゼをコードしている遺伝子を含むDNA断片の具
体例としては、図2に示される制限酵素地図で表される
DNA断片が挙げられる。この断片は、Mucor属に属す
る菌体、好ましくはMucor hiemalis株、より好ましくは
工業技術院生命工学技術研究所に受託番号FERM B
P-4991の番号のもとに寄託されているMucor hiema
lis株より調製されるmRNAを鋳型としたcDNAライブラリ
ーから遺伝子工学的な手法を用いて単離することができ
る(Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Sambroo
k、Maniatisら、 Cold Spring Harbour Laboratory Pres
s(1989))などに記載の方法を参照)。
【0027】mRNAの調製は、通常の手法により行うこと
ができる。例えば、mRNAの供給源であるMucor hiemalis
を培養した後、市販のキット(ISOGEN(ニッポンジーン
社))で処理して全RNAを得、市販の精製キット(mRNA
Purification Kit (Pharmacia Biotech))を用いて精
製することができる。なお、mRNAの調製にはmRNAの分解
を抑制する意味で培養時間を短くすることが好ましい。
【0028】このようにして得られたmRNAを鋳型とし
て、オリゴdTプライマー及び逆転写酵素を用いて一本鎖
cDNAを合成した後、該一本鎖cDNAから二本鎖cDNAを合成
する。得られた二本鎖cDNAを適当なクローニングベクタ
ーに組み込んで組換えベクターを作製する。得られる組
換えベクターを用いて大腸菌等を形質転換し、テトラサ
イクリン耐性、アンピシリン耐性を指標として形質転換
体を選択することにより、cDNAのライブラリーを得るこ
とができる。
【0029】ここで、大腸菌の形質転換は、Hanahanの
方法[Hanahan,D.: J. Mol. Biol. 166:557-580(198
3)]などに従って行うことができる。なお、ベクターと
してプラスミドを用いる場合はテトラサイクリン、アン
ピシリン等の薬剤耐性遺伝子を含有することが必要であ
る。また、プラスミド以外のクローニングベクター、例
えばλファージ等を用いることもできる。
【0030】上記のようにして得られる形質転換体から
目的のDNAを有する株を選択(スクリーニング)する。ス
クリーニング方法としては、例えば、エンド-β-N-アセ
チルグルコサミニダーゼのアミノ酸配列に対応するセン
スプライマー及びアンチセンスプライマーを合成し、こ
れを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行う方法が挙
げられる。例えば、鋳型DNAとしては、ゲノムDNA、又は
前記mRNAから逆転写反応により合成されたcDNAが挙げら
れ、プライマーとしては、例えばセンス鎖についてはア
ミノ酸配列:PSLQLQPDDK (配列番号4)に基づいて合成
した5'- CARTTRCARCCNGAYGAYAA-3'(配列番号5)及びア
ミノ酸配列:SYRNPEIYPTDQNIK (配列番号6)に基づい
て合成した5'-CCHACNGAYCARAAYATYAA-3' (配列番号7)
を用いることができる。また、アンチセンス鎖について
はアミノ酸配列:SYRNPEIYPTDQNIK (配列番号6)に基づ
いて合成した3'-GGDTGNCTRG TYTTRTARTT-5'(配列番号
8)及びアミノ酸配列:GQRFNHRESHDVETEI (配列番号9)
に基づいて合成した3'-TTYCCDGTYGCDAARTTRGT -5'(配列
番号10)を用いることができる。但し、本発明において
はこれらのプライマーに限定されるものではない。この
ようにして得られたDNA増幅断片を、32P、35S又はビオ
チン等で標識してプローブとし、これを形質転換体のcD
NAライブラリーを変性固定したニトロセルロースフィル
ターとハイブリダイズさせ、得られたポジティブ株を検
索することによりスクリーニングすることができる。
【0031】(2) 塩基配列の決定 得られたクローンについて塩基配列の決定を行う。塩基
配列の決定はマキサム-ギルバートの化学修飾法、又は
ジデオキシ法等の公知手法により行うことができるが、
通常は自動塩基配列決定機(例えばPERKIN-ELMER社製37
7A DNAシークエンサー等)を用いて配列決定が行われ
る。
【0032】配列番号1にエンド-β-N-アセチルグルコ
サミニダーゼ遺伝子の全配列を示す。このうち、本発明
の遺伝子の好ましい具体例としては、配列番号1に示さ
れる塩基配列の71番目から2305番目までの塩基配列(配
列番号2)が挙げられる。また、本発明の遺伝子は、配
列番号3に示されるアミノ酸配列又は後述する等価配列
を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列をもつもの
のほか、縮重コドンにおいてのみ異なる同一のポリペプ
チドをコードする縮重異性体をも包含するものである。
【0033】なお、等価配列を有するアミノ酸配列をコ
ードする塩基配列は、部位特異的突然変異誘発法などを
利用して調製することができる。すなわち、Kunkel法若
しくは Gapped duplex法等の公知手法又はこれに準ずる
方法により、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用し
た変異導入用キット(例えばMutant-K(TAKARA社製)、M
utant-G(TAKARA社製))などを用いて、あるいは、TAKAR
A社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを
用いて変異が導入される。
【0034】また、エンド-β-N-アセチルグルコサミニ
ダーゼ遺伝子には、配列番号1又は2に示される塩基配
列からなるDNAのほか、該DNAとストリンジェントな条件
下でハイブリダイズし、かつエンド-β-N-アセチルグル
コサミニダーゼ活性を有するタンパク質をコードするDN
Aも含まれる。ストリンジェントな条件とは、例えば、
ナトリウム濃度が50〜300mM、好ましくは150mMであり、
温度が50〜68℃、好ましくは65℃での条件をいう。
【0035】一旦エンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
ーゼ遺伝子の塩基配列(配列番号1)が確定すると、該
塩基配列の71番から2305番までの配列を有するDNA断
片(オープンリーディングフレーム)の塩基配列が定ま
っていることから(配列番号2)、その後は化学合成に
よって、又は当該オープンリーディングフレーム(配列
番号2)の5'および3'末端の塩基配列(例えば5'-ATGCC
TTCACTTCAATTGCA ACC-3'(配列番号11)及び5'-CTAGTTTA
ATGACAAATCTATGC-3'(配列番号12))をプライマーとし、
ゲノムDNAを鋳型としたPCRによって、あるいはエンド-
β-N-アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子の塩基配列を
有するDNA断片をプローブとしてハイブリダイズさせる
ことによって、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダー
ゼ遺伝子を得ることができる。
【0036】なお、本発明の遺伝子を含有するプラスミ
ドpZL-Endo(後述する実施例3参照)は、大腸菌E.coli
DH10Bに導入され(名称:DH10BpZL-Endo)、工業技術院
生命工学工業技術研究所(茨城県つくば市東1丁目1番3
号)に、平成10年4月28日付でFERM BP-6335として寄託
されている。
【0037】本発明において、組換え新規エンド-β-N-
アセチルグルコサミニダーゼの好ましい具体例として
は、配列番号3に示されるアミノ酸配列、またはその等
価配列を含んでなるポリペプチドが挙げられる。ここ
で、「等価配列」とは、配列番号3に示されるアミノ酸
配列において、少なくとも1個のアミノ酸の挿入、置換
若しくは欠失又は両末端への付加がなされたものであっ
て、且つ上記した新規エンド-β-N-アセチルグルコサミ
ニダーゼ活性を依然として保持する配列をいう。その等
価配列における新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニ
ダーゼ活性の保持とは、その活性を利用した実際の使用
態様において、配列番号3に示される配列を全て有する
ポリペプチドと同一の条件でほぼ同様の利用が可能な程
度の活性が維持されていることをいうものとする。この
ような等価配列は、配列番号3に示されている配列を参
照すれば、当業者であれば格別の困難なしに選択し、製
造可能であることは明らかである。例えば、配列番号3
に示されるアミノ酸配列の少なくとも1個、好ましくは
1〜10個、さらに好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失
してもよく、配列番号3に示されるアミノ酸配列に少な
くとも1個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1
〜5個のアミノ酸が付加又は挿入してもよく、あるい
は、配列番号3に示されるアミノ酸配列の少なくとも1
個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個の
アミノ酸が他のアミノ酸に置換してもよい。従って、配
列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列において2番
から744番までに示されるアミノ酸配列を有するポリ
ペプチド(配列番号3に示されるアミノ酸配列の第1番
目のメチオニンが欠失したもの)も本発明のタンパク質
に含まれる。
【0038】ここで、本発明による部分アミノ酸配列分
析、および遺伝子構造解析によって前駆体ポリペプチド
が少なくとも配列番号3に示されるアミノ酸配列の51
0番目のヒスチジン、及び627番目アスパラギン酸の
アミノ酸のC末端側で切断されることにより、天然体の
2つ以上のサブユニットが生じたものであることが明ら
かにされた。
【0039】2.組換えベクター及び形質転換体の作製 本発明においては、本発明の遺伝子を含んだDNA分
子、特に発現ベクターが提供される。このDNA分子
は、ベクター分子に本発明による新規エンド-β-N-アセ
チルグルコサミニダーゼをコードするDNA断片を組み
込むことによって得ることができる。従って、本発明の
新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼをコード
する遺伝子断片を、宿主細胞内で複製可能でかつ同遺伝
子が発現可能な状態で含むDNA分子、特に発現ベクタ
ーの形態として宿主細胞の形質転換を行なえば、宿主細
胞において本発明の新規エンド-β-N-アセチルグルコサ
ミニダーゼを産生させることができる。この発明による
DNA分子の作成は前掲のMolecular Cloning:A Labora
tory Manualに記載の方法に準じて行なうことができ
る。
【0040】(1) 組換えベクターの作製 本発明において利用されるベクターは、使用する宿主細
胞の種類を勘案しながら、ウイルス、プラスミド、コス
ミドベクターなどから適宜選択できる。例えば、宿主細
胞が大腸菌の場合はλファージ系のバクテリオファー
ジ、pBR系(pBR322, pBR325等)、pUC系(pUC118,
pUC119等)のプラスミド、枯草菌の場合はpUB系のプ
ラスミド(pUB110等)、酵母の場合はYEp、YCp系
のベクター(例えばYEp13, YEp24, YCp50等)、あるいは
後記する実施例で使用されるpG-3-Notが挙げられる。さ
らに、レトロウイルス又はワクシニアウイルスなどの動
物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫ウイルスベク
ターを用いることもできる。
【0041】ベクターに本発明の遺伝子を挿入するに
は、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、
適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニ
ングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採
用される。本発明の遺伝子は、その遺伝子の機能が発揮
されるようにベクターに組み込まれることが必要であ
る。そこで、本発明のベクターには、形質転換体の選択
マーカーを含むのが好ましく、選択マーカーとしては薬
剤耐性マーカー、栄養要求マーカー遺伝子を使用するこ
とができる。さらに、本発明の発現ベクターとしてのD
NA分子は、新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
ーゼ遺伝子の発現に必要なDNA配列、例えばプロモー
ター、転写開始信号、リボゾーム結合部位、翻訳停止シ
グナル、転写終結シグナルなどの転写調節信号、翻訳調
節信号などを有しているものが好ましい。
【0042】(2)形質転換体の作製 本発明の形質転換体は、本発明の組換えベクターを、目
的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することによ
り得ることができる。ここで、宿主としては、本発明の
遺伝子を発現できるものであれば特に限定されるもので
はない。例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia c
oli)等のエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス(Ba
cillus subtilis)等のバチルス属、シュードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属に属す
る細菌が挙げられ、サッカロミセス・セレビシエ(Sacch
aromyces cerevisiae)、シゾサッカロミセス・ポンベ(S
chizosaccharomyces pombe)、キャンディダ・ボイジニ
イ(Candida boidinii)、ピキア・パストリス(Pichia pa
storis)等の酵母が挙げられる。
【0043】宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母
以外に、COS細胞、CHO細胞等の動物細胞が挙げられ、あ
るいはSf9、Sf21等の昆虫細胞が挙げられる。大腸菌等
の細菌を宿主とする場合は、本発明の組換えベクターが
該細菌中で自律複製可能であると同時に、プロモータ
ー、リボゾーム結合配列、本発明の遺伝子、転写終結配
列により構成されていることが好ましい。また、プロモ
ーターを制御する遺伝子が含まれていてもよい。大腸菌
としては、例えばエッシェリヒア・コリ(Escherichia c
oli)K12、DH1、DH5α、JM109などが挙げられ、枯草菌と
しては、例えばバチルス・ズブチリス(Bacillus subtil
is)MI 114、207-21などが挙げられる。枯草菌にはタン
パク質を菌体外へ分泌する株が存在することが知られて
いる。またプロテアーゼを殆ど分泌しない株も知られて
おり、このような株を宿主として用いることも好まし
い。
【0044】プロモーターとしては、挿入断片に含まれ
る宿主中でも機能することができるプロモーターはもち
ろんのこと、大腸菌においてはラクトースオペロン(la
c)、トリプトファンオペロン(trp)等のプロモーター
が挙げられる。細菌への組換えベクターの導入方法とし
ては、細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定され
るものではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法
[Cohen, S.N. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA,
69:2110-2114 (1972)]、エレクトロポレーション法等
が挙げられる。
【0045】酵母を宿主とする場合は、例えばサッカロ
ミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾ
サッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pomb
e)、カンジダ・ウティリス(Candida utilis)などが用い
られる。この場合、プロモーターとしては酵母中で発現
できるものであれば特に限定されず、例えばアルコール
デヒドロゲナーゼ(ADH)、酸性フォスファターゼ(PH
O)、ガラクトース遺伝子(GAL)、グリセルアルデビド
3リン酸脱水素酵素遺伝子(GAPDH)等のプロモータ
ー、ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プ
ロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、AOX1
プロモーター等を好ましく用いることができる。
【0046】酵母への組換えベクターの導入方法として
は、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定され
ず、例えばエレクトロポレーション法[Becker, D.M. et
al.:Methods. Enzymol., 194: 182-187 (1990)]、ス
フェロプラスト法[Hinnen, A.et al.:Proc. Natl. Aca
d. Sci., USA, 75: 1929-1933 (1978)]、酢酸リチウム
法[Itoh, H.:J. Bacteriol., 153:163-168 (1983)]等
が挙げられる。動物細胞を宿主とする場合は、サル細胞
COS-7、Vero、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細
胞)、マウスL細胞、ラットGH3、ヒトFL細胞などが用い
られる。プロモーターとしてSRαプロモーター、SV40プ
ロモーター、LTRプロモーター、CMVプロモーター等が用
いられ、また、ヒトサイトメガロウイルスの初期遺伝子
プロモーター等を用いてもよい。
【0047】動物細胞への組換えベクターの導入方法と
しては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カル
シウム法、リポフェクション法等が挙げられる。昆虫細
胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、Sf21細胞などが用い
られる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方法として
は、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション法、
エレクトロポレーション法などが用いられる。
【0048】4.本発明のタンパク質の生産 本発明のタンパク質は、本発明の遺伝子によりコードさ
れるアミノ酸配列を有するもの、または該アミノ酸配列
において少なくとも1個のアミノ酸に前記変異が導入さ
れたアミノ酸配列を有し、かつエンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼ活性を有するものである。本発明のタ
ンパク質は、前記形質転換体を培養し、その培養物から
採取することにより得ることができる。「培養物」と
は、培養上清、あるいは培養細胞若しくは培養菌体又は
細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するもので
ある。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培
養に用いられる通常の方法に従って行われる。
【0049】大腸菌や酵母菌等の微生物を宿主として得
られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が資
化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転
換体の培養を効率的に行うことができる培地であれば、
天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。炭素源と
しては、グルコース、フラクトース、スクロース、デン
プン等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エ
タノール、プロパノール等のアルコール類が用いられ
る。
【0050】窒素源としては、アンモニア、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸
アンモニウム等の無機酸若しくは有機酸のアンモニウム
塩又はその他の含窒素化合物のほか、ペプトン、肉エキ
ス、コーンスティープリカー等が用いられる。無機物と
しては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リ
ン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウ
ム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウ
ム等が用いられる。培養は、通常、振盪培養又は通気攪
拌培養などの好気的条件下、37℃で12〜72時間行う。培
養期間中、pHは4〜7.5に保持する。pHの調整は、無機又
は有機酸、アルカリ溶液等を用いて行う。培養中は必要
に応じてアンピシリンやテトラサイクリン等の抗生物質
を培地に添加してもよい。
【0051】プロモーターとして誘導性のプロモーター
を用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する
場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加して
もよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクタ
ーで形質転換した微生物を培養するときにはイソプロピ
ル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPTG)等を、trpプロ
モーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を
培養するときにはインドールアクリル酸(IAA)等を培地
に添加してもよい。
【0052】動物細胞を宿主として得られた形質転換体
を培養する培地としては、一般に使用されているRPMI16
40培地、DMEM培地又はこれらの培地に牛胎児血清等を添
加した培地等が用いられる。培養は、通常、5%CO2
在下、37℃で2〜10日行う。培養中は必要に応じてカナ
マイシン、ペニシリン等の抗生物質を培地に添加しても
よい。培養後、本発明のタンパク質が菌体内又は細胞内
に生産される場合には、菌体又は細胞を破砕することに
より本発明のタンパク質を抽出する。また、本発明のタ
ンパク質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培
養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は
細胞を除去する。
【0053】組換え新規エンド-β-N-アセチルグルコサ
ミニダーゼの精製は、公知の分離、精製方法を適当に組
み合わせて行なうことができる。例えば塩沈殿、溶媒沈
殿のような溶解性の差を利用する方法、透析、限外濾
過、ゲル濾過およびSDS-ポリアクリル電気泳動のよ
うな分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグ
ラフィーのような電荷の差を利用する方法、疎水クロマ
トグラフィー、逆相クロマトグラフィーのような疎水性
の差を利用する方法、さらに等電点電気泳動のような等
電点の差を利用する方法等が挙げられる。
【0054】本発明においては、後記する実施例に示す
ように、サッカロミセス・セレビシエを宿主としてGAPD
Hプロモーターの支配下にこの遺伝子を発現させたとこ
ろ、細胞抽出液中に高い酵素活性が認められた。このこ
とにより、組換え体において本発明の遺伝子を発現する
ことによって活性型の新規エンド-β-N-アセチルグルコ
サミニダーゼを大量に生産可能であることが示された。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明は、これら実施例にその技術的
範囲が限定されるものではない。なお、操作手順は特に
記載しない限りMolecular Cloning: A Laboratory Manu
al (Sambrook、 Maniatisら、 Cold Spring Harbour Lab
oratory Press(1989))に記載の方法に従った。
【0056】〔実施例1〕酵素活性の測定 エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ活性は基本的
に、S. Kadowaki, etal.,1Agric. Biol. Chem.0, 54,
97 (1990) に示された方法に従った。すなわち、ダン
シル化されたヒトアシアロトランスフェリングリコペプ
チド(DNS-GP)を基質として用い、pH6.0のリン酸カリ
ウム緩衝液中37℃で反応を行い、以下に示す条件で薄層
クロマトグラフィー(TLC)、またはHPLCにより測定し
た。
【0057】TLCでの分析条件 展開相:HPTLCシリカゲル60(メルク) 溶媒:ブタノール:酢酸:水=2:1:1 検出:蛍光法による検出 HPLCでの分析条件 カラム:TSK-gel ODS80TM(東ソー) 移動相:25mMホウ酸ナトリウム緩衝液pH7.5+11%
アセトニトリル カラム温度:50℃ 流速:0.5ml/分 検出器:蛍光検出器 活性の定義は上記HPLCによる測定で条件下で、1分間に
1μmolのダンシル化アセチルグルコサミンを生成する
酵素量を1ユニットと定義した。
【0058】〔実施例2〕Mucor hiemalisの培養 500ml容坂口フラスコに100ml培地(ガラクトース
2%、酵母エキス3%)を仕込み、スラント3〜5分の
1本分のMucor hiemalis胞子を接種し、28℃で2日間
培養を行った。mRNAの調製にはこの培養液を吸引ろ過し
て分離した菌体を用いた。また酵素の調製については、
上記培養液を培養後3リットル容ジャーファーメンター
に2リットルの培地を仕込んだものに移し替え、28
℃、回転数300〜400rpm、通気量2リットル/分の
条件で4日間培養を行った。
【0059】〔実施例3〕新規エンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼの精製 実施例2で得られた培養液4リットル分(3リットル容
ジャーファーメンター培養2回分)を吸引ろ過して菌体
を分離し、限外ろ過(分子量13000カット)にて2
00mlまで濃縮したものを粗酵素液とした。これを5mM
EDTAを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH
7.0)にて平衡化したイオン交換クロマトグラフィー
(ファルマシア社Q Sepharose FF、500ml)に通し
た。カラムを同緩衝液にて洗浄し、引き続き900ml
の0M〜0.3M食塩の線状勾配でエンド-β-N-アセチ
ルグルコサミニダーゼを溶離した。活性画分に最終濃度
が1M硫酸アンモニウム、5mMEDTAを含む50mM
リン酸カリウム(pH7.0)となるように試薬を加
え、同緩衝液にて平衡化した疎水クロマトグラフィー
(東ソー社 Phenyl-TOYOPEARL 650S200ml)に通し
た。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次に1mMのEDT
Aを含む硫酸アンモニウム600mlを用いて、1M〜
0Mの線状勾配でエンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
ーゼを溶離した。
【0060】得られた溶離液を限外濾過膜(分子量カッ
ト13000)にて5mlまで濃縮し、引き続き0.15
Mの食塩、1mMのEDTAを含む10mMリン酸カリ
ウム緩衝液(pH7.0)にて洗浄、脱塩した。次に同
緩衝液にて平衡化したゲル濾過クロマトグラフィー(フ
ァルマシア社Sephacryl S300)に載せ、同緩衝液にてエ
ンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼを溶出した。
【0061】活性画分を限外濾過膜(分子量カット13
000)にて濃縮し、引き続き1mMのEDTAを含む
10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)にて洗
浄、脱塩した。次に同緩衝液にて平衡化したヒドロキシ
アパタイトクロマトグラフィー(東ソー社TSK-gel HA10
00)に通した。カラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで1
mMのEDTAを含むリン酸カリウム(pH7.0)3
0mlを用いて、0M〜0.3Mの線状勾配でエンド-
β-N-アセチルグルコサミニダーゼを溶離した。
【0062】活性画分を限外濾過膜(分子量カット13
000)にて濃縮し、引き続きイミノジ酢酸にてpH7.
1に調製された25mMビス-トリス緩衝液で洗浄、脱塩
した。次に同緩衝液にて平衡化した等電点クロマトグラ
フィー(ファルマシア社MonoP)に通した。カラムを同
緩衝液で洗浄し、次いで50mlのイミノジ酢酸にてpH
3.9に調製された10%ポリバッファー74(ファル
マシア社)でエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
を溶離した。
【0063】活性画分を限外濾過膜(分子量カット13
000)にて濃縮し、引き続き1mMのEDTAを含む
10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄、
脱塩した。次に同緩衝液にて平衡化したイオン交換クロ
マトグラフィー(ファルマシア社MonoQ)に通した。カ
ラムを同緩衝液にて洗浄し、次いで30mlの0M〜
0.3M食塩の線状勾配でエンド-β-N-アセチルグルコ
サミニダーゼを溶離した。
【0064】活性画分を限外濾過膜(分子量カット13
000)にて濃縮し、引き続き1mMのEDTAを含む
50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)で洗浄、
脱塩したものを酵素サンプルとした。なお、各カラムク
ロマトグラフィーはファルマシア社FPLCを用いて行っ
た。タンパク質量はバイオラッド社プロテインアッセイ
キットを用いて、または吸光度(280nm)により測定
した。タンパク質の分子量、等電点はSDS-PAGE(15-25%
グラジエント)、ゲル濾過クロマトグラフィー、IEF-PA
GE等により測定した。Native-SDSPAGE、IEF-SDSPAGEに
よる2次元電気泳動、及び上記クロマトグラフィーにお
ける各画分の活性とSDS-PAGE分析の結果から、SDS-PAGE
上で少なくとも60kDa (p60と称する)、及び14kDa(p
14)のバンドが検出された(図1)。
【0065】〔実施例4〕新規エンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼの部分アミノ酸配列の決定 部分アミノ酸配列分析は岩松(生化学 63、139〜143(19
91))の方法により行なった。精製酵素を泳動用緩衝液
(10%グリセロール、2.5%SDS、2% 2-メル
カプトエタノール、62mMトリス塩酸緩衝液(pH
6.8))に懸濁させて、SDSポリアクリルアミド電
気泳動に供した。泳動後、エレクトロブロッティングに
より当該酵素をゲルより10cm x 7cmのPVDF膜((ProB
lot)アプライドバイオシステムズ)へ転写した。エレク
トロブロッティング装置としてはザルトブロットIIs
型(ザルトリウス社)を用い、エレクトロブロッティン
グを160mAで1時間行なった。
【0066】転写後、当該酵素の転写された部分の膜を
切り取り、その一部を直接気相プロテインシークエンサ
ーで分析し、N末端アミノ酸配列を決定した。また残り
の膜は約300μlの還元用緩衝液(8M グアニジン
塩酸、0.5M トリス塩酸緩衝液(pH8.5)、0.
3%EDTA、2%アセトニトリル)に浸し、1mgの
ジチオスレイトール(DTT)を加え、アルゴン下で2
5℃、約1時間の還元を行なった。これに3.0mgのモ
ノヨード酢酸を0.5N水酸化ナトリウム液10μlに
溶かしたものを加え、遮光下で20分攪拌した。PVD
F膜をとりだし、2%アセトニトリルで充分洗浄した
後、0.5%ポリビニルピロリドン-40を含む100m
M酢酸に浸し、30分間静置した。こののち、PVDF
膜を水で充分洗浄し、1mm四方に切断した膜を消化用
緩衝液(8%アセトニトリル、90mMトリス塩酸緩衝
液(pH9.0))に浸し、アクロモバクタープロテア
ーゼI(和光純薬)を1pmol加え、室温で15時間消化
した。その消化物をC18カラム(和光純薬 Wakosil
AR II C18 300Å 2.0X150mm)を用いた逆相高速液体ク
ロマトグラフィー(日立 L6200)により分離し、各サブ
ユニットについて7種類のペプチド断片を得た。
【0067】ペプチドの溶出溶媒としてはA溶媒(0.
05%トリフルオロ酢酸)、B溶媒(0.02%トリフ
ルオロ酢酸を含む2-プロパノール/アセトニトリル
7:3)を用い、溶出は、B溶媒に関し2〜50%の直
線濃度勾配で、0.25mL/minの流速のもと40
分間溶出させることにより行なった。新規エンド−β-N
-アセチルグルコサミニダーゼ候補タンパク質から得ら
れた断片化ペプチドについてアミノ酸配列分析を行なっ
た。p60由来の断片をp60-AP、p14由来の断片を
p14-APと命名した。得られた断片化ペプチドについ
てのアミノ酸配列決定試験を、気相プロテインシークエ
ンサーPPSO-10型(島津製作所)を用いマニュア
ルに従って自動エドマン分解法により行なった。得られ
た部分アミノ酸配列を表1に記す。
【0068】
【表1】表1 エンド-β-N-アセチルグルコサミニダー
ゼ候補タンパクの部分アミノ酸配列
【0069】表1に記載のアミノ酸配列において、アル
ファベットの小文字で表されたアミノ酸は、アミノ酸配
列上、不確定なアミノ酸を意味する。部分アミノ酸配列
に用いたアクロモバクタープロテアーゼIはリジン残基
のカルボキシル基側を特異的に切断する為、以下の配列
にN末端側に括弧書きでK(リジン)を記す。p60-AP-5
はN末端アミノ酸配列であることが判明したため、括弧
書きのK(リジン)を除いた。p60及びp14のアクロ
モバクタープロテアーゼI消化物については、C18カ
ラム(ジーエルサイエンス Inertsil ODS-3 0.5x40mm)
を用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(日立L620
0)をオンライン化した質量分析機(PE Sciex API-I
II)で質量分析も合わせて行なった。分析結果を表2に
示す。
【0070】
【表2】
【0071】表2中、質量(M+H+)において実測値
が701.50を有する断片はp60-AP-7、実測値が1541.50を
有する断片はp14-AP-3の分子量にほぼ一致し、そのC末
端のアミノ酸がK(リジン)でないことが分かった。ア
クロモバクタープロテアーゼIで消化した断片は、その
酵素の基質特異性により、サブユニット自身のC末端断
片以外の断片はK(リジン)がC末端アミノ酸残基とな
ることから、この断片化ペプチドがp60及びp14のサ
ブユニットのC末端断片であると推定した。決定されたp
60及びp14の部分アミノ酸配列をタンパク質データ
ベースBLASTPを用いてホモロジー検索を行ったところ、
得られた配列は新規であることが示された。以上の結果
からp60及びp14をエンド-β-N-アセチルグルコサミ
ニダーゼ候補とし、遺伝子クローニングを行った。
【0072】〔実施例5〕Mucor hiemalis株cDNAライブ
ラリーの作製 まず実施例2で得られた菌体5gよりISOGEN(ニッポン
ジーン社)を用いてトータルRNAを抽出した。抽出した
トータルRNAからmRNA Purification Kit (Pharmacia B
iotech)を用いてmRNAを精製した。mRNAよりSuperScrip
tTM Lambda System for cDNA Synthesis and λ Cloni
ngキット(GIBCO BRL)を用いてcDNAを合成し、Sal Iア
ダプターを接続した後、λZipLoxTMSal I-Not I Arms
(GIBCO BRL)に接続(ライゲーション)した。Gigapac
k III Gold Packaging Extract(Stratagene)を用いて
パッケージングを行い、E. coli Y1090株に感染させcDN
Aライブラリーを完成させた。
【0073】〔実施例6〕新規エンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼcDNAのクローニング 部分アミノ酸配列p60-AP-5、p60-AP-6、p60-AP-11をも
とにPCRプライマーを設計した。以下にその配列を示
す。使用している記号は全てIUPAC-IUBに基づく。 p60-AP-5 p60-AP-5F 5' CARTTRCARCCNGAYGAYAA 3'(センス
プライマー)(配列番号5) p60-AP-6 p60-AP-6F 5' CCHACNGAYCARAAYATYAA 3'(センス
プライマー)(配列番号7) p60-AP-6R 3' GGDTGNCTRGTYTTRTARTT 5'(アンチ
センスプライマー)(配列番号8)p60-AP-11 p60-AP-11R 3' TTYCCDGTYGCDAARTTRGT 5'(アンチ
センスプライマー)(配列番号10)
【0074】Mucor hiemalis培養菌体よりフェノール法
によりゲノムDNAを調製し、ゲノムPCR(94℃30秒、
55℃1分、72℃1分、30サイクル)を行ったとこ
ろ、特異的に増幅するバンドが確認された。p60につ
いてはp60-AP-5Fとp60-AP-11Rとのプライマーの組み合
わせで1.7kb、p60-AP-5Fとp60-AP-6Rとのプライマー
の組み合わせで1.5kb、p60-AP-6Fとp60-AP-11Rとのプ
ライマーの組み合わせで0.2kbのPCR断片が得られた。
この断片についてpCR-Scriptクローニングキット(Stra
tegene)を用いてpCR-Script Ampにサブクローニングを
行なった。制限酵素消化による解析でp60-AP-5Fとp60-A
P-11Rとの増幅断片がp60-AP-5Fとp60-AP-6R、及びp60-A
P-6Fとp60-AP-11Rとの増幅断片を含んでいることが推定
されたので、p60-AP-5Fとp60-AP-11Rとの増幅断片の塩
基配列をアプライドバイオシステムズ社PRISM Ready Re
actionキット、及び同社PRISM377DNAシークエンサー
を用いて行った。遺伝子解析は日立ソフトウェアエンジ
ニアリングDNASIS等を用いて行った。
【0075】その結果、p60-AP-5Fとp60-AP-11Rとの増
幅断片は、決定された他の部分アミノ酸配列を含んでい
た。よってこのDNA断片はp60遺伝子の一部であること
が判明したので、更にPCR増幅断片の内側の配列を元に
新たにDNAプライマーを作成し、実施例5で得たmRNAを
鋳型とし、Access RT-PCR System(Promega)を用いてR
T-PCR(条件はゲノムPCRに同じ)を行った。新たに作成
したDNAプライマーの配列は以下のとおりである。 p60-AP-5NF 5' CACTTAAGTCTATGAATGAG 3'(センス
プライマー)(配列番号13) p60-AP-6NR 3' CGATAGCTTTAGGTCTCTAA 5'(アンチ
センスプライマー)(配列番号14)
【0076】その結果、約1.2kbの断片が増幅され
た。増幅された断片の塩基配列を決定したところイント
ロンを含まない断片が得られたので、この断片をプロー
ブとしてcDNAのクローニングを行った。プローブはMega
prime DNA labelling systems (Amersham)を用いα-32
P dCTP(110TBq/mmol)でラベルを行った。実施例5で得
られたcDNAライブラリーからの遺伝子全長の取得はプラ
ークハイブリダイゼーションにより行った。その結果、
20万個プラークから5個のポジティブクローンが得ら
れた。そのうち4個のクローンについて2次スクリーニ
ングを実施してシングルプラークを得た。更にプラーク
から得られたファージ液をE. coli DH10B株に感染さ
せ、ファージからpZL1由来のプラスミドを回収した。こ
れらのクローンについて制限酵素解析を行い、上流領域
を最も長く含むクローンについて塩基配列の解析を行な
った。なお、このプラスミドをpZL-Endoと命名する(図
2)。
【0077】挿入されていた約2.3kbのSal I-Not I
断片について塩基配列の決定を行なった。すなわち、pB
luescript II KS+ (Strategene)、またはpUC118(宝酒
造)に細分化した断片をサブクローニングし、さらにエ
キソヌクレアーゼIIIおよびマングビーンヌクレアーゼ
を用いた連続した欠失変異体を作製することにより、種
々の変異欠失をもつプラスミドを作製し、DNAシークエ
ンサーを用いて2370bpからなるSal I-Not I 断片の配列
を決定した(図3〜4、配列番号1)。
【0078】予想される構造遺伝子の領域の解析を行な
ったところ、744個から構成されるアミノ酸配列(推定
分子量85kDa)をコードするオープンリーディングフ
レームが存在し(図5〜7、配列番号2)。このアミノ
酸配列は決定したp60、及びp14の部分アミノ酸配列
の全てを含んでいることがわかった。p60-AP-5のN末端
側のとなりのアミノ酸がリジンではなくメチオニンであ
ったことから、このメチオニンをコードするATGが翻訳
のスタートコドンであることを確認した。よって、本発
明の酵素のN末端はプロリンであることが明らかにされ
た。
【0079】一方、質量分析の結果と同様に、p14-AP-3
が本発明の遺伝子によりコードされるタンパク質のC末
端であることがわかった。また質量分析の結果とも併せ
p14のN末端の少なくとも一種は、配列番号2に示して
いるアミノ酸配列の628番目のセリンであると推定し
た。以上のことから、本発明の遺伝子は5'領域にp6
0、3'領域にp14をコードすることがわかった。アミ
ノ酸配列からN末端シグナル配列は見い出されなかった
ため、本発明の酵素は細胞内タンパク質であると考えら
れるが、図1において複数のバンドが存在することか
ら、本発明の酵素は、菌体の溶菌が原因と思われるタン
パク質分解酵素の作用を受けていると考えられた。
【0080】〔実施例7〕エンド-β-N-アセチルグルコ
サミニダーゼ遺伝子の発現ベクターの構築 本実施例では、エンド-β-N-アセチルグルコサミニダー
ゼ遺伝子、及びGAPDH遺伝子プロモーター-PGKターミネ
ーターを含む、TRP1遺伝子を相補するサッカロミセス・
セレビシエ組み込み用発現ベクターの構築を行った。実
施例3で確認した744アミノ酸をコードしているオープ
ンリーディングフレームを得るために、両端にNot Iサ
イトを付加したN末端、C末端のアミノ酸配列に相当する
DNA配列に基づくDNAプライマーを合成し、pZL-Endoを鋳
型としてPCRを行ない増幅断片を得た。以下にセン
ス、アンチセンスのプライマー配列を記す。
【0081】 Endo-Not-F(センスプライマー) 5' GGGGCGGCCGCTTTTATTTTACATAAATATGCCTTCACTTC 3'
(配列番号15) Endo-Not-R (アンチセンスプライマー) 5' CCCGCGGCCGCCTAGTTTAATGACAAATCTATGCTACC 3'(配列
番号16) 増幅された断片をアガロースゲル電気泳動にて分離後、
Prep-A-Gene DNA Purification System(Bio-Rad)を用
いて回収、精製した。更にこの断片をNot Iで消化後、
精製し、pBluescript II KS+のNot Iに挿入し、pBlue-E
ndo-Notを作製した。
【0082】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
ーゼ遺伝子はカビ由来の遺伝子であることから酵母での
発現が適していると考え、サッカロミセス・セレビシエ
のグリセルアルデヒド3リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPD
H)遺伝子のプロモーター、3-ホスホグリセリン酸キナ
ーゼ(PGK)遺伝子ターミネーター、及びトリプトファ
ン合成遺伝子TRP1遺伝子を含む、trp1遺伝子を選択マー
カーとするサッカロミセス・セレビシエ用の発現プラス
ミドを、発現ベクターpG-3(Methods in Enzymology Vo
l. 194 p.389)をベースに作製した。pG-3をBamH Iで消
化し、クレノウ処理により平滑末端とし、Not Iリンカ
ーを付加してpG-3-Notを作製した。前述のpBlue-Endo-N
otをNot Iで消化し、約2.3kbの挿入断片をアガロース
ゲル電気泳動により分離精製し、これをpG-3-NotのNotI
部位に挿入し、pGEndo-SCを構築した(図8)。
【0083】〔実施例8〕新規エンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼのサッカロミセス・セレビシエでの発
現 宿主として酵母サッカロミセス・セレビシエ YPH50
0株(Strategene)のpep4遺伝子破壊株を用いた。pep4
遺伝子破壊株についてはSikorski, R. S.とHieter, Pの
方法(Genetics 122巻 19-27 (1989))により作成し
た。10μgのpGEndo-SCを用いて上記株を形質転換し
た。形質転換は酢酸リチウム法(WO/95/32289号参照)に
より行い、形質転換体はトリプトファンを含まない培地
プレート(酵母ニトロゲンベース0.67%、カザミノ
酸0.5%、グルコース1%)にて選択した。
【0084】得られた形質転換について、菌体内の新規
エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの活性確認を
行なった。5mLのYPD培地(酵母エキス1%、ポリペ
プトン2%、グルコース2%)中、30℃で2日間培養
した菌について、1500g、5分間、4℃で遠心を行
い培養上清と菌体を分離し、菌体は蒸留水で洗浄した。
菌体に、50mMリン酸カリウムバッファー(pH 6.0)と 5mM
EDTAとの混合液を100μリットル加えよく懸濁し
た。更に50mgのグラスビーズを加え、激しく攪拌した
後遠心し、上清を細胞抽出液とした。
【0085】活性測定は、基質としてDNS-GPを用いてTL
CまたはHPLCで行った。TLCでの結果を図9に示す。Muco
r hiemalis培養上清より精製した酵素と反応させたサン
プルと同様に、pGEndo-SC生成物であるダンシル化アセ
チルグルコサミン(DNS-GlcNAc)と一致するピークが得ら
れた。一方、ネガティブコントロールである、pG-3-Not
で形質転換した株の培養上清を用いたものからはDNS-Gl
cNAcに対応するピークは検出されなかった。そこでpGEn
do-SCの細胞抽出液を10倍濃縮し、脱塩を行ったもの
を粗酵素として、DNS-GPと反応させ、DNS-GlcNAcに対応
するピークを上記条件のHPLCを用いて分取した。分取し
たサンプルをエバポレーターで濃縮し、マススペクトル
分析を行った。その結果、分取したサンプルの分析結果
がDNS-GlcNAcの分析結果と一致することを確認した。従
って、pGEndo-SCの挿入断片にコードされている遺伝子
産物は、新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
であることが分かった。表3に培地1mLあたりの本新
規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの活性(生
産量)を示す。この活性はMucor hiemalisの値の48倍で
あった。
【0086】
【表3】表3 新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニ
ダーゼの活性
【0087】
【発明の効果】本発明により、エンド-β-N-アセチルグ
ルコサミニダーゼ、エンド-β-N-アセチルグルコサミニ
ダーゼ遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクター、該
組換えベクターを含む形質転換体及びエンド-β-N-アセ
チルグルコサミニダーゼの製造方法が提供される。本発
明の遺伝子を含有するベクターを宿主に導入し、遺伝子
を発現させることによってエンド-β-N-アセチルグルコ
サミニダーゼを効率的、大量に生産することができる。
本発明の酵素は、糖鎖の分析、解析、及び糖鎖の改変を
行う上で産業上重要な酵素であり、本発明によって得ら
れた形質転換体は本酵素を著量に生産し、これら酵素を
用いる産業界に大いに貢献することができる。
【0088】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:2369 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:ムコール・ヒエマリス(Mucor hiemalis) 株名: 配列 GTCGACCCAC GCGTCCGCGG ACGCGTGGGC GGACGCGTGG GCGGACGCGT GGGTTTTATT 60 TTACATAAAT ATGCCTTCAC TTCAATTGCA ACCTGATGAC AAACTAGCAC CTGTTTCTTT 120 TGCACTTAAG TCTATGAATG AGTTGAGGGA CTGGACGCCA GACGAAAAGA TAAAGTTTAA 180 CGTTTCAAGC GTGGCACTAC AGCCTCGTGT GAAAAACGCC CTGAAACCTC AATTATTGTT 240 AACTCATGAT ATGGCAGGAG GATATAAAGA AGATAAAAAT ATTCAAGGAA ACAATTATAA 300 AGACATTTAT AACATTCAAT ATTGGCATTT AGCTGATACT TTTGTATATT TCTCTCATGA 360 GCGAGTTAGC ATTCCTCCAG TCAATTGGAC AAATGCTTGT CATAGAAATG GTGTAAAGTG 420 TTTAGGTACT TTTTTAGTAG AAGGAAATAA CCAAATGCAT GAAATGGAAG CCTTGCTTCA 480 CGGTCCACCT TTACTTAATA ACACTGACGA CCCTATGAGA TTATGGAGTC CGTATTATGC 540 AGACCAATTA GTTGCTATTG CTAAACACTA TGGTTTTGAT GGCTGGTTGT TCAATATTGA 600 ATGCGAATTC TTTCCTTTTC CTACAAATCC AAAATTCAAA GCTGAAGAGT TGGCAAAGTT 660 TCTACACTAT TTTAAGGAAA AATTGCATAA CGAAATACCT GGATCTCAAC TCATTTGGTA 720 CGACAGCATG ACAAATGAAG GAGAAATCCA CTGGCAGAAC CAGCTCACAT GGAAAAATGA 780 GTTATTTTTT AAAAACACGG ATGGTATTTT TTTGAATTAT TGGTGGAAAA AAGAATACCC 840 TGAAATGGCG CGTAGAGTAG CTGAAGGAAT AGGTAGATCA GGTTTAGAAG TTTATTTTGG 900 TACAGATGTA TGGGGAAGGC ATACTTATGG TGGCGGTGGT TTCAAATCAT ATAAGGGTGT 960 AAAAACTGCC TACTCTGCAA TGACATCTTC TGCATTATTT GGTATGGCAT GGACATACGA 1020 GCATTTCGAA AAGTCTGAAT TTGAAAAGAT GGATCGTTTG TTTTGGTGTG GTGGTAAATA 1080 CTCTGACTAT CCTCCCCCAC CTCCTAAAAA CCCAGATGAC GAAAAAGAAG TAGAAAGCGA 1140 TGATAGTGAA GATGAGCTCA TGTACGGACA CAAGAAAGGT ATTGCTGACA CGGTAGAATC 1200 TATTCCTGTA CCAGGAACAG ATTGGTTTGT TACCAATTTT GATAGGGGGT TTGGAAATAG 1260 GTTTTATTAT AGAGGAAAGA GATTACTTTC TCAGCCTTGG TCCCATTTAT CGCATCAAGC 1320 TATTCTCCCC AATAAAAGCT ATCGAAATCC AGAGATTTAT CCCACTGATC AAAACATTAA 1380 AATCACTAGT TCTCTCGATT GCGATCATGG AGCTTTTCTT GGTGGAACCT CGCTTATTAT 1440 CAAAGGCCAA CGTTTCAATC ATAGAGAATC GCATGATGTT GAAACTGAAA TTAGTATACC 1500 TCTGTATAAG CTTTCATTAG ATGCTAGTAA AGGATGCTCA TTGCGTTATA TTTATAGAAC 1560 TTTGTTGATG AAAGATGTAA AGTTGACAGT AGCATGTCAC TTTTCGTTAA AAACAAACGA 1620 CTCAGTTAAT TTCTTCAAGG TATGGCAGCC AGATGAAAAT TTCTCTTTTG AATATGATGA 1680 TGGAATGAGA GCCACTGTTA CAACTGAAAA TTCTACCGAA AGCAGATGCT TTTTATTACG 1740 TACAACAGAA GAAGATACAG GAGAAAATGA TTGGATAACA AAAACTATTA ATGTGCCTGC 1800 TGTTCCAGAA GGAAGTCAAT TATACATTAC AAGACTTGAA GTGAGCGTAG TATTAGATAC 1860 AGCTGGTTTA GTAGGTCTTG TTAATCAAGT TATTGCTTGC TTGGGATATA TTAGCATCAT 1920 ACCAACTATA AATTCTGGAA TAAAAACAGA TTCATCACGC ATTATTCAGG ATCTCTTTTG 1980 GAAAGATCAG AAATATACCA AAATCGGAAA AGAAAGTTTA GACGACATAG CTCAAGAAGA 2040 AGTTCATAGA TATTATGGAA CATTGAACTG GGAAAACACA GCAAATGTAG TAAACGCTTG 2100 GGAGGAAATA GATTACTACA ACGTTTTTTA CAAAGAAAGT GACGACTCTG CAACTCGCAT 2160 CTTTTTAGGA ACAGCATTCT GTAATCAATT TCGTGTATCT GGTTTAGATA TTATTTTATC 2220 TAAGCTACCA AAGATAGTTA TTGAAGCTGT TAACAAAGAA GGATACATCT CTTCAAGTGG 2280 TAGCATAGAT TTGTCATTAA ACTAGGACTT GAAATAAAAT ATTATGATAA AGAAAAAAAA 2340 AAAAAAAAAA AAAAAAAAAG GGCGGCCGC 2369
【0089】 配列番号:2 配列の長さ:2235 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:ムコール・ヒエマリス(Mucor hiemalis) 株名: 配列の特徴 特徴を表わす記号:CDS 存在位置:1..2235 配列 ATG CCT TCA CTT CAA TTG CAA CCT GAT GAC AAA CTA GCA CCT GTT TCT 48 Met Pro Ser Leu Gln Leu Gln Pro Asp Asp Lys Leu Ala Pro Val Ser 1 5 10 15 TTT GCA CTT AAG TCT ATG AAT GAG TTG AGG GAC TGG ACG CCA GAC GAA 96 Phe Ala Leu Lys Ser Met Asn Glu Leu Arg Asp Trp Thr Pro Asp Glu 20 25 30 AAG ATA AAG TTT AAC GTT TCA AGC GTG GCA CTA CAG CCT CGT GTG AAA 144 Lys Ile Lys Phe Asn Val Ser Ser Val Ala Leu Gln Pro Arg Val Lys 35 40 45 AAC GCC CTG AAA CCT CAA TTA TTG TTA ACT CAT GAT ATG GCA GGA GGA 192 Asn Ala Leu Lys Pro Gln Leu Leu Leu Thr His Asp Met Ala Gly Gly 50 55 60 TAT AAA GAA GAT AAA AAT ATT CAA GGA AAC AAT TAT AAA GAC ATT TAT 240 Tyr Lys Glu Asp Lys Asn Ile Gln Gly Asn Asn Tyr Lys Asp Ile Tyr 65 70 75 80 AAC ATT CAA TAT TGG CAT TTA GCT GAT ACT TTT GTA TAT TTC TCT CAT 288 Asn Ile Gln Tyr Trp His Leu Ala Asp Thr Phe Val Tyr Phe Ser His 85 90 95 GAG CGA GTT AGC ATT CCT CCA GTC AAT TGG ACA AAT GCT TGT CAT AGA 336 Glu Arg Val Ser Ile Pro Pro Val Asn Trp Thr Asn Ala Cys His Arg 100 105 110 AAT GGT GTA AAG TGT TTA GGT ACT TTT TTA GTA GAA GGA AAT AAC CAA 384 Asn Gly Val Lys Cys Leu Gly Thr Phe Leu Val Glu Gly Asn Asn Gln 115 120 125 ATG CAT GAA ATG GAA GCC TTG CTT CAC GGT CCA CCT TTA CTT AAT AAC 432 Met His Glu Met Glu Ala Leu Leu His Gly Pro Pro Leu Leu Asn Asn 130 135 140 ACT GAC GAC CCT ATG AGA TTA TGG AGT CCG TAT TAT GCA GAC CAA TTA 480 Thr Asp Asp Pro Met Arg Leu Trp Ser Pro Tyr Tyr Ala Asp Gln Leu 145 150 155 160 GTT GCT ATT GCT AAA CAC TAT GGT TTT GAT GGC TGG TTG TTC AAT ATT 528 Val Ala Ile Ala Lys His Tyr Gly Phe Asp Gly Trp Leu Phe Asn Ile 165 170 175 GAA TGC GAA TTC TTT CCT TTT CCT ACA AAT CCA AAA TTC AAA GCT GAA 576 Glu Cys Glu Phe Phe Pro Phe Pro Thr Asn Pro Lys Phe Lys Ala Glu 180 185 190 GAG TTG GCA AAG TTT CTA CAC TAT TTT AAG GAA AAA TTG CAT AAC GAA 624 Glu Leu Ala Lys Phe Leu His Tyr Phe Lys Glu Lys Leu His Asn Glu 195 200 205 ATA CCT GGA TCT CAA CTC ATT TGG TAC GAC AGC ATG ACA AAT GAA GGA 672 Ile Pro Gly Ser Gln Leu Ile Trp Tyr Asp Ser Met Thr Asn Glu Gly 210 215 220 GAA ATC CAC TGG CAG AAC CAG CTC ACA TGG AAA AAT GAG TTA TTT TTT 720 Glu Ile His Trp Gln Asn Gln Leu Thr Trp Lys Asn Glu Leu Phe Phe 225 230 235 240 AAA AAC ACG GAT GGT ATT TTT TTG AAT TAT TGG TGG AAA AAA GAA TAC 768 Lys Asn Thr Asp Gly Ile Phe Leu Asn Tyr Trp Trp Lys Lys Glu Tyr 245 250 255 CCT GAA ATG GCG CGT AGA GTA GCT GAA GGA ATA GGT AGA TCA GGT TTA 816 Pro Glu Met Ala Arg Arg Val Ala Glu Gly Ile Gly Arg Ser Gly Leu 260 265 270 GAA GTT TAT TTT GGT ACA GAT GTA TGG GGA AGG CAT ACT TAT GGT GGC 864 Glu Val Tyr Phe Gly Thr Asp Val Trp Gly Arg His Thr Tyr Gly Gly 275 280 285 GGT GGT TTC AAA TCA TAT AAG GGT GTA AAA ACT GCC TAC TCT GCA ATG 912 Gly Gly Phe Lys Ser Tyr Lys Gly Val Lys Thr Ala Tyr Ser Ala Met 290 295 300 ACA TCT TCT GCA TTA TTT GGT ATG GCA TGG ACA TAC GAG CAT TTC GAA 960 Thr Ser Ser Ala Leu Phe Gly Met Ala Trp Thr Tyr Glu His Phe Glu 305 310 315 320 AAG TCT GAA TTT GAA AAG ATG GAT CGT TTG TTT TGG TGT GGT GGT AAA 1008 Lys Ser Glu Phe Glu Lys Met Asp Arg Leu Phe Trp Cys Gly Gly Lys 325 330 335 TAC TCT GAC TAT CCT CCC CCA CCT CCT AAA AAC CCA GAT GAC GAA AAA 1056 Tyr Ser Asp Tyr Pro Pro Pro Pro Pro Lys Asn Pro Asp Asp Glu Lys 340 345 350 GAA GTA GAA AGC GAT GAT AGT GAA GAT GAG CTC ATG TAC GGA CAC AAG 1104 Glu Val Glu Ser Asp Asp Ser Glu Asp Glu Leu Met Tyr Gly His Lys 355 360 365 AAA GGT ATT GCT GAC ACG GTA GAA TCT ATT CCT GTA CCA GGA ACA GAT 1152 Lys Gly Ile Ala Asp Thr Val Glu Ser Ile Pro Val Pro Gly Thr Asp 370 375 380 TGG TTT GTT ACC AAT TTT GAT AGG GGG TTT GGA AAT AGG TTT TAT TAT 1200 Trp Phe Val Thr Asn Phe Asp Arg Gly Phe Gly Asn Arg Phe Tyr Tyr 385 390 395 400 AGA GGA AAG AGA TTA CTT TCT CAG CCT TGG TCC CAT TTA TCG CAT CAA 1248 Arg Gly Lys Arg Leu Leu Ser Gln Pro Trp Ser His Leu Ser His Gln 405 410 415 GCT ATT CTC CCC AAT AAA AGC TAT CGA AAT CCA GAG ATT TAT CCC ACT 1296 Ala Ile Leu Pro Asn Lys Ser Tyr Arg Asn Pro Glu Ile Tyr Pro Thr 420 425 430 GAT CAA AAC ATT AAA ATC ACT AGT TCT CTC GAT TGC GAT CAT GGA GCT 1344 Asp Gln Asn Ile Lys Ile Thr Ser Ser Leu Asp Cys Asp His Gly Ala 435 440 445 TTT CTT GGT GGA ACC TCG CTT ATT ATC AAA GGC CAA CGT TTC AAT CAT 1392 Phe Leu Gly Gly Thr Ser Leu Ile Ile Lys Gly Gln Arg Phe Asn His 450 455 460 AGA GAA TCG CAT GAT GTT GAA ACT GAA ATT AGT ATA CCT CTG TAT AAG 1440 Arg Glu Ser His Asp Val Glu Thr Glu Ile Ser Ile Pro Leu Tyr Lys 465 470 475 480 CTT TCA TTA GAT GCT AGT AAA GGA TGC TCA TTG CGT TAT ATT TAT AGA 1488 Leu Ser Leu Asp Ala Ser Lys Gly Cys Ser Leu Arg Tyr Ile Tyr Arg 485 490 495 ACT TTG TTG ATG AAA GAT GTA AAG TTG ACA GTA GCA TGT CAC TTT TCG 1536 Thr Leu Leu Met Lys Asp Val Lys Leu Thr Val Ala Cys His Phe Ser 500 505 510 TTA AAA ACA AAC GAC TCA GTT AAT TTC TTC AAG GTA TGG CAG CCA GAT 1584 Leu Lys Thr Asn Asp Ser Val Asn Phe Phe Lys Val Trp Gln Pro Asp 515 520 525 GAA AAT TTC TCT TTT GAA TAT GAT GAT GGA ATG AGA GCC ACT GTT ACA 1632 Glu Asn Phe Ser Phe Glu Tyr Asp Asp Gly Met Arg Ala Thr Val Thr 530 535 540 ACT GAA AAT TCT ACC GAA AGC AGA TGC TTT TTA TTA CGT ACA ACA GAA 1680 Thr Glu Asn Ser Thr Glu Ser Arg Cys Phe Leu Leu Arg Thr Thr Glu 545 550 555 560 GAA GAT ACA GGA GAA AAT GAT TGG ATA ACA AAA ACT ATT AAT GTG CCT 1728 Glu Asp Thr Gly Glu Asn Asp Trp Ile Thr Lys Thr Ile Asn Val Pro 565 570 575 GCT GTT CCA GAA GGA AGT CAA TTA TAC ATT ACA AGA CTT GAA GTG AGC 1776 Ala Val Pro Glu Gly Ser Gln Leu Tyr Ile Thr Arg Leu Glu Val Ser 580 585 590 GTA GTA TTA GAT ACA GCT GGT TTA GTA GGT CTT GTT AAT CAA GTT ATT 1824 Val Val Leu Asp Thr Ala Gly Leu Val Gly Leu Val Asn Gln Val Ile 595 600 605 GCT TGC TTG GGA TAT ATT AGC ATC ATA CCA ACT ATA AAT TCT GGA ATA 1872 Ala Cys Leu Gly Tyr Ile Ser Ile Ile Pro Thr Ile Asn Ser Gly Ile 610 615 620 AAA ACA GAT TCA TCA CGC ATT ATT CAG GAT CTC TTT TGG AAA GAT CAG 1920 Lys Thr Asp Ser Ser Arg Ile Ile Gln Asp Leu Phe Trp Lys Asp Gln 625 630 635 640 AAA TAT ACC AAA ATC GGA AAA GAA AGT TTA GAC GAC ATA GCT CAA GAA 1968 Lys Tyr Thr Lys Ile Gly Lys Glu Ser Leu Asp Asp Ile Ala Gln Glu 645 650 655 GAA GTT CAT AGA TAT TAT GGA ACA TTG AAC TGG GAA AAC ACA GCA AAT 2016 Glu Val His Arg Tyr Tyr Gly Thr Leu Asn Trp Glu Asn Thr Ala Asn 660 665 670 GTA GTA AAC GCT TGG GAG GAA ATA GAT TAC TAC AAC GTT TTT TAC AAA 2064 Val Val Asn Ala Trp Glu Glu Ile Asp Tyr Tyr Asn Val Phe Tyr Lys 675 680 685 GAA AGT GAC GAC TCT GCA ACT CGC ATC TTT TTA GGA ACA GCA TTC TGT 2112 Glu Ser Asp Asp Ser Ala Thr Arg Ile Phe Leu Gly Thr Ala Phe Cys 690 695 700 AAT CAA TTT CGT GTA TCT GGT TTA GAT ATT ATT TTA TCT AAG CTA CCA 2160 Asn Gln Phe Arg Val Ser Gly Leu Asp Ile Ile Leu Ser Lys Leu Pro 705 710 715 720 AAG ATA GTT ATT GAA GCT GTT AAC AAA GAA GGA TAC ATC TCT TCA AGT 2208 Lys Ile Val Ile Glu Ala Val Asn Lys Glu Gly Tyr Ile Ser Ser Ser 725 730 735 GGT AGC ATA GAT TTG TCA TTA AAC TAG 2235 Gly Ser Ile Asp Leu Ser Leu Asn 740
【0090】 配列番号:3 配列の長さ:744 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Pro Ser Leu Gln Leu Gln Pro Asp Asp Lys Leu Ala Pro Val Ser 1 5 10 15 Phe Ala Leu Lys Ser Met Asn Glu Leu Arg Asp Trp Thr Pro Asp Glu 20 25 30 Lys Ile Lys Phe Asn Val Ser Ser Val Ala Leu Gln Pro Arg Val Lys 35 40 45 Asn Ala Leu Lys Pro Gln Leu Leu Leu Thr His Asp Met Ala Gly Gly 50 55 60 Tyr Lys Glu Asp Lys Asn Ile Gln Gly Asn Asn Tyr Lys Asp Ile Tyr 65 70 75 80 Asn Ile Gln Tyr Trp His Leu Ala Asp Thr Phe Val Tyr Phe Ser His 85 90 95 Glu Arg Val Ser Ile Pro Pro Val Asn Trp Thr Asn Ala Cys His Arg 100 105 110 Asn Gly Val Lys Cys Leu Gly Thr Phe Leu Val Glu Gly Asn Asn Gln 115 120 125 Met His Glu Met Glu Ala Leu Leu His Gly Pro Pro Leu Leu Asn Asn 130 135 140 Thr Asp Asp Pro Met Arg Leu Trp Ser Pro Tyr Tyr Ala Asp Gln Leu 145 150 155 160 Val Ala Ile Ala Lys His Tyr Gly Phe Asp Gly Trp Leu Phe Asn Ile 165 170 175 Glu Cys Glu Phe Phe Pro Phe Pro Thr Asn Pro Lys Phe Lys Ala Glu 180 185 190 Glu Leu Ala Lys Phe Leu His Tyr Phe Lys Glu Lys Leu His Asn Glu 195 200 205 Ile Pro Gly Ser Gln Leu Ile Trp Tyr Asp Ser Met Thr Asn Glu Gly 210 215 220 Glu Ile His Trp Gln Asn Gln Leu Thr Trp Lys Asn Glu Leu Phe Phe 225 230 235 240 Lys Asn Thr Asp Gly Ile Phe Leu Asn Tyr Trp Trp Lys Lys Glu Tyr 245 250 255 Pro Glu Met Ala Arg Arg Val Ala Glu Gly Ile Gly Arg Ser Gly Leu 260 265 270 Glu Val Tyr Phe Gly Thr Asp Val Trp Gly Arg His Thr Tyr Gly Gly 275 280 285 Gly Gly Phe Lys Ser Tyr Lys Gly Val Lys Thr Ala Tyr Ser Ala Met 290 295 300 Thr Ser Ser Ala Leu Phe Gly Met Ala Trp Thr Tyr Glu His Phe Glu 305 310 315 320 Lys Ser Glu Phe Glu Lys Met Asp Arg Leu Phe Trp Cys Gly Gly Lys 325 330 335 Tyr Ser Asp Tyr Pro Pro Pro Pro Pro Lys Asn Pro Asp Asp Glu Lys 340 345 350 Glu Val Glu Ser Asp Asp Ser Glu Asp Glu Leu Met Tyr Gly His Lys 355 360 365 Lys Gly Ile Ala Asp Thr Val Glu Ser Ile Pro Val Pro Gly Thr Asp 370 375 380 Trp Phe Val Thr Asn Phe Asp Arg Gly Phe Gly Asn Arg Phe Tyr Tyr 385 390 395 400 Arg Gly Lys Arg Leu Leu Ser Gln Pro Trp Ser His Leu Ser His Gln 405 410 415 Ala Ile Leu Pro Asn Lys Ser Tyr Arg Asn Pro Glu Ile Tyr Pro Thr 420 425 430 Asp Gln Asn Ile Lys Ile Thr Ser Ser Leu Asp Cys Asp His Gly Ala 435 440 445 Phe Leu Gly Gly Thr Ser Leu Ile Ile Lys Gly Gln Arg Phe Asn His 450 455 460 Arg Glu Ser His Asp Val Glu Thr Glu Ile Ser Ile Pro Leu Tyr Lys 465 470 475 480 Leu Ser Leu Asp Ala Ser Lys Gly Cys Ser Leu Arg Tyr Ile Tyr Arg 485 490 495 Thr Leu Leu Met Lys Asp Val Lys Leu Thr Val Ala Cys His Phe Ser 500 505 510 Leu Lys Thr Asn Asp Ser Val Asn Phe Phe Lys Val Trp Gln Pro Asp 515 520 525 Glu Asn Phe Ser Phe Glu Tyr Asp Asp Gly Met Arg Ala Thr Val Thr 530 535 540 Thr Glu Asn Ser Thr Glu Ser Arg Cys Phe Leu Leu Arg Thr Thr Glu 545 550 555 560 Glu Asp Thr Gly Glu Asn Asp Trp Ile Thr Lys Thr Ile Asn Val Pro 565 570 575 Ala Val Pro Glu Gly Ser Gln Leu Tyr Ile Thr Arg Leu Glu Val Ser 580 585 590 Val Val Leu Asp Thr Ala Gly Leu Val Gly Leu Val Asn Gln Val Ile 595 600 605 Ala Cys Leu Gly Tyr Ile Ser Ile Ile Pro Thr Ile Asn Ser Gly Ile 610 615 620 Lys Thr Asp Ser Ser Arg Ile Ile Gln Asp Leu Phe Trp Lys Asp Gln 625 630 635 640 Lys Tyr Thr Lys Ile Gly Lys Glu Ser Leu Asp Asp Ile Ala Gln Glu 645 650 655 Glu Val His Arg Tyr Tyr Gly Thr Leu Asn Trp Glu Asn Thr Ala Asn 660 665 670 Val Val Asn Ala Trp Glu Glu Ile Asp Tyr Tyr Asn Val Phe Tyr Lys 675 680 685 Glu Ser Asp Asp Ser Ala Thr Arg Ile Phe Leu Gly Thr Ala Phe Cys 690 695 700 Asn Gln Phe Arg Val Ser Gly Leu Asp Ile Ile Leu Ser Lys Leu Pro 705 710 715 720 Lys Ile Val Ile Glu Ala Val Asn Lys Glu Gly Tyr Ile Ser Ser Ser 725 730 735 Gly Ser Ile Asp Leu Ser Leu Asn 740
【0091】配列番号:4 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0092】 配列番号:5 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CARTTRCARC CNGAYGAYAA 20
【0093】 配列番号:6 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Tyr Arg Asn Pro Glu Ile Tyr Pro Thr Asp Gln Asn Ile Lys 1 5 10 15
【0094】 配列番号:7 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CCHACNGAYC ARAAYATYAA 20
【0095】 配列番号:8 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TTRATRTTYT GRTCNGTDGG 20
【0096】 配列番号:9 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Gln Arg Phe Asn His Arg Glu Ser His Asp Val Glu Thr Glu Ile 1 5 10 15
【0097】 配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TGRTTRAADC GYTGDCCYTT 20
【0098】 配列番号:11 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ATGCCTTCAC TTCAATTGCA ACC 23
【0099】 配列番号:12 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CTAGTTTAAT GACAAATCTA TGC
23
【0100】 配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CACTTAAGTC TATGAATGAG 20
【0101】 配列番号:14 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 AATCTCTGGA TTTCGATAGC 20
【0102】 配列番号:15 配列の長さ:41 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GGGGCGGCCG CTTTTATTTT ACATAAATAT GCCTTCACTT C 41
【0103】 配列番号:16 配列の長さ:38 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CCCGCGGCCG CCTAGTTTAA TGACAAATCT ATGCTACC 38
【0104】配列番号:17 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0105】 配列番号:18 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Ser Tyr Arg Asn Pro Glu Ile Tyr Pro Thr Asp Gln Asn Ile Lys 1 5 10 15
【0106】 配列番号:19 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Phe Asn Val Ser Ser Val Ala Leu Gln Pro Arg Val Lys 1 5 10
【0107】配列番号:20 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:2 他の情報:Xaa=Met or Ser
【0108】 配列番号:21 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:2 他の情報:Xaa=Gly or Met 配列の特徴 存在位置:3 他の情報:Xaa=Gln or Ala 配列の特徴 存在位置:4 他の情報:Xaa=Arg or Leu 配列の特徴 存在位置:6 他の情報:Xaa=Asn or Pro 配列の特徴 存在位置:8 他の情報:Xaa=Arg or Leu 配列の特徴 存在位置:9 他の情報:Xaa=Glu or Leu 配列の特徴 存在位置:10 他の情報:Xaa=Ser or Leu 配列の特徴 存在位置:11 他の情報:Xaa=His or Thr 配列 Lys Xaa Xaa Xaa Phe Xaa His Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Val Glu Thr Glu 1 5 10 15 Ile
【0109】 配列番号:22 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Glu Gly Tyr Ile Ser Ser Ser Gly Ser Ile Asp Leu Ser Leu Asn 1 5 10 15
【0110】配列番号:23 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0111】配列番号:24 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0112】配列番号:25 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0113】 配列番号:26 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Asn Thr Asp Gly Ile Phe Leu Asn Tyr Trp Trp Lys 1 5 10
【0114】 配列番号:27 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:3 他の情報:Carboxymethyl 配列 Lys Gly Cys Ser Leu Arg Tyr Ile Tyr Arg Thr Leu Leu Met Lys 1 5 10 15
【0115】配列番号:28 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:6 他の情報:Carboxymethyl
【0116】 配列番号:29 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Pro Gln Leu Leu Leu Thr His Asp Met Ala Gly Gly Tyr Lys 1 5 10 15
【0117】 配列番号:30 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Ser Met Asn Glu Leu Arg Asp Trp Thr Pro Asp Glu Lys 1 5 10
【0118】配列番号:31 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0119】 配列番号:32 配列の長さ:23 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Gly Gln Arg Phe Asn His Arg Glu Ser His Asp Val Glu Thr Glu 1 5 10 15 Ile Ser Ile Pro Leu Tyr Lys 20
【0120】 配列番号:33 配列の長さ:22 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴 存在位置:8 他の情報:Carboxymethyl 配列 Lys Ile Thr Ser Ser Leu Asp Cys Asp His Gly Ala Phe Leu Gly Gly 1 5 10 15 Thr Ser Leu Ile Ile Lys 20
【0121】 配列番号:34 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Asn Glu Leu Phe Phe Lys Asn Thr Asp Gly Ile Phe Leu Asn Tyr 1 5 10 15 Trp Trp Lys
【0122】配列番号:35 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド
【0123】 配列番号:36 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Ser Arg Ile Ile Gln Asp Leu Phe Trp Lys 1 5 10
【0124】 配列番号:37 配列の長さ:14 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Lys Thr Asp Ser Ser Arg Ile Ile Gln Asp Leu Phe Trp Lys 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼの精
製結果を示す電気泳動写真である。
【図2】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子の全長を含むpZL-Endoの制限酵素地図である。
【図3】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子の全長を含むpZL-EndoのSal I-Not I部位に挿入
された断片の全塩基配列を示した図である。
【図4】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子の全長を含むpZL-EndoのSal I-Not I部位に挿入
された断片の全塩基配列を示した図である(図3の続
き)。
【図5】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子から推定されるアミノ酸配列、および該アミノ酸
をコードするDNAの塩基配列を表す図である。
【図6】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子から推定されるアミノ酸配列、および該アミノ酸
をコードするDNAの塩基配列を表す図である(図5の
続き)。
【図7】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子から推定されるアミノ酸配列、および該アミノ酸
をコードするDNAの塩基配列を表す図である(図6の
続き)。
【図8】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子を含むサッカロミセス・セレビシエ用の発現ベク
ターpGEndo-SCの構造を表す図である。
【図9】新規エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
遺伝子が導入された酵母での該酵素の発現を示すクロマ
トグラフの写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 憲二 滋賀県大津市仰木の里東6丁目9−3 (72)発明者 熊谷 英彦 滋賀県大津市日吉台3丁目32−2 (72)発明者 吉田 聡 神奈川県横浜市金沢区福浦1−13−5 麒 麟麦酒株式会社基盤技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)の組換えタンパク質。 (a) 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるタンパ
    ク質 (b) 配列番号3に示されるアミノ酸配列において少なく
    とも1個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加さ
    れたアミノ酸配列からなり、かつエンド-β-N-アセチル
    グルコサミニダーゼ活性を有するタンパク質
  2. 【請求項2】 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコード
    するエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ遺伝子。 (a) 配列番号3に示されるアミノ酸配列からなるタンパ
    ク質 (b) 配列番号3に示されるアミノ酸配列において少なく
    とも1個のアミノ酸が欠失、置換、挿入若しくは付加さ
    れたアミノ酸配列からなり、かつエンド-β-N-アセチル
    グルコサミニダーゼ活性を有するタンパク質
  3. 【請求項3】 以下の(c)又は(d)のDNAを含む遺伝子。 (c) 配列番号2に示される塩基配列からなるDNA (d) 配列番号2に示される塩基配列からなるDNAとスト
    リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつエンド
    -β-N-アセチルグルコサミニダーゼ活性を有するタンパ
    ク質をコードするDNA
  4. 【請求項4】 請求項2記載の遺伝子とストリンジェン
    トな条件下でハイブリダイズし、かつエンド-β-N-アセ
    チルグルコサミニダーゼ活性を有するタンパク質をコー
    ドするDNAを含む遺伝子。
  5. 【請求項5】 遺伝子が、ムコール属に属する微生物由
    来のものである請求項2〜4のいずれか1項に記載の遺
    伝子。
  6. 【請求項6】 ムコール属に属する微生物がムコール・
    ヒエマリスである請求項5記載の遺伝子。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれか1項に記載の遺
    伝子を含有する組換えベクター。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の組換えベクターを含む形
    質転換体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の形質転換体を培養し、得
    られる培養物からエンド-β-N-アセチルグルコサミニダ
    ーゼを採取することを特徴とするエンド-β-N-アセチル
    グルコサミニダーゼの製造方法。
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