JPH11325378A - マリンホース損傷検知用損傷検知装置 - Google Patents

マリンホース損傷検知用損傷検知装置

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JPH11325378A JP10135438A JP13543898A JPH11325378A JP H11325378 A JPH11325378 A JP H11325378A JP 10135438 A JP10135438 A JP 10135438A JP 13543898 A JP13543898 A JP 13543898A JP H11325378 A JPH11325378 A JP H11325378A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マリンホースに周囲の水の侵入や、輸送液体洩
れを起こしたことを非接触的に検知できるマリンホース
損傷検知用損傷検知装置を提供する。 【解決手段】浮揚手段4及び2重にカーカス層3c,3
fを設けたマリンホース1において、前記2重のカーカ
ス層の間に取付けた損傷検知センサ7は、制御手段7d
に制御される送受信手段7c及び異常検出スイッチ7b
を有し、読出器8出部の送信指令信号に応動して平常時
の応答信号と、液体によって膨張材9dが膨張すると異
常検出スイッチ7bが切り換わり、異なる応答信号を出
力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マリンホース損傷
検知用損傷検知装置に関し、更に詳細には、マリンホー
スのホースが損傷したことを非接触検知することができ
る受動型送信器付きマリンホース損傷検知用損傷検知装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原油の輸送は一度に何万屯もの量を扱う
タンカーの積み出し・積み下ろしなどの荷役は、一般
に、タンカーをある程度の沖合に停泊させ、陸地から所
定距離離れた沖合にブイを設置し、該ブイと陸地との間
は海底に敷設したホースで接続し、該ブイと船舶との間
をいわゆるマリンホースで接続し、荷役することは知ら
れている。
【0003】そして、前記マリンホースには、水面に常
時浮くようにしたフローティングタイプの他に、波など
でホースに応力が作用し疲労することを防ぐために、使
用しないときには海底に沈めておくようにした浮沈ホー
スなど、各種のホースが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで原油をタンカ
ーに積み荷・積み下ろしするには、通常何日も水面にマ
リンホースを浮遊させる必要がある。そのため、夜間に
はマリンホースが全く見えなくなり、港湾作業船などの
小型船舶がホースに乗り上げたり、潮流や波によりホー
スに無理な応力が掛かるなど、使用中のホースが損傷を
受け、耐用年数が減少するという問題がある。
【0005】そのため夜間は、サーチライトなどによっ
てマリンホースを照らし出す設備を設ける港もあるが、
経済的な理由などでかかる設備がない場合も多い。その
改善策として、例えば特開昭55−33946号公報に
提案された手段は、洩れ出した液体がホース端部に集ま
るように、ホースの外側に細長い弾性材を間隔を開けて
螺旋状に巻き付けて漏出液体用通路を形成し、ホース端
部に形成した油溜に、圧力スイッチなどの漏洩検知器を
取付け、前記洩れ出た液体が油溜に流入すると、無線通
信によって油洩れを通報するようにしたものである。
【0006】しかしながらこの先行技術は、ホース構造
が複雑になり、生産コストの上昇などの問題がある。本
発明は、以上の問題点に着目して成されたものであり、
マリンホースが損傷し、周囲の海水がホース内に侵入し
たり、ホース内を輸送する石油その他の液体が内面ライ
ニング層の損傷等によりホース内部に漏出したことを非
接触的に検知することのできるマリンホース損傷検知用
損傷検知装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明のマリンホース損傷検知用損傷検知装置は、
マリンホースの内部に具えられた損傷検知センサと、前
記マリンホースから離れた位置に具えられた損傷有無読
出器とから構成され、前記損傷検知センサは、異常検知
手段、第1制御手段により制御される第1送受信手段及
びアンテナを具え、前記第1制御手段は、前記損傷有無
読出器からの制御信号により前記異常検知手段が検知す
る異常信号を前記アンテナから送信するように第1送受
信手段を制御し、前記異常検知手段は、前記マリンホー
スが損傷し、ホース内に侵入又はホース本体から流出す
る液体によって膨張する膨張材によって接点が切り替わ
るスイッチにより異常を検知し、前記損傷有無読出器
は、第2制御手段により制御される第2送受信手段及び
前記第1送受信手段が送信する異常信号を記憶する記憶
手段を有するものである。
【0008】マリンホースは、一般に前記のとおり通常
は港湾において石油、溶剤などの輸送に使用するもので
ある。したがって前記膨張材は、海水による膨張材及び
油又は溶剤による膨張材が使用される。
【0009】海水による膨張材としては特に限定はない
が、例えば水膨潤ゴムを使用することができる。水膨潤
ゴムは、水補足物質が溶け出さないように親水性高分子
をゴムに混入し、好ましくは架橋構造としたものを使用
することができる。前記親水性高分子としては、ポリエ
チレンオキシド、ポリビニルアルコール、セルロースエ
ーテル、デンプンなどの非電解質高分子、ポリアクリル
酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルピリジン、マ
レイン酸無水物、カルボキシメチルセルロースなどの電
解質高分子があり、電解質を溶存する海水には非電解質
高分子の使用が好ましい。
【0010】油による膨張材としては特に限定はない
が、天然ゴム、ブチルゴム等の油膨潤性ゴムを使用する
ことができる。マリンホース内に前記損傷検知センサを
配置する部位は、特に限定されないが、損傷検知センサ
を配置した位置から離れた部位で、内面ライニングが損
傷し輸送液体がホース内に漏出したり、外皮が損傷し海
水がホース内に侵入したりすると、この漏出又は侵入し
た液体がホース内を浸透し、少なくとも比較的容易に達
することのできるホース内部位に設けることが好まし
い。例えば、ホース内に設けたスポンジからなる緩衝層
内に配置するなどである。
【0011】前記損傷検知センサ及び損傷検出部の基本
回路は、送信指令に基づいて応答・送信する手段には特
に限定はないが、送信指令信号を受けると、電磁誘導に
より発生したエネルギーにより発信動作をする無線送受
信手段、いわゆるトランスポンダとして従来から知られ
ているものを使用することができる。また、送信・受信
の制御は、マイクロコンピュータによって行わせること
ができる。また送信指令があったときに送信する信号と
しては、当該ホースの登録ナンバー、1本のホースに複
数か所取付けてある場合にはその識別符合などである。
【0012】前記損傷検知センサと損傷有無読出器との
送受信可能距離(通常20cm程度)に近着けるために、
例えば損傷有無読出器を持ったダイバーが前記送受信可
能距離までマリンホースの損傷検知センサの取付け位置
まで近着き、送信指令信号を出力することができる。そ
のため、水中で損傷有無読出器を扱うため、従来から使
用されている片手で操作できるピストル型の損傷検出部
を使用することが好ましい。但し、本発明はこれに限定
されず、船上から操作できるように長い柄の先に損傷有
無読出器を取付ける、損傷有無読出器に更に強力な送受
信能力のあるものを使用し、より遠くから読みだしを行
わせるなど、各種の手段を用いることができる。
【0013】マリンホースが損傷を受け、海水の侵入、
輸送液体(主として原油)の漏出が生じた場合に、前記
異常検出スイッチが切り換わった場合に出力される信号
は、正常時と異なるものであればよく、送受信手段の送
信を不能にするものであってもよい。前記受信手段及び
記録手段を搭載する船舶としては、例えば作業船などで
あるが、本発明はこれに限定されない。
【0014】前記浮揚手段には特に限定はなく、通常使
用される従来のものをそのまま使用することができる。
即ち、常時浮遊するマリンホースの場合にはラバースポ
ンジなどの浮力材を用いたもの、また使用しないときは
海底に沈める浮沈式マリンホースの場合には、浮揚させ
る際に空気を吹き込む気室部分を設けた2重構造のもの
などである。
【0015】本発明に使用するマリンホースの構造には
特に限定はない。マリンホースは、一般に大口径のもの
であり、OCIMFホース・ガイド(Oil Companies In
ternationl Marine Forum Hose Guide)その他の規格に
基づいて製造したものであれば、いずれのものも使用す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下添付の図面を参照し、一実施
の形態により本発明を具体的に説明する。本実施の形態
に使用したマリンホース1は、OCIMFホース・ガイ
ドの規定に基づいて製造した長さ10.7mを有し、図
1に示すように、両側端部にフランジ2aを取付けた口
金2と、この口金2に嵌合するホース部3と、その周囲
を囲むラバースポンジなどからなる浮力材層4を設けた
ものであり、黒色の外皮ゴム層5の外側に、オレンジ色
に着色したオレンジストライプ6を、例えばジブラ模様
状に形成し、全体を加硫し一体としたものである。
【0017】先ず図2によって、本実施の形態に使用し
たマリンホース1の構造を説明する。前記ホース部3
は、液体が接する部分に例えばNBRなどの耐油性ゴム
からなるライニング層3aを設け、その表面部にナイロ
ンコードからなるブレーカ3bを配置し、その上をポリ
エステルなどの耐油性繊維で形成した補強用の第1カー
カス内側層3cを複数層(本実施の形態では3層)積層
し、その上に、ワイヤー3dを所定の間隔を開けて螺旋
状に巻き付け、その間にゴム3eを充填し、その上に第
1カーカス外側層3f(前記第1カーカス層3cと同様
の材料を使用)を複数層(本実施の形態では2層)を形
成し、その上にゴム層(NBR/NR)からなるカバー
3gで覆い、その上にスポンジからなる緩衝層3hで覆
い、更にその外側に第2ライニング層3j、ナイロンコ
ードからなるブレーカ3kを積層し、第2カーカス層3
mを被覆したものである。
【0018】あお、図2の固定リング3p、ワイヤー3
d及びニップルワイヤ3qによって、ライニング層3
a、ブレーカ3b、第1カーカス内側層3c、第1カー
カス外側層3f、第2カーカス層3mを口金2に固定し
ている。
【0019】そして損傷検知センサ7は、第1カーカス
外側層3f及び第2カーカス層3mの間の複数か所(例
えば2〜3か所)で、しかも薄肉となる部分に、第1送
受信部7cを外側に向けて配置し、加硫処理を行った。
なお、損傷検知センサ7は、耐熱性を与えるため、周囲
をエポキシ樹脂でコーティングし、200℃の温度に耐
える耐熱性を与えたものを使用した。図2に示す符号8
はピストル型損傷有無読出器であり、本実施の形態では
ダイバー(図示せず)が手で持ちながらマリンホース1
に近づいて送受信操作ができるようにしたものである。
【0020】次に図3及び図4によって本実施の形態に
使用した損傷検知センサ7及び損傷有無読出器8を説明
する。損傷検知センサ7は、アンテナ7a、異常検出ス
イッチ7b、第1送受信部7c、マイクロコンピュータ
(以下マイコン)からなる第1制御部7d及び記憶部7
eからなり、送信指令信号をアンテナ7aが受信する
と、アンテナ7aの電磁誘導作用により第1送受信部7
cにおいて信号が検波されると共に第1制御部7dが作
動し、記憶部7eに予め入力された応答信号(例えば本
損傷検知センサ7の登録番号など)を読み出し、第1送
受信部7cで変調しアンテナ7aから発信する。
【0021】損傷有無読出器8は、アンテナ8a、第2
送受信部8b、トリガー部8c、第2制御部8d及び記
憶部8eからなり、操作する作業者がトリガスイッチ8
fをオンすると、トリガー部8cから第2送受信部8b
をオンし、アンテナ8aから送信指令信号を発信させ
る。次いで、アンテナ8aが前記応答信号を受信する
と、第2送受信部8bが検波し、信号をマイコンからな
る第2制御部8dに入力し、記憶部8eに受信内容(前
記登録番号など)を入力する。
【0022】前記操作を複数のマリンホース1に設けら
れた損傷検知センサ7(通常1本のマリンホース1に複
数設置する)ごとに前記操作を繰り返し、その都度、前
記応答信号が記憶部8eに入力される。
【0023】ところで、当該マリンホース1が損傷し、
損傷検知センサ7の前記異常検出スイッチ7b(以下に
構造を説明する)に海水又は石油が侵入し、接点がオフ
されると回路が断線状態となる。したがって、記憶部8
eに予め入力されている当該損傷検知センサ、マリンホ
ースの登録番号などの応答信号を発信することができな
い。したがって、損傷有無検出器8は当該マリンホース
が損傷したことを検出することができる。
【0024】なお、スイッチ7bを介装する回路内位置
には特に限定はなく、損傷検知センサ7が作動不能とな
る位置とすればよい。次に本実施の形態で使用した前記
異常検出スイッチ7bを図4によって説明する。
【0025】図4において、異常検出スイッチ7b及び
損傷検知センサ7の他の構成部位は、ケーシング9内に
隔壁9aのよって互いに隔てられて取付けられている。
そして異常検出スイッチ7bの接点Aは隔壁9aに取付
けられており、もう一方の接
【0026】点Bは、駆動板9bに棒部材9cに固定さ
れ、隔壁9aと駆動板9bとの間に膨張材9dを介装
し、ケーシング9及び駆動板9bには、水及び油の侵入
を容易にするための透孔9eを開口している。
【0027】前記損傷検知センサ7は、水又は海水用の
ものと油・溶剤などの液体用のものとを別々に取り付け
てもよいが、膨張材9dに水膨張材及び油膨張材の両方
を一緒に使用し、水、油いずれが侵入しても一つの損傷
検知センサ7が検知できるようにすることもできる。使
用した水膨張材としては水膨潤ゴムを使用し、油膨張材
としては油配合量の少ない天然ゴム又はブチルゴム等の
油膨潤性ゴムを使用した。
【0028】そして,前記接点Aは隔壁9aを貫通して
設けた導体(図示せず)によって損傷検知センサ7の回
路に接続されており、また、接点Bは、図示しない可撓
性導線によって損傷検知センサ7の回路に接続されてい
る。なお図4の符合9fは膨張材9dの膨張と共に駆動
板9bが滑らかに移動させるガイドである。
【0029】異常検出スイッチ7bを以上のように構成
したために、マリンホース1が損傷し、水又は石油がケ
ーシング9内に進入すると、膨張材9dが膨張し、接点
A,Bが離れ、異常検出スイッチ7bがオフし、アンテ
ナ8aのコイルが断線したと同様となり損傷検知センサ
7は送信指令信号に応答できなくなる。
【0030】本実施の形態においては、敷設されたマリ
ンホース1の損傷有無検出作業が終了した後、陸上に有
るパソコンなどのホストコンピュータ10(図3)に、収
集したデータを転送する。ホストコンピュータ10に入力
されたデータに、応答記録のないマリンホース1又は損
傷検知センサ7を見い出すことによって損傷したマリン
ホース1を検出することができる。
【0031】図5に示す損傷検知センサ7は、別の実施
の形態を示すものであり、マリンホース1が損傷を受
け、センサ内に海水又は油が侵入すると、異常検出スイ
ッチ7bが開くようにしたものである。即ち、図5に示
す損傷検知センサ7は、マリンホース1に異常が無い場
合には接点A,Bが開いており、液体がセンサ内に侵入
すると、膨張材9dが膨張して接点Bを接点Aに押しつ
け回路を閉じ異常発生信号を出力できるようにしたもの
である。なお、図4に示した部材と同様の部材には同じ
符号を付し説明を省略する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明のマリンホー
ス損傷検知用損傷検知装置を構成したので、ホース自体
の構造を単純化することができるので生産コストの軽減
を図ることができ、しかも輸送液体洩れの有無を非接触
によって確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に使用したマリンホース
の側面図である。
【図2】図1の要部断面図である。
【図3】図1に示す実施の形態に使用したマリンホース
損傷検知用損傷検知装置の概要を説明するブロック回路
図である。
【図4】図3に示す損傷検知センサの断面図である。
【図5】別の実施の形態に使用した損傷検知センサの断
面図である。
【符号の説明】
1 マリンホース 3 ホース部 3c 第1カーカス内側層 3f 第1カーカ
ス外側層 3m 第2カーカス層 4 浮力材層 7 損傷検知センサ 7b 異常検出ス
イッチ A 接点 B 接点

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マリンホースの内部に具えられた損傷検
    知センサと、前記マリンホースから離れた位置に具えら
    れた損傷有無読出器とから構成され、前記損傷検知セン
    サは、異常検知手段、第1制御手段により制御される第
    1送受信手段及びアンテナを具え、前記第1制御手段
    は、前記損傷有無読出器からの制御信号により前記異常
    検知手段が検知する異常信号を前記アンテナから送信す
    るように第1送受信手段を制御し、前記異常検知手段
    は、前記マリンホースが損傷し、ホース内に侵入又はホ
    ース本体から流出する液体によって膨張する膨張材によ
    って接点が切り替わるスイッチにより異常を検知し、前
    記損傷有無読出器は、第2制御手段により制御される第
    2送受信手段及び前記第1送受信手段が送信する異常信
    号を記憶する記憶手段を有することを特徴とするマリン
    ホース損傷検知用損傷検知装置。
  2. 【請求項2】 前記膨張材が油膨潤ゴムである請求項1
    記載のマリンホース損傷検知用損傷検知装置。
  3. 【請求項3】 前記膨張材が水膨潤ゴムである請求項1
    記載のマリンホース損傷検知用損傷検知装置。
  4. 【請求項4】 前記損傷有無読出器は作業船上から操作
    可能にし、作業船又はダイバーが直接マリンホースに近
    着いて送信指令信号を出力するようにしたことを特徴と
    する請求項1、2又は3記載のマリンホース損傷検知用
    損傷検知装置。
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