JPH11330387A - 磁化制御方法、情報記録方法及び情報記録素子 - Google Patents

磁化制御方法、情報記録方法及び情報記録素子

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JPH11330387A
JPH11330387A JP10130710A JP13071098A JPH11330387A JP H11330387 A JPH11330387 A JP H11330387A JP 10130710 A JP10130710 A JP 10130710A JP 13071098 A JP13071098 A JP 13071098A JP H11330387 A JPH11330387 A JP H11330387A
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Kazuhiro Bessho
和宏 別所
Hiroshi Iwasaki
洋 岩崎
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁界を用いることなく磁化を制御することが
可能な磁化制御方法として、より現実的であり実用可能
な方法を提供する。また、そのような磁化制御方法を利
用した情報記録方法及び情報記録素子を提供する。 【解決手段】 強磁性体からなる磁化領域を、磁性材料
及び半導体材料を含む複合体からなるスペーサ領域によ
って分割する。そして、スペーサ領域に対して外部から
刺激を与えることによって、磁化領域間の磁気的な相互
作用を変化させて、1つもしくはそれ以上の磁化領域の
磁化を制御する。このようにスペーサ領域に磁性材料を
含ませておけば、スペーサ領域を実用可能な程度にまで
厚くしても、強磁性体からなる磁化領域間において磁気
的相互作用を生じさせることが可能であり、スペーサ領
域により媒介される磁化領域間の磁気的相互作用を利用
して、磁化領域の磁化方向を制御することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体の磁化制御
方法に関するものであり、詳しくは、強磁性体からなる
磁化領域をスペーサ領域によって分割し、スペーサ領域
に対して外部から刺激を与えることにより、磁化領域の
磁化方向を制御する方法に関する。また、本発明は、こ
のような磁化方向制御を利用した情報記録方法及び情報
記録素子に関する。
【0002】
【従来の技術】情報通信機器、特に携帯端末などの個人
用小型機器の飛躍的な普及に伴い、これを構成するメモ
リやロジックなどの素子には、高集積化、高速化、低電
力化など、一層の高性能化が要請されている。特に不揮
発性メモリの高密度・大容量化は、可動部分の存在によ
り本質的に小型化が不可能なハードディスクや光ディス
クを置き換える技術として、ますます重要になってきて
いる。
【0003】不揮発性メモリとしては、半導体を用いた
フラッシュメモリや、強誘電体を用いたFRAM(Ferr
o electric Random Access Memory)などが挙げられ
る。しかしながら、フラッシュメモリは、構造が複雑な
ために高集積化が困難であり、しかも、アクセス時間が
100ns程度と遅いという欠点がある。一方、FRA
Mにおいては、書き換え可能回数が少ないという問題が
指摘されている。
【0004】これらの欠点を有さない不揮発性メモリと
して注目されているのが、例えば「Wang et al.,IEEE T
rans.Magn.33(1997),4498」に記載されているような、
MRAM(Magnetic Random Access Memory)もしくは
MR(Magenetoresistance)メモリとよばれる磁気メモ
リである MRAMは、構造が単純であるため高集積化が容易であ
り、また磁気モーメントの回転により記録を行うために
書き換え可能回数が大であると予測されている。しか
も、提案された当初に問題であったアクセス時間につい
ても、GMR(Giant Magnetoresistance)効果により
高出力が得られるようになった現在では、大きく改善さ
れている。
【0005】しかし、MRAMには、構造上の本質的な
問題点が存在する。MRAMにおける記録は、配線に電
流を流すことによって発生する電流磁場によって記録層
の磁化を回転させることにより行っている。ところが、
高集積化によって配線が細くなるに伴い、書き込み線に
流すことのできる臨界電流値が下がるため、得られる磁
界が小さくなり、被記録領域の保磁力を小さくせざるを
得ない。これは、情報記録素子の信頼性が低下すること
を意味する。また、磁界というものは、光や電子線のよ
うに絞ることが出来ないため、高集積化した場合には、
クロストークの大きな原因になると考えられる。これを
防止するためにキーパ構造等も提案されているが、構造
の複雑化は避けられない。以上のように、電流磁場によ
る書き込みには本質的に多くの問題があり、電流磁場に
よる書き込みが将来のMRAMにおける大きな欠点にな
る恐れがある。
【0006】ところで、このような欠点は、磁界を用い
ることなく磁化を制御することが可能であれば解消する
ことができる。そして、磁界を用いることなく磁化を制
御する手法として、例えば「Mattson et al.,Phys.Rev.
Lett.71(1993)185」に記載されているように、強磁性体
/半導体/強磁性体を積層して用いる手法が提案されて
いる。
【0007】これは、強磁性体層間の磁気的な結合が、
中間層である半導体層のキャリア濃度に依存しているこ
とを利用するものである。強磁性体/半導体/強磁性体
を積層した積層体では、中間層である半導体層のキャリ
ア濃度を制御することにより、強磁性層間の磁気的結合
を、例えば平行から反平行へと変化させることが可能で
ある。そこで、一方の磁性層(固定層)の保磁力を大と
しておけば、他方の磁性層(可動層)の磁化を固定層に
対して回転させることが出来る。特に電気的な入力で磁
化を回転させる方法は、小型全固体素子を実現する技術
として有望である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のような強磁性体
/半導体/強磁性体を積層した積層体においては、半導
体層を介して強磁性層間で間接的に磁気的な相互作用が
生じる。そのため、中間層である半導体層のキャリア濃
度を制御することで強磁性層間の磁気的結合制御するに
は、中間層である半導体層の膜厚を十分に薄くする必要
がある。
【0009】これは、半導体層を介した強磁性層間の相
互作用の大きさが、半導体層の厚さに対して指数関数的
に減衰するためである。現実的な相互作用の大きさを得
るため、例えば厚さ2nm、飽和磁化12500ガウス
のNi−Fe合金において、交換バイアスなどの方法に
より100Oeの保磁力を与えたものを考える。このN
i−Fe合金の磁化を反転させるために必要なエネルギ
ーと同等なエネルギーを、半導体を介した間接相互作用
で与えるためには、交換結合定数Jが0.02erg/
cm2以上なくてはならないことが簡単な計算により見
積もられる。この大きさの相互作用を与えるためには、
J.J.de Vriesらの論文(Physical Review Letters 78,
(1997)p.3023)によると、約2.5nmであることが分
かる。すなわち、実用的な素子を提供するためには、半
導体層の厚さは2.5nm以下でなくてはならない。
【0010】しかしながら、2.5nm以下というよう
な薄膜を用いて、実際に素子を作製するということは、
現在の微細加工技術では現実的でない。しかも、実際に
そのような素子が作製できたとしても、半導体と強磁性
体との界面でのショットキー障壁等の形成に伴う空乏層
の生成によって、この程度の薄い半導体層は殆ど絶縁障
壁になっていると考えられるため、キャリアの注入は困
難である。
【0011】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、磁界を用いることなく磁化を
制御することが可能な磁化制御方法として、より現実的
であり実用可能な方法を提供することを目的としてい
る。また、本発明は、そのような磁化制御方法を利用し
た情報記録方法及び情報記録素子を提供することも目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の磁化制御方法で
は、強磁性体からなる磁化領域を、磁性材料及び半導体
材料を含む複合体からなるスペーサ領域によって分割す
る。そして、スペーサ領域に対して外部から刺激を与え
ることによって、磁化領域間の磁気的な相互作用を変化
させて、1つもしくはそれ以上の磁化領域の磁化を制御
する。
【0013】以上のような本発明に係る磁化制御方法で
は、スペーサ領域により媒介される磁化領域間の間接的
な磁気的相互作用を利用して、磁化領域の磁化方向を制
御する。そして、本発明においては、スペーサ領域に磁
性材料を含ませているので、スペーサ領域が厚くても、
強磁性体からなる磁化領域間における磁気的相互作用を
生じさせることができる。すなわち、本発明に係る磁化
制御方法によれば、スペーサ領域を厚くしても、磁化領
域の磁化を制御することが可能である。
【0014】また、本発明に係る磁化制御方法は、強磁
性体からなる磁化領域を厚さ10nm以上のスペーサ領
域によって分割し、スペーサ領域に対して外部から刺激
を与えることによって、磁化領域間の磁気的な相互作用
を変化させて、1つもしくはそれ以上の磁化領域の磁化
を制御することを特徴とする。
【0015】スペーサ領域の厚さが10nm以上であれ
ば、スペーサ領域の厚さが薄すぎるために作製が困難で
あるという問題や、スペーサ領域の厚さが薄すぎるため
にキャリアの注入が困難であるという問題などを、回避
することができる。なお、スペーサ領域の厚さの上限は
特に規定されるものではないが、実際に素子を作製する
際の製造プロセス等を考慮すると、スペーサ領域の厚さ
は1μm程度以下とすることが望ましい。
【0016】また、本発明の情報記録方法では、強磁性
体からなる磁化領域を、磁性材料及び半導体材料を含む
複合体からなるスペーサ領域によって分割する。そし
て、記録する情報に対応させてスペーサ領域に対して外
部から刺激を与えることによって、磁化領域間の磁気的
な相互作用を変化させて、1つもしくはそれ以上の磁化
領域の磁化を制御し、磁化領域の磁化の向きにより二値
もしくはそれ以上の多値記録を行う。
【0017】以上のような本発明に係る情報記録方法で
は、スペーサ領域により媒介される磁化領域間の間接的
な磁気的相互作用を利用して、磁化領域の磁化方向を制
御することで、情報の記録を行う。そして、本発明にお
いては、スペーサ領域に磁性材料を含ませているので、
スペーサ領域が厚くても、強磁性体からなる磁化領域間
における磁気的相互作用を生じさせることができる。す
なわち、本発明に係る情報記録方法によれば、スペーサ
領域を厚くしても、磁化領域の磁化を制御して、情報を
記録することが可能である。
【0018】また、本発明に係る情報記録方法は、強磁
性体からなる磁化領域を厚さ10nm以上のスペーサ領
域によって分割し、記録する情報に対応させてスペーサ
領域に対して外部から刺激を与えることによって、磁化
領域間の磁気的な相互作用を変化させて、1つもしくは
それ以上の磁化領域の磁化を制御し、磁化領域の磁化の
向きにより二値もしくはそれ以上の多値記録を行うこと
を特徴とする。
【0019】スペーサ領域の厚さが10nm以上であれ
ば、スペーサ領域の厚さが薄すぎるために作製が困難で
あるという問題や、スペーサ領域の厚さが薄すぎるため
にキャリアの注入が困難であるという問題などを、回避
することができる。なお、スペーサ領域の厚さの上限は
特に規定されるものではないが、実際に素子を作製する
際の製造プロセス等を考慮すると、スペーサ領域の厚さ
は1μm程度以下とすることが望ましい。
【0020】また、本発明の情報記録素子は、強磁性体
からなる磁化領域が、磁性材料及び半導体材料を含む複
合体からなるスペーサ領域によって分割されてなる構造
を有する。そして、記録する情報に対応した刺激がスペ
ーサ領域に対して外部から与えられることによって、磁
化領域間の磁気的な相互作用が変化して、1つもしくは
それ以上の磁化領域の磁化が制御され、磁化領域の磁化
の向きにより二値もしくはそれ以上の多値記録が行われ
る。
【0021】以上のような本発明に係る情報記録素子で
は、スペーサ領域により媒介される磁化領域間の間接的
な磁気的相互作用を利用して、磁化領域の磁化方向を制
御することで、情報の記録を行う。そして、本発明にお
いては、スペーサ領域に磁性材料を含ませているので、
スペーサ領域が厚くても、強磁性体からなる磁化領域間
における磁気的相互作用を生じさせることができる。す
なわち、本発明に係る情報記録素子では、スペーサ領域
を厚くしても、磁化領域の磁化を制御して、情報を記録
することが可能である。
【0022】また、本発明に係る情報記録素子は、強磁
性体からなる磁化領域が、厚さ10nm以上のスペーサ
領域によって分割されてなる構造を有し、記録する情報
に対応した刺激がスペーサ領域に対して外部から与えら
れることによって、磁化領域間の磁気的な相互作用が変
化して、1つもしくはそれ以上の磁化領域の磁化が制御
され、磁化領域の磁化の向きにより二値もしくはそれ以
上の多値記録が行われることを特徴とする。
【0023】スペーサ領域の厚さが10nm以上であれ
ば、スペーサ領域の厚さが薄すぎるために作製が困難で
あるという問題や、スペーサ領域の厚さが薄すぎるため
にキャリアの注入が困難であるという問題などを、回避
することができる。なお、スペーサ領域の厚さの上限は
特に規定されるものではないが、実際に素子を作製する
際の製造プロセス等を考慮すると、スペーサ領域の厚さ
は1μm程度以下とすることが望ましい。
【0024】なお、本発明に係る磁化制御方法、情報記
録方法及び情報記録素子において、スペーサ領域に対し
て外部から刺激を与える手法としては、例えば、電気刺
激、光照射又は温度制御等の手法が挙げられる。
【0025】また、スペーサ領域に使用する複合体とし
ては、磁性半導体、強磁性微粒子を半導体中に分散させ
た媒体、強磁性微粒子を磁性半導体中に分散させた媒
体、強磁性体膜と半導体膜とを積層した多層膜、或い
は、強磁性体膜と磁性半導体膜とを積層した多層膜など
が挙げられる。なお、スペーサ領域に使用する複合体
は、これらのうちのいずれか1つを用いるだけでなく、
それらを2つ以上組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】まず、本発明に係る磁化制御方法の基本的
な原理を、図1を参照して説明する。図1に示すよう
に、本発明では、強磁性体からなる磁化領域11と、磁
性材料及び半導体材料を含む複合体からなるスペーサ領
域20と、強磁性体からなる磁化領域12とを積層し
て、磁化領域11,12がスペーサ領域20によって分
割されてなる構造を設ける。
【0028】このような積層構造体において、スペーサ
領域20に含まれる半導体中の伝導帯電子や価電子帯正
孔の濃度が変化すると、これらキャリアを媒介とする、
磁化領域間のRKKY相互作用が変化する。したがっ
て、スペーサ領域20のキャリア濃度を制御することに
より、一方の磁化領域11と他方の磁化領域12との間
の磁気的な結合を制御できる。
【0029】そこで、本発明では、図1(a)中の矢印
A1に示すように、スペーサ領域20に対して外部から
刺激を与えることによって、スペーサ領域20に含まれ
る半導体中の伝導帯電子や価電子帯正孔の濃度が変化さ
せ、これにより、一方の磁化領域11と他方の磁化領域
12との間の磁気的な相互作用を変化させて、磁化領域
11,12の磁化を制御する。以上のように、一方の磁
化領域11と他方の磁化領域12との間の磁気的な相互
作用を変化させて磁化領域11,12の磁化を制御する
ことにより、一方の磁化領域11の磁化方向M1と、他
方の磁化領域12の磁化方向M2とを、例えば、図1
(a)に示すような平行状態から、図1(b)に示すよ
うな反平行状態へと遷移させるようなことが可能とな
る。
【0030】なお、スペーサ領域20のキャリア濃度の
制御は、例えば、スペーサ領域20に対して電圧を印加
してキャリア注入を行うことにより行っても良いし、ス
ペーサ領域20に対して光を照射することにより行って
も良いし、或いは、スペーサ領域20の温度を制御する
ことによって行うようにしても良い。すなわち、磁化領
域11,12の磁化を制御するためにスペーサ領域20
に対して刺激を与える方法としては、キャリア注入等に
よる電気刺激や、光照射又は温度制御などが挙げられ
る。
【0031】ところで、本発明においては、スペーサ領
域20に磁性材料を含ませることで、スペーサ領域20
が厚くても磁化領域間における磁気的相互作用が生じる
ようにしている。以下、このようにスペーサ領域20に
磁性材料を含ませた具体的な例について、図2乃至図4
を参照して説明する。
【0032】図2に示す例は、スペーサ領域20に使用
する複合体として、磁性半導体21を用いた例である。
磁性半導体21は、半導体マトリクス21Aの中に磁性
イオン21Bが分散した構造となっている。このとき、
一方の磁化領域11は、まず、磁性半導体21の半導体
マトリクス21Aを介して磁性イオン21Bと結合す
る。そして、この磁性イオン21Bは、他の磁性イオン
21Bと結合する。そして、このような結合が繰り返さ
れ、最終的に他方の磁化領域12と結合する。すなわ
ち、一方の磁化領域11と他方の磁化領域12とは、半
導体マトリクス21A及び磁性イオン21Bを介して間
接的に結合する。
【0033】一般に磁性半導体は、例えば「H.Ohno et
al., Phys.Rev.Lett.68(1992)2664」に記載されている
ように、磁性半導体中にキャリア誘起強磁性と呼ばれ
る、キャリア濃度に依存した磁気結合の生成及び消滅の
現象が見られる。したがって、磁性イオン21Bと、付
近にある他の磁性イオン21Bとの結合状態は、磁性半
導体21のキャリア濃度によって変調することができ
る。したがって、図2に示すような積層構造体では、磁
性半導体21のキャリア濃度を制御することにより、一
方の磁化領域11と他方の磁化領域12との間の間接的
な磁気的な結合を制御することが可能であり、これによ
り、磁化領域11,12の磁化方向を制御することが出
来る。
【0034】このように、スペーサ領域20に使用する
複合体として、磁性半導体21を用いた場合には、半導
体マトリクス21A及び磁性イオン21Bを介して、一
方の磁化領域11と他方の磁化領域12とを間接的に結
合させることが出来るので、スペーサ領域20が厚くて
も、磁化領域間における磁気的相互作用を生じさせるこ
とが出来る。すなわち、スペーサ領域20に磁性半導体
21を用いることにより、スペーサ領域20を厚くして
も、磁化領域11,12の磁化を制御することが可能と
なる。
【0035】なお、磁性半導体21の材料は、II-VIベ
ース、III-Vベース、カルコゲナイド系などのいずれで
も良いし、更には、EuTeやEuS等からなる、いわ
ゆる半磁性半導体を用いることも可能である。また、磁
性半導体21に含まれる磁性イオン21Bの濃度は、キ
ャリア濃度制御による磁性イオン間の磁気的結合状態の
制御が可能な範囲であれば良く、特に限定されるもので
はない。
【0036】図3に示す例は、スペーサ領域20に使用
する複合体として、強磁性微粒子である磁性体クラスタ
22を半導体23の内部に人為的に分散させた媒体を使
用した例である。このとき、磁性体クラスタ22は、図
2における磁性イオン21Bと類似の役割を果たし、図
2に示した例と同等な効果を得ることができる。
【0037】なお、半導体23としては、例えば、非晶
質又は結晶質のSi,Ge等からなる半導体が使用可能
である。また、半導体23としては、化合物半導体、酸
化物半導体、混晶半導体等も使用可能である。また、磁
性体クラスタ22の材料としては、磁気モーメントを有
するものであれば良く、例えば、Fe,Co,Niのい
ずれか又はこれらを含む合金、或いは、希土類元素又は
希土類元素を含む合金等が使用可能である。また、磁性
体クラスタ22のサイズ、形状及び密度は、半導体23
のキャリア濃度制御による磁性体クラスタ間の磁気的結
合状態の制御が可能な範囲であれば良く、特に限定され
るものではない。
【0038】なお、本例においては、半導体23の代わ
りに、磁性半導体を用いるようにしても良い。半導体2
3の代わりに磁性半導体を用いた場合には、磁性体クラ
スタ22による作用だけでなく、図2に示した例のよう
な磁性イオンによる作用も加わることとなる。
【0039】図4に示す例は、スペーサ領域20に使用
する複合体として、強磁性体膜24と半導体膜25とを
積層した多層膜を用いることにより、図2や図3に示し
た例と同様な効果を得るようにした例である。このと
き、一方の磁化領域11は、まず、隣接する半導体膜2
5を介して、磁化領域21に最も近接している強磁性体
膜24と結合する。そして、この強磁性体膜24は、隣
接する半導体膜25を介して、最も近接している他の強
磁性体膜24と結合する。そして、このような結合が繰
り返され、最終的に他方の磁化領域12と結合する。す
なわち、一方の磁化領域11と他方の磁化領域12と
は、強磁性体膜24と半導体膜25とを積層した多層膜
を介して間接的に結合する。
【0040】このように強磁性体膜24と半導体膜25
とを積層した多層膜において、強磁性体膜同士の磁気的
結合状態は、例えば「E.E.Fullerton et al.,J.Magn.&M
agn.Mater.117(1992)L301」に記載されているように、
半導体膜25のキャリア濃度に依存して変化する。した
がって、強磁性体膜24と、当該強磁性体膜24に近接
した他の強磁性体膜24との結合状態は、半導体膜25
のキャリア濃度によって変調することができる。したが
って、半導体膜25のキャリア濃度を制御することによ
り、一方の磁化領域11と他方の磁化領域12との間の
間接的な磁気的な結合を制御することが可能であり、こ
れにより、磁化領域11,12の磁化方向を制御するこ
とが出来る。
【0041】なお、半導体膜25の材料としては、例え
ば、非晶質又は結晶質のSi,Ge等からなる半導体が
使用可能である。また、半導体膜25の材料しては、化
合物半導体、酸化物半導体、混晶半導体等も使用可能で
ある。また、強磁性体膜24の材料としては、磁気モー
メントを有するものであれば良く、例えば、Fe,C
o,Niのいずれか又はこれらを含む合金、或いは、希
土類元素又は希土類元素を含む合金等が使用可能であ
る。また、強磁性体膜24及び半導体膜25の膜厚や積
層周期は、半導体膜25のキャリア濃度制御による強磁
性体膜間の磁気的結合状態の制御が可能な範囲であれば
良く、特に限定されるものではない。
【0042】なお、本例においては、半導体膜25の代
わりに、磁性半導体膜を用いるようにしても良い。半導
体膜25の代わりに磁性半導体膜を用いた場合には、強
磁性体膜24による作用だけでなく、図2に示した例の
ような磁性イオンによる作用も加わることとなる。
【0043】ところで、図2乃至図4に示したような構
造とした場合、スペーサ領域20の厚さは、従来のよう
に2.5nm程度以下とする必要は必ずしもなく、例え
ば10nm以上としても、磁化領域11,12の磁化の
制御を行うことが可能である。なぜならば、半導体を介
する強磁性体同士の結合力は強磁性体間の距離に対して
指数関数的に減哀するが、中間に磁性体がある場合に
は、当該磁性体を媒介として間接的に結合することがで
きるためである。
【0044】具体的には、図2に示した例では、スペー
サ領域20に磁性イオン21Bが存在しており、当該磁
性イオン21Bが媒介となることで、スペーサ領域20
が厚くても、一方の磁化領域11と他方の磁化領域12
とが間接的に結合することとなる。また、図3に示した
例では、スペーサ領域20に磁性体クラスタ22が存在
しており、当該磁性体クラスタ22が媒介となること
で、スペーサ領域20が厚くても、一方の磁化領域11
と他方の磁化領域12とが間接的に結合することとな
る。また、図4に示した例では、スペーサ領域20に強
磁性体膜24が存在しており、当該強磁性体膜24が媒
介となることで、スペーサ領域20が厚くても、一方の
磁化領域11と他方の磁化領域12とが間接的に結合す
ることとなる。
【0045】このように、スペーサ領域20に含まれる
磁性体を媒介として一方の磁化領域11と他方の磁化領
域12とが間接的に結合する様子を図5に示す。なお、
図5において、横軸は、スペーサ領域20の厚さ(すな
わち磁化領域間の距離)を示しており、縦軸は、磁化領
域間の交換結合定数を示している。このようなスペーサ
領域20の厚さと交換結合定数との関係は、例えば、ス
ペーサ領域20の厚さを0.5nm程度ずつ変化させた
複数の試料を用意し、それらの試料における交換結合定
数を磁気共鳴などの方法で測定することで、調べること
が出来る。
【0046】そして、図5では、スペーサ領域20の厚
さ(すなわち磁化領域間の距離)と、磁化領域間の交換
結合定数との関係を、強磁性体膜24と半導体膜25と
を積層した多層膜をスペーサ領域20に用いた場合につ
いて示している。ここで、各強磁性体膜24の磁気モー
メントは、平行配列しているものとしている。したがっ
て、一方の磁化領域11の磁化方向と、他方の磁化領域
12の磁化方向とは互いに平行な状態となる。換言すれ
ば、図5は、一方の磁化領域11と他方の磁化領域12
とが、強磁性体膜24を媒介として、強磁性的な結合状
態となっている場合を示している。なお、図5では、比
較のために、スペーサ領域20を半導体だけで構成した
場合についても示している。
【0047】図5に示すように、スペーサ領域20を半
導体だけで構成した場合、交換結合定数は、スペーサ領
域20の厚さが厚くなるに従って、指数関数的に減衰し
てしまう。そして、スペーサ領域20の厚さが2.5n
m程度以上となると、磁化領域間の結合が非常に弱くな
ってしまい、実用的な素子を構成することが出来なくな
ってしまう。このため、従来は、スペーサ領域20の厚
さを、2.5nm程度以下とする必要があった。
【0048】これに対して、強磁性体膜24と半導体膜
25とを積層した多層膜をスペーサ領域20に用いた場
合には、スペーサ領域20に強磁性体膜24が存在する
ため、図5に示すように、積層周期ごとに結合が維持さ
れる。このことからも明らかに分かるように、磁性材料
及び半導体材料を含む複合体をスペーサ領域20に用い
ることにより、当該磁性材料を媒介として、一方の磁化
領域11と他方の磁化領域12とを間接的に結合させる
ことが出来る。したがって、磁性材料及び半導体材料を
含む複合体をスペーサ領域20に用いた場合には、スペ
ーサ領域20の厚さを従来よりも遥かに厚くすることが
可能となる。
【0049】以上のように、本発明を適用することによ
り、スペーサ領域20の厚さを従来よりも厚くすること
が可能となる。そして、例えば、スペーサ領域20の厚
さを10nm程度以上とすれば、磁化領域11,12が
スペーサ領域20によって分割されてなる構造を、現在
の微細加工技術でも十分に作製することが可能となる。
しかも、スペーサ領域20の厚さを10nm程度以上と
すれば、半導体と強磁性体との界面でのショットキー障
壁等の形成に伴う空乏層の生成の問題等も解消され、ス
ペーサ領域20へのキャリアの注入も実現可能となる。
【0050】なお、図2乃至図4に示した構造のうち、
図2に示したような構造は、スペーサ領域が均一な単相
の構造となるので、作製が容易であるという利点があ
る。また、図3に示したような構造は、強さの異なる磁
気結合の経路が多数存在するので、弱い結合から順に切
っていくようにすれば、磁気結合を漸減させることが可
能となる。したがって、図3に示したような構造は、例
えば、アナログ的動作を行うような場合に好適である。
また、図4に示したような構造は、構造の制御がしやす
いので、特性の再現性が高いという利点がある。しか
も、図4に示したような構造では、膜厚や積層周期を変
えることによって、材料設計や特性の合わせ込みを行う
ことも容易である。
【0051】ところで、以上の説明では、RKKY相互
作用による結合に基づく例を挙げたが、間接相互作用の
原理はRKKY相互作用もしくはこれに類似したもので
ある必要はなく、スペーサ領域20のキャリア濃度制御
によって磁化領域間の結合状態を変調できるという条件
を満たすものであれば、特に限定されるものではない。
したがって、例えば、トンネル電子が媒介する結合や、
半導体中の局在準位による結合に基づく場合にも、本発
明は適用可能である。なお、トンネル電子が媒介する結
合については、例えば「P.Bruno,Phys.Rev.B49(1994)13
231」に記載されており、また、半導体中の局在準位に
よる結合については、例えば「S.Toscano et al.,J.Mag
n.&Magn.Mater.114(1992)L301」に記載されている。
【0052】つぎに、以上のような磁化制御方法を利用
した情報記録素子及び情報記録方法について、図6乃至
図15を参照して説明する。
【0053】まず、本発明を適用した情報記録素子の一
例を、図6乃至図9を参照して説明する。なお、図6乃
至図9に示す情報記録素子30は、追記型の情報記録素
子であり、磁化領域の磁化の向きにより二値の記録が行
えるようになっている。
【0054】この情報記録素子30は、図6及び図7に
示すように、基板31上に形成された固定磁性層32
と、固定磁性層32上に形成されたスペーサ層33と、
スペーサ層33上に形成された可動磁性層34と、スペ
ーサ層33上に絶縁層35を介して形成されたゲート電
極36とを備えている。
【0055】この情報記録素子30において、固定磁性
層32は、スペーサ層33によって分割されてなる磁化
領域の一方を構成するものであり、その磁化方向M3は
常に一定の方向に固定される。この固定磁性層32は、
通常の環境において存在しうる弱い外部磁界によって磁
化方向M3が変化するようなことがないように、保磁力
が十分に高い強磁性材料(具体的には保磁力が1kOe
程度以上の強磁性材料)によって形成することが好まし
い。
【0056】可動磁性層34は、スペーサ層33によっ
て分割されてなる磁化領域の他方を構成するものであ
り、その磁化方向M4は記録する情報に応じて可変とさ
れる。この可動磁性層34は、固定磁性層32に比べて
保磁力が低くなるように、その形状や材料などが選定さ
れてなる。また、可動磁性層34には、磁界中成膜など
の方法により、強い一軸磁気異方性を付与しておくとと
もに、その磁化方向M4が固定磁性層32の磁化方向に
対して反平行となるようにしておく。
【0057】スペーサ層33は、強磁性体からなる磁化
領域を分割するスペーサ領域となるものである。すなわ
ち、この情報記録素子30では、固定磁性層32及び可
動磁性層34からなる磁化領域が、スペーサ層33によ
って分割されている。そして、このスペーサ層33は、
磁性材料及び半導体材料を含む複合体からなる。ここ
で、スペーサ層33を構成する複合体は、図2を参照し
て説明したように、磁性半導体からなるものであっても
良いし、また、図3を参照して説明したように、強磁性
微粒子を半導体又は磁性半導体中に分散させたものであ
っても良いし、また、図4を参照して説明したように、
強磁性体膜と半導体膜又は磁性半導体膜とを積層した多
層膜であっても良い。
【0058】なお、本発明を適用した情報記録素子30
では、スペーサ層33の厚さを厚くすることが可能であ
り、具体的には、その膜厚を10nm以上とすることが
好ましい。スペーサ層30の膜厚を10nm以上とすれ
ば、スペーサ層30の厚さが薄すぎるために作製が困難
であるという問題や、スペーサ層30の厚さが薄すぎる
ためにキャリアの注入が困難であるという問題を、回避
することができる。
【0059】ゲート電極36は、例えば金等のような導
電性を有する材料からなり、絶縁層35を介してスペー
サ層33に対向するように形成されている。このゲート
電極36に電圧を印加すると、絶縁層35を介して配さ
れているスペーサ層33のうち、ゲート電極36に対向
している付近に、キャリアが集まることとなる。
【0060】このような情報記録素子30において、ゲ
ート電極36に電圧を印加していない初期状態(すなわ
ちゲート電極VG=0の状態)では、図6及び図7に示
すように、固定磁性層32の磁化方向M3と、可動磁性
層34の磁化方向M4とが反平行の状態となっている。
【0061】そして、この情報記録素子30に対して情
報を記録する際は、図8及び図9に示すように、ゲート
電極36に所定の電圧Vを印加する(すなわちゲート電
極VG=Vとする)。ゲート電極36に電圧Vを印加す
ると、固定磁性層32と可動磁性層34との間に配され
たスペーサ層33のキャリア濃度が変化し、その結果、
固定磁性層32と可動磁性層34との磁気的結合状態が
変化する。これに伴い、保磁力の低い可動磁性層34は
トルクを受け、その結果、可動磁性層34の磁化方向M
4が反転する。そして、このように一旦反転した磁化
は、可動磁性層34が強い一軸磁気異方性を有するため
に安定であり、ゲート電極36への電圧Vの印加を止め
ても、その状態が保持される。
【0062】このように、この情報記録素子30では、
ゲート電極26に電圧Vを印加することにより、磁界を
用いることなく可動磁性層34の磁化方向M4を制御す
ることが可能となっており、可動磁性層34の磁化の向
きにより二値の情報を記録することが出来る。
【0063】つぎに、本発明を適用した情報記録素子の
他の例を、図10乃至図12を参照して説明する。な
お、図10乃至図12に示す情報記録素子40は、複数
の固定磁性層を用いることで、情報の書き換えを可能と
した情報記録素子である。この情報記録素子40におい
ても、上述の情報記録素子30と同様に、磁化領域の磁
化の向きにより二値の記録が行えるようになっている。
【0064】この情報記録素子40は、図11に示すよ
うに、基板41上の一部に形成された第1の固定磁性層
42と、基板41上の他の一部に形成された第2の固定
磁性層43と、第1の固定磁性層42上から第2の固定
磁性層43上にわたって形成されたスペーサ層44と、
スペーサ層44上に形成された可動磁性層45と、スペ
ーサ層44上の一部に絶縁層46を介して形成された第
1のゲート電極47と、スペーサ層44上の他の一部に
絶縁層48を介して形成された第2のゲート電極49と
を備えている。
【0065】この情報記録素子40において、固定磁性
層42,43は、上述した情報記録素子30における固
定磁性層32と同様に、保磁力が高い磁性材料からな
り、磁化方向が常に一定の方向を向くように固定され
る。そして、この情報記録素子40において、第1の固
定磁性層42の磁化方向M5と、第2の固定磁性層43
の磁化方向M6とは、互いに反平行とされる。
【0066】可動磁性層45は、上述した情報記録素子
30における可動磁性層34と同様に、記録する情報に
応じて磁化方向M7が可変とされる。すなわち、この可
動磁性層45は、固定磁性層42,43に比べて保磁力
が低くなるように、その形状や材料などが選定されてな
る。また、この可動磁性層45には、磁界中成膜などの
方法により、強い一軸磁気異方性を付与しておくととも
に、その磁化方向M7が固定磁性層42,43の磁化方
向に対して平行又は反平行となるようにしておく。な
お、本例では、初期状態において、可動磁性層45の磁
化方向M7が、第1の固定磁性層42の磁化方向M5に
対して平行となり、第2の固定磁性層43の磁化方向M
6に対して反平行となるようにしている。
【0067】スペーサ層44は、強磁性体からなる磁化
領域を分割するスペーサ領域となるものである。すなわ
ち、この情報記録素子40では、第1の固定磁性層4
2、第2の固定磁性層43及び可動磁性層45からなる
磁化領域が、スペーサ層44によって分割されている。
そして、このスペーサ層44は、磁性材料及び半導体材
料を含む複合体からなる。ここで、スペーサ層44を構
成する複合体は、図2を参照して説明したように、磁性
半導体からなるものであっても良いし、また、図3を参
照して説明したように、強磁性微粒子を半導体又は磁性
半導体中に分散させたものであっても良いし、また、図
4を参照して説明したように、強磁性体膜と半導体膜又
は磁性半導体膜とを積層した多層膜であっても良い。
【0068】なお、本発明を適用した情報記録素子40
では、スペーサ層44の厚さを厚くすることが可能であ
り、具体的には、その膜厚を10nm以上とすることが
好ましい。スペーサ層44の膜厚を10nm以上とすれ
ば、スペーサ層44の厚さが薄すぎるために作製が困難
であるという問題や、スペーサ層44の厚さが薄すぎる
ためにキャリアの注入が困難であるという問題を、回避
することができる。
【0069】第1のゲート電極47及び第2のゲート電
極49は、例えば金等のような導電性を有する材料から
なる。そして、第1のゲート電極47は、絶縁層46を
介してスペーサ層44に対向し、且つ、絶縁層46及び
スペーサ層44を介して第1の固定磁性層42に対向す
るように形成されている。また、第2のゲート電極49
は、絶縁層48を介してスペーサ層44に対向し、且
つ、絶縁層48及びスペーサ層44を介して第2の固定
磁性層43に対向するように形成されている。
【0070】そして、第1のゲート電極47に電圧を印
加すると、絶縁層46を介して配されているスペーサ層
44のうち、第1のゲート電極47に対向している付近
にキャリアが集まることとなる。換言すれば、第1のゲ
ート電極47に電圧を印加すると、可動磁性層45と第
1の固定磁性層42との間のスペーサ層44にキャリア
が集まることとなる。
【0071】一方、第2のゲート電極49に電圧を印加
すると、絶縁層48を介して配されているスペーサ層4
4のうち、第2のゲート電極49に対向している付近に
キャリアが集まることとなる。換言すれば、第2のゲー
ト電極49に電圧を印加すると、可動磁性層45と第2
の固定磁性層43との間のスペーサ層44にキャリアが
集まることとなる。
【0072】そして、この情報記録素子40では、第1
のゲート電極47及び第2のゲート電極49に印加する
電圧を制御することにより、可動磁性層44の磁化方向
M7を繰り返し反転させることが可能となっている。以
下、このように可動磁性層44の磁化方向M7を繰り返
し反転させるときの動作について説明する。
【0073】第1のゲート電極47及び第2のゲート電
極49に電圧を印加していない初期状態では、図10に
示すように、可動磁性層45の磁化方向M7は、第1の
固定磁性層42の磁化方向M5に対して平行であり、第
2の固定磁性層43の磁化方向M6に対して反平行であ
る。
【0074】この状態のときに、図11に示すように、
第2のゲート電極49に対して所定の電圧V2を印加
し、第2のゲート電極49のゲート電圧VG2=V2とす
る。すると、可動磁性層45と第2の固定磁性層43と
の間に配されたスペーサ層44のキャリア濃度が変化
し、その結果、可動磁性層45と第2の固定磁性層43
との磁気的結合状態が変化する。これに伴い、保磁力の
低い可動磁性層45はトルクを受け、その結果、可動磁
性層45の磁化方向M7が反転する。すなわち、図11
に示すように、可動磁性層45の磁化方向M7が、第1
の固定磁性層42の磁化方向M5に対して反平行で、第
2の固定磁性層43の磁化方向M6に対して平行な状態
となる。そして、このように一旦反転した磁化は、可動
磁性層45が強い一軸磁気異方性を有するために安定で
あり、第2のゲート電極49への電圧V2の印加を止め
ても、その状態が保持される。
【0075】更に、可動磁性層45の磁化方向が、第1
の固定磁性層42の磁化方向M5に対して反平行で、第
2の固定磁性層43の磁化方向M6に対して平行な状態
のときに、図12に示すように、第1のゲート電極47
に対して所定の電圧V1を印加し、第1のゲート電極4
7のゲート電圧VG1=V1とする。すると、可動磁性層
45と第1の固定磁性層42との間に配されたスペーサ
層44のキャリア濃度が変化し、その結果、可動磁性層
45と第1の固定磁性層42との磁気的結合状態が変化
する。これに伴い、保磁力の低い可動磁性層45はトル
クを受け、その結果、可動磁性層45の磁化方向M7が
反転する。すなわち、図12に示すように、可動磁性層
45の磁化方向M7が、第1の固定磁性層42の磁化方
向M5に対して平行で、第2の固定磁性層43の磁化方
向M6に対して反平行な状態となる。そして、このよう
に一旦反転した磁化は、可動磁性層45が強い一軸磁気
異方性を有するために安定であり、第1のゲート電極4
7への電圧V1の印加を止めても、その状態が保持され
る。
【0076】このように、この情報記録素子40では、
第1のゲート電極47や第2のゲート電極49に電圧を
印加することにより、磁界を用いることなく可動磁性層
45の磁化方向M7を制御することが可能となってお
り、可動磁性層45の磁化の向きにより二値の情報を記
録することが出来る。しかも、この情報記録素子40で
は、第1のゲート電極47に所定の電圧V1を印加した
り、或いは、第2のゲート電極49に所定の電圧V2
印加したりすることで、可動磁性層45の磁化方向M7
を繰り返し反転させることが出来る。すなわち、この情
報記録素子40は、情報の書き換えを繰り返し行うこと
が可能となっている。
【0077】つぎに、本発明を適用した情報記録素子の
他の例を、図13乃至図15を参照して説明する。な
お、図13乃至図15に示す情報記録素子50は、複数
の固定磁性層を用いることで、情報の書き換えを可能と
した情報記録素子である。この情報記録素子50におい
ても、上述の情報記録素子30,40と同様に、磁化領
域の磁化の向きにより二値の記録が行えるようになって
いる。
【0078】この情報記録素子は、図13に示すよう
に、基板51上に形成された第1の固定磁性層52と、
第1の固定磁性層52上に形成された第1のスペーサ層
53と、第1のスペーサ層53上に形成された可動磁性
層54と、可動磁性層54上に形成された第2のスペー
サ層55と、第2のスペーサ層55上に形成された第2
に固定磁性層56と、第1のスペーサ層53上の一部に
絶縁層57を介して形成された第1のゲート電極58
と、第2のスペーサ層55上の一部に絶縁層59を介し
て形成された第2のゲート電極60とを備えている。
【0079】この情報記録素子50において、固定磁性
層52,56は、上述した情報記録素子40における固
定磁性層42,43と同様に、保磁力が高い磁性材料か
らなり、磁化方向が常に一定の方向を向くように固定さ
れる。そして、この情報記録素子50において、第1の
固定磁性層52の磁化方向M8と、第2の固定磁性層5
6の磁化方向M9とは、互いに反平行とされる。
【0080】可動磁性層54は、上述した情報記録素子
40における可動磁性層45と同様に、記録する情報に
応じて磁化方向M10が可変とされる。すなわち、この
可動磁性層54は、固定磁性層52,56に比べて保磁
力が低くなるように、その形状や材料などが選定されて
なる。そして、この可動磁性層54には、磁界中成膜な
どの方法により、強い一軸磁気異方性を付与しておくと
ともに、その磁化方向M10が固定磁性層52,56の
磁化方向に対して平行又は反平行となるようにしてお
く。なお、本例では、初期状態において、可動磁性層5
4の磁化方向M10が、第1の固定磁性層52の磁化方
向M8に対して平行となり、第2の固定磁性層56の磁
化方向M9に対して反平行となるようにしている。
【0081】第1のスペーサ層53及び第2のスペーサ
層55は、強磁性体からなる磁化領域を分割するスペー
サ領域となるものである。すなわち、この情報記録素子
50では、第1の固定磁性層52、第2の固定磁性層5
6及び可動磁性層54からなる磁化領域が、第1のスペ
ーサ層53及び第2のスペーサ層55によって分割され
ている。そして、これらのスペーサ層53,55は、磁
性材料及び半導体材料を含む複合体からなる。ここで、
スペーサ層53,55を構成する複合体は、図2を参照
して説明したように、磁性半導体からなるものであって
も良いし、また、図3を参照して説明したように、強磁
性微粒子を半導体又は磁性半導体中に分散させたもので
あっても良いし、また、図4を参照して説明したよう
に、強磁性体膜と半導体膜又は磁性半導体膜とを積層し
た多層膜であっても良い。
【0082】なお、本発明を適用した情報記録素子50
では、スペーサ層53,55の厚さを厚くすることが可
能であり、具体的には、それらの膜厚をそれぞれ10n
m以上とすることが好ましい。スペーサ層53,55の
膜厚を10nm以上とすれば、スペーサ層53,55の
厚さが薄すぎるために作製が困難であるという問題や、
スペーサ層53,55の厚さが薄すぎるためにキャリア
の注入が困難であるという問題を、回避することができ
る。
【0083】第1のゲート電極58及び第2のゲート電
極60は、例えば金等のような導電性を有する材料から
なる。そして、第1のゲート電極58は、絶縁層57を
介して第1のスペーサ層53に対向し、且つ、絶縁層5
7及び第1のスペーサ層53を介して第1の固定磁性層
52に対向するように形成されている。また、第2のゲ
ート電極60は、絶縁層59を介して第2のスペーサ層
55に対向し、且つ、絶縁層59及び第2のスペーサ層
55を介して可動磁性層54に対向するように形成され
ている。
【0084】そして、第1のゲート電極58に電圧を印
加すると、絶縁層57を介して配されている第1のスペ
ーサ層53のうち、第1のゲート電極58に対向してい
る付近にキャリアが集まることとなる。換言すれば、第
1のゲート電極58に電圧を印加すると、可動磁性層5
4と第1の固定磁性層52との間の第1のスペーサ層5
3にキャリアが集まることとなる。
【0085】一方、第2のゲート電極60に電圧を印加
すると、絶縁層59を介して接している第2のスペーサ
層55のうち、第2のゲート電極60に対向している付
近にキャリアが集まることとなる。換言すれば、第2の
ゲート電極60に電圧を印加すると、可動磁性層54と
第2の固定磁性層56との間の第2のスペーサ層55に
キャリアが集まることとなる。
【0086】そして、この情報記録素子50では、第1
のゲート電極58及び第2のゲート電極60に印加する
電圧を制御することにより、可動磁性層54の磁化方向
M10を繰り返し反転させることが可能となっている。
以下、このように可動磁性層54の磁化方向M10を繰
り返し反転させるときの動作について説明する。
【0087】第1のゲート電極58及び第2のゲート電
極60に電圧を印加していない初期状態では、図13に
示すように、可動磁性層54の磁化方向M10は、第1
の固定磁性層52の磁化方向M8に対して平行であり、
第2の固定磁性層56の磁化方向M9に対して反平行で
ある。
【0088】この状態のときに、図14に示すように、
第2のゲート電極60に対して所定の電圧V2を印加
し、第2のゲート電極60のゲート電圧VG2=V2とす
る。すると、可動磁性層54と第2の固定磁性層56と
の間に配された第2のスペーサ層55のキャリア濃度が
変化し、その結果、可動磁性層54と第2の固定磁性層
56との磁気的結合状態が変化する。これに伴い、保磁
力の低い可動磁性層54はトルクを受け、その結果、可
動磁性層54の磁化方向M10が反転する。すなわち、
図14に示すように、可動磁性層54の磁化方向M10
が、第1の固定磁性層52の磁化方向M8に対して反平
行で、第2の固定磁性層56の磁化方向M9に対して平
行な状態となる。そして、このように一旦反転した磁化
は、可動磁性層54が強い一軸磁気異方性を有するため
に安定であり、第2のゲート電極60への電圧V2の印
加を止めても、その状態が保持される。
【0089】更に、可動磁性層54の磁化方向が、第1
の固定磁性層52の磁化方向M10に対して反平行で、
第2の固定磁性層56の磁化方向M9に対して平行な状
態のときに、図15に示すように、第1のゲート電極5
8に対して所定の電圧V1を印加し、第1のゲート電極
58のゲート電圧VG1=V1とする。すると、可動磁性
層54と第1の固定磁性層52との間に配された第1の
スペーサ層53のキャリア濃度が変化し、その結果、可
動磁性層54と第1の固定磁性層52との磁気的結合状
態が変化する。これに伴い、保磁力の低い可動磁性層5
4はトルクを受け、その結果、可動磁性層54の磁化方
向M10が反転する。すなわち、図15に示すように、
可動磁性層54の磁化方向M10が、第1の固定磁性層
52の磁化方向M8に対して平行で、第2の固定磁性層
56の磁化方向M9に対して反平行な状態となる。そし
て、このように一旦反転した磁化は、可動磁性層54が
強い一軸磁気異方性を有するために安定であり、第1の
ゲート電極58への電圧V1の印加を止めても、その状
態が保持される。
【0090】このように、この情報記録素子50では、
第1のゲート電極58や第2のゲート電極60に電圧を
印加することにより、磁界を用いることなく可動磁性層
54の磁化方向M10を制御することが可能となってお
り、可動磁性層54の磁化の向きにより二値の情報を記
録することが出来る。しかも、この情報記録素子50で
は、第1のゲート電極58に電圧を印加したり、或い
は、第2のゲート電極60に電圧を印加したりすること
で、可動磁性層54の磁化方向M10を繰り返し反転さ
せることが出来る。すなわち、この情報記録素子50
は、情報の書き換えを繰り返し行うことが可能となって
いる。
【0091】なお、図10乃至図15に示した情報記録
素子のうち、図10乃至図12に示したような情報記録
素子40は、可動磁性層45が上面に現れることとなる
ので、可動磁性層45の磁化方向M7の変化を読み取り
やすいという利点がある。一方、図13乃至図15に示
したような情報記録素子50は、図10乃至図12に示
したような情報記録素子40に比べて、必要とする面積
が少なくて済むので、高集積化しやすいという利点があ
る。
【0092】ところで、以上の説明で挙げた情報記録素
子30,40,50では、可動磁性層34,45,54
として一軸磁気異方性を有するものを使用して、二値記
録を行えるようにしている。しかし、可動磁性層には、
磁化の向きに対する異方性エネルギーの極小点が3つ以
上存在するようなものを使用するようにしても良い。可
動磁性層として、磁化の向きに対する異方性エネルギー
の極小点が3つ以上存在するようなものを使用するよう
にした場合には、一つの可動磁性層により、三値以上の
多値記録を行うことが可能となる。
【0093】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては、スペーサ領域により媒介される磁化領域間
の磁気的相互作用を利用して、磁化領域の磁化方向を制
御するにあたって、スペーサ領域に磁性材料を含ませて
いるので、スペーサ領域が厚くても、強磁性体からなる
磁化領域間において磁気的相互作用を生じさせることが
できる。すなわち、本発明によれば、スペーサ領域を厚
くしても、磁化領域の磁化を制御することが可能であ
る。
【0094】したがって、本発明によれば、磁界を用い
ることなく磁化を制御することが可能な磁化制御方法、
並びにそのような磁化制御方法を利用した情報記録素子
及び情報記録方法を実用化することが可能となる。
【0095】その結果、本発明によれば、アクセス時間
が速く、高集積化が容易であり、不揮発性であり、書き
換え可能回数が多く、クロストークが無い、非常に理想
的な固体メモリを実現することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強磁性体からなる磁化領域がスペーサ領域によ
って分割されているときに、スペーサ領域への刺激によ
って磁化領域の磁化状態が変調される様子を説明するた
めの図であり、図1(a)は、スペーサ領域に対して刺
激を与えていないときの状態を示す図、図1(b)は、
スペーサ領域に対して刺激を与えることにより、一方の
磁化領域の磁化方向が反転した状態を示す図である。
【図2】強磁性体からなる磁化領域と、磁性材料及び半
導体材料を含む複合体からなるスペーサ領域と、強磁性
体からなる磁化領域とを積層した積層構造体の断面を示
す図であり、スペーサ領域に使用する複合体として、磁
性半導体を使用した例を示す図である。
【図3】強磁性体からなる磁化領域と、磁性材料及び半
導体材料を含む複合体からなるスペーサ領域と、強磁性
体からなる磁化領域とを積層した積層構造体の断面を示
す図であり、スペーサ領域に使用する複合体として、強
磁性微粒子である磁性体クラスタを半導体の内部に分散
させた媒体を使用した例を示す図である。
【図4】強磁性体からなる磁化領域と、磁性材料及び半
導体材料を含む複合体からなるスペーサ領域と、強磁性
体からなる磁化領域とを積層した積層構造体の断面を示
す図であり、スペーサ領域に使用する複合体として、強
磁性体膜と半導体膜とを積層した多層膜を使用した例を
示す図である。
【図5】スペーサ領域が強磁性体膜と半導体膜とを積層
した多層膜からなる場合、並びに、スペーサ領域が半導
体だけからなる場合について、スペーサ領域の厚さと磁
化領域間の交換結合定数との関係を示す図である。
【図6】本発明を適用した情報記録素子の一例につい
て、ゲート電極に電圧を印加していないときの状態を示
す断面図である。
【図7】図7に示した情報記録素子について、ゲート電
極に電圧を印加していないときの状態を示す平面図であ
る。
【図8】図7に示した情報記録素子について、ゲート電
極に電圧を印加したときの状態を示す断面図である。
【図9】図7に示した情報記録素子について、ゲート電
極に電圧を印加したときの状態を示す平面図である。
【図10】本発明を適用した情報記録素子の他の例につ
いて、第1及び第2のゲート電極に電圧を印加していな
いときの状態を示す断面図である。
【図11】図10に示した情報記録素子について、第2
のゲート電極に電圧を印加したときの状態を示す断面図
である。
【図12】図10に示した情報記録素子について、第1
のゲート電極に電圧を印加したときの状態を示す断面図
である。
【図13】本発明を適用した情報記録素子の他の例につ
いて、第1及び第2のゲート電極に電圧を印加していな
いときの状態を示す断面図である。
【図14】図13に示した情報記録素子について、第2
のゲート電極に電圧を印加したときの状態を示す断面図
である。
【図15】図13に示した情報記録素子について、第1
のゲート電極に電圧を印加したときの状態を示す断面図
である。
【符号の説明】
11,12 磁化領域、 20 スペーサ領域、 21
磁性半導体、 21A 磁性半導体中の半導体マトリ
クス、 21B 磁性半導体中の磁性イオン、22 磁
性体クラスタ、 23 半導体、 24 強磁性体膜、
25 半導体膜、 31 基板、 32 固定磁性
層、 33 スペーサ層、 34 可動磁性層、 35
絶縁層、 36 ゲート電極、 41 基板、 42
第1の固定磁性層、 43 第2の固定磁性層、 4
4 スペーサ層、 45 可動磁性層、 46 絶縁
層、 47 第1のゲート電極、 48 絶縁層、 4
9第2のゲート電極、 51 基板、 52 第1の固
定磁性層、 53 第1のスペーサ層、 54 可動磁
性層、 55 第2のスペーサ層、 56 第2の固定
磁性層、 57 絶縁層、 58 第1のゲート電極、
59 絶縁層、60 第2のゲート電極

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体からなる磁化領域を、磁性材料
    及び半導体材料を含む複合体からなるスペーサ領域によ
    って分割し、 スペーサ領域に対して外部から刺激を与えることによっ
    て、磁化領域間の磁気的な相互作用を変化させて、1つ
    もしくはそれ以上の磁化領域の磁化を制御することを特
    徴とする磁化制御方法。
  2. 【請求項2】 上記スペーサ領域に対して、電気刺激、
    光照射又は温度制御のいずれかによって上記刺激を与え
    ることを特徴とする請求項1記載の磁化制御方法。
  3. 【請求項3】 上記スペーサ領域に使用する複合体とし
    て、磁性半導体を用いることを特徴とする請求項1記載
    の磁化制御方法。
  4. 【請求項4】 上記スペーサ領域に使用する複合体とし
    て、強磁性微粒子を半導体中に分散させた媒体を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁化制御方法。
  5. 【請求項5】 上記スペーサ領域に使用する複合体とし
    て、強磁性微粒子を磁性半導体中に分散させた媒体を用
    いることを特徴とする請求項1記載の磁化制御方法。
  6. 【請求項6】 上記スペーサ領域に使用する複合体とし
    て、強磁性体膜と半導体膜とを積層した多層膜を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の磁化制御方法。
  7. 【請求項7】 上記スペーサ領域に使用する複合体とし
    て、強磁性体膜と磁性半導体膜とを積層した多層膜を用
    いることを特徴とする請求項1記載の磁化制御方法。
  8. 【請求項8】 上記スペーサ領域の厚さを10nm以上
    とすることを特徴とする請求項1記載の磁化制御方法。
  9. 【請求項9】 強磁性体からなる磁化領域を、厚さ10
    nm以上のスペーサ領域によって分割し、 スペーサ領域に対して外部から刺激を与えることによっ
    て、磁化領域間の磁気的な相互作用を変化させて、1つ
    もしくはそれ以上の磁化領域の磁化を制御することを特
    徴とする磁化制御方法。
  10. 【請求項10】 上記スペーサ領域に、磁性材料及び半
    導体材料を含む複合体を使用することを特徴とする請求
    項9記載の磁化制御方法。
  11. 【請求項11】 強磁性体からなる磁化領域を、磁性材
    料及び半導体材料を含む複合体からなるスペーサ領域に
    よって分割し、 記録する情報に対応させてスペーサ領域に対して外部か
    ら刺激を与えることによって、磁化領域間の磁気的な相
    互作用を変化させて、1つもしくはそれ以上の磁化領域
    の磁化を制御し、 磁化領域の磁化の向きにより二値もしくはそれ以上の多
    値記録を行うことを特徴とする情報記録方法。
  12. 【請求項12】 上記スペーサ領域に対して、電気刺
    激、光照射又は温度制御のいずれかによって上記刺激を
    与えることを特徴とする請求項11記載の情報記録方
    法。
  13. 【請求項13】 上記スペーサ領域に使用する複合体と
    して、磁性半導体を用いることを特徴とする請求項11
    記載の情報記録方法。
  14. 【請求項14】 上記スペーサ領域に使用する複合体と
    して、強磁性微粒子を半導体中に分散させた媒体を用い
    ることを特徴とする請求項11記載の情報記録方法。
  15. 【請求項15】 上記スペーサ領域に使用する複合体と
    して、強磁性微粒子を磁性半導体中に分散させた媒体を
    用いることを特徴とする請求項11記載の情報記録方
    法。
  16. 【請求項16】 上記スペーサ領域に使用する複合体と
    して、強磁性体膜と半導体膜とを積層した多層膜を用い
    ることを特徴とする請求項11記載の情報記録方法。
  17. 【請求項17】 上記スペーサ領域に使用する複合体と
    して、強磁性体膜と磁性半導体膜とを積層した多層膜を
    用いることを特徴とする請求項11記載の情報記録方
    法。
  18. 【請求項18】 上記スペーサ領域の厚さを10nm以
    上とすることを特徴とする請求項11記載の情報記録方
    法。
  19. 【請求項19】 強磁性体からなる磁化領域を、厚さ1
    0nm以上のスペーサ領域によって分割し、 記録する情報に対応させてスペーサ領域に対して外部か
    ら刺激を与えることによって、磁化領域間の磁気的な相
    互作用を変化させて、1つもしくはそれ以上の磁化領域
    の磁化を制御し、 磁化領域の磁化の向きにより二値もしくはそれ以上の多
    値記録を行うことを特徴とする情報記録方法。
  20. 【請求項20】 上記スペーサ領域に、磁性材料及び半
    導体材料を含む複合体を使用することを特徴とする請求
    項19記載の情報記録方法。
  21. 【請求項21】 強磁性体からなる磁化領域が、磁性材
    料及び半導体材料を含む複合体からなるスペーサ領域に
    よって分割されてなる構造を有し、 記録する情報に対応した刺激がスペーサ領域に対して外
    部から与えられることによって、磁化領域間の磁気的な
    相互作用が変化して、1つもしくはそれ以上の磁化領域
    の磁化が制御され、 磁化領域の磁化の向きにより二値もしくはそれ以上の多
    値記録が行われることを特徴とする情報記録素子。
  22. 【請求項22】 電気刺激、光照射又は温度制御のいず
    れかによって、上記スペーサ領域に対して上記刺激が与
    えられることを特徴とする請求項21記載の情報記録素
    子。
  23. 【請求項23】 上記スペーサ領域に使用される複合体
    は、磁性半導体からなることを特徴とする請求項21記
    載の情報記録素子。
  24. 【請求項24】 上記スペーサ領域に使用される複合体
    は、強磁性微粒子を半導体中に分散させた媒体からなる
    ことを特徴とする請求項21記載の情報記録素子。
  25. 【請求項25】 上記スペーサ領域に使用される複合体
    は、強磁性微粒子を磁性半導体中に分散させた媒体から
    なることを特徴とする請求項21記載の情報記録素子。
  26. 【請求項26】 上記スペーサ領域に使用される複合体
    は、強磁性体膜と半導体膜とを積層した多層膜であるこ
    とを特徴とする請求項21記載の情報記録素子。
  27. 【請求項27】 上記スペーサ領域に使用される複合体
    は、強磁性体膜と磁性半導体膜とを積層した多層膜であ
    ることを特徴とする請求項21記載の情報記録素子。
  28. 【請求項28】 上記スペーサ領域の厚さが10nm以
    上であることを特徴とする請求項21記載の情報記録素
    子。
  29. 【請求項29】 強磁性体からなる磁化領域が、厚さ1
    0nm以上のスペーサ領域によって分割されてなる構造
    を有し、 記録する情報に対応した刺激がスペーサ領域に対して外
    部から与えられることによって、磁化領域間の磁気的な
    相互作用が変化して、1つもしくはそれ以上の磁化領域
    の磁化が制御され、 磁化領域の磁化の向きにより二値もしくはそれ以上の多
    値記録が行われることを特徴とする情報記録素子。
  30. 【請求項30】 上記スペーサ領域は、磁性材料及び半
    導体材料を含む複合体からなることを特徴とする請求項
    29記載の情報記録方法。
JP10130710A 1998-05-13 1998-05-13 磁化制御方法、情報記録方法及び情報記録素子 Pending JPH11330387A (ja)

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