JPH11330021A - 酸化セリウム研磨剤及び基板の製造法 - Google Patents

酸化セリウム研磨剤及び基板の製造法

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JPH11330021A
JPH11330021A JP8077812A JP7781296A JPH11330021A JP H11330021 A JPH11330021 A JP H11330021A JP 8077812 A JP8077812 A JP 8077812A JP 7781296 A JP7781296 A JP 7781296A JP H11330021 A JPH11330021 A JP H11330021A
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JP
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cerium oxide
insulating film
substrate
film layer
water
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Application number
JP8077812A
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Inventor
Jun Matsuzawa
純 松沢
Yasushi Kurata
靖 倉田
Kiyohito Tanno
清仁 丹野
Yoshio Honma
喜夫 本間
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Hitachi Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グローバルな平坦化が可能で、かつ微細な配
線間の埋め込み性が良好で誘電率の低い有機SOG膜、
有機高分子樹脂膜の絶縁膜層を研磨するために好適な酸
化セリウム研磨剤及びその酸化セリウム研磨剤を使用す
る基板の製造法を提供する。 【構成】 1次粒子のアスペクト比が2.0以下である
粒子の数が全数の90%以上である酸化セリウム粒子を
水中に分散させた酸化セリウム研磨剤で基板上に設けら
れた、有機SOG膜、有機高分子樹脂膜の絶縁膜層を研
磨する。 【効果】 本発明の研磨剤により、有機SOG膜、有機
高分子樹脂膜の絶縁膜層を高速でキズをつけることなく
研磨することができる。本発明の基板の製造法により、
各層において基板全面に渡りその表面の段差がほとんど
生じなくなるので、配線の微細化にも十分に対応でき、
高密度・高集積化による多層配線化が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化セリウム研磨
剤及びその酸化セリウム研磨剤を使用する半導体基板、
配線基板等の基板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超LSIの急激な高密度・高集積
化が進み、アルミニウム配線の多層化及びその配線パタ
ーンの微細化に伴う最小加工線幅の低減が要求されてい
る。そこで、これらのLSIに用いられる層間絶縁膜に
はこの微細な配線間隔を空洞無く埋め、かつ、その表面
を平坦にする平坦化技術が求められている。
【0003】一般に、この平坦化を必要とする層間絶縁
膜は、プラズマCVD法及びECR−CVD法等の蒸着
法、SOG法などの塗布法により形成されている。これ
らの内、SOG法は、アルコキシシラン及びアルキルア
ルコキシシランをアルコールなどの有機溶媒中で水及び
触媒を添加することにより加水分解して得られる塗布液
を、スピンコート法により塗布後、加熱処理により硬化
させることによって平坦化させる方法で、中でも、クラ
ックの発生を抑制し厚膜形成を可能とするために有機成
分(例えばアルキル基)を膜中に残した有機SOG膜が
主に用いられている。この有機SOG膜は、硬化時の体
積収縮が少ない、疎水性を示す、誘電率が低いなどの利
点を有する。また、この有機SOG膜は局部的な平坦化
には適応可能であるが、配線の疎密に由来する様なグロ
ーバルな平坦化には力不足である。また、この層間絶縁
膜形成材料として、絶縁性、接着性などに優れたものと
してケイ素を含まない有機高分子樹脂の適用も進められ
ている。この有機高分子樹脂をアルコールなどの有機溶
媒中に溶解させた塗布液をスピンコート法により塗布
後、加熱処理等により絶縁膜を形成させるので、比較的
容易に厚い膜を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】超LSIは高密度・高
集積化のために多層配線化が進み、特にロジック系デバ
イスではすでに4層以上になり表面の段差が大きくなる
傾向にある。一方、配線のパターンニングのために用い
るレジストの焦点深度は、配線の微細化に伴って浅くな
る傾向にあり、上記の表面の高段差化が問題視されてき
ている。この高段差化を解消させるためにグローバルな
平坦化が求められてきている。その一方法として、従来
からSiウエハーの研磨に使用されている、化学研磨作
用と機械的研磨作用の複合効果を利用した化学機械的研
磨(CMP:Chemical Mechanical
Polishing)の適用が期待されている。
【0005】絶縁膜のうち、CVD法により形成された
膜は、従来からSiウエハーの研磨に用いられているコ
ロイダルシリカを分散させたスラリーを研磨剤として用
いることにより比較的容易に研磨が可能である。しか
し、このCVD法は、配線パターンの微細化に伴う高ア
スペクト比の溝に対する埋込み性は悪く、アスペクト比
3程度が限界とされている。また、膜の低誘電率化を図
るためにフッ素の導入等が試みられているが、導入した
フッ素の脱離や膜の吸湿性の増加などの問題点がまだ解
決されていない状況にある。
【0006】一方、SOG法により形成された有機SO
G膜は、高アスペクト比の溝に対する埋込み性は良好
で、アスペクト比10以上でも可能とされている。ま
た、膜の誘電率は3程度とそのままでも低く、膜形成の
コストもCVD法よりも低く抑えることが可能である。
しかし、上記コロイダルシリカを用いた研磨剤で研磨す
ると研磨傷が発生しやすく、これを防ぐために研磨条件
を緩やかにすると研磨速度が極端に低下してしまう。さ
らに、同じ条件で研磨しても、有機SOG膜の研磨速度
はCVD膜の場合と比較すると極めて低い値しか得られ
ず、このままではコストが高くなってしまうので適用は
困難である。そこで、この有機SOG膜を高速で研磨す
ることが可能な研磨剤の開発が求められている。また、
有機高分子樹脂を用いた膜は、1回の塗布で10μm以
上の厚い膜を形成することができるので、グローバルな
平坦化に有望と考えられている。また、膜の誘電率は3
程度とそのままでも低いが、フッ素を含んだ樹脂を用い
れば更に低い誘電率が得られ、アクリレート系ポリマー
を用いれば紫外線硬化等の熱を使用しない形成方法が可
能である。しかし、この有機高分子樹脂の硬度がCVD
膜及び有機SOG膜と比較すると極めて低いために、上
記コロイダルシリカを用いた研磨剤で研磨すると研磨傷
が発生してしまう。これを防ぐために研磨傷が発生しな
くなるまで研磨条件を緩やかにすると、ほとんど研磨さ
れなくなってしまう。そこで、この有機高分子樹脂を用
いた膜を研磨傷の発生無く研磨することが可能な研磨剤
の開発が求められている。
【0007】本発明は、グローバルな平坦化が可能で、
かつ、微細な配線間の埋め込み性が良好で誘電率の低い
有機SOG膜、有機高分子樹脂膜の絶縁膜層を研磨する
ために好適な酸化セリウム研磨剤及びその酸化セリウム
研磨剤を使用する基板の製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の酸化セリウム研
磨剤は、水中に酸化セリウム粒子を分散させたスラリー
よりなるものであり、酸化セリウム粒子として、1次粒
子の長径/短径(アスペクト比)が2.0以下である粒
子の数が全数の90%以上である酸化セリウム粒子が使
用される。本発明は、1次粒子のアスペクト比が2.0
以下である粒子の数が全数の90%以上である酸化セリ
ウム粒子を使用することにより、被研磨表面に傷をつけ
ることなく研磨できることを見い出したことによりなさ
れたものである。
【0009】本発明の基板の製造法は、所定の基板に有
機基を含有した絶縁膜層あるいは有機高分子樹脂等の絶
縁膜を形成し、本発明の酸化セリウム研磨剤で研磨する
工程を含むことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】一般に、酸化セリウムは、代表的
な希土類鉱物であるバストネサイト、モザナイト等を分
離精製して得られるセリウム化合物(水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩、シュウ酸塩等)を焼成することによって得
られる。本発明で用いる酸化セリウム粒子も通常の方法
で作製できるが、有機SOG膜を研磨する場合には、酸
化セリウムの結晶性が高いと研磨速度が低下する傾向を
示すことから、あまり結晶性を上げないで作製する必要
がある。また、半導体の研磨に用いるので、不純物の混
入を防ぐために特にアルカリ金属類及びハロゲン類の含
有量は2ppm以下に抑える必要がある。
【0011】本発明に於いて、1次粒子のアスペクト比
が2.0以下である粒子の数が全数の90%以上である
酸化セリウム粒子を用いる。その1次粒子のアスペクト
比が2.0を越える酸化セリウム粒子を水中に分散させ
たスラリーを用いると、研磨後の被研磨表面に傷が発生
する。ここで、アスペクト比は、透過型電子顕微鏡によ
る観察で1次粒子の短径と長径を測定し、これらの比を
算出することによって求める方法が簡便で好ましい。
【0012】本発明に於いて、酸化セリウム粒子を作製
する方法としては、例えば、(1)3価のセリウム化合
物の中で水に溶解しないセリウム化合物を出発材料と
し、これを水中に分散後、酸化剤を滴下することによっ
て固体状態のままで酸化処理を施すことにより4価の酸
化セリウム粒子を作製する方法、(2)3価のセリウム
化合物の中で水溶性のものを出発材料とし、これを溶解
させた水溶液に炭酸水素アンモニウム等を添加して得ら
れる非水溶性セリウム化合物(沈殿物)に酸化剤を滴下
することによって固体状態のままで酸化処理を施すこと
により4価の酸化セリウム粒子を作製する方法、(3)
4価のセリウム化合物を出発材料とし、これを溶解させ
た水溶液にアンモニア水を添加する等により水溶液を中
性、アルカリ性にすることにより4価の酸化セリウム粒
子を作製する方法など好ましく使用されるが、特に制限
は無い。
【0013】3価の非水溶性セリウム化合物としては、
炭酸セリウム、水酸化セリウム、シュウ酸セリウム、酢
酸セリウムなどの非水溶性セリウム塩が挙げれ、特に制
限はない。これらの3価の非水溶性セリウム化合物を水
中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散
処理の他に、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミ
ルなどを用いることができる。特に、分散粒子を細かく
した方が後で施す酸化処理が容易に行えるので、ボール
ミルによる分散処理を施すのが好ましい。3価の非水溶
性セリウム化合物の濃度には特に制限は無いが、分散液
の取り扱い易さから1〜30重量%の範囲が好ましい。
この3価の非水溶性セリウム化合物の分散液に酸化剤を
添加することによって、固体状態のままで酸化処理を施
すことにより4価の酸化セリウム粒子を得る。ここで用
いる酸化剤としては、硝酸カリウム等の硝酸塩、過マン
ガン酸カリウム等の過マンガン酸塩、クロム酸カリウム
等のクロム酸塩、過酸化水素、ハロゲン、オゾンなどが
挙げられる。これらの中では、酸化処理に伴う不純物の
混入を防ぐために、過酸化水素を用いることが好まし
い。酸化剤の添加量は、3価の非水溶性セリウム化合物
1モルに対して1モル以上が必要であり、酸化処理を完
結させることから1モル〜10モルの範囲が好ましい。
処理温度には特に制限は無いが、過酸化水素等の自己分
解性の酸化剤を用いる場合には40℃以下で処理を開始
することが好ましく、全量添加後、過剰な酸化剤を分解
させるために80℃以上に加熱することが好ましい。酸
化処理を施して得られた酸化セリウム粒子を含む水溶液
をそのまま分散処理に用いることができる。また、この
水溶液から、デカンテーション、ろ過、遠心分離などの
通常の方法を用いて酸化セリウム粒子を回収することも
できる。この回収方法としては、効率良く短時間で分離
することが可能な遠心分離が好ましい。この際に、溶液
のpHが酸側にあると粒子の沈殿が極めて遅く、一般的
な遠心分離機では固液分離が困難になってしまうので、
アンモニアなどの金属イオンを含まないアルカリ性物質
を添加して溶液のpHを8以上にしてから遠心分離を行
うことが好ましい。また、不純物濃度を低下させるため
に、沈殿物の洗浄を繰り返すことも有効である。回収し
た沈殿物を乾燥機などで水分を除去することにより、酸
化セリウム粒子を得る。乾燥温度には特に制限は無い
が、420℃以上では酸化セリウム粒子の結晶性が著し
く増加してしまうので、420℃以下のできるだけ低い
温度で乾燥させることが好ましい。
【0014】3価の水溶性セリウム化合物としては、硝
酸セリウム、硫酸セリウム、塩化セリウムなどの水溶性
セリウム塩が挙げられ、特に制限はない。これらを溶解
させた水溶液中の3価の水溶性セリウム化合物の濃度に
は特に制限は無いが、沈殿物である非水溶性セリウム化
合物生成後の懸濁液の取り扱い易さから1〜30重量%
の範囲が好ましい。これらの水溶液に炭酸水素アンモニ
ウムの水溶液等を添加すると白色沈殿(非水溶性セリウ
ム化合物)を生じる。ここで、炭酸水素アンモニウムの
濃度は、3価の水溶性セリウム化合物1モルに対して
1.5モル以上が必要であり、反応を完結させることか
ら1.5モル〜30モルの範囲が好ましい。この3価の
水溶性セリウム化合物から得られた沈殿物(非水溶性セ
リウム化合物)の分散液に酸化剤を添加することによっ
て、固体状態のままで酸化処理を施すことにより4価の
酸化セリウム粒子を得る。ここで用いる酸化剤として
は、3価の非水溶性セリウム化合物の場合と同じものが
使用できる。これらの中では、酸化処理に伴う不純物の
混入を防ぐために、過酸化水素を用いることが好まし
い。酸化剤の添加量は、3価の水溶性セリウム化合物1
モルに対して1モル以上が必要であり、酸化処理を完結
させることから1モル〜10モルの範囲が好ましい。処
理温度には特に制限は無いが、過酸化水素等の自己分解
性の酸化剤を用いる場合には40℃以下で処理を開始す
ることが好ましく、全量添加後、過剰な酸化剤を分解さ
せるために80℃以上に加熱することが好ましい。酸化
処理を施して得られた酸化セリウム粒子を含む水溶液を
そのまま分散処理に用いることができる。また、この水
溶液から、デカンテーション、ろ過、遠心分離などの通
常の方法を用いて酸化セリウム粒子を回収することもで
きる。この回収方法としては、効率良く短時間で分離す
ることが可能な遠心分離が好ましい。この際に、溶液の
pHが酸側にあると粒子の沈殿が極めて遅く、一般的な
遠心分離機では固液分離が困難になってしまうので、ア
ンモニアなどの金属イオンを含まないアルカリ性物質を
添加して溶液のpHを8以上にしてから遠心分離を行う
ことが好ましい。また、不純物含有量を低下させるため
に、沈殿物を繰り返し洗浄することも有効である。回収
した沈殿物を乾燥機などで水分を除去することにより、
酸化セリウム粒子を得る。乾燥温度には特に制限は無い
が、420℃以上では酸化セリウム粒子の結晶性が著し
く増加してしまうので、420℃以下のできるだけ低い
温度で乾燥させることが好ましい。
【0015】4価のセリウム化合物としては、硫酸セリ
ウム、硫酸アンモニウムセリウム、硝酸アンモニウムセ
リウムなどのセリウム塩が挙げられ、特に制限はない。
これらを溶解させた水溶液中の4価のセリウム化合物の
濃度には特に制限は無いが、沈殿物(酸化セリウム粒
子)生成後の懸濁液の取り扱い易さから1〜30重量%
の範囲が好ましい。これらの水溶液は酸性であるが、水
溶液にアンモニア水を添加する等により水溶液を中性、
アルカリ性にすると白色沈殿(酸化セリウム粒子)を生
じる。ここで、アンモニア水の添加量は、懸濁液のpH
が初めの酸性から中性を示すまで加える必要があり、中
性を経てアルカリ性を示すまで若干過剰に添加すること
が好ましい。沈殿処理を施して得られた酸化セリウム粒
子を含む水溶液をそのまま分散処理に用いることができ
る。また、この水溶液から、デカンテーション、ろ過、
遠心分離などの通常の方法を用いて酸化セリウム粒子を
回収することもできる。この回収方法としては、効率良
く短時間で分離することが可能な遠心分離が好ましい。
また、不純物の含有量を低下させるために、沈殿物を繰
り返し洗浄することも有効である。回収した沈殿物を乾
燥機などで水分を除去することにより、酸化セリウム粒
子を得る。乾燥温度には特に制限は無いが、420℃以
上では酸化セリウム粒子の結晶性が著しく増加してしま
うので、420℃以下のできるだけ低い温度で乾燥させ
ることが好ましい。
【0016】本発明における酸化セリウムスラリーは、
上記の3つの方法により製造された酸化セリウム粒子を
含有する水溶液又はこの水溶液から回収した酸化セリウ
ム粒子、分散剤、及び水からなる組成物を分散させるこ
とによって得られる。ここで、酸化セリウム粒子の濃度
には制限は無いが、懸濁液の取り扱い易さから1〜30
重量%の範囲が好ましい。また、分散剤としては、金属
イオン類を含まないものとして、アクリル酸重合体及び
そのアンモニウム塩、メタクリル酸重合体及びそのアン
モニウム塩、ポリビニルアルコール等の水溶性有機高分
子類、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレン
ラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン
性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非
イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン等の水溶性アミン類などが挙げられる。これ
らの分散剤の添加量は、スラリー中の粒子の分散性及び
沈降防止性などから酸化セリウム粒子100重量部に対
して0.01重量部から10重量部の範囲が好ましく、
その分散効果を高めるためには分散処理時に分散機の中
に粒子と同時に入れることが好ましい。これらの酸化セ
リウム粒子を水中に分散させる方法としては、通常の撹
拌機による分散処理の他に、ホモジナイザー、超音波分
散機、ボールミルなどを用いることができる。特に酸化
セリウム粒子を1μm以下の微粒子として分散させるた
めには、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミ
ル、媒体撹拌式ミルなどの湿式分散機を用いることが好
ましい。また、スラリーのアルカリ性を高めたい場合に
は、分散処理時又は処理後にアンモニア水などの金属イ
オンを含まないアルカリ性物質を添加することができ
る。
【0017】本発明の半導体チップの製造で使用される
絶縁膜は、アルコキシシラン及びアルキルアルコキシシ
ランをアルコールなどの有機溶媒中で水及び触媒を添加
することにより加水分解して得られる塗布液をスピンコ
ート法などにより基板に塗布後、加熱処理により硬化さ
せる、あるいはケイ素を含有しない有機高分子樹脂をア
ルコールなどの有機溶媒中に溶解させた塗布液をスピン
コート法により塗布後、加熱処理等により形成させるこ
とで製造される。
【0018】ここで、アルコキシシランとしては、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロ
ポキシシランなどのモノマ又はオリゴマなどが挙げら
れ、それぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いる
ことができる。また、アルキルアルコキシシランとして
は、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で
又は2種類以上組み合わせて用いることができる。ここ
で、フルオロトリメトキシシラン、フルオロメチルジメ
トキシシランなどのアルコキシシラン、アルキルアルコ
キシシランのSiにフッ素が結合したもの、トリフルオ
ロメチルトリメトキシシラントリフルオロメチルメチル
ジメトキシシランなどのアルキルアルコキシシランのア
ルキル基の少なくとも一部がフッ素化されたもの、アル
コキシシラン、アルキルアルコキシシランのSiにフッ
素が結合したものも用いることができる。これらはそれ
ぞれ単独で又は2種類以上組み合わせて用いることがで
きる。ここで、アルコシシランとアルキルアルコキシシ
ランとの添加量の割合は、これらにより構成される絶縁
膜中のシロキサン結合に由来するSi原子数とアルキル
基に由来するC原子数が C原子数/(Si原子数+C原子数)≧0.1 の関係にあることが好ましい。この割合が0.1より小
さいと絶縁膜の形成時に膜中にクラックが発生し、膜の
欠落、絶縁性の低下などの欠陥が生じてしまう。有機溶
媒としては、メチルアルコール、エチルアルコールなど
の1価アルコール類及びそのエーテル又はエステル類、
グリセリン、エチレングリコールなどの多価アルコール
類及びそのエーテル又はエステル類、アセトン、メチエ
チルケトン、などのケトン類などが挙げられ、これらは
それぞれ単独で、又は2種類以上組み合わせて用いるこ
とができる。触媒としては、加水分解用として、塩酸、
硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸、マレイン酸などの有
機酸、これらの酸無水物又は誘導体などの酸及び水酸化
ナトリウム、アンモニア、メチルアミンなどのアルカリ
が挙げられる。
【0019】ここで、水の添加量はアルコキシシラン及
びアルキルアルコキシシランそれぞれのアルコキシ基1
00%に対して75%より少ない範囲が好ましく、75
%以上ではアルコキシシラン及びアルキルアルコキシシ
ランの加水分解が急激に生じるために塗布液がゲル化又
は白濁してしまう。触媒の添加量は、アルコキシシラン
及びアルキルアルコキシシラン100重量部に対して
0.1重量部から5重量部が好ましく、0.1重量部よ
りも少ないとアルコキシシラン及びアルキルアルコキシ
シランの加水分解が不十分なために塗布時に膜が形成さ
れず、5重量部よりも多いと加水分解が急激に生じるた
めに塗布液がゲル化してしまう。アルコキシシラン及び
アルキルアルコキシシランは有機溶媒100重量部に対
して1重量部から40重量部の範囲が好ましい。アルコ
キシシラン及びアルキルアルコキシシランが1重量部未
満では塗布時に膜が形成されにくくなり、また、40重
量部を超えると均一な膜が得にくくなる。高分子量化時
の反応温度には、特に制限はないが、使用している有機
溶媒の沸点以下が好ましく、得られる加水分解物の分子
量を制御するために特に5℃から70℃が好ましい。加
水分解時の反応時間には、特に制限はなく、所定の分子
量に到達した時点で反応を終了する。この時の分子量の
測定方法としては、特に制限はないが、液体クロマトグ
ラフを用いた方法が簡便で好ましい。
【0020】これらの4成分から得られる絶縁膜形成用
材料は、次の様にして製造される。まず、有機溶媒中に
所定量のアルコキシシラン及びアルキルアルコキシシラ
ンを分散させ、これに水及び触媒を混合してしばらく撹
拌後、室温下又は加温下で高分子量化させることによっ
て製造される。
【0021】一方、ケイ素を含有しない有機高分子樹脂
としては、フェノール、エポキシ、不飽和ポリエステ
ル、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミドなど
の熱硬化性樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチ
レン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリメチルメタ
クリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルホルマリン、
ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレンなど
の熱可塑性樹脂などが挙げられる。これらの中で、ポリ
四フッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレンなどのフ
ッ素樹脂を用いると膜の低誘電率化に有効であり、ポリ
アミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂などを用いると膜の
耐熱性に有効であるが、特に制限は無い。
【0022】これらのケイ素を含有しない有機高分子樹
脂の絶縁膜形成用材料は次の様にして作製する。熱硬化
性樹脂を用いる場合、それぞれのモノマー及び/又は低
分子量のものをアルコールなどの上記に記載した有機溶
媒中に溶解させることによって、絶縁膜形成用の塗布液
を作製する。ここで、硬化をより進めるために、一般に
使用される硬化剤、促進剤、触媒などを併用することが
できる。また、熱可塑性樹脂を用いる場合、それぞれの
樹脂をアルコールなどの上記に記載した有機溶媒中に溶
解させることによって、絶縁膜形成用の塗布液を作製す
る。有機高分子樹脂10重量部に対して有機溶媒は0重
量部から900重量部の範囲が好ましい。有機溶媒が9
00重量部を超えると、塗布時に膜が形成されにくくな
る。
【0023】以上の方法により製造した絶縁膜形成用材
料を、所定の半導体基板、すなわち回路素子と配線パタ
ーンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成さ
れた段階の半導体基板等の半導体基板、例えば予めIC
回路を形成させてその上にアルミニウム配線をパターニ
ング済みの半導体基板上に塗布後、100℃以上で加熱
処理することにより絶縁膜層が形成される。ここで、半
導体基板としては、Siウエハー、GaAsウエハーな
どが挙げられるが、特に制限は無い。また、塗布法とし
ては、スピンコート法、スプレー法、ディップコート法
などが挙げられ、特に制限はない。加熱処理温度は、3
00℃以上で特に制限はないが、使用する基板によりそ
の上限が有り、アルミニウム配線を施してあるものでは
500℃以下が好ましい。加熱硬化時間には、特に制限
はなく、形成した膜の物性がほぼ平衡に到達した時点で
加熱を終了する。この時の判定方法としては、特に制限
はないが、膜の表面硬度、膜の厚さなどの測定が簡便で
好ましい。加熱処理時の雰囲気には、特に制限がない
が、加熱中のアルキルアルコキシシラン中のアルキル基
の脱離を低減させるために窒素、アルゴンなどの不活性
ガスを導入することが好ましい。
【0024】所定の半導体基板、すなわち回路素子と配
線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が
形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に形成さ
れた絶縁膜層を上記酸化セリウムスラリーで研磨するこ
とによって、絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板
全面に渡って平滑な面とする。所定の半導体基板上に形
成されている絶縁膜層は、配線の厚みより厚く例えば配
線の厚みの1.2倍以上の厚みで形成されている。ここ
で、研磨する装置としては、半導体基板を保持するホル
ダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能
なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研
磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不職
布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用で
き、特に制限は無い。また、研磨布にはスラリーが留ま
る様な溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限
は無いが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さない
様に100rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板
にかける圧力は研磨後に傷が発生しない様に1Kg/c
2以下が好ましい。研磨している間、研磨布にはスラ
リーをポンプ等で連続的に供給する。この時の供給量に
は制限は無いが、研磨布の表面が常にスラリーで覆われ
ていることが好ましく、単位面積当りの供給量が例えば
18インチ定盤に対して25ml/min以上の割合が
特に好ましい。この供給量が25ml/minより少な
いと、十分な研磨速度が得られず、また、スラリーの拡
散が不十分なために均一な研磨が得られない。さらに、
機械的研磨の影響が大きくなるために、CVD膜の研磨
速度が大きくなる傾向を示し、有機SOG膜との速度比
で表される選択性低下するために、選択的な研磨が不可
能になってしまう。
【0025】研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く
洗浄後、表面に付着した酸化セリウム粒子を除去するた
めに、過酸化水素並びに硝酸、硫酸、炭酸アンモニウ
ム、カルバミン酸アンモニウム及び炭酸水素アンモニウ
ムから選ばれる少なくとも一種を含む液の少なくとも一
種の液中に浸漬してから再度水洗し、乾燥する。ここ
で、浸漬時間には特に制限は無いが、酸化セリウム粒子
の溶解によって生じる気泡が発生しなくなる時点で処理
の終了を判断することができる。また、浸漬温度には特
に制限は無いが、過酸化水素水などの自己分解性を示す
ものを用いる場合には、40℃以下で処理することが好
ましい。水洗後は、スピンドライヤ等を用いて半導体基
板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させること
が好ましい。
【0026】この様にして平坦化された絶縁膜層の上
に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間
及び配線上に再度上記方法により絶縁膜を形成後、上記
酸化セリウムスラリーを用いて研磨することによって、
絶縁膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って
平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことによ
り、所望の層数の半導体を製造する。
【0027】本発明の、1次粒子のアスペクト比が2.
0以下である粒子の数が全数の90%以上である酸化セ
リウム粒子は、次に示す特性の少なくとも一つを兼ね備
えるものであればより好ましい。 (1)比表面積が25m2/g以上。 (2)静置法により測定した見掛け密度が1.3g/m
l以下。 (3)タップ法により測定した見掛け密度が1.6g/
ml以下。 (4)粉末X線回折パターンの主ピークの半値幅が0.
4°以上。 (5)透過型電子顕微鏡による観察で1次粒子径が20
nm以下である1次粒子が全数の90%以上。 (6)1次粒子径が20nm以下である1次粒子が全数
の90%以上であり、1次粒子が凝集した2次粒子径が
1μm以下である2次粒子が全数の90%以上。 (7)直径が1μm以下である2次粒子が全数の90%
以上であり、2次粒子が120°より小さい角部を含ま
ない輪郭を示す。
【0028】本発明の1次粒子のアスペクト比が2.0
以下である粒子の数が全数の90%以上である酸化セリ
ウム粒子を水中に分散させたスラリーには、本発明の酸
化セリウム粒子以外に例えば希土類金属の酸化物、塩等
か添加されていて良い。他の添加物の混入により分散性
向上、化学反応促進、すべり特性向上、選択性向上等の
特性向上が期待できる。他の添加物の混入量は固形分の
50重量%以下が好ましい。
【0029】
【実施例】実施例 (酸化セリウム粒子の作製、その1)炭酸セリウム50
gを脱イオン水450g中に添加後、遊星ボールミルを
用いて2800rpmで15分間分散処理を施すことに
よって、白色の炭酸セリウムスラリーを得た。このスラ
リーに撹拌をしながら過酸化水素水(約35%)29.
2gを滴下し、さらに撹拌を続けながら1時間反応を進
めてから、ウォーターバスを用いて90℃まで昇温させ
た。90℃で1時間撹拌後、室温まで冷却し、遠心分離
機による固液分離後、120℃の乾燥機で24時間乾燥
させることにより白色粉末30gを得た。この白色粉末
のX線回折パターンを測定した結果、酸化セリウムであ
ることが同定された。また、透過型電子顕微鏡での観察
よりその1次粒子のアスペクト比を算出した結果、1.
1を示した。
【0030】(酸化セリウム粒子の作製、その2)硝酸
セリウム50gを脱イオン水500g中に入れて良く混
合後、撹拌を続けながら炭酸水素アンモニウム75gを
蒸留水400gに溶解させた水溶液を滴下して、そのま
ま室温下で1時間反応させることにより白色沈殿を得
た。遠心分離機を用いて3000rpm、10分間処理
することによりこの白色沈殿物を固液分離した。この白
色沈殿物を再度脱イオン水500g中に入れて良く分散
後、過酸化水素水(約35%)60.9gを滴下し、さ
らに撹拌を続けながら1時間反応を進めてから、ウォー
ターバスを用いて90℃まで昇温させた。90℃で1時
間撹拌後、室温まで冷却し、遠心分離機による固液分離
後、120℃の乾燥機で24時間乾燥させることにより
白色粉末20gを得た。この白色粉末のX線回折パター
ンを測定した結果、酸化セリウムであることが同定され
た。また、透過型電子顕微鏡での観察よりその1次粒子
のアスペクト比を算出した結果、1.4を示した。
【0031】(酸化セリウム粒子の作製、その3)硝酸
アンモニウムセリウム50gを脱イオン水500g中に
入れて良く混合後、撹拌を続けながらアンモニア水27
gを蒸留水500gに溶解させた水溶液を滴下して、そ
のまま室温下で1時間反応させることにより白色沈殿を
得た。遠心分離機を用いて3000rpm、10分間処
理することによりこの白色沈殿物を固液分離し後、12
0℃の乾燥機で24時間乾燥させることにより白色粉末
15gを得た。この白色粉末のX線回折パターンを測定
した結果、酸化セリウムであることが同定された。ま
た、透過型電子顕微鏡での観察よりその1次粒子のアス
ペクト比を算出した結果、1.2を示した。
【0032】(酸化セリウムスラリーの作製)上記酸化
セリウム粉末10gを脱イオン水100g中に分散し
て、これにポリアクリル酸アンモニウム塩1gを添加
後、遊星ボールミル(Pー5型、フリッチェ製)を用い
て2800rpmで30分間分散処理を施すことによっ
て、乳白色の酸化セリウムスラリーを得た。コールター
カウンタ(N−4型、日科機製)を用いてこのスラリー
の粒度分布を測定した結果、平均粒子径が176nmと
小さく、その分布は単分散で比較的分布も狭いことが分
かった。
【0033】(絶縁層の形成)予めIC回路を形成させ
てその上にアルミニウム配線をパターニング済みの4イ
ンチSiウエハーをスピンコータにセットし、テトラメ
トキシシラン(4モル)及びメチルトリメトキシシラン
(1モル)をイソプロピルアルコール中で水及び硝酸を
添加することにより加水分解して得られた塗布液5ml
をウエハー上に塗布して、2,500rpmで30秒間
回転後、250℃のホットプレートで1分間乾燥した。
このウエハーを加熱炉中にセットし、450℃で30分
間焼成することにより、絶縁層を形成させた。
【0034】(半導体の研磨)保持する基板取り付け用
の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記絶縁層を形成
させたSiウエハーをセットし、多孔質フッ素樹脂製の
研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等
を取り付けてある)定盤上にSiウエハー面を下にして
ホルダーを載せ、さらにその上に5Kgの重しを載せ
た。定盤上に上記酸化セリウムスラリーを滴下しなが
ら、上盤を50rpmで4分間回転させ、絶縁膜を研磨
した。研磨後、Siウエハーをホルダーから外して、流
水中で良く洗浄後、過酸化水素と硝酸を1:1に混合し
た液を入れたビーカの中に浸し、このビーカを超音波洗
浄機中にセットして10分間洗浄した。酸化セリウムの
溶解に伴う発泡が収まったことを確認後、ビーカ中から
Siウエハーを取りだし、スピンドライヤで水滴を除去
後、120℃の乾燥機で10分間乾燥させた。自動エリ
プソメータを用いて研磨前後の膜厚変化を測定した結
果、この研磨により約4000Åの絶縁層が削られ、S
iウエハー全面に渡ってほぼ均一の厚みになっているこ
とが分った。また、Siウエハーをカットし、その断面
をSEMで観察した結果、幅0.1μmで深さ1.0μ
mの配線間の溝部分にも空洞等の欠陥が見られず、十分
な埋め込み性を示すことが分った。この工程を6回繰り
返して6層配線を形成させたが、その断面のSEM観察
から、各層においてSi基板全面に渡りその表面の段差
がほとんど認められず、配線パターンも精度良く切れて
いることが分った。
【0035】比較例 実施例と同様にして絶縁層を形成し、酸化セリウムスラ
リーを用いた研磨をせずに多層配線の形成を試みたが、
3層以上になると表面の段差が極めて大きくなるために
上下層間の絶縁性が破壊され、これ以上の多層化はでき
ないことが分った。また、透過型電子顕微鏡での観察よ
りその1次粒子のアスペクト比が3.0を示した試薬と
して市販されている酸化セリウム粒子を用いて上記と同
様にして作製したスラリーで上記絶縁膜の研磨を試みた
結果、研磨により約4000Åとほぼ同じ量が削られた
が、その表面には多数の研磨傷が発生していることが認
められた。そこで、ホルダーに乗せる重しを5kgから
1kgに減少させると、研磨傷の発生は見られなくなっ
たが、50rpmで10分間研磨しても約500Åしか
削れなくなり、、Siウエハー全面に渡って平坦にする
には極めて効率が悪いことが分った。
【0036】
【発明の効果】本発明の研磨剤により、有機SOG膜あ
るいは有機高分子樹脂膜を研磨傷を発生させること無く
高速で研磨することが可能となる。本発明の基板の製造
法により、各層において基板全面に渡りその表面の段差
がほとんど生じなくなるので、配線の微細化にも十分に
対応でき、高密度・高集積化による多層配線化が実現で
きる。また、絶縁膜として有機SOG膜あるいは有機高
分子樹脂膜を使用するので、微細な配線間の埋め込み性
及び低誘電率化も同時に図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/768 H01L 21/90 P (72)発明者 丹野 清仁 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 本間 喜夫 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次粒子のアスペクト比が2.0以下で
    ある粒子の数が全数の90%以上である酸化セリウム粒
    子を水中に分散させたスラリーを含む、所定の基板上に
    設けられた絶縁膜層を研磨する酸化セリウム研磨剤。
  2. 【請求項2】 スラリーが、水溶性有機高分子、水溶性
    陰イオン性界面活性剤、水溶性非イオン性界面活性剤及
    び水溶性アミンから選ばれる少なくとも一種の分散剤を
    含む請求項1記載の酸化セリウム研磨剤。
  3. 【請求項3】 分散剤の添加量が酸化セリウム粒子10
    0重量部に対して0.01重量部から10重量部の範囲
    である請求項2記載の酸化セリウム研磨剤。
  4. 【請求項4】 スラリーがアルカリ性のスラリーである
    請求項1、2又は3項記載の酸化セリウム研磨剤。
  5. 【請求項5】 所定の基板に絶縁膜層を形成し、前記絶
    縁膜層を請求項1〜4各項記載の酸化セリウム研磨剤で
    研磨する工程を含むことを特徴とする基板の製造法。
  6. 【請求項6】 絶縁膜層が有機基を含有した絶縁膜層で
    ある請求項5記載の基板の製造法。
  7. 【請求項7】 絶縁膜層がアルコキシシラン及びアルキ
    ルアルコキシシランを有機溶媒中で水及び触媒を添加し
    加水分解して得られる塗布液を基板上に塗布後加熱硬化
    させて得られたものである請求項6記載の基板の製造
    法。
  8. 【請求項8】 絶縁膜層が、絶縁膜中のシロキサン結合
    に由来するSi原子数とアルキル基に由来するC原子数
    が、 C原子数/(Si原子数+C原子数)≧0.1 の関係にある絶縁膜層である請求項7記載の基板の製造
    法。
  9. 【請求項9】 絶縁膜層がケイ素を含まない有機高分子
    樹脂膜層である請求項5記載の基板の製造法。
  10. 【請求項10】 絶縁膜層を研磨後に、基板を過酸化水
    素並びに硝酸、硫酸、炭酸アンモニウム、カルバミン酸
    アンモニウム及び炭酸水素アンモニウムから選ばれる少
    なくとも一種を含む液の少なくとも一種で洗浄する工程
    を含むことを特徴とする請求項5記載の基板の製造法。
JP8077812A 1996-02-07 1996-03-29 酸化セリウム研磨剤及び基板の製造法 Pending JPH11330021A (ja)

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KR1019970707101A KR100360787B1 (ko) 1996-02-07 1997-02-07 산화세륨연마제,반도체칩및반도체장치,그들의제조법및기판의연마법
US08/930,916 US6420269B2 (en) 1996-02-07 1997-02-07 Cerium oxide abrasive for polishing insulating films formed on substrate and methods for using the same
AU16705/97A AU1670597A (en) 1996-02-07 1997-02-07 Cerium oxide abrasive, semiconductor chip, semiconductor device, process for the production of them, and method for the polishing of substrates
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PCT/JP1997/000326 WO1997029510A1 (fr) 1996-02-07 1997-02-07 Abrasif d'oxyde de cerium, microplaquette semi-conductrice, dispositif semi-conducteur, procede pour les produire et procede pour polir les substrats
EP97902626A EP0820092A4 (en) 1996-02-07 1997-02-07 CERIUM OXIDE ABRASIVE, SEMICONDUCTOR MICROPLATE, SEMICONDUCTOR DEVICE, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND METHOD FOR POLISHING THE SUBSTRATES

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6420269B2 (en) 1996-02-07 2002-07-16 Hitachi Chemical Company, Ltd. Cerium oxide abrasive for polishing insulating films formed on substrate and methods for using the same
JP2009544559A (ja) * 2006-07-28 2009-12-17 エルジー・ケム・リミテッド 酸化セリウム粉末、その製造方法及びこれを含むcmpスラリー
CN114289027A (zh) * 2021-11-24 2022-04-08 山东华特环保科技有限公司 一种高效复合型臭氧催化剂及其制备方法与应用

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