JPH10154003A - 進化的制御方式 - Google Patents

進化的制御方式

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JPH10154003A
JPH10154003A JP9264604A JP26460497A JPH10154003A JP H10154003 A JPH10154003 A JP H10154003A JP 9264604 A JP9264604 A JP 9264604A JP 26460497 A JP26460497 A JP 26460497A JP H10154003 A JPH10154003 A JP H10154003A
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control
user
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evolutionary
evolution
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JP9264604A
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English (en)
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Masashi Yamaguchi
昌志 山口
Kazusuke Kamihira
一介 上平
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の使用者が満足し得る特性を実現できる
進化的制御方式を提供すること。 【解決手段】 本発明に係る進化的制御方式は、反射
層、学習層、及び進化適応層から成り、反射層で基本制
御量を決定し、学習層で補正基本量を決定すると共に、
進化適応層で、ニューラル回路網から成る制御モジュー
ルの結合係数を用いて複数の染色体を生成し、使用者の
指示に基づいて前記染色体の淘汰を行いながら遺伝的ア
ルゴリズムにより染色体を進化させて、使用者の指示に
最も適合する最適制御モジュールを獲得し、この最適制
御モジュールに関する情報を学習層に学習させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御対象の特性を
進化的に制御する進化的制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、車両や家電製品等の製品の特
性を制御する場合、制御対象となる製品の特性は、開発
・設計段階で、その製品を使用すると思われる使用者を
想定し、その仮想使用者の好みや使用状況を加味し、で
きるだけ広い範囲の使用者に適応するように決められ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した製品
を使用する使用者は、個々に特有の個性を持っており、
その好みも千差万別であるため、前記したように、その
製品を使用すると思われる使用者の好み等を想定して製
品の開発・設計を行ったとしても、必ずしも複数の使用
者が満足する特性を提供できるとは限らないという問題
がある。上記した問題を解決するために、現在は、使用
者が製品購入前に、その製品の特性を確認し、特性が自
分の満足するものであるか否かを判断することが行われ
ているが、この購入前の製品の特性の確認は使用者にと
って煩わしいものである。また、基本的に同一製品は同
じ特性で制御されることが多いため、例えば、製品のデ
ザインは気に入っているのに特性が気に入らないため
に、その製品の購入を断念せざるえない等、特性により
製品の選択範囲が制限されるという問題も生じる。本発
明は、上記した従来の問題点を解決し、複数の使用者が
満足し得る特性を実現できる進化的制御方式を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明に係る進化的制御方式は、制御対象の特
性を制御する制御系の制御特性に影響を及ぼす係数を用
いて複数の染色体を生成し、使用者の意志に基づいて染
色体の淘汰を行いながら遺伝的アルゴリズムにより染色
体を進化させることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る進化的制御方
式の実施の形態を添付図面に示した幾つかの実施例を参
照して説明する。図1は本発明に係る進化的制御方式の
基本概念を示すブロック図である。図面に示すように、
この進化的制御方式は、反射層、学習層、及び進化適応
層の三つの制御層から成り、外部から制御すべき制御対
象の作動状態に関する情報を入力し、この入力情報に基
づいて反射層で基本制御量を決定し、前記学習層及び進
化適応層で基本制御量に対する補正量を決定し、これら
基本制御量及び補正量から最終的な制御出力を決定す
る。以下、進化的制御方式における反射層、学習層、及
び進化適応層の働きについて説明する。反射層は、制御
すべき制御対象の作動状態に関する情報(以下、外界情
報と称する)と、外界情報に対する基本制御量との関係
を数式、マップ、ファジールール、ニューラルネットワ
ーク、サブサンプションアーキテクチャ等の形式の制御
系で予め備えている層であり、外界情報が入力される
と、上記した制御系から入力された外界情報に対する基
本制御量を決定して出力する。尚、前記サブサンプショ
ンアーキテクチャとは、並列的な処理を行う行動型人工
知能として公知である。進化適応層は、評価系と進化適
応系との二つの制御系から成る。進化適応系は、反射層
で決められた基本制御量を使用者の意志に合った値に補
正するための少なくとも一つの制御モジュールを備え、
制御モジュールが遺伝的に進化するように構成されてい
る。評価系は、制御モジュールに対する使用者の意志を
直接的又は間接的に入力し、使用者の意志に基づいて前
記進化適応系の進化中の淘汰を行い、進化適応系の制御
モジュールを使用者の意志に沿って進化させる。進化適
応系は、使用者の意志に合った最適制御モジュールを獲
得した後、制御モジュールを、その最適制御モジュール
に固定して、反射層から出力される基本制御量を補正す
る進化補正値による制御を行いながら、学習層にその最
適制御モジュールに関する情報を学習させる。尚、前記
制御モジュールとは、制御系のあるまとまった制御を行
う一単位をいう。学習層は、学習用と実行用に入れ替え
可能な二つの制御系を備え、一方の制御系(実行用)で
制御を実行している間、他方の制御系(学習用)で進化
適応層から進化した最適制御モジュールに関する入力と
出力との関係を学習する。学習用制御系での学習が終了
すると、制御を実行している制御系と学習後の制御系が
入れ替わり、学習後の制御系で学習結果から得られる制
御モジュールによる制御を開始し、制御を実行していた
制御系が学習用として機能し始める。学習層が学習した
最適制御モジュールに関する情報はICカードやフロッ
ピーディスク等の外部記憶手段に保存・読み出し可能に
され、必要に応じて使用者が過去の最適制御モジュール
に関する情報を外部記憶手段から読み出して、その情報
に基づいて学習層で基本補正量を出力することができる
ようにされている。尚、この学習層における制御系は初
期状態ではゼロを出力するように設定されており、従っ
て、初期状態では反射層と進化適応層とによる制御が行
われる。進化適応層は、最適な制御モジュールに関する
情報を学習層に学習させた後は、その出力をゼロに戻
し、その後は、使用者の意志に応じて作動する。上記し
た各層の働きにより、この進化的制御方式からの制御出
力は、使用者の意志によって刻々と変化し、その結果、
制御対象は使用者の意志に適応した特性に刻々と変化し
ていく。本明細書では、この進化的制御方式により制御
対象の特性が使用者の意志に適応した特性に進化してい
く状態を「調教」と称する。
【0006】図2は、上記した進化的制御方式を経時的
に示すフローチャートである。始めに使用者からの進化
開始の指示が有るか否かを判断し、使用者からの進化開
始指示が入力されると以下の進化処理を開始する(ステ
ップa)。使用者からの進化開始指示が入力されると、
進化適応層は、その制御モジュールから所定の数の進化
用制御モジュールを生成する。これら進化用制御モジュ
ールは、使用者の意志に基づいて淘汰され、残った制御
モジュールからさらに所定の数の進化用制御モジュール
を生成する。この進化用制御モジュールの生成と使用者
の意志に基づく淘汰は、その時の使用者の意志に合った
最適な制御モジュールを獲得するまで(又は所定の回
数)、繰り返し行われ(ステップb)、その時点で使用
者の意志に最も合った最適制御モジュールを獲得する
(ステップc)。最適制御モジュールを獲得すると、進
化適応層は、その制御モジュールを最適制御モジュール
に固定し、その制御モジュールに基づいて補正値(以
下、この補正値を進化補正値と称する。)を出力して、
反射層から出力される基本制御量を補正する。学習層で
は、進化適応層が最適制御モジュールに固定された時の
進化適応層の入出力関係と学習層の実行用制御系の入出
力関係を学習用制御系で合わせて学習する。この間、制
御対象の制御は、反射層、学習層の実行用制御系、及び
進化適応層により実行される。尚、初期状態において
は、学習層からの出力はゼロに設定されている(ステッ
プd)。反射層からの基本制御量に学習層における学習
用制御系の出力(以下、この出力を仮想補正量と称す
る。)を加えた値と、実際の制御出力(基本制御量+学
習層の実行用制御系の補正量(以下、この補正量を基本
補正量と称する。)+進化補正量)との差がしきい値よ
り小さくなった時点で学習層における学習用制御系は学
習を終了し、学習用制御系と実行用制御系とが入れ替わ
って、学習後の制御系が実行用として機能し、制御を実
行していた制御系が学習用として機能し(ステップ
e)、反射層と学習層とによる制御が行われる(ステッ
プf)。進化適応層は、最適な制御モジュールに関する
情報を学習層に学習させた後は、その出力をゼロに固定
し、以後は、使用者からの進化開始指示が入力されるま
で待機する(ステップa)。
【0007】次に、上記した進化的制御方式によって車
両用エンジンを制御する第1の実施例に基づいて、進化
的制御方式について、さらに具体的に説明する。図3
は、エンジン1と前記進化的制御方式を実行する制御装
置10との関係を示す概略図である。図面に示すよう
に、制御装置10は、エンジン回転数、スロットル開
度、吸気温度、大気圧、空燃比(A/F)、及び車速等
の情報を入力し、これらの入力情報に基づいてインジェ
クタ3の噴射時間、点火プラグ5の点火時期、及び吸気
バルブ7のバルブタイミングを制御して、燃費性能と加
速性能の両立を図ったエンジン制御を行う。図4は、前
記制御装置10の概略ブロック図である。この制御装置
10は、上述したように反射層、学習層、及び進化適応
層から成る。
【0008】(反射層について)反射層は、エンジン回
転数、スロットル開度、吸気温度、及び大気圧等を入力
して、これらの入力信号に基づいて予め決められた数式
をモデル化した方程式からインジェクタ3の噴射時間、
点火プラグ5の点火時期、及び吸気バルブ7のバルブタ
イミングを制御する基本制御量を決定して出力する。
【0009】(進化適応層について)進化適応層は、評
価系と進化適応系とから成る。図5は、進化適応層及び
学習層の基本動作のフローチャートである。以下、この
フローチャートを参照して進化適応層の基本動作につい
て説明する。 ・ステップ1:初期集団(第1世代)の生成 進化適応系は図6に示すように、エンジン回転数、スロ
ットル開度、吸気温度、及び大気圧を入力し、燃料噴射
補正量、点火時期補正量、及びバルブタイミング補正量
を出力する4入力3出力式の階層型ニューラル回路網か
ら成る制御モジュールを備えており、使用者からの進化
開始指示が入力されると、そのニューラル回路網の結合
係数を遺伝子として乱数を用いてコーディングし、複数
の個体(本実施例では9個の個体1〜9)からなる第1
世代を生成する。尚、前記個体とは、遺伝的アルゴリズ
ムの中の一個の染色体をいう。各個体の遺伝子の値(即
ち、ニューラル回路網の結合係数の値)の初期値は予め
決められた範囲内(ほぼ−10〜10の間)でランダム
に決定する。またこの時、全ての遺伝子(結合係数)の
値が0になる個体を一つ生成することで、進化の過程で
進化前の性能を下回らないようにすることができる。 ・ステップ2:各個体の特性データの算出 次に、反射層及び学習層の出力に第1世代における1番
目の個体1の結合係数を用いた進化適応層の出力(以
下、この出力を仮補正量と称する。)を足し合わせた値
を用いて燃料噴射量、点火時期、吸気バルブのタイミン
グを制御する。この時の進化適応層の出力である仮補正
量Yは、前記個体1の結合係数を適用したニューラル回
路網に、その時のエンジン回転数、スロットル開度、吸
気温度、及び大気圧を実際に入力してニューラル回路網
の出力xを決定し、さらにこの出力を次式(1)を用い
て線形変換して得られる。また、エンジン回転数等の入
力情報は正規化したものを用いる。 Y = 2×Gx−G (1) ここで、Yは仮補正量、xはニューラル回路網の出力、
Gは進化適応層出力ゲインである。このように、ニュー
ラル回路網の出力xを線形変換して用いることにより、
進化適応層から出力される補正量の値が極端に大きくな
ることがなく、全体として進化がすこしづつ進むように
なり、エンジンの挙動が評価や進化のために極端に変動
することがなくなる。そして、進化適応層から個体1を
用いた仮補正量Yを出力したままの状態で、しばらく走
行し評価系に評価用情報(空燃比及び車速等)を入力す
る。評価系では、この評価用情報に基づいて、個体1を
用いて制御されたエンジンのトルク及び燃費を求め、個
体のトルク及び燃費に関する特性データを図7に示す表
現方法を用いて、例えばメータ部等に設置されたディス
プレイ上に表示する。図7(a)〜(c)は個体の評価
の表現方法の一例を示す図であり、各図において四角形
の横幅はトルクの大きさを、色(濃淡)は燃費を示し、
また、縦幅は速度を三段に分割して示している。トルク
は横幅の大きさに比例して大きくなり、また燃費は色の
濃さに比例して良くなり、また、速度は、上段が高速、
中段が中速、そして、下段が低速を表している。上記し
た各個体の特性データの算出は、第一世代の全ての個体
に対して行われ、各個体の特性データは、図8に示すよ
うに同時に一画面に表示される。 ・ステップ3:使用者による評価及び淘汰 9個の個体1〜9の全てに対する特性データの表示が終
了すると、制御は一度評価モードに入る。この評価モー
ドでは、使用者がディスプレイ上に表示された特性デー
タを見て試走してみたい個体を選択すると、進化適応層
が、そのニューラル回路網を使用者に選択された個体の
結合係数に一時固定して、選択された個体による制御を
行う。これにより、使用者はディスプレイ上に表示され
た9個の個体の特性を、実際に走行した乗り心地等から
判断し、各個体の適応度を乗り心地から評価する。使用
者は、ディスプレイ上に視覚表現された個体の特性デー
タと、実際に走行した時の乗り心地とに基づく各個体の
評価を終了した段階で、制御を淘汰モードに切り替え、
第1世代の個体の淘汰を行う。この淘汰は、例えば、デ
ィスプレイを淘汰モードに切り替え、図8に示すよう
に、ディスプレイをタッチすることにより、第1世代の
個体の中から使用者に、好みの特性を持つ個体を幾つか
選択させ、使用者に選択された個体を親個体として残
し、それ以外の個体を消去することにより行われ得る。 ・ステップ4:交叉 使用者による親個体の選択が終了すると、選択された親
個体の中から乱数を用いて2個の親個体を選択し、これ
らに交叉演算を施して2個の子個体を生成する(図9参
照)。この処理を5回行うことにより、再び、9個の子
個体からなる集団、即ち、第2世代が生成される(10
番目の子個体は捨てる)。前記個体間の交叉には、例え
ば、1点交叉、2点交叉、又は正規分布交叉等の手法が
用いられる。正規分布交叉とは、実数値表現の染色体
(個体)について、両親を結ぶ軸に対して回転対称な正
規分布にしたがって子を生成する方法である。正規分布
の標準偏差は、両親を結ぶ主軸方向の成分については両
親間の距離に比例させ、その他の軸の成分については両
親を結ぶ直線と集団からサンプルした第3の親との距離
に比例させる。この交叉方法は、親の特質が子に引き継
がれやすいという利点がある。 ・ステップ5:突然変異 9個の子個体を生成した後、これらの子個体に対して、
ある確率で遺伝子に突然変異を施し、結合係数に変位を
与える(図10参照)。 ・ステップ6 ステップ2〜ステップ6までの処理を使用者が満足いく
特性を持つ個体が得られるまで、繰り返し行い、使用者
は、満足いく個体が得られた時点で、その個体を最適個
体とする指示を与え進化処理を終了させる。進化適応層
は、使用者により最適個体が選択されると、そのニュー
ラル回路網の結合係数を最適個体で固定する。進化適応
層は、ニューラル回路網が最適個体で固定された後は、
そのニューラル回路網により得られる実際のエンジン回
転数等の入力情報に対する進化補正量による制御を行
う。進化適応層が進化補正量による制御を実行し始める
と、学習層の学習用ニューラル回路網は、進化適応層の
入力と出力との関係を、学習層の実行用として機能して
いるニューラル回路網の入力と出力との関係と合わせて
学習する。この間、進化適応層の出力は、それ以前の評
価関数を最大とした個体により行われ、制御則が時間的
に変化することはない。前記した学習では、進化適応層
と学習層の実行用ニューラル回路網との入出力を、ある
ステップ幅で平均化し、これを入出力データとして教師
データ集合の更新に用いる。例えば、1秒間の平均エン
ジン回転数が5000rpm、平均スロットル開度が2
0、平均吸気温度が28℃、平均大気圧が1013hP
aであった場合、これらと、その時の進化適応層及び学
習層における実行用ニューラル回路網の出力(即ち、進
化補正量及び基準補正量)を合わせたものを入出力デー
タとして用いる(図11参照)。この入出力データを、
以前の教師データに加えて新しい教師データ集合を得
る。この時、教師データ集合における新しいデータとの
ユークリッド距離が一定値以内の古い教師データは消去
する。この様子を図12に示す。また、教師データ集合
の初期値は、すべての入力データに対して出力をゼロに
しておく。学習層では、更新された教師データ集合に基
づいて、学習用ニューラル回路網の結合係数の学習を行
う。前記結合係数の学習は、学習中の学習用ニューラル
回路網の出力(即ち、仮想補正値)と反射層からの基本
制御量とから得られる仮想制御出力と、実際の制御出力
との間の誤差がしきい値以下になるまで行われ、この学
習が終わると、学習用のニューラル回路網は実行用にな
り、もとの制御用のニューラル回路網が学習用となる。
この後、学習層は新しく得られた実行用のニューラル回
路網により基本補正量を決定して実際に出力し、同時
に、進化適応層の出力はゼロになり、学習層と反射層と
による制御が行われる。また、学習層の実行用のニュー
ラル回路網の初期値は、出力が常にゼロになるように設
定しておく。こうすることで、初期状態においては、反
射層と進化適応層のみで制御をおこなうようにできる。
学習済みの実行用ニューラル回路網の結合係数は、フロ
ッピーディスクやICカード等の外部記憶媒体に記録
し、保存、読み出しを可能とし、これにより、一度進化
により得られた最適個体の特性を何時でも再現できるよ
うにする。こうすることで、走行場所や道路状況あるい
はその時の気分に合わせて、使用者の好みの特性を即座
に実現てきるようになる。又、上記した遺伝的アルゴリ
ズムによる制御モジュールの進化処理は、使用者の指示
により何時でも行えるようにされている。
【0010】図13は、上記した進化処理によって得ら
れる制御と進化前の制御との比較を、インジェクタに対
する噴射パルスを例に挙げて示す図である。このよう
に、上記した進化処理により、エンジンは、使用者の好
みに合わせてドライバビリティ性能重視型又は燃費重視
型に調教されていく。
【0011】次に、本発明に係る進化的制御方式の第2
の実施例について図14〜図19を参照して説明する。
この第2の実施例と前記した第1の実施例との違いは、
評価系における進化適応系の進化用制御モジュール(個
体)の淘汰を、第1実施例の場合は使用者の直接的な指
示に基づいて行うのに対して、第2実施例の場合は、使
用者の意志を推定し、推定結果に基づいて自律的に行う
ことにある。尚、この第2実施例の制御装置は、第1の
実施例と同様に車両用エンジンを制御するものとする。
図14は、制御装置の概略ブロック図である。この制御
装置は、第1実施例の制御装置と同様に、反射層、学習
層、及び進化適応層から成る。
【0012】(反射層について)反射層は、エンジン回
転数、スロットル開度、吸気温度、及び大気圧等を入力
して、これらの入力信号に基づいて予め決められた数式
をモデル化した方程式からインジェクタの噴射時間、点
火プラグの点火時期、及び吸気バルブのバルブタイミン
グを制御する基本制御量を決定して出力する。
【0013】(進化適応層及び学習層について)進化適
応層は、評価系と進化適応系とから成り、評価系は使用
者の操作特性に関する情報を入力して使用者の意志を推
定する意志推定系と、意志推定系で推定した使用者の意
志に基づいて進化適応層で生成された個体の評価及び淘
汰を行う淘汰系とを備えている。図15は、進化適応層
及び学習層の基本動作のフローチャートである。以下、
このフローチャートを参照して進化適応層の基本動作に
ついて説明する。 ・ステップ1:初期集団(第1世代)の生成 進化適応系は、第1実施例と同様、エンジン回転数、ス
ロットル開度、吸気温度、及び大気圧を入力し、燃料噴
射補正量、点火時期補正量、及びバルブタイミング補正
量を出力する4入力3出力式の階層型ニューラル回路網
から成る制御モジュールを備えており、使用者からの進
化開始指示が入力されると、そのニューラル回路網の結
合係数を遺伝子として乱数を用いてコーディングし、複
数の個体(本実施例では9個の個体1〜9)からなる第
1世代を生成する。尚、前記個体とは、遺伝的アルゴリ
ズムの中の一個の染色体をいう。各個体の遺伝子の値
(即ち、ニューラル回路網の結合係数の値)の初期値は
予め決められた範囲内(ほぼ−10〜10の間)でラン
ダムに決定する。またこの時、全ての遺伝子(結合係
数)の値が0になる個体を一つ生成することで、進化の
過程で進化前の性能を下回らないようにすることができ
る。 ・ステップ2:各個体に対する操作特性の算出 次に、反射層及び学習層の出力に第1世代における1番
目の個体1の結合係数を用いた進化適応層の出力(以
下、この出力を仮補正量と称する。)を足し合わせた値
を用いて燃料噴射量、点火時期、吸気バルブのタイミン
グを制御する。この時の進化適応層の出力である仮補正
量Yは、第1実施例と同様、ニューラル回路網にその時
のエンジン回転数等を正規化して入力して得られた値を
線形変換して算出する。そして、進化適応層から個体1
を用いた仮補正量Yを出力したままの状態で、所定の時
間△Tの間、実際に走行する。進化適応層の評価系は、
この間の使用者の操作状態に関する情報を入力し、この
操作状態に関する情報に基づいて使用者の操作特性を算
出する。本実施例では、前記操作特性は使用者の操作の
「滑らかさ」であり、この滑らかさの度合いを「滑らか
度f」として算出し、ステップ2の処理では、この「滑
らか度f」に基づいて後述する処理で生成された9個の
個体の淘汰を行うために全ての個体に対する「滑らか度
f」を算出する。図16は、スロットル操作に基づい
て、その操作特性としての滑らか度fを算出するための
スロットル開度の変化と滑らか度fとの関係を示す概念
図であり、図17は個体毎の「滑らか度f」の算出処理
の一例を示すフローチャートである。図面に示すよう
に、操作状態として各個体を用いた制御を行う所定の時
間△Tの間のスロットル開度(即ち、使用者のスロット
ルの操作状態)を入力し、この期間△T中、予め決めた
単位期間△t毎の時間Un−1から時間Unまでのスロ
ットル開度の変化量の絶対値を積算し、その積算値を正
規化して滑らか度fを求める(次式(2)参照)。 式中、a及びbは正規化定数を示す。 ・ステップ3:滑らか度fに基づく個体の淘汰 上記した式(2)により求められた滑らか度fは、図1
8に示すように使用者がスロットルを短時間に頻繁に開
閉していれば小さくなり(図18(a)及び(b)参
照)、また、余り頻繁に開閉しなければ大きくなる(図
18(c)参照)。即ち、滑らか度fが大きくなればな
る程、使用者の操作が滑らかであり、滑らか度fが小さ
くなれば成る程、使用者の操作が滑らかではなくなる。
もし、使用者が、その時のエンジン特性に満足していれ
ば、そんなに極端にスロットルの操作を変えないが、そ
の時のエンジン特性に満足していなければ、頻繁にスロ
ットルを操作して自分の満足する特性を得ようとすると
考えられるので、この滑らか度fの大きさは、各個体を
用いた制御に対する満足度の高さに比例すると考えられ
る。従って、ステップ2で全ての個体に対する滑らか度
fを算出した後、図19に示すように、滑らか度fの大
きい順に予め決めた数の個体(図19の例では3個の個
体)を次世代の親個体として残して他の個体を淘汰す
る。 ・ステップ4:交叉 滑らか度fに基づく親個体の選択が終了すると、選択さ
れた親個体を用いた交叉演算を行い、再び9個の個個体
からなる次世代を生成する。 ・ステップ5:突然変異 9個の子個体を生成した後、これらの子個体に対して、
ある確率で遺伝子に突然変異を施し、結合係数に変位を
与える。 ・ステップ6 ステップ2〜ステップ6までの処理を使用者が満足いく
特性を持つ個体が得られるまで、又は、所定世代数進化
処理が終了するまで繰り返し行い、最終世代で一番滑ら
か度fの高い個体を最適個体として進化処理を終了させ
る。進化適応層は、使用者により最適個体が選択される
と、そのニューラル回路網の結合係数を最適個体で固定
する。進化適応層は、ニューラル回路網が最適個体で固
定された後は、そのニューラル回路網により得られる実
際のエンジン回転数等の入力情報に対する進化補正量に
よる制御を行い、学習層は、進化適応層が進化補正量に
よる制御を実行し始めると、進化適応層の入力と出力と
の関係を、学習層の実行用として機能しているニューラ
ル回路網の入力と出力との関係と合わせて学習する。
【0014】上記した滑らか度fは、使用者のスロット
ル操作の状態に基づいて算出されたものであり、その大
きさは使用者の満足度の高さに比例すると考えられるの
で、この滑らか度fに基づく個体の淘汰は、推定された
使用者の意志に基づく淘汰となり、これに基づいて進化
適応系の進化を行うと最終的には、使用者の好みに合っ
た特性まで自律的に進化して安定する。このように、使
用者の意志を推定して自律的に進化適応層を進化させる
ことにより、第1実施例のように使用者が、その意志を
直接的に制御に介在させるために自分自身で個体を評価
し、淘汰するという煩わしさがなくなる。
【0015】以上、図3〜図13を用いて使用者の直接
的な指示を用いた使用者の意志に基づく個体の淘汰につ
いてエンジン制御を例に挙げて第1実施例として説明
し、また、図14〜図19を用いて使用者の意志を推定
し、推定結果に基づいて個体の淘汰を行う制御をエンジ
ン制御を例に挙げて第2実施例として説明したが、使用
者の意志に基づく個体の淘汰方法はこれらの実施例に限
定されることなく、任意の方法でよく、例えば、使用者
の直接的な指示と使用者の意志の推定結果とを組み合わ
せて淘汰を行ってもよく、また、さらにシュミレータに
より何世代かの淘汰を行ってもよい。図20は、第1及
び第2実施例に示した淘汰方法に加えて、それ以外の淘
汰方法の一例を示す概略的なフローチャートを示す図で
あり、(a)及び(b)は各々第1実施例及び第2実施
例に係る淘汰方法を概略的に示している。図20(c)
は、始めの何世代かは使用者の意志の推定結果に基づい
て個体の淘汰を行い、その後、使用者が手動により淘汰
を行う例を示している。この場合、推定結果による淘汰
の世代数と手動による淘汰の世代数とのバランスは任意
に設定される。このように先に推定結果による淘汰を行
い進化の方向を大まかに決定した後に、使用者が手動で
進化の方向を詳細に設定し、また、最終的な決定を行う
ようにすることで、使用者の意志に沿った進化を使用者
が手動で行う淘汰作業が軽減しながら達成できるという
効果を奏する。また、図20には示していないが、予め
使用者が手動による淘汰を何世代か行って、ある程度進
化の方向づけを行った後に、推定結果を用いた淘汰を行
うことも考えられ、このように使用者が予め進化の方向
付けをすることで進化が収束する世代数を少なくするこ
とができるという効果を奏する。また、上記した手動に
よる淘汰と推定結果に基づく淘汰の組み合わせは、必要
に応じて適当回数繰り返すこともできる。図20(d)
は、予めシュミレータにより何世代かの淘汰を行い、そ
の後、意志の推定結果による淘汰を何世代か行って、最
後に使用者の直接的な指示による手動淘汰を行う例を示
している。この場合、予めシュミレータにより何世代か
の淘汰が行われ、進化が進んだ状態で意志の推定結果に
よる淘汰を始めるので、各個体を用いて実際に走行する
時に極端に使用者に意志から外れた個体が存在すること
を避けることができ、淘汰に関する使用者の負担を軽減
することができるという効果を奏する。また、この例の
ようにシュミレータによる淘汰の後にさらに意志の推定
結果による淘汰を行い、最後に手動による淘汰を行うこ
とで使用者の意志が最も反映された最適な進化を使用者
の手動淘汰を最低限に抑えながら得ることができるとい
う効果を奏する。また、図20には示していないが、シ
ュミレータによる淘汰を行った後に意志の推定結果によ
る淘汰を行わずに使用者の手動による淘汰を行ってもよ
く、また、シュミレータによる淘汰を行った後に意志の
推定結果による淘汰だけを用いて進化を収束させてもよ
い。上記したように、手動による淘汰、意志の推定結果
による淘汰に加えてシュミレータによる淘汰は、単独だ
けでなく任意に組み合わせて用いることが可能であり、
勿論、図20に示したものに制限されるものではない。
【0016】以上説明した実施例では、進化的制御方式
の制御対象として車両用エンジンを適用しているが、こ
の進化的制御方式の制御対象は本実施例に限定されるこ
となく任意のものでよく、例えば、車体のサスペンショ
ンやシートのダンパー特性の制御又は、電気モータやエ
ンジンを補助動力とする自転車或いは車イスにおける補
助動力のアシスト特性、又はパーソナルロボットの動作
特性(きびきびした動作やのんびりした動作)の制御に
適用してもよい。また、本実施例では、制御出力として
噴射時間、点火時期、及び吸気バルブタイミングを用い
ているが、制御対象としてエンジンを適用する場合の制
御出力は上記の他、例えば、電子スロットル開度、バル
ブリフト量、排気バルブタイミング、又は吸排気制御用
バルブタイミング等が考えられ得る(図3参照)。ここ
で、吸気制御用バルブとは、タンブル及びスワールの制
御を行うために吸気管に設けられるバルブであり、ま
た、排気制御バルブとは、排気脈動を制御するために排
気管に設けられるバルブである。また、本実施例では、
学習層を階層型ニューラル回路網で構成しているが、学
習層の制御系の構成は本実施例に限定されることなく、
例えば、CMAC(Cerebellar Model Arithmetic Compu
ter)を用いてもよい。CMACを用いる利点としては、
階層型ニューラル回路網に比べて、追加学習の能力が優
れていること、学習が高速である等が挙げられる。さら
にまた、上記した第2の実施例では、操作状態としてス
ロットル開度を用い、そのスロットル開度に基づいて操
作特性としての滑らか度fを算出しているが、使用者の
操作特性を得るための操作状態に関する情報は、本実施
例に限定されることなく、本発明に係る進化的制御方式
を適用する制御対象に応じて様々な操作手段に関する情
報が考えられ、例えば、以下の操作手段に関する情報が
考えられ得る。 (1) 車両に適用する場合 スロットルグリップ(アクセルペダル)・ブレーキレバ
ー(ペダル)・クラッチレバー(ペダル)・ハンドル・
変速機構 (2) 電気モータ又はエンジンを補助動力とする自転車に
適用する場合 ペダル・ブレーキレバー・ハンドル・変速機構 (3) 電動車イスに適用する場合 ジョイスティック(介護モード時は、介護者の車イスに
対する操作) (4) 補助動力タイプ車イス 車輪の操作リング (5) 船外機 スロットルレバー・ハンドル (6)ウォータビークル スロットルグリップ・ハンドル (7) 無人ヘリコプタ ジョイスティック (8) パーソナルロボット 各種スイッチ・音声 また、上記した第2の実施例では、操作特性として、使
用者の操作手段を操作する時の滑らか度を用いている
が、操作特性は本実施例に限定されることなく、使用者
の意志を推定し得る、使用者の意志に沿って(比例し
て)変化する操作手段の特性であれば任意の特性でよ
く、例えば、ジャーキネスでもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明した本発明に係る進化的制御方
式によれば、制御対象の特性を制御する制御系の制御特
性に影響を及ぼす係数を用いて複数の染色体を生成し、
使用者の意志に基づいて染色体の淘汰を行いながら遺伝
的アルゴリズムにより染色体を進化させるので、出荷後
に製品の特性を使用者の意志に合わせて変えることがで
き、使用者毎にカスタマイズされたユーザフレンドリな
製品を提供することができるという効果を奏する。ま
た、制御対象の特性を、使用者が自分の意志に基づいて
変更することができるので、使用者の製品購入時の選択
範囲を製品の特性が制限することがなくなり、また、使
用者に製品を自分独自の特性をもつ製品に調教するとい
う意識上の楽しみを与えることができるという効果を奏
する。さらにまた、進化を実現する手段として遺伝的ア
ルゴリズムを用いているので、制御対象の進化を効果的
に行うことができる。また、請求項2に係る進化的制御
方式によれば、使用者の意志を使用者の指示及び又は使
用者の制御対象に対する操作特性に基づく推定により得
るので、使用者の制御対象の特性に対する絶対的な好み
(例えば、車両の場合では、出足がよく、高速の伸びが
あって、安定感がある等)を推定するという比較的困難
で時間のかかる処理を直接的に行う必要がないので、処
理が簡単になり、かつ、この処理を複数回繰り返すこと
により最終的に使用者の絶対的な好みに近い特性を得る
ことができるという効果を奏し、また、これらを単独で
用いる場合には、使用者の指示により得る場合は使用者
の意志の判定が行い易く、また、推定により得る場合は
使用者の意志を得るために使用者にかかる負担が少ない
という効果を奏し、また、これらを任意に組み合わせて
使用者の意志を得る場合には、両者の利点を同時に生か
すことができるという効果を奏する。また、請求項3及
び請求項4に係る進化的制御方式によれば、大枠での淘
汰を自動的に行うが最終決定を使用者に委ねているの
で、使用者に対する「調教」の楽しみを損なうことな
く、使用者が行う淘汰作業の負荷を軽減することができ
るという効果を奏する。さらに、請求項5に係る進化的
制御方式によれば、使用者が、淘汰作業において製品の
特性を表すデータを参考にできるため、淘汰作業の負荷
が軽減できるという効果を奏する。さらに、請求項6及
び7に係る進化的制御方式によれば、操作特性として、
使用者の意志が反映し易い操作の滑らかさを用い、その
操作の滑らかさを、操作量の変化及び/又は操作回数に
基づいて求めるので、比較的簡単な処理で正確に使用者
の意志を推定することができるという効果を奏する。ま
た、請求項8に係る進化的方式によれば、進化による制
御対象の動作特性の変化幅に制限を設けているので、例
えば、車両のエンジン特性の制御に適用した場合に、エ
ンジン特性の変化により、制御対象となるエンジンが排
ガスの環境基準をクリアできなくなる等、必要以上に制
御対象の動作特性が変化することを防止できる。さら
に、請求項9に係る進化的制御方式によれば、使用者が
気に入った特性の保存と呼び出しがいつでもできるた
め、その時の気分や環境に応じて制御対象の動作特性を
すばやく変更することができる。さらにまた、請求項1
0に係る進化的制御方式によれば、車両のエンジン特性
を使用者の好みに応じて自由に設定できるため、使用者
毎に常に最適なエンジン特性を得ることができる。ま
た、請求項11に係る進化的制御方式によれば、車両の
サスペンションやシートのダンパ特性を使用者の好みの
応じて自由に設定できるため、使用者毎に常に最適な車
体特性を得ることができる。さらに、請求項12に係る
進化的制御方式によれば、補助動力付き自転車や車イス
のアシスト特性を使用者の好みの応じて自由に設定でき
るため、使用者毎に常に最適なアシスト特性を得ること
ができる。また、請求項13に係る進化的制御方式によ
れば、パーソナルロボットの動作特性を使用者の好みの
応じて自由に設定できるため、使用者毎に常に最適な動
作特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る進化的制御方式の基本概念を示
すブロック図である。
【図2】 図1に示した進化的制御方式を経時的に示す
フローチャートである。
【図3】 エンジン1と前記進化的制御方式を実行する
制御装置10との関係を示す概略図である。
【図4】 制御装置10の概略ブロック図である。
【図5】 遺伝的アルゴリズムによる進化適応層の進化
と学習層の学習に関するフローチャートである。
【図6】 ニューラル回路網のコーディングを概念的に
示す図である。
【図7】 (a)〜(c)は各々個体の特性の視覚的表
現方法を示す図である。
【図8】 9個の個体からなる集団の特性の視覚的表現
方法を示す図である。
【図9】 個体間の交叉を概念的に示す図である。
【図10】 個体の突然変異を概念的に示す図である。
【図11】 教師データ集合が新しい教師データを獲得
する状態を概念的に示す図である。
【図12】 教師データ集合の更新を概念的に示す図で
ある。
【図13】 進化前と進化後の制御出力の比較をインジ
ェクタの噴射パルスを例に挙げて示す図である。
【図14】 制御装置の概略ブロック図である。
【図15】 進化適応層及び学習層の基本動作のフロー
チャートである。
【図16】 スロットル操作に基づいて、その滑らか度
fを算出するためのスロットル開度の変化と滑らか度f
との関係を示す概念図である。
【図17】 「滑らか度f」の算出処理の一例を示すフ
ローチャートである。
【図18】 (a)〜(c)は、個体別のスロットル開
度の経時的な変化と、滑らか度fとの関係を示す図であ
る。
【図19】 滑らか度fに基づく個体の淘汰を概念的に
示す図である。
【図20】 (a)は第1実施例における淘汰の概略的
なフローチャートであり、(b)は第2実施例における
淘汰の概略的なフローチャートであり、(c)及び
(d)は淘汰の別の実施例を示す概略フローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 エンジン 3 インジェクタ 5 点火プラグ 6 吸気バルブ 10 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/34 F02D 41/34 W 45/00 340 45/00 340Z F02P 5/15 G05B 13/04 G05B 13/04 G06F 15/18 550C G06F 15/18 550 F02P 5/15 Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の特性を制御する制御系の制御
    特性に影響を及ぼす係数を用いて複数の染色体を生成
    し、使用者の意志に基づいて染色体の淘汰を行いながら
    遺伝的アルゴリズムにより染色体を進化させることを特
    徴とする進化的制御方式。
  2. 【請求項2】 前記使用者の意志が、使用者の指示及び
    /又は使用者の制御対象に対する操作特性に基づく推定
    により得られ、 前記使用者の指示及び又は推定した使
    用者の意志に基づいて染色体の淘汰を自律的に行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の進化的制御方式。
  3. 【請求項3】 予め使用者が設定した進化方向に基づい
    て、染色体の一次淘汰を自動的に行い、その結果に対し
    て使用者の指示で最終淘汰を行うことを特徴とする請求
    項1又は2に記載の進化的制御方式。
  4. 【請求項4】 前記染色体の淘汰の一部が、内部モデル
    を用いて自動的に行われることを特徴とする請求項3に
    記載の進化的制御方式。
  5. 【請求項5】 使用者が、制御対象の特性を数字又は視
    覚表現等で表した特性表示及び/又は制御対象の実際の
    特性を参考にして、自分の好みに応じた染色体をボタン
    や音声にて選択し、それ以外の染色体を淘汰することで
    意志を指示することを特徴とする請求項1〜4の何れか
    一項に記載の進化的制御方式。
  6. 【請求項6】 使用者の意志を推定するための前記操作
    特性が、操作の滑らかさであることを特徴とする請求項
    2〜5の何れか一項に記載の進化的制御方式。
  7. 【請求項7】 前記操作の滑らかさを、操作量の変化及
    び/又は操作回数に基づいて求めることを特徴とする請
    求項6に記載の進化的制御方式。
  8. 【請求項8】 染色体の進化による制御対象の特性の変
    化幅に制限が設けられていることを特徴とする請求項1
    〜7の何れか一項に記載の進化的制御方式。
  9. 【請求項9】 進化により得られた制御系の制御特性を
    保存し、必要に応じて保存した制御特性を呼び出して、
    その制御特性を再現することを特徴とする請求項1〜8
    の何れか一項に記載の進化的制御方式。
  10. 【請求項10】 制御対象が車両用エンジンであり、制
    御系の制御特性が、エンジンの燃料噴射量、点火時期、
    電子スロットル開度、吸排気バルブタイミング、バルブ
    リフト量、吸排気制御バルブタイミング等の特性に関す
    る特性であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一
    項に記載の進化的制御方式。
  11. 【請求項11】 制御対象が車両であり、制御系の制御
    特性が、車体のサスペンション又はシートのダンパーの
    特性に関する特性であることを特徴とする請求項1〜9
    の何れか一項に記載の進化的制御方式。
  12. 【請求項12】 制御対象が電気モータ或いはエンジン
    を補助動力とする自転車又は車イスであり、制御系の制
    御特性が前記電気モータ或いはエンジンのアシスト特性
    に関する特性であることを特徴とする請求項1〜9の何
    れか一項に記載の進化的制御方式。
  13. 【請求項13】 制御対象がパーソナルロボットであ
    り、制御系の制御特性がパーソナルロボットの動作特性
    に関する特性であることを特徴とする請求項1〜9の何
    れか一項に記載の進化的制御方式。
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