JPH11328622A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法

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JPH11328622A
JPH11328622A JP13230098A JP13230098A JPH11328622A JP H11328622 A JPH11328622 A JP H11328622A JP 13230098 A JP13230098 A JP 13230098A JP 13230098 A JP13230098 A JP 13230098A JP H11328622 A JPH11328622 A JP H11328622A
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JP
Japan
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film
magnetic
magnetoresistive
resist pattern
sputtering
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JP13230098A
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Harumi Sato
晴美 佐藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果素子の両脇に磁性膜や導電体膜
が配されてなる磁気抵抗効果型磁気ヘッドを製造する際
に、それらの境界部分を最適な形状に精度良く形成でき
るようにする。 【解決手段】 磁性膜7及び導電体膜8をスパッタリン
グにより成膜する。このとき、下層部が内方に食い込ん
だアンダーカット形状のレジストパターン6cをマスク
とする。また、ターゲットと基板との距離を十分に離し
ておき、レジストパターン6cのアンダーカット部分に
スパッタ粒子が入り込まないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ等で使用される磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、感磁素子
として磁気抵抗効果素子を用いた再生専用磁気ヘッドで
あり、ハードディスクドライブ等において実用化されて
いる。
【0003】このような磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一
例を図25及び図26に示す。なお、図25は、磁気抵
抗効果型磁気ヘッド100を上方から見た平面図であ
り、一部を透過させて図示している。また、図26は、
磁気抵抗効果型磁気ヘッド100を記録媒体対向面の側
から見た正面図である。換言すれば、図26は、磁気抵
抗効果型磁気ヘッド100を図25の矢印A1で示す方
向から見た正面図である。
【0004】図25及び図26に示す磁気抵抗効果型磁
気ヘッド100は、磁気抵抗効果素子101と、磁気抵
抗効果素子101の両脇にそれぞれ配された磁性膜10
2と、磁性膜102の上に配された導電体膜103とを
備えており、これらが一対の磁気シールド104,10
5によって絶縁膜106,107を介して挟持されてな
る。
【0005】ここで、磁性膜102は、磁気抵抗効果素
子101の動作の安定化を図るために、磁気抵抗効果素
子101にバイアス磁界を印加するためのものであり、
保磁力の高い硬質磁性材料からなる、いわゆる永久磁石
膜である。そして、このような磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドにおいては、図26に示すように、磁気抵抗効果素子
101と磁性膜102との磁気的結合を良好な状態とす
るために、磁気抵抗効果素子101の側面をゆるやかな
テーパー形状として、このテーパ形状となっている側面
において、磁性膜102が磁気抵抗効果素子101に接
触するようにしている。
【0006】この磁気抵抗効果型磁気ヘッド100を用
いて記録媒体から情報信号を再生する際は、磁気抵抗効
果素子101と対向するように記録媒体を走行させ、当
該記録媒体からの信号磁界を、磁気抵抗効果素子101
によって検出する。ここで、磁気抵抗効果素子101に
よる信号磁界の検出は、導電体膜103を介して磁気抵
抗効果素子101にセンス電流を供給し、当該センス電
流の電圧変化を検出することにより行う。
【0007】なお、この磁気抵抗効果型磁気ヘッド10
0では、磁性膜102及び導電体膜103に挟まれた部
分が、磁気抵抗効果素子101の感磁部となり、その部
分の幅T1が磁気抵抗効果型磁気ヘッド100の再生ト
ラック幅となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図25及び
図26に示したような磁気抵抗効果型磁気ヘッド100
では、特に磁気抵抗効果素子101と磁性膜102及び
導電体膜103との境界部分を、最適な形状に精度良く
形成することが非常に難しいという問題があった。
【0009】上記磁気抵抗効果型磁気ヘッド100にお
いて、磁気抵抗効果素子101は、レジストパターンを
マスクとしてエッチングすることにより所定の形状にパ
ターニングされるが、このとき、レジストパターンの側
面に被エッチング物が堆積し、当該堆積物がレジストパ
ターン剥離後も磁気抵抗効果素子101のエッジの部分
に残存してしまう場合がある。
【0010】また、上記磁気抵抗効果型磁気ヘッド10
0において、磁性膜102及び導電体膜103は、磁気
抵抗効果素子101をパターニングする際にマスクとし
て用いたレジストパターンを残したまま、全面に磁性膜
102及び導電体膜103を成膜し、その後、レジスト
パターンを当該レジストパターン上に堆積した磁性膜1
02及び導電体膜103と共に除去することにより形成
されるが、このとき、レジストパターンの側面にも磁性
膜102や導電体膜103が堆積し、当該堆積物がレジ
ストパターン剥離後も磁気抵抗効果素子101のエッジ
の部分に残存してしまう場合がある。
【0011】このように、レジストパターンの側面に堆
積した堆積物がレジストパターン剥離後も磁気抵抗効果
素子101のエッジの部分に残存してしまうと、磁気抵
抗効果素子101の上に形成される絶縁膜107のステ
ップカバレージが劣化し、磁気抵抗効果素子101と上
層磁気シールド105との絶縁を確保できなくなってし
まう。
【0012】このような問題に対処するために、図27
に示すように、磁気抵抗効果素子101をパターニング
する際のマスクとなるレジストパターン108を、下層
部が内方に食い込んだアンダーカット形状とする手法が
提案されている。なお、図27は、アンダーカット形状
のレジストパターン108をマスクとして、磁気抵抗効
果素子101をパターニングした後、磁性膜102及び
導電体膜103を成膜した状態を示している。このよう
にレジストパターン108をアンダーカット形状として
おけば、レジストパターン108の側面に不要な堆積物
が存在していたとしても、当該堆積物を確実に磁気抵抗
効果素子101から分離して除去することができる。
【0013】しかしながら、レジストパターン108を
アンダーカット形状とした場合には、磁性膜102や導
電体膜103の成膜時に、図27中の矢印A2,A3に
示すように、アンダーカット部分に磁性膜102や導電
体膜103が入り込んでしまうという問題が新たに生じ
る。アンダーカット部分に磁性膜102や導電体膜10
3が入り込むということは、磁性膜102や導電体膜1
03の一部が、磁気抵抗効果素子101のテーパー形状
となっている側面だけでなく、磁気抵抗効果素子101
の上面にまで堆積してしまうということである。
【0014】このように、磁性膜102や導電体膜10
3が、磁気抵抗効果素子101のテーパー形状となって
いる側面だけでなく、磁気抵抗効果素子101の上面に
まで堆積してしまうと、図27に示すように、磁性膜1
02及び導電体膜103に挟まれた部分の幅T2が狭く
なってしまう。これは、再生トラック幅が、想定してい
たものよりも小さくなってしまうということである。す
なわち、アンダーカット形状のレジストパターン108
を用いた場合には、再生トラック幅制御を精度良く行う
ことが難しいという問題が新たに生じていた。
【0015】また、磁性膜102や導電体膜103が、
磁気抵抗効果素子101のテーパー形状となっている側
面だけでなく、磁気抵抗効果素子101の上面にまで堆
積してしまうと、磁性膜102と磁気抵抗効果素子10
1との磁気的結合状態も不安定なものとなり、磁性膜1
02から磁気抵抗効果素子101に対して有効なバイア
ス磁界が印加されなくなる場合がある。このようになる
と、磁気抵抗効果素子101の動作が不安定になり、磁
気抵抗効果型磁気ヘッド100の再生特性が大幅に劣化
する。換言すれば、アンダーカット形状のレジストパタ
ーン108を用いた場合には、磁性膜102と磁気抵抗
効果素子101との磁気的結合状態を良好なものとする
のが難しく、磁気抵抗効果素子101の動作が不安定に
なりやすかった。
【0016】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造方法として、磁気抵抗効果素子と磁性膜や導電体膜
との境界部分を最適な形状に精度良く形成することが可
能な製造方法を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気抵抗効
果型磁気ヘッドの製造方法は、磁気抵抗効果素子となる
磁気抵抗効果膜を基板上に成膜する工程と、下層部が内
方に食い込んだアンダーカット形状のレジストパターン
を上記磁気抵抗効果膜上に形成する工程と、上記レジス
トパターンをマスクとして上記磁気抵抗効果膜をエッチ
ングし、所定の形状の磁気抵抗効果素子を形成する工程
と、上記レジストパターンを残した状態で、磁性体ター
ゲットを用いて、上記磁気抵抗効果素子にバイアス磁界
を印加するための磁性膜をスパッタリングにより成膜す
る工程と、上記レジストパターンを残した状態で、導電
体ターゲットを用いて、上記磁気抵抗効果素子にセンス
電流を供給する電極となる導電体膜をスパッタリングに
より成膜する工程と、上記レジストパターンを、当該レ
ジストパターン上に堆積した磁性膜及び導電体膜と共に
除去する工程とを有する。
【0018】そして、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッドの製造方法は、上記磁性膜をスパッタリングによ
り成膜する際に、磁性体ターゲットのスパッタ領域と基
板の磁気抵抗効果素子形成領域とを結ぶ仮想線と、基板
表面とが成す角度の最小値が60度以上となるように、
上記磁性体ターゲットと上記基板とを対向させて配置す
ることを特徴としている。
【0019】以上のような本発明に係る磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの製造方法では、アンダーカット形状のレジ
ストパターンを用いるようにしているので、磁気抵抗効
果膜のエッチング時や磁性膜や導電体膜の成膜時に、レ
ジストパターンの側面に不要な堆積物が堆積したとして
も、当該堆積物を確実に磁気抵抗効果素子から分離して
除去することができる。
【0020】しかも、本発明に係る磁気抵抗効果型磁気
ヘッドの製造方法では、磁性膜をスパッタリングにより
成膜する際に、磁性体ターゲットのスパッタ領域と基板
の磁気抵抗効果素子形成領域とを結ぶ仮想線と、基板表
面とが成す角度の最小値が60度以上となるように、磁
性体ターゲットと基板とを対向させて配置するようにし
ている。したがって、磁性体ターゲットをスパッタする
ことにより磁性体ターゲットから叩き出されて基板に入
射するスパッタ粒子は、基板に対してほぼ垂直に入射す
る成分が大多数となり、基板に対して斜めに入射する成
分は非常に少なくなる。そのため、レジストパターンの
アンダーカット部分にスパッタ粒子が入射するようなこ
とは殆ど無くなり、その結果、磁気抵抗効果素子の上面
にまで磁性膜が堆積してしまうようなことは殆ど無くな
る。
【0021】なお、上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製
造方法においては、上記導電体膜をスパッタリングによ
り成膜する際も、導電体ターゲットのスパッタ領域と基
板の磁気抵抗効果素子形成領域とを結ぶ仮想線と、基板
表面とが成す角度の最小値が60度以上となるように、
上記導電体ターゲットと上記基板とを対向させて配置す
ることが好ましい。
【0022】この場合、導電体ターゲットをスパッタす
ることにより導電体ターゲットから叩き出されて基板に
入射するスパッタ粒子は、基板に対してほぼ垂直に入射
する成分が大多数となり、基板に対して斜めに入射する
成分は非常に少なくなる。そのため、レジストパターン
のアンダーカット部分にスパッタ粒子が入射するような
ことは殆ど無くなり、その結果、磁気抵抗効果素子の上
面にまで導電体膜が堆積してしまうようなことは殆ど無
くなる。
【0023】また、上記磁性膜や上記導電体膜をスパッ
タリングにより成膜する際のスパッタガス圧は、0.5
mTorr以下とすることが好ましい。スパッタリング時の
スパッタガス圧を0.5mTorr以下とすれば、スパッタ
粒子の直進性が非常に高まり、レジストパターンのアン
ダーカット部分へのスパッタ粒子の入射が更に少なくな
り、磁気抵抗効果素子上面への磁性膜や導電体膜の堆積
を更に低減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造プロセスの具体的
な一例を挙げ、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】磁気抵抗効果型磁気ヘッドを作製する際
は、先ず、図1に示すように、表面が鏡面加工され十分
に平坦化された基板1の上に、磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドの下層磁気シールドとなる軟磁性膜2を、スパッタリ
ング等により成膜する。ここで、基板1の材料として
は、加工特性等の観点から、例えばAl23−TiCが
好適であり、また、軟磁性膜2の材料としては、軟磁気
特性等の観点から、例えばセンダストが好適である。
【0026】次に、図2に示すように、軟磁性膜2を所
定の形状にエッチングする。具体的には、先ず、感光性
を有する樹脂からなるレジストを軟磁性膜2の上に塗布
してレジスト層を形成し、その後、当該レジスト層に対
してプリベーク処理を施す。次に、所望するパターンに
対応するようにレジスト層を露光し、その後、露光した
箇所のレジスト層を現像液にて溶解して除去し、その
後、ポストベーク処理を施す。これにより、露光した箇
所のレジスト層が除去され、所定の形状にパターニング
されたレジストパターンが得られる。次に、所定の形状
にパターニングされたレジストパターンをマスクとして
軟磁性膜2をエッチングする。その後、レジストパター
ンを除去することにより、図2に示すように、所定の形
状とされた軟磁性膜2が得られる。なお、軟磁性膜2の
形状は、後工程で形成される磁気抵抗効果素子の下層を
磁気的にシールドするのに十分な大きさとなるようにし
ておく。
【0027】次に、図3に示すように、所定の形状とさ
れた軟磁性膜2を覆うように、非磁性絶縁膜3をスパッ
タリング等により成膜する。ここで、非磁性絶縁膜3の
材料としては、絶縁特性や耐磨耗性等の観点から、例え
ばAl23やSiO2が好適である。
【0028】次に、図4に示すように、非磁性絶縁膜3
の表面を、軟磁性膜2の表面が露呈するまで研磨する。
【0029】次に、図5に示すように、磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの下層磁気ギャップとなる非磁性絶縁膜4
を、スパッタリング等により成膜する。ここで、非磁性
絶縁膜4の材料としては、絶縁特性や耐磨耗性等の観点
から、例えばAl23やSiO2が好適である。
【0030】次に、図6に示すように、非磁性絶縁膜4
の上に、磁気抵抗効果素子となる磁気抵抗効果膜5を成
膜する。なお、本発明において、磁気抵抗効果素子の種
類は特に限定されるものではなく、例えば、異方性磁気
抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を用いても良い
し、或いは、スピンバルブを利用した巨大磁気抵抗効果
素子を用いても良い。異方性磁気抵抗効果を利用した磁
気抵抗効果素子を用いる場合、磁気抵抗効果膜5は、例
えば、Ta/NiFeNb/Ta/NiFe/Taを、
この順にスパッタリング等により順次成膜して形成す
る。また、スピンバルブを利用した巨大磁気抵抗効果素
子を用いる場合、磁気抵抗効果膜5は、例えば、Ta/
NiFe/CoFe/Cu/CoFe/InMn/Ta
を、この順にスパッタリング等により順次成膜して形成
する。
【0031】次に、図7に示すように、磁気抵抗効果膜
5の上に、レジスト層6を形成する。ここで、レジスト
層6を形成する際は、先ず、非感光性で現像液に可溶な
樹脂からなる第1のレジスト6aを薄く塗布し、その
後、加熱処理を施し、当該第1のレジスト6aを硬化さ
せる。次に、感光性を有する樹脂からなる第2のレジス
ト6bを、第1のレジスト6aの上に厚く塗布し、その
後、当該第2のレジスト6bに対してプリベーク処理を
施す。なお、第1のレジスト6aには、現像液によって
溶解させたときの溶解速度が速いものを用い、第2のレ
ジスト6bには、現像液によって溶解させたときの溶解
速度が遅いものを用いる。
【0032】次に、図8に示すように、フォトリソグラ
フィ技術を用いて、レジスト層6を所定の形状にパター
ニングし、レジストパターン6cを形成する。ここで、
レジスト層6を所定の形状にパターニングしてレジスト
パターン6cを形成する際は、先ず、所望するパターン
に対応するようにレジスト層6を露光する。次に、露光
した箇所のレジスト層6を現像液にて溶解して除去し、
その後、ポストベーク処理を施す。これにより、露光し
た箇所のレジスト層6が除去され、図8に示すように、
所定の形状とされたレジストパターン6cが得られる。
【0033】ここで、レジストパターン6cは、現像液
によって溶解させたときの溶解速度が速い第1のレジス
ト6aと、現像液によって溶解させたときの溶解速度が
遅い第2のレジスト6bとを積層して形成している。し
たがって、レジストパターン6cは、上層部である第2
のレジスト6bよりも、下層部である第1のレジスト6
aの部分のほうが、現像液によってより多くエッチング
され、図8に示すように、下層部が内方に食い込んだア
ンダーカット形状となる。また、レジストパターン6c
のうち、上層部である第2のレジスト6bは、図8に示
すように、その断面形状が台形状となるようにパターニ
ングする。
【0034】次に、図9に示すように、所定の形状にパ
ターニングされたレジストパターン6cをマスクとし
て、磁気抵抗効果膜5をエッチングする。このとき、レ
ジストパターン6cのうち、上層部である第2のレジス
ト6bの断面形状が台形状とされているので、当該レジ
ストパターン6cをマスクとしてエッチングされた磁気
抵抗効果膜5の側面部分は、図9に示すように、テーパ
ー形状となる。
【0035】次に、図10に示すように、レジストパタ
ーン6cを残したまま、保磁力の高い硬質磁性材料から
なる磁性膜7と、電気抵抗の低い導電材料からなる導電
体膜8とをスパッタリングによりこの順に成膜する。な
お、磁性膜7及び導電体膜8の成膜条件については、後
で詳細に説明する。
【0036】ここで、磁性膜7は、磁気抵抗効果素子の
動作の安定化を図るために、磁気抵抗効果素子にバイア
ス磁界を印加するためのものであり、例えば、Cr/C
oCrPtをこの順にスパッタリングにより順次成膜し
て形成する。なお、磁性膜7の膜厚は、磁気抵抗効果膜
5の膜厚と同程度とすることが好ましく、具体的には2
0〜50nm程度とする。一方、導電体膜8は、磁気抵
抗効果素子にセンス電流を供給するための電極となるも
のであり、例えば、TiW/Taをこの順にスパッタリ
ングにより順次成膜して形成する。なお、導電体膜8の
膜厚は、40〜100nm程度とする。
【0037】ここで、磁気抵抗効果膜5の側面部分はテ
ーパ形状となっているので、磁気抵抗効果膜5の側面が
垂直に切り立っているような場合に比べて、磁気抵抗効
果膜5と磁性膜7との接触部面積が大きくなっている。
このように、磁気抵抗効果膜5の側面部分をテーパ形状
とし、磁気抵抗効果膜5と磁性膜7との接触部面積を大
きくすることにより、磁気抵抗効果膜5と磁性膜7との
磁気的結合状態が良好なものとなる。その結果、磁性膜
7による磁気抵抗効果素子の動作の安定化の効果がより
高く得られ、磁気抵抗効果素子の動作をより安定なもの
とすることができる。
【0038】次に、図11及び図12に示すように、レ
ジストパターン6cを、当該レジストパターン6cの上
に成膜された磁性膜7及び導電体膜8と共に除去する。
なお、図12は、レジストパターン6cを除去した状態
を上方から見た平面図である。
【0039】このとき、レジストパターン6cは、下層
部が内方に食い込んだアンダーカット形状となっている
ので、磁気抵抗効果膜5のエッチング時にレジストパタ
ーン6cの側面に被エッチング物が堆積していたとして
も、レジストパターン6cの剥離時に、レジストパター
ン6cの側面に堆積した被エッチング物が磁気抵抗効果
膜5の上に残存するようなことは無く、レジストパター
ン6cの側面に堆積した不要な堆積物は、磁気抵抗効果
膜5から分離され確実に取り除かれる。同様に、磁性膜
7や導電体膜8の成膜時に、レジストパターン6cの側
面に磁性膜7や導電体膜8が堆積していたとしても、レ
ジストパターン6cがアンダーカット形状となっている
ので、レジストパターン6cの剥離時に、レジストパタ
ーン6cの側面に堆積した磁性膜7や導電体膜8が磁気
抵抗効果膜5の上に残存するようなことは無く、レジス
トパターン6cの側面に堆積した不要な磁性膜7及び導
電体膜8は、磁気抵抗効果膜5から分離され確実に取り
除かれる。
【0040】ところで、図8に示したようにレジストパ
ターン6cを形成するにあたって、当該レジストパター
ン6cの下層部の内方に食い込んでいる部分の大きさt
1(以下、アンダーカット量t1と称する。)は、第1の
レジスト6aに対する加熱処理条件や、レジスト層6の
現像時間などを調整することにより、制御可能である。
【0041】そして、レジストパターン6cを形成する
にあたっては、第1のレジスト6aに対する加熱処理条
件や、レジスト層6の現像時間などを調整することによ
り、アンダーカット量t1が300nm程度以上となる
ように形成することが好ましい。アンダーカット量t1
が、300nmよりも小さいと、レジストパターン6c
の下層部の内方への食い込み量が少なすぎ、レジストパ
ターン6cの側面に堆積した不要な堆積物が、レジスト
パターン6cを剥離したときに磁気抵抗効果膜5の上に
残存してしまう場合がある。一方、アンダーカット量t
1の上限は、図11に示すように磁性膜7及び導電体膜
8に挟まれた部分の磁気抵抗効果膜5の間隔をt2とし
たとき、t2/2である。したがって、アンダーカット
量t1は、300nm≦t1<t2/2の範囲内とするこ
とが好ましい。
【0042】ここで、磁性膜7及び導電体膜8に挟まれ
た部分の磁気抵抗効果膜5の間隔t2は、作製される磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの再生トラック幅に相当し、具
体的には、この間隔t2は、近年の高記録密度化に対応
するために、2.0μm程度以下とすることが望まれて
おり、この場合、アンダーカット量t1は、2.0μm
/2以下とする必要がある。したがって、アンダーカッ
ト量t1は、300nm≦t1<1000nmの範囲内と
することが好ましい。
【0043】次に、図13及び図14に示すように、磁
気抵抗効果膜5及び導電体膜8の上に、所定の形状のレ
ジストパターン9を形成する。なお、図14は、図13
のX1−X2における断面図である。
【0044】レジストパターン9を形成する際は、先
ず、感光性を有する樹脂からなるレジストを塗布してレ
ジスト層を形成し、その後、当該レジスト層に対してプ
リベーク処理を施す。次に、所望するパターンに対応す
るようにレジスト層を露光し、その後、露光した箇所の
レジスト層を現像液にて溶解して除去し、その後、ポス
トベーク処理を施す。これにより、露光した箇所のレジ
スト層が除去され、図13及び図14に示すように、所
定の形状とされたレジストパターン9が得られる。
【0045】次に、所定の形状にパターニングされたレ
ジストパターン9をマスクとして、磁気抵抗効果膜5を
エッチングし、その後、レジストパターン9を除去す
る。なお、ここでは、磁気抵抗効果膜5をエッチングす
るだけでなく、磁性膜7や導電体膜8の一部、すなわ
ち、レジストパターン9によって覆われていない部分の
磁性膜7や導電体膜8もエッチングする。これにより、
図15及び図16に示すように、磁気抵抗効果膜5が所
定の形状にエッチングされてなる磁気抵抗効果素子5a
が、非磁性絶縁膜4の上に形成される。なお、図16
は、磁気抵抗効果膜5をエッチングした後、レジストパ
ターン9を除去した状態を上方から見た平面図である。
【0046】次に、図17及び図18に示すように、磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの上層磁気ギャップとなる非磁
性絶縁膜10を、スパッタリング等により成膜する。こ
こで、非磁性絶縁膜10の材料としては、絶縁特性や耐
磨耗性等の観点から、例えばAl23やSiO2が好適
である。なお、図17は、非磁性絶縁膜10が成膜され
た状態を上方から見た平面図であり、一部を透過させて
図示している。また、図18は、図17のX3−X4にお
ける断面図である。
【0047】次に、図19に示すように、磁気抵抗効果
型磁気ヘッドの上層磁気シールドとなる軟磁性膜11
を、スパッタリング等により成膜する。ここで、軟磁性
膜11の材料としては、軟磁気特性等の観点から、例え
ばNi−Fe系合金が好適である。
【0048】次に、図20に示すように、非磁性絶縁材
料からなる保護膜12をスパッタリング等により成膜す
る。ここで、保護膜12の材料としては、絶縁特性や耐
磨耗性等の観点から、例えばAl23やSiO2が好適
である。
【0049】以上の工程で、磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造に係る薄膜プロセスが完了する。その後、図21
に示すように、磁気抵抗効果素子5aが形成された側の
側面を、磁気抵抗効果素子5aの端部が露呈するまで研
磨したり、また、基板1から磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を切り出して所定の形状とするなどの機械加工を施すこ
とにより、磁気抵抗効果型磁気ヘッドが完成する。な
お、図21は、磁気抵抗効果素子5aが形成された側の
側面を、磁気抵抗効果素子5aの端部が露呈するまで研
磨した状態を上方から見た平面図であり、一部を透過さ
せて図示している。
【0050】なお、以上の説明では、1つの磁気抵抗効
果型磁気ヘッドにだけ着目して説明してきたが、実際に
は、1つの基板上に磁気抵抗効果素子等を多数作製し、
1つの基板から多数の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを得る
ようにする。
【0051】以上のように作製された磁気抵抗効果型磁
気ヘッドでは、図21に示すように磁気抵抗効果素子5
aの端部が露呈した側の面が、記録媒体対向面Sとな
る。すなわち、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドを用いて
記録媒体から情報信号を再生する際は、磁気抵抗効果素
子5aの端部が露呈した側の面に対向するように記録媒
体を走行させ、当該記録媒体からの信号磁界を、記録媒
体対向面Sに端部が露呈した磁気抵抗効果素子5aによ
って検出する。ここで、磁気抵抗効果素子5aによる信
号磁界の検出は、導電体膜8を介して磁気抵抗効果素子
5aにセンス電流を供給し、当該センス電流の電圧変化
を検出することにより行う。
【0052】なお、この磁気抵抗効果型磁気ヘッドで
は、図21に示すように、磁性膜7及び導電体膜8に挟
まれた部分の磁気抵抗効果素子5aの間隔t3が再生ト
ラック幅となる。換言すれば、図8乃至図9に示した工
程で、レジストパターン6cをマスクとして磁気抵抗効
果膜5をエッチングすることにより、この磁気抵抗効果
型磁気ヘッドの再生トラック幅が規定される。
【0053】そして、以上のように磁気抵抗効果型磁気
ヘッドを作製した場合には、図8乃至図10に示したよ
うに、レジストパターン6cを下層部が内方に食い込ん
だアンダーカット形状としているので、レジストパター
ン6cの側面に堆積した不要な堆積物が磁気抵抗効果素
子5aの上に残存するようなことはない。したがって、
磁気抵抗効果素子5cの上に不要な堆積物が残存するよ
うなことはなく、磁気抵抗効果素子5aの上面は一様な
平面となっている。その結果、磁気抵抗効果素子5aの
上に形成される非磁性絶縁膜10は、磁気抵抗効果素子
5aの全面にわたって均一に形成され、その絶縁特性
は、非常に良好なものとなる。
【0054】したがって、この磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドでは、下層磁気シールドとなる軟磁性膜2と、上層磁
気シールドとなる軟磁性膜11との間隔を狭くしても、
それらと磁気抵抗効果素子5aとの間の絶縁性を十分に
確保することができる。すなわち、この磁気抵抗効果型
磁気ヘッドでは、磁気抵抗効果素子5aと磁気シールド
との間の絶縁性を確保しつつ、上層磁気シールドと下層
磁気シールドとの間隔をより狭くすることができ、更な
る高記録密度化に対応することができる。
【0055】なお、上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドにお
いては、導電体膜8をそのまま外部接続用端子とするの
ではなく、導電体膜8の磁気抵抗効果素子5aと接続さ
れていない側に、より電気抵抗の低い第2の導電体膜を
接続し、当該第2の導電体膜の端部を外部接続用端子と
しても良い。ここで、第2の導電体膜は、Cu等のよう
に電気抵抗の低い材料を、メッキ等により出来るだけ厚
く形成すると良い。このように、電気抵抗の低い第2の
導電体膜を介して磁気抵抗効果素子5aにセンス電流を
供給するようにすることで、外部接続用端子から磁気抵
抗効果素子5aに至るセンス電流の経路の抵抗値をより
低くすることができ、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生
特性をより向上することができる。
【0056】また、上述の説明では、再生専用磁気ヘッ
ドである磁気抵抗効果型磁気ヘッドの製造プロセスにつ
いてだけ説明したが、記録再生用磁気ヘッドを所望する
場合には、上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドの上に、記録
用磁気ヘッドとしてインダクティブ型磁気ヘッドを積層
形成するようにしてもよい。
【0057】上記磁気抵抗効果型磁気ヘッドの上にイン
ダクティブ型磁気ヘッドを積層形成する場合は、保護膜
12の上にインダクティブ型磁気ヘッドを薄膜プロセス
により新たに形成するようにしても良いし、或いは、磁
気抵抗効果型磁気ヘッドの上層磁気シールドとなってい
る軟磁性膜11を、インダクティブ型磁気ヘッドの下層
磁気コアとして用いて、この軟磁性膜11の上に、イン
ダクティブ型磁気ヘッドを構成する磁気ギャップ膜、薄
膜コイル及び上層磁気コア等を形成するようにしても良
い。
【0058】なお、本発明を適用して製造される磁気抵
抗効果型磁気ヘッドは、ハードディスクドライブ用に限
定されるものではなく、磁気記録の分野において広く使
用可能であり、例えば、記録媒体としてフレキシブルデ
ィスクを用いる磁気記録再生装置や、記録媒体として磁
気テープを用いる磁気記録再生装置等にも使用可能であ
る。
【0059】つぎに、上述のように磁気抵抗効果型磁気
ヘッドを作製する際の磁性膜7及び導電体膜8の成膜条
件について詳細に説明する。
【0060】磁性膜7及び導電体膜8は、スパッタリン
グにより成膜する。そして、このとき、図22に示すよ
うに、磁性膜7や導電体膜8の材料となる円盤状のター
ゲット21と、磁性膜7の成膜の前までの薄膜プロセス
が完了した円盤状の基板22とを対向させて配置して、
ターゲット21をスパッタする。このとき、ターゲット
21をスパッタすることによりターゲット21から叩き
出されたスパッタ粒子は、対向配置された基板22に入
射し、このスパッタ粒子が基板22の上に堆積すること
により基板22の上に磁性膜7や導電体膜8が成膜され
る。なお、磁性膜7や導電体膜8を、複数の薄膜を積層
して形成する際は、成膜する薄膜に応じてターゲット2
1を交換する。
【0061】そして、本発明では、このように磁性膜7
や導電体膜8をスパッタリングにより成膜するにあたっ
て、ターゲット21と基板22との間隔t4を十分に離
して、ターゲット21のスパッタ領域と基板22の磁気
抵抗効果素子形成領域とを結ぶ仮想線と、基板表面とが
成す角度の最小値が60度以上となるようにする。
【0062】なお、図22の例では、円盤状のターゲッ
ト21の全面をスパッタするものとしている。すなわ
ち、ターゲット21のスパッタ領域は、当該ターゲット
表面全体である。このようにスパッタ領域をターゲット
表面全体とした場合には、ターゲット21を無駄なく有
効に活用することができる。また、図22の例では、円
盤状の基板22のほぼ全面を活用して磁気抵抗効果型磁
気ヘッドを作製するものとしている。すなわち、磁気抵
抗効果素子形成領域は、ほぼ基板表面全体である。この
ように基板22のほぼ全面を活用して磁気抵抗効果型磁
気ヘッドを作製した場合には、1つの基板22からより
多くの磁気抵抗効果型磁気ヘッドを作製することがで
き、低コスト化を図ることができる。
【0063】このように、ターゲット21のスパッタ領
域を当該ターゲット表面全体とし、且つ、磁気抵抗効果
素子形成領域をほぼ基板表面全体とした場合には、図2
2に示すように、ターゲット21の一方の端部から基板
22の他方の端部に至る仮想線L1が、ターゲット21
のスパッタ領域と磁気抵抗効果素子形成領域とを結ぶ仮
想線のうち、基板表面と成す角度が最小の仮想線とな
る。そこで、この仮想線L1と基板表面とが成す角度θ
が、60度以上となるようにする。
【0064】具体的には、例えば、ターゲット21の直
径t5が150mmであり、基板22の直径t6が100
mmの場合には、基板22の中心とターゲット21の中
心とが一致するように、ターゲット21と基板22とを
対向配置し、それらの間隔t4を217mm以上とす
る。このようにすれば、仮想線L1と基板表面とが成す
角度θが、60度以上となる。
【0065】このように、仮想線L1と基板表面とが成
す角度θが十分に大きくなっていれば、ターゲット21
をスパッタすることによりターゲット21から叩き出さ
れて基板22に入射するスパッタ粒子は、基板22に対
してほぼ垂直に入射する成分が大多数となり、基板22
に対して斜めに入射する成分は非常に少なくなる。その
結果、レジストパターン6cのアンダーカット部分にス
パッタ粒子が入射するようなことは殆ど無くなり、図1
0に示したように、磁気抵抗効果膜5の上面にまで磁性
膜7や導電体膜8が堆積するようなこと無く、磁性膜7
や導電体膜8が形成される。
【0066】なお、仮想線L1と基板表面とが成す角度
θを多少なりとも大きくすれば、スパッタ粒子の直進性
が上がり、レジストパターン6cのアンダーカット部分
へのスパッタ粒子の入射は抑制されるが、磁気抵抗効果
型磁気ヘッドとして要求される特性を満たすようにする
ためには、この角度θを十分に大きくする必要がある。
そこで、本発明者は、この角度θを変化させて、複数の
磁気抵抗効果型磁気ヘッドを作製し、それらの特性を評
価した。その結果、この角度θが60度以上となってい
れば、十分に良好な特性の磁気抵抗効果型磁気ヘッドを
作製できることが確認された。そこで、本発明において
は、この角度θを60度以上とするように規定してい
る。なお、この角度θは、当然の事ながら、90度未満
である。したがって、この角度θは、スパッタリング装
置の構造的制約や成膜効率等を考慮して、60°≦θ<
90°の範囲で適宜設定するようにすればよい。
【0067】なお、以上のように磁性膜7や導電体膜8
をスパッタリングにより成膜する際、スパッタガス圧
は、スパッタ粒子の直進性を上げるという観点からは、
出来るだけ低い方が好ましい。そこで、スパッタガスと
してArを使用し、そのガス圧を0.5mTorr以下とし
て、磁性膜7や導電体膜8の成膜を行ったところ、レジ
ストパターン6cのアンダーカット部分へのスパッタ粒
子の入射が更に減少することが確認された。したがっ
て、磁性膜7や導電体膜8をスパッタリングにより成膜
する際のスパッタガス圧は、0.5mTorr以下とするこ
とが好ましい。
【0068】ただし、スパッタガス圧があまり低すぎる
と、成膜効率が悪くなり生産性が低下するし、また、ス
パッタガスをプラズマ化してスパッタリングするため
に、スパッタガス圧は少なくとも0.1mTorr程度は必
要である。したがって、スパッタガス圧は、成膜効率等
を考慮して、0.1mTorr〜0.5mTorrの範囲で適宜設
定するようにすると良い。
【0069】最後に、スパッタ条件とスパッタ粒子の直
進性との関係を、実験を行い調べた結果について説明す
る。
【0070】本実験では、基板−ターゲット間の距離
と、スパッタガス圧とを変化させて、図23に示すよう
に、凹部30aを有する基板30の上に、スパッタリン
グによりCr膜31の成膜を行った。
【0071】具体的には、まず、基板30とCrターゲ
ットとの間の距離を400mm、スパッタガス圧を0.
5mTorrとしてCr膜31を成膜した。このとき、Cr
ターゲットのスパッタ領域と基板30の凹部30aとを
結ぶ仮想線と、基板表面とが成す角度の最小値は、70
度程度であった。つぎに、基板30とCrターゲットと
の間の距離を40mm、スパッタガス圧を5mTorrとし
てCr膜31を成膜した。このとき、Crターゲットの
スパッタ領域と基板30の凹部30aとを結ぶ仮想線
と、基板表面とが成す角度の最小値は、20度程度であ
った。
【0072】そして、それぞれの場合について、成膜さ
れたCr膜31のボトム・カバレージを測定した。ここ
で、ボトム・カバレージとは、基板30の凹部30aの
底面に成膜されたCr膜31aの膜厚t7と、基板30
のその他の部分に成膜されたCr膜31bの膜厚t8
の比t7/t8のことである。そして、このようなボトム
・カバレージの測定を、基板30に形成された凹部30
aのアスペクト比を様々に変えて行った。ここで、基板
30に形成された凹部30aのアスペクト比とは、当該
凹部30aの深さt9と幅t10の比t9/t10のことであ
る。
【0073】以上のような実験の結果を図24に示す。
図24から分かるように、基板30とCrターゲットと
の間の距離を40mm、スパッタガス圧を5mTorrとし
てCr膜31を成膜した場合には、ボトム・カバレージ
が低いが、基板30とCrターゲットとの間の距離を4
00mm、スパッタガス圧を0.5mTorrとして場合に
は、ボトム・カバレージが100%に近い値となってい
る。このことから、基板−ターゲット間の距離を離すこ
とにより、また、スパッタガス圧を低くすることによ
り、スパッタ粒子の直進性が上がることが分かる。
【0074】以上の実験の結果からも、基板とターゲッ
トとの間の距離を十分に離して上記角度θを大きくした
り、或いは、スパッタガス圧を低くしたりすることによ
り、スパッタ粒子の直進性が上がることが分かる。そし
て、スパッタ粒子の直進性が上がれば、上述のように磁
性膜7や導電体膜8を成膜する際に、レジストパターン
6cのアンダーカット部分にスパッタ粒子が入射するよ
うなことは殆ど無くなる。その結果、磁気抵抗効果膜5
の上面にまで磁性膜7や導電体膜8が堆積してしまうよ
うなことは殆ど無くなり、非常に特性に優れた磁気抵抗
効果型磁気ヘッドを作製することが可能となる。
【0075】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、磁気抵抗効果素子と磁性膜や導電体膜との境界部
分を最適な形状に精度良く形成することが可能となる。
したがって、本発明によれば、非常に特性の優れた磁気
抵抗効果型磁気ヘッドを製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、下層磁気シールドとなる
軟磁性膜を基板上に形成した状態を示す断面図である。
【図2】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、下層磁気シールドとなる
軟磁性膜を所定の形状にエッチングした状態を示す断面
図である。
【図3】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、下層磁気シールドとなる
軟磁性膜上に非磁性絶縁膜を形成した状態を示す断面図
である。
【図4】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、非磁性絶縁膜を軟磁性膜
の表面が露呈するまで研磨した状態を示す断面図であ
る。
【図5】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、下層磁気ギャップとなる
非磁性絶縁膜を形成した状態を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、磁気抵抗効果素子となる
磁気抵抗効果膜を形成した状態を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、磁気抵抗効果膜上にレジ
スト層を形成した状態を示す断面図である。
【図8】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、磁気抵抗効果膜上に形成
したレジスト層を所定の形状にパターニングした状態を
示す断面図である。
【図9】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの
製造工程を順次示す図であり、レジストパターンをマス
クとして磁気抵抗効果膜をエッチングした状態を示す断
面図である。
【図10】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、レジストパターンを残
したまま、磁性膜と導電体膜とを形成した状態を示す断
面図である。
【図11】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、レジストパターンを、
当該レジストパターン上に堆積した磁性膜及び導電体膜
と共に除去した状態を示す断面図である。
【図12】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、レジストパターンを、
当該レジストパターン上に堆積した磁性膜及び導電体膜
と共に除去した状態を示す平面図である。
【図13】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、磁気抵抗効果膜及び導
電体膜の上に、所定の形状のレジストパターンを形成し
た状態を示す平面図である。
【図14】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、磁気抵抗効果膜及び導
電体膜の上に、所定の形状のレジストパターンを形成し
た状態を示す断面図である。
【図15】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、レジストパターンをマ
スクとして磁気抵抗効果膜をエッチングして磁気抵抗効
果素子を形成した状態を示す断面図である。
【図16】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、レジストパターンをマ
スクとして磁気抵抗効果膜をエッチングして磁気抵抗効
果素子を形成した状態を示す平面図である。
【図17】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、上層磁気ギャップとな
る非磁性絶縁膜を形成した状態を示す平面図である。
【図18】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、上層磁気ギャップとな
る非磁性絶縁膜を形成した状態を示す断面図である。
【図19】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、上層磁気シールドとな
る軟磁性膜を形成した状態を示す断面図である。
【図20】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、保護膜を形成した状態
を示す断面図である。
【図21】本発明を適用した磁気抵抗効果型磁気ヘッド
の製造工程を順次示す図であり、磁気抵抗効果素子が形
成された側の側面を研磨した状態を示す平面図である。
【図22】ターゲットと基板とを対向配置した状態を示
す図である。
【図23】スパッタ条件とスパッタ粒子の直進性との関
係を調べた実験を説明するための図であり、凹部が形成
された基板上にスパッタリングによりCr膜を成膜した
状態を示す断面図である。
【図24】スパッタ条件とスパッタ粒子の直進性との関
係を調べた実験の結果を示す図である。
【図25】磁気抵抗効果型磁気ヘッドの一例について、
その要部を示す平面図である。
【図26】図25に示した磁気抵抗効果型磁気ヘッドを
記録媒体対向面側から見た正面図である。
【図27】アンダーカット形状のレジストパターンをマ
スクとして、磁気抵抗効果素子をパターニングした後、
磁性膜及び導電体膜を成膜した状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基板、 2 軟磁性膜(下層磁気シールド)、 3
非磁性絶縁膜、 4非磁性絶縁膜(下層磁気ギャッ
プ)、 5 磁気抵抗効果膜、 5a 磁気抵抗効果素
子、 6 レジスト層、 6a 第1のレジスト、 6
b 第2のレジスト、 6c レジストパターン、 7
磁性膜、 8 導電体膜、 9 レジストパターン、
10 非磁性絶縁膜(上層磁気ギャップ)、 11
軟磁性膜(上層磁気シールド)、 12 保護膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果素子となる磁気抵抗効果膜
    を基板上に成膜する工程と、 下層部が内方に食い込んだアンダーカット形状のレジス
    トパターンを上記磁気抵抗効果膜上に形成する工程と、 上記レジストパターンをマスクとして上記磁気抵抗効果
    膜をエッチングし、所定の形状の磁気抵抗効果素子を形
    成する工程と、 上記レジストパターンを残した状態で、磁性体ターゲッ
    トを用いて、上記磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印
    加するための磁性膜をスパッタリングにより成膜する工
    程と、 上記レジストパターンを残した状態で、導電体ターゲッ
    トを用いて、上記磁気抵抗効果素子にセンス電流を供給
    する電極となる導電体膜をスパッタリングにより成膜す
    る工程と、 上記レジストパターンを、当該レジストパターン上に堆
    積した磁性膜及び導電体膜と共に除去する工程とを有
    し、 上記磁性膜をスパッタリングにより成膜する際に、磁性
    体ターゲットのスパッタ領域と基板の磁気抵抗効果素子
    形成領域とを結ぶ仮想線と、基板表面とが成す角度の最
    小値が60度以上となるように、上記磁性体ターゲット
    と上記基板とを対向させて配置することを特徴とする磁
    気抵抗効果型磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記導電体膜をスパッタリングにより成
    膜する際に、導電体ターゲットのスパッタ領域と基板の
    磁気抵抗効果素子形成領域とを結ぶ仮想線と、基板表面
    とが成す角度の最小値が60度以上となるように、上記
    導電体ターゲットと上記基板とを対向させて配置するこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記磁性膜をスパッタリングにより成膜
    する際のスパッタガス圧を0.5mTorr以下とすること
    を特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記導電体膜をスパッタリングにより成
    膜する際のスパッタガス圧を0.5mTorr以下とするこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘッ
    ドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7467459B2 (en) * 2005-04-18 2008-12-23 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Method for manufacturing a current in plane magnetoresistive sensor having a contiguous hard bias layer located at back edge of stripe height

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US7467459B2 (en) * 2005-04-18 2008-12-23 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Method for manufacturing a current in plane magnetoresistive sensor having a contiguous hard bias layer located at back edge of stripe height

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