JPH11327606A - 総合制御方式 - Google Patents

総合制御方式

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JPH11327606A
JPH11327606A JP10132213A JP13221398A JPH11327606A JP H11327606 A JPH11327606 A JP H11327606A JP 10132213 A JP10132213 A JP 10132213A JP 13221398 A JP13221398 A JP 13221398A JP H11327606 A JPH11327606 A JP H11327606A
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control
control module
evolution
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target
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Withdrawn
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JP10132213A
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Inventor
Kazusuke Kamihira
一介 上平
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
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    • G05B13/02Adaptive control systems, i.e. systems automatically adjusting themselves to have a performance which is optimum according to some preassigned criterion electric
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • F02D11/10Arrangements for, or adaptations to, non-automatic engine control initiation means, e.g. operator initiated characterised by non-mechanical control linkages, e.g. fluid control linkages or by control linkages with power drive or assistance of the electric type
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御対象が相互に関連する複数の制御対象を
持つ場合でも、簡単に各制御対象の制御パラメータを最
適な値に設定することができ、かつ、かつ、制御対象と
なる製品が、使用者毎に使用者の特性に合った特性を持
つことのできる総合制御方式を提供すること。 【解決手段】 本発明の総合制御方式は、相互に関連す
る複数の制御対象を制御することによって最終制御対象
の特性を制御する総合制御方式において、各制御対象毎
に、それを制御する制御モジュールを構成し、各制御モ
ジュール毎に、その入力と出力とに関連する制御パラメ
ータを、少なくとも、予め決めた最終制御対象の目標と
なる特性、制御対象の使用者の特性、制御対象の使用状
況、及び/又は制御対象の使用環境の何れかに沿って、
遺伝的アルゴリズムにより進化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相互に関連する複
数の制御対象を制御することによって最終制御対象の特
性を制御する総合制御方式の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】制御対象を総合的に制御する場合、通
常、制御対象の動作状態や使用環境等に関する多数の情
報を入力情報とし、これらの入力情報に基づいて制御対
象を操作する操作量を決定する。このような制御方法で
は、制御対象の特性に線形性がある場合には、入力情報
と出力情報(操作量)との関係を簡単な関数で表すこと
ができるが、制御対象の特性がエンジン等のように非線
形性の場合には、入力情報と出力情報との関係を関数で
表すことができないため、入力情報に対する出力情報の
値を決定するために用いられる制御パラメータ情報は実
験等で決定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年では、制
御内容の多様化や高度化に伴って、相互に関連する複数
の制御対象を制御することによって最終制御対象の特性
を制御することが多くなっており、この場合、最終制御
対象に関連する各制御対象の制御パラメータは、最終制
御対象で目標となる特性が得られるように、他の制御対
象の制御パラメータとの関係を最適に保ちながら決めな
ければならないため、これらの制御パラメータを、上記
したように実験等で決定するには多大な時間と労力がか
かるという問題点があった。また、上記した従来の制御
方法では、設計又は出荷前のセッティング段階で、制御
対象となる製品の使用者を想定し、その想定した使用者
の特性(好み、技量、性格、使用状態)に合わせて設計
又は出荷前のセッティングを行なうが、人間の個性や好
みは千差万別であるため、このような従来の方法では、
全ての使用者が満足する特性の製品を提供することは不
可能であるという問題がある。これを解決する方法とし
て、使用者が製品を購入した後に、その製品を自分の特
性に合わせてセッティングし直すという方法が考えられ
るが、上記したように制御対象が複数あり、しかも、そ
れらが相互に関連している場合には、全ての制御対象の
制御パラメータの関係を最適に保ちながら、セッティン
グをし直さなければならないため、相当な知識のある専
門家であっても容易なことではない。本発明は、上記し
た従来の問題点を解決し、制御対象が相互に関連する複
数の制御対象を持つ場合でも、簡単に各制御対象の制御
パラメータを最適な値に設定することができ、かつ、か
つ、制御対象となる製品が、使用者毎に使用者の特性に
合った特性を持つことのできる総合制御方式を提供する
ことを目的している。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る総合制御方式は、相互に関連する
複数の制御対象を制御することによって最終制御対象の
特性を制御する総合制御方式において、各制御対象毎
に、それを制御する制御モジュールを構成し、各制御モ
ジュール毎に、その入力と出力とに関連する制御パラメ
ータを、少なくとも、予め決めた最終制御対象の目標と
なる特性、制御対象の使用者の特性、制御対象の使用状
況、及び/又は制御対象の使用環境の何れかに沿って遺
伝的アルゴリズムにより進化させることを特徴とするも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る総合制御方式
の実施の形態を添付図面に示した幾つかの実施例を参照
しながら説明していく。図1は、本発明に係る総合制御
方式の基本概念を示すブロック図である。図面に示すよ
うに、この総合制御方式は、反射層、学習層及び進化適
応層の三つの層から成る。反射層は、制御対象の使用状
況や使用環境等に関する外界情報を入力し、これらの入
力に基づいて、最終制御対象に関連する複数の制御対象
を制御する各手段への操作量を決定する複数の制御モジ
ュール1〜nを有する。各制御モジュール1〜nは、外
界情報と各手段の操作量との関係を数式、マップ、ファ
ジィルール、ニューラルネットワーク、ファジィニュー
ラルネットワーク、サブサンプションアーキテクチャ等
の形式の制御系で構成されている。進化適応層は、反射
層の各制御モジュール1〜nの入力と出力とに関連する
制御パラメータ1〜kを進化させるための制御モジュー
ル1〜kを備え、この進化適応層の各制御モジュール1
〜kは、各々制御モジュール評価部1〜kにより、少な
くとも、予め決めた最終制御対象の目標となる特性、制
御対象の使用者の特性、制御対象の使用状況、及び/又
は制御対象の使用環境の何れかに沿って淘汰しながら遺
伝的アルゴリズムにより進化される。学習層は、進化適
応層の各制御モジュール1〜kの進化結果を学習できる
ように、進化適応層の各制御モジュール1〜k毎に対応
する制御モジュール1〜kを備えている。また、学習層
は、過去の進化適応層の進化結果(特性1〜m)を記憶
できるように構成され、必要に応じて、使用者が過去の
進化結果1〜mを選択して使用できるようにしている。
上記したような構成の総合制御方式では、進化適応層に
おける各制御モジュール1〜kの進化処理は並列的に又
は直列的に行われる。図2は、進化適応層における各制
御モジュール1〜kの進化処理を並列的に行う例を示す
フローチャートである。この場合には、進化適応層にお
ける各制御モジュール1〜kは、他の制御モジュールの
進化処理の進行状況に関係なく並列的に行われ、進化処
理終了後は、その進化結果を学習層の対応する制御モジ
ュール1〜kに学習させて、学習層の各制御モジュール
1〜kから出力される補正量で補正された制御パラメー
タを用いた反射層の制御モジュール1〜nでの制御が行
われる。進化処理終了後は、進化適応層の各制御モジュ
ール1〜kを一定時間毎に作動させて、その時の進化処
理の結果、性能が向上した制御モジュール1〜kの進化
処理を再び行う。図3は、進化適応層における各制御モ
ジュール1〜kの進化処理を直列的に行う例を示すフロ
ーチャートである。この場合には、進化適応層における
各制御モジュール1〜kの進化処理は、予め決められた
世代数だけ順番に行われる。一つの制御モジュール1〜
kの進化処理が行われている間は、他の制御モジュール
の進化処理は行わないようにする。尚、学習層による学
習は、各制御モジュールの進化処理が終了する毎に、そ
の制御モジュール毎に行ってもよく、全ての制御モジュ
ールの進化処理が終了した後に、全ての制御モジュール
に対して行っても良い。全ての制御モジュール1〜kの
進化処理が所定世代数終了した後は、学習層の各制御モ
ジュール1〜kから出力される補正量で補正された制御
パラメータを用いた反射層の制御モジュール1〜nでの
制御が行われる。進化処理終了後は、進化適応層の制御
モジュール1〜kを一定時間毎に作動させて、その時の
進化処理の結果、性能が向上するようなら、再び全ての
制御モジュールの進化処理を順に行う。また、この進化
処理の再開は、使用者の直接指示でも行えるように構成
され得る。図4は、進化適応層における各制御モジュー
ル1〜kの進化処理を直列的に行う別の例を示すフロー
チャートである。この場合には、進化適応層における各
制御モジュール1〜kの進化処理は、その制御モジュー
ルの進化が収束するまで行われる。進化の収束は予め決
めた進化終了判定値による。上記した構成により、反射
層の各制御モジュールの制御パラメータが、進化適応層
により、少なくとも、予め決めた最終制御対象の目標と
なる特性、制御対象の使用者の特性、制御対象の使用状
況、及び/又は制御対象の使用環境の何れかに沿って進
化されるので、最終制御対象では、進化適応層の進化の
方向に沿った特性が得られるようになる。尚、図2に示
すように、進化適応層における各制御モジュールの進化
処理を並列的に行う場合には、制御モジュールの進化が
特定の制御モジュールに進化方向に引っ張られることが
なくなるので、進化による性能向上の多様性が拡がる。
また、図3及び図4に示すように、進化適応層における
各制御モジュールの進化処理を直列的に行う場合には、
先に進化処理が行われた制御モジュールにより進化の方
向が決められることになるので、進化がより短時間に収
束し、最適値がより短時間で得られるという効果を奏す
る。
【0006】次に、本発明に係る総合制御方式を車両の
エンジンに適応した実施例(以下、車両総合制御方式と
いう。)について説明する。図5は、エンジン1と車両
総合制御方式を実行する制御装置10との関係を示す概
略図である。この制御装置10は、燃費性能とドラビリ
性能の両立を図りながらエンジンを総合的に制御するよ
う構成されている。尚、本明細書において、「ドラビリ
性能」とは、スロットル操作に対するエンジン出力のレ
スポンスの性能のことを意味する。図面に示すように、
制御装置10は、エンジン回転数、吸気負圧、アクセル
操作量、大気圧、吸気温度、冷却水温等の情報を入力
し、これら入力情報に基づいて燃料噴射装置及び電子ス
ロットル弁を操作することにより、燃料噴射量及び吸入
空気量を制御し、燃費性能とドラビリ性能の両立を図っ
たエンジンの総合的な制御を行う。図6は、前記制御装
置10の概略ブロック図である。この制御装置10は、
上述したように反射層、学習層、及び進化適応層から成
る。
【0007】(反射層について)反射層は、吸入空気量
を制御する吸入空気量制御モジュールと、空燃比を制御
する空燃比モジュールとを有する。
【0008】前記吸入空気量制御モジュールは、図7に
示すように、アクセル操作量に基づいて電子スロットル
弁の開度を決定するモジュールである。尚、本明細書に
おける「アクセル操作量」とは、実際の「アクセル角
度」の情報と、「アクセルの変化量」の情報の両方を含
む。ここで、電子スロットル弁の特性について簡単に説
明すると、電子スロットル弁は静特性と動特性の二つの
特性を持つ。前者は、アクセル角度と電子スロットル弁
との関係から生じる特性であり、車両の定常走行特性に
影響する。図8は、幾つかのスロットルの静特性の例を
示すグラフである。このように静特性を変えることによ
り、アクセル角度が小さい時に電子スロットル弁が大き
く開き、アクセル角度が大きくなるにつれてスロットル
弁が徐々に全開に収束していく低開度急加速型や、アク
セル角度が小さい間はスロットル弁が徐々に開き、アク
セル角度が大きくなると急激に全開まで開く高開度急加
速型や、アクセル角度とスロットル開度が比例している
比例型等、設定により同じアクセル角度で様々なスロッ
トル開度を得ることができるようになる。この静特性
は、アクセル角度の増大につれてスロットル開度が増大
又は不変であればよく、様々な様々な関数を得ることが
できるようになる。また、電子スロットル弁の特性の後
者、即ち、動特性は、アクセルの変化速度に対するスロ
ットル弁の変化速度から生じる特性であり、車両の過渡
特性に影響する。この特性は具体的には一次遅れと不完
全微分を組み合わせることにより、アクセルの変化速度
に対するスロットルの変化速度を変えられるように構成
され得る。このように一次遅れと不完全微分を組合せる
ことにより、図9に示すように、アクセル操作に対して
比較的ゆっくりとスロットルが開くレスポンスの低いタ
イプ、アクセル操作に対して若干のスパイクは生じるが
機敏に変化してスロットルが開くレスポンスの高いタイ
プ、又は両者の中間程度のタイプ等、様々な動特性が得
られるようになる。吸入空気量制御モジュールでは、図
7に示すように、実際のアクセル操作量を入力し、静特
性変更部で実際のアクセル操作量を設定された静特性に
応じた仮想アクセル操作量に変換し、動特性変更部で仮
想アクセル操作量から電子スロットル弁の開度を決定し
て出力する。尚、図7中、x1は実際のアクセル操作量
入力値、x2は仮想アクセル操作量、yはスロットル弁
の開度、fは静特性関数、Tは一次遅れ時定数、Tdは
微分時間、αは加速補正係数、そしてηは微分ゲインを
各々示しており、これらの中で、静特性関数、一次遅れ
時定数、加速補正係数、微分時間又は微分ゲインは変更
可能であるが、本実施例では、静特性関数は予め幾つか
用意したものの中から使用者が選択するものとし、動特
性の微分ゲインを固定し、一次遅れ時定数、加速補正係
数及び微分時間を進化させる例を挙げて説明していく。
以下の説明では、一次遅れ時定数、加速補正係数及び微
分時間のことを総称して電子スロットル制御パラメータ
と称する。
【0009】空燃費制御モジュールは、例えば、図10
に示すように、学習機能付きフィードフォワード制御ロ
ジックを用いてモデル化されたエンジンの順モデルと、
この順モデルの出力と目標空燃比とに基づいて燃料噴射
装置の燃料噴射量を決定する燃料噴射量決定部とを備え
ている。前記目標空燃比は、エンジン回転数とスロット
ル開度とに基づいて目標空燃比算出部により算出された
値を、進化適応層及び学習層で得られる目標空燃比補正
量で補正した値である。
【0010】(進化適応層について)進化適応層は、評
価部と進化適応部とから成る。進化適応部は、反射層の
吸入空気量制御モジュールに関する第1制御モジュール
と空燃比制御モジュールに関する第2制御モジュールを
別個に備え、評価部は進化適応部の各制御モジュールを
遺伝的アルゴリズムを用いて進化させる時に、進化を使
用者の特性又は予め決められた目標に各々適応させるた
めに各制御モジュール毎に設けられる。図11(a)及
び(b)は、第1制御モジュール及び第2制御モジュー
ルの具体例を示す図であり、この図に示すように、第1
制御モジュールは、正規化スロットル開度と正規化エン
ジン回転数とを入力情報とし、反射層の吸入空気量制御
モジュールの一次遅れ時定数、加速補正係数及び微分時
間の補正量を出力情報とする2入力3出力式のニューラ
ル回路網から成り、第2制御モジュールは正規化スロッ
トル開度と正規化エンジン回転数とを入力情報とし、目
標空燃比補正量を出力情報とする2入力1出力式のニュ
ーラル回路網から成る。尚、ここで用いられる正規化ス
ロットル開度は、吸入空気量制御モジュールから出力さ
れる電子スロットル開度の情報を正規化したものであ
る。進化適応層では、進化適応部の各制御モジュールを
構成するニューラル回路網の結合荷重を遺伝子としてコ
ーディングして幾つかの染色体(固体)を生成し、生成
された各固体を評価部の評価に従って淘汰すると共に、
残った固体を交叉させて次世代の固体を生成し、さらに
これらを淘汰することを繰返すことにより、進化適応部
の各制御モジュールを評価部の評価に合わせて進化させ
る。
【0011】上記した進化処理についてさらに具体的に
説明していく。図12は遺伝的アルゴリズムを用いた第
1制御モジュールの進化処理の流れを示すフローチャー
トである。始めに、図13に示すように、第1制御モジ
ュールを構成するニューラル回路網の結合係数を遺伝子
としてコーディングして複数の個体a(n)(本実施例
ではn=10)からなる第1世代を生成する(ステップ
1)。ここで、各個体の遺伝子の値(即ち、ニューラル
回路網の結合係数の値)の初期値は予め決められた範囲
内(ほぼ−10〜10の間)でランダムに決定する。ま
たこの時、既に学習層が学習を行い出力をしている場合
には、進化適応層の出力をゼロにできる個体(図13に
おける個体a(1))を一つ含ませることで、個体数に
制限がある場合でもその時点の性能を損なうことなく進
化処理中の個体群の多様性を保つことができる。次に、
ステップ1で生成された個体a(n)の中の一つ、例え
ば、個体a(1)の結合荷重で第1制御モジュールのニ
ューラル回路網の結合荷重を固定して、実際の入力情報
(エンジン回転数及びスロットル開度)に対するニュー
ラル回路網の出力xを決定し(ステップ2)、さらにこ
の出力を式(1)を用いて線形変換して個体an(1)
に対する第1制御モジュールの出力y1(即ち、電子ス
ロットル弁制御パラメータ補正量)を決定する(ステッ
プ3)。尚、入力情報のエンジン回転数及びスロットル
開度はそれぞれ正規化したものを用いる。 y1 = 2×Gx−G (1) ここで、y1は第1制御モジュールの出力、xは第1制
御モジュールにおけるニューラル回路網の出力、Gは進
化適応層出力ゲインである。このように、ニューラル回
路網の出力xを線形変換して用いることにより、第1制
御モジュールからの出力y1が極端に大きな値になるこ
とがなく、全体として進化がすこしづつ進むようにな
り、エンジンの挙動が評価や進化のために極端に変動す
ることがなくなる。個体a(1)に対する第1制御モジ
ュールの出力y1を決定した後、学習層の出力y2を決
定し(ステップ4)、第1制御モジュールの出力y1及
び学習層の出力y2を加算した補正量Ynで反射層の吸
入空気量制御モジュールの電子スロットル制御パラメー
タを補正した状態で車両を実際に走行させ、使用者によ
る個体a(1)の評価を入力し(ステップ6)、個体a
(1)の適応度の評価値を決定する(ステップ7)。前
記したステップ6での使用者による個体の評価は、運転
中に操作できるボタン等の入力装置を設けることで実現
する。具体的には、例えば、このボタンを運転者が押す
ことにより、その押した時間の長さに基づいてステップ
7で個体の評価値を決定する。ステップ7における評価
値算出方法としては、例えば、押した時間の逆数に一定
の係数を乗じる方法や、押した時間の長さからファジィ
ルールを用いて算出する方法がある。このようにするこ
とで、人間の評価にあいまいさがあっても、ある程度の
正確さで評価値が得られるようになる。さらに、使用者
が一定時間を越えてこのボタンを押し続けた場合には、
その時点で評価中の個体を淘汰することもできる。こう
することで、運転者は気に入らない特性を持つ個体を直
ちに淘汰することができ、この個体が次世代に影響を及
ぼさなくなるので、進化が高速に行えるようになる。こ
のステップ6及び7の処理が評価部で行われる。上記し
たステップ2からステップ7までの処理は、ステップ1
で生成した全ての個体に対して行われ、全ての個体の適
応度を評価したと判断したら(ステップ8)、所定世代
数進化処理を行ったかどうかを判断する(ステップ
9)。進化処理が所定世代数行われていない場合には、
ステップ1で生成した10個の個体から次世代の親個体
の選択を行う(ステップ10)。この選択にはルーレッ
ト式選択方式を用い、各個体の適応度に比例した確率
で、確率的に幾つかの親個体を選択する。尚、この時、
厳密に世代交代を適用しすぎると、評価の高い個体を破
壊してしまう恐れがあるため、エリート(評価の最も高
い個体)を無条件に次世代に残すエリート保存戦略も合
わせて用いる。また、複数の個体の最大適応度と平均適
応度の比が一定となるように、適応度の線形変換を行
う。親個体の選択が終わると、選択された個体を親個体
として、交叉を行い、再び10個の子個体から成る第二
世代を生成する(ステップ11)。個体間の交叉には、
1点交叉、2点交叉、又は正規分布交叉等の手法を用い
る。正規分布交叉とは、実数値表現の染色体(個体)に
ついて、両親を結ぶ軸に対して回転対称な正規分布にし
たがって子を生成する方法である。正規分布の標準偏差
は、両親を結ぶ主軸方向の成分については両親間の距離
に比例させ、その他の軸の成分については両親を結ぶ直
線と集団からサンプルした第3の親との距離に比例させ
る。この交叉方法は、親の特質が子に引き継がれやすい
という利点がある。また、生成された10個の子個体に
対して一定の確率で、ランダムに遺伝子(結合度)の値
を変更し、遺伝子の突然変異を発生させる。尚、これら
10個の子個体には、前記した進化適応層の出力をゼロ
にできる個体も一つ含ませる。上記した処理により、第
2世代を生成した後、再びステップ2からの進化処理を
繰返す。上記した進化処理は、予め決められた世代数経
過するまで繰り返し行われる。これにより、各世代を構
成する子個体は評価部の評価、即ち、使用者の好みに基
づいて淘汰され、次世代を生成していくようになるた
め、第1制御モジュールの入出力関係は、次第に使用者
の好みに合ったものに進化していく。予め決められた世
代数経過したか否かはステップ9で判断され、ステップ
9で最終世代であると判断すると、その世代の10個の
子個体の中から適応度の最も高い個体(最適個体)、即
ち、エリートを一つ選び出し(ステップ12)、第1制
御モジュールのニューラル回路網の結合係数を、前記し
た最適個体を構成する遺伝子で固定し(ステップ1
3)、学習層の学習用制御モジュールに対する学習処理
に移行する。
【0012】次ぎに、進化適応層の第2制御モジュール
の進化処理について説明する。図14は遺伝的アルゴリ
ズムを用いた第2制御モジュールの進化処理の流れを示
すフローチャートである。始めに、図15に示すよう
に、第2制御モジュールを構成するニューラル回路網の
結合係数を遺伝子としてコーディングして複数の個体a
(n)(本実施例ではn=10)からなる第1世代を生
成する(ステップ1)。次いで、前記した第1制御モジ
ュールの進化処理と同様の方法で一つの個体を用いた第
2制御モジュールの出力y1と学習層の出力y2とを加
算した補正量Yn、即ち、反射層における目標空燃費の
補正量を算出し、この補正量を加算した目標値で空燃比
制御モジュールを用いて実際の制御を行い(ステップ2
〜ステップ5)、その結果を予備評価値として算出する
(ステップ6)。上記したステップ2〜ステップ6まで
の予備評価処理は、時分割で全ての個体に対して所定サ
イクル行われる。具体的には、図16に示すように、ス
テップ5の空燃比制御を全ての個体に対して1分間づつ
行い、これを1サイクルとして、所定のサイクル行な
う。各サイクルでの個々の個体の予備評価値は、例え
ば、その個体で動作させた時の消費燃料とする。ステッ
プ7で、予備評価処理を所定サイクル実行したと判断す
ると、各個体に対する総合評価値を算出する。総合評価
値は、各個体毎に、その個体を用いた予備評価処理中の
走行距離を、その個体に対して算出された予備評価値の
総計(即ち、総燃量消費量で割って算出される。このよ
うに、同世代の個体に対して時分割で所定サイクル評価
処理を行なうことによって、走行中のギヤポジションの
違いや、登坂角度による影響を近似させることができ、
全ての個体の性能を公平に評価することができる。上記
したステップ2〜ステップ8までの進化処理終了後、第
1制御モジュールと同様の方法で、親個体の選択及び次
世代の生成を行い(ステップ10及び11)、新しく生
成された世代の個体に対して同様の進化処理を行なう。
上記した進化処理は、予め決められた世代数経過するま
で繰り返し行われる。これにより、各世代を構成する子
個体は評価部の評価、即ち、燃費性能に基づいて淘汰さ
れ、次世代を生成していくようになるため、第2制御モ
ジュールの入出力関係は、次第に燃費性能が向上するよ
うに進化していく。進化が所定世代まで達すると、その
世代の10個の個体の中からエリートを一つ選び出し
(ステップ12)、第1制御モジュールのニューラル回
路網の結合係数を、前記した最適個体を構成する遺伝子
で固定し(ステップ13)、学習層の学習用制御モジュ
ールに対する学習処理に移行する。
【0013】(学習層について)次に、学習層について
詳細に説明していく。学習層は、進化適応層で得られた
進化後の各制御モジュールの出力(本実施例の場合に
は、電子スロットル制御パラメータ補正量及び目標空燃
比補正量)を学習し、進化処理終了後も進化適応層の出
力を反射層に反映させる。尚、進化適応層の各制御モジ
ュールの出力が車両の運転状態に依存しない情報の場
合、即ち、各制御モジュールの入力に運転状態に関する
情報がない場合には、単に、学習層の制御モジュールの
出力に進化適応層の制御モジュールの出力を加算した値
を学習層の出力にするだけでよいが、進化適応層の制御
モジュールの出力が車両の運転状態に依存する情報の場
合には、学習層で、車両の運転状態と進化適応層の制御
モジュールの出力との関係を合わせて学習する必要があ
るので、学習層には学習用の制御モジュールと、実行用
の制御モジュールが設けられる。本実施例の場合には、
進化適応層の第1制御モジュール及び第2制御モジュー
ルの両方が車両の運転状態の一つであるエンジン回転数
を入力情報とするニューラル回路網で構成されているた
め、学習層は後者の構成を採る。そのため、学習層は、
図6に示すように学習層は、進化適応層の各制御モジュ
ールに対応する制御モジュールを備え、各制御モジュー
ルは、図示していないが、二つの制御モジュールから成
り、二つの制御モジュールの一方が制御実行用として機
能している間は、他方の制御モジュールが学習用として
機能し、相互に機能の入れ替えができるように構成され
ている。尚、各制御モジュールは学習可能な制御モジュ
ールであれば、任意のものでよく、例えば、ニューラル
回路網、CMAC等が挙げられる。学習層は、進化適応
層で各モジュールの進化処理が所定世代数行われ、その
モジュールを構成するニューラル回路網がその時点で最
適な結合係数で固定されると、図17に示すように制御
モジュール別に、進化適応層の制御モジュールの入力と
出力との関係を、学習層の実行用として機能している制
御モジュールの入力と出力との関係と合わせて教師デー
タを獲得する。制御モジュール別の教師データを獲得す
ると、学習層の学習用制御モジュールは獲得した教師デ
ータに基づいて学習を開始し、学習終了後に、実行用の
制御モジュールと入れ替わり、進化適応層の各制御モジ
ュールの出力はゼロまたは次ぎの進化処理出力に設定さ
れる。尚、学習用制御モジュールでの学習中は、進化適
応層の各制御モジュールは最適な結合係数で固定した状
態で電子スロットル制御パラメータ補正量及び目標空燃
比補正量を出力し続け、この進化適応層の出力と学習層
の実行用制御モジュールの出力とを加算した補正量が反
射層での制御に用いられる。また、学習層における実行
用制御モジュールの初期値は、出力が常にゼロになるよ
うに設定しておく。こうすることで、初期状態において
は、進化適応層の出力のみを用いて反射層での制御が行
えるようになる。前述のように、学習層で学習した制御
モジュールの情報は、内部記憶手段や外部記憶手段等に
記憶可能であり、使用者が必要に応じて、記憶した特性
を呼び出し、その特性で走行することが可能になる。こ
のように、学習結果を記憶・呼び出しできるようにして
おくことで、使用者の心境の変化にも対応可能になる。
尚、前記学習層における制御モジュールがニューラル回
路網である場合には、通常の学習方法で学習が行われる
が、制御モジュールがCMACで構成されている場合に
は、図18に示すように新しく獲得した教師データに対
応する部分のみを学習させることが可能で、学習効率が
よくなる。
【0014】以上説明した第1制御モジュール及び第2
制御モジュールの進化処理及び学習処理は図19に示す
ように並列的に行われる。図19は、第1制御モジュー
ルの進化処理及び学習処理と、第2制御モジュールの進
化処理及び学習処理を並列的に行う例を示すフローチャ
ートである。このフローチャートに示すように、始めに
スロットル静特性の設定を行った後、第1制御モジュー
ル及び第2制御モジュールには、各々並列的に進化処理
及び学習処理が施され、進化処理及び学習処理終了後
は、各々反射層と学習層の制御モジュールとによる制御
が行われる。また、各制御モジュールの進化処理及び学
習処理が終了した後も、一定時間毎に進化適応層の各制
御モジュールの進化処理を並列的に行い、進化処理の結
果性能が向上した制御モジュールについては再び進化処
理及び学習処理を行う。このように、各制御モジュール
の進化処理及び学習処理を並列的に行うことにより、一
方の制御モジュールの進化が、他方の制御モジュールの
進化方向に引っ張られることがなくなく。尚、使用者が
外部記憶手段に保存した結合係数を読み出して、当該結
合係数に基づいて学習層を作動させている場合には、進
化適応層における制御則のずれのチェックを行わずに、
進化適応層の出力をゼロに固定したまま、その処理を停
止し、使用者の処理開始指示に基づいて進化適応層の処
理を再開するように進化適応層を構成してもよい。
【0015】上記したように、吸入空気量制御手段の性
能、即ち、ドラビリ性能を進化させる第1制御モジュー
ルの淘汰を使用者の指示に基づいて行い、空燃比制御手
段の性能、即ち、燃費性能を進化させる第2制御モジュ
ールの淘汰を燃費性能に基づいて行うことにより、エン
ジンは、使用者の求めるドラビリ性能を得るための制御
条件の中で燃費性能を最適にするよう総合的に進化して
いく。また、使用者が進化の評価に介入できるようにす
ることで、使用者自身が制御対象を進化させる楽しみを
得ることができるようになる。
【0016】以上説明した車両総合制御方式の実施例で
は、スロットルの静特性に関しては使用者が予め設定
し、スロットルの特性に関しては動特性のみを進化させ
る手法について説明してきたが、これは本実施例に限定
されることなく、進化適応層に静特性と動特性を一つに
まとめた制御モジュールを設け、全体を組合わせを進化
させてもよく、進化適応層に静特性と動特性とに対応す
る制御モジュールを独立して設け、各々進化させてもよ
い。また、進化適応層に静特性と動特性とに対応する制
御モジュールを独立して設ける場合、これらの進化処理
は並列的に行ってもよいし、何れか一方、好ましくは静
特性を先に進化させ、その後、進化終了後の制御モジュ
ールを固定した他方の制御モジュールの進化処理を行っ
てもよい。また、車両総合制御方式の実施例では、反射
層の空燃比制御モジュールの目標空燃費補正量を算出す
る進化適応層の第2制御モジュールの進化を燃費性能に
基づいて評価し、反射層の吸入空気量制御モジュールに
おける電子スロットル制御パラメータ補正量を算出する
進化適応層の第1制御モジュールの進化を使用者の指示
に基づいて評価しているが、この評価方法は本実施例に
限定されることなく、例えば、進化適応層の第1制御モ
ジュールの進化を燃費性能に基づいて評価してもよく、
また、同層の第2制御モジュールを使用者の指示に基づ
いて評価してもよい。こうすることで、進化により吸入
空気量制御モジュールはリーンスパイクのでない高効率
な電子スロットル制御が行えるようになり、また、空燃
費制御モジュールでは使用者の好みに合った空燃比、例
えば、使用者がドラビリ性能を重視すればパワー空燃比
が得られる空燃費制御を行なうことが可能になる。さら
に、車両総合制御方式の実施例では、進化適応層におけ
る第1制御モジュールと第2制御モジュールの進化処理
を並列的に行っているが、これは本実施例に限定される
ことなく、図20に示すように直列的に行ってもよい。
この場合、何れか一方の制御モジュールの進化処理及び
学習処理を行っている間は、他方の制御モジュールの進
化処理を行わずにその制御モジュールの結合係数を固定
しておき、進化処理及び学習処理を交互に行う。このよ
うに一方の制御モジュールの進化処理を行っている間に
他方の制御モジュールの結合係数を固定することで、進
化処理中に二つの制御モジュールの進化の結果が相互に
反映することになり、各制御モジュールが互いに協調し
て進化できる。また、前記した進化適応層における制御
モジュールの進化処理は、必要に応じて使用者の指示等
があった制御モジュールだけに対して行ってもよい。こ
れにより、使用者の好みが偏っている場合でも、それに
応じた早い進化を得ることが可能になる。さらに、車両
総合制御方式の実施例では、反射層における制御モジュ
ールを吸入空気量制御モジュールと空燃比制御モジュー
ルとに分割し、学習層及び進化適応層にもこれに対応す
る制御モジュールを設けているが、この制御モジュール
の分割は本実施例に限定されることなく、例えば、吸気
管長の制御が可能なエンジンの場合には、既存の制御モ
ジュールに変更を加えることなく、吸気管長制御モジュ
ールを追加することもできる。さらにまた、車両総合制
御方式の実施例では、進化適応層における制御モジュー
ルの進化を使用者の指示によるドラビリ性能及び燃費性
能に基づいて行っているが、この評価基準は本実施例に
限定されることなく、反射層における制御モジュールの
種類とその進化の方向性に応じて任意の基準が選択され
得る。また、車両総合制御方式の実施例では、各制御モ
ジュールの進化処理を所定世代数の進化が終了したら終
了するように構成しているが、この進化処理の終了判断
は本実施例に限定されることなく、進化が収束するまで
各制御モジュールの進化処理を続けて行うように構成し
てもよい。
【0017】以上説明した車両総合制御方式の実施例で
は、本発明に係る総合制御方式を車両に適用した例につ
いて説明してきたが、該制御方式の適用対象は車両に限
定されることなく、任意のものに適用できることはいう
までもない。
【0018】
【発明の効果】以上説明した本発明に係る総合制御方式
によれば、相互に関連する複数の制御対象を制御するこ
とによって最終制御対象の特性を制御する総合制御方式
において、各制御対象毎に、それを制御する制御モジュ
ールを構成し、各制御モジュール毎に、その入力と出力
とに関連する制御パラメータを、少なくとも、予め決め
た最終制御対象の目標となる特性、制御対象の使用者の
特性、制御対象の使用状況、及び/又は制御対象の使用
環境の何れかに沿って遺伝的アルゴリズムにより進化さ
せるので、相互に関連する複数の制御モジュールの制御
パラメータを、短時間で最適値に設定することができ、
また、最終制御対象が非線形の特性を持つ場合でも、制
御パラメータの設定のために多大な労力と時間をさいて
実験等で膨大な量の実験データを採る必要がなくなると
いう効果を奏する。また、一つの制御モジュールの進化
処理を行っている間は、他の制御モジュールの制御パラ
メータを固定することにより、制御モジュールの進化の
方向性を有る程度制限することが可能になるため、より
短時間で制御パラメータの最適値が得られるという効果
を奏する。また、複数の制御モジュールの進化処理を並
列的に行う場合には、制御モジュールの進化の方向性が
制限されないので、進化の多様性がより広くなるという
効果を奏する。さらに、各制御モジュールの進化処理
を、その制御モジュールの進化が収束するまで行うと、
全ての制御モジュールの進化処理の終了後は、常にその
時点で最適な値の制御パラメータでの制御が行えるよう
になるという効果を奏する。また、各制御モジュールの
進化処理を、予め決めた所定の世代数行うようにする
と、各制御モジュールの進化処理に要する時間を短時間
に抑えることができ、結果として全体の進化処理に要す
る短時間に抑えることができるようになるので、進化処
理を短時間で終了させ、進化の結果を短時間で最終制御
対象に反映させることができるという効果を奏する。ま
た、最終制御対象がエンジンである場合に、アクセル操
作量に対する吸入空気量制御手段を制御する制御モジュ
ールの制御パラメータを遺伝的アルゴリズムを用いて進
化させるように構成することで、排気空燃比のリーンス
パイクを減少させて、燃費、排ガス性能を向上させた
り、例えば、運転者の好みに応じて車両の運転特性を変
化させたりすることができ、さらに、制御パラメータ取
得のためのセッティングに係る時間が減少でき、結果と
してコストを低減できるという効果を奏する。さらに、
アクセル操作量に対する吸入空気量制御手段の静特性を
変化させることによって、車両の定常走行時の運転特性
を変化させられるという効果を奏し、また、アクセル操
作量に対する吸入空気量制御手段の動特性を変化させる
ことによって、車両の過渡運動特性を変化させることが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る総合制御方式の基本概念を示す
ブロック図である。
【図2】 進化適応層における各制御モジュール1〜k
の進化処理を並列的に行う例を示すフローチャートであ
る。
【図3】 進化適応層における各制御モジュール1〜k
の進化処理を直列的に行う例を示すフローチャートであ
る。
【図4】 進化適応層における各制御モジュール1〜k
の進化処理を直列的に行う別の例を示すフローチャート
である。
【図5】 エンジン1と車両総合制御方式を実行する制
御装置10との関係を示す概略図である。
【図6】 前記制御装置10の概略ブロック図である。
【図7】 吸入空気量制御モジュールの概略ブロック図
である。
【図8】 幾つかのスロットルの静特性の例を示すグラ
フである。
【図9】 幾つかのスロットルの動特性の例を示すグラ
フである。
【図10】 空燃費制御モジュールの概略ブロック図で
ある。
【図11】 第1制御モジュール及び第2制御モジュー
ルを構成するニューラル回路網を示す図である。
【図12】 遺伝的アルゴリズムを用いた第1制御モジ
ュールの進化処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】 第1制御モジュールを構成するニューラル
回路網の結合係数を遺伝子としてコーディングする状態
を概念的に示す図である。
【図14】 遺伝的アルゴリズムを用いた第2制御モジ
ュールの進化処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】 第2制御モジュールを構成するニューラル
回路網の結合係数を遺伝子としてコーディングする状態
を概念的に示す図である。
【図16】 時分割方式による各個体の予備評価処理の
状態を示す図である。
【図17】 学習層の学習用制御モジュールに使用する
教師データの獲得の仕方を概念的に示す図である。
【図18】 新しい教師データのみを用いたCMACに
よる学習層の学習を概念的に示す図である。
【図19】 進化適応層及び学習層の並列進化処理に関
する制御の全体の流れを示すフローチャートである。
【図20】 進化適応層及び学習層の直列進化処理に関
する制御の全体の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 10 制御装置

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に関連する複数の制御対象を制御す
    ることによって最終制御対象の特性を制御する総合制御
    方式において、 各制御対象毎に、それを制御する制御モジュールを構成
    し、 各制御モジュール毎に、その入力と出力とに関連する制
    御パラメータを、少なくとも、予め決めた最終制御対象
    の目標となる特性、制御対象の使用者の特性、制御対象
    の使用状況、及び/又は制御対象の使用環境の何れかに
    沿って遺伝的アルゴリズムにより進化させることを特徴
    とする総合制御方式。
  2. 【請求項2】 一つの制御モジュールの進化処理を行っ
    ている間は、他の制御モジュールの制御パラメータを固
    定することを特徴とする請求項1に記載の総合制御方
    式。
  3. 【請求項3】 複数の制御モジュールの進化処理を並列
    的に行うことを特徴とする請求項1に記載の総合制御方
    式。
  4. 【請求項4】 各制御モジュールの進化処理を、その制
    御モジュールの進化が収束するまで行うことを特徴とす
    る請求項2又は3に記載の総合制御方式。
  5. 【請求項5】 各制御モジュールの進化処理を、予め決
    めた所定の世代数行うことを特徴とする請求項2又は3
    に記載の総合制御方式。
  6. 【請求項6】 前記使用者の特性が、使用者の好み、技
    量及び状態の少なくとも一つであることを特徴とする請
    求項1〜5の何れか一項に記載の総合制御方式。
  7. 【請求項7】 使用者の好みを、使用者が適当な入力装
    置を操作する時間の長さで判断することを特徴とする請
    求項6に記載の総合制御方式。
  8. 【請求項8】 前記制御対象の使用状況が、制御対象の
    経時劣化及び/又は使用頻度を含むことを特徴とする請
    求項1〜7の何れか一項に記載の総合制御方式。
  9. 【請求項9】 最終制御対象がエンジンであり、該エン
    ジンの特性を制御するための複数の制御対象の少なくと
    も一つが吸入空気量であり、 吸入空気量を制御する制御モジュールが、少なくともア
    クセル操作量を入力して、吸入空気量制御手段の操作量
    を出力するように構成されていることを特徴とする請求
    項1〜8の何れか一項に記載の総合制御方式。
  10. 【請求項10】 前記吸入空気量を制御する制御モジュ
    ールの制御パラメータが、アクセル操作量に対する吸入
    空気量制御手段の静特性に影響を及ぼすパラメータを含
    むことを特徴とする請求項9に記載の総合制御方式。
  11. 【請求項11】 前記吸入空気量を制御する前記制御モ
    ジュールの制御パラメータが、アクセル操作量に対する
    吸入空気量制御手段の動特性に影響を及ぼすパラメータ
    を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の総合
    制御方式。
  12. 【請求項12】 前記動特性に影響を及ぼす制御パラメ
    ータが、アクセル操作量に対する一次遅れ時定数、加速
    補正係数、微分時間及び微分ゲインの少なくとも一つで
    あることを特徴とする請求項11に記載の総合制御方
    式。
  13. 【請求項13】 最終制御対象がエンジンであり、該エ
    ンジンの特性を制御するための複数の制御対象の少なく
    とも一つが燃料噴射量であり、 燃料噴射量を制御する制御モジュールが、少なくともエ
    ンジンの運転状態に関する情報を入力して、燃料噴射装
    置の操作量を出力するように構成されていることを特徴
    とする請求項1〜12の何れか一項に記載の総合制御方
    式。
  14. 【請求項14】 前記燃料噴射量を制御する制御モジュ
    ールの制御パラメータが目標空燃比を含むことを特徴と
    する請求項13に記載の総合制御方式。
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