JPH11326267A - セラミック体の導電膜形成方法 - Google Patents
セラミック体の導電膜形成方法Info
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- JPH11326267A JPH11326267A JP10182679A JP18267998A JPH11326267A JP H11326267 A JPH11326267 A JP H11326267A JP 10182679 A JP10182679 A JP 10182679A JP 18267998 A JP18267998 A JP 18267998A JP H11326267 A JPH11326267 A JP H11326267A
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Abstract
させることができ、しかも、必要としない白金の析出を
抑制できるセラミック体の導電膜形成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 工程1にて、エッチングにより固体電解
質体6の表面を粗化して、表面に浸透パス10を形成す
る。工程2では、粗化した固体電解質体6の表面に白金
溶液を含浸させる際に、加熱する。工程3では、白金溶
液を固体電解質体6の表面から吸引により抽出する。工
程4では、固体電解質体6の表面に還元剤溶液を接触さ
せる。これにより、固体電解質体6の表面上に付着した
白金溶液と還元剤とが反応するので、浸透パス10の表
面を含む固体電解質体6の表面には、均一に白金核が析
出する。工程5では、白金核が析出した固体電解質体6
の表面に、無電解メッキを施して、白金核を成長核とし
て内側電極7を形成する。
Description
面に導電膜を形成する方法に関し、詳しくは、例えば酸
素濃淡電池型の自動車エンジン用酸素センサ等の各種セ
ンサにおける電極の形成に利用できるセラミック体の導
電膜形成方法に関する。
は、例えば一端が閉塞した筒状の酸素検出素子が使用さ
れている。この酸素検出素子は、ジルコニア等の酸素イ
オン伝導性の固体電解質体(セラミック体)6と、その
固体電解質体の内側面及び外側面に形成された白金等の
耐熱性を有する多孔質電極7,8とを備えている(図2
参照)。
面に形成された多孔質電極8に、検出対象のガスである
例えば排ガスを接触させ、他方の内側面に形成された多
孔質電極7に、大気等の基準ガスを接触させて、排ガス
と基準ガスとの間の酸素分圧の差により、両多孔質電極
7,8間に発生する起電力を検出して、排ガス中の酸素
濃度を測定する。
6の表面に形成する方法としては、例えば下記,の
方法が知られている。 固体電解質体6の表面に、直接に無電解メッキを行な
い、無電解メッキ液中から固体電解質体6の表面上に、
白金を析出させて多孔質電極7,8を形成する方法。
り粗化し、その後、固体電解質体6の表面に白金及び還
元剤を含む薄い溶液を接触させ、加熱によって反応さ
せ、表面上に白金核を析出させた後に、(白金核を成長
核として)無電解メッキを行なって多孔質電極7,8を
形成する方法。
た方法は必ずしも十分ではなく、一層の改善が求められ
ていた。つまり、前記の方法では、固体電解質体6と
多孔質電極7,8との密着性に劣り、酸素センサとして
用いた時に、激しい温度変化に晒されると、多孔質電極
7,8が剥離して、酸素センサの寿命が低下することが
あった。
度改善されるものの、白金の付着状態にムラがあるとい
う問題があった。つまり、白金の析出は、加熱により溶
液中の白金と還元剤の反応が促進されて起きるが、そう
すると、溶液中のどの部分でも白金の析出が生じるの
で、固体電解質体6の表面に均一に白金核が付着しにく
いという問題があった。
に無電解メッキによって形成される多孔質電極7,8の
密着性が低下したり、多孔質電極7,8の緻密さに問題
が生じ、結果として、酸素センサの測定精度が低下した
り、その寿命が低下することがあった。
溶液中にて浮遊した白金が装置に付着して装置を汚した
り、あるいは白金の回収に手間がかかるという別な問題
もあった。本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、セラミック体の表面にムラなく白金核を析出
させることができ、しかも、必要としない白金の析出を
抑制できるセラミック体の導電膜形成方法を提供するこ
とを目的とする。
の請求項1の発明では、セラミック体の表面に導電膜を
形成する方法において、(1;工程1)セラミック体表
面をエッチングによって粗化する工程と、(2;工程
2)粗化したセラミック体表面に、白金溶液を加熱によ
り含浸させる工程と、(3;工程3)白金溶液を、セラ
ミック体表面から抽出する工程と、(4;工程4)白金
溶液を抽出したセラミック体表面に、還元剤を接触させ
て、セラミック表面上に白金核を析出させる工程と、
(5;工程5)白金核が析出したセラミック体表面に、
無電解メッキを施して導電膜を形成する工程と、を備え
たことを特徴とするセラミック体の導電膜形成方法を要
旨とする。
りセラミック体表面を粗化して、表面に微少な傷(浸透
パス)を形成する。工程2では、粗化したセラミック体
表面に、白金溶液を含浸させる際に、加熱を行なうこと
により、浸透パスの内部に白金溶液を十分にしみ込ませ
る。工程3では、白金溶液を、セラミック体表面から抽
出するが、この抽出により、浸透パスの表面を含むセラ
ミック体表面には、薄く白金溶液が付着した状態とな
る。工程4では、セラミック体表面に還元剤を接触させ
る。これにより、セラミック表面上に付着した白金溶液
と還元剤とが反応するので、浸透パスの表面を含むセラ
ミック体表面には、均一に白金核が析出する。工程5で
は、白金核が析出したセラミック体表面に、無電解メッ
キを施すので、この白金核を成長核として強固に密着し
たムラのない均質な導電膜が形成される。
は、従来の様に溶液全体ではなく、セラミック体の表面
のみで生じるので、浸透パスの表面を含むセラミック体
の表面に、ムラなく均一に白金核が付着するという特長
がある。よって、後に白金核を成長核として無電解メッ
キによって形成される導電膜の密着性及び緻密性に優れ
ている。そのため、例えば激しい温度変化に晒されて
も、導電膜が剥離し難く、例えば酸素センサに適用する
場合には、その測定精度や寿命の低下を防止できる。
発生しないので、溶液中に浮遊する白金が極端に少な
く、よって、装置に付着して装置を汚すことがない。ま
た、使用した白金溶液は、ほぼそのまま再利用できると
いう利点がある。この様に、本発明では、セラミック体
の表面にムラなく白金核を析出させることができ、しか
も、必要としない白金の析出を大きく抑制することがで
きる。
ン伝導性を有するセラミック体を用いることが好まし
く、例えば特開昭54−4913号公報に記載のジルコ
ニア固体電解質等、高温下における使用にも耐え得る材
料を用いることができる。このジルコニア固体電解質を
用いる場合のジルコニア固体電解質の製造方法は、例え
ば、ジルコニア(ZrO2)にイットリア(Y2O3)を
所定量添加し、粉砕し、仮焼結を行った後、これをプレ
スして所望の形状とし、焼成することにより作製するこ
とができる。
を行なう場合には、フッ酸(HF)溶液が好適である
が、それ以外にも他のエッチング溶液を用いることがで
きる。尚、エッチングの程度は、エッチング溶液の濃
度、エッチング時間等により調節することができる。
せる部分は、(エッチングを施した)セラミック体の表
面であれば、偏平面、曲面、凹凸面等特に限定せず、導
電膜を形成したいセラミック体の表面に含浸させればよ
い。また、含浸は、白金溶液をセラミック体の表面に
(含浸が可能な)所定時間接触する状態にできる方法で
あればよく、塗布でもよいし、浸漬でもよく、特にその
方法に限定はない。
用した吸引による方法を採用できるが、例えばポンプに
よる吸引や、ピペット状のゴムの弾性を利用した吸引で
もよい。 (4)工程4において、還元剤の接触は、例えば、還元
剤を、水、緩衝液等に希釈してから、塗布、浸漬させて
もよく、或は霧状にして噴霧してもよく、白金溶液が付
着したセラミック体表面に、還元剤を(白金核の析出が
可能な)所定時間接触した状態にできる方法であれば、
特に限定はない。
す場合に無電解メッキ液を接触させる方法は、塗布、浸
漬等、無電解メッキ液が(無電解メッキが可能な)所定
時間セラミック体に接触した状態にできる方法であれ
ば、特に限定はない。請求項2の発明では、白金溶液を
含浸させる際の加熱温度が、70〜110℃である。
ものであり、この温度範囲であれば、エッチングにより
形成された浸透パス内部に、十分に且つ速やかに白金溶
液をしみ込ませることができる。尚、この範囲を下回る
と、浸透パス内部への含浸が十分に行われないことがあ
り、この範囲を上回ると、白金溶液の液面低下と白金溶
液の濃縮による含浸ムラが生ずることがある。
負圧を利用した吸引により行なう。本発明は、白金溶液
の抽出方法を例示したものであり、負圧を利用した吸引
により、余分な白金溶液を、十分に且つ速やかに取り除
くことができる。この抽出により、浸透パス内等から白
金溶液が除去されるのであるが、単に吸引により除去す
るだけであり、洗浄まではしないので、浸透パスの表面
を含むセラミック体の表面には、薄く白金溶液が付着し
た状態となる。
溶液の濃度が、2〜20重量%である。本発明は、還元
剤の濃度を例示したものであり、この濃度の範囲内であ
れば、浸透パス内を含むセラミック体の表面にて、均一
に白金核を析出させることができる。尚、この範囲外で
は、白金核の析出にムラが生じ易くなる。
溶液を、50〜90℃に加熱する。本発明は、還元剤溶
液の加熱濃度を例示したものであり、この温度範囲内で
あれば、浸透パス内を含むセラミック体の表面にて、一
層均一に白金核を析出させることができる。尚、この範
囲外では、白金核の析出にムラが生じ易くなる。
ンである。本発明は、還元剤の種類を例示したものであ
り、このヒドラジン(N2H4)を用いると、白金溶液又
はセラミック体と不必要な反応を起こさず、浸透パスの
表面を含むセラミック体の表面にて、より一層均一に白
金核を析出させることができる。
ック体と不必要な反応を起こさない還元剤であれば、ヒ
ドラジン以外にも各種の還元剤を使用することができ
る。請求項7の発明では、無電解メッキを行なう際に用
いる無電解メッキ液が、白金アンミン化合物とヒドラジ
ンとを含む溶液である。
たものであり、この成分を含む溶液を用いることによ
り、浸透パス内を含むセラミック体の表面にて、白金核
を成長核として、均一に且つ緻密に導電膜を形成するこ
とができる。尚、無電解メッキ液としては、上述した白
金錯塩を主成分とするメッキ液が好ましいが、それ以外
にも各種のメッキ液を用いることができる。
白金が3〜30g/L、ヒドラジンが2〜20重量%で
ある。尚、Lはリットルを示す(以下同様)。本発明
は、無電解メッキ液の成分濃度を例示したものであり、
この成分濃度であれば、より均一に且つより緻密に導電
膜を形成することができる。
付着が不十分であることがあり、その範囲を上回ると、
剥離等が生じ易くなる。また、ヒドラジンが、前記範囲
を下回ると、メッキの付着が不十分になることがあり、
その範囲を上回ると、メッキ膜にムラが生じ易くなる。
ルコニア固体電解質からなる酸素検出素子である。本発
明は、セラミック体を例示したものであり、本発明よれ
ば、ジルコニア固体電解質からなる酸素検出素子の表面
に、電極として機能する(強固に密着し、ムラのない均
質な)導電膜を形成することができる。
一端が閉塞された筒状であり、導電膜が、酸素検出素子
の内側及び外側の多孔質電極のうち、内側電極である。
本発明は、セラミック体の形状及び導電膜の位置を例示
したものである。従来の方法で、一端が閉塞された筒状
の酸素検出素子の内側電極を形成する場合には、素子内
側の凹部に注入した白金溶液、還元剤溶液、無電解メッ
キ液を攪拌することが困難であり、よって、均質な内側
電極を形成することが容易ではないが、本発明によれ
ば、ムラのない均質な内側電極を容易に形成することが
できる。
電膜形成方法の例(実施例)について、図面に基づいて
説明する。 (実施例)本実施例では、酸素センサの酸素検出素子を
構成する固体電解質体の多孔質電極の形成方法について
説明する。
いて、簡単に説明する。図1に示す様に、酸素センサ1
は、自動車のエンジンの排ガス中の酸素濃度を検出する
ものであり、一端が閉塞した筒状の酸素検出素子2が、
管状部材3及び充填剤4を介して、耐熱鋼製のハウジン
グ5に固定されている。
す様に、ジルコニア等の酸素イオン伝導性の固体電解質
からなる固体電解質体(セラミック体)6と、その固体
電解質体の内側面及び外側面に形成された白金等の耐熱
性を有する多孔質電極(導電膜)7,8とを備えてい
る。
外側面に形成された多孔質電極(外側電極)8に、排ガ
スを接触させるとともに、内側面に形成された多孔質電
極(内側電極)7に、大気の基準ガスを接触させて、排
ガスと基準ガスとの間の酸素分圧の差により、両多孔質
電極7,8間に発生する起電力を検出して、排ガス中の
酸素濃度を測定する。
ついて説明するが、ここでは、特に、内側電極7の形成
方法を例に挙げて、図3に基づいて説明する。 (工程1)まず、固体電解質体6の内側を、濃度5重量%
のフッ酸(HF)にて処理した。
内側の凹部9(図2参照)に前記フッ酸を注入し、その
状態で7分間保持し、固体電解質体6の内側表面を粗化
し、(後述する塩化白金酸溶液が入り込むことができる
ような)浸透パス10を形成した。その後、フッ酸を吸
引して除去してから、水で洗浄した。
ましくは5〜10重量%)の範囲であればよい。 (工程2)次に、粗化した固体電解質体6の表面に、0.
03規定度の塩酸(HCl)を加えた0.05重量%
(0.5g/Lに相当)の塩化白金酸溶液(H2PtC
l6;水溶液)を、85℃に加熱して含浸させた。
9に前記塩化白金酸溶液を注入し、その状態で10分間
保持し、固体電解質体6の内側表面の浸透パス10に、
塩化白金液を含浸させた。また、加熱は、塩化白金酸溶
液を入れた固体電解質体6を、加熱器(図示せず)内に
配置して、前記温度に保つことにより行った。この加熱
により、十分な含浸が行われる。
は、0.01〜0.1重量%(0.1〜1g/Lに相
当)(好ましくは0.03〜0.07重量%)の範囲で
あればよく、加熱温度は、70〜110℃(好ましくは
80〜90℃)の範囲であればよい。
解質体6の表面から抽出して除去した。具体的には、負
圧を利用した吸引により、固体電解質体6の凹部9から
塩化白金酸溶液を除去する。これにより、塩化白金酸溶
液が抽出されるのであるが、洗浄まではしないので、塩
化白金酸溶液は、固体電解質体6の表面、詳しくは、粗
化されて形成された浸透パス10等の内側表面を覆う様
に、非常に薄い膜11となって付着した状態となってい
る。
した固体電解質体6の表面に、還元剤を接触させて、そ
の表面上に白金核(Pt核)を析出させた。具体的に
は、固体電解質体6の凹部9に還元剤を含む溶液、即ち
還元剤として濃度4重量%のヒドラジン(N2H4)を含
む還元剤溶液(水溶液)を注入して、70℃に加熱し、
その状態で30分間保持した。それにより、固体電解質
体6の(浸透パス10の表面を含む)内側表面上に白金
核を析出させた。その後、負圧を利用した吸引により、
凹部9より還元剤溶液を除去した。
は、2〜20重量%(好ましくは3〜10重量%)の範
囲であればよく、加熱温度は、50〜90℃(好ましく
は60〜80℃)の範囲であればよい。 (工程5)次に、白金核が析出した固体電解質体6の内側
表面に、無電解メッキを施して内側電極7を形成した。
白金アンミン化合物とヒドラジンとを含む無電解メッキ
液を、即ち濃度1.5重量%の白金と濃度4重量%のヒ
ドラジンとを含む無電解メッキ液を注入して、85℃に
加熱し、その状態で180分間保持した。それにより、
白金核を成長核として、固体電解質体6の内側表面に、
層状の白金からなる内側電極7を形成した。
た。更に、凹部9内等を水洗いした後に乾燥した。尚、
無電解メッキ液における白金の量は、3〜30g/L
(好ましくは7〜20g/L)、ヒドラジンの濃度は、
2〜20重量%(好ましくは3〜10重量%)の範囲で
あればよく、加熱温度は、60〜95℃(好ましくは7
0〜90℃)の範囲であればよい。
成し、その後、固体電解質体6を600〜1000℃で
熱処理して、固体電解質体6の内外両側に多孔質電極
7,8を備えた酸素検出素子2を完成した。本実施例で
は、前記(工程1)〜(工程5)の様にて、内側電極7が形
成されるので、下記の効果を奏する。
入された白金溶液全体に還元剤が作用するのではなく、
特定の場所、即ち、固体電解質体6の表面に薄く付着し
た塩化白金酸溶液にのみ還元剤が作用する。そのため、
(浸透パス10の内側表面を含む)固体電解質体6の内
側表面でのみ白金核が析出するので、浸透パス10の内
側表面に沿って固体電解質体6の内側表面全体に、白金
核がムラなく均一に付着する。それにより、後に無電解
メッキによって形成される内側電極7の密着性が向上
し、且つ内側電極7の緻密さが向上する。その結果、酸
素センサ1の測定精度が向上し、その寿命が長くなる。
内側表面でのみ白金核が析出するので、従来の様に、溶
液中にて析出して浮遊した白金が、装置に付着して装置
を汚すことがない。 更に、白金を析出させるために使用した還元剤溶液
は、吸引されて回収されるが、上述した様に、白金の析
出は固体電解質体6の内側表面にて行われて、白金はそ
の内側表面に付着するので、その回収された還元剤溶液
中には、浮遊する白金が含まれない。よって、白金を回
収する手間もいらず、還元剤溶液を容易に再使用でき、
省資源に寄与する。
り内径が小さく且つ深いものであるので、白金核の析出
の場合に攪拌は困難であり、よって、従来の方法では白
金核の付着にムラが生じ易いが、上述した本実施例の方
法を採用するとムラが生じにくいので、内側電極7の形
成に最適である。 (実験例)次に、本実施例の効果を確認するために行っ
た実験例について説明する。
ッキ)と、本発明の範囲の本実施例の方法の各々で、各
20個のサンプルを作製して、図4(a)に示す素子の
各位置A,B,C,Dにおけるメッキ膜厚を、蛍光X線
装置を用いて検量線法により測定した。
法の場合は、各位置A〜Dの全てにおいて、膜厚のばら
つきが多かったが、本実施例の方法(本方法)の場合
は、膜厚のばらつきが少なく好適であった。尚、本発明
は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しう
ることはいうまでもない。
子の多孔質電極のうち、特に内側電極の形成方法につい
て述べたが、外側電極の形成に適用できることは勿論、
酸素センサ以外の他のセラミック体(例えばアルミナ
板)の導電膜の形成に適用することができる。
状は、筒状、平板状、棒状、筒状等、種々の形態をとる
ことができるが、自動車用酸素センサとして用いる場合
は、一端を閉塞した筒状とすることが好ましい(図2参
照)。
金核の析出は、従来の様に溶液全体ではなく、セラミッ
ク体の表面のみで生じるので、浸透パスの表面を含むセ
ラミック体の表面に、ムラなく均一に白金核が付着する
という特長がある。よって、後に白金核を成長核として
無電解メッキによって形成される導電膜の密着性及び緻
密性に優れている。そのため、例えば激しい温度変化に
晒されても、導電膜が剥離し難く、例えば酸素センサに
適用する場合には、その測定精度や寿命の低下を防止で
きる。
発生しないので、溶液中に浮遊する白金が極端に少な
く、よって、装置に付着して装置を汚すことがない。ま
た、使用した白金溶液は、ほぼそのまま再利用できると
いう利点がある。この様に、本発明では、セラミック体
の表面にムラなく白金核を析出させることができ、しか
も、必要としない白金の析出を大きく抑制することがで
きるという顕著な効果を奏する。
る。
明図である。
測定位置を示す説明図、(b)は膜厚の測定結果を示す
グラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】 セラミック体の表面に導電膜を形成する
方法において、 (1)セラミック体表面をエッチングによって粗化する
工程と、 (2)前記粗化したセラミック体表面に、白金溶液を加
熱により含浸させる工程と、 (3)前記白金溶液を、前記セラミック体表面から抽出
する工程と、 (4)前記白金溶液を抽出したセラミック体表面に、還
元剤を接触させて、該セラミック表面上に白金核を析出
させる工程と、 (5)前記白金核が析出したセラミック体表面に、無電
解メッキを施して導電膜を形成する工程と、 を備えたことを特徴とするセラミック体の導電膜形成方
法。 - 【請求項2】 前記白金溶液を含浸させる際の加熱温度
が、70〜110℃であることを特徴とする請求項1に
記載のセラミック体の導電膜形成方法。 - 【請求項3】 前記白金溶液の抽出を、負圧を利用した
吸引により行なうことを特徴とする請求項1又は2に記
載のセラミック体の導電膜形成方法。 - 【請求項4】 前記還元剤を含む還元剤溶液の濃度が、
2〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3の
いずれかに記載のセラミック体の導電膜形成方法。 - 【請求項5】 前記還元剤を含む還元剤溶液を、50〜
90℃に加熱することを特徴とする請求項1〜4のいず
れかに記載のセラミック体の導電膜形成方法。 - 【請求項6】 前記還元剤が、ヒドラジンであることを
特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のセラミック
体の導電膜形成方法。 - 【請求項7】 前記無電解メッキを行なう際に用いる無
電解メッキ液が、白金アンミン化合物とヒドラジンとを
含む溶液であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
かに記載のセラミック体の導電膜形成方法。 - 【請求項8】 前記無電解メッキ液は、白金が3〜30
g/L、ヒドラジンが2〜20重量%であることを特徴
とする請求項7に記載のセラミック体の導電膜形成方
法。 - 【請求項9】 前記セラミック体が、ジルコニア固体電
解質からなる酸素検出素子であることを特徴とする請求
項1〜8に記載のセラミック体の導電膜形成方法。 - 【請求項10】 前記酸素検出素子が、一端が閉塞され
た筒状であり、前記導電膜が、該酸素検出素子の内側及
び外側の多孔質電極のうち、内側電極であることを特徴
とする請求項9に記載のセラミック体の導電膜形成方
法。
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JP6001798 | 1998-03-11 | ||
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JP18267998A Expired - Fee Related JP3670846B2 (ja) | 1998-03-11 | 1998-06-29 | セラミック体の導電膜形成方法 |
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