JPH11326791A - 空間光変調装置および空間光変調装置の制御方法 - Google Patents

空間光変調装置および空間光変調装置の制御方法

Info

Publication number
JPH11326791A
JPH11326791A JP13077698A JP13077698A JPH11326791A JP H11326791 A JPH11326791 A JP H11326791A JP 13077698 A JP13077698 A JP 13077698A JP 13077698 A JP13077698 A JP 13077698A JP H11326791 A JPH11326791 A JP H11326791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching unit
switching
electrode
spatial light
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP13077698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3855454B2 (ja
Inventor
Shunji Uejima
俊司 上島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP13077698A priority Critical patent/JP3855454B2/ja
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to DE69830153T priority patent/DE69830153T2/de
Priority to KR1019997008584A priority patent/KR100604621B1/ko
Priority to PCT/JP1998/005366 priority patent/WO1999036824A1/ja
Priority to EP98955980A priority patent/EP0969306B1/en
Priority to US09/381,495 priority patent/US6381381B1/en
Publication of JPH11326791A publication Critical patent/JPH11326791A/ja
Priority to US09/991,336 priority patent/US6438282B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3855454B2 publication Critical patent/JP3855454B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エバネセント光を利用した光スイッチング素
子などの空間光変調装置において、処理速度のさらに速
い空間光変調装置を提供する。 【解決手段】 抽出面32を備えたスイッチング部30
をオン状態の第1の位置からオフ状態の第2の位置、あ
るいはこの逆の方向に移動する際に、抽出面32の向き
を傾けた状態で移動可能にする。抽出面32の向きを傾
けた状態で移動すると、移動開始直後に生ずる空間38
に空気16をスムーズに導入でき、また、移動中の空気
の抵抗も少なくなるなど、スイッチング部30の周囲の
流体との抵抗が小さくなるので移動速度が速くなり、応
答速度を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光演算、
光記憶装置、光プリンター、画像表示装置等に使用され
る光スイッチング素子(ライトバルブ)に適した空間光
変調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光をオンオフ制御できる空間光変調装置
としては液晶を用いたものが知られている。図25に、
その概略構成を示す。この空間光変調装置は、光スイッ
チング素子900として実現されており、偏光板901
および908、ガラス板902および903、透明電極
904および905、液晶906および907より構成
され、透明電極間に電圧を印加することにより液晶分子
の方向を変えて偏光面を回転させ光スイッチングを行う
ものである。例えば、このような光スイッチング素子
(液晶セル)を二次元に並べて液晶パネルとして画像表
示装置を構成することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この液晶を用いた光ス
イッチング素子(空間光変調装置)は、高速応答特性が
悪く、たかだか数ミリ秒程度の応答速度でしか動作しな
い。このため高速応答を要求される、光通信、光演算、
ホログラムメモリー等の光記憶装置、光プリンター等に
対し液晶を用いた空間光変調装置は難しかった。また、
液晶を用いた空間光変調装置では、偏光板により光の利
用効率が低下してしまうという問題もあった。
【0004】これらの用途に対応できる、高速動作の可
能な空間光変調装置が求められており、このため、光を
制御できるスイッチング要素を機械的に動かして高速で
変調できる空間光変調装置が開発されている。その1つ
は、マイクロミラーデバイスであり、このデバイスはミ
ラーをヨークで旋回可能に支持し、ミラーの角度を変え
て電気的または光学的な入力に対応して入射光を変調し
て出射するようになっている。
【0005】また、反射機能あるいは透過機能を備えた
平面要素を薄膜などで保持し、その平面要素を平行に動
かして入射光を変調することが可能であり、そのような
原理に基づき空間光変調装置を構成することも可能であ
る。本願出願人が出願中の、光を全反射して伝達可能な
導光部の全反射面に対しスイッチング部の抽出面を接触
させてエバネセント光を抽出し、スイッチング部の1波
長程度あるいはそれ以下の微小な動きによって、高速で
光を変調制御可能な光スイッチング素子もその1つであ
る。このエバネセント光を利用した光スイッチング素子
は、スイッチング部を支持する弾性の薄膜と、全反射面
に対峙した平面的な抽出面の位置を静電力で制御するた
めの電極とを備えた駆動部によって駆動されるようにな
っている。駆動部により、導光部の全反射面にスイッチ
ング部の抽出面が略接触した状態になると光を抽出して
出射することができ、また、全反射面から抽出面を離す
と光は抽出されないので光は出射されない。このよう
に、エバネセント波を利用した光スイッチング素子は、
全反射面に対し抽出面の位置を微少距離移動することに
より入射光を変調することができるので、高速動作が可
能な空間光変調装置の1つとして実現化に向けて鋭意開
発が進められている。
【0006】空間光変調装置において、動作速度をさら
に高速にすることは常に重要な課題であり、開発中のエ
バネセント光を利用した光スイッチング素子において同
様である。そこで、本発明においては、エバネセント光
を利用した光スイッチング素子のような、平面的な要素
を備えたスイッチング部を移動制御して光を変調する機
構を備えた空間光変調装置において、その動作速度をさ
らに高速化することができる空間光変調装置およびその
制御方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らが上述した
ような平面的な要素を備えた光スイッチング素子の動作
を研究したところ、微少な距離を高速で移動しながら行
われるスイッチング動作においては、スイッチング部の
抽出面と全反射面との間に封入される空気あるいは不活
性ガスなどの流体の抵抗、あるいは、スイッチング部が
移動する際の抵抗が無視できない抗力となっており、こ
のような流体の抵抗を抑制することにより動作速度を大
幅に向上できることを見出した。このような流体抵抗を
低減するには、真空中で光スイッチング素子を動作させ
れば良いが、スイッチング部あるいは駆動部の周辺環境
を真空にするためには耐圧容器などの付加部材が必要と
なり大型化およびコスト高の原因となる。また、製造過
程においても、真空にするための工程が必要である。さ
らに、真空雰囲気でのみ使用可能な光スイッチング素子
では、使用中に真空雰囲気が破られると一気に性能が低
下したり、あるいは動作不能になる恐れがあるので信頼
性についても問題がある。
【0008】そこで、本願の発明者らは、流体の抵抗を
スイッチング部の動きによって低減できるようにしてい
る。すなわち、本発明の空間光変調装置は、平面要素を
備えたスイッチング部と、このスイッチング部を平面要
素が第1の方向を向く第1の位置、およびこの第1の位
置から離れた第2の位置に移動可能な駆動手段とを有
し、この駆動手段は、スイッチング部の平面要素の向き
を、移動初期、移動中または移動末期に、第1の方向に
対し傾けることを特徴としている。まず、スイッチング
部を移動初期に傾けることにより、スイッチング部が移
動を開始するときにスイッチング部が離脱するために生
じる空間にスムーズに流体を流入させることができるの
で流体による抵抗を削減することができる。また、移動
中にスイッチング部を傾けることにより、平面要素が進
行方向に対し傾くのでスイッチング部が移動する際に受
ける流体の抵抗を削減することができる。そして、移動
末期にスイッチング部を傾けることにより、スイッチン
グ部が停止する際に閉じる空間から流体をスムーズに排
出することができるので、流体による抵抗を削減するこ
とができる。
【0009】本発明の空間光変調装置においては、この
ようにスイッチング部の移動初期、移動中および移動末
期の少なくともいずれかに平面要素の向きを傾けること
により流体の抵抗を削減することができ、移動初期、移
動中および移動末期の全てあるいはいずれか2つの状態
で傾けることにより、さらに流体による抵抗を削減する
ことができる。したがって、スイッチング部の移動中の
抵抗が減るので、移動速度は速くなり、変調処理速度を
向上することができる。また、圧力を下げたり、あるい
は真空にしなくても流体による抵抗を削減できるので、
空間光変調装置を圧力容器化する必要もなく、通常の環
境で使用することができる。したがって、動作速度が速
く、信頼性の高い空間光変調装置を低コストで提供する
ことができる。
【0010】特に、スイッチング部の平面要素に第1の
位置で接し、この平面要素の向きを第1の方向に規定す
る平面部材を備えた空間光変調装置においては、平面部
材によって流体の動きが制限されるので、スイッチング
部が受ける抵抗が大きくなる。さらに、移動初期あるい
は移動末期にスイッチング部を傾けることにより、第1
の位置においてスイッチング部の平面要素と平面部材と
の間に生ずる空間に流体をスムーズに流入あるいは排出
することができる。したがって、このような空間光変調
装置において本発明を適用することにより、動作速度を
大幅に向上することができる。上述したエバネセント波
を利用した空間光変調装置(光スイッチング素子は、こ
のタイプの空間光変調装置であり、本発明はエバネセン
ト波を利用した空間光変調装置に好適なものである。
【0011】スイッチング部に対し、その重心に対し非
対称な分布を備えた駆動力を印加することにより、スイ
ッチング部を非対称な状態、すなわち、傾いた状態にす
ることができるので、移動初期、移動中あるいは移動末
期にスイッチング部を傾けることができる。非対称な分
布を備えた駆動力を印加する方法としては、スイッチン
グ部の重心を立体中心からずらすことにより、スイッチ
ング部に対し配置的には対称な分布の駆動力を、重心に
対しては非対称な状態にすることができ、これによりス
イッチング部を傾けることができる。
【0012】また、駆動手段に、スイッチング部を弾性
的に支持する支持部材を設け、この支持部材の弾性定数
の分布を、少なくとも1部においてスイッチング部の重
心に対し非対称となるようにすることによっても、重心
に対し非対称な駆動力をスイッチング部に対し印加する
ことができる。さらに、駆動手段が、スイッチング部に
設けられた第1の電極と、この第1の電極に対峙する位
置に設けられた第2の電極とを備え、スイッチング部に
静電力を駆動力として印加できる場合は、第1または第
2の電極の形状またはそれらの間隔の少なくとも1部を
スイッチング部の重心に対し非対称な状態にすることに
より、非対称な駆動力をスイッチング部に対し印加する
ことができる。
【0013】また、上記の第1または第2の電極をスイ
ッチング部の重心に対しそれぞれ非対称な形状の第1お
よび第2の区画に分け、これらの区画に異なったタイミ
ングで、または、異なった電圧の電力を供給することに
よっても、非対称な駆動力をスイッチング部に対し印加
することができる。
【0014】さらに、スイッチング部は第2の位置にお
いて、第1の位置の向きに対し平行である必要はなく、
むしろ第2の位置において傾いた状態にすることによ
り、移動初期、移動中および移動末期の傾いた状態との
間でスムーズに移行することができる。したがって、さ
らに流体の抵抗を減らすことができ、動作速度を向上す
ることができる。
【0015】第2の位置でスイッチング部を傾いた状態
にするには、駆動手段の支持部材の弾性定数をスイッチ
ング部の重心に対し非対称にしたり、第1および第2の
電極の間隔を変えたり、スイッチング部が第2の位置で
接触する支持台とスイッチング部との間隔をスイッチン
グ部の重心に対し非対称にする方法がある。
【0016】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕図1に、本
発明に係る空間光変調装置10の概略構成を示してあ
る。本発明の空間光変調装置10は、光を全反射して伝
達可能な導光部20の全反射面22に対し、透光性の抽
出面32を備えたスイッチング部30を接触させてエバ
ネセント光を抽出し導光部20の入射光70を導光部2
0から出力できる、エバネセント波を利用した光スイッ
チング素子である。この光スイッチング素子10は、ス
イッチング部30の1波長程度あるいはそれ以下の微小
な動きによって、入射光70を高速で変調(オンオフ制
御)することができ、スイッチング部30を駆動するた
めに静電力とばね力を用いた駆動部40が設けられてい
る。
【0017】光スイッチング素子の構成を更に詳しく説
明すると、光スイッチング素子は、ガラス製で入射光7
0の透過率の高い光ガイド(導光部、カバーガラス)2
0を備えており、全反射面22で入射光70が全反射す
るように全反射面22に対し適当な角度で入射光70が
入射される。そして、この全反射面22に対し、図1
(a)に示すように、スイッチング部30の抽出面32
が全反射面22と平行な向き(第1の方向)で接近ある
いは密着してエバネセント光を抽出できる位置(第1の
位置)になると、導光部20から入射光70がスイッチ
ング部30に抽出される。本例のスイッチング部30は
抽出された入射光70を導光部20にむけて反射可能な
マイクロプリズム33を備えており、抽出された光は導
光部20を通ってほぼ垂直な出射光72となり出力され
る。一方、図1(b)に示すように、スイッチング部3
0が第1の位置から離れて、抽出面32が全反射面22
から離れた位置(第2の位置)になると、入射光70は
全反射面22で全反射され導光部20からエバネセント
光として抽出されない。したがって、出射光72は得ら
れない。
【0018】このように、本例の光スイッチング素子1
0においては、スイッチング部30を第1および第2の
位置に移動することにより、入射光70を出射光72と
して変調することができる空間光変調装置である。した
がって、光スイッチング素子10を用いて出射光72を
オンオフ制御できるので、光スイッチング素子をアレイ
状に配置して画像表示装置を構成するなど、先に説明し
た液晶あるいはマイクロミラーデバイスなどの空間光変
調装置と同様に用いることができる。さらに、エバネセ
ント光は、スイッチング部30を波長程度あるいはそれ
以下の距離を移動することにより制御できるので、スイ
ッチング部30を非常に高速で動作させることが可能で
あり、動作速度の速い光スイッチング素子として実現す
ることができる。
【0019】スイッチング部30を駆動するために、光
スイッチング素子10は、スイッチング部30の下方に
光スイッチング部30を動かす駆動部40の層と、およ
び駆動部40を制御する駆動用ICが構成されたシリコ
ン基板(ICチップ)60の層を備えている。駆動部4
0は、スイッチング部30のシリコン基板60の側(下
側)37に設けられたアドレス電極(第1の電極)42
と、シリコン基板60の上面にアドレス電極42に対峙
して設けられたベース電極(第2の電極)46とを備え
ている。そして、これらの電極42および46に電源部
61から直流電力が供給され、静電力を用いてスイッチ
ング部30を図1(b)に示す第2の位置に駆動できる
ようになっている。さらに、駆動部40は、スイッチン
グ部30の周囲に配置されたポスト41からスイッチン
グ部30に延びた薄膜状で弾性のあるヨーク(支持部
材)50および52を備えており、これらヨーク50お
よび52の弾性力でスイッチング部30を図1(a)に
示す第1の位置に保持できるようになっている。このよ
うに、本例の光スイッチング素子においては、駆動部4
0の電極42および46の間で生ずる静電力と、ヨーク
50および52の弾性力とのバランスによってスイッチ
ング部30の位置を制御し、入射光70を変調できるよ
うになっている。
【0020】さらに、本例の光スイッチング素子10に
おいては、ポスト41が基板60と導光部20との間隔
を一定に保つスペーサとしての機能も備えており、基板
60と導光部20との間にスイッチング部30が移動す
るために必要な空間が確保されている。また、ポスト4
1に対しスイッチング部30を支持するヨーク50およ
び52、さらにアドレス電極42は導電性薄膜材であ
り、例えばAl膜、Pt膜およびAg膜などが考えられ
るが、本例では、ボロンドープされた導電性および弾性
のあるシリコン薄膜で一体に構成されており、ヨーク5
0および52を介してアドレス電極42に電源部61か
ら電力を供給できるようになっている。さらに、基板6
0の表面には、ベース電極46と並んでスイッチング部
30の第2の位置のポジションを決めるストッパ48が
設けられており、第2の位置においてアドレス電極42
がベース電極46と直に接触して密着しないようにスト
ッパ48の高さが調節されている。
【0021】図2に、本例の光スイッチング素子のスイ
ッチング部30を下から見た様子を示してある。略直方
体状の対称な形状のスイッチング部30は、その立体中
心点(体心)14aに対して対称な4方向に放射状に延
びているヨーク50および52によりポスト41から支
持されている。本例の光スイッチング素子においては、
体心14aを通り図面の上下に延びる方向に立体中心線
14を仮定すると、この立体中心線14の図面上の左側
の区画12aと右側の区画12bに配置された各々2本
のヨーク50とヨーク52は材質および厚みは同じで、
幅が変えられており、ヨーク50の幅Wがヨーク52の
幅Wよりも狭くなっている。このため、駆動部40の一
部として弾性的にスイッチング部30を支持するヨーク
50とヨーク52は、その弾性力、すなわち、バネ係数
が異なり、左側の区画12aの弾性力が右側の区画12
bの弾性力よりも弱くなる。このように、本例の光スイ
ッチング素子においては、スイッチング部30が立体中
心線14の左右で異なった弾性定数のヨーク(支持部
材)50および52で支持されている。一方、本例のス
イッチング部30は左右の形状が対称なので体心14a
と重心14bの位置は一致しており、このため、スイッ
チング部30は重心14bに対し左右で非対称な弾性定
数を備えた支持部材によって支持されている。したがっ
て、この光スイッチング素子10の駆動部40の電極4
2および46に電力を供給して静電力でスイッチング部
30を駆動すると、左右でアンバランスな力がスイッチ
ング部30に作用する。この結果、スイッチング部30
は全反射面22に対し水平に動かず、傾いた状態で移動
する。
【0022】図3に、本例のスイッチング部30が傾い
た状態で移動する様子を段階的に示してある。図3
(a)は図1(a)に示したスイッチング部30が第1
の位置にある状態を示しており、この第1の位置では、
スイッチング部30の抽出面32が導光部20の全反射
面22に接し、第1の方向A、すなわち、本例において
は図面の上方を向き、光スイッチング素子10は出射光
を出力するオン状態になっている。この第1の位置にお
いては、駆動部40の電極42および46に対して電源
部61から電力は供給されておらず、スイッチング部3
0はヨーク50および52の発生する弾性力によって導
光部20の全反射面22に押し付けられ、抽出面32と
全反射面22がほぼ密着した状態となっている。
【0023】次に、図3(b)に示すように、電源部6
1をオンし、駆動部40のアドレス電極42とベース電
極46に電力を供給するとこれらの電極42および46
の間に静電力が働きスイッチング部30がベース電極4
6に引寄せられる。本例においては、アドレス電極42
およびベース電極46の面積、形状および間隔は立体中
心線14に対し対称に分布しているので、左右対称な静
電力がスイッチング部30に作用する。しかしながら、
静電力に対抗するように働くヨーク50および52の弾
性力は、上述したようにヨーク50および52の幅が異
なるので左右で弾性係数が異なり、発生する弾性力も異
なる。この結果、スイッチング部30に作用する駆動力
の分布は立体中心線14の左右で異なり、図3(b)に
示したスイッチング部30を第1の位置から第2の位置
に移動する過程の移動初期においては左側の区画12a
の駆動力が右側の区画12bの駆動力よりも大きくな
る。したがって、スイッチング部30の左側の区画12
aの方が先に移動を開始し、これに続いて右側の区画1
2bが移動を開始し、移動初期において抽出面32が第
1の方向Aに対し傾いた状態となる。
【0024】抽出面32が傾いた状態で移動を開始する
と、図3(b)に示すように、抽出面32はその左側か
ら徐々に全反射面22から剥離し、抽出面32と全反射
面22との間に空間38が形成される。そして、この空
間38にスイッチング部30の周囲の流体、本例におい
ては空気16が流入し、スイッチング部30が第2の位
置に向かって第1の方向Aと反対側の矢印Xの方向に移
動を開始する。そして、スイッチング部30が移動する
と、空間38は徐々に右側に広がりながら大きくなり、
その空間38に徐々に空気16が流入する。このよう
に、抽出面32が傾いた状態で移動が開始されると、初
期に全反射面22との間に形成される空間の体積は非常
に小さく、そこに流入する空気の量も少なくて済むので
空気抵抗は非常に小さい。これに対し、抽出面32を第
1の方向Aに向けて全反射面22と平行な状態に保った
まま移動を開始すると、移動初期に抽出面32の全体が
剥離するために形成される隙間が非常に大きくなり、流
入する空気の量も多くなる。したがって、空気の抵抗は
非常に大きい。このため、本例のように、移動初期に抽
出面32の向きを第1の方向Aに対し傾けることによ
り、空気抵抗を減少することが可能であり、移動初期に
おける駆動力が小さくて済み、移動が開始されるまでの
時間を短縮することができる。
【0025】特に、本例のエバネセント光を利用した光
スイッチング素子10においては、抽出面32と全反射
面22との間に若干の隙間が生じ、さらに抽出面32の
角度が変わるとエバネセント光の抽出量が極端に低下す
ると共に出射光の方向も変わる。したがって、出射光が
所定の方向に出力されるオンの状態から出射光が出力さ
れない、あるいは出射光の方向が変わるオフの状態にす
ばやく変化する。このため、移動初期に抽出面32の角
度を変えることにより、オン状態からオフ状態への移行
速度を非常に速くすることができる。
【0026】スイッチング部30は図3(b)に示すよ
うに、移動中も進行方向Xに対し傾いた状態となる。し
たがって、移動方向Xに存在する流体(空気)に対し、
スイッチング部30の底面、すなわち、アドレス電極4
2は傾いた状態で進み、空気16はアドレス電極42の
進行方向に対し傾いた表面に沿ってスムーズに流れ空気
抵抗は小さい。これに対し、抽出面32を第1の方向A
に保ったまま、アドレス電極42が進行方向Xに垂直な
状態で移動すると、アドレス電極42とベース電極46
との間で空気16を圧縮するようになるので、空気抵抗
は大きい。このように、移動中においても、スイッチン
グ部30の抽出面32を傾けることにより、空気抵抗を
減らすことができ、移動速度を速くすることができる。
【0027】図3(d)は、先に図1(b)で説明した
スイッチング部30が基板60のベース電極46にもっ
とも接近して停止した第2の状態を示しており、本例の
光スイッチング素子10においては、この第2の位置で
スイッチング部30の抽出面32は第1の位置と同様の
方向Aを向くようになっている。しかしながら、図3
(c)に示すように、スイッチング部30が停止直前の
移動末期においても、抽出面32は第1の方向Aに対し
傾いている。このため、アドレス電極42とベース電極
46との間の空間は、立体中心線14に対し左側の区画
12aの側から徐々に小さくなる。したがって、アドレ
ス電極42とベース電極46との間の空気は空間38が
斜めに徐々に狭くなるので、右側の区画12bの方向に
スムーズに流れ、アドレス電極42とベース電極46と
の間から放出される。この結果、移動末期においてもア
ドレス電極42とベース電極46との間にある流体(空
気)16による抵抗は非常に小さくなり、スイッチング
部30は第2の位置にすばやく到達する。また、移動末
期においてスイッチング部30が空気抵抗を受け難いの
で安定した位置に停止する。
【0028】本例の光スイッチング素子10は、電源部
61をオフすることにより、電極42および46の間の
静電力がなくなるので、駆動部40のヨーク50および
52の弾性力でスイッチング部30が図3(d)に示し
た第2の位置から、図3(a)に示した第1の位置に移
動する。この際は、右側の区画12bのヨーク52の弾
性力が左側の区画12aのヨーク50の弾性力よりも大
きくなるので、スイッチング部30に対しては右側に大
きな駆動力が作用する。したがって、抽出面32が第1
の方向Aに対し図面の左側に傾いた状態で移動を開始
し、図3(a)ないし図3(d)に示した状態を逆の順
番で辿り第2の位置から第1の位置に移動する。このた
め、スイッチング部30が第2の位置から第1の位置に
移動する際もスイッチング部30の周囲に存在する気体
の抵抗を抑制することができ、移動速度を向上すること
ができる。このように、本発明の光スイッチング素子1
0は、オンオフ動作(変調動作)の際に、いずれの方向
に移動するときもスイッチング部30が第1の方向Aに
対し傾いて剥がれ始め、傾いた状態で移動し、さらに傾
いた状態から第1の方向Aに向きながら停止する。この
ため、いずれの状態でもスイッチング部30が受ける空
気16の抵抗を小さくすることができ、高速で移動し、
応答速度の速い光スイッチング素子、すなわち、空間光
変調装置を提供することができる。
【0029】図4に、本例の光スイッチング素子10の
移動時間を、スイッチング部30が傾かずに移動する光
スイッチング素子の移動時間と比較して示してある。図
4(a)は、スイッチング部30が第1の位置から第2
の位置、すなわち、オン状態からオフ状態に切換わる際
のベース電極46とアドレス電極42の距離(間隔)d
と、切換え所要時間(経過時間)Tとの関係を示してあ
る。スイッチング部30の抽出面32が常に第1の方向
Aを向いて移動し、アドレス電極42がベース電極46
に対し常に平行に移動する場合は、スイッチング部30
に対し以下の式(1)に示す静電力Fsと、ヨーク50
および52の弾性力Feと、さらに、空気の抵抗力Fa
が主に作用し、一点鎖線81aに示すようなカーブを描
いて移動する。
【0030】Fs=εSV/d・・・(1) ただし、εは流体(空気)の誘電率、Sは電極の面積、
dは電極間の距離、Vは電圧を示す。
【0031】これに対し、本例の光スイッチング素子1
0においては、空気の抵抗力Faが上述したように削減
されるので、静電力Fsが大きくスイッチング部30に
作用する。その結果、実線80aに示すように、経過時
間TがΔT1(t2−t1)ほど短縮され、スイッチン
グ部30の移動速度、すなわち、応答速度が向上する。
【0032】図4(b)は、第2の位置から第1の位
置、すなわち、オフ状態からオン状態に切換わる際のス
イッチング部30の移動経過を示してある。第2の位置
から第1の位置に移動する間は、上述したように静電力
Fsは作用せず、スイッチング部30に対してはヨーク
50および52の弾性力Feと、空気抵抗Faが作用す
る。そして、スイッチング部30の向きを第1の方向A
に保ったまま移動する場合は、空気抵抗Faが大きく作
用し、一点鎖線81bのようにスイッチング部30が移
動する。これに対し、本例の光スイッチング素子10に
おいては、空気抵抗Faが削減されているので、実線8
0bに示すようにΔT2(t5−t4)ほど速く移動で
きる。したがって、本例の光スイッチング素子10は、
オンからオフに移動する速度も、オフからオンに移動す
る速度も速くなり、全体の応答速度を向上することがで
きる。
【0033】このように、スイッチング部30を第1の
位置から第2の位置、あるいはその逆方向に移動すると
きに、抽出面32の向きを傾けることにより空気抵抗を
小さくし、応答速度を速くすることができる。スイッチ
ング部30を傾けて移動するには、上記のように、スイ
ッチング部30の重心14bに対し非対称な分布の駆動
力を作用させれば良く、このため、上記では、重心14
bを通る立体中心線14に対する左右に位置するヨーク
50および52の幅を変えてそれぞれのヨークのばね係
数を変え、スイッチング部30にヨーク50および52
から印加される左右の弾性力の分布を非対称にしてい
る。ヨークのばね係数を変える要素はヨークの幅Wだけ
に限定をされないことはもちろんである。例えば、図5
に、ヨーク50および52の厚みUを変えて、ばね係数
を調整することができる。図5に示した例では、立体中
心線14の左側の区画12aに位置するヨーク50の厚
みUを右側の区画12bに位置するヨーク52の厚みU
より薄くしてあり、上記の例と同様にヨーク50のばね
係数がヨーク52のばね係数よりも小さくなるようにし
ている。したがって、図5に示した光スイッチング素子
10においても、スイッチング部30は上記と同様に動
き、応答速度を速くすることができる。
【0034】さらに、上記では、ヨーク50および52
の幅Wあるいは厚みUによってヨークの断面積を変える
ことによってそれぞれのヨーク50および52のばね係
数を変えているが、図6に示すようにヨーク50および
52の材質を変えてばね係数を変えることも可能であ
る。図6に示した光スイッチング素子10においては、
左側の区画12aに位置するヨーク50と、右側の区画
12bに位置するヨーク52にばね係数の異なった材
質、例えば、ボロンドープされたシリコン膜であれば、
ボロンの濃度を変えたり、あるいは、他の不純物をドー
プすることによってばね係数を変えた部材を用いてい
る。もちろん、シリコン膜の代わりに、有機性樹脂の薄
膜などをばね係数の異なるヨークの材料として採用する
ことも可能である。
【0035】また、図7に示すように、一方のヨークに
材質の同じ薄膜、あるいは材質の異なる薄膜を貼り付け
ることによっても左右のヨーク50および52のばね係
数を変えることができる。図7に示した光スイッチング
素子10においては、右側の区画12bに位置するヨー
ク52を材質の異なる2つの層52aおよび52bによ
って形成しており、他方の区画12aに位置するヨーク
50は1つの材質によって形成している。このような方
法によっても左右に配置されたヨーク50および52の
ばね係数を調整することが可能であり、上述したよう
に、スイッチング部30を傾いた状態で移動させること
ができる。
【0036】さらに、上記では、ヨーク50および52
のばね係数を変えることにより、スイッチング部30に
印加される弾性力の分布を非対称にしているが、ヨーク
50および52の配置を左右で変え、スイッチング部3
0の重心14bの周囲のばね常数の分布を非対称にする
ことも可能である。
【0037】図8は、先に説明した図2に対応する図面
であり、本例の光スイッチング素子10においては、立
体中心線14の左側の区画12aに1本のヨーク50を
配置し、右側の区画12bに2本のヨーク52を配置し
てある。このようなヨーク50および52の配置を採用
すると、右側の区画12bの方がヨーク52の本数が多
く、弾性力が大きくなる。したがって、左右の弾性力の
分布がアンバランスになるので、上述した例と同様にス
イッチング部30は第1の位置の向き(第1の方向)に
対し傾いた状態で移動し、空気抵抗を小さくすることが
できる。
【0038】図9には、立体中心線14の左側の区画1
2aにはヨークを配置せず、右側の区画12bにのみヨ
ーク52を配置してスイッチング部30を支持した例を
示してある。この光スイッチング素子10においては、
スイッチング部30が右側の区画12bでのみ弾性的に
支持されるので、立体中心線14に対し非対称な駆動力
がスイッチング部30に作用する。したがって、上記と
同様に移動の初期、間および末期においてスイッチング
部30は傾いた状態となり、移動中の空気抵抗を削減で
きので、応答速度の速い光スイッチング素子10を提供
することができる。
【0039】なお、上記においては、図1(b)あるい
は図3(d)に示すように、スイッチング部30がベー
ス電極46にもっとも近づいた第2の位置においてアド
レス電極42とベース電極46が平行になり、抽出面3
2が第1の位置の向きAと略同じ方向を向いて停止する
例を示してある。しかしながら、第2の位置において抽
出面32が第1の方向Aに対し傾いた状態とすることも
有効である。
【0040】図10は、スイッチング部30が移動末期
に傾いた状態となり、そのままの状態でヨーク52の弾
性力Feと、電極42および46によって生ずる静電力
Fsとがつりあい停止する例を示してある。すなわち、
本例の光スイッチング素子10のヨーク50および52
は、左側の区画12aのヨーク50のばね係数が、右側
の区画12bのヨーク52のばね係数よりも小さく、静
電力Fsが働いたときに、左側の区画12aにおいては
スイッチング部30のアドレス電極42がベース電極4
6の近傍に達しストッパ48で停止しているのに対し、
右側の区画12bではアドレス電極42がベース電極4
6の近傍に達しないところで力がつりあっている。した
がって、スイッチング部30は傾いた状態で停止してい
る。
【0041】このような傾いた状態で停止していると、
移動末期に傾いた状態からアドレス電極42がベース電
極46と平行な位置になるまで移動する時間を省くこと
ができ、また、逆に移動初期にアドレス電極42がベー
ス電極46から傾いた状態で剥離する時間も省くことが
できる。さらに、第2の位置では、抽出面32の向きが
全反射面22と平行である必要はなく、光スイッチング
素子(空間光変調装置)としての性能上はまったく問題
がない。そして、スイッチング部30は移動を開始する
とすでに傾いた状態になっているので、空気抵抗が少な
くでき高速に移動できる。このように、第2の位置にお
いてスイッチング部30を傾いた状態にすると、移動中
の空気抵抗を削減できると共に、スイッチング部30の
姿勢を変える時間も省くことが可能であり、さらに応答
時間を短縮し、非常に高速で動作可能な光スイッチング
素子を提供することができる。
【0042】図11に示した光スイッチング素子10
も、第2の位置においてスイッチング部30が傾いた状
態で停止するようになっている。このため、本例の光ス
イッチング素子においては、第2の位置でスイッチング
部30を支持する左右のストッパ48aおよび48bの
高さを変え、スイッチング部30の立体中心線14の左
右でスイッチング部30の移動可能な間隔を非対称にし
ている。このように高さの異なるストッパ48aおよび
48bを設けることにより、スイッチング部30のアド
レス電極42の右側の部分は、先にストッパ48bに当
たって停止し、傾いた状態となる。したがって、ヨーク
50および52あるいは電極42および46が左右対称
な分布となっていても第2の位置ではスイッチング部3
0は傾いた状態となり、この状態から移動開始すると
き、あるいはこの状態に停止する移動末期における空気
の抵抗を少ないすることができる。したがって、スイッ
チング部30の移動時間を短縮でき、応答速度の速い光
スイッチング素子を提供することができる。なお、上記
に示した例でも同様であるが、これらのストッパ48a
あるいは48bは、アドレス電極42がベース電極46
に直に接触するのを防止する度当たりとなり、それぞれ
の電極が接触して短絡したり、あるいは、電荷による吸
着が発生してはがれなくなるのを防止する機能も備えて
いる。
【0043】図12には、ベース電極46の一方の側に
のみストッパ48cを設けた光スイッチング素子10を
示してある。上記のように、ストッパ48の高さをスイ
ッチング部30の重心(立体中心線)の左右で非対称に
する代わりに、ストッパ48の配置を立体中心線14の
左右で非対称にすることによっても、第2の位置でスイ
ッチング部30を傾いた状態で停止できる。ストッパ4
8の分布を非対称にする場合は、アドレス電極42とベ
ース電極46が接触する可能性があるので、本例におい
ては、アドレス電極42の外面を絶縁部材の層49でコ
ーティングしてアドレス電極42とベース電極46が直
に接触することがないようにしている。
【0044】〔第2の実施の形態〕以上の例では、スイ
ッチング部30に対し、その重心に対し非対称な駆動力
を作用させ、スイッチング部30を傾けた状態で移動す
るために、ヨーク50あるいは52のばね係数、配置な
どを変えて重心に対する弾性力の分布を制御している
が、逆に、スイッチング部30の重心14bの位置を非
対称な位置に移動することによって重心14bの周りの
駆動力の分布を非対称にすることも可能である。
【0045】図13に、スイッチング部30の立体中心
線14の左側の区画12aに重り(バランサ)31を追
設して重心14bを左側の区画12aに移設した光スイ
ッチング素子10を示してある。なお、本実施の形態お
よび以下に示す実施の形態において、上述した実施の形
態と共通する部分については同じ符号を付して説明を省
略する。本例の光スイッチング素子10においては、重
心14bが体心14aを通る立体中心線14から左側に
ずれているので、左右の区画12aおよび12bの質量
が異なる。したがって、スイッチング部30が鉛直方向
に移動するように配置されているのであれば、この左右
の区画12aおよび12bの質量の相違は、重力加速度
の相違、すなわち重量相違として作用する。このため、
左右の区画12aおよび12bに同じ弾性力Feおよび
静電力Fsが作用しても左の区画12aが重いので上記
の実施の形態と同様にスイッチング部30は傾いて移動
する。一方、スイッチング部30が水平方向に移動する
ように配置されているのであれば、弾性力Feおよび静
電力Fsの作用する質量が相違するので、移動するとき
の加速度が異なる。したがって、この場合でもスイッチ
ング部30は傾いた状態で移動する。
【0046】このように、本例の光スイッチング素子1
0においても、スイッチング部30は移動初期、移動中
および移動末期において傾いた状態で移動するのでスイ
ッチング部30の周囲の流体(多くは空気であり、もち
ろん窒素などの不活性気体であってももちろん良い)か
ら受ける抵抗力を削減することができる。したがって、
上記の実施の形態と同様に応答速度のさらに速い光スイ
ッチング素子を提供することができる。
【0047】〔第3の実施の形態〕さらに、静電力Fs
の分布を調整してスイッチング部30に対する駆動力の
分布を重心14bに対し非対称にすることも可能であ
り、これによりスイッチング部30を傾けて移動させる
ことができる。静電力Fsは、先に式(1)で示したよ
うに、電極の面積Sおよび電圧Vに比例し、電極間の距
離dに反比例するので、これらの要素のいずれかについ
て、その重心14bの周りの分布を非対称にすることに
より非対称な静電力を得ることができる。
【0048】図14は、先に示した図2に対応する図面
であり、スイッチング部30の下面37に設けられたア
ドレス電極42の形状を立体中心線14の左右でアンバ
ランスにして重心14bに対し非対称な静電力Fsが得
られるようにしている。すなわち、本例のアドレス電極
42は、左側の区画12aの面積が右側の区画12bの
面積に対して広いほぼ台形状となっている。したがっ
て、左側の区画12aで発生する静電力が右側の区画1
2bで発生する静電力より大きい。このため、スイッチ
ング部30を静電力を用いて第1の位置から第2の位置
に移動するときに静電力の大きな左側の区画12aが先
に移動を開始し、その結果、スイッチング部30は上記
の実施の形態と同様に傾いた状態で移動する。一方、第
2の位置から第1の位置に移動するときは、本例の光ス
イッチング素子10では静電力が作用しないのでヨーク
50および52による弾性力が左右の区画で一定である
とすると略平行な状態でスイッチング部30は移動す
る。
【0049】なお、アドレス電極42の形状をスイッチ
ング部30の底面37の形状から変えると、アドレス電
極42に対し電力を供給する役目を兼ね備えたヨーク5
0および52との電気的な接続が取り難くなる。このた
め、本例においては、スイッチング部30の底面37の
縁にそって接続用の電極42tを設けてアドレス電極4
2とヨーク52とを電気的に接続している。
【0050】図15に、立体中心線14の左右の区画1
2aおよび12bでアドレス電極42の面積を変えた異
なった例を示してある。本例の光スイッチング素子10
においては、アドレス電極42がほぼT字型となってお
り、左側の区画12aに底面37よりやや大き目のほぼ
長方形状のアドレス電極42aが設けられ、これに接続
するように、右側の区画12bにはそのほぼ中央に左側
の電極42aの半分程度の面積で方形のアドレス電極4
2bが設けられている。本例に限らず、アドレス電極4
2がスイッチング部30の立体中心線14対し非対称で
面積が異なるような形状であれば、左右の区画12aお
よび12bで生ずる静電力の大きさが異なるので、上記
のようにスイッチング部30を傾いた状態で駆動するこ
とができる。したがって、空気抵抗が少なく、応答速度
の速い光スイッチング素子を提供することができる。も
ちろん、アドレス電極42の代わりに、ベース電極46
の形状を変えることも可能であり、あるいは両方の電極
42および46の形状を非対称にして静電力の分布を非
対称にすることも可能である。
【0051】図16に、アドレス電極42あるいはベー
ス電極46の形状を非対称にする代わりに、アドレス電
極42およびベース電極46との間隔dを立体中心線1
4に対し非対称にした例を示してある。本例の光スイッ
チング素子10においては、左側の区画12aのアドレ
ス電極42aの厚みに対し、右側の区画12bのアドレ
ス電極42bの厚みが大きくなっている。したがって、
スイッチング部30がオン状態の第1の位置に居るとき
は、右側の区画12bのアドレス電極42bとベース電
極46の間隔dが、左側の区画12aの間隔dよりも狭
くなっている。このため、アドレス電極42およびベー
ス電極46に電力が供給されると、右側の区画12bの
静電力の方が左側の区画12aの静電力よりも大きくな
る。したがって、本例の光スイッチング素子において
は、スイッチング部30が第1の位置から第2の位置に
移動するときは、上記の実施の形態と異なり、右側の区
画12bの側から剥離して傾いた状態で移動を開始す
る。
【0052】一方、第2の位置に到達した移動末期にお
いては、厚みの大きな右側のアドレス電極42bの方が
先にベース電極46に当たり、次に左側のアドレス電極
42aがベース電極46に当たって停止する。このた
め、移動開始のときとは異なった向きに傾いてスイッチ
ング部30は停止する。さらに、この第2の位置から第
1の位置に移動するときは、静電力が切られるので、ヨ
ーク50および52の弾性力によってスイッチング部3
0が移動する。この際、第2の位置においてスイッチン
グ部30は傾いた状態になっているので、移動初期およ
び移動中も傾いたままとなり、さらに、第1の位置に到
達すると、スイッチング部30の抽出面32が導光部2
0の全反射面22に当たる。このため、抽出面32の向
きは傾いた状態から全反射面22に密着する向きに方向
を変え、オン状態となる。
【0053】このように、本例の光スイッチング素子1
0は、移動初期、移動中および移動末期において傾いた
状態となり、さらに、第2の位置においても傾いた状態
で停止する。したがって、移動速度が速く、オンオフの
移動期間も短くなり、応答速度の速い光スイッチング素
子を提供することができる。
【0054】なお、本例においては、アドレス電極42
の厚みを左右で変えて、アドレス電極42がベース電極
46に当たって停止するようにしている。このため、直
にアドレス電極42とベース電極46が接触すると短絡
などの問題があるので、アドレス電極42を絶縁部材4
9でコーティングして直に接触するのを防いでいる。
【0055】図17に、アドレス電極42の代わりに、
ベース電極46の厚みを変えた例を示してある。本例の
光スイッチング素子10においては、立体中心線14の
左側の区画12aのベース電極46aの厚みに対し、右
側の区画12bのベース電極46bの厚みを大きくして
ある。したがって、図16に基づき説明した例と同様
に、スイッチング部30が第1の位置にあるときは、右
側の区画12bのベース電極46とアドレス電極42の
間隔dが左側の区画12aよりも短くなり、より大きな
静電力が発生する。このため、上記の例と同様にスイッ
チング部30は傾いて移動を開始する。
【0056】一方、第2の位置でスイッチング部30が
停止するときは図17に示してあるように、ベース電極
46の高さが左右で異なるので、このベース電極46に
スイッチング部30が当たって傾いた状態で停止する。
このため、第2の位置から第1の位置に移動するとき
は、本例でもスイッチング部30は傾いた状態で移動
し、いずれの方向でも空気による抵抗を削減し応答速度
を改善することができる。
【0057】〔第4の実施の形態〕上記の例では、電極
42および46の面積あるいは間隔を変えて静電力の分
布を非対称にしているが、さらに、静電力を印加するタ
イミングを変えることにより、スイッチング部30の重
心に対し非対称な分布を持った駆動力を作用させること
ができる。
【0058】図18に、立体中心線14の左右の区画1
2aおよび12bで静電力を印加するタイミングを変え
られるようにアドレス電極42を左右42aおよび42
bに分割した光スイッチング素子10を示してある。本
例においては、アドレス電極42が立体中心線14に沿
って2つの電極42aおよび42bに分割されており、
ここの電極42aおよび42bは立体中心線14に対し
非対称な形状になっている。したがって、ここの電極4
2aおよび42bに別々のタイミングで電力を供給する
ことにより、立体中心線14に対し非対称な分布を持つ
駆動力をスイッチング部30に作用させることができ
る。
【0059】図19および図20に、本例の光スイッチ
ング素子10の動作を示してある。また、図21に、そ
れぞれの電極42aおよび42bに電力を供給する電源
部61aおよび61bの動作(制御)をタイミングチャ
ートを用いて示してある。まず、図19(a)に示すよ
うに、左右のアドレス電極42aおよび42bに電源部
61aおよび61bから電力が供給されていないとき
は、駆動部40のヨーク50および52によってスイッ
チング部30は抽出面32が全反射面22に密着したオ
ン状態(第1の位置)となっている。
【0060】次に、時刻t11に電源部61aのスイッ
チが入り、左側の区画12aのアドレス電極42aに電
力が供給されると、左側の区画12aでは静電力が作用
する。時刻t12に静電力が適当な力に達すると、図1
9(b)に示すように、スイッチング部30は傾いた状
態で移動を開始し、抽出面32が全反射面22に対し斜
めになって隙間(空間)38が形成されオフ状態とな
る。この空間38は徐々に大きくなるので空気16がス
ムーズに流入し、空気抵抗が少ない状態でスイッチング
部30の移動が速やかに進む。
【0061】時刻t11から時間T10だけ遅れた時刻
t13に右側の区画12bのアドレス電極42bに電力
を供給する電源部61bがオンすると、右側の区画12
bでも静電力がスイッチング部30に作用する。この結
果、図20(a)に示すように、スイッチング部30は
適当な角度に傾いた状態で右側の部分にも剥離力が作用
して、角度を保った状態で第2の位置に向かって移動を
行う。この移動中もスイッチング部30は、移動方向に
対して傾いた状態となっているので、空気抵抗は少な
く、高速で移動することができる。あるいは、所定を応
答速度を得るために必要な静電力が小さくて良いので、
光スイッチング素子10を駆動するために必要な電力消
費を少なくすることができるという効果もある。
【0062】図20(b)に示すように、スイッチング
部30がベース電極46に接近して停止する第2の位置
に達すると、図20(a)から図20(b)に移行する
移動末期においてスイッチング部30が傾いた状態から
略平行な状態になり、ベース電極46とアドレス電極4
2との間の空気もスムーズに排出される。このように、
本例の光スイッチング素子10においても、移動初期、
移動中および移動末期においてスイッチング部30が傾
いた状態となるので、応答速度をさらに向上でき、ある
いは、光スイッチング素子の駆動電力を低減することも
可能となる。
【0063】スイッチング部30が第2の位置から第1
の位置に移動する際も、時刻t14に右側の区画12b
のアドレス電極42bに対する電力供給を遮断すると、
右側の区画12bの静電力がなくなるので、ヨーク52
の弾性力によってスイッチング部30が傾いた状態で移
動を開始する。そして、それから時間T11遅れた時刻
t15に左側の区画12aのアドレス電極42aに対す
る電力供給も遮断すると、スイッチング部30は適当な
角度に傾いた状態で第2の位置から第1の位置に移動す
る。そして、時刻t16にスイッチング部30が第1の
位置に到達し、抽出面32が全反射面22に平行で密着
した状態になると、本例の光スイッチング素子10は、
入射光を出射光として変調して出力するオン状態にな
る。
【0064】このように、本例、および上記の実施の形
態で説明した光スイッチング素子10は、オンからオ
フ、そしてオフからオンと空気中あるいは不活性ガス中
などの流体中で高速で動かすことが可能であり、真空に
しなくても応答速度が速い、あるいは低消費電力の空間
光変調装置を実現できる。
【0065】図22および図23に、ベース電極46を
左右に分割した例を示してある。また、これらの左右に
分割したベース電極46aおよび46bに対し、タイミ
ングおよび電圧Vを変えて電力を供給する様子を図24
のタイミングチャートを用いて示してある。図22
(a)に示すように、本例の光スイッチング素子10に
おいては、ベース電極46が立体中心線14の左右の区
画12aおよび12bの電極46aおよび46bに分離
され、互いに絶縁されており、電源部61から個別に制
御することにより双方の区画12aおよび12bで生じ
る静電力を制御することができるようになっている。こ
のため、電源部61は、左側のベース電極46aに接続
されている電源ユニット62と、右側のベース電極46
bに接続されている電源ユニット63を備えており、さ
らに、これらの電源ユニット62および63からそれぞ
れの電極46aおよび46bに供給される電圧を制御す
ることができるコントロールユニット66を備えてい
る。本例の光スイッチング素子10も上記の例と同様
に、電極42および46に電力が供給されていない状態
では、ヨーク50および52の弾性力によってスイッチ
ング部30は第1の位置にあり、オン状態となってい
る。
【0066】時刻t21に、電源ユニット62から左側
のベース電極46aに電圧V1の電力が供給され、電源
ユニット63から右側のベース電極46bに電圧V2の
電力が供給される。この際、左側の電極46aに供給さ
れる電圧V1の値を、右側の電極46bに供給される電
圧V2よりも高く設定しておくことにより、スイッチン
グ部30の左側の区画12aで右側の区画12bよりも
大きな静電力が作用する。その結果、スイッチング部3
0の重心14bに対し左右で非対称な駆動力が働くの
で、図22(b)に示すように、スイッチング部30が
回転しながら移動を開始し、抽出面32が傾きながら左
側の区画12aの側から剥がれ始める。したがって、本
例の光スイッチング素子10においても上記の各実施の
形態と同様に空気抵抗が少なく、スムーズにスイッチン
グ部30を移動させることができる。
【0067】さらに、時刻t22に、コントロールユニ
ット66により、電源ユニット62および63から左右
のベース電極46aおよび46bに略同じ電圧V3の電
力を供給するようにすると、図23(a)に示すよう
に、適当な角度までスイッチング部30が回転した状態
でスイッチング部30が第2の位置まで移動する。そし
て、図23(b)に示すようにアドレス電極42がスト
ッパ48eに当たり、第2の位置で停止する。この移動
末期においても、上記の各実施の形態と同様にスイッチ
ング部30は傾いた状態から平行な状態に回転し、その
間の空間の空気を速やかに排出して停止する。また、本
例の光スイッチング素子10においては、ベース電極4
6aおよび46bは、ストッパとなる部分48eが突出
した非平坦な形状に加工されており、アドレス電極42
がベース電極46aあるいは46bに密着しないように
なっている。
【0068】さらに、スイッチング部30を第2の位置
から第1の位置に移動するときは、図24に示したよう
に時刻t23に右側のベース電極46bに対する電力供
給を遮断し、左側のベース電極46aに対する電力を徐
々に低下させることができる。これにより、右側の区画
12bにおいては、ヨーク52の弾性力によってスイッ
チング部30がすぐに移動を開始し、これに対し、左側
の区画12aにおいては、ベース電極46aとアドレス
電極42との間に静電力が作用し、徐々にその力が低下
していくようになる。したがって、スイッチング部30
は第2の位置から移動を開始するときも適当な角度まで
回転し、傾いた状態になった後に第1の位置に向かって
移動する。したがって、第2の位置から第1の位置に移
動する際も、空気抵抗が低減され、高速でスイッチング
部30を動かすことができる。
【0069】以上に説明した光スイッチング素子10
は、入射光をオンオフ制御可能な空間光変調装置として
の機能を備えており、これらの光スイッチング素子10
を単体で利用することはもちろん可能であり、さらに、
アレイ状に配置して画像表示装置はもちろん、光通信、
光演算、光記録などの多種多様な分野に応用することが
できる。そして、スイッチング部を移動する際にオン状
態の向きから傾けることにより、スイッチング部の周囲
の流体から受ける抵抗を大幅に低減することができる。
このため、通常の空気中あるいは不活性ガス中などの雰
囲気で本発明の空間光変調装置は使用することが可能で
あり、高速動作が可能で、応答速度が速く、さらに信頼
性の高い空間光変調装置を得ることができる。また、逆
に、流体の抵抗を小さくできるので、空間光変調装置を
駆動するための電力消費を低減することができる。
【0070】なお、以上の例では、エバネセント波を利
用した光スイッチング素子を例に本発明を説明している
が、スイッチング部の抽出面に変わる平面要素を動かす
ことにより干渉特性を変化させて入射光を変調したり、
偏光方向あるいは反射光の位相を変化させるなどのさま
ざまなタイプの空間光変調装置に本発明を適用できるこ
とはもちろんである。
【0071】また、以上の例では、薄膜材からなるヨー
クを弾性材として用いた例を説明しているが、もちろ
ん、コイルばねなどの他の形状の弾性材を採用すること
も可能である。また、弾性材を用いずに、電極の組み合
わせを増やしたり、あるいは静電力の向きを適当に変え
ることによってもスイッチング部を第1の位置と第2の
位置の間で移動する駆動力を得ることができ、その駆動
力を非対称な状態にすることによりスイッチング部を傾
けて移動させることができる。そして、上記にて開示し
たようなさまざまな効果を得ることができる。さらに、
静電力に代わり、ピエゾ素子などの圧電素子を駆動源と
して用いることももちろん可能であり、この圧電素子の
配置、動きなどを非対称にすることにより上記と同等の
効果を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の空間光
変調装置は、入射光を変調可能な平面要素を備えたスイ
ッチング部を第1の位置から第2の位置に移動する際
に、平面要素の向きを第1の位置における第1の方向か
ら傾いた状態にするようにしている。そして、移動初
期、移動中あるいは移動末期の少なくともいずれかに傾
いた状態にすることにより、スイッチング部の周囲に存
在する空気あるいは不活性ガスなどの流体から受ける抵
抗を低減することができる。このため、スイッチング部
を移動する際の抗力が減り、静電力などを用いて、さら
に高速でスイッチング部を動かすことができ、応答時間
が短く、応答速度の早い空間光変調装置を提供すること
ができる。また、抗力が低減されるので、逆に、消費電
力を低減することも可能となる。そして、空気中などの
一般的な環境条件で応答速度の速い空間変調装置を提供
できるので、画像表示装置はもちろん、さまざまな分野
で本発明に係る空間変調装置を適用することができる。
また、高速で動作させるために真空チャンバーなどの特
殊な設備は不要なので、低コストで高性能の空間変調装
置を提供することができる。
【0073】さらに、スイッチング部を移動中のみなら
ず、オフ状態の第2の位置においても傾きた状態で停止
させておくことが可能である。スイッチング部を傾いた
状態で停止すれば、傾いた状態から平行な状態に戻す時
間および駆動力をさらに短縮することが可能であり、い
っそう動作速度が速く、応答性能の良い空間光変調装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエバネセント
光を用いた光スイッチング素子の概要を示す図であり、
図1(a)はスイッチング部が第1の位置にあるオン状
態を示し、図1(b)はスイッチング部が第2の位置に
あるオフ状態を示す図である。
【図2】図1に示す光スイッチング素子のスイッチング
部の構成をアドレス電極の側から示す図である。
【図3】図1に示す光スイッチング素子において、オン
状態(第1の位置)からオフ状態(第2の位置)へ移動
する様子を順番に模式的に示す断面図である。
【図4】図1に示す光スイッチング素子において、アド
レス電極およびベース電極間の間隔を経過時間と共に示
す図であり、図4(a)はオンからオフに移行する経過
を示す、図4(b)はオフからオンに移行する経過を示
す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る異なった光スイッチン
グ素子の構成例を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る、さらに異なった光ス
イッチング素子の構成例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態に係る、さらに異なった光ス
イッチング素子の構成例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態に係る、さらに異なった光ス
イッチング素子の構成例を示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る、さらに異なった光ス
イッチング素子の構成例を示す図である。
【図10】図1に示した光スイッチング素子において、
第1の方向に対し傾いた状態で第2の位置に停止する例
を示す図である。
【図11】図10に示した光スイッチング素子のさらに
異なる例を示す図である。
【図12】図10に示した光スイッチング素子のさらに
異なる例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る光スイッチ
ング素子の概略構成を示す図であり、重心の位置をずら
した例を示す図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る光スイッチ
ング素子の概略構成を示す図であり、アドレス電極の形
状を非対称にした例を示す図である。
【図15】図14に示した第3の実施の形態に係る光ス
イッチング素子の異なる例を示す図である。
【図16】図14に示した第3の実施の形態に係る光ス
イッチング素子のさらに異なる例を示す図である。
【図17】図14に示した第3の実施の形態に係る光ス
イッチング素子のさらに異なる例を示す図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る電極を分割
した光スイッチング素子の例を示す図である。
【図19】図18に示す光スイッチング素子の動作を示
す図であり、第1の位置および第1の位置から移動開始
後の状態を示す図である。
【図20】図18に示す光スイッチング素子の動作を示
す図であり、移動中および第2の位置で停止した状態を
示す図である。
【図21】図18に示した光スイッチング素子の制御動
作を示すタイムチャートである。
【図22】図18に示した第4の実施の形態に係る光ス
イッチング素子の異なる例を示す図であり、第1の位置
および第1の位置から移動開始後の状態を示す図であ
る。
【図23】図22に続き、移動中および第2の位置で停
止した状態を示す図である。
【図24】図22および23に示す光スイッチング素子
の制御動作を示すタイミングチャートである。
【図25】従来の液晶を用いた光スイッチング素子を示
す図である。
【符号の説明】
10・・空間光変調装置 12・・区画 14・・立体中心線 14b・・重心 16・・空気 20・・導光部(カバーガラス) 22・・全反射面 30・・スイッチング部 31・・バランサー 32・・抽出面 33・・マイクロプリズム 37・・底面 38・・隙間 40・・駆動部 41・・ポスト 42・・アドレス電極(第1の電極) 46・・ベース電極(第2の電極) 48・・ストッパ 49・・絶縁部材 50、52・・ヨーク 60・・ICチップ 61・・直流電源部 62、63・・電源ユニット 66・・コントロールユニット 70・・入射光 72・・出射光 908・・偏光板 903・・ガラス板 904、905・・透明電極 906、907・・液晶

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面要素を備えたスイッチング部と、 このスイッチング部を前記平面要素が第1の方向を向く
    第1の位置、およびこの第1の位置から離れた第2の位
    置に移動可能な駆動手段とを有し、 この駆動手段は、前記スイッチング部の平面要素の向き
    を、移動初期、移動中または移動末期に、前記第1の方
    向に対し傾けることを特徴とする空間光変調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記スイッチング部
    の平面要素に前記第1の位置で接し、該平面要素の向き
    を前記第1の方向に規定する平面部材を有することを特
    徴とする空間光変調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記駆動手段は、前
    記スイッチング部に対し、その重心に対し非対称な分布
    を備えた駆動力を印加可能であることを特徴とする空間
    光変調装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記スイッチング部
    の重心が該スイッチング部の立体中心からずれているこ
    とを特徴とする空間光変調装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記駆動手段は、前
    記スイッチング部を弾性的に支持する支持部材を備えて
    おり、この支持部材は、弾性定数の分布が前記スイッチ
    ング部の重心に対し非対称となる部分を具備しているこ
    とを特徴とする空間光変調装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、前記駆動手段は、前
    記スイッチング部に設けられた第1の電極と、この第1
    の電極に対峙する位置に設けられた第2の電極とを備え
    ており、前記第1の電極の形状、第2の電極の形状、ま
    たは第1および第2の電極の間隔が前記スイッチング部
    の重心に対し非対称となる部分を具備していることを特
    徴とする空間光変調装置。
  7. 【請求項7】 請求項3において、前記駆動手段は、前
    記スイッチング部に設けられた第1の電極と、この第1
    の電極に対峙する位置に設けられた第2の電極とを備
    え、前記第1または第2の電極が前記スイッチング部の
    重心に対し非対称な形状の第1および第2の区画を形成
    するように分割されており、さらに、 前記第1および第2の区画に異なったタイミングまたは
    電圧の電力を供給可能な電力供給部を備えていることを
    特徴とする空間光変調装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、前記スイッチング部
    の平面要素は、前記第2の位置で前記第1の方向に対し
    傾いていることを特徴とする空間光変調装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記駆動手段は、前
    記スイッチング部を弾性的に支持する支持部材を備えて
    おり、この支持部材は、弾性定数の分布が前記スイッチ
    ング部の重心に対し非対称となる部分を具備しているこ
    とを特徴とする空間光変調装置。
  10. 【請求項10】 請求項8において、前記駆動手段は、
    前記スイッチング部に設けられた第1の電極と、この第
    1の電極に対峙する位置に設けられた第2の電極とを備
    えており、前記第1および第2の電極の間隔が前記スイ
    ッチング部の重心に対し非対称となる部分を具備してい
    ることを特徴とする空間光変調装置。
  11. 【請求項11】 請求項8において、前記スイッチング
    部が前記第2の位置で接触する支持台を有し、この支持
    台と前記スイッチング部との間隔が前記スイッチング部
    の重心に対し非対称となる部分を具備していることを特
    徴とする空間光変調装置。
  12. 【請求項12】 平面要素を備えたスイッチング部を前
    記平面要素が第1の方向を向く第1の位置と、この第1
    の位置から離れた第2の位置とに移動可能な空間変調装
    置の制御方法であって、 前記スイッチング部に設けられた第1の電極、または、
    この第1の電極に対峙する位置に設けられた第2の電極
    が前記スイッチング部の重心に対し非対称な形状に分割
    された第1および第2の区画に対し、異なったタイミン
    グまたは電圧で電力を供給する工程を有することを特徴
    とする空間変調装置の制御方法。
JP13077698A 1998-01-20 1998-05-13 空間光変調装置および空間光変調装置の制御方法 Expired - Lifetime JP3855454B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13077698A JP3855454B2 (ja) 1998-05-13 1998-05-13 空間光変調装置および空間光変調装置の制御方法
KR1019997008584A KR100604621B1 (ko) 1998-01-20 1998-11-27 광 스위칭 소자, 그의 제어 방법 및 화상 표시 장치
PCT/JP1998/005366 WO1999036824A1 (fr) 1998-01-20 1998-11-27 Dispositif de commutation optique et dispositif d'affichage d'images
EP98955980A EP0969306B1 (en) 1998-01-20 1998-11-27 Optical switching device and image display device
DE69830153T DE69830153T2 (de) 1998-01-20 1998-11-27 Optische schaltvorrichtung und bildanzeigevorrichtung
US09/381,495 US6381381B1 (en) 1998-01-20 1998-11-27 Optical switching device and image display device
US09/991,336 US6438282B1 (en) 1998-01-20 2001-11-14 Optical switching device and image display device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13077698A JP3855454B2 (ja) 1998-05-13 1998-05-13 空間光変調装置および空間光変調装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11326791A true JPH11326791A (ja) 1999-11-26
JP3855454B2 JP3855454B2 (ja) 2006-12-13

Family

ID=15042408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13077698A Expired - Lifetime JP3855454B2 (ja) 1998-01-20 1998-05-13 空間光変調装置および空間光変調装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3855454B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002052327A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Ngk Insulators,Ltd. Commutateur optique
US6842550B2 (en) 2000-12-22 2005-01-11 Ngk Insulators, Ltd. Optical switch
JP2006518884A (ja) * 2003-02-24 2006-08-17 エクサジュール リミテッド ライアビリティ カンパニー 隠されたマルチピース型ヒンジ構造を備えるマイクロミラーシステム
JP2008292451A (ja) * 2007-01-19 2008-12-04 Stmicroelectronics Srl 酸素吸収剤及び耐膨潤性、耐剥離性及び表面平滑性に優れた脱酸素性容器
US9164278B2 (en) 2011-09-16 2015-10-20 Samsung Electronics Co., Ltd. Micro-optical switching device, image display apparatus including micro-optical switching device, and method of manufacturing micro-optical switching device

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002052327A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Ngk Insulators,Ltd. Commutateur optique
WO2002052328A1 (fr) * 2000-12-22 2002-07-04 Ngk Insulators,Ltd. Commutateur optique
US6842550B2 (en) 2000-12-22 2005-01-11 Ngk Insulators, Ltd. Optical switch
JP2006518884A (ja) * 2003-02-24 2006-08-17 エクサジュール リミテッド ライアビリティ カンパニー 隠されたマルチピース型ヒンジ構造を備えるマイクロミラーシステム
JP2008292451A (ja) * 2007-01-19 2008-12-04 Stmicroelectronics Srl 酸素吸収剤及び耐膨潤性、耐剥離性及び表面平滑性に優れた脱酸素性容器
US8661900B2 (en) 2007-01-19 2014-03-04 Stmicroelectronics S.R.L. Z-axis microelectromechanical device with improved stopper structure
US9164278B2 (en) 2011-09-16 2015-10-20 Samsung Electronics Co., Ltd. Micro-optical switching device, image display apparatus including micro-optical switching device, and method of manufacturing micro-optical switching device

Also Published As

Publication number Publication date
JP3855454B2 (ja) 2006-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0969306B1 (en) Optical switching device and image display device
US7158278B2 (en) Display device based on bistable electrostatic shutter
US7298542B2 (en) Microelectromechanical device with reset electrode
JP2004117832A (ja) ミラーデバイス、光スイッチ、電子機器およびミラーデバイス駆動方法
US20030202264A1 (en) Micro-mirror device
JP2008542843A (ja) 内部分極を伴うインターフェロメトリックモジュレータおよび駆動方法
JP2006099068A (ja) Memsデバイスにおいて再生型保護塗料を提供するためのシステム及び装置
CN103038694A (zh) 光学扫描器件和图像显示设备
JP2004078136A (ja) 光偏向方法並びに光偏向装置及びその光偏向装置の製造方法並びにその光偏向装置を具備する光情報処理装置及び画像形成装置及び画像投影表示装置及び光伝送装置
TW200909853A (en) Microelectromechanical device with optical function separated from mechanical and electrical function
JP2002277771A (ja) 光変調装置
US6633426B2 (en) Optical-electrical MEMS devices and method
KR100644896B1 (ko) 전자력 구동 스캐닝 마이크로미러 및 이를 사용한광스캐닝 장치
JP4404174B2 (ja) 光スイッチング素子およびこれを用いたスイッチング装置並びに画像表示装置
JP3855454B2 (ja) 空間光変調装置および空間光変調装置の制御方法
US8687260B2 (en) Solid-state optical modulator
JP3658965B2 (ja) 光スイッチング素子及び画像表示装置
JP2008003309A (ja) 微小電気機械素子及び微小電気機械素子アレイ並びに変調装置
JP2008096620A (ja) マイクロミラー、そのマイクロミラーを搭載するmems及びそのmemsの製造方法
JP2003329945A (ja) 光デバイス
JP2004085700A (ja) ミラーデバイス、光スイッチ、電子機器およびミラーデバイス駆動方法
JP4405705B2 (ja) 双安定オプティカルスイッチを含むオプティカルルータおよびその方法
JP4029489B2 (ja) 空間光変調装置およびその制御方法
JP2001083439A (ja) 空間光変調装置
KR20020034764A (ko) 마이크로 구동 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060822

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130922

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term